JP5831565B2 - 車載通信機及び路側通信機 - Google Patents
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Description
かかる高度道路交通システムの一部を成す通信システムは、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、路側通信機が自己のダウンリンクエリアを簡易に推定することができる車載通信機及び路側通信機を提供することを目的とする。
この場合、例えば、中継数が初期値であれば、その車載通信機の位置がダウンリンクエリア内にあり、また、中継数が初期値より大きい値であれば、その車載通信機の位置がダウンリンクエリア外にある、という一つのエリア推定基準を路側通信機に持たすことができる。なお、例えば、中継数が(初期値+1)以下であればダウンリンクエリア内、また、中継数が(初期値+2)以上であればダウンリンクエリア外、というエリア推定基準を路側通信機に持たすことも可能である。
受信した複数の前記送信情報から取得した位置及び中継数の分布に基づいてダウンリンクエリアを推定する機能とを有する。
(4)また、上記(3)の路側通信機において、推定したダウンリンクエリアを目標となる所定のエリアに近づけるべく路側通信機の送信電力を調整するようにしてもよい。
この場合、ダウンリンクエリアの変化が生じても、送信電力の調整によって常に所定のエリアに近づけて維持することができる。
この場合、同一位置における受信電力の差を、送信電力の調整量の目安として把握することができる。また、ダウンリンクエリア内の車載通信機の数(車両数)が少なくても、送信電力の調整量の目安を把握することができる。
この場合、速度に配慮してアップリンク信号に基づく位置情報の信頼性に軽重をもたせることができる。
この場合、車両の移動と車載通信機の送信タイミングに配慮してアップリンク信号に基づく位置情報の信頼性に軽重をもたせることができる。
GPS衛星の捕捉数が多い方がGPS受信機で検出する位置の精度が高くなる。また、路側通信機から見たGPS衛星の数は、ダウンリンクエリア内の車載通信機から見たGPS衛星の数と同じである。従って、GPS衛星の捕捉数に配慮してアップリンク信号に基づく位置情報の信頼性に軽重をもたせることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る路側通信機を含む高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機2、車載通信機3(図2及び図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Jiの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
なお、図1及び図2では、図示を簡略化するために、各交差点Jiに信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点Jiには、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
中央装置4は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部を有しており、この制御部は、路側通信機2、路側センサ6からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
具体的には、中央装置4の制御部は、自身のネットワークに属する交差点Ciの交通信号機1に対して、同一道路上の交通信号機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を行うことができる。
信号制御指令S1は、前記系統制御や広域制御を行う場合の信号制御パラメータの演算周期(例えば、1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報S2は、例えば5分ごとに送信される。
図2は、上記高度道路交通システムの管轄エリアの一部を示す道路平面図である。
図2では、互いに交差する2つの道路の各々が上りと下りで片側1車線のものとして例示されているが、道路構造はこれに限られるものではない。
図2にも示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、車載通信機3との間で無線通信が可能な複数の路側通信機2と、キャリアセンス方式で他の通信機2,3と無線通信を行う移動無線送受信機の一種である車載通信機3と備えている。
各路側通信機2は、その周囲に広がるダウンリンクエリア(路側通信機2の送信信号が十分に届く範囲)をそれぞれ有し、自身のダウンリンクエリアを走行する車両5の車載通信機3に、ダウンリンク信号を受信させることができる。
なお、前記した通り、交通管制センターに設けられた中央装置4は、各路側通信機2と有線での双方向通信が可能となっているが、これらの間も無線通信であってもよい。
また、路側通信機2は、自身の送信タイミングを制御するために他の路側通信機2との時刻同期機能を有している。この路側通信機2の時刻同期は、例えば、自身の時計をGPS時刻に合わせるGPS同期や、自身の時計を他の路側通信機2からの送信信号に合わせるエア同期等によって行われる。
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、中央装置4と双方向通信する有線通信部22と、それらの通信制御を行うCPU等よりなる制御部23と、制御部23に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部24とを備えている。記憶部24は、制御部23が実行する通信制御のためのプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。
一方、車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30に接続された通信部(送受信部)31と、この通信部31に対する通信制御を行うCPU等よりなる制御部32と、この制御部32に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部33とを備えている。記憶部33は、制御部32が実行する通信制御のためのプログラムや、各通信機2,3の通信機ID等を記憶している。また、通信部31には、GPS受信機34及び速度センサ36が接続されている。GPS受信機34は、GPSアンテナ35により、複数のGPS衛星(図示せず。)からGPS信号を受信する。なお、GPS受信機34は、車載通信機3内に設けられるものであってもよい。
従って、車載通信機3の通信部31は、所定の搬送波周波数の受信レベルを常時感知しており、その値がある閾値以上である場合は無線送信を行わず、当該閾値未満になった場合にのみ無線送信を行うようになっている。
また、車載通信機3の制御部32は、他の車両5から直接受信した車両情報S3や、路側通信機2から受信した他の車両5の車両情報S3に含まれる、位置、速度及び方向に基づいて、右直衝突や出合い頭衝突等を回避するための安全運転支援制御を行うことができる。
図4に示すように、車載通信機3の送信信号には、プリアンブル、ヘッダ、データ、CRC(Cyclic Redundancy Check)が含まれている。
このうち、データには、車両5の位置、方向(進行方向)、速度、転送情報、中継数、その他が含まれる。車両5の位置や方向の情報は、GPS受信機34により、取得することができる。また、速度は、車両5の速度センサ36に基づいた情報である。なお、車両5の位置情報は、光ビーコン(図示せず。)から取得することもできる。
次に、上記高度道路交通システムの一部を成す本発明の第1実施形態に係る車載通信機及び路側通信機を含む通信システム(通信方法)について説明する。
図5は、路側通信機2からのダウンリンクと、車載通信機3からのアップリンクとを示す図である。路側通信機2から送信したダウンリンク信号を車載通信機3に受信させることが可能なエリアすなわちダウンリンクエリアは、例えば、図示の点線で示す領域である。ダウンリンク信号には前述の時刻情報が含まれている。ダウンリンクエリア内にある車両51,52の各車載通信機3は、ブロードキャストでアップリンク信号を送信しており、この中に、路側通信機2から受信した時刻情報と、それに関する中継数と、車載通信機3の位置情報とが含まれている。ここで、車両51,52の各車載通信機3は、路側通信機2から直接、時刻情報を受け取っているので、中継数は0である。
また、上記の例では、中継数0はダウンリンクエリア内で、中継数1以上はダウンリンクエリア外としたが、閾値設定は必ずしもこれに限定されない。例えば若干のばらつきを考慮して、中継数0及び1がダウンリンクエリア内で、中継数2以上はダウンリンクエリア外とすることも可能である。
一方、他の車載通信機3から受信した路側情報に対応する中継数が所定の閾値を超える場合は、当該路側情報は送信情報に含めない。
このようにすれば、閾値を超えてなお路側情報を車載通信機3が中継送信し続けるという事態を防止することができる。
次に、上記の考え方に基づくダウリンクエリア推定と、送信電力の調整について、具体的に説明する。
図6の(a)は、路側通信機2と、車載通信機3を搭載した車両51,52,54との位置関係を示し、(b)は、路側通信機2の全ダウンリンクエリアのうち、路上の一方向へ拡がるダウンリンクエリアに着目した形状イメージを平面的に表した図である。基準エリアとしてのダウンリンクエリアAは、規格により、例えば、路側通信機2から200mを最遠端とする大きさである。
《ダウンリンクエリア推定の考え方》
ダウンリンクエリア推定の考え方は、第1実施形態と同様であるが、第2実施形態ではさらに、路側通信機2における受信電力を考慮する。
図8の(a)は、路側通信機2と、車載通信機3を搭載した車両51〜54との位置関係を示し、(b)は、路側通信機2の全ダウンリンクエリアのうち、路上の一方向へ拡がるダウンリンクエリアに着目した形状イメージを平面的に表した図である。
このように設定した後、路側通信機2は、第1実施形態と同様に、中継数0の情報が届く最遠端の位置を監視する。また、受信できる範囲内で、位置と、受信電力とのマップを監視する。
さらに、ダウンリンクエリアの最遠端がどこか、という情報が正確に入手できなくても、入手できた情報の範囲で、ダウンリンクエリアを推定し、同じ位置での受信電力が等しくなるように送信電力の調整量の目安を把握することができる。また、ダウンリンクエリア内の車載通信機3の数(車両数)が少なくても、送信電力の調整量の目安を把握することができる。
なお、電力差の比較は、エリア内のどこを対象としてもよいし、エリア全体の電力差の平均値でもよい。但し、なるべくは、比較できるうちの最遠端での電力差を比較することが好ましい。
なお、上記各実施形態のダウンリンクエリア推定は車載通信機3の位置に基づいている。従って、アップリンク信号に基づく位置情報が高精度であることが重要である。しかし、一般に、車両の速度が速いほどGPS受信機34(図3)による位置検出の誤差が大きくなる傾向があるので、その点を考慮する必要がある。例えば、車載通信機3から送信されてくる情報(車両情報S3)に含まれる速度が所定値以上であれば、位置情報は採用しない、という処理をしてもよい。
3 車載通信機
25 GPS受信機
Claims (6)
- 車載通信機に受信させるためのダウンリンク信号を送信可能であるともに、送信された前記ダウンリンク信号に基づいて用意した路側情報及び前記車載通信機の位置情報を含む送信情報を複数の前記車載通信機から受信可能な路側通信機であって、
前記車載通信機が前記路側情報を他の車載通信機を中継して受信したときは中継数に関する情報が含まれた前記送信情報を受信し、前記車載通信機が前記路側通信機から直接に前記路側情報を受信したときは初期値に設定した中継数が含まれた前記送信情報を受信する機能と、
受信した複数の前記送信情報から取得した位置及び中継数の分布に基づいてダウンリンクエリアを推定する機能とを有する路側通信機。 - 推定したダウンリンクエリアを目標となる所定のエリアに近づけるべく送信電力を調整する請求項1に記載の路側通信機。
- 目標とするダウンリンクエリア及び推定するダウンリンクエリアは共に、前記車載通信機の位置と当該位置からの受信電力とのマップとして表されるものであり、
前記送信電力の調整量を、2つのダウンリンクエリアの同一位置における受信電力の差に基づいて決定する請求項2に記載の路側通信機。 - ダウンリンクエリアを推定するにあたって、前記車載通信機から送信される速度情報を参酌する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の路側通信機。
- ダウンリンクエリアを推定するにあたって、同一の車載通信機から前記位置情報を受け取る時間差を参酌する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の路側通信機。
- GPS受信機を備え、ダウンリンクエリアを推定するにあたって、GPS衛星の捕捉数を参酌する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の路側通信機。
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