以下、データ収集システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における生産システムの基本構成図である。本生産システムは、1以上の生産装置11、1以上のシーケンサ12、1以上のデータ収集システム13、1以上の出力装置14を具備する。通常、生産装置11、シーケンサ12、出力装置14は、セットになっている。本生産システムにおいて、生産装置11、シーケンサ12、出力装置14の、1以上のセットに対して、一のデータ収集システム13が組み込まれている。また、生産装置11、シーケンサ12、出力装置14の各セットは、例えば、既に稼動している生産設備である。
生産装置11は、電気機器や機械やその他の製品や部品等を生産する装置であり、その生産する物品は問わない。
シーケンサ12は、入力機器の指令信号(例えば、ON/OFF)などに応じて、出力機器をON/OFFすることにより、シーケンス制御を実現する専用コントローラ(計算機)である。ここでは、シーケンサ12は、生産装置11の稼動に関する情報である接点情報を受け付け、出力装置14に渡し、出力装置14を制御する。また、シーケンサ12は、プログラマブルコントローラ(PC)、シーケンスコントローラ、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)など、生産装置11の一連の制御監視を行うすべてのコントローラやコンピュータを含む。接点情報とは、例えば、ブザーのON/OFFを示す情報、赤や黄や緑などの色の警告灯(例えば、LEDや蛍光灯で実現。)などの点灯、点滅、消灯などを示す情報、生産装置11における物品の生産数を示す情報などである。接点情報のデータ構造は問わない。
データ収集システム13は、生産装置11の稼動に関する情報である接点情報を取得し、解析することにより、生産装置11の稼動状態を把握するためのシステムである。接点情報は、1以上の接点から取得される情報である。接点情報を構成する各接点の情報は、ONまたはOFFのパルスの情報である。データ収集システム13は、生産装置11と当該生産装置11の稼動に関する情報である接点情報を出力する出力装置14との間に設置される。この「間」とは、空間的な間ではなく、データ収集システム13の少なくとも一部の装置(ここでは、後述する分岐装置131)が、生産装置11からの信号を得て、出力装置14に転送する、という意味である。ここでの転送は、得た信号をそのまま渡しても良いし、加工して渡しても良い。また、ここでは、データ収集システム13は、接点情報をシーケンサ12から受け付ける。なお、データ収集システム13は、生産装置11から、直接に接点情報を受け付ける構成でも良い。かかる場合、シーケンサ12は不要である。
出力装置14は、接点情報を出力する。出力装置14は、例えば、接点情報を警告灯(例えば、LEDで実現されている。)に出力したり、ブザー音で出力したりする。その他、出力装置14における接点情報の出力態様は問わない。出力とは、他の装置(例えば、表示手段を有する装置)への送信、記録媒体への蓄積なども含む概念である。
データ収集システム13は、1以上の分岐装置131、1以上のネットワーク装置132、データ収集装置133、解析装置134を具備する。データ収集システム13において、分岐装置131とネットワーク装置132は、通常、1セットになっている。また、データ収集システム13は、通常、2セット以上の分岐装置131およびネットワーク装置132と、一のデータ収集装置133と、一の解析装置134を具備する。
分岐装置131は、生産装置11における稼動に関する情報である接点情報を取得し、当該接点情報を出力装置14に転送するとともに、ネットワーク装置132に送信する。本実施の形態において、分岐装置131は、接点情報から生産装置の状態に関する情報である状態情報を取得し、当該状態情報をコード化し、コード化された情報である接点関連情報をネットワーク装置132に送信する。分岐装置131は、通常、接点情報を何ら加工等せずに、出力装置14に転送するが、接点情報を加工して、データ構造等を変更して、出力装置14に転送しても良い。なお、接点関連情報は、時刻に関する情報である時刻情報を有することは好適である。この時刻情報は、対応する状態情報が示す状態が発生した時刻である。
ネットワーク装置132は、分岐装置131から送信された接点関連情報を受信し、データ収集装置133に送信する。受信した接点関連情報と送信する接点関連情報は、同一のデータ構造でなくても良い。
データ収集装置133は、ネットワーク装置132から送信された接点関連情報を受信し、蓄積する。
解析装置134は、データ収集装置133に格納されている接点関連情報を取得し、解析処理する。
図2は、データ収集システム13を構成する分岐装置131のブロック図である。分岐装置131は、接点情報取得部1311、状態認識部1312、状態コード化部1313、出力部1314、コードマップ設定部1315、バッファ蓄積量計測部1316を具備する。
状態コード化部1313は、コードマップ記憶手段13131、接点関連情報取得手段13132を具備する。
接点情報取得部1311は、生産装置11から、間接的または直接に、接点情報を取得する。ここでは、接点情報取得部1311は、生産装置11の接点情報を、シーケンサ12から取得する。接点情報取得部1311は、シーケンサ12から接点情報を受信しても良いし、シーケンサ12に格納されている接点情報を読み出しても良い。接点情報取得部1311における接点情報の取得方法は問わない。接点情報取得部1311は、シーケンサ12から入力された接点情報を分岐し、一方は出力装置14へ直接出力するために出力部1314に、他方は状態認識するために状態認識部1312へ送信する。また、接点情報取得部1311は、後述するバッファ蓄積量計測部1316が計測したバッファ蓄積量を含む接点情報を取得することは好適である。なお、バッファ蓄積量とは、生産装置11の停止発生時にバッファに蓄えられているワークの数を示す情報であり、バッファセンサにより計測され、取得される情報である。また、バッファ蓄積量は、変化する情報である。接点情報取得部1311は、MPUやメモリ等から実現され得る。また、接点情報取得部1311は、無線または有線の受信手段で実現されても良い。接点情報取得部1311の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態認識部1312は、接点情報取得部1311が取得した接点情報から生産装置11の状態に関する情報である状態情報を取得する。状態は、例えば、オンまたはオフの2つの状態のうちのいずれかを採り得るブザーの状態、および、点灯または点滅または消灯の3つの状態のうちのいずれかを採り得る3種類の警告灯(例えば、色が赤、黄、緑で識別される)の状態である。状態は、かかる複数種類の媒体(ブザー、警告灯など)の各々の状態の組み合わせである、と考えても良い。全状態の組み合わせである状態パターンは、例えば、10種類である。状態の具体例については、さらに、後述する。また、状態情報は、接点情報取得部1311が取得した接点情報から取得され得る生産装置11の状態に関する情報である。状態情報は、ここでは、ブザーの状態の変化および警告灯の状態の変化とは非同期に発生する情報である非同期情報を含む。非同期情報は、例えば、生産装置11における生産数に関する情報である生産数情報である。非同期情報は、例えば、生産装置11に設置されている金型の切り替えの情報や、生産装置11で使用する樹脂の切り替えの情報、一度不良品となったものを修正して再投入する際の再投入情報、段取り替えを実施した際の段取り替え情報などである。状態認識部1312は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態認識部1312の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態コード化部1313は、状態認識部1312が取得した状態情報をコードである接点関連情報に変換する。状態認識部1312が取得した状態情報が非同期情報を含む場合に、状態コード化部1313は、状態認識部1312が取得した非同期情報以外の他の状態情報に関わらず、所定の値のコードである接点関連情報に変換する。状態コード化部1313は、非同期情報以外の他の状態情報を欠落させて、非同期情報のみからコードである接点関連情報を構成する。かかる場合、非同期情報以外の他の状態情報は、先の状態と変更がない、として、解析装置134等で取り扱われる。状態コード化部1313が具体的に、状態情報を接点関連情報に変換する方法は、後述する。状態コード化部1313は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態コード化部1313の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
コードマップ記憶手段13131は、n(nは2以上の整数)種類の情報のON/OFFの状態の情報である状態情報と、(n−1)bit以下のbit数のコードである接点関連情報との対応を示す情報であるコードマップを格納している。コードマップのデータ構造は問わない。コードマップにおいて、状態情報と接点関連情報との対応付けが可能であれば良い。また、状態情報は、n種類の情報の「ON/OFF」のパターンである。状態情報は、例えば、所定数の物品の生産が完了したことを示す情報、ブザーのON/OFF、赤のLEDのON/OFF、黄のLEDのON/OFF、緑のLEDのON/OFFの5種類の情報のON/OFFパターンである。そして、接点関連情報は、4bitの情報である。コードマップ記憶手段13131は、ハードディスクやROM等の不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAM等の揮発性の記録媒体でも実現可能である。
接点関連情報取得手段13132は、状態認識部1312が取得した1以上の状態情報に対応する接点関連情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。なお、接点関連情報取得手段13132は、外部に存在するコードマップを検索し、状態情報をキーに接点関連情報を取得しても良い。かかる場合、分岐装置131は、コードマップ記憶手段13131を有しない。接点関連情報取得手段13132は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。接点関連情報取得手段13132の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力部1314は、接点情報取得部1311が取得した接点情報を出力装置14に転送し、かつ、接点情報に関する情報である接点関連情報をネットワーク装置132に送信する。出力部1314は、通常、接点情報取得部1311が取得した接点情報を出力装置14に転送し、かつ、状態コード化部1313が変換して得た接点関連情報をネットワーク装置132に送信する。出力部1314は、無線または有線の通信手段や、放送手段で実現され得る。
コードマップ設定部1315は、コードマップをコードマップ記憶手段13131に蓄積する。コードマップ設定部1315は、例えば、キーボードやマウスなどの入力手段からのコードマップの入力を受け付け、コードマップ記憶手段13131に蓄積する。なお、コードマップ設定部1315は、キーボードやマウスなどの入力手段を含むと考えても良い。
バッファ蓄積量計測部1316は、1以上の生産装置11のバッファ蓄積量を計測する。バッファ蓄積量の決定方法はラインの特性に応じて下記のいずれの方法を用いてもよい。つまり、バッファ蓄積量計測部1316は、ボトルネックの箇所が特定されている場合は、ボトルネックの前の生産装置11はバッファが常に満杯(バッファ蓄積量=バッファ許容量)とし、ボトルネックの後ろの生産装置11はバッファが常に空(バッファ蓄積量=0)としても良い。また、バッファ蓄積量計測部1316は、実際にライン上でのバッファ蓄積量を測定し、測定実績の平均をバッファ蓄積量としても良い。また、バッファ蓄積量計測部1316は、ラインにバッファセンサを取り付け、蓄積量をカウントし、当該蓄積量をバッファ蓄積量としても良い。なお、バッファセンサによる方法が、最も正確に測定が可能な方法である。バッファ蓄積量計測部1316は、例えば、バッファセンサとドライバーソフトにより実現され得る。バッファセンサとは、バッファの入口および出口に設置されるセンサである。入口および出口に設置されるバッファセンサは、それぞれ光電センサなどのワーク検知用センサである。入口および出口のセンサにはカウンタがつながっており、ワークを検知するとカウンタがカウントアップされる。カウントアップの機構は、公知技術であり、いかなる機構でも良い。また、ある時刻tにおける入口と出口のカウンタの値をCent(t),Cext(t)とすると、ある時点でのバッファ蓄積量B(t)は、算出式「B(t) = Cent(t) - Cext(t)」で表すことができる。バッファ蓄積量は、バッファにあるワークの個数である。
ネットワーク装置132は、第一接点関連情報受信部1321、第一接点関連情報送信部1322を具備する。
第一接点関連情報受信部1321は、分岐装置131から接点関連情報を受信する。第一接点関連情報受信部1321は、無線の通信手段が好適であるが、放送を受信する手段や有線の通信手段でも実現可能である。
第一接点関連情報送信部1322は、第一接点関連情報受信部1321が受信した接点関連情報をデータ収集装置133に送信する。第一接点関連情報送信部1322は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。なお、第一接点関連情報受信部1321が受信した接点関連情報と、第一接点関連情報送信部1322が送信する接点関連情報は、通常、同一のデータ構造であるが、ネットワーク装置132においてデータ構造の変換等を行っても良い。
図3は、データ収集装置133の構成を示すブロック図である。データ収集装置133は、稼動情報ログ記憶部1331、第二接点関連情報受信部1332、稼動情報ログ蓄積部1333を具備する。
稼動情報ログ記憶部1331は、接点関連情報が格納され得る。稼動情報ログ記憶部1331は、ハードディスク等の不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAM等の揮発性の記録媒体でも実現可能である。
第二接点関連情報受信部1332は、ネットワーク装置132から接点関連情報を受信する。第二接点関連情報受信部1332は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
稼動情報ログ蓄積部1333は、第二接点関連情報受信部1332が受信した接点関連情報を稼動情報ログ記憶部1331に蓄積する。稼動情報ログ蓄積部1333は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。稼動情報ログ蓄積部1333の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
図4は、データ収集システム13を構成する解析装置134のブロック図である。解析装置134は、指示受付部1341、接点関連情報取得部1342、補正部1343、解析部1344、解析結果出力部1345を具備する。
解析部1344は、コードマップ記憶手段13131、状態デコード手段13441、作業員移動時間情報取得手段13442、復旧作業時間情報取得手段13443、稼動情報統計処理手段13444、区分情報格納手段13445、対応付データ受付手段13446、伝搬時間算出手段13447、伝搬時間情報格納手段13448、状態対応付手段13449、影響度算出手段13440を具備する。
解析結果出力部1345は、移動時間ヒストグラム出力手段13451、復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452、統計処理結果出力手段13453を具備する。
指示受付部1341は、解析処理の開始の指示を受け付ける。指示の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。指示受付部1341は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。なお、解析装置134は、指示受付部1341が解析処理の開始の指示を受け付けたことをトリガーとして、解析を開始しても良いし、所定の時刻になった場合等に、自動的に解析を開始しても良い。
接点関連情報取得部1342は、稼動情報ログ記憶部1331から1以上の接点関連情報(以下、適宜、「稼動情報ログ」という。)を取得する。接点関連情報取得部1342が接点関連情報を取得するトリガー、タイミングは問わない。通常、指示受付部1341がユーザの指示を受け付けた場合、接点関連情報取得部1342は、接点関連情報を取得する。接点関連情報取得部1342は、通常、データ収集装置133から、稼動情報ログを通信手段により受信する。ただし、解析装置134が、データ収集装置133から切り離されており、スタンドアロンの装置でも良い。かかる場合、接点関連情報取得部1342は、記録媒体に蓄積されている接点関連情報を取得する。接点関連情報取得部1342は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
補正部1343は、状態認識部1312が状態情報を取得する時間に基づいて、接点関連情報が有する時刻情報を補正する。状態認識部1312が状態情報を取得する時間は、通常、予め補正部1343が保持している。ただし、補正部1343は、例えば、分岐装置131から送信され、データ収集装置133に蓄積されている状態情報を取得する時間に基づいて、時刻情報を修正しても良い。補正部1343は、状態認識部1312が状態情報を取得する時間だけずらして、生産装置11の異常が発生した時刻や、作業員がブザー停止のボタンを押下した時刻や、復旧作業が開始された時刻や、復旧作業が終了した時刻などを補正する。かかる補正部1343の補正は、時刻補正であるので、作業員移動時間情報、および復旧作業時間情報が時刻情報を具備する場合に、正確な時刻を取得でき、有効である。補正部1343は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。補正部1343の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。また、補正部1343が行う補正は、状態デコード手段13441が取得した1以上の状態情報に対して行っても良い。つまり、補正部1343が行う時刻情報の補正処理のタイミングは問わない。
解析部1344は、接点関連情報取得部1342が取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する。解析部1344は、具体的には、例えば、2以上の接点関連情報(適宜、「稼動情報ログ」とも言う。)に基づいて、作業員の移動時間に関する情報である作業員移動時間情報と、復旧作業時間に関する情報である復旧作業時間情報を取得する。解析部1344は、具体的には、例えば、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするために、1以上の接点関連情報を統計処理し、統計データを取得する。また、解析部1344は、具体的には、例えば、生産ライン上の一の生産装置11の前後の工程の生産装置への当該一の生産装置11の停止の影響の伝搬時間に関する情報である伝搬時間情報を格納しており、当該伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置11の接点関連情報の間の対応付けを行う。また、解析部1344は、具体的には、例えば、2以上の生産装置の接点関連情報の間の対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する。解析部1344の処理手順の具体例は後述する。解析部1344は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。解析部1344の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態デコード手段13441は、接点関連情報取得部1342が取得した1以上の接点関連情報に対応する1以上の状態情報を、コードマップ記憶手段13131のコードマップを検索し、取得する。状態デコード手段13441は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態デコード手段13441の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
作業員移動時間情報取得手段13442は、状態デコード手段13441が取得した1以上の状態情報に基づいて、ブザーがオンになってからオフになるまでの時間に関する情報である作業員移動時間情報を取得する。作業員移動時間情報取得手段13442は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。作業員移動時間情報取得手段13442の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
復旧作業時間情報取得手段13443は、2以上の接点関連情報に基づいて、ブザーがオンからオフになった後、生産装置11が正常に稼動するまでの時間に関する情報である復旧作業時間情報を取得する。ブザーをオンからオフにするのは、通常、復旧作業にあたる作業員である。ブザーをオフにする操作部(例えば、ボタンやスイッチなど)は、通常、生産装置11が有している、または、生産装置11の周辺に設置されている。そして、作業員は、通常、ブザーをオフにする操作部を操作し、ブザーをオフにする。そして、例えば、シーケンサ12が、ブザーをオフにする操作部が操作されたことを検知し、分岐装置131に渡す。復旧作業時間情報取得手段13443は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。復旧作業時間情報取得手段13443の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
稼動情報統計処理手段13444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。稼動情報統計処理手段13444は、例えば、生産装置11ごとに、各状態情報が示す状態の持続時間の合計を算出する。稼動情報統計処理手段13444は、例えば、状態情報が示す状態の持続時間とその頻度を算出し、後述する区分情報に基づいて、各生産装置11の各状態の持続時間とその頻度を、区分情報が示す区分(グループ)に分類する。
区分情報格納手段13445は、稼動情報統計処理手段13444が統計処理を行う区分についての情報である区分情報を格納している。区分情報は、例えば、ある状態(例えば「前工程からのワーク供給なし」の状態)が持続する時間である持続時間により故障を分類するための情報であり、「1分以内から10分以内、まで、1分毎」といった情報である。
対応付データ受付手段13446は、伝搬時間情報を算出する元になるデータである対応付データを受け付ける。対応付データ受付手段13446は、少なくともバッファ蓄積量を含む対応付データを受け付ける。対応付データの入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。対応付データ受付手段13446は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
なお、対応付データは、例えば、各生産装置のタクトタイム、各生産装置のバッファ許容量、各生産装置の現在のバッファ蓄積量、各生産装置のワーク搬送時間、各生産装置の後工程復旧伝搬時間、ON時間最小値、停止要因などの情報を含む。
各生産装置のタクトタイムとは、生産装置11が一つのワークを処理する時間である。つまり、タクトタイムとは、ワーク1個が生産装置11を通過するのにかかる時間であり、設計上の理論値を用いてもよいし、実測値を用いてもよい。
各生産装置のバッファ許容量は、生産装置11の手前にあり、生産装置11が蓄えることができるワークの数を示す情報である。バッファ許容量は、通常、設計上の値であり、生産装置11ごとに決められている。
各生産装置の現在のバッファ蓄積量は、現在、生産装置11が蓄えているワークの量を示す情報である。バッファ蓄積量の詳細は、上述した通りである。
各生産装置のワーク搬送時間は、ワークがある工程の生産装置11(Ek−1)から次の工程の生産装置11(Ek)に搬送されるのにかかる時間である。ワーク搬送時間は、設計上の理論値を用いてもよいし、実測値を用いてもよい。
後工程復旧伝搬時間は、生産装置11(Ek+1)が停止し、そのためにその直前の工程の生産装置11(Ek)が停止した場合、生産装置11(Ek+1)が再稼働してから生産装置11(Ek)が再稼働するまでにかかる時間である。後工程復旧伝搬時間の値の決定方法は下記のいずれを用いてもよい。つまり、例えば、後工程復旧伝搬時間は、予め決められた設計上の理論値である。また、後工程復旧伝搬時間は、例えば、実際にライン上で生産装置11(Ek+1)が復旧してから生産装置11(Ek)が復旧するまでにかかる時間を時計計測し、その平均値を後工程復旧伝搬時間としても良い。後工程復旧伝搬時間は、しかかり個数から算出されても良い。具体的には、しかかり個数はバッファ蓄積量同様に計測、もしくは定義される。そして、後工程復旧伝搬時間は、式「(後工程復旧伝搬時間)= 生産装置11(Ek+1)がしかかりを処理する時間)」により算出されても良い。また、例えば、バッファにワークが満杯になることを検知する満杯検知センサ(これがトリガーになり生産装置11(Ek)が後工程ワーク満杯となり停止する)と、生産装置11(Ek+1)が復旧しバッファのワークがある程度処理されたことを検知する復旧センサ(これがトリガーになり生産装置11(Ek)が後工程ワーク満杯から正常稼動に復旧する)が異なる場合は、式「(後工程復旧伝搬時間)={(しかかり個数)+(センサ間滞留量)}×(生産装置11(Ek+1)のタクトタイム)」により、後工程復旧伝搬時間は算出される。ここで、「しかかり個数」は、生産装置11(Ek)が後工程満杯になった時点で搬送路上にあり、バッファに到達していないワークの数である。また、「センサ間滞留量」は、満杯検知センサと復旧センサの間に滞留しているワークの数である。
ON時間最小値は、正常であるとみなす最小の時間の値である。ON時間最小値は、通常、予め決められている。
停止要因は、例えば、作業員が図示しない入力手段により入力した情報である。さらに具体的には、停止要因は、例えば、自停止の対処時に作業員が自停止発生要因をキーボードで入力する、もしくはマウス操作によりプルダウンメニューから選択する、もしくは頻発する停止要因ごとのボタンが設備に設置してあり、このボタンを押下するなどの方法により入力した情報である。
伝搬時間算出手段13447は、対応付データ受付手段13446が受け付けた対応付データを用いて、伝搬時間を算出し、伝搬時間情報を得る。伝搬時間情報は、生産ライン上の一の生産装置11の前後の工程の生産装置への当該一の生産装置11の停止の影響の伝搬時間に関する情報である。前後の工程の生産装置とは、1以上の前工程の生産装置、および1以上の後工程の生産装置である。伝搬時間算出手段13447が伝搬時間を算出する具体的なアルゴリズムの例は、後述する。伝搬時間算出手段13447は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。伝搬時間算出手段13447の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
伝搬時間情報格納手段13448は、伝搬時間情報を1以上、生産装置11に対応付けて、少なくとも一時格納している。伝搬時間算出手段13447が伝搬時間情報を得た場合、伝搬時間情報格納手段13448が格納している伝搬時間情報は、伝搬時間算出手段13447が算出し、得た伝搬時間情報である。なお、伝搬時間情報格納手段13448は、予め決められた伝搬時間情報を格納していても良い。かかる場合、伝搬時間算出手段13447は、不要である。伝搬時間情報格納手段13448は、不揮発性の記録媒体でも、揮発性の記録媒体でも良い。
状態対応付手段13449の詳細な構成を示す図を、図5に示す。状態対応付手段13449は、第一前処理手段134491、第一状態検索手段134492、状態対応付ルール格納手段134493、状態対応情報生成手段134494を具備する。
状態対応付手段13449は、1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置11の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行う。稼動状態に関する情報とは、例えば、状態情報や接点関連情報などである。状態対応付手段13449は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態対応付手段13449の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、ここでは、稼動状態に関する情報は、状態情報として、主として説明する。
第一前処理手段134491は、稼動状態に関する情報であり、正常に稼動している旨を示す情報のうち、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行い、新たな稼動状態に関する情報を得る。「正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理」とは、正常に稼動している旨を示す情報を削除する処理であっても良いし、正常に稼動している旨を示す情を直前または直後の異常状態を示す情報に変更する処理であっても良い。「正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理」は、稼動状態に関する情報の構造次第で変わる。
第一状態検索手段134492は、稼動状態に関する情報(例えば、第一前処理手段134491が処理した処理済の情報)を検索し、各生産装置11で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得する。なお、第一状態検索手段134492は、発生時刻および復旧時刻だけではなく、稼動状態に関する情報(ここでは、状態情報)の全部または、他の一部も取得しても良い。
状態対応付ルール格納手段134493は、一の生産装置11の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを判断するためのルールである状態対応付ルールを格納している。状態対応付ルールの具体例は後述する。状態対応付ルールのデータ構造は問わない。状態対応付ルールは、データの形式でも良いし、プログラム中の処理に埋め込まれていても良い。プログラム中の処理に埋め込まれている場合は、状態対応付ルールは、プログラムコードで記載されている。
状態対応情報生成手段134494は、第一状態検索手段134492が取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、1以上の伝搬時間情報を用いて、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを示す情報である状態対応情報を生成する。状態対応情報生成手段134494は、状態対応情報を生成する際に、通常、状態対応付ルールを用いる。また、状態対応情報生成手段134494は、停止状態の発生時刻および復旧時刻と、1以上の伝搬時間情報と、対応付データ受付手段13446が受け付けた停止要因を用いて状態対応情報を生成することは好適である。
影響度算出手段13440は、状態対応付手段13449が2以上の生産装置11の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する。影響度情報の具体例は後述する。影響度情報のデータ構造は問わない。影響度算出手段13440は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。影響度算出手段13440の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
解析結果出力部1345は、解析部1344が取得した結果である所定の情報を出力する。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタへの印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積等を含む概念である。解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、生産装置11の稼動状態をグラフ出力(具体例は後述する)したり、移動時間のヒストグラムや、復旧作業時間のヒストグラムなどを出力(具体例は後述する)したりする。解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、稼動情報統計処理手段13444が得た統計データをグラフ出力する。さらに具体的には、解析結果出力部1345は、例えば、設備ごとに、各状態情報が示す各状態の持続時間の合計から、各状態情報が示す状態の発生割合(時間的な割合)を、例えば、円グラフで出力する。また、解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、各状態情報が示す状態の持続時間ごとに、その頻度を示すヒストグラムを出力する。かかるヒストグラムにより、ユーザは、生産装置11の動作状況を知ることができる。解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、生産装置11の稼動状態に関する情報と状態対応情報を用いて、一の生産装置11の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置11に伝搬したことを示す情報であり、1以上の生産装置11の稼動状態を示す情報である伝搬情報含稼動状態情報を出力する。解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、影響度算出手段13440が取得した影響度情報を出力する。解析結果出力部1345は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。解析結果出力部1345は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
移動時間ヒストグラム出力手段13451は、作業員移動時間情報取得手段13442が取得した作業員移動時間情報に基づいて、当該作業員移動時間情報が示す作業員の移動時間と、当該移動時間の移動が発生した頻度または/および当該移動時間の1以上の移動の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧作業時間情報取得手段13443が取得した復旧作業時間情報に基づいて、当該復旧作業時間情報が示す復旧時間と、当該復旧時間の復旧が発生した頻度または/および当該復旧時間の1以上の復旧の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
統計処理結果出力手段13453は、稼動情報統計処理手段13444が取得した統計データを、円グラフやヒストグラム等の所定のグラフ等で出力する。
円グラフやヒストグラムの出力処理は、公知技術による処理である。円グラフやヒストグラムの出力例は、後述する。
次に、データ収集システムの動作について説明する。まず、分岐装置131の動作について、図6、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)接点情報取得部1311は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS602)接点情報取得部1311は、i番目の接点が存在するか否かを判断する。なお、接点とは、生産装置11の稼動状況についての信号を出力する媒体である。また、本フローチャートにおいて、接点は、n(nは2以上の整数)種類、存在するとする。i番目の接点が存在すればステップS603に行き、i番目の接点が存在しなければステップS609に行く。
(ステップS603)接点情報取得部1311は、i番目の接点の接点情報を取得したか否かを判断する。i番目の接点の接点情報を取得すればステップS604に行き、i番目の接点の接点情報を取得しなければステップS603に戻る。
(ステップS604)接点情報取得部1311は、ステップS603で取得した接点情報を出力部1314に送付する。
(ステップS605)接点情報取得部1311は、ステップS603で取得した接点情報を状態認識部1312に送付する。
(ステップS606)状態認識部1312は、ステップS605で受け付けた1以上の接点情報に基づいて、状態を認識し、状態情報を取得する。なお、状態認識部1312は、所定時間に取得した1以上の接点情報に基づいて、状態情報を取得する。状態認識部1312の状態認識処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS607)接点関連情報取得手段13132は、ステップS606で状態情報が出力されたか否かを判断する。ステップS606で状態情報が出力されればステップS608に行き、ステップS606で状態情報が出力されなければステップS603に戻る。
(ステップS608)接点関連情報取得手段13132は、カウンタiを1、インクリメントする。
(ステップS609)接点関連情報取得手段13132は、1以上の状態情報をキーとして、コードマップ記憶手段13131を検索し、1以上の状態情報と対になる状態コード(接点関連情報)を取得する。なお、接点関連情報取得手段13132が取得する状態コードは、状態情報が非同期情報を含む場合には、非同期情報以外の他の状態情報が識別できない状態コードとなっている。かかる状態コードの具体例は後述する。
(ステップS610)出力部1314は、ステップS609で取得した状態コードを、ネットワーク装置132に送信する。なお、状態コードは、(n−1)bit以下のデータサイズであることが好適である。
(ステップS611)出力部1314は、接点情報取得部1311が取得したn種類の接点の接点情報を出力装置14に出力する。なお、接点情報を受け付けた出力装置14は、通常、接点情報をそのまま出力(表示など)する。ステップS601に戻る。
なお、図6のフローチャートにおいて、接点情報取得部1311は、n種類の接点の情報を並列処理により取得しても良い。
なお、図6のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、分岐装置131の状態認識処理(ステップS606)について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS701)状態認識部1312は、接点情報が示す状態がONの状態か否かを判断する。ON状態であればステップS702に行き、ON状態でなければステップS706に行く。
(ステップS702)状態認識部1312は、一定時間Tの間以上、ON状態が続いているか否かを判断する。ON状態が続いておればステップS703に行き、ON状態が続いていなければステップS705に行く。
(ステップS703)状態認識部1312は、状態を点灯またはブザーONであると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。
(ステップS704)状態認識部1312は、構成した状態情報を出力する。上位関数にリターンする。
(ステップS705)状態認識部1312は、状態を点滅であると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。ステップS704に行く。
(ステップS706)状態認識部1312は、一定時間Tの間以上、OFF状態が続いているか否かを判断する。OFF状態が続いておればステップS707に行き、OFF状態が続いていなければステップS708に行く。
(ステップS707)状態認識部1312は、状態を消灯またはブザーOFFであると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。ステップS704に行く。
(ステップS708)状態認識部1312は、状態を点滅であると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。ステップS704に行く。
次に、ネットワーク装置132の動作について説明する。ネットワーク装置132の第一接点関連情報受信部1321は、分岐装置131から接点関連情報を受信し、第一接点関連情報送信部1322は、当該接点関連情報をデータ収集装置133に送信する。
次に、データ収集装置133の動作について説明する。データ収集装置133の第二接点関連情報受信部1332は、ネットワーク装置132から接点関連情報を受信すれば、稼動情報ログ蓄積部1333が当該接点関連情報を稼動情報ログ記憶部1331に蓄積する。なお、データ収集装置133は、1以上の接点関連情報を有する稼動情報ログを、解析装置134からの要求に基づき、解析装置134に送信する。なお、解析装置134は、データ収集装置133から直接的に稼動情報ログを取得する必要はない。解析装置134は、稼動情報ログが蓄積された記録媒体から稼動情報ログを読み出して、解析処理を行っても良い。
次に、解析装置134の動作について、図8から図15のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS801)指示受付部1341は、解析処理の開始の指示を受け付けたか否かを判断する。解析処理の開始の指示を受け付ければステップS802に行き、解析処理の開始の指示を受け付けなければステップS801に戻る。指示は、例えば、解析対象の時間帯の情報(月、日などの情報を有しても良い)を含む。ただし、指示は、単なる指示のみであっても良い。かかる場合、解析装置134は、データ収集装置133のすべての接点関連情報を解析対象とする。
(ステップS802)接点関連情報取得部1342は、ステップS801で指示された対象の稼動情報ログを、データ収集装置133の稼動情報ログ記憶部1331から読み出す。
(ステップS803)補正部1343は、予め格納されている情報であり、状態認識部1312が状態情報を取得する時間(t)の情報を取得する。
(ステップS804)補正部1343は、ステップS802で取得した稼動情報ログが有する全接点関連情報に含まれる時刻情報を、ステップS803で取得したtにより補正する。つまり、補正部1343は、稼動情報ログが有する全接点関連情報に含まれる時刻情報をtだけ前に戻す。例えば、補正部1343は、接点関連情報に含まれる時刻情報がT1である場合、(T1−t)を、正確な時刻情報とする。
(ステップS805)解析部1344は、接点関連情報取得部1342が取得した1以上の接点関連情報を処理し、作業員移動時間情報、および復旧作業時間情報を取得する(「解析処理1」とする)。なお、かかる接点関連情報は、通常、補正部1343により補正された後の接点関連情報である。解析部1344における解析処理1の詳細は、図9のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS806)移動時間ヒストグラム出力手段13451は、作業員移動時間情報取得手段13442が取得した作業員移動時間情報(ステップS805での解析結果)に基づいて、当該作業員移動時間情報が示す作業員の移動時間と、当該移動時間の移動が発生した頻度または/および当該移動時間の1以上の移動の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成する。
(ステップS807)移動時間ヒストグラム出力手段13451は、ステップS806で構成したヒストグラムを出力する。
(ステップS808)復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧作業時間情報取得手段13443が取得した復旧作業時間情報(ステップS805での解析結果)に基づいて、当該復旧作業時間情報が示す復旧時間と、当該復旧時間の復旧が発生した頻度または/および当該復旧時間の1以上の復旧の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成する。
(ステップS809)復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、ステップS808で構成したヒストグラムを出力する。
(ステップS810)稼動情報統計処理手段13444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。ここで得る統計データは、生産装置11ごとの統計データであり、各状態情報の発生時間の合計を示すデータである。ここでの処理を「解析処理2」という。解析処理2の詳細は、図10のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS811)統計処理結果出力手段13453は、ステップS810で得た各状態情報が示す状態の発生時間の合計を示すデータに基づいて、各状態の時間的な割合を示すグラフ(例えば、円グラフ)を出力する。
(ステップS812)稼動情報統計処理手段13444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。ここで得る統計データは、各状態情報が示す状態の区分情報で示される区分ごとの頻度のデータである。ここでの処理を「解析処理3」という。解析処理3の詳細は、図11のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS813)統計処理結果出力手段13453は、ステップS812で得た区分ごとの頻度のデータに基づいて、ヒストグラムを出力する。ヒストグラムの出力は、生産装置11ごと、状態ごとに行われる。
(ステップS814)状態対応付手段13449は、1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置11の状態情報(本状態情報は、状態デコード手段13441が取得した情報である。)の間の対応付けを行う。また、影響度算出手段13440は、状態対応付手段13449が2以上の生産装置11の状態情報の間の対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する。ここでの処理を「解析処理4」という。解析処理4の詳細は、図12のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS815)解析結果出力部1345は、2以上の生産装置11の状態情報の間の対応付けの情報を含む稼動状態情報である伝搬情報含稼動状態情報を出力する。
(ステップS816)解析結果出力部1345は、影響度算出手段13440が取得した影響度情報を出力する。そして、処理を終了する。
なお、図8のフローチャートにおいて、解析結果出力部1345は、ヒストグラム、円グラフ等以外の出力を行っても良い。また、図8のフローチャートにおいて、解析処理1、解析処理2、解析処理3、解析処理4を独立して行わずに、重複する処理は一度のみ行うような処理方法でも良い、ことは言うまでもない。さらに、解析装置134は、解析処理1から解析処理4のうちのすべての解析処理を行う必要はないことも言うまでもない。必要な解析処理を行えば良い。ユーザは、目的に応じて、これらの解析処理の中から必要な解析処理を適宜選択して行えば良い。必要な解析処理は、例えば、図示しない手段によって、ユーザが選択することによって指定される。
次に、ステップS805の解析処理1について、図9のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS901)解析部1344は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS902)解析部1344は、接点関連情報取得部1342が取得した接点関連情報の中で、i番目の接点関連情報が存在するか否かを判断する。i番目の接点関連情報が存在すればステップS903に行き、i番目の接点関連情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS903)状態デコード手段13441は、i番目の接点関連情報に対応する状態情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。
(ステップS904)作業員移動時間情報取得手段13442は、ステップS903で取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」であればステップS905に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」でなければステップS912に行く。
(ステップS905)作業員移動時間情報取得手段13442は、移動時間を測定するための変数である移動時間変数mに1を代入する。
(ステップS906)作業員移動時間情報取得手段13442は、カウンタjに「i+1」を代入する。
(ステップS907)解析部1344は、j番目の接点関連情報が存在するか否かを判断する。j番目の接点関連情報が存在すればステップS908に行き、j番目の接点関連情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS908)状態デコード手段13441は、j番目の接点関連情報に対応する状態情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。
(ステップS909)作業員移動時間情報取得手段13442は、ステップS908で取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」であればステップS910に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」でなければステップS913に行く。
(ステップS910)作業員移動時間情報取得手段13442は、カウンタmを1、インクリメントする。
(ステップS911)作業員移動時間情報取得手段13442は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS907に戻る。
(ステップS912)解析部1344は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS902に戻る。
(ステップS913)作業員移動時間情報取得手段13442は、取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」であればステップS914に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」でなければステップS916に行く。
(ステップS914)作業員移動時間情報取得手段13442は、移動時間変数mに基づいて移動時間を算出する。mは、作業員が移動している間出力された接点情報の数に比例するので、通常、作業員移動時間情報取得手段13442は、「m×(接点情報を出力する時間間隔)」を移動時間とする。
(ステップS915)復旧作業時間情報取得手段13443は、復旧作業時間を測定するための変数である復旧作業時間変数rに1を代入する。ステップS917に行く。
(ステップS916)解析部1344は、カウンタiを「j+1」とする。ステップS902に戻る。
(ステップS917)復旧作業時間情報取得手段13443は、カウンタjを1、インクリメントする。
(ステップS918)復旧作業時間情報取得手段13443は、j番目の接点関連情報が存在するか否かを判断する。j番目の接点関連情報が存在すればステップS919に行き、j番目の接点関連情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS919)状態デコード手段13441は、j番目の接点関連情報に対応する状態情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。
(ステップS920)復旧作業時間情報取得手段13443は、取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」であればステップS920に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」でなければステップS923に行く。
(ステップS921)復旧作業時間情報取得手段13443は、復旧作業時間変数rを1、インクリメントする。
(ステップS922)復旧作業時間情報取得手段13443は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS918に戻る。
(ステップS923)復旧作業時間情報取得手段13443は、取得した状態情報が、異常警告灯が「OFF」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「OFF」であればステップS924に行き、異常警告灯が「OFF」でなければステップS926に行く
(ステップS924)復旧作業時間情報取得手段13443は、復旧作業時間変数rに基づいて復旧作業時間を算出する。rは、作業員が復旧作業をしている間出力された接点情報の数に比例するので、通常、復旧作業時間情報取得手段13443は、「r×(接点情報を出力する時間間隔)」を復旧作業時間とする。
(ステップS925)解析部1344は、解析結果情報を構成する。解析結果情報は、例えば、異常が発生した時刻情報、移動時間、復旧作業時間の各情報を有する。異常が発生した時刻情報は、接点関連情報が保持している。
(ステップS926)解析部1344は、変数m,rに0を代入する。
(ステップS927)解析部1344は、カウンタiに「j+1」を代入する。ステップS902に戻る。
なお、図9のフローチャートにおいて、解析対象の生産装置11が複数存在する場合、生産装置11ごとに解析処理1を行うことは好適である。
次に、ステップS810の解析処理2について、図10のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1001)稼動情報統計処理手段13444は、初期化処理を行う。初期化処理とは、カウンタiに1を代入する処理、各状態情報に対応する変数に0を代入する処理である。各状態情報に対応する変数とは、各状態情報が示す各状態の持続時間を計数するための変数である。かかる変数を、以下、適宜、「状態時間変数」と言う。
(ステップS1002)稼動情報統計処理手段13444は、ステップS908で取得した状態情報(データ)の中で、i番目の状態情報が存在するか否かを判断する。i番目の状態情報が存在すればステップS1003に行き、i番目の状態情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS1003)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。
(ステップS1004)稼動情報統計処理手段13444は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1002に戻る。
なお、図10のフローチャートにおいて、状態時間変数の値「1」に対応する時間は、接点関連情報が取得される時間間隔である。また、状態時間変数の値「1」に対応する時間は、「1」秒であるとは限らない。
また、図10のフローチャートにおいて、解析対象の生産装置11が複数存在する場合、生産装置11ごとに解析処理2を行うことは好適である。
次に、ステップS812の解析処理3について、図11のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1101)稼動情報統計処理手段13444は、初期化処理を行う。初期化処理とは、カウンタiに1を代入する処理、各状態時間変数に0を代入する処理である。
(ステップS1102)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報が存在するか否かを判断する。i番目の状態情報が存在すればステップS1103に行き、i番目の状態情報が存在しなければ、ステップS1107に行く。
(ステップS1103)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報と以前に取得した状態情報((i−1)番目の状態情報)とが異なるか否か(変化があったか否か)を判断する。変化があればステップS1104に行き、変化がなければステップS1105に行く。
(ステップS1104)稼動情報統計処理手段13444は、前の状態の状態時間変数の値が示す区分を示す情報と、前の状態を示す情報と、状態時間変数の値(持続時間)を対にして格納する。なお、区分を示す情報とは、区分が「1:1分以内」「2:2分以内」・・・「10:10分以内」「11:10分より長い」である場合、例えば、各区分のID「2」、などである。「1:1分まで」は、IDが「1」であり、その意味は、1分以内、該当する状態が持続したことを示す。前の状態を示す情報は、状態情報のIDでも良いし、状態情報自体でも良い。稼動情報統計処理手段13444は、例えば、「2、正常稼動、1870」を登録する。「2、正常稼動、1870」において、「2」は区分のID、「正常稼動」は前の状態を示す情報、「1870」は持続時間(秒)である。
(ステップS1105)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。
(ステップS1106)稼動情報統計処理手段13444は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1102に戻る。
(ステップS1107)稼動情報統計処理手段13444は、ステップS1104で登録した情報に基づいて、状態ごとの合計時間を算出する。上位関数にリターンする。
なお、図11のフローチャートにおいて、後述する「合計時間」を算出しても良い。
また、図11のフローチャートにおいて、解析対象の生産装置11が複数存在する場合、生産装置11ごとに解析処理3を行うことは好適である。
次に、ステップS814の解析処理4について、図12から図15のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1201)状態対応付手段13449は、伝搬時間情報格納手段13448の伝搬時間情報を読み出す。
(ステップS1202)状態対応付手段13449は、ステップS1201で読み出した伝搬時間情報のバッファに伝搬時間情報が存在するか否かを判断する。伝搬時間情報が存在すればステップS1203に行き、伝搬時間情報が存在しなければステップS1204に行く。本ステップは、既に伝搬時間情報が存在し、かつ新たな対応付データを受け付けていなければ、その伝搬時間情報を用いて解析処理4を行い、伝搬時間情報が存在しなければ、伝搬時間情報を算出する処理(ステップS1204の処理)を行う趣旨である。
(ステップS1203)対応付データ受付手段13446は、伝搬時間情報を算出する元になるデータである対応付データを受け付けたか否かを判断する。対応付データを受け付ければステップS1204に行き、対応付データを受け付けなければステップS1205に行く。本ステップは、対応付データを受け付けた場合に、動的に新たな伝搬時間情報を算出するための処理である。
(ステップS1204)伝搬時間算出手段13447は、ステップS1203で受け付けた対応付データを用いて、伝搬時間を算出し、伝搬時間情報を得る。伝搬時間情報の算出処理の詳細は、図13のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1205)状態対応付手段13449は、1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置11の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行う。状態対応付処理の詳細は、図14のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1206)影響度算出手段13440は、ステップS1205における対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する。上位関数にリターンする。影響度算出処理の詳細は、図15のフローチャートを用いて説明する。
次に、ステップS1204の伝搬時間情報算出処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1301)伝搬時間算出手段13447は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS1302)伝搬時間算出手段13447は、対応付データを取得する。対応付データは、対応付データ受付手段13446が受け付けたデータである場合もあるし、予め格納されているデータである場合もある。
(ステップS1303)伝搬時間算出手段13447は、図示しない手段に予め格納されている伝搬時間の算出式の情報を読み出す。伝搬時間の算出式の例は、後述する。
(ステップS1304)伝搬時間算出手段13447は、i番目の生産装置11が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置11が存在すればステップS1305に行き、i番目の生産装置11が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS1305)伝搬時間算出手段13447は、iが「1」であるか否かを判断する。1番目の生産装置11は、生産ラインの先頭の生産装置である。iが「1」であればステップS1306に行き、iが「1」でなければステップS1308に行く。
(ステップS1306)伝搬時間算出手段13447は、ステップS1303で読み出した算出式を用いて、対応する生産装置のAsk「停止発生の後工程への伝搬時間」を算出する。
(ステップS1307)伝搬時間算出手段13447は、ステップS1303で読み出した算出式を用いて、対応する生産装置のAek「停止復旧の後工程への伝搬時間」を算出する。
(ステップS1308)伝搬時間算出手段13447は、iがラスト(生産ラインの最後の生産装置を示す数値または生産ライン中の生産装置の数)であるか否かを判断する。
(ステップS1309)伝搬時間算出手段13447は、ステップS1303で読み出した算出式を用いて、対応する生産装置のBsk「停止発生の前工程への伝搬時間」を算出する。
(ステップS1310)伝搬時間算出手段13447は、ステップS1303で読み出した算出式を用いて、対応する生産装置のBek「停止復旧の前工程への伝搬時間」を算出する。
(ステップS1311)伝搬時間算出手段13447は、上記のステップで算出した各装置の、Bsk、Bek、Ask、Aekを用いて、伝搬時間情報を構成する。伝搬時間情報の構成アルゴリズムの詳細な例は、後述する。
(ステップS1312)伝搬時間算出手段13447は、ステップS1311で構成した伝搬時間情報を伝搬時間情報格納手段13448に格納する。
(ステップS1313)伝搬時間算出手段13447は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1304に戻る。
次に、ステップS1205の状態対応付処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1401)状態対応付手段13449は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS1402)状態対応付手段13449は、i番目の生産装置11が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置11が存在すればステップS1403に行き、i番目の生産装置11が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS1403)第一前処理手段134491は、i番目の生産装置11の状態情報に対して、前処理を行い、新たな状態情報を得る。前処理とは、具体的には、以下の処理である。つまり、予め決められた指定時間を読み出し、当該指定時間以下または未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報を検索する。そして、当該指定時間以下または未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報が見つかれば、当該情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行い、新たな状態情報を得る。「正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理」は、状態情報のデータ構造によって異なる。「正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理」は、例えば、指定時間以下または未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報を削除する処理である。また、「正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理」は、例えば、指定時間以下または未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報を前または後の状態(異常状態)の情報に置き換える処理である。
(ステップS1404)第一状態検索手段134492は、jに1を代入する。
(ステップS1405)第一状態検索手段134492は、第一前処理手段134491で得た状態情報を検索し、i番目の生産装置11で発生した停止状態を示すj番目の情報が存在するか否かを判断する。j番目の停止状態を示す情報が存在すればステップS1406に行き、j番目の停止状態を示す情報が存在しなければステップS1420に行く。
(ステップS1406)第一状態検索手段134492は、j番目の停止状態を示す情報から停止状態の発生時刻の情報および復旧時刻の情報を取得する。
(ステップS1407)状態対応情報生成手段134494は、カウンタkにi、カウンタlに1を代入する。
(ステップS1408)状態対応情報生成手段134494は、カウンタkの値を「k−l」とする。
(ステップS1409)状態対応情報生成手段134494は、k番目の生産装置11が存在するか否かを判断する。
(ステップS1410)状態対応情報生成手段134494は、ステップS1406で得た停止状態の発生時刻の情報および復旧時刻の情報と伝搬時間情報を用いて、k番目の生産装置11の後工程ワーク満杯の状態が発生し得る発生時刻および復旧時刻を算出する。
(ステップS1411)状態対応情報生成手段134494は、k番目の生産装置11の後工程ワーク満杯の状態が発生し得る発生時刻および復旧時刻の間において、k番目の生産装置11において後工程ワーク満杯が発生しているか否かを、k番目の生産装置11の状態情報から判断する。k番目の生産装置において後工程ワーク満杯が発生していればステップS1412に行き、後工程ワーク満杯が発生していなければステップS1414に行く。
(ステップS1412)状態対応情報生成手段134494は、i番目の生産装置11のj番目の停止状態を示す情報と、k番目の生産装置11の後工程ワーク満杯の情報を対応付ける処理を行う。この「対応付ける処理」とは、一の生産装置11の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置11に伝搬したことを示す情報である状態対応情報を生成する処理等である。「対応付ける処理」は、2つの情報が関連付けば良く、処理の内容は問わない。
(ステップS1413)状態対応情報生成手段134494は、カウンタlを1、インクリメントする。ステップS1408に戻る。
(ステップS1414)状態対応情報生成手段134494は、カウンタkにi、カウンタlに1を代入する。
(ステップS1415)状態対応情報生成手段134494は、カウンタkの値を「k+l」とする。
(ステップS1416)状態対応情報生成手段134494は、k番目の生産装置11が存在するか否かを判断する。k番目の生産装置11が存在すればステップS1417に行き、k番目の生産装置11が存在しなければステップS1421に行く。
(ステップS1417)状態対応情報生成手段134494は、ステップS1406で得た停止状態の発生時刻の情報および復旧時刻の情報と伝搬時間情報を用いて、k番目の生産装置11の前工程ワークなしの状態が発生し得る発生時刻および復旧時刻を算出する。
(ステップS1418)状態対応情報生成手段134494は、k番目の生産装置11の前工程ワークなしの状態が発生し得る発生時刻および復旧時刻の間において、k番目の生産装置11において前工程ワークなしが発生しているか否かを、k番目の生産装置11の状態情報から判断する。k番目の生産装置11において前工程ワークなしが発生していればステップS1419に行き、前工程ワークなしが発生していなければステップS1422に行く。
(ステップS1419)状態対応情報生成手段134494は、i番目の生産装置11のj番目の停止状態を示す情報と、k番目の生産装置11の前工程ワークなしの情報を対応付ける処理を行う。
(ステップS1420)状態対応情報生成手段134494は、カウンタlを1、インクリメントする。ステップS1415に戻る。
(ステップS1421)第一状態検索手段134492は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1402に戻る。
(ステップS1422)第一状態検索手段134492は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS1405に戻る。
なお、図14のフローチャートにおいて、状態対応情報生成手段134494が対応付けを行うために、通常、状態対応付ルール格納手段134493の状態対応付ルールを用いる。
また、図14のフローチャートにおいて、状態の対応付けの処理は、生産装置11ごとにチェックしていくアルゴリズムであったが、時間軸を進めながら、生産装置11を問わず、停止状態が発生していることを検知し、当該停止状態と、前後の工程の生産装置11の状態との対応付けの処理を行うアルゴリズムでも良い。
次に、ステップS1206の影響度算出処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1501)影響度算出手段13440は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS1502)影響度算出手段13440は、i番目の生産装置11が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置11が存在すればステップS1503に行き、i番目の生産装置11が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS1503)影響度算出手段13440は、カウンタjに1を代入する。
(ステップS1504)影響度算出手段13440は、i番目の生産装置11のj番目の状態情報が存在するか否かを判断する。j番目の状態情報が存在すればステップS1505に行き、j番目の状態情報が存在しなければステップS1509に行く。
(ステップS1505)影響度算出手段13440は、j番目の状態情報が(j−1)番目の状態情報と異なるか否か(変化があるか否か)を判断する。変化があればステップS1506に行き、変化がなければステップS1507に行く。
(ステップS1506)影響度算出手段13440は、i番目の生産装置11において、前の状態の状態時間変数の値が示す区分と、前の状態と、持続時間を対にして登録する。
(ステップS1507)影響度算出手段13440は、i番目の生産装置11において、j番目の状態情報が示す状態の状態時間変数を1インクリメントする。
(ステップS1508)影響度算出手段13440は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS1504に戻る。
(ステップS1509)影響度算出手段13440は、i番目の生産装置11の状態ごとの合計時間を算出する。具体的には、影響度算出手段13440は、i番目の生産装置11の状態ごとに、対応する状態時間変数の値を時間に変換する。
(ステップS1510)影響度算出手段13440は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1502に戻る。
以下、本実施の形態における生産システム、および生産システムを構成するデータ収集システムの具体的な動作について説明する。データ収集システムを含む生産システムの基本構成図は図1である。
ここで、生産装置11に設置されているプログラマブルコンピュータ(シーケンサ12)から、接点のON/OFFによって以下のパターンが出力される、とする。
まず、警告灯は、「赤」「黄」「緑」の3種類、存在する。また、「赤」「黄」「緑」の3種類の警告灯は、それぞれ点灯・点滅・消灯の3つのいずれかの状態を示す。
また、ブザーは、ON/OFFのいずれかの状態を示す。
さらに、シーケンサ12から生産数に関する情報である生産数情報が出力される。具体的には、例えば、ワーク(例えば、製品)が1つ生産ライン(生産装置11)を通過するごとにパルス信号がシーケンサ12に入力される。そして、100個パルスが入るごとに、シーケンサ12は、1回パルスを出力する。かかるパルスが、非同期に発生する情報である非同期情報である。
また、3種類の警告灯、ブザー、および生産数情報の5つの状態についての情報は、各パターンが並立することがある。並立するパターンとは、具体的には、「赤消灯+黄点滅+緑点灯+ブザーON」等である。
本生産システムを構成するデータ収集システム13において、分岐装置131でこれらのパターンをビットコード化してデータ収集装置133に蓄積する。そして、解析装置134が、データ収集装置133に蓄積された状態コードをデコード化し、それぞれのパターンの発生時刻と発生時間が視覚的に把握できるように、例えば、グラフ表示フォーマットに変換する。
図16は、コードマップ記憶手段13131におけるコードマップの例を示す。コードマップは、接点関連情報と状態情報を有する。図16において、状態意味情報を有するが、本状態意味情報は、接点関連情報または/および状態情報が示す意味を示す情報である。なお、状態意味情報は、コードマップにおいて、必須の情報ではない。「状態意味情報」の属性値の「電源断」は、生産装置の電源が落ちている状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「正常稼動」は、生産装置が正常に稼動していることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「正常稼動+前工程ワークなし」は、生産装置が正常に稼動しており、かつ、生産装置における工程が複数ある場合の、前工程のワークがない状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「後工程満杯」は、生産装置における工程が複数ある場合の、後の工程にワーク待ち行列ができている状態を示す。また、「状態意味情報」の属性値の「部品なし(対処中)」は、工程のための部品がなく、対処中であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「停止」は、生産装置が停止している状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「異常停止(対処中)」は、生産装置が異常停止し、対処中であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「部品なし(対処前)」は、工程のための部品がなく、対処前の状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「異常停止(対処前)」は、生産装置が異常停止し、かつ対処前の状態であることを示す。さらに、「状態意味情報」の属性値の「ワーク100個通過」は、ワークが100個通過したことを示す。
ここでは、状態情報は、5種類の接点の状態を示す情報である。図16において、状態情報の属性値は、以下の値をとり得る。生産数の「○」は、シーケンサ12から100個のワークが1つ生産ライン(生産装置11)を通過したことを示す情報である。生産数が空欄の場合は、100個のワークが1つ生産ライン(生産装置11)を通過していない、ことを示す。また、ブザーの「○」は、ブザーがONの状態、「×」は、ブザーがOFFの状態を示す。さらに、「赤」「黄」「緑」は、警告灯の色を示し、各警告灯の「○」は点灯、「△」は点滅、「×」は消灯を示す。分岐装置131において、例えば、「○」は「0」、「△」は「1」、「×」は「2」の値に対応させる。図16において、接点関連情報は、4bitのコードである。接点関連情報は、「状態1」「状態2」「状態3」「状態4」の各ビット値(「0」または「1」)からなる。
以下、データ収集システム13の具体的動作について説明する。
まず、データ収集システム13の分岐装置131は、シーケンサ12からの出力信号(接点情報)を分岐し、出力装置14へは出力信号(接点情報)を直接出力し、ネットワーク装置132へは出力信号(接点情報)のパターンを認識し、パターンにマッチする状態コード(接点関連情報)を出力する。かかる処理のうちの接点情報から接点関連情報を構成する処理について、具体的に説明する。
つまり、接点情報取得部1311が取得した接点情報から、状態認識部1312は、状態を認識し、状態情報を取得する。具体的には、状態認識部1312は、警告灯、ブザー、生産数のパターンを認識する。
状態認識部1312は、警告灯のパターン認識を、以下のように行う。例えば、1秒間接点情報がON状態を示す情報であれば点灯、1秒間接点情報がOFF状態を示す情報ならば消灯、1秒間接点情報が点灯パターンでも消灯パターンでもなければ点滅と、状態認識部1312は判断する。
また、状態認識部1312は、ブザーの接点がONすればON状態、OFFすればOFF状態と判断する。
かかる状態認識の具体的なアルゴリズムは、図7を用いて説明した通りである。
さらに、本例において、ワークが1つ生産ラインを通過するごとにパルス信号がシーケンサ12に入力される。そして、カウンタがパルスを100回カウントしたことを、状態認識部1312は認識する。
次に、状態認識部1312が認識し、取得した状態情報に対応する接点関連情報を、接点関連情報取得手段13132は、コードマップ記憶手段13131から取得する。ここで、状態情報が5chの情報である。一方、接点関連情報取得手段13132でコード化することにより、4bitのデータになる。したがって、状態情報のパターン認識を行うことで、状態情報をそのまま分岐して稼動情報ログとして蓄積するよりも、少ない容量で情報を蓄積できる。また、ネットワークトラフィックも少なくて済む。
状態認識部1312は、生産数に関して100回カウントアップしたことを示す信号として1秒間パルス(以下、適宜「カウントアップパルス」という)を出力する。カウントアップパルスは警告灯、ブザーのパターン変化からすると非常にまれに出力されるものであり、また警告灯、ブザーの変化とは非同期に発生する非同期情報である。この性質を考慮して、カウントアップパルスのコードは警告灯、ブザーのコードとは独立したものとする。つまり、カウントアップパルスが発生したときは、このコード(図16の「1111」)を割り込みで稼動情報ログに記述するようにする。図16に示すように、生産数カウントアップパルスには独立したコード(図16の「1111」)を与え、ONしたときはこのコードを上書きして出力する。そして、例えば、解析装置134は、生産数カウントアップパルスを出力している間は前後の状態が持続していたとみなす。つまり、解析装置134は、接点関連情報が「1111」の場合は、その直前または直後の接点関連情報から「赤」「黄」「緑」の3種類の警告灯の状態、ブザーの状態を取得する。かかる処理により、データ収集に必要な接点チャンネル数を削減可能である。また、ネットワークトラフィックを軽減できる。
図17は、カウントアップパルスのコード(接点関連情報)の出力例である。図17において、「日付」「時刻」「接点関連情報」を有するレコードを1以上有する。「接点関連情報」は、「状態1」「状態2」「状態3」「状態4」の4bitの情報からなる。また、図17の各レコードは、属性値「日付」「時刻」が示す時刻に、属性値「接点関連情報」が示す接点関連情報が出力されたことを示す。図17において、「12:52:22」では警告灯、ブザーのパターンは(0,0,0,1)つまり緑点灯である。「12:52:23」に生産数カウンタがカウントアップしたため、カウントアップパルスを1秒間出力している。カウントアップパルス出力の間も後も警告灯、ブザーのパターンは緑点灯から変化なかったため、「12:52:24」には再びコードが(0,0,0,1)つまり緑点灯に戻っている。カウントアップパルスのコード出力時は、警告灯の点灯パターンやブザーの鳴動パターンがわからなくなるが、カウントアップパルスの出力時間は1秒と短いため、図17のコード出力例からもわかるように、前後の状態が緑点灯と同じならば、カウントアップパルス出力中も緑点灯の状態が継続していたと考えても問題はない。
上記の接点関連情報取得手段13132の処理により、接点情報がコード化された。以上の接点情報をビットコード化するメリットは、ビットコード化せずにパターンを認識しようとすると、認識のために接点が(赤・黄・緑・ブザー・生産数)の5ch必要になるが、パターン数が、ここでは、10であるので、4ビット、つまり、4chで全パターンを表現でき、少ないチャンネルでパターンを表現できる。
また、カウントアップパルスのように非同期にごくまれに発生するものに対して、独立したコードを割り当てて、割り込みでログ記述を行うことができるので、無駄にチャンネル数を増大させることがない。
次に、出力部1314は、取得した状態コードを、ネットワーク装置132に送信する。
また、出力部1314は、接点情報取得部1311が取得したn種類の接点の接点情報を、通常、そのまま出力装置14に出力する。出力装置14は、接点情報をそのまま出力する。出力装置14の処理は、公知技術による処理であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、ネットワーク装置132は、分岐装置131からコード化された接点関連情報(適宜、「状態コード」とも言う。)を受信し、データ収集装置133に送信する。
そして、データ収集装置133の第二接点関連情報受信部1332は、ネットワーク装置132から接点関連情報を受信し、稼動情報ログ蓄積部1333は、当該接点関連情報を稼動情報ログ記憶部1331に蓄積する。稼動情報ログ記憶部1331に蓄積されている情報は、1以上の接点関連情報である稼動情報ログである。通常、接点関連情報は、時刻情報(図17の「日付」「時刻」の情報)を有する。
以上の処理により、データ収集装置133には、図17に示すような接点関連情報が、生産装置11ごとに、通常、大量に蓄積される。つまり、接点関連情報は、生産装置11を識別する生産装置識別子を有しても良いし、生産装置11によって、接点関連情報が蓄積されるフォルダや記録媒体が異なっても良い。
次に、解析装置134の具体的な動作について説明する。
解析装置134の指示受付部1341は、ユーザから、解析の開始指示を受け付けた、とする。
次に、接点関連情報取得部1342は、図17のデータ構造を有する稼動情報ログを、データ収集装置133の稼動情報ログ記憶部1331から取得する。
次に、補正部1343は、予め格納されている状態認識部1312が状態情報を取得する時間(ここでは「t=1秒」)を取得する。
次に、補正部1343は、取得した稼動情報ログが有する全接点関連情報に含まれる時刻情報を、取得したt(1秒)により補正する。
図18を用いて、補正部1343における時刻補正について説明する。今、接点関連情報が示す状態が、図18のような状況であった、とする。図18は、警告灯の状態を示す。そして、図18によれば、時刻T1の際の警告灯の状態は点滅であるが、補正部1343は、T0(「T1−t」)の際に警告灯の状態が点滅であったとするため、接点関連情報が有する時刻情報をT1からT0に変更する。かかる処理により、解析装置134は、状態認識部1312が状態情報を取得する時間(t)を考慮した、正確な時刻での状態に基づいて解析できる。
具体的には、補正部1343における時刻補正により、例えば、図19に示すように、補正前の接点関連情報(図19(a))が補正後の接点関連情報(図19(b))となる。かかる補正処理により、パターンが変化した時刻を正確に把握することができる。
次に、解析部1344は、まず、以下のように解析処理を行い、1以上の接点関連情報に基づいて、作業員移動時間情報と復旧作業時間情報を取得する。
解析部1344の状態デコード手段13441は、接点関連情報から状態情報にデコードする。そして、解析部1344は、図20に示すタイミングチャートを構成し得る情報を得ることができる。
そして、解析部1344は、まず、上述した解析処理1を行う。つまり、解析部1344は、異常警告灯とブザー(作業員呼出ブザー)のON/OFFの状態に基づいて、移動時間、復旧時間を算出する。作業員移動時間情報取得手段13442、および復旧作業時間情報取得手段13443は、ブザー停止ボタンが押下されたことをトリガーとして、ブザーの状態を利用せずに、移動時間、復旧時間を算出しても良い。
具体的には、稼動情報ログ(1以上の接点関連情報)をデコード化してパターンにすることで、図21の表が得られたとする。図21において、赤点滅、つまり異常警告灯の点灯開始時刻が「12:52:46」で、作業員移動時間情報取得手段13442は、ブザーの停止時刻が「12:53:01」であるので、「移動時間=ブザーの停止時刻−異常警告灯の点灯開始時刻=15(s)」と算出する。なお、ここで、赤点滅は異常停止、緑点灯は正常稼動を意味する(図16の状態意味情報を参照)。
また、復旧作業時間情報取得手段13443は、「復旧時間=再稼働時刻−ブザーの停止時刻=12(m)4(s)」と算出する。なお、図21において、再稼働時刻が「13:05:05」であることを示す。
そして、作業員移動時間情報取得手段13442、復旧作業時間情報取得手段13443が算出した結果を、図22に示すようなデータ構造で、少なくとも一時的に格納する、とする。図22は、解析結果管理表である。解析結果管理表は、異常開始時刻を示す時刻情報、移動時間、復旧時間を有するレコードを1以上有する。
次に、移動時間ヒストグラム出力手段13451は、作業員移動時間情報取得手段13442が取得した作業員移動時間情報(図22の解析結果)に基づいて、当該作業員移動時間情報が示す作業員の移動時間と、当該移動時間の移動が発生した頻度または/および当該移動時間の1以上の移動の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
また、復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧作業時間情報取得手段13443が取得した復旧作業時間情報(図22の解析結果)に基づいて、当該復旧作業時間情報が示す復旧時間と、当該復旧時間の復旧が発生した頻度または/および当該復旧時間の1以上の復旧の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
具体的な、ヒストグラムの出力例を図23に示す。図23(a)(b)は、移動時間ヒストグラムである。図23(a)において、移動時間の中央値が閾値より小さく、問題がない、と判断できる。図23(b)において、移動時間の中央値が閾値より大きく、問題あり、と判断できる。問題ありの場合、作業員の増員が必要である、と判断され得る。なお、中央値とは、値を昇順または降順にソートした場合の、真中の値である。また、かかる判断は、人が行っても、解析装置134が行っても良い。解析装置134の出力部1314は、移動時間の平均値を算出し、かかる平均値が予め格納されている閾値より大きい場合、警告を示す情報を出力(「作業員の増員が必要である」との表示や、音出力など)するなどしても良い。
また、図23(c)(d)は、復旧作業時間ヒストグラムである。図23(c)において、復旧時間の中央値が閾値より小さいので、チョコ停対策が必要である、と判断できる。「チョコ停」とは、搬送詰まりなどの、比較的簡単な対処により復旧できる停止時間の短い設備停止をいう。また、図23(d)において、復旧時間の中央値が閾値より大きいので、ドカ停対策が必要である、と判断できる。「ドカ停」とは、設備故障などが原因で、熟練作業員でなければ対処できない、マニュアルを見直さなければいけないなど明確な対処方法が共有できていない場合などにおこる比較的停止時間の長い設備停止をいう。なお、ドカ停の対策とは、例えば、復旧作業の手順化である。なお、閾値の情報は、予め解析部1344が保持している、とする。そして、解析部1344が、上記の中央値が閾値より大きいか、小さいか等を判断し、解析結果出力部1345が当該判断結果に応じた出力を行っても良い。
移動時間ヒストグラム出力手段13451、および復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、具体的に、以下の処理を行って、図23のヒストグラムを出力する。
移動時間ヒストグラム出力手段13451は、移動時間を実績に基づいて、適当な階数に区切って、横軸を構成する。移動時間ヒストグラム出力手段13451は、縦軸には、移動時間の階数ごとの頻度(度数)、もしくは合計時間を配する。これにより、どのくらいの長さの移動時間が停止時間に影響を与えていたのかを一目で認識することができる。短い移動時間の頻度が高い場合、停止が起こっても作業員がすぐに対処できる環境にあることがわかり、特に問題はない。逆に長い移動時間の頻度が高い場合設備停止が起こったときに、作業員が到着するまでに時間がかかっていることがわかる。これは作業員の配置に問題があると考えられるので、作業員の配置を再検討する必要があることがわかる。
復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧時間を実績に基づいて、適当な階数に区切って、横軸を構成する。復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、縦軸には、復旧時間の階数ごとの頻度(度数)、もしくは合計時間を配する。これにより、どのくらいの長さの復旧時間が停止時間に影響を与えていたのかを一目で認識することができる。短い復旧時間の頻度が高い場合、チョコ停が頻発していることがわかる。よってチョコ停の原因追及と対策が必要とわかる。逆に長い復旧時間の頻度が高い場合ドカ停が頻発していることがわかる。よって、ドカ停の原因追及と対策が必要とわかる。
このように、停止時間を移動時間と復旧時間に分けてヒストグラム表示することで生産装置の稼働率向上のための対策方法を決定する支援を行うことができる。
なお、解析結果出力部1345は、図24に示すような稼動情報をグラフ出力しても良い。かかる場合、図16に示す状態意味情報も、解析装置134が保持している必要がある。そして、状態情報に対応する状態意味情報(例えば「電源断」)の発生を、タイミングチャートで出力する。かかるタイミングチャートの出力処理は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。なお、タイミングチャートは、タイムチャートと同意義である。
次に、稼動情報統計処理手段13444は、上述した解析処理2を行う。つまり、稼動情報統計処理手段13444は、各状態情報に対応する変数(状態時間変数)に0を代入する。次に、稼動情報統計処理手段13444は、例えば、図17に示すような接点関連情報から、コードマップ(図16参照)を参照して、状態情報を順次取得する。そして、稼動情報統計処理手段13444は、状態情報を取得するごとに、当該状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。かかる処理により、各状態情報が示す状態が発生していた総時間を得ることができる。
そして、稼動情報統計処理手段13444は、図25に示す状態持続時間管理表を得る。状態持続時間管理表は、「状態情報ID」「状態情報」「状態時間変数(s)」「割合(%)」「状態意味情報」を有するレコードを1以上格納している。「状態情報ID」は、状態情報を識別するIDである。「状態時間変数」は、各状態情報が示す状態が発生していた総時間を示す情報である。また、「割合(%)」は、各状態情報が示す状態が発生していた割合を示す。つまり、稼動情報統計処理手段13444は、全状態情報に対応する「状態時間変数」から、「割合(%)」の属性値を算出する。図25において、「割合(%)」は、小数点以下、四捨五入している。
次に、統計処理結果出力手段13453は、図25に示す状態持続時間管理表の「割合(%)」および「状態意味情報」を用いて、図26に示す円グラフを出力する。本円グラフは、各状態の時間的な割合を示すグラフである。図26のグラフにより、製造現場のユーザは、正常稼動状態のON時間合計から稼働率に相当する割合を把握できる。さらに、製造現場のユーザは、それ以外の稼動情報から、停止要因が自設備にあるのか、前工程にあるのか、後工程にあるのか等を把握することができる。
さらに、稼動情報統計処理手段13444は、上述した解析処理3を行う。稼動情報統計処理手段13444は、各状態情報に対応する変数(状態時間変数)に0を代入する。次に、稼動情報統計処理手段13444は、状態情報を順次取得する。そして、稼動情報統計処理手段13444は、先に取得した状態情報((i−1)番目の状態情報)と、最近に取得した状態情報(i番目の状態情報)を比較し、変化があるまで、当該状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。そして、変化があった場合、前の状態の状態時間変数の値が示す区分を示す情報と、前の状態を示す情報と、合計時間を対にして格納する。
かかる処理により、各状態情報が示す状態が持続して発生していた頻度を区分に分けて、得ることができる。具体的には、稼動情報統計処理手段13444は、例えば、図27に示す状態情報持続時間頻度管理表を得る。状態情報持続時間頻度管理表は、「区分」「頻度」「合計時間」を属性として有するレコードを1以上保持している。「区分」は、ある状態が持続していた場合に、持続している時間をグループ化する情報である。「頻度」は、区分で示される時間、ある状態が持続していた回数である。「合計時間」は、「区分」に該当する状態の持続時間の頻度分の合計である。
また、稼動情報統計処理手段13444は、状態ごとに、状態情報持続時間頻度管理表を得る。図27は、例えば、状態「前工程からのワークなし」の状態情報持続時間頻度管理表である。
次に、統計処理結果出力手段13453は、得た状態情報持続時間頻度管理表に基づいて、ヒストグラムを出力する。ヒストグラムの出力は、生産装置11ごと、状態ごとに行われる。
図28は、統計処理結果出力手段13453が出力したヒストグラムの例である。図28において、縦軸の「合計時間」は、各区分に該当する持続時間を頻度分加算した時間である。また、図28において、1分以内、2分以内、3分以内、…、10分以上と11階数(区分)に区切られている。なお、起こった回数を表示すると、持続時間の短いものの方が発生しやすいので、右下に傾きやすくなり、分析を行う上で妥当ではない。したがって、縦軸に「合計時間」をとった方が階数ごとの比較がしやすい。また、「合計時間」とは、例えば1分以内の停止が、30秒が1回、10秒が3回、20秒が3回発生したとすると、合計時間は「30×1+10×3+20×3=120(秒)」となる。
また、統計処理結果出力手段13453が図29の(a)から(d)のぞれぞれのヒストグラムを出力した場合、ユーザは、以下のように判断する。図29は、状態「前工程からのワーク供給なし」の持続時間、頻度計測を行った結果のヒストグラムである、とする。そして、統計処理結果出力手段13453が図29(a)のヒストグラムを出力した場合、ユーザは、前工程とのタクトバランスが乱れている、と判断する。また、図29(b)の場合、ユーザは、前工程でチョコ停が多発している、と判断する。また、図29(c)の場合、ユーザは、前工程でドカ停が多発している、と判断する。さらに、図29(d)の場合、ユーザは、製造ラインの不具合に、複数要因ある、と判断する。かかることは、図29(a)から(d)のぞれぞれのヒストグラムの破線の円形により把握できる。
次に、解析部1344は、上述した解析処理4を行う。まず、状態対応付手段13449は、伝搬時間情報格納手段13448の伝搬時間情報を読み出す。なお、ここで、伝搬時間情報格納手段13448に伝搬時間情報が存在しなかった、とする。そして、ユーザは、図示しない入力手段(キーボードやマウスなど)から対応付データを入力し、対応付データ受付手段13446は、対応付データを受け付けた、とする。図30は、生産ラインの構成と対応付データの例を示す図である。生産ラインは、ワークを「A」から「B」に向けて流す。生産装置「E1」・・・「Ek−1」「Ek」「Ek+1」・・・「En」でワークが加工され、製品や部品等が出来あがる。また、生産ラインにおいて、各生産装置は、ベルトコンベアーで連結され、各装置はバッファ(ワークを蓄える領域)を有する。また、対応付データは、ここでは、各生産装置のタクトタイム(sec/個)、各生産装置のバッファ許容量(個)、各生産装置の現在のバッファ蓄積量(個)、各生産装置のワーク搬送時間(sec)、各生産装置の後工程復旧伝搬時間(sec)を含む。図30において、生産装置「Ek」のタクトタイム(sec/個)は「TTk」、バッファ許容量(個)は「b0k」、バッファ蓄積量(個)は「bk」、ワーク搬送時間(sec)は「CTk」、後工程復旧伝搬時間(sec)は「Bek」であることを示す。生産装置「Ek+1」のタクトタイム(sec/個)は「TTk+1」、バッファ許容量(個)は「b0k+1」、バッファ蓄積量(個)は「bk+1」、ワーク搬送時間(sec)は「CTk+1」、後工程復旧伝搬時間(sec)は「Bek+1」であることを示す。対応付データを記号で示す場合の意味は、かかる記載規則による。また、図30において、対応付データを構成する各データの入力元は異なっても良い。例えば、対応付データのうち、タクトタイム(sec/個)、バッファ許容量(個)、ワーク搬送時間(sec)は、ユーザにより入力される。また、バッファ蓄積量(個)は、バッファ蓄積量計測部1316が計測したバッファ蓄積量が、分岐装置131からネットワーク装置132経由でデータ収集装置133に蓄積され、解析装置134が読み出しても良い。また、後工程復旧伝搬時間(sec)は、下記の数式1により算出しても良い。
数式1において、「しかかり個数」は、生産装置「Ek」が後工程満杯になった時点で搬送路上にあり、バッファに到達していないワークの数である。「センサ間滞留量」は、満杯検知センサと復旧センサの間に滞留しているワークの数である。かかる場合、生産ラインは、例えば、満杯検知センサと復旧センサを具備する。満杯検知センサは、生産ラインが満杯であることを検知するセンサである。復旧センサは、生産ラインの稼動が復旧したことを検知するセンサである。
後工程復旧伝搬時間(sec)の算出方法例の概念について、図31の概念図を用いて説明する。
後工程復旧伝搬時間は、生産装置11(Ek+1)が停止し、そのためにその直前の工程の生産装置11(Ek)が停止した場合、生産装置11(Ek+1)が再稼働してから生産装置11(Ek)が再稼働するまでにかかる時間である。つまり、後工程復旧伝搬時間は、例えば、しかかり個数から算出される。具体的には、しかかり個数はバッファ蓄積量同様に計測、もしくは定義される。そして、例えば、バッファにワークが満杯になることを検知する満杯検知センサ(これがトリガーになり生産装置11(Ek)が後工程ワーク満杯となり停止する)と、生産装置11(Ek+1)が復旧しバッファのワークがある程度処理されたことを検知する復旧センサ(これがトリガーになり生産装置11(Ek)が後工程ワーク満杯から正常稼動に復旧する)が異なる場合は、数式1により、後工程復旧伝搬時間は算出される。
次に、伝搬時間算出手段13447は、図30の対応付データを用いて、伝搬時間を算出し、伝搬時間情報を得る。具体的には、伝搬時間算出手段13447は、図32に示す概念図にしたがって、下記の数式2から数式4により、伝搬時間を算出する。図32は、生産装置「Ek」が停止した場合、その停止の影響が、前工程の生産装置「Ek−1」、後工程の生産装置「Ek+1」に伝搬する時間を算出する場合の概念図である。
なお、Bekは、後工程復旧伝搬時間であり、例えば、数式1で算出され得る。
また、伝搬時間算出手段13447は、通常、数式1から数式4の算出式の情報を予め保持している。
そして、伝搬時間算出手段13447は、例えば、図33に示す伝搬時間情報を得たとする。図33は、1以上の伝搬時間情報を格納している伝搬時間情報管理表の例を示す。伝搬時間情報管理表は、「設備名」「Bs(sec)」「Be(sec)」「As(sec)」「Ae(sec)」の属性値を有するレコードを1以上保持している。「設備名」の属性値である「E1」「E2」「Ek−1」「Ek」「Ek+1」「En」等は、生産ラインを構成する生産装置の名称(識別子)である。「Bs(sec)」は、停止発生の前工程への伝搬時間(単位:秒)である。また、「Be(sec)」は、停止復旧の前工程への伝搬時間(単位:秒)である。また、「As(sec)」は、停止発生の後工程への伝搬時間(単位:秒)である。また、「Ae(sec)」は、停止復旧の後工程への伝搬時間(単位:秒)である。
次に、状態対応付手段13449は、図33の1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置11の稼動状態に関する情報(例えば、状態情報)の間の対応付けを行う。
まず、状態対応付手段13449が行う対応付けの概念に関して、図34を用いて説明する。図34において、生産装置「Ek」の自停止の影響が、前工程の生産装置「Ek−1」「Ek−2」において「後工程ワーク満杯」の状況を作り出すこと、後工程の生産装置「Ek+1」「Ek+2」において「前工程ワークなし」の状況を作り出すことを示している。状態対応付手段13449は、かかる一の生産装置の停止の影響が前後の工程の生産装置の稼動状況に及ぼす影響を検知し、2以上の生産装置の状態を対応づける。なお、図34の自停止とは、「部品なし」、「異常停止」、「停止」など自身が原因で生産装置が停止する状態をいう。
次に、状態対応付処理の具体例について説明する。各生産装置の状態情報に対して、以下の処理を行う。
つまり、まず、第一前処理手段134491は、処理対象となる生産装置の状態情報に対して、前処理を行い、新たな状態情報を得る。第一前処理手段134491は、例えば、予め決められた指定時間を読み出し、当該指定時間以下または未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報を検索する。そして、当該指定時間以下または未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報が見つかれば、当該情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行い、新たな状態情報を得る。
次に、第一状態検索手段134492は、処理対象となる生産装置の状態情報に対して、停止状態を示す状態情報が存在するか否かを判断する。そして、第一状態検索手段134492は、停止状態(適宜「自停止」という)を示す状態情報から、自停止の発生時刻Tskと復旧時刻Tekを取得する。また、状態情報が「異常停止」か「停止」を示す情報である場合は、その停止要因を、図示しない入力手段により作業員に入力させ、当該停止要因を示す情報も状態情報として蓄積、または当該停止要因を示す情報と状態情報を対応付けて蓄積することは好適である。さらに、停止要因に対して作業員が行った対策処理をも図示しない入力手段で入力させ、当該対策処理を示す情報も状態情報として蓄積、または当該対策処理を示す情報と状態情報を対応付けて蓄積することは好適である。
次に、状態対応情報生成手段134494は、生産装置「Ek」の前工程の生産装置「Ek−1」にて後工程ワーク満杯が発生し得る時刻である発生時刻「Tsk−1=Tsk+Bsk」、後工程ワーク満杯が復旧する可能性のある時刻である復旧時刻「Tek−1=Tek+Bek」を算出する。そして、状態対応情報生成手段134494は、生産装置「Ek−1」の状態情報を検索し、発生時刻と復旧時刻の間の状態情報において、「後工程ワーク満杯」を示す状態情報を有しないか否かを判断する。「後工程ワーク満杯」を示す状態情報を有する場合は、状態対応情報生成手段134494は、生産装置「Ek」の「停止状態」を示す状態情報と生産装置「Ek−1」の「後工程ワーク満杯」を示す状態情報とを対応付ける。同様に生産装置「Ek−2」、「Ek−3」、・・・と対応が確認できなくなるまで対応付けを行う。ここで、「対応付け」とは、例えば、状態対応情報を生成する処理である。状態対応情報とは、例えば、「停止設備」「停止情報ID」「影響設備」「影響設備ID」「要因」「対策」の情報を含む。「停止設備」は、「停止状態」の生産装置の識別子(例えば、「Ek」)である。「停止情報ID」は、「停止設備」で識別される生産装置の停止状態の状態情報を識別する情報である。「停止情報ID」は、例えば、停止状態が発生した時刻である。「影響設備」は、「停止状態」の生産装置の停止の影響を受けた生産装置の識別子(例えば、「Ek−1」)である。「影響情報ID」は、「影響設備」で識別される生産装置の前工程ワークなし、後工程満杯などの状態の状態情報を識別する情報である。「影響情報ID」は、例えば、「影響設備」で識別される生産装置が、他の生産装置の影響により、異常状態が発生した時刻である。「要因」は、停止の要因を示す情報であり、作業員により入力された情報である。「対策」は、停止の要因に対する対策を示す情報であり、作業員により入力された情報である。図35は、1以上の状態対応情報を管理する状態対応情報管理表である。状態対応情報生成手段134494は、2以上の生産装置の状態情報から、状態対応情報管理表を構成する。
また、状態対応情報生成手段134494は、生産装置「Ek」の後工程の生産装置「Ek+1」の前工程ワークなしが発生し得る時刻である発生時刻「Tsk+1=Tsk+Askk」、復旧時刻「Tek+1=Tek+Aek」を算出する。そして、状態対応情報生成手段134494は、生産装置「Ek+1」の状態情報を検索し、発生時刻と復旧時刻の間の状態情報において、「前工程ワークなし」を示す状態情報を有しないか否かを判断する。「前工程ワークなし」を示す状態情報を有する場合は、状態対応情報生成手段134494は、生産装置「Ek」の「停止状態」を示す状態情報と生産装置「Ek+1」の「前工程ワークなし」を示す状態情報とを対応付ける。そして、生産装置「Ek+2」、「Ek+3」・・・と対応が確認できなくなるまで対応付けを行う。そして、状態対応情報生成手段134494は、例えば、図35に示す状態対応情報管理表を得る。
そして、上記の対応付け処理を、すべての生産装置の状態情報に対して行う。
次に、影響度算出手段13440は、例えば、図35の状態対応情報管理表の状態対応情報を用いて、1以上の生産装置11の稼動状況の他の生産装置11に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する。具体的には、影響度算出手段13440は、各生産装置の状態情報と、図35の状態対応情報管理表の状態対応情報を用いて、生産装置ごとに、影響度情報を取得する。影響度情報は、例えば、図36に示すような構造を有し、生産装置11を識別する識別子である「生産装置」と、各稼動状況を示す割合の情報を有する。各稼動状況を示す割合の情報は、「自停止」と「他の装置の停止による停止」の情報を有する。「自停止」は、「生産装置」で識別される生産装置11が自らの原因で停止した場合の停止の割合を示す情報である。「自停止」は、停止の原因により「異常停止」「停止」「部品なし」の3つの情報(各停止原因の割合の情報)を有する。「他の装置の停止による停止」は、停止の原因を作った他の生産装置11を識別する情報(例えば、「E1」「E2」など)を有する。各生産装置の「他の装置の停止による停止」の属性「E1」の属性値は、生産装置「E1」が原因で停止した割合を示す情報である。影響度算出手段13440は、生産装置ごとに、状態情報を統計解析し、各状態の累積時間を算出する。その際、影響度算出手段13440は、図35の状態対応情報管理表の状態対応情報の「影響設備」で示される生産装置11が、「停止設備」で示される生産装置の停止が原因で停止していると判断し、その時間を、図36の「他の装置の停止による停止」の「停止設備」に対応する属性値に加える。そして、影響度算出手段13440は、状態対応情報管理表の状態対応情報を用いて、図36の「他の装置の停止による停止」の各生産装置の属性値を生成する。かかる処理を、影響度算出手段13440は、全生産装置の状態情報に対して行う。そして、影響度算出手段13440は、図36の影響度情報を取得する。
次に、解析結果出力部1345は、2以上の生産装置11の状態情報の間の対応付けの情報を含む稼動状態情報である伝搬情報含稼動状態情報を出力する。具体的には、解析結果出力部1345は、図35の状態対応情報管理表と、状態情報を用いて、例えば、図37に示すタイミングチャートを出力する。このタイミングチャートは、例えば、生産装置「Ek」の稼動状態を示すタイミングチャートであり、他の装置の停止の影響を示す伝搬情報含稼動状態情報を出力したタイミングチャートである。図37に示すタイミングチャートにおいて、自停止以外の停止について、停止した生産装置11の箇所と停止要因を表示することにより、どの生産装置11の停止の影響がどのように影響しているかが容易に理解できる。図37に示す生産装置「Ek」のタイミングチャートにおいて、「前工程ワークなし」の状態は、生産装置「Ek−2」の損失や、生産装置「Ek−1」の停止や、生産装置「Ek−3」の異常停止により発生していることは容易に分かる。
次に、解析結果出力部1345は、影響度算出手段13440が取得した図36の影響度情報を出力する。ここでは、例えば、解析結果出力部1345は、棒グラフで図36の影響度情報を出力する。影響度情報の出力例を図38に示す。図38において、各生産装置の稼動状態、各生産装置の他の生産装置停止による影響度合いが一目瞭然に理解できる。
以上、本実施の形態によれば、生産装置などの設備を改造したり、設備に装着されているプログラマブルコントローラなどのシーケンスプログラムを大幅に変更したりせずに、容易に生産装置の稼動に関する情報を取得できる。かかるデータ収集システムは、特に、例えば、プラントなどの大規模な生産システムに導入する際に極めて有効である。
また、本実施の形態によれば、解析装置134により、稼動情報ログを解析することにより、作業員の増員の必要性や、復旧作業の手順化の必要性などの解決策を講じることができる。
また、本実施の形態によれば、ネットワーク装置に送信するデータがコード化され、ネットワークトラフィックを少なくすることができる。また、蓄積される稼動情報ログも小さなデータ量で済む。
また、本実施の形態によれば、状態情報が、ブザーの状態の変化および警告灯の状態の変化とは非同期に発生する情報である非同期情報を含む場合、非同期情報以外の他の状態情報に関わらず、所定の値のコードである接点関連情報に変換することにより、さらに、ネットワークトラフィックを少なくできる。
また、本実施の形態によれば、従来の現場作業員の作業手順(例えば、異常が発生すれば、異常を発生させた生産装置の近くまで行き、ブザーを停止するボタンを押下する等の作業)を変更せずに、容易に生産装置の稼動に関する情報(作業員の移動時間、復旧作業時間)を取得できる。したがって、生産現場での対策が容易になる。
また、本実施の形態によれば、移動時間をヒストグラム表示することにより、停止が起こったときに移動時間が長い場合が多いのか短い場合が多いのかを把握でき、長い場合には作業員の配置に問題があることがわかる。また、復旧時間をヒストグラム表示することにより、停止が起こったときに復旧時間が長い場合が多いのか短い場合が多いのかを把握できる。復旧時間が長い場合にはドカ停が頻発するということになり、ドカ停対策が必要とわかり、復旧時間が短い場合にはチョコ停が頻発するということになり、チョコ停対策が必要とわかる。このように、ヒストグラム表示を行うことで、設備の対策方法決定支援が可能となる。
また、本実施の形態によれば、ある状態の持続時間や、ある状態の発生頻度の統計的データを出力することにより、製造ライン等の不具合の原因を一目瞭然に認識できる。
また、本実施の形態によれば、解析装置は、時刻を補正する補正部を具備することにより、生産装置の正確な状態変化(故障発生、復旧等)の時刻を取得でき、その結果、故障発生の原因などの解明が容易になる。
また、本実施の形態によれば、解析装置における停止状態の伝搬についての解析処理により、生産装置の停止状態の伝搬に関する情報を精度高く得ることができる。特に、伝搬時間情報を用いて、生産装置の停止状態の伝搬に関する情報を得るので、精度高く影響の伝搬の状況を知ることができる。さらに具体的には、生産装置停止の前後の生産装置への影響を定量化して把握することができ、問題箇所の修正後、生産装置の稼働率がどれだけ向上するかを定量的に把握することが可能となる。そのため、改善の必要な生産装置が複数あったとしても、改善の優先順位の決定が容易になる。
また、本実施の形態によれば、解析装置において、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行い、新たな状態情報を得る前処理により、収集した生産装置の稼動に関する情報が有するノイズを除去でき、その結果、非常に精度の高い停止状態の伝搬に関する情報を得ることができる。
なお、本実施の形態において、100個パルスが入るごとに、シーケンサ12が、1回パルスを出力した。しかし、シーケンサ12が一のワークを処理するごとに、パルスを分岐装置131に出力し、分岐装置131が、ワークの処理の個数の当該パルスによりカウントし、100個のパルスを受け付けた場合に、100個のワークが処理された旨を示す非同期情報を構成し、ネットワーク装置132に送信しても良い。
また、本実施の形態において、コードマップは、図16のマップに限られず、図39、または図40に示すマップでも良い。図39、図40において、「−」は、「0」でも「1」でも良い「don't care」を示す。
コードマップが図39のコードマップである場合、「前工程ワークなし+後工程満杯」の場合、状態情報は、警告灯「黄」が点灯、警告灯「緑」が点滅を示す情報である(図39の7番目のレコード参照)。また、「後工程満杯」の場合、状態情報は、警告灯「緑」が点滅を示す情報である(図39の3番目のレコード参照)。さらに、「前工程ワークなし」の場合、状態情報は、警告灯「黄」が点灯、警告灯「緑」が点灯を示す情報である(図39の5番目のレコード参照)。図39において、「前工程ワークなし+後工程満杯」という同時に発生する稼動状態を切り分けている。つまり、図39のコードマップにおいて、3種類の状態情報を、2ビットの接点関連情報(図39の「状態2」、「状態3」)で示すことができている。また、図39のコードマップは、2以上の状態(ここでは、「前工程ワークなし」と「後工程満杯」の2つの状態)の組み合わせを示す状態情報に対応する接点関連情報を、当該組み合わされた2以上の状態に対応する各接点関連情報(ここでは、「−100」と「−010」)の和(「−110」)とするコードマップである。ここで、「−100」と「−010」の和を「−110」と考える。つまり、「−」(don't care)については、和演算に影響を及ぼさない、とする。これは、生産現場において、少ない警告灯(ハードウェア)の数で、生産装置の多くの状態を伝える必要がある。一方、生産管理を行う部門では、「前工程ワークなし」、「後工程満杯」、および「前工程ワークなし+後工程満杯」の3つの状態を3つの波形等の出力から判断するのではなく、同時に発生する稼動状態を切り分け、2つの波形等の出力で判断できることが好適である。つまり、図41に示すように、図41(a)に示す最下位の「前工程ワークなし+後工程満杯」の波形を、「前工程ワークなし」、「後工程満杯」に集約している(図41(b))。このことにより、生産管理を行う部門において、より直感的な生産装置の状態把握が可能である。なお、コードマップが異なる場合でも、状態コード化部1313、コードマップ設定部1315、接点関連情報取得手段13132、解析部1344、状態デコード手段13441等の処理は同じである。かかる処理に関して、破線の円形、または破線の楕円形の図形で示している。
また、本実施の形態において、状態対応付手段13449が行う対応付けは、図34のような対応付けに限らず、図42(a)(b)に示すような対応付けでも良い。図42(a)において、「生産時間損失」の状態が出力されている。「生産時間損失」とは、生産装置間でタクトタイムが著しく異なったために、タクトタイムの遅い生産装置の前(もしくは後)で後工程ワーク満杯(もしくは前工程ワークなし)が発生したことによる生産時間が減少した状態を言う。図42(b)において、「生産個数損失」の状態が出力されている。「生産個数損失」とは、検査工程で異常となったワークを廃棄、もしくは前工程へ再投入するための生産ラインに移したために起こったワークの減少状態を示す。「自停止」が発生する前に「後工程ワーク満杯」が発生している場合は、「生産時間損失」が発生していると考えられるので、状態対応付手段13449は、「生産時間損失あり」と蓄積し、前工程への伝搬を対応付けることは好適である。なお、「生産個数損失」は前工程へは伝搬しない特性があるので、このケースの損失は生産時間損失であると決定し、状態対応付手段13449は、できる。かかる場合、出力される影響度情報は、例えば、図43に示すような情報である。図43において、生産装置「E1」から「E5」で構成されるライン設備の影響度を表したグラフである。図43において、前工程ワークなしと後工程ワーク満杯を各設備の停止、もしくは損失に置き換えて表示している。本図の場合は、生産装置「E5」にて再投入などの損失が発生した場合であり、その影響が「E2」から「E5」へ伝搬していることがわかる。これにより、各生産装置の停止が他の生産装置に与える影響度を定量化することができ、影響度の高いものほど改善の優先度が高いので、生産装置改善の意志決定支援を行うことができる。なお、図43における「E5損失」とは、生産装置「E4」と生産装置「E5」の間でタクトバランスの乱れから発生した生産時間損失である。
また、本実施の形態において、解析装置134が、データ収集装置133から切り離されており、スタンドアロンの装置でも良い。かかる場合、解析装置は、以下の構成を有する。つまり、解析装置は、1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得部と、前記接点関連情報取得部が取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析部と、前記解析部が取得した所定の情報を出力する解析結果出力部を具備し、前記解析部は、生産ライン上の一の生産装置の前後の工程の生産装置への当該一の生産装置の停止の影響の伝搬時間に関する情報である伝搬時間情報を1以上、生産装置に対応付けて格納している伝搬時間情報格納手段と、前記1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行う状態対応付手段を具備する解析装置、である。
また、他の解析装置は、上記解析装置に対して、前記状態対応付手段は、前記稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得する第一状態検索手段と、前記第一状態検索手段が取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、前記1以上の伝搬時間情報を用いて、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを示す情報である状態対応情報を生成する状態対応情報生成手段を具備し、前記解析結果出力部は、前記稼動状態に関する情報と前記状態対応情報を用いて、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを示す情報であり、1以上の生産装置の稼動状態を示す情報である伝搬情報含稼動状態情報を出力する解析装置、である。
また、他の解析装置は、上記解析装置に対して、前記状態対応付手段は、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを判断するためのルールである状態対応付ルールを格納している状態対応付ルール格納手段をさらに具備し、前記状態対応情報生成手段は、前記状態対応付ルールと、前記状態検索手段が取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、前記1以上の伝搬時間情報を用いて、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを示す情報である状態対応情報を生成する解析装置である。
また、他の解析装置は、上記解析装置に対して、前記状態対応付手段は、前記稼動状態に関する情報であり、正常に稼動している旨を示す情報のうち、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行い、新たな稼動状態に関する情報を得る第一前処理手段をさらに具備し、前記第一状態検索手段は、前記第一前処理手段が取得した稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得する解析装置である。
また、他の解析装置は、上記解析装置に対して、前記解析部は、前記状態対応付手段が2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する影響度算出手段をさらに具備し、前記解析結果出力部は、前記影響度算出手段が取得した影響度情報を出力する解析装置である。
また、他の解析装置は、上記解析装置に対して、前記解析部は、伝搬時間情報を算出する元になるデータである対応付データを受け付ける対応付データ受付手段と、前記対応付データ受付手段が受け付けた対応付データを用いて、伝搬時間情報を算出する伝搬時間算出手段をさらに具備し、前記伝搬時間情報格納手段が格納している伝搬時間情報は、前記伝搬時間算出手段が算出して得た情報である解析装置である。
また、他の解析装置は、上記解析装置に対して、前記対応付データ受付手段は、少なくとも前記バッファ蓄積量を含む対応付データを受け付ける解析装置である。
なお、本実施の形態における各装置の処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における解析装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得ステップと、前記接点関連情報取得ステップで取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析ステップと、前記解析ステップで取得した所定の情報を出力する解析結果出力ステップを実行させ、前記解析ステップは、格納している1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行うプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、状態対応付ステップは、前記稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得する第一状態検索ステップと、前記第一状態検索ステップで取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、前記1以上の伝搬時間情報を用いて、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを示す情報である状態対応情報を生成する状態対応情報生成ステップを具備し、前記解析結果出力ステップは、前記稼動状態に関する情報と前記状態対応情報を用いて、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを示す情報であり、1以上の生産装置の稼動状態を示す情報である伝搬情報含稼動状態情報を出力しても良い。
また、上記プログラムにおける前記状態対応情報生成ステップは、格納している状態対応付ルールと、前記状態検索ステップで取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、前記1以上の伝搬時間情報を用いて、一の生産装置の停止状態の影響が前工程および後工程の生産装置に伝搬したことを示す情報である状態対応情報を生成するプログラムでも良い。
また、上記プログラムにおける状態対応付ステップは、前記稼動状態に関する情報であり、正常に稼動している旨を示す情報のうち、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行い、新たな稼動状態に関する情報を得る第一前処理ステップをさらに具備し、前記第一状態検索ステップは、前記第一前処理ステップで取得した稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得しても良い。
また、上記プログラムにおける解析ステップは、前記状態対応付ステップで2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する影響度算出ステップをさらに具備し、前記解析結果出力ステップは、前記影響度算出ステップで取得した影響度情報を出力しても良い。
また、上記プログラムにおける解析ステップは、伝搬時間情報を算出する元になるデータである対応付データを受け付ける対応付データ受付ステップと、前記対応付データ受付ステップで受け付けた対応付データを用いて、伝搬時間情報を算出する伝搬時間算出ステップをさらに具備し、前記伝搬時間情報は、前記伝搬時間算出ステップで算出して得た情報でも良い。
また、上記プログラムにおける対応付データ受付ステップで、少なくとも前記バッファ蓄積量を含む対応付データを受け付けても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態において、生産システムの基本構成図は、実施の形態1で示した図1と同等である。ただし、本生産システムを構成するデータ収集装置の中の解析装置が実施の形態1と異なる。具体的には、本実施の形態において、解析装置は、データ収集装置により稼動に関する情報である接点情報が収集されない生産装置が生産ラインに存在する場合、その接点情報が収集されない生産装置について、当該生産装置の前後の生産装置の接点関連情報等から状態検索手段によって検索された停止状態から、伝搬時間をもとに当該生産装置の接点関連情報を推測する状態補完手段を具備する。
本実施の形態におけるデータ収集システム441は、実施の形態1におけるデータ収集システム13と比較して、解析装置の構成のみが異なる。
データ収集システム441は、1以上の分岐装置131、1以上のネットワーク装置132、データ収集装置133、解析装置4414を具備する。データ収集システム441において、分岐装置131とネットワーク装置132は、通常、1セットになっている。また、データ収集システム441は、通常、2セット以上の分岐装置131およびネットワーク装置132と、一のデータ収集装置133と、一の解析装置4414を具備する。
解析装置4414は、データ収集装置133に格納されている接点関連情報を取得し、解析処理する。
解析装置4414の構成を示すブロック図を図44に示す。
解析装置4414は、指示受付部1341、接点関連情報取得部1342、補正部1343、解析部44144、解析結果出力部1345を具備する。
解析部44144は、接点関連情報取得部1342が取得した1以上の接点関連情報(ここでは、補正部1343で補正がかかった後の接点関連情報)を処理し、所定の情報を取得する。ここでは、解析部44144は、解析部1344と比較して、接点情報が収集されない生産装置について、その前後の生産装置の稼動状態に関する情報(接点関連情報または状態情報等)から当該生産装置の稼動状態に関する情報を推測する機能を有する点が異なる。
解析部44144は、コードマップ記憶手段13131、状態デコード手段13441、状態補完手段441441、作業員移動時間情報取得手段13442、復旧作業時間情報取得手段13443、稼動情報統計処理手段13444、区分情報格納手段13445、対応付データ受付手段13446、伝搬時間算出手段13447、伝搬時間情報格納手段13448、状態対応付手段13449、影響度算出手段13440を具備する。
また、状態補完手段441441の構成を示すブロック図を図45に示す。
状態補完手段441441は、補完情報格納手段4414411、第二前処理手段4414412、第二状態検索手段4414413、補完ルール格納手段4414414、稼動情報補完手段4414415を具備する。
状態補完手段441441は、データ収集装置133がデータ収集の対象外の生産装置11の前後の工程の生産装置11の停止状態を示す稼動状態に関する情報を用いて、当該データ収集の対象外の生産装置の稼動状態に関する情報を生成する。ここで、稼動状態に関する情報とは、例えば、接点関連情報または状態情報などである。稼動状態に関する情報は、ここでは、主として状態情報として説明する。状態補完手段441441は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態補完手段441441の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
補完情報格納手段4414411は、データ収集の対象外の生産装置11の稼動状態に関する情報を生成するための情報であり、例えば、データ収集の対象外の生産装置11を識別する補完生産装置識別子を有する情報である補完情報を格納している。補完情報は、通常、補完生産装置識別子と、前後の生産装置を識別する情報を有する。補完情報は、補完対象の生産装置を認識でき、補完を行う元になる稼動状態に関する情報を取得できるための情報であれば、その内容やデータ構造等は問わない。
第二前処理手段4414412は、稼動状態に関する情報であり、正常に稼動している旨を示す情報のうち、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行う。なお、既に前処理が行われている場合(第一前処理手段134491が前に行った場合)は、第二前処理手段4414412による前処理は行う必要はない。
第二状態検索手段4414413は、稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得する。第二状態検索手段4414413は、停止状態を示す稼動状態に関する情報の全部または一部の情報を取得する。
補完ルール格納手段4414414は、稼動情報補完手段4414415が稼動状態に関する情報を生成するためのルールである補完ルールを格納している。補完ルールは、プログラム中に埋め込まれていても良いし、データであっても良い。補完ルールの具体例は後述する。補完ルールのデータ構造等は問わない。
稼動情報補完手段4414415は、第二状態検索手段4414413が取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、補完情報格納手段4414411の補完情報を用いて、補完生産装置識別子で識別される生産装置の稼動状態を示す接点関連情報を生成する。
次に、解析装置4414の動作について説明する。解析装置4414の動作は、上述したように、実施の形態1と比較して、接点情報が収集されない生産装置について、当該生産装置の前後の生産装置の状態情報等から状態検索手段によって検索された停止状態から、伝搬時間をもとに当該生産装置の稼動に関する情報を推測する点が異なるのみである。
かかる稼動に関する情報を補完する処理について、図46から図47のフローチャートを用いて説明する。本動作説明において、一の生産装置の稼動に関する情報を推測する処理について説明する。2以上の稼動に関する情報を推測するべき生産装置が存在する場合は、下記の処理を繰り返せば良い。
(ステップS4601)稼動情報補完手段4414415は、補完情報格納手段4414411の補完情報を読み出す。
(ステップS4602)稼動情報補完手段4414415は、補完情報から補完生産装置識別子を取得する。また、稼動情報補完手段4414415は、補完情報または、生産ラインを構成する生産装置11の情報である生産ライン情報(通常、予め保持している)から、補完対象の生産装置11の前工程の生産装置11を識別する前工程装置識別子、および補完対象の生産装置11の後工程の生産装置11を識別する後工程装置識別子を取得する。なお、生産ライン情報は、例えば、ワークを処理する順に2以上の生産装置11を識別する識別子が並んだ情報(例えば、「E1,E2,E3,・・・En」)である。
(ステップS4603)第二前処理手段4414412は、前工程装置識別で識別される生産装置11の状態情報、および後工程装置識別で識別される生産装置の状態情報を読み込む。状態情報は、状態デコード手段13441が得た情報である。
(ステップS4604)第二前処理手段4414412は、ステップS4603で読み込んだ2つの装置の状態情報に対して前処理を行う。前処理とは、正常に稼動している旨を示す情報のうち、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理である。
(ステップS4605)稼動情報補完手段4414415は、補完ルール格納手段4414414から補完ルールを読み込む。
(ステップS4606)第二状態検索手段4414413、および稼動情報補完手段4414415は、ステップS4605で読み込んだ補完ルールに従って、ステップS4604の処理結果である2つの装置の状態情報を用いて、補完生産装置識別子で識別される生産装置の状態情報を生成する。かかる処理を、適宜、稼動情報補完処理という。処理を終了する。
なお、図46のフローチャートにおいて、ステップS4604の前処理は必須ではない。
図47のフローチャートを用いて、ステップS4406の稼動情報補完処理について説明する。
(ステップS4701)第二状態検索手段4414413は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS4702)第二状態検索手段4414413は、前工程の生産装置11の状態情報を検索し、i番目の異常状態を示す状態情報が存在するか否かを判断する。i番目の異常状態を示す状態情報とは、ここでは、同じ状態を示す連続した一群の状態情報である。i番目の異常状態を示す状態情報が存在すればステップS4703に行き、i番目の異常状態を示す状態情報が存在しなければ上位関数にリターンする。なお、ここでの異常状態とは、例えば、「後工程ワーク満杯」や「自停止」である。
(ステップS4703)第二状態検索手段4414413は、i番目の異常状態を示す状態情報から、その異常状態の発生時刻(Tsk−1)、復旧時刻(Tek−1)を取得する。なお、復旧時刻(Tek−1)は、i番目の異常状態を示す状態情報(連続した一群の状態情報)の次の状態情報が有する時刻の情報である。
(ステップS4704)第二状態検索手段4414413は、後工程の発生時刻(Tsk+1)、復旧時刻(Tek+1)を算出する。後工程の発生時刻(Tsk+1)は「Tsk−1+Ask−1+Ask」、復旧時刻(Tek+1)は「Tek−1+Aek−1+Aek」により算出する。
(ステップS4705)第二状態検索手段4414413は、後工程の発生時刻(Tsk+1)および復旧時刻(Tek+1)の間の状態情報を取得する。後工程の発生時刻(Tsk+1)は「Tsk−1+Ask−1+Ask」、復旧時刻(Tek+1)は「Tek−1+Aek−1+Aek」により算出する。
(ステップS4706)稼動情報補完手段4414415は、前工程の生産装置のi番目の異常状態を示す状態情報と、ステップS4705で取得した後工程の生産装置の状態情報を用いて、補完ルール格納手段4414414から該当する補完ルールを検索する。
(ステップS4707)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4706で取得した補完ルールから、補完生産装置識別子で識別される生産装置の状態を示す情報(通常、状態情報の一部を構成する情報)を取得する。
(ステップS4708)稼動情報補完手段4414415は、補完生産装置識別子で識別される生産装置の発生時刻Tsk、および復旧時刻Tekを算出する。発生時刻Tskは「tsk−1+Ask−1」、復旧時刻Tekは「Tek−1+Aek−1」により算出する。
(ステップS4709)稼動情報補完手段4414415は、補完生産装置識別子で識別される生産装置11の状態情報を生成する。この状態情報は、例えば、補完生産装置識別子で識別される生産装置の状態を示す情報と発生時刻Tskを有する。また、この状態情報は、例えば、補完生産装置識別子で識別される生産装置の状態を示す情報と「復旧時刻Tek−1秒」の情報を有する。
(ステップS4710)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4709で生成した状態情報を蓄積する。
(ステップS4711)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。そして、ステップS4702に戻る。
なお、図47のフローチャートにおいて、異常状態の検索は、前工程の生産装置の状態情報に対して行ったが、前工程および後工程の生産装置に対して、時間をずらしながら行っても良い。つまり、生産装置を問わず、初期時間から順に終了時間まで、異常状態の検索を行っても良い。
また、図46、図47のフローチャートにおいて、補完対象の生産装置が複数台あり、かつ補完対象の生産装置が生産ライン上で連続しない場合(ステップS4602で2組以上の情報が取得された場合)、図46のステップS4603からステップS4606の処理が組の数(補完対象の生産装置の数)だけ繰り返し行われ、補完対象のすべての生産装置の稼動情報が補完される。
次に、補完対象の生産装置が複数台あり、かつ補完対象の生産装置が生産ライン上で連続する場合の稼動情報補完処理について、図48から図52のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS4801)第二状態検索手段4414413は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS4802)稼動情報補完手段4414415は、伝播時間情報を読み出す。
(ステップS4803)第二状態検索手段4414413は、全生産装置における時刻i(時刻iとは、i番目の時刻のデータをいう)における状態情報を含むデータが存在するか否かを判断する。時刻iにおけるデータが存在すればステップS4804に行き、時刻iにおけるデータが存在しなければ処理を終了する。
(ステップS4804)第二状態検索手段4414413は、全生産装置における時刻iにおけるデータのうちで、異常状態を示す状態情報を取得する。
(ステップS4805)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4804で取得した状態情報の示す状態が「後工程ワーク満杯」であるか否かを判断する。「後工程ワーク満杯」であればステップS4806に行き、「後工程ワーク満杯」でなければS4808に行く。
(ステップS4806)稼動情報補完手段4414415は、後工程ワーク満杯時の複数の生産装置の状態補完処理である「後工程ワーク満杯複数補完処理」を行う。「後工程ワーク満杯複数補完処理」について、図49、図50のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS4807)第二状態検索手段4414413は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS4803に戻る。
(ステップS4808)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4804で取得した状態情報の示す状態が「自停止」であるか否かを判断する。「自停止」であればステップS4809に行き、「自停止」でなければS4810に行く。
(ステップS4809)稼動情報補完手段4414415は、自停止時の複数の生産装置の状態補完処理である「自停止複数補完処理」を行う。「自停止複数補完処理」について、図51のフローチャートを用いて説明する。ステップS4807に行く。
(ステップS4810)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4804で取得した状態情報示す状態が「前工程ワークなし」であるか否かを判断する。「前工程ワークなし」であればステップS4811に行き、「前工程ワークなし」でなければS4807に行く。なお、ここで「前工程ワークなし」ではない、とすれば、ステップS4804で、異常を示す状態情報を取得しなかったことを示す。
(ステップS4811)稼動情報補完手段4414415は、前工程ワークなし時の複数の生産装置の状態補完処理である「前工程ワークなし複数補完処理」を行う。「前工程ワークなし複数補完処理」について、図52のフローチャートを用いて説明する。ステップS4807に行く。
次に、後工程ワーク満杯複数補完処理について、図49、図50のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS4901)稼動情報補完手段4414415は、取得した状態情報の状態「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を取得する。
(ステップS4902)稼動情報補完手段4414415は、後工程ワーク満杯が発生した生産装置の生産ラインにおける直後のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、生産装置の並びの情報である生産ラインの情報(例えば、図33の設備名の並びの情報や、図55の情報など)を保持している。また、稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報(例えば、図33の情報)、およびステップS4901で取得した後工程ワーク満杯の発生時刻、復旧時刻を用いて、直後のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、例えば、後工程ワーク満杯が発生した生産装置の生産ラインにおける直後のデータ収集できる生産装置まで連続して「後工程ワーク満杯」が発生しているとして、当該直後のデータ収集できる生産装置の「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻(これを、発生時刻1、復旧時刻1とする。)を算出する。また、稼動情報補完手段4414415は、例えば、後工程ワーク満杯が発生した生産装置の次の補完対象の生産装置の状態が「自停止」であり、その「自停止」の生産装置から後工程ワーク満杯が発生した生産装置の生産ラインにおける直後のデータ収集できる生産装置まで「前工程ワークなし」状態が続くとして、当該直後のデータ収集できる生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻(これを、発生時刻2、復旧時刻2とする。)を算出する。そして、稼動情報補完手段4414415は、発生時刻1から復旧時刻2までの間を直後のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯として取得する。
(ステップS4903)第二状態検索手段4414413は、直後のデータ収集できる生産装置の、異常発生の可能性のある時間帯の異常状態を示す状態情報を取得する。
(ステップS4904)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4903で取得した状態情報の示す状態が「自停止」であるか否かを判断する。「自停止」であればステップS4905に行き、「自停止」でなければステップS4911に行く。
(ステップS4905)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS4906)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の補完対象の生産装置が存在すればステップS4907に行き、i番目の補完対象の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。補完対象の生産装置とは、「後工程ワーク満杯」が発生した生産装置と、「自停止」が発生した生産装置の間に存在する生産装置であり、稼動状態についてデータ収集されていない生産装置である。
(ステップS4907)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、および「後工程ワーク満杯」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を算出する。なお、稼動情報補完手段4414415は、「後工程ワーク満杯」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いずに、「自停止」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻(かかる情報も取得される)を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を算出しても良い。
(ステップS4908)稼動情報補完手段4414415は、状態情報が示す異常状態を「後工程ワーク満杯」とした状態情報を構成する。また、状態情報には、ステップS4907で算出した発生時刻、復旧時刻についての情報も含まれる。
(ステップS4909)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4908で構成した状態情報を記録媒体に蓄積する。
(ステップS4910)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS4906に戻る。
(ステップS4911)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4903で取得した状態情報の示す状態が「前工程ワークなし」であるか否かを判断する。「前工程ワークなし」であればステップS4912に行き、「前工程ワークなし」でなければステップS4913に行く。
(ステップS4912)稼動情報補完手段4414415は、「後工程ワーク満杯」が発生している生産装置と、「前工程ワークなし」が発生している生産装置の間(生産ライン上の間)の生産装置であて、データ収集していない2以上の生産装置の状態情報を補完する処理である「両側検索補完処理」を行う。「両側検索補完処理」について、図50のフローチャートを用いて説明する。上位関数にリターンする。
(ステップS4913)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4903で取得した状態情報の示す状態が「後工程ワーク満杯」であるか否かを判断する。「後工程ワーク満杯」であればステップS4905に行き、「後工程ワーク満杯」でなければステップS4914に行く。ここで、「後工程ワーク満杯」でない、とは、正常である、ということである。
(ステップS4914)稼動情報補完手段4414415は、所定のルールに基づいて、n台(nは2以上)の生産装置の状態情報を決定する。所定のルールとは、例えば、n台の真中(生産ライン中で真中)の生産装置を「自停止」とし、その前の1以上の生産装置を「後工程ワーク満杯」として、その後の1以上の生産装置を「前工程ワークなし」として状態情報を決定する、というルールである。また、所定のルールとは、n台の生産装置の状態情報を「不明」とするルールでも良い。なお、所定のルールは、予め記録媒体(補完ルール格納手段4414414)に格納されている。
(ステップS4915)稼動情報補完手段4414415は、n台の生産装置の状態情報を構成する。
(ステップS4916)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4915で構成したn台の生産装置の状態情報を記録媒体に蓄積する。上位関数にリターンする。
次に、両側検索補完処理について、図50のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5001)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5002)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の補完対象の生産装置が存在すればステップS503に行き、i番目の補完対象の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS5003)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置の後工程ワーク満杯の発生時刻、復旧時刻を取得する。なお、この発生時刻、復旧時刻は、推定される時刻であり、稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、および「後工程ワーク満杯」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を算出する。
(ステップS5004)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置の前工程ワークなしの発生時刻、復旧時刻を取得する。なお、この発生時刻、復旧時刻は、推定される時刻であり、稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、および「前工程ワークなし」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出する。
(ステップS5005)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5003で算出した発生時刻、復旧時刻が示す時間帯と、ステップS5004で算出した発生時刻、復旧時刻が示す時間帯が重なる時間帯か否かを判断する。重なる時間帯であればステップS5006に行き、重なる時間帯でなければにステップS5015行く。
(ステップS5006)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置の状態を「自停止」とした状態情報を構成する。なお、この状態情報には、重なった時間帯(発生時刻、復旧時刻)を有することが好適である。
(ステップS5007)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5006で構成した状態情報を記録媒体に蓄積する。
(ステップS5008)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5009)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の補完対象の生産装置が存在すればステップS510に行き、i番目の補完対象の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS5010)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が、ステップS5006で「自停止」の状態情報を有するとした生産装置より前工程の生産装置であるか否かを判断する。前工程の生産装置であればステップS5011に行き、前工程の生産装置でなければステップS5016に行く。なお、前工程の生産装置であるか否かは、例えば、生産ライン上での生産装置の並びの情報(例えば、図33の「設備名」の属性値列)により判断される。
(ステップS5011)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置の後工程ワーク満杯の発生時刻、復旧時刻を取得する。かかる発生時刻、復旧時刻は、伝搬時間情報と、自停止の装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、算出される。
(ステップS5012)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置の状態を「後工程ワーク満杯」とした状態情報を構成する。なお、状態情報は、通常、ステップS5011で算出した発生時刻、復旧時刻を含む。
(ステップS5013)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5012で構成した状態情報を記録媒体に蓄積する。
(ステップS5014)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS5009に戻る。
(ステップS5015)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS5002に戻る。
(ステップS5016)稼動情報補完手段4414415は、稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が、ステップS5006で「自停止」の状態情報を有するとした生産装置より後工程の生産装置であるか否かを判断する。後工程の生産装置であればステップS5017に行き、後工程の生産装置でなければステップS5014に行く。なお、後工程の生産装置であるか否かは、例えば、生産ライン上での生産装置の並びの情報(例えば、図33の「設備名」の属性値列)により判断される。また、ここで、後工程の生産装置でないことは通常有り得ないので、エラー処理を行っても良い。
(ステップS5017)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置の前工程ワークなしの発生時刻、復旧時刻を取得する。かかる発生時刻、復旧時刻は、伝搬時間情報と、自停止の装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、算出される。
(ステップS5018)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置の状態を「前工程ワークなし」とした状態情報を構成する。なお、状態情報は、通常、ステップS5017で算出した発生時刻、復旧時刻を含む。
次に、自停止複数補完処理について、図51のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5101)稼動情報補完手段4414415は、取得した状態情報の状態「自停止」の発生時刻、復旧時刻を取得する。
(ステップS5102)稼動情報補完手段4414415は、自停止が発生した生産装置の生産ラインにおける直後のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、生産装置の並びの情報である生産ラインの情報を保持している。また、稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、およびステップS5101で取得した自停止の発生時刻、復旧時刻を用いて、直後のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、例えば、自停止が発生した生産装置の生産ラインにおける直後のデータ収集できる生産装置まで連続して「前工程ワークなし」が発生しているとして、当該直後のデータ収集できる生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出する。そして、稼動情報補完手段4414415は、発生時刻から復旧時刻までの間を直後のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯として取得する。
(ステップS5103)稼動情報補完手段4414415は、直後のデータ収集できる生産装置の、異常発生の可能性のある時間帯の異常状態を示す状態情報を取得する。
(ステップS5104)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5103で取得した状態情報の示す状態が「前工程ワークなし」であるか否かを判断する。「前工程ワークなし」であればステップS5105に行き、「前工程ワークなし」でなければステップS5111に行く。
(ステップS5105)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5106)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の補完対象の生産装置が存在すればステップS5107に行き、i番目の補完対象の生産装置が存在しなければステップS5115に行く。補完対象の生産装置とは、「自停止」が発生した生産装置と、「前工程ワークなし」が発生した生産装置の間に存在する生産装置であり、稼動状態についてデータ収集されていない生産装置である。
(ステップS5107)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、および「自停止」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出する。
(ステップS5108)稼動情報補完手段4414415は、状態情報が示す異常状態を「前工程ワークなし」とした状態情報を構成する。また、状態情報には、ステップS5107で算出した発生時刻、復旧時刻についての情報も含まれる。
(ステップS5109)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5108で構成した状態情報を記録媒体に蓄積する。
(ステップS5110)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS5106に戻る。
(ステップS5111)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5103で取得した状態情報の示す状態が「正常」であるか否かを判断する。「正常」であればステップS5112に行き、「正常」でなければステップS5115に行く。
(ステップS5112)稼動情報補完手段4414415は、所定のルールに基づいてn台(nは2以上)の生産装置の状態を決定する。所定のルールとは、例えば、n台の生産装置の前半部(生産ラインのn台中、前半の装置群)の生産装置を「前工程ワークなし」とし、後半部(生産ラインのn台中、後半の装置群)の1以上の生産装置を「正常」として状態情報を決定する、というルールである。なお、所定のルールは、予め記録媒体(補完ルール格納手段4414414)に格納されている。
(ステップS5113)稼動情報補完手段4414415は、n台の生産装置の状態情報を構成する。
(ステップS5114)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5113で構成したn台の生産装置の状態情報を記録媒体に蓄積する。
(ステップS5115)稼動情報補完手段4414415は、自停止が発生した生産装置の生産ラインにおける直前のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、生産装置の並びの情報である生産ラインの情報を保持している。また、稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、およびステップS5101で取得した自停止の発生時刻、復旧時刻を用いて、直前のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、例えば、自停止が発生した生産装置の生産ラインにおける直前のデータ収集できる生産装置まで連続して「後工程ワーク満杯」が発生しているとして、当該直前のデータ収集できる生産装置の「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を算出する。そして、稼動情報補完手段4414415は、発生時刻から復旧時刻までの間を直前のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯として取得する。
(ステップS5116)稼動情報補完手段4414415は、直前のデータ収集できる生産装置の、異常発生の可能性のある時間帯の異常状態を示す状態情報を取得する。
(ステップS5117)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5116で取得した状態情報の示す状態が「後工程ワーク満杯」であるか否かを判断する。「後工程ワーク満杯」であればステップS5118に行き、「後工程ワーク満杯」でなければステップS5124に行く。
(ステップS5118)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5119)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の補完対象の生産装置が存在すればステップS5120に行き、i番目の補完対象の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。補完対象の生産装置とは、「後工程ワーク満杯」が発生した生産装置と、「自停止」が発生した生産装置の間に存在する生産装置であり、稼動状態についてデータ収集されていない生産装置である。
(ステップS5120)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、および「自停止」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を算出する。
(ステップS5121)稼動情報補完手段4414415は、状態情報が示す異常状態を「後工程ワーク満杯」とした状態情報を構成する。また、状態情報には、ステップS5120で算出した発生時刻、復旧時刻についての情報も含まれる。
(ステップS5122)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5121で構成した状態情報を記録媒体に蓄積する。
(ステップS5123)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS5119に戻る。
(ステップS5124)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5116で取得した状態情報の示す状態が「正常」であるか否かを判断する。「正常」であればステップS5125に行き、「正常」でなければ上位関数にリターンする。
(ステップS5125)稼動情報補完手段4414415は、所定のルールに基づいてn台(nは2以上)の生産装置の状態を決定する。所定のルールとは、例えば、n台の生産装置の後半部(生産ラインのn台中、後半の装置群)の生産装置を「後工程ワーク満杯」とし、前半部(生産ラインのn台中、前半の装置群)の1以上の生産装置を「正常」として状態情報を決定する、というルールである。なお、所定のルールは、予め記録媒体(補完ルール格納手段4414414)に格納されている。
(ステップS5126)稼動情報補完手段4414415は、n台の生産装置の状態情報を構成する。
(ステップS5127)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5126で構成したn台の生産装置の状態情報を記録媒体に蓄積する。上位関数にリターンする。
次に、前工程ワークなし補完処理について、図52のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5201)稼動情報補完手段4414415は、取得した状態情報の状態「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を取得する。
(ステップS5202)稼動情報補完手段4414415は、前工程ワークなしが発生した生産装置の生産ラインにおける直前のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、生産装置の並びの情報である生産ラインの情報(例えば、図33の設備名の並びの情報)を保持している。また、稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報(例えば、図33の情報)、およびステップS5201で取得した前工程ワークなしの発生時刻、復旧時刻を用いて、直前のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯を取得する。稼動情報補完手段4414415は、例えば、前工程ワークなしが発生した生産装置の生産ラインにおける直前のデータ収集できる生産装置まで連続して「前工程ワークなし」が発生しているとして、当該直前のデータ収集できる生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻(これを、発生時刻1、復旧時刻1とする。)を算出する。また、稼動情報補完手段4414415は、例えば、前工程ワークなしが発生した生産装置の一つ前の補完対象の生産装置の状態が「自停止」であり、その「自停止」の生産装置から前工程ワークなしが発生した生産装置の生産ラインにおける直前のデータ収集できる生産装置まで「後工程ワーク満杯」状態が続くとして、当該直前のデータ収集できる生産装置の「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻(これを、発生時刻2、復旧時刻2とする。)を算出する。そして、稼動情報補完手段4414415は、発生時刻1から復旧時刻2までの間を直前のデータ収集できる生産装置の異常発生の可能性のある時間帯として取得する。
(ステップS5203)稼動情報補完手段4414415は、直前のデータ収集できる生産装置の、異常発生の可能性のある時間帯の異常状態を示す状態情報を取得する。
(ステップS5204)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5203で取得した状態情報の示す状態が「自停止」であるか否かを判断する。「自停止」であればステップS5205に行き、「自停止」でなければステップS5211に行く。
(ステップS5205)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5206)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の補完対象の生産装置が存在すればステップS5207に行き、i番目の補完対象の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。補完対象の生産装置とは、「自停止」が発生した生産装置と、「前工程ワークなし」が発生した生産装置の間に存在する生産装置であり、稼動状態についてデータ収集されていない生産装置である。
(ステップS5207)稼動情報補完手段4414415は、ステップS4802で読み込んだ伝搬時間情報、および「前工程ワークなし」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出する。なお、稼動情報補完手段4414415は、「前工程ワークなし」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いずに、「自停止」が発生した生産装置の発生時刻、復旧時刻(かかる情報も取得される)を用いて、i番目の補完対象の生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出しても良い。
(ステップS5208)稼動情報補完手段4414415は、状態情報が示す異常状態を「前工程ワークなし」とした状態情報を構成する。また、状態情報には、ステップS5207で算出した発生時刻、復旧時刻についての情報も含まれる。
(ステップS5209)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5208で構成した状態情報を記録媒体に蓄積する。
(ステップS5210)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS5206に戻る。
(ステップS5211)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5203で取得した状態情報の示す状態が「後工程ワーク満杯」であるか否かを判断する。「後工程ワーク満杯」であればステップS5212に行き、「後工程ワーク満杯」でなければステップS5213に行く。
(ステップS5212)稼動情報補完手段4414415は、両側検索補完処理を行う。両側検索補完処理の詳細について、図50のフローチャートを用いて説明した。上位関数にリターンする。
(ステップS5213)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5203で取得した状態情報の示す状態が「前工程ワークなし」であるか否かを判断する。「前工程ワークなし」であればステップS5205に行き、「前工程ワークなし」でなければステップS5214に行く。ここで、「前工程ワークなし」でない、とは、正常である、ということである。
(ステップS5214)稼動情報補完手段4414415は、所定のルールに基づいて、n台(nは2以上)の生産装置の状態情報を決定する。所定のルールとは、例えば、n台の真中(生産ライン中で真中)の生産装置を「自停止」とし、その前の1以上の生産装置を「後工程ワーク満杯」として、その後の1以上の生産装置を「前工程ワークなし」として状態情報を決定する、というルールである。また、所定のルールとは、n台の生産装置の状態情報を「不明」とするルールでも良い。なお、所定のルールは、予め記録媒体(補完ルール格納手段4414414)に格納されている。
(ステップS5215)稼動情報補完手段4414415は、n台の生産装置の状態情報を構成する。
(ステップS5216)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5215で構成したn台の生産装置の状態情報を記録媒体に蓄積する。上位関数にリターンする。
次に、補完対象の生産装置が1台以上あり、かつ補完対象の生産装置が生産ライン上で連続する場合の稼動情報補完処理について、図53から図62のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5301)第二状態検索手段4414413は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5302)稼動情報補完手段4414415は、i番目の補完対象の生産装置間があるか否かを判断する。生産装置間とは、データ収集される生産装置と、データ収集される生産装置の間であり、状態情報が補完される生産装置が存在する生産ラインの間である。i番目の補完対象の生産装置間があればステップS5303に行き、i番目の補完対象の生産装置間がなければ処理を終了する。
(ステップS5303)稼動情報補完手段4414415は、カウンタjに1を代入する。
(ステップS5304)稼動情報補完手段4414415は、伝播時間情報を読み出す。
(ステップS5305)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置間の最も前の工程の生産装置(データ収集できる生産装置)の、時刻j(時刻jとは、j番目の時刻のデータをいう)における状態情報を含むデータが存在するか否かを判断する。時刻jにおけるデータが存在すればステップS5306に行き、時刻jにおけるデータが存在しなければステップS5307に行く。
(ステップS5306)稼動情報補完手段4414415は、時刻jにおける状態情報を読み出し、当該状態情報が示す状態が「正常」状態であるか否かを判断する。「正常」状態であればステップS5307に行き、「正常」状態でなければステップS5310に行く。
(ステップS5307)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置間の最も後の工程の生産装置(データ収集できる生産装置)の、時刻jにおける状態情報を含むデータが存在するか否かを判断する。時刻jにおけるデータが存在すればステップS5308に行き、時刻jにおけるデータが存在しなければステップS5314に行く。
(ステップS5308)稼動情報補完手段4414415は、時刻jにおける状態情報を読み出し、当該状態情報が示す状態が「正常」状態であるか否かを判断する。「正常」状態であればステップS5309に行き、「正常」状態でなければステップS5312に行く。
(ステップS5309)稼動情報補完手段4414415は、カウンタjを1、インクリメントし、ステップS5305に戻る。
(ステップS5310)稼動情報補完手段4414415は、前工程異常処理を行う。前工程異常処理とは、i番目の生産装置間における最前の生産装置の状態情報において、異常が検出された場合の処理であり、その詳細は、図54から図58のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5311)稼動情報補完手段4414415は、jを進める。稼動情報補完手段4414415は、時刻jにおける状態情報の示す状態が「正常」状態となるまで、jを進める。ステップS5305に戻る。
(ステップS5312)稼動情報補完手段4414415は、後工程異常処理を行う。後工程異常処理とは、i番目の生産装置間における最後の生産装置の状態情報において、異常が検出された場合の処理であり、その詳細は、図59から図62のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5313)稼動情報補完手段4414415は、jを進める。稼動情報補完手段4414415は、時刻jにおける状態情報の示す状態が「正常」状態となるまで、jを進める。ステップS5305に戻る。
(ステップS5314)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS5302に戻る。
なお、図53のフローチャートにおいて、ステップS5303からステップS5313までの処理により、一の生産装置間における、1以上の生産装置の状態情報が補完できる。したがって、例えば、ユーザが一の生産装置間を指定した場合、ステップS5303からステップS5313までの処理により、一の生産装置間における、1以上の生産装置の状態情報が補完できる。
次に、ステップS5310における前工程異常処理について、図54から図58のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5401)稼動情報補完手段4414415は、生産装置間の最前の生産装置の異常の状態を示す状態情報を取得する。
(ステップS5402)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5401で取得した状態情報から異常の発生時刻、復旧時刻を取得する。
(ステップS5403)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5401で取得した状態情報が示す状態が「後工程ワーク満杯」であるか否かを判断する。「後工程ワーク満杯」であればステップS5404に行き、「後工程ワーク満杯」でなければステップS5405に行く。
(ステップS5404)稼動情報補完手段4414415は、後工程ワーク満杯後工程状態推定処理を行う。後工程ワーク満杯後工程状態推定処理とは、生産装置間の最前の生産装置が「後工程ワーク満杯」である場合の、後続する生産装置の状態を推定し、状態情報を補完する処理である。後工程ワーク満杯後工程状態推定処理について、図55から図57のフローチャートを用いて説明する。上位関数にリターンする。
(ステップS5405)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5401で取得した状態情報が示す状態が「自停止」または「前工程ワークなし」であるか否かを判断する。「自停止」または「前工程ワークなし」であればステップS5406に行き、「自停止」および「前工程ワークなし」でなければ上位関数にリターンする。
(ステップS5406)稼動情報補完手段4414415は、停止状態後工程状態推定処理を行う。停止状態後工程状態推定処理とは、生産装置間の最前の生産装置が「自停止」または「前工程ワークなし」である場合の、後続する生産装置の状態を推定し、状態情報を補完する処理である。停止状態後工程状態推定処理について、図58のフローチャートを用いて説明する。上位関数にリターンする。
次に、ステップS5404の後工程ワーク満杯後工程状態推定処理について説明する。
(ステップS5501)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5502)稼動情報補完手段4414415は、生産ラインの補完対象の生産装置の中で、ラインの前からi番目の生産装置(データ収集した生産装置のi番後の生産装置)が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置が存在すればステップS5503に行き、i番目の生産装置が存在しなければステップS5509に行く。
(ステップS5503)稼動情報補完手段4414415は、データ収集した生産装置のi番後の生産装置を自停止と過程した場合の、i番後の生産装置の停止時刻、復旧時刻を、伝搬時間情報を用いて取得する。かかる伝搬時間情報を用いた停止時刻、復旧時刻の算出方法は上述した通りである。
(ステップS5504)稼動情報補完手段4414415は、データ収集装置が付いた生産装置であり、「後工程ワーク満杯」が発生した生産装置の次のデータ収集可能な生産装置について、i番後の生産装置が自停止だと仮定した場合の、「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を、伝搬時間情報を用いて取得する。なお、次のデータ収集可能な生産装置とは、状態情報を補完する生産装置間の最後尾の生産装置である。
(ステップS5505)稼動情報補完手段4414415は、状態情報を補完する生産装置間の最後尾の生産装置の状態情報であり、ステップS5504で算出した発生時刻、復旧時刻の間の状態情報を読み出す。
(ステップS5506)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5505で読み出した状態情報が示す状態が「前工程ワークなし」の状態を含むが否かを判断する。「前工程ワークなし」の状態を含む場合ステップS5507に行き、「前工程ワークなし」の状態を含まない場合ステップS5510に行く。
(ステップS5507)稼動情報補完手段4414415は、自停止をi番目の生産装置に決定する。
(ステップS5508)稼動情報補完手段4414415は、自停止前後推定処理を行う。自停止前後推定処理とは、自停止の状態の生産装置が決定した後、その前後の生産装置の状態を推定する処理である。自停止前後推定処理について、図56のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5509)稼動情報補完手段4414415は、全後工程ワーク満杯処理を行う。全後工程ワーク満杯処理とは、補完対象の全生産装置の状態が「後工程ワーク満杯」であるとして、補完対象の全生産装置の状態情報を補完する処理である。全後工程ワーク満杯処理について、図57のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5510)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS5502に戻る。
次に、ステップS5508の自停止前後推定処理について説明する。
(ステップS5601)稼動情報補完手段4414415は、カウンタjに1を代入する。
(ステップS5602)稼動情報補完手段4414415は、j<iを満たすか否かを判断する。ここで、「i」は、図55のフローチャートにおける「i」である。j<iを満たせばステップS5603に行き、j<iを満たさなければステップS5608に行く。
(ステップS5603)稼動情報補完手段4414415は、j番目の生産装置の状態を「後工程ワーク満杯」とする。j番目の生産装置は、自停止の生産装置からjだけ前の工程の生産装置である。
(ステップS5604)稼動情報補完手段4414415は、伝搬時間情報および自停止の生産装置の発生時刻、復旧時刻を用いて、j番目の生産装置の発生時刻、復旧時刻を算出する。
(ステップS5605)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5603で得た状態「後工程ワーク満杯」、およびステップS5604で得た発生時刻、復旧時刻から、状態情報を構成する。
(ステップS5606)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5605で得た状態情報を蓄積する。
(ステップS5607)稼動情報補完手段4414415は、カウンタjを1、インクリメントし、ステップS5602に戻る。
(ステップS5608)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態を「自停止」とする。
(ステップS5609)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態「自停止」が発生した発生時刻、および復旧時刻を読み出す。なお、この発生時刻、および復旧時刻は、ステップS5503で既に算出されている。
(ステップS5610)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5608で取得した状態「自停止」、およびステップS5609で取得した発生時刻、および復旧時刻から、i番目の生産装置の状態情報を構成する。
(ステップS5611)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5610で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS5612)稼動情報補完手段4414415は、カウンタjに「i+1」を代入する。
(ステップS5613)稼動情報補完手段4414415は、j番目の生産装置が存在するか否かを判断する。j番目の生産装置が存在すればステップS5614に行き、j番目の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。なお、j番目の生産装置とは、補完対象の生産装置であり、自停止の生産装置より後の工程の生産装置である。
(ステップS5614)稼動情報補完手段4414415は、j番目の生産装置の状態を「前工程ワークなし」とする。
(ステップS5615)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態「自停止」が発生した発生時刻、および復旧時刻および伝搬時間情報を用いて、j番目の生産装置の「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出する。
(ステップS5616)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5614で得た状態「前工程ワークなし」、およびステップS5615で算出した発生時刻、復旧時刻を用いて、状態情報を構成する。
(ステップS5617)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5616で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS5618)稼動情報補完手段4414415は、カウンタjを1、インクリメントし、ステップS5613に戻る。
次に、ステップS5509の全後工程ワーク満杯処理について、図57のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5701)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5702)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置が存在すればステップS5703に行き、i番目の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。なお、i番目の生産装置とは、補完対象の生産装置であり、後工程ワーク満杯の状態の生産装置(データ収集した生産装置)のi番後の工程の生産装置である。
(ステップS5703)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態を「後工程ワーク満杯」とする。
(ステップS5704)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を算出する。この発生時刻、復旧時刻は、後工程ワーク満杯の状態のデータ収集した生産装置の発生時刻、復旧時刻、および伝搬時間情報を用いて算出される。
(ステップS5705)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5703で得た状態「後工程ワーク満杯」、およびステップS5704で算出した発生時刻、復旧時刻を用いて、状態情報を構成する。
(ステップS5706)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5705で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS5707)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS5702に戻る。
次に、ステップS5406の停止状態後工程状態推定処理について、図58のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5801)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS5802)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置が存在すればステップS5803に行き、i番目の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。i番目の生産装置とは、データ収集された生産装置であり、「自停止」または「前工程ワークなし」の状態が検出された生産装置(補完対象の生産装置間の最前の生産装置)から、i番後ろの生産装置である。
(ステップS5803)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の異常状態「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出する。発生時刻、復旧時刻は、補完対象の生産装置間の最前の生産装置の停止状態の発生時刻、復旧時刻および伝搬時間情報を用いて算出される。
(ステップS5804)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5803で算出した「発生時刻>=復旧時刻」であるか否かを判断する。「発生時刻>=復旧時刻」であればステップS5809に行き、「発生時刻>=復旧時刻」でなければステップS5805に行く。「発生時刻>=復旧時刻」である場合は、異常の状態が発生していないことを示す。
(ステップS5805)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態として「前工程ワークなし」を得る。
(ステップS5806)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5803で算出した発生時刻、復旧時刻、およびステップS5805で得た「前工程ワークなし」から状態情報を構成する。
(ステップS5807)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5806で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS5808)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS5802に戻る。
(ステップS5809)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態を「正常」状態とする。
(ステップS5810)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態を「正常」として、状態情報を構成する。状態情報の時刻は、例えば、ステップS5803で算出した復旧時刻と発生時刻の間(発生時刻>=復旧時刻である)の時間、とする。
(ステップS5811)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5810で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS5812)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS5802に戻る。
次に、ステップS5312の後工程異常処理について、図59から図62のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS5901)稼動情報補完手段4414415は、生産装置間の最後尾の生産装置の異常の状態を示す状態情報を取得する。
(ステップS5902)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5901で取得した状態情報から異常の発生時刻、復旧時刻を取得する。
(ステップS5903)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5901で取得した状態情報が示す状態が「前工程ワークなし」であるか否かを判断する。「前工程ワークなし」であればステップS5904に行き、「前工程ワークなし」でなければステップS5905に行く。
(ステップS5904)稼動情報補完手段4414415は、前工程ワークなし前工程状態推定処理を行う。前工程ワークなし前工程状態推定処理とは、生産装置間の最後尾の生産装置が「前工程ワークなし」である場合の、生産ラインの前に位置する生産装置の状態を推定し、状態情報を補完する処理である。前工程ワークなし前工程状態推定処理について、図60のフローチャートを用いて説明する。上位関数にリターンする。
(ステップS5905)稼動情報補完手段4414415は、ステップS5901で取得した状態情報が示す状態が「自停止」または「後工程ワーク満杯」であるか否かを判断する。「自停止」または「後工程ワーク満杯」であればステップS5906に行き、「自停止」および「後工程ワーク満杯」でなければ上位関数にリターンする。
(ステップS5906)稼動情報補完手段4414415は、停止状態前工程状態推定処理を行う。停止状態前工程状態推定処理とは、生産装置間の最後尾の生産装置が「自停止」または「後工程ワーク満杯」である場合の、前の工程の生産装置の状態を推定し、状態情報を補完する処理である。停止状態前工程状態推定処理について、図62のフローチャートを用いて説明する。上位関数にリターンする。
次に、ステップS5904の前工程ワークなし前工程状態推定処理について、図60のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS6001)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS6002)稼動情報補完手段4414415は、生産ラインの補完対象の生産装置の中で、ラインの最後尾からi番前(i番目)の生産装置(データ収集した生産装置のi番前の生産装置)が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置が存在すればステップS6003に行き、i番目の生産装置が存在しなければステップS6009に行く。
(ステップS6003)稼動情報補完手段4414415は、データ収集した生産装置のi番前の生産装置を自停止と過程した場合の、i番前の生産装置の停止時刻、復旧時刻を、伝搬時間情報を用いて取得する。かかる伝搬時間情報を用いた停止時刻、復旧時刻の算出方法は上述した通りである。
(ステップS6004)稼動情報補完手段4414415は、データ収集装置が付いた生産装置であり、「前工程ワークなし」が発生した生産装置の直前のデータ収集可能な生産装置について、i番前の生産装置が自停止だと仮定した場合の、「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を、伝搬時間情報を用いて取得する。なお、次のデータ収集可能な生産装置とは、状態情報を補完する生産装置間の最前の生産装置である。
(ステップS6005)稼動情報補完手段4414415は、状態情報を補完する生産装置間の最前の生産装置の状態情報であり、ステップS6004で算出した発生時刻、復旧時刻の間の状態情報を読み出す。
(ステップS6006)稼動情報補完手段4414415は、ステップS6005で読み出した状態情報が示す状態が「後工程ワーク満杯」の状態を含むが否かを判断する。「後工程ワーク満杯」の状態を含む場合ステップS6007に行き、「後工程ワーク満杯」の状態を含まない場合ステップS6010に行く。
(ステップS6007)稼動情報補完手段4414415は、自停止をi番目の生産装置に決定する。
(ステップS6008)稼動情報補完手段4414415は、自停止前後推定処理を行う。自停止前後推定処理について、図56のフローチャートを用いて説明した。
(ステップS6009)稼動情報補完手段4414415は、全前工程ワークなし処理を行う。全前工程ワークなし処理とは、補完対象の全生産装置の状態が「前工程ワークなし」であるとして、補完対象の全生産装置の状態情報を補完する処理である。全前工程ワークなし処理について、図61のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS6010)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS6002に戻る。
次に、ステップS6009の全前工程ワークなし処理について、図61のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS6101)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS6102)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置が存在すればステップS6103に行き、i番目の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。なお、i番目の生産装置とは、補完対象の生産装置であり、前工程ワークなしの状態の生産装置(データ収集した生産装置)のi番前の工程の生産装置である。
(ステップS6103)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態を「前工程ワークなし」とする。
(ステップS6104)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻を算出する。この発生時刻、復旧時刻は、前工程ワークなしの状態のデータ収集した生産装置の発生時刻、復旧時刻、および伝搬時間情報を用いて算出される。
(ステップS6105)稼動情報補完手段4414415は、ステップS6103で得た状態「前工程ワークなし」、およびステップS6104で算出した発生時刻、復旧時刻を用いて、状態情報を構成する。
(ステップS6106)稼動情報補完手段4414415は、ステップS6105で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS6107)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS6102に戻る。
次に、ステップS5906の停止状態前工程状態推定処理について、図62のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS6201)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS6202)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置が存在するか否かを判断する。i番目の生産装置が存在すればステップS6203に行き、i番目の生産装置が存在しなければ上位関数にリターンする。i番目の生産装置とは、データ収集された生産装置であり、「自停止」または「後工程ワーク満杯」の状態が検出された生産装置(補完対象の生産装置間の最後尾の生産装置)から、i番前の生産装置である。
(ステップS6203)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の異常状態「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻を算出する。発生時刻、復旧時刻は、補完対象の生産装置間の最後尾の生産装置の停止状態の発生時刻、復旧時刻および伝搬時間情報を用いて算出される。
(ステップS6204)稼動情報補完手段4414415は、ステップS6203で算出した「発生時刻>=復旧時刻」であるか否かを判断する。「発生時刻>=復旧時刻」であればステップS6209に行き、「発生時刻>=復旧時刻」でなければステップS6205に行く。「発生時刻>=復旧時刻」である場合は、異常の状態が発生していないことを示す。
(ステップS6205)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態として「後工程ワーク満杯」を得る。
(ステップS6206)稼動情報補完手段4414415は、ステップS6203で算出した発生時刻、復旧時刻、およびステップS6205で得た「後工程ワーク満杯」から状態情報を構成する。
(ステップS6207)稼動情報補完手段4414415は、ステップS6206で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS6208)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS6202に戻る。
(ステップS6209)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態を「正常」状態とする。
(ステップS6210)稼動情報補完手段4414415は、i番目の生産装置の状態を「正常」として、状態情報を構成する。状態情報の時刻は、例えば、ステップS6203で算出した復旧時刻と発生時刻の間(発生時刻>=復旧時刻である)の時間、とする。
(ステップS6211)稼動情報補完手段4414415は、ステップS6210で構成した状態情報を蓄積する。
(ステップS6212)稼動情報補完手段4414415は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS6202に戻る。
以下、本実施の形態におけるデータ収集システムの具体的な動作について説明する。本実施の形態におけるデータ収集システムを含む生産システムの基本構成図は、図1と同様である。ここでは、実施の形態1との違いである、解析装置4414が、接点情報が収集されない生産装置が生産ラインに存在する場合、伝搬時間をもとに当該生産装置の稼動に関する情報(状態情報など)を推測し、生成する処理について説明する。
図63は、補完情報格納手段4414411に格納されている補完情報を管理している補完情報管理表の例である。補完情報は、「前工程」と「後工程」の属性値からなる。「前工程」は、稼動に関する情報を補完すべき生産装置の前の工程の生産装置を識別する前工程生産装置識別子である。「後工程」は、稼動に関する情報を補完すべき生産装置の後の工程の生産装置を識別する後工程生産装置識別子である。
図64は、補完ルール格納手段4414414に格納されている補完ルールを管理している補完ルール管理表の例である。補完ルール管理表は、「ID」「前工程装置の状態」「後工程装置の状態」「補完対象装置の状態」の属性値を有するレコードを1以上保持している。「ID」は、レコードを識別する情報であり、表におけるレコード管理のために存在する。「前工程装置の状態」は、前工程の生産装置の状態を示す情報であり、例えば、状態情報の全部または一部の情報である。「後工程装置の状態」は、後工程の生産装置の状態を示す情報であり、例えば、状態情報の全部または一部の情報である。「補完対象装置の状態」は、稼動情報を補完すべき生産装置の状態を示す情報であり、例えば、状態情報の全部または一部の情報である。図64において、「ID=1」のレコードは、前工程の生産装置が「停止」または「異常停止」または「部品なし」または「前工程ワークなし」の状態であり、かつ後工程の生産装置が「前工程ワークなし」の状態である場合、補完対象の生産装置の状態は、「前工程ワークなし」であると推定し、状態補完手段441441は、「前工程ワークなし」の稼動に関する情報を生成することを示す。
また、解析装置4414は、図65に示す生産ライン情報を保持している、とする。生産ライン情報は、生産ラインを構成する生産装置の全識別子を、ワーク処理の順に並べた情報である。図65に示す生産ライン情報は、「E1」「E2」「E3」・・・の順で生産装置が並んでいることを示す。生産ライン情報は、稼動情報補完手段4414415や他の図示しない手段が予め保持している、とする。
つまり、現在、生産ラインは、図66に示す状況である。ワークのスタートポイント「A」からワークが流され、生産装置「E1」等を経由して、かつ、生産装置「Ek−1」、生産装置「Ek」、生産装置「Ek+1」を経由して、かつ、生産装置「En」を経由して、ワークが最終ポイント「B」に到着し、製品が完成する。そして、この生産ラインにおいて、生産装置「Ek−1」、生産装置「Ek+1」の接点情報は収集されるが、生産装置「Ek」の接点情報は収集されない。
かかる場合、まず、稼動情報補完手段4414415は、図63の補完情報を読み出す。そして、前工程「Ek−1」、後工程「Ek+1」を取得する。そして、稼動情報補完手段4414415は、前工程「Ek−1」、後工程「Ek+1」の情報と、図65に示す生産ライン情報から補完生産装置識別子「Ek」を取得する。
次に、第二前処理手段4414412は、状態デコード手段13441が取得した状態情報の中から、生産装置「Ek−1」の状態情報、および生産装置「Ek+1」の状態情報を読み込む。そして、第二前処理手段4414412は、2つの装置「Ek−1」「Ek+1」の状態情報に対して前処理を行う。
次に、稼動情報補完手段4414415は、図64の補完ルールを読み込む。
次に、第二状態検索手段4414413は、前工程の生産装置「Ek−1」の状態情報を検索し、1番目の異常状態を示す状態情報を取得する。ここで、第二状態検索手段4414413は、生産装置「Ek−1」の状態情報から、「停止」を示す状態情報を得た、とする。状態情報の中から「停止」を示す状態情報を得る方法は、実施の形態1で説明したので、詳細な説明は省略する。
次に、第二状態検索手段4414413は、1番目の異常状態を示す状態情報から、その異常状態の発生時刻(Tsk−1)、復旧時刻(Tek−1)を取得する。なお、ここで、状態情報は、時刻情報を有する、または時刻情報に紐付けされている、とする。
次に、第二状態検索手段4414413は、後工程の生産装置「Ek+1」の発生時刻(Tsk+1)、復旧時刻(Tek+1)を算出する。第二状態検索手段4414413は、後工程の生産装置「Ek+1」の発生時刻(Tsk+1)は「Tsk−1+Ask−1+Ask」、復旧時刻(Tek+1)は「Tek−1+Aek−1+Aek」により算出する。なお、「Ask−1」「Ask」「Aek−1」「Aek」は、図33に示す伝搬時間情報管理表として、各生産装置(設備)の属性値として、伝搬時間情報格納手段13448に格納されている。
次に、第二状態検索手段4414413は、後工程の生産装置「Ek+1」の発生時刻(Tsk+1)および復旧時刻(Tek+1)の間の状態情報「前工程ワークなし」を取得した、とする。
次に、稼動情報補完手段4414415は、前工程の生産装置「Ek−1」の1番目の異常状態を示す状態情報「停止」と、後工程の生産装置「Ek+1」の状態情報「前工程ワークなし」を用いて、かかる状態情報に合致する補完ルールを、図64の補完ルール管理表から検索し、「ID=1」の補完ルールを得る。そして、稼動情報補完手段4414415は、取得した「ID=1」の補完ルールから、補完生産装置識別子で識別される生産装置「Ek」の状態を示す情報「前工程ワークなし」を取得する。
次に、稼動情報補完手段4414415は、生産装置「Ek」の発生時刻Tsk、および復旧時刻Tekを算出する。発生時刻Tskは「Tsk−1+Ask−1」、復旧時刻Tekは「Tek−1+Aek−1」により算出する。なお、「Ask−1」「Aek−1」は、予め、伝搬時間情報格納手段13448に格納されている。
そして、稼動情報補完手段4414415は、生産装置「Ek」の状態情報として、発生時刻Tsk、および復旧時刻Tekおよび「前工程ワークなし」を有する情報を構成し、蓄積する。かかる補完の様子を、図67(a)に示す。図67(a)によれば、生産装置「Ek」の状態が補完されたこととなる。
次に、第二状態検索手段4414413は、前工程の生産装置「Ek−1」の状態情報を検索し、2番目の異常状態を示す状態情報「後工程ワーク満杯」を取得する。
次に、例えば、第二状態検索手段4414413は、2番目の異常状態を示す状態情報から、その異常状態の発生時刻(Usk−1)、復旧時刻(Uek−1)を取得する。
次に、第二状態検索手段4414413は、後工程の生産装置「Ek+1」の発生時刻(Usk+1)、復旧時刻(Uek+1)を算出する。発生時刻(Usk+1)は「Usk−1−Bsk+1−Bsk」、復旧時刻(Uek+1)は「Uek−1−Bek+1−Bek」により算出される。なお、「Bsk−1」「Bsk」「Bek−1」「Bek」は、図33に示す伝搬時間情報管理表として、各生産装置(設備)の属性値として、伝搬時間情報格納手段13448に格納されている。
次に、第二状態検索手段4414413は、後工程の生産装置「Ek+1」の発生時刻(Usk+1)および復旧時刻(Uek+1)の間の接点関連情報「停止」を取得した、とする。
次に、稼動情報補完手段4414415は、前工程の生産装置「Ek−1」の1番目の異常状態を示す状態情報「後工程ワーク満杯」と、後工程の生産装置「Ek+1」の状態情報「停止」を用いて、かかる状態情報に合致する補完ルールを、図64の補完ルール管理表から検索し、「ID=7」の補完ルールを得る。そして、稼動情報補完手段4414415は、取得した「ID=7」の補完ルールから、補完生産装置識別子で識別される生産装置「Ek」の状態を示す情報「後工程ワーク満杯」を取得する。
次に、稼動情報補完手段4414415は、生産装置「Ek」の発生時刻Usk、および復旧時刻Uekを算出する。発生時刻Uskは「Usk−1−Bsk」、復旧時刻Uekは「Uek−1−Bek」により算出する。なお、「Bsk」「Bek」は、予め、伝搬時間情報格納手段13448に格納されている。
そして、稼動情報補完手段4414415は、生産装置「Ek」の状態情報として、発生時刻Usk、および復旧時刻Uekおよび「後工程ワーク満杯」を有する情報を構成し、蓄積する。かかる補完の様子を、図67(b)に示す。図67(b)によれば、生産装置「Ek」の状態が補完されたこととなる。
次に、第二状態検索手段4414413は、前工程の生産装置「Ek−1」の状態情報を検索し、3番目の異常状態を示す状態情報「後工程ワーク満杯」を取得する。
次に、例えば、第二状態検索手段4414413は、3番目の異常状態を示す状態情報から、その異常状態の発生時刻(Vsk−1)、復旧時刻(Vek−1)を取得する。
次に、第二状態検索手段4414413は、後工程の生産装置「Ek+1」の発生時刻(Vsk+1)、復旧時刻(Vek+1)を算出する。発生時刻(Vsk+1)は「Usk−1+Bsk+1−Ask」、復旧時刻(Uek+1)は「Uek−1−Bek」により算出される。なお、「Bsk−1」「Bsk」「Bek−1」「Bek」は、図33に示す伝搬時間情報管理表として、各生産装置(設備)の属性値として、伝搬時間情報格納手段13448に格納されている。
次に、第二状態検索手段4414413は、後工程の生産装置「Ek+1」の発生時刻(Vsk+1)および復旧時刻(Vek+1)の間の接点関連情報「前工程ワークなし」を取得した、とする。
次に、稼動情報補完手段4414415は、前工程の生産装置「Ek−1」の1番目の異常状態を示す状態情報「後工程ワーク満杯」と、後工程の生産装置「Ek+1」の状態情報「前工程ワークなし」を用いて、かかる状態情報に合致する補完ルールを、図64の補完ルール管理表から検索し、「ID=5」の補完ルールを得る。そして、稼動情報補完手段4414415は、取得した「ID=5」の補完ルールから、補完生産装置識別子で識別される生産装置「Ek」の状態を示す情報「停止」を取得する。
次に、稼動情報補完手段4414415は、生産装置「Ek」の発生時刻Usk、および復旧時刻Vekを算出する。発生時刻Vskは「Vsk+1」、復旧時刻Vekは「Vek+1−Aek」により算出する。なお、「Aek」は、予め、伝搬時間情報格納手段13448に格納されている。
そして、稼動情報補完手段4414415は、生産装置「Ek」の状態情報として、発生時刻Vsk、および復旧時刻Vekおよび「停止」を有する情報を構成し、蓄積する。かかる補完の様子を、図67(c)に示す。図67(c)によれば、生産装置「Ek」の状態が補完されたこととなる。
また、図68を用いて、複数の生産装置の状態を補完する場合について、説明する。そして、第二状態検索手段4414413は、早い時刻の順に、生産ライン上の全生産装置の状態情報を検索対象として、異常状態を取得する、とする。まず、第二状態検索手段4414413は、データ収集対象の生産装置(Ek−2)の異常状態「後工程ワーク満杯」を示す状態情報を検出した、とする。そして、次に、稼動情報補完手段4414415は、データ収集対象の生産装置(Ek−2)の直後のデータ収集できる生産装置(Ek+2)の異常状態が発生し得る時間帯を得る。
次に、第二状態検索手段4414413は、その時間帯の中で生産装置(Ek+2)の異常状態を検索し、ここでは、生産装置(Ek+2)の異常状態「前工程ワークなし」の状態情報を得た、とする。
次に、稼動情報補完手段4414415は、以下に示す両側検索補完処理を行う。つまり、生産装置(Ek−2)と生産装置(Ek+2)の間にある補完対象の生産装置(Ek−1)(Ek)(Ek+1)の状態補完を以下のように行う。まず、生産装置(Ek−2)の異常状態「後工程ワーク満杯」の発生時刻、復旧時刻、生産装置(Ek+2)の異常状態「前工程ワークなし」の発生時刻、復旧時刻をそれぞれ後ろ、および前に、伝搬時間情報を用いてさかのぼり、時間帯が重なる生産装置を得る。ここで、稼動情報補完手段4414415は、時間帯が重なる生産装置を(Ek)と得る、とする。そして、稼動情報補完手段4414415は、生産装置(Ek)の稼動状態を「自停止」と決定し、重なった時間帯の情報と状態「自停止」を用いて、生産装置(Ek)の状態情報を構成し、蓄積する。
次に、稼動情報補完手段4414415は、生産装置(Ek)より前の工程の生産装置(Ek−1)の状態を「後工程ワーク満杯」とし、かつ、その発生時刻、復旧時刻を、伝搬時間情報と生産装置(Ek−2)の異常発生時刻、復旧時刻から算出する。
さらに、稼動情報補完手段4414415は、生産装置(Ek)より後ろの工程の生産装置(Ek+1)の状態を「前工程ワークなし」とし、かつ、その発生時刻、復旧時刻を、伝搬時間情報と生産装置(Ek+2)の異常発生時刻、復旧時刻から算出する。異常の処理により、3つの連続する生産装置の状態補完が可能となる。
以上、本実施の形態によれば、接点情報が収集されない生産装置が生産ラインに存在する場合、その接点情報が収集されない生産装置について、当該生産装置の前後の生産装置の稼動状態に関する情報から、伝搬時間をもとに当該生産装置の稼動状態に関する情報を推測することができる。また、全ての生産装置にデータ収集装置が設置できない場合でも、データ収集装置が設置されている生産装置の稼動情報から設置されていない生産装置の稼動情報を類推できるので、停止があった生産装置と他の生産装置への影響度を予測することができる。
また、本実施の形態によれば、解析装置は、データ収集装置がデータ収集の対象外の生産装置の前後の工程の生産装置の停止状態を示す稼動状態に関する情報と、伝搬時間情報を用いて、2以上の連続する生産装置の稼動状態に関する情報を生成できる。したがって、データ収集できる2つの生産装置間に、データ収集できない複数の生産装置が存在する生産ラインにおいても、データ収集できない複数の生産装置の稼動状態に関する情報が補完できる。
なお、本実施の形態によれば、補完ルール管理表の例を図64に示したが、図69に示すような補完ルール管理表でも良い。図69の補完ルール管理表は、一の生産装置の稼動状態に関する情報を用いて、その前工程の1以上の生産装置、その後工程の1以上の生産装置の状態を補完することが可能である。さらに具体的には、図69の補完ルール管理表は、以下のことを示す。生産装置(Ek)の稼動状態に関する情報を用いて生産装置(E1)から生産装置(Ek−1)の稼動状態に関する情報を補完するときは、生産装置(E1)〜生産装置(Ek−1)の生産装置群を仮想的に1つの生産装置(E')と考える。例えば、図69のID「1」のレコードは、生産装置(Ek)が、「Tsk〜Tekにて前工程ワークなし」のとき、生産装置(E')は「(Tsk−Ask−1)〜(Tek−Aek−1)にて停止」であることを示す。また、図69のID「2」「3」のレコードは、生産装置(Ek)が、「Tsk〜Tekにて後工程ワーク満杯もしくは停止」のとき、生産装置(E')は「(Tsk+Bs)〜(tek+Be)にて後工程ワーク満杯」であることを示す。
さらに、生産装置(Ek)の稼動状態に関する情報を用いて生産装置(Ek+1)から生産装置(En)の稼動状態に関する情報を補完するときは、生産装置(Ek+1)〜生産装置(En)の生産装置群を仮想的に1つの生産装置(E'')と考える。例えば、図69のID「1」「3」のレコードは、生産装置(Ek)が、「Tsk〜Tekにて前工程ワークなしもしくは停止」のとき、生産装置(E'')は「(Tsk+Bsk)〜(tek−Bek)にて前工程ワークなし」であることを示す。図63のID「2」のレコードは、生産装置(Ek)が、「Tsk〜Tekにて後工程ワーク満杯」のとき、生産装置(E'')は「(Tsk−Bsk+1)〜(tek−Bek+1)にて停止」であることを示す。
また、本実施の形態によれば、データ収集装置の装着位置がEkの直前直後でないEk−i,Ek+jであっても、Ek−1,Ek+1からの予測と同様の方法でEkの稼動状態に関する情報を予測することができる。予測精度を考慮するならば、極力、直前直後の生産装置の稼動状態に関する情報を用いて予測することが望ましい。
また、本実施の形態によれば、また予測した発生時刻、復旧時刻については、バッファ蓄積量によって誤差が生じ得る。これを考慮してバッファ蓄積量が満杯のとき(バッファ蓄積量=バッファ許容量)とバッファ蓄積量が空のとき(バッファ蓄積量=0)の予測時刻を算出し、幅を持たせることは好適である。
また、本実施の形態において、解析装置134が、データ収集装置133から切り離されており、スタンドアロンの装置でも良い。かかる場合、解析装置は、以下の構成を有する。つまり、解析装置は、1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得部と、前記接点関連情報取得部が取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析部と、前記解析部が取得した所定の情報を出力する解析結果出力部を具備し、前記解析部は、データ収集装置がデータ収集の対象外の生産装置の前後の工程の生産装置の停止状態を示す稼動状態に関する情報を用いて、当該データ収集の対象外の生産装置の稼動状態に関する情報を生成する状態補完手段を具備する解析装置、である。
また、上記解析装置における状態補完手段は、データ収集の対象外の生産装置の稼動状態に関する情報を生成するための情報であり、少なくとも前記データ収集の対象外の生産装置を識別する補完生産装置識別子を有する情報である補完情報を格納している補完情報格納手段と、前記接点関連情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得する第二状態検索手段と、前記第二状態検索手段が取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、前記補完情報を用いて、前記補完生産装置識別子で識別される生産装置の稼動状態に関する情報を生成する稼動情報補完手段を具備しても良い。
また、上記解析装置における状態補完手段は、前記稼動情報補完手段が稼動状態に関する情報を生成するためのルールである補完ルールを格納している補完ルール格納手段をさらに具備し、前記稼動情報補完手段は、前記第二状態検索手段が取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、前記補完情報を用いて、前記補完ルールに従って、前記補完生産装置識別子で識別される生産装置の稼動状態に関する情報を生成することは好適である。
また、上記解析装置における状態補完手段は、前記稼動状態に関する情報であり、正常に稼動している旨を示す情報のうち、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行う第二前処理手段をさらに具備し、前記第二状態検索手段は、前記第二前処理手段が処理した結果の稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得することは好適である。
さらに、本実施の形態における解析装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得ステップと、前記接点関連情報取得ステップで取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析ステップと、前記解析ステップで取得した所定の情報を出力する解析結果出力ステップを実行させ、前記解析ステップは、データ収集装置がデータ収集の対象外の生産装置の前後の工程の生産装置の停止状態を示す接点関連情報を用いて、当該データ収集の対象外の生産装置の接点関連情報を生成する状態補完ステップを具備するプログラム、である。
また、上記プログラムにおける状態補完ステップは、前記稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得する第二状態検索ステップと、前記第二状態検索ステップで取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、格納している補完情報を用いて、前記補完生産装置識別子で識別される生産装置の稼動状態に関する情報を生成する稼動情報補完ステップを具備するプログラム、であることは好適である。
また、上記プログラムにおける稼動情報補完ステップは、前記第二状態検索手段が取得した停止状態の発生時刻および復旧時刻と、前記補完情報を用いて、格納している補完ルールに従って、前記補完生産装置識別子で識別される生産装置の稼動状態に関する情報を生成することは好適である。
また、上記プログラムにおける状態補完ステップは、前記稼動状態に関する情報であり、正常に稼動している旨を示す情報のうち、予め決められた指定時間以下または指定時間未満の時間のみが連続して正常に稼動していることを示す情報に対して、正常稼動ではないことを示す情報に変更する処理を行う第二前処理ステップをさらに具備し、前記第二状態検索ステップは、前記第二前処理ステップで処理した結果の稼動状態に関する情報を検索し、各生産装置で発生した停止状態を示す情報を得て、当該情報から前記停止状態の発生時刻および復旧時刻を取得することは好適である。
(実施の形態3)
本実施の形態において、生産システムの基本構成図は、実施の形態1で示した図1と同等である。ただし、本生産システムを構成するデータ収集装置の中の解析装置が実施の形態1、2とは異なる。具体的には、本実施の形態において、解析装置は、2以上の生産装置を一のグループに仮想的に集約し、集約したグループごとに、稼動状況を分析することができる。なお、一のグループの2以上の生産装置は、例えば、機能ごとにグループ化された生産装置群である。
本実施の形態におけるデータ収集システム701は、実施の形態1におけるデータ収集システム13と比較して、解析装置の構成のみが異なる。
データ収集システム701は、1以上の分岐装置131、1以上のネットワーク装置132、データ収集装置133、解析装置7014を具備する。データ収集システム13において、分岐装置131とネットワーク装置132は、通常、1セットになっている。また、データ収集システム13は、通常、2セット以上の分岐装置131およびネットワーク装置132と、一のデータ収集装置133と、一の解析装置7014を具備する。
解析装置7014は、データ収集装置133に格納されている接点関連情報を取得し、解析処理する。
解析装置7014の構成を示すブロック図を図70に示す。
解析装置7014は、指示受付部1341、接点関連情報取得部1342、補正部1343、解析部70144、解析結果出力部1345を具備する。
解析部70144は、コードマップ記憶手段13131、状態デコード手段13441、作業員移動時間情報取得手段13442、復旧作業時間情報取得手段13443、稼動情報統計処理手段13444、区分情報格納手段13445、対応付データ受付手段13446、伝搬時間算出手段13447、伝搬時間情報格納手段13448、状態対応付手段13449、影響度算出手段13440、グループ情報格納手段701441、集約手段701442を具備する。
グループ情報格納手段701441は、2以上の生産装置11を分類した場合の1以上の生産装置11を識別する情報であるグループ情報を格納している。通常、生産装置11は機能ごとに分類され、1以上の生産装置11が一のグループを構成する。グループ情報は、例えば、生産装置11を分類したときにその生産装置群の最後にあたる生産装置11を識別する情報である。グループ情報格納手段701441は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
集約手段701442は、グループ情報格納手段701441のグループ情報を用いて、グループ情報を用いて、影響度算出手段13440が算出した影響度情報をグループごとに集約する処理を行い、集約した影響度情報をグループごとに得る。集約手段701442は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。集約処理の具体例は後述する。集約手段701442の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
次に、解析装置7014の動作について、説明する。解析装置7014の動作は、上述したように、実施の形態1と比較して、影響度情報を集約する点が異なるのみである。
かかる影響度情報の集約処理について、図71のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS7101)集約手段701442は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS7102)集約手段701442は、i番目のグループが存在するか否かを、グループ情報格納手段701441のグループ情報から判断する。i番目のグループが存在すればステップS7103に行き、i番目のグループが存在しなければ処理を終了する。
(ステップS7103)集約手段701442は、グループ情報格納手段701441のi番目のグループのグループ情報から節目の生産装置の識別子を取得する。節目の生産装置とは、通常、グループのライン上の最後の生産装置である。
(ステップS7104)集約手段701442は、影響度算出手段13440が取得した影響度情報のうち、ステップS7103で取得した生産装置識別子で識別される生産装置の影響度情報を得る。
(ステップS7105)集約手段701442は、カウンタjに1を代入する。
(ステップS7106)集約手段701442は、ステップS7104で取得した影響度情報のうち、j番目の状態に対応する情報(通常、少なくとも割合の数値を含む)が存在するか否かを判断する。j番目の状態が存在すればステップS7107に行き、j番目の状態が存在しなければステップS7117に行く。
(ステップS7107)集約手段701442は、j番目の状態が「正常」な稼動を示す状態であるか否かを判断する。j番目の状態が「正常」であればステップS7108に行き、j番目の状態が「正常」でなければステップS7110に行く。
(ステップS7108)集約手段701442は、ステップS7106で取得したj番目の状態に対応する情報のうちの数値を、「正常」な稼動の割合の情報として蓄積する。集約手段701442は、例えば、情報「文字列"正常",数値(0〜100%)」を構成し、蓄積する。
(ステップS7109)集約手段701442は、カウンタjを1インクリメントし、ステップS7106に戻る。
(ステップS7110)集約手段701442は、j番目の状態が「自停止」を示す状態であるか否かを判断する。「自停止」を示す状態であればステップS7111に行き、「自停止」を示す状態でなければステップS7112に行く。
(ステップS7111)集約手段701442は、ステップS7106で取得したj番目の状態に対応する情報のうちの数値を、「自停止」の割合の情報として蓄積する。集約手段701442は、例えば、情報「文字列"自停止",数値(0〜100%)」を構成し、蓄積する。ステップS7109に戻る。
(ステップS7112)集約手段701442は、ステップS7106で取得したj番目の状態が示す他の装置の識別子を取得する。
(ステップS7113)集約手段701442は、ステップS7112で取得した他の装置の識別子が、i番目のグループに存在する生産装置の識別子であるか否かを判断する。i番目のグループに存在する生産装置の識別子であればステップS7114に行き、i番目のグループに存在する生産装置の識別子でなければステップS7115に行く。
(ステップS7114)集約手段701442は、ステップS7106で取得したj番目の状態に対応する情報のうちの数値を、「自停止」の割合の情報として蓄積する。なお、既に、自停止の割合の情報として蓄積していた場合、本j番目の状態に対応する情報のうちの数値を加算し、「自停止」の割合の情報として蓄積することは言うまでもない。
(ステップS7115)集約手段701442は、j番目の状態が示す他の装置の識別子が属するグループ識別子を取得する。
(ステップS7116)集約手段701442は、ステップS7115で取得したグループ識別子とステップS7106で取得したj番目の状態に対応する情報のうちの数値を対応付けて蓄積する。
(ステップS7117)集約手段701442は、カウンタiを1、インクリメントし、ステップS7102に戻る。
なお、図71のフローチャートにおいて、影響度情報を集約するアルゴリズムは、他のアルゴリズムでも良い。つまり、図71のフローチャートにおけるアルゴリズムは、節目の生産装置の「正常」状態の割合をグループの「正常」状態の割合とし、節目の生産装置の自停止の割合と、グループ内の装置の自停止の影響による節目の生産装置の停止の割合を加えた割合を「自停止」の割合とした。しかし、例えば、「正常」状態の割合を、グループ内の全生産装置の「正常」状態の割合の平均値としても良い。つまり、グループの稼動状況が大雑把でも掴めるような集約のアルゴリズムであれば良い。
以下、本実施の形態におけるデータ収集システムの具体的な動作について説明する。本実施の形態におけるデータ収集システムを含む生産システムの基本構成図は、図1と同様である。ここでは、実施の形態1との違いである、解析装置7014が、影響度情報をグループごとに集約する処理について説明する。
今、グループ情報格納手段701441は、図72に示すグループ情報管理表を保持している。グループ情報管理表は、「ID」「グループ識別子」「節目生産装置識別子」の属性値を有するレコードを1以上格納している。「グループ識別子」は、ここでは、機能ごとに生産装置を分類した際にできるグループを識別する情報である。グループ情報格納手段701441は、図65に示すような生産ライン情報をも保持していることは好適である。また、「節目生産装置識別子」は、「グループ識別子」で識別されるグループを構成する生産装置群の中で節目となる生産装置の識別子であり、通常、グループを構成する生産装置群の中の最後の生産装置の識別子である。
また、影響度算出手段13440は、図73に示す影響度情報管理表を得た、とする。図73に示す影響度情報管理表は、「生産装置」「正常稼動」「自停止」「E1」から「En」の属性値を具備する。「生産装置」は生産装置を識別する識別子である。「正常稼動」は、「生産装置」で識別される生産装置が正常稼動していた時間の割合を示す情報である。「自停止」は、「生産装置」で識別される生産装置が自らの原因で停止した場合の停止の割合を示す情報である。「E1」から「En」までの情報は、対応する生産装置の停止の影響を受けて、「生産装置」で識別される生産装置が停止した割合を示す情報である。図73に示す影響度情報管理表を構成する影響度情報のデータ構造は、例えば、「生産装置,Ei,正常稼動,70,自停止,10,E1,1,・・・,Ei,−,・・・,Ej,5,・・・,En,1」であり、例えば、CSV形式である。つまり、ここでは、例えば、影響度情報は、属性名と属性値をペアで有する。
ここで、集約のイメージを図74に示す。図74において、図72に示すグループ情報管理表が意味するように、生産装置「E1」から「Ei」をグループ「設備群i」に、生産装置「Ei+1」から「Ej」をグループ「設備群ii」に、生産装置「Ej+1」から「En」をグループ「設備群iii」に集約することを意味する。
かかる場合、集約手段701442は、以下のようにして、影響度情報を集約する。
つまり、集約手段701442は、まず、1番目のグループのグループ情報「設備群i,Ei」を得る。そして、集約手段701442は、節目の生産装置の識別子「Ei」を取得する。
次に、集約手段701442は、生産装置識別子「Ei」で識別される生産装置の影響度情報「生産装置,Ei,正常稼動,70,自停止,10,E1,1,・・・,Ei,−,・・・,Ej,5,・・・,En,1」を得る。
次に、集約手段701442は、取得した影響度情報から「正常稼動,70」を抽出し、情報「正常稼動,70」を蓄積する。
次に、集約手段701442は、取得した影響度情報から「自停止,10」を抽出し、情報「自停止,10」を蓄積する。
次に、集約手段701442は、「E1,1」を抽出し、「E1」が「設備群i」に属する生産装置の識別子であると、図72の情報、および図65の情報から判断し、状態「自停止」に「1」を加算し、「自停止,11」を得て、蓄積する。集約手段701442は、かかる処理を「Ei」まで繰り返し、「自停止,13」を得た、とする。
次に、集約手段701442は、「Ei+1」を抽出し、「Ei+1」が属するグループ識別子「設備群ii」を得る。そして、「設備群ii,「Ei+1」と対になる数値」を構成し、蓄積する。集約手段701442は、かかる処理を、「Ej」まで繰り返し、「設備群ii,14」を得た、とする。
次に、集約手段701442は、「Ej+1」を抽出し、「Ej+1」が属するグループ識別子「設備群iii」を得る。そして、「設備群iii,「Ej+1」と対になる数値」を構成し、蓄積する。集約手段701442は、かかる処理を、「En」まで繰り返し、「設備群iii,3」を得た、とする。
その結果、集約手段701442は、集約された影響度情報「生産装置,設備群i,正常稼動,70,自停止,13,設備群ii,14,設備群iii,3」を得る。
また、同様に、集約手段701442は、2番目のグループのグループ情報「設備群ii,Ej」を得る。そして、集約手段701442は、節目の生産装置の識別子「Ej」を取得する。
次に、集約手段701442は、生産装置識別子「Ej」で識別される生産装置の影響度情報「生産装置,Ej,正常稼動,60,自停止,15,E1,1,・・・,Ei,3,・・・,Ej,−,・・・,En,4」を得る。
次に、集約手段701442は、1番目のグループと同様の処理を行い、集約された影響度情報「生産装置,設備群ii,正常稼動,60,自停止,15,設備群i,9,設備群iii,8」を得る。
さらに、集約手段701442は、3番目のグループに対して、1番目、2番目のグループと同様の処理を行い、集約された影響度情報「生産装置,設備群iii,正常稼動,57,自停止,13,設備群i,9,設備群ii,21」を得る。
以上の処理により、集約手段701442は、3つのグループに集約された影響度情報を得たこととなる。
次に、解析結果出力部1345は、集約手段701442が得た集約された影響度情報を出力する。図75は、解析結果出力部1345が出力した集約された影響度情報の例である。
図75によれば、各生産装置の稼動状況に対して、設備群ii停止の影響が大きそうであることが容易に分かる。
以上、本実施の形態によれば、生産装置の台数が非常に多い生産ラインであっても、大まかな稼動状態と停止要因を把握することができる。
なお、本実施の形態において、解析装置134が、データ収集装置133から切り離されており、スタンドアロンの装置でも良い。かかる場合、解析装置は、以下の構成を有する。つまり、解析装置は、前記稼動情報ログ記憶部から1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得部と、前記接点関連情報取得部が取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析部と、前記解析部が取得した所定の情報を出力する解析結果出力部を具備し、前記解析部は、生産ライン上の一の生産装置の前後の工程の生産装置への当該一の生産装置の停止の影響の伝搬時間に関する情報である伝搬時間情報を1以上、生産装置に対応付けて格納している伝搬時間情報格納手段と、前記1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行う状態対応付手段と、前記状態対応付手段が2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する影響度算出手段を具備し、前記解析結果出力部は、前記影響度算出手段が取得した影響度情報を出力する解析装置である。
さらに、本実施の形態における解析装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得ステップと、前記接点関連情報取得ステップで取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析ステップと、前記解析ステップで取得した所定の情報を出力する解析結果出力ステップを具備し、前記解析ステップは、格納している1以上の伝搬時間情報を用いて、2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行う状態対応付ステップと、前記状態対応付ステップで2以上の生産装置の稼動状態に関する情報の間の対応付けを行って得た情報である状態対応情報を用いて、1以上の生産装置の稼動状況の他の生産装置に対する影響度合いを示す影響度を算出し、影響度情報を取得する影響度算出ステップを具備し、前記解析結果出力ステップは、前記影響度算出ステップで取得した影響度情報を出力するプログラムである。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信するステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。