以下、データ収集システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における生産システムの基本構成図である。本生産システムは、1以上の生産装置11、1以上のシーケンサ12、1以上のデータ収集システム13、1以上の出力装置14を具備する。通常、生産装置11、シーケンサ12、出力装置14は、セットになっている。本生産システムにおいて、生産装置11、シーケンサ12、出力装置14の、1以上のセットに対して、一のデータ収集システム13が組み込まれている。また、生産装置11、シーケンサ12、出力装置14の各セットは、例えば、既に稼動している生産設備である。
生産装置11は、電気機器や機械やその他の製品や部品等を生産する装置であり、その生産する物品は問わない。
シーケンサ12は、入力機器の指令信号(例えば、ON/OFF)などに応じて、出力機器をON/OFFすることにより、シーケンス制御を実現する専用コントローラ(計算機)である。ここでは、シーケンサ12は、生産装置11の稼動に関する情報である接点情報を受け付け、出力装置14に渡し、出力装置14を制御する。また、シーケンサ12は、プログラマブルコントローラ(PC)、シーケンスコントローラ、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)など、生産装置11の一連の制御監視を行うすべてのコントローラやコンピュータを含む。接点情報とは、例えば、ブザーのON/OFFを示す情報、赤や黄や緑などの色の警告灯(例えば、LEDや蛍光灯で実現。)などの点灯、点滅、消灯などを示す情報、生産装置11における物品の生産数を示す情報などである。接点情報のデータ構造は問わない。
データ収集システム13は、生産装置11の稼動に関する情報である接点情報を取得するシステムである。接点情報は、1以上の接点から取得される情報である。接点情報を構成する各接点の情報は、ONまたはOFFのパルスの情報である。データ収集システム13は、生産装置11と当該生産装置11の稼動に関する情報である接点情報を出力する出力装置14との間に設置される。この「間」とは、空間的な間ではなく、データ収集システム13の少なくとも一部の装置(ここでは、後述する分岐装置131)が、生産装置11からの信号を得て、出力装置14に転送する、という意味である。ここでの転送は、得た信号をそのまま渡しても良いし、加工して渡しても良い。また、ここでは、データ収集システム13は、接点情報をシーケンサ12から受け付ける。なお、データ収集システム13は、生産装置11から、直接に接点情報を受け付ける構成でも良い。かかる場合、シーケンサ12は不要である。
出力装置14は、接点情報を出力する。出力装置14は、例えば、接点情報を警告灯(例えば、LEDで実現されている。)に出力したり、ブザー音で出力したりする。その他、出力装置14における接点情報の出力態様は問わない。出力とは、他の装置(例えば、表示手段を有する装置)への送信、記録媒体への蓄積なども含む概念である。
データ収集システム13は、1以上の分岐装置131、1以上のネットワーク装置132、データ収集装置133、解析装置134を具備する。データ収集システム13において、分岐装置131とネットワーク装置132は、通常、1セットになっている。また、データ収集システム13は、通常、2セット以上の分岐装置131およびネットワーク装置132と、一のデータ収集装置133と、一の解析装置134を具備する。
分岐装置131は、生産装置11における稼動に関する情報である接点情報を取得し、当該接点情報を出力装置14に転送するとともに、ネットワーク装置132に送信する。本実施の形態において、分岐装置131は、接点情報から生産装置の状態に関する情報である状態情報を取得し、当該状態情報をコード化し、コード化された情報である接点関連情報をネットワーク装置132に送信する。分岐装置131は、通常、接点情報を何ら加工等せずに、出力装置14に転送するが、接点情報を加工して、データ構造等を変更して、出力装置14に転送しても良い。なお、接点関連情報は、時刻に関する情報である時刻情報を有することは好適である。この時刻情報は、対応する状態情報が示す状態が発生した時刻である。また、接点関連情報は、接点情報を発生する元になった生産装置11を識別する情報である生産装置IDを有することは好適である。
ネットワーク装置132は、分岐装置131から送信された接点関連情報を受信し、データ収集装置133に送信する。受信した接点関連情報と送信する接点関連情報は、同一のデータ構造でなくても良い。
データ収集装置133は、ネットワーク装置132から送信された接点関連情報を受信し、蓄積する。
解析装置134は、データ収集装置133に格納されている接点関連情報を取得し、解析処理する。
図2は、データ収集システム13を構成する分岐装置131のブロック図である。分岐装置131は、接点情報取得部1311、状態認識部1312、状態コード化部1313、出力部1314、コードマップ設定部1315を具備する。
状態コード化部1313は、コードマップ記憶手段13131、接点関連情報取得手段13132を具備する。
接点情報取得部1311は、生産装置11から、間接的(例えば、シーケンサ12経由で)または直接に、接点情報を取得する。ここでは、接点情報取得部1311は、生産装置11の接点情報を、シーケンサ12から取得する。接点情報取得部1311は、シーケンサ12から接点情報を受信しても良いし、シーケンサ12に格納されている接点情報を読み出しても良い。接点情報取得部1311における接点情報の取得方法は問わない。接点情報取得部1311は、シーケンサ12から入力された接点情報を分岐し、一方は出力装置14へ直接出力するために出力部1314に、他方は状態認識するために状態認識部1312へ送信する。接点情報取得部1311は、MPUやメモリ等から実現され得る。また、接点情報取得部1311は、無線または有線の受信手段で実現されても良い。接点情報取得部1311の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態認識部1312は、接点情報取得部1311が取得した接点情報から生産装置11の状態に関する情報である状態情報を取得する。状態は、例えば、オンまたはオフの2つの状態のうちのいずれかを採り得るブザーの状態、および、点灯または点滅または消灯の3つの状態のうちのいずれかを採り得る3種類の警告灯(例えば、色が赤、黄、緑で識別される)の状態である。状態は、かかる複数種類の媒体(ブザー、警告灯など)の各々の状態の組み合わせである、と考えても良い。全状態の組み合わせである状態パターンは、例えば、10種類である。状態の具体例については、さらに、後述する。また、状態情報は、接点情報取得部1311が取得した接点情報から取得され得る生産装置11の状態に関する情報である。状態情報は、ここでは、ブザーの状態の変化および警告灯の状態の変化とは非同期に発生する情報である非同期情報を含む。非同期情報は、例えば、生産装置11における生産数に関する情報である生産数情報である。非同期情報は、例えば、生産装置11に設置されている金型の切り替えの情報や、生産装置11で使用する樹脂の切り替えの情報、一度不良品となったものを修正して再投入する際の再投入情報、段取り替えを実施した際の段取り替え情報などである。状態認識部1312は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態認識部1312の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態コード化部1313は、状態認識部1312が取得した状態情報をコードである接点関連情報に変換する。状態認識部1312が取得した状態情報が非同期情報を含む場合に、状態コード化部1313は、状態認識部1312が取得した非同期情報以外の他の状態情報に関わらず、所定の値のコードである接点関連情報に変換する。状態コード化部1313は、非同期情報以外の他の状態情報を欠落させて、非同期情報のみからコードである接点関連情報を構成する。かかる場合、非同期情報以外の他の状態情報は、先の状態と変更がない、として、解析装置134等で取り扱われる。状態コード化部1313が具体的に、状態情報を接点関連情報に変換する方法は、後述する。状態コード化部1313は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態コード化部1313の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
コードマップ記憶手段13131は、n(nは2以上の整数)種類の情報のON/OFFの状態の情報である状態情報と、(n−1)bit以下のbit数のコードである接点関連情報との対応を示す情報であるコードマップを格納している。コードマップのデータ構造は問わない。コードマップにおいて、状態情報と接点関連情報との対応付けが可能であれば良い。また、状態情報は、n種類の情報の「ON/OFF」のパターンである。状態情報は、例えば、所定数の物品の生産が完了したことを示す情報、ブザーのON/OFF、赤のLEDのON/OFF、黄のLEDのON/OFF、緑のLEDのON/OFFの5種類の情報のON/OFFパターンである。そして、接点関連情報は、4bitの情報である。コードマップ記憶手段13131は、ハードディスクやROM等の不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAM等の揮発性の記録媒体でも実現可能である。
接点関連情報取得手段13132は、状態認識部1312が取得した1以上の状態情報である状態情報に対応する接点関連情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。なお、接点関連情報取得手段13132は、外部に存在するコードマップを検索し、状態情報をキーに接点関連情報を取得しても良い。かかる場合、分岐装置131は、コードマップ記憶手段13131を有しない。接点関連情報取得手段13132は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。接点関連情報取得手段13132の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力部1314は、接点情報取得部1311が取得した接点情報を出力装置14に転送し、かつ、接点情報に関する情報である接点関連情報をネットワーク装置132に送信する。出力部1314は、通常、接点情報取得部1311が取得した接点情報を出力装置14に転送し、かつ、状態コード化部1313が変換して得た接点関連情報をネットワーク装置132に送信する。出力部1314は、無線または有線の通信手段や、放送手段で実現され得る。
コードマップ設定部1315は、コードマップをコードマップ記憶手段13131に蓄積する。コードマップ設定部1315は、例えば、キーボードやマウスなどの入力手段からのコードマップの入力を受け付け、コードマップ記憶手段13131に蓄積する。なお、コードマップ設定部1315は、キーボードやマウスなどの入力手段を含むと考えても良い。
ネットワーク装置132は、第一接点関連情報受信部1321、第一接点関連情報送信部1322を具備する。
第一接点関連情報受信部1321は、分岐装置131から接点関連情報を受信する。第一接点関連情報受信部1321は、無線の通信手段が好適であるが、放送を受信する手段や有線の通信手段でも実現可能である。
第一接点関連情報送信部1322は、第一接点関連情報受信部1321が受信した接点関連情報をデータ収集装置133に送信する。第一接点関連情報送信部1322は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。なお、第一接点関連情報受信部1321が受信した接点関連情報と、第一接点関連情報送信部1322が送信する接点関連情報は、通常、同一のデータ構造であるが、ネットワーク装置132においてデータ構造の変換等を行っても良い。
図3は、データ収集装置133の構成を示すブロック図である。データ収集装置133は、稼動情報ログ記憶部1331、第二接点関連情報受信部1332、稼動情報ログ蓄積部1333を具備する。
稼動情報ログ記憶部1331は、接点関連情報が格納され得る。稼動情報ログ記憶部1331は、ハードディスク等の不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAM等の揮発性の記録媒体でも実現可能である。
第二接点関連情報受信部1332は、ネットワーク装置132から接点関連情報を受信する。第二接点関連情報受信部1332は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
稼動情報ログ蓄積部1333は、第二接点関連情報受信部1332が受信した接点関連情報を稼動情報ログ記憶部1331に蓄積する。稼動情報ログ蓄積部1333は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。稼動情報ログ蓄積部1333の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
図4は、データ収集システム13を構成する解析装置134のブロック図である。解析装置134は、指示受付部1341、接点関連情報取得部1342、補正部1343、解析部1344、解析結果出力部1345を具備する。
解析部1344は、コードマップ記憶手段13131、状態デコード手段13441、作業員移動時間情報取得手段13442、復旧作業時間情報取得手段13443、稼動情報統計処理手段13444、区分情報格納手段13445を具備する。
解析結果出力部1345は、移動時間ヒストグラム出力手段13451、復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452、統計処理結果出力手段13453を具備する。
指示受付部1341は、解析処理の開始の指示を受け付ける。指示の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。指示受付部1341は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。なお、解析装置134は、指示受付部1341が解析処理の開始の指示を受け付けたことをトリガーとして、解析を開始しても良いし、所定の時刻になった場合等に、自動的に解析を開始しても良い。
接点関連情報取得部1342は、稼動情報ログ記憶部1331から1以上の接点関連情報(以下、適宜、「稼動情報ログ」という。)を取得する。接点関連情報取得部1342が接点関連情報を取得するトリガー、タイミングは問わない。通常、指示受付部1341がユーザの指示を受け付けた場合、接点関連情報取得部1342は、接点関連情報を取得する。接点関連情報取得部1342は、通常、データ収集装置133から、稼動情報ログを通信手段により受信する。接点関連情報取得部1342は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
補正部1343は、状態認識部1312が状態情報を取得する時間に基づいて、接点関連情報が有する時刻情報を補正する。状態認識部1312が状態情報を取得する時間は、通常、予め補正部1343が保持している。ただし、補正部1343は、例えば、分岐装置131から送信され、データ収集装置133に蓄積されている状態情報を取得する時間に基づいて、時刻情報を修正しても良い。補正部1343は、状態認識部1312が状態情報を取得する時間だけずらして、生産装置11の異常が発生した時刻や、作業員がブザー停止のボタンを押下した時刻や、復旧作業が開始された時刻や、復旧作業が終了した時刻などを補正する。かかる補正部1343の補正は、時刻補正であるので、作業員移動時間情報、および復旧作業時間情報が時刻情報を具備する場合に、正確な時刻を取得でき、有効である。補正部1343は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。補正部1343の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。また、補正部1343が行う補正は、状態デコード手段13441が取得した1以上の状態情報に対して行っても良い。
解析部1344は、接点関連情報取得部1342が取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する。解析部1344は、具体的には、例えば、2以上の接点関連情報(稼動情報ログ)に基づいて、作業員の移動時間に関する情報である作業員移動時間情報と、復旧作業時間に関する情報である復旧作業時間情報を取得する。解析部1344は、具体的には、例えば、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするために、1以上の接点関連情報を統計処理し、統計データを取得する。解析部1344の処理手順の具体例は後述する。解析部1344は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。解析部1344の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態デコード手段13441は、接点関連情報取得部1342が取得した1以上の接点関連情報に対応する1以上の状態情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。状態デコード手段13441は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態デコード手段13441の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
作業員移動時間情報取得手段13442は、状態デコード手段13441が取得した1以上の状態情報に基づいて、ブザーがオンになってからオフになるまでの時間に関する情報を取得し、当該時間に関する情報を作業員移動時間情報とする。作業員移動時間情報取得手段13442は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。作業員移動時間情報取得手段13442の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
復旧作業時間情報取得手段13443は、2以上の接点関連情報に基づいて、ブザーがオンからオフになった後、生産装置11が正常に稼動するまでの時間に関する情報を取得し、当該時間に関する情報を復旧作業時間情報とする。ブザーをオンからオフにするのは、通常、復旧作業にあたる作業員である。ブザーをオフにする操作部(例えば、ボタンやスイッチなど)は、通常、生産装置11が有している、または、生産装置11の周辺に設置されている。そして、作業員は、通常、ブザーをオフにする操作部を操作し、ブザーをオフにする。そして、例えば、シーケンサ12が、ブザーをオフにする操作部が操作されたことを検知し、分岐装置131に渡す。復旧作業時間情報取得手段13443は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。復旧作業時間情報取得手段13443の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
稼動情報統計処理手段13444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。稼動情報統計処理手段13444は、例えば、生産装置11ごとに、各状態情報が示す状態の持続時間の合計を算出する。稼動情報統計処理手段13444は、例えば、状態情報が示す状態の持続時間とその頻度を算出し、後述する区分情報に基づいて、各生産装置11の各状態の持続時間とその頻度を、区分情報が示す区分(グループ)に分類する。
区分情報格納手段13445は、稼動情報統計処理手段13444が統計処理を行う区分についての情報である区分情報を格納している。区分情報は、例えば、ある状態(例えば「前工程からのワーク供給なし」の状態)が持続する時間である持続時間により故障を分類するための情報であり、「1分以内から10分以内、まで、1分毎」といった情報である。
解析結果出力部1345は、解析部1344が取得した結果である所定の情報を出力する。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタへの印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積等を含む概念である。解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、生産装置11の稼動状態をグラフ出力(具体例は後述する)したり、移動時間のヒストグラムや、復旧作業時間のヒストグラムなどを出力(具体例は後述する)したりする。解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、稼動情報統計処理手段13444が得た統計データをグラフ出力する。さらに具体的には、解析結果出力部1345は、例えば、設備ごとに、各状態情報が示す各状態の持続時間の合計から、各状態情報が示す状態の発生割合(時間的な割合)を、例えば、円グラフで出力する。また、解析結果出力部1345は、具体的には、例えば、各状態情報が示す状態の持続時間ごとに、その頻度を示すヒストグラムを出力する。かかるヒストグラムにより、ユーザは、生産装置11の動作状況を知ることができる。解析結果出力部1345は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。解析結果出力部1345は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
移動時間ヒストグラム出力手段13451は、作業員移動時間情報取得手段13442が取得した作業員移動時間情報に基づいて、当該作業員移動時間情報が示す作業員の移動時間と、当該移動時間の移動が発生した頻度または/および当該移動時間の1以上の移動の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧作業時間情報取得手段13443が取得した復旧作業時間情報に基づいて、当該復旧作業時間情報が示す復旧時間と、当該復旧時間の復旧が発生した頻度または/および当該復旧時間の1以上の復旧の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
統計処理結果出力手段13453は、稼動情報統計処理手段13444が取得した統計データを、円グラフやヒストグラム等の所定のグラフ等で出力する。円グラフやヒストグラムの出力処理は、公知技術による処理である。円グラフやヒストグラムの出力例は、後述する。
次に、データ収集システムの動作について説明する。まず、分岐装置131の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS501)接点情報取得部1311は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS502)接点情報取得部1311は、i番目の接点が存在するか否かを判断する。なお、接点とは、生産装置11の稼動状況についての信号を出力する媒体である。また、本フローチャートにおいて、接点は、n(nは2以上の整数)種類、存在するとする。i番目の接点が存在すればステップS503に行き、i番目の接点が存在しなければステップS509に行く。
(ステップS503)接点情報取得部1311は、i番目の接点の接点情報を取得したか否かを判断する。i番目の接点の接点情報を取得すればステップS504に行き、i番目の接点の接点情報を取得しなければステップS503に戻る。
(ステップS504)接点情報取得部1311は、ステップS503で取得した接点情報を出力部1314に送付する。
(ステップS505)接点情報取得部1311は、ステップS503で取得した接点情報を状態認識部1312に送付する。
(ステップS506)状態認識部1312は、ステップS505で受け付けた1以上の接点情報に基づいて、状態を認識し、状態情報を取得する。なお、状態認識部1312は、所定時間に取得した1以上の接点情報に基づいて、状態情報を取得する。状態認識部1312の状態認識処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS507)接点関連情報取得手段13132は、ステップS506で状態情報が出力されたか否かを判断する。ステップS506で状態情報が出力されればステップS508に行き、ステップS506で状態情報が出力されなければステップS503に戻る。
(ステップS508)接点関連情報取得手段13132は、カウンタiを1、インクリメントする。
(ステップS509)接点関連情報取得手段13132は、1以上の状態情報をキーとして、コードマップ記憶手段13131を検索し、1以上の状態情報と対になる状態コード(接点関連情報)を取得する。なお、接点関連情報取得手段13132が取得する状態コードは、状態情報が非同期情報を含む場合には、非同期情報以外の他の状態情報が識別できない状態コードとなっている。かかる状態コードの具体例は後述する。
(ステップS510)出力部1314は、ステップS509で取得した状態コードを、ネットワーク装置132に送信する。なお、状態コードは、(n−1)bit以下のデータサイズであることが好適である。
(ステップS511)出力部1314は、接点情報取得部1311が取得したn種類の接点の接点情報を出力装置14に出力する。なお、接点情報を受け付けた出力装置14は、通常、接点情報をそのまま出力(表示など)する。ステップS501に戻る。
なお、図5のフローチャートにおいて、接点情報取得部1311は、n種類の接点の情報を並列処理により取得しても良い。
なお、図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、分岐装置131の状態認識処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)状態認識部1312は、接点情報が示す状態がONの状態か否かを判断する。ON状態であればステップS602に行き、ON状態でなければステップS606に行く。
(ステップS602)状態認識部1312は、一定時間Tの間以上、ON状態が続いているか否かを判断する。ON状態が続いておればステップS603に行き、ON状態が続いていなければステップS605に行く。
(ステップS603)状態認識部1312は、状態を点灯またはブザーONであると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。
(ステップS604)状態認識部1312は、構成した状態情報を出力する。上位関数にリターンする。
(ステップS605)状態認識部1312は、状態を点滅であると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。ステップS604に行く。
(ステップS606)状態認識部1312は、一定時間Tの間以上、OFF状態が続いているか否かを判断する。OFF状態が続いておればステップS607に行き、OFF状態が続いていなければステップS608に行く。
(ステップS607)状態認識部1312は、状態を消灯またはブザーOFFであると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。ステップS604に行く。
(ステップS608)状態認識部1312は、状態を点滅であると認識し、かかる状態に対応する状態情報を構成する。ステップS604に行く。
次に、ネットワーク装置132の動作について説明する。ネットワーク装置132の第一接点関連情報受信部1321は、分岐装置131から接点関連情報を受信し、第一接点関連情報送信部1322は、当該接点関連情報をデータ収集装置133に送信する。
次に、データ収集装置133の動作について説明する。データ収集装置133の第二接点関連情報受信部1332は、ネットワーク装置132から接点関連情報を受信すれば、稼動情報ログ蓄積部1333が当該接点関連情報を稼動情報ログ記憶部1331に蓄積する。なお、データ収集装置133は、1以上の接点関連情報を有する移動稼動情報ログを、解析装置134からの要求に基づき、解析装置134に送信する。なお、解析装置134は、データ収集装置133から直接的に稼動情報ログを取得する必要はない。解析装置134は、稼動情報ログが蓄積された記録媒体から稼動情報ログを読み出して、解析処理を行っても良い。
次に、解析装置134の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS701)指示受付部1341は、解析処理の開始の指示を受け付けたか否かを判断する。解析処理の開始の指示を受け付ければステップS702に行き、解析処理の開始の指示を受け付けなければステップS701に戻る。指示は、例えば、解析対象の時間帯の情報(月、日などの情報を有しても良い)を含む。ただし、指示は、単なる指示のみであっても良い。かかる場合、解析装置134は、データ収集装置133のすべての接点関連情報を解析対象とする。
(ステップS702)接点関連情報取得部1342は、ステップS701で指示された対象の稼動情報ログを、データ収集装置133の稼動情報ログ記憶部1331から取得する。
(ステップS703)補正部1343は、予め格納されている状態認識部1312が状態情報を取得する時間(t)を取得する。
(ステップS704)補正部1343は、ステップS702で取得した稼動情報ログが有する全接点関連情報に含まれる時刻情報を、ステップS703で取得したtにより補正する。つまり、補正部1343は、稼動情報ログが有する全接点関連情報に含まれる時刻情報をtだけ前に戻す。例えば、補正部1343は、接点関連情報に含まれる時刻情報がT1である場合、(T1−t)を、正確な時刻情報とする。
(ステップS705)解析部1344は、接点関連情報取得部1342が取得した1以上の接点関連情報を処理し、作業員移動時間情報、および復旧作業時間情報を取得する(「解析処理1」とする)。なお、かかる接点関連情報は、通常、補正部1343により補正された後の接点関連情報である。解析部1344における解析処理1の詳細は、図8のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS706)移動時間ヒストグラム出力手段13451は、作業員移動時間情報取得手段13442が取得した作業員移動時間情報(ステップS705での解析結果)に基づいて、当該作業員移動時間情報が示す作業員の移動時間と、当該移動時間の移動が発生した頻度または/および当該移動時間の1以上の移動の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成する。
(ステップS707)移動時間ヒストグラム出力手段13451は、ステップS706で構成したヒストグラムを出力する。
(ステップS708)復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧作業時間情報取得手段13443が取得した復旧作業時間情報(ステップS705での解析結果)に基づいて、当該復旧作業時間情報が示す復旧時間と、当該復旧時間の復旧が発生した頻度または/および当該復旧時間の1以上の復旧の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成する。
(ステップS709)復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、ステップS708で構成したヒストグラムを出力する。
(ステップS710)稼動情報統計処理手段13444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。ここで得る統計データは、生産装置11ごとの統計データであり、各状態情報の発生時間の合計を示すデータである。ここでの処理を「解析処理2」という。解析処理2の詳細は、図9のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS711)統計処理結果出力手段13453は、ステップS710で得た各状態情報が示す状態の発生時間の合計を示すデータに基づいて、各状態の時間的な割合を示すグラフ(例えば、円グラフ)を出力する。
(ステップS712)稼動情報統計処理手段13444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。ここで得る統計データは、各状態情報が示す状態の区分情報で示される区分ごとの頻度のデータである。ここでの処理を「解析処理3」という。解析処理3の詳細は、図10のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS713)統計処理結果出力手段13453は、ステップS712で得た区分ごとの頻度のデータに基づいて、ヒストグラムを出力する。ヒストグラムの出力は、生産装置11ごと、状態ごとに行われる。そして、処理を終了する。
なお、図7のフローチャートにおいて、解析結果出力部1345は、ヒストグラム、円グラフ等以外の出力を行っても良い。また、図7のフローチャートにおいて、解析処理1、解析処理2、解析処理3を独立して行わずに、重複する処理は一度のみ行うような処理方法でも良い、ことは言うまでもない。
次に、ステップS705の解析処理1について、図8のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS801)解析部1344は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS802)解析部1344は、接点関連情報取得部1342が取得した接点関連情報の中で、i番目の接点関連情報が存在するか否かを判断する。i番目の接点関連情報が存在すればステップS803に行き、i番目の接点関連情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS803)状態デコード手段13441は、i番目の接点関連情報に対応する状態情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。
(ステップS804)作業員移動時間情報取得手段13442は、ステップS803で取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」であればステップS805に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」でなければステップS812に行く。
(ステップS805)作業員移動時間情報取得手段13442は、移動時間を測定するための変数である移動時間変数mに1を代入する。
(ステップS806)作業員移動時間情報取得手段13442は、カウンタjに「i+1」を代入する。
(ステップS807)解析部1344は、j番目の接点関連情報が存在するか否かを判断する。j番目の接点関連情報が存在すればステップS808に行き、j番目の接点関連情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS808)状態デコード手段13441は、j番目の接点関連情報に対応する状態情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。
(ステップS809)作業員移動時間情報取得手段13442は、ステップS808で取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」であればステップS810に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「ON」でなければステップS813に行く。
(ステップS810)作業員移動時間情報取得手段13442は、カウンタmを1、インクリメントする。
(ステップS811)作業員移動時間情報取得手段13442は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS807に戻る。
(ステップS812)解析部1344は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS802に戻る。
(ステップS813)作業員移動時間情報取得手段13442は、取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」であればステップS814に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」でなければステップS816に行く。
(ステップS814)作業員移動時間情報取得手段13442は、移動時間変数mに基づいて移動時間を算出する。mは、作業員が移動している間出力された接点情報の数に比例するので、通常、作業員移動時間情報取得手段13442は、「m×(接点情報を出力する時間間隔)」を移動時間とする。
(ステップS815)復旧作業時間情報取得手段13443は、復旧作業時間を測定するための変数である復旧作業時間変数rに1を代入する。ステップS817に行く。
(ステップS816)解析部1344は、カウンタiを「j+1」とする。ステップS802に戻る。
(ステップS817)復旧作業時間情報取得手段13443は、カウンタjを1、インクリメントする。
(ステップS818)復旧作業時間情報取得手段13443は、j番目の接点関連情報が存在するか否かを判断する。j番目の接点関連情報が存在すればステップS819に行き、j番目の接点関連情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS819)状態デコード手段13441は、j番目の接点関連情報に対応する状態情報を、コードマップ記憶手段13131から取得する。
(ステップS820)復旧作業時間情報取得手段13443は、取得した状態情報が、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」であればステップS820に行き、異常警告灯が「ON」かつ、ブザーが「OFF」でなければステップS823に行く。
(ステップS821)復旧作業時間情報取得手段13443は、復旧作業時間変数rを1、インクリメントする。
(ステップS822)復旧作業時間情報取得手段13443は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS818に戻る。
(ステップS823)復旧作業時間情報取得手段13443は、取得した状態情報が、異常警告灯が「OFF」を示す情報であるか否かを判断する。異常警告灯が「OFF」であればステップS824に行き、異常警告灯が「OFF」でなければステップS826に行く
(ステップS824)復旧作業時間情報取得手段13443は、復旧作業時間変数rに基づいて復旧作業時間を算出する。rは、作業員が復旧作業をしている間出力された接点情報の数に比例するので、通常、復旧作業時間情報取得手段13443は、「r×(接点情報を出力する時間間隔)」を復旧作業時間とする。
(ステップS825)解析部1344は、解析結果情報を構成する。解析結果情報は、例えば、異常が発生した時刻情報、移動時間、復旧作業時間の各情報を有する。異常が発生した時刻情報は、接点関連情報が保持している。
(ステップS826)解析部1344は、変数m,rに0を代入する。
(ステップS827)解析部1344は、カウンタiに「j+1」を代入する。ステップS802に戻る。
次に、ステップS710の解析処理2について、図9のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS901)稼動情報統計処理手段13444は、初期化処理を行う。初期化処理とは、カウンタiに1を代入する処理、各状態情報に対応する変数に0を代入する処理である。各状態情報に対応する変数とは、各状態情報が示す各状態の持続時間を計数するための変数である。かかる変数を、以下、適宜、「状態時間変数」と言う。
(ステップS902)稼動情報統計処理手段13444は、ステップS808で取得した状態情報(データ)の中で、i番目の状態情報が存在するか否かを判断する。i番目の状態情報が存在すればステップS903に行き、i番目の状態情報が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS903)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。
(ステップS904)稼動情報統計処理手段13444は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS902に戻る。
なお、図9のフローチャートにおいて、状態時間変数の値「1」に対応する時間は、接点関連情報が取得される時間間隔である。また、状態時間変数の値「1」に対応する時間は、「1」秒であるとは限らない。
次に、ステップS712の解析処理3について、図10のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1001)稼動情報統計処理手段13444は、初期化処理を行う。初期化処理とは、カウンタiに1を代入する処理、各状態時間変数に0を代入する処理である。
(ステップS1002)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報が存在するか否かを判断する。i番目の状態情報が存在すればステップS1003に行き、i番目の状態情報が存在しなければ、ステップS1007に行く。
(ステップS1003)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報と以前に取得した状態情報((i−1)番目の状態情報)とが異なるか否か(変化があったか否か)を判断する。変化があればステップS1004に行き、変化がなければステップS1005に行く。
(ステップS1004)稼動情報統計処理手段13444は、前の状態の状態時間変数の値が示す区分を示す情報と、前の状態を示す情報と、状態時間変数の値(持続時間)を対にして格納する。なお、区分を示す情報とは、区分が「1:1分以内」「2:2分以内」・・・「10:10分以内」「11:10分より長い」である場合、例えば、各区分のID「2」、などである。「1:1分まで」は、IDが「1」であり、その意味は、1分以内、該当する状態が持続したことを示す。前の状態を示す情報は、状態情報のIDでも良いし、状態情報自体でも良い。稼動情報統計処理手段13444は、例えば、「2、正常稼動、1870」を登録する。「2、正常稼動、1870」において、「2」は区分のID、「正常稼動」は前の状態を示す情報、「1870」は持続時間(秒)である。
(ステップS1005)稼動情報統計処理手段13444は、i番目の状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。
(ステップS1006)稼動情報統計処理手段13444は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1002に戻る。
(ステップS1007)稼動情報統計処理手段13444は、ステップS1004で登録した情報に基づいて、状態ごとの合計時間を算出する。上位関数にリターンする。
なお、図10のフローチャートにおいて、後述する「合計時間」を算出しても良い。
以下、本実施の形態における生産システム、および生産システムを構成するデータ収集システムの具体的な動作について説明する。データ収集システムを含む生産システムの基本構成図は図1である。
ここで、生産装置11に設置されているプログラマブルコンピュータ(シーケンサ12)から、接点のON/OFFによって以下のパターンが出力される、とする。
まず、警告灯は、「赤」「黄」「緑」の3種類、存在する。また、「赤」「黄」「緑」の3種類の警告灯は、それぞれ点灯・点滅・消灯の3つのいずれかの状態を示す。
また、ブザーは、ON/OFFのいずれかの状態を示す。
さらに、シーケンサ12から生産数に関する情報である生産数情報が出力される。具体的には、例えば、ワーク(例えば、製品)が1つ生産ライン(生産装置11)を通過するごとにパルス信号がシーケンサ12に入力される。そして、100個パルスが入るごとに、シーケンサ12は、1回パルスを出力する。かかるパルスが、非同期に発生する情報である非同期情報である。
また、3種類の警告灯、ブザー、および生産数情報の5つの状態についての情報は、各パターンが並立することがある。並立するパターンとは、具体的には、「赤消灯+黄点滅+緑点灯+ブザーON」等である。
本生産システムを構成するデータ収集システム13において、分岐装置131でこれらのパターンをビットコード化してデータ収集装置133に蓄積する。そして、解析装置134が、データ収集装置133に蓄積された状態コードをデコード化し、それぞれのパターンの発生時刻と発生時間が視覚的に把握できるように、例えば、グラフ表示フォーマットに変換する。
図11は、コードマップ記憶手段13131におけるコードマップの例を示す。コードマップは、接点関連情報と状態情報を有する。図11において、状態意味情報を有するが、本状態意味情報は、接点関連情報または/および状態情報が示す意味を示す情報である。なお、状態意味情報は、コードマップにおいて、必須の情報ではない。「状態意味情報」の属性値の「電源断」は、生産装置の電源が落ちている状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「正常稼動」は、生産装置が正常に稼動していることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「正常稼動+前工程ワークなし」は、生産装置が正常に稼動しており、かつ、生産装置における工程が複数ある場合の、前工程のワークがない状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「後工程満杯」は、生産装置における工程が複数ある場合の、後の工程にワーク待ち行列ができている状態を示す。また、「状態意味情報」の属性値の「部品なし(対処中)」は、工程のための部品がなく、対処中であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「停止」は、生産装置が停止している状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「異常停止(対処中)」は、生産装置が異常停止し、対処中であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「部品なし(対処前)」は、工程のための部品がなく、対処前の状態であることを示す。また、「状態意味情報」の属性値の「異常停止(対処前)」は、生産装置が異常停止し、かつ対処前の状態であることを示す。さらに、「状態意味情報」の属性値の「ワーク100個通過」は、ワークが100個通過したことを示す。
ここでは、状態情報は、5種類の接点の状態を示す情報である。図11において、状態情報の属性値は、以下の値をとり得る。生産数の「○」は、シーケンサ12から100個のワークが1つ生産ライン(生産装置11)を通過したことを示す情報である。生産数が空欄の場合は、100個のワークが1つ生産ライン(生産装置11)を通過していない、ことを示す。また、ブザーの「○」は、ブザーがONの状態、「×」は、ブザーがOFFの状態を示す。さらに、「赤」「黄」「緑」は、警告灯の色を示し、各警告灯の「○」は点灯、「△」は点滅、「×」は消灯を示す。分岐装置131において、例えば、「○」は「0」、「△」は「1」、「×」は「2」の値に対応させる。図11において、接点関連情報は、4bitのコードである。接点関連情報は、「状態1」「状態2」「状態3」「状態4」の各ビット値(「0」または「1」)からなる。
以下、データ収集システム13の具体的動作について説明する。
まず、データ収集システム13の分岐装置131は、シーケンサ12からの出力信号(接点情報)を分岐し、出力装置14へは出力信号(接点情報)を直接出力し、ネットワーク装置132へは出力信号(接点情報)のパターンを認識し、パターンにマッチする状態コード(接点関連情報)を出力する。かかる処理のうちの接点情報から接点関連情報を構成する処理について、具体的に説明する。
つまり、接点情報取得部1311が取得した接点情報から、状態認識部1312は、状態を認識し、状態情報を取得する。具体的には、状態認識部1312は、警告灯、ブザー、生産数のパターンを認識する。
状態認識部1312は、警告灯のパターン認識を、以下のように行う。例えば、1秒間接点情報がON状態を示す情報であれば点灯、1秒間接点情報がOFF状態を示す情報ならば消灯、1秒間接点情報が点灯パターンでも消灯パターンでもなければ点滅と、状態認識部1312は判断する。
また、状態認識部1312は、ブザーの接点がONすればON状態、OFFすればOFF状態と判断する。
かかる状態認識の具体的なアルゴリズムは、図6を用いて説明した通りである。
さらに、本例において、ワークが1つ生産ラインを通過するごとにパルス信号がシーケンサ12に入力される。そして、カウンタがパルスを100回カウントしたことを、状態認識部1312は認識する。
次に、状態認識部1312が認識し、取得した状態情報に対応する接点関連情報を、接点関連情報取得手段13132は、コードマップ記憶手段13131から取得する。ここで、状態情報が5chの情報である。一方、接点関連情報取得手段13132でコード化することにより、4bitのデータになる。したがって、状態情報のパターン認識を行うことで、状態情報をそのまま分岐して稼動情報ログとして蓄積するよりも、少ない容量で情報を蓄積できる。また、ネットワークトラフィックも少なくて済む。
状態認識部1312は、生産数に関して100回カウントアップしたことを示す信号として1秒間パルス(以下、適宜「カウントアップパルス」という)を出力する。カウントアップパルスは警告灯、ブザーのパターン変化からすると非常にまれに出力されるものであり、また警告灯、ブザーの変化とは非同期に発生する非同期情報である。この性質を考慮して、カウントアップパルスのコードは警告灯、ブザーのコードとは独立したものとする。つまり、カウントアップパルスが発生したときは、このコード(図11の「1111」)を割り込みで稼動情報ログに記述するようにする。図11に示すように、生産数カウントアップパルスには独立したコード(図11の「1111」)を与え、ONしたときはこのコードを上書きして出力する。そして、例えば、解析装置134は、生産数カウントアップパルスを出力している間は前後の状態が持続していたとみなす。つまり、解析装置134は、接点関連情報が「1111」の場合は、その直前または直後の接点関連情報から「赤」「黄」「緑」の3種類の警告灯の状態、ブザーの状態を取得する。かかる処理により、データ収集に必要な接点チャンネル数を削減可能である。また、ネットワークトラフィックを軽減できる。
図12は、カウントアップパルスのコード(接点関連情報)の出力例である。図12において、「日付」「時刻」「接点関連情報」を有するレコードを1以上有する。「接点関連情報」は、「状態1」「状態2」「状態3」「状態4」の4bitの情報からなる。また、図12の各レコードは、属性値「日付」「時刻」が示す時刻に、属性値「接点関連情報」が示す接点関連情報が出力されたことを示す。図12において、「12:52:22」では警告灯、ブザーのパターンは(0,0,0,1)つまり緑点灯である。「12:52:23」に生産数カウンタがカウントアップしたため、カウントアップパルスを1秒間出力している。カウントアップパルス出力の間も後も警告灯、ブザーのパターンは緑点灯から変化なかったため、「12:52:24」には再びコードが(0,0,0,1)つまり緑点灯に戻っている。カウントアップパルスのコード出力時は、警告灯の点灯パターンやブザーの鳴動パターンがわからなくなるが、カウントアップパルスの出力時間は1秒と短いため、図12のコード出力例からもわかるように、前後の状態が緑点灯と同じならば、カウントアップパルス出力中も緑点灯の状態が継続していたと考えても問題はない。
上記の接点関連情報取得手段13132の処理により、接点情報がコード化された。以上の接点情報をビットコード化するメリットは、ビットコード化せずにパターンを認識しようとすると、認識のために接点が(赤・黄・緑・ブザー・生産数)の5ch必要になるが、パターン数が、ここでは、10であるので、4ビット、つまり、4chで全パターンを表現でき、少ないチャンネルでパターンを表現できる。
また、カウントアップパルスのように非同期にごくまれに発生するものに対して、独立したコードを割り当てて、割り込みでログ記述を行うことができるので、無駄にチャンネル数を増大させることがない。
次に、出力部1314は、取得した状態コードを、ネットワーク装置132に送信する。
また、出力部1314は、接点情報取得部1311が取得したn種類の接点の接点情報を、通常、そのまま出力装置14に出力する。出力装置14は、接点情報をそのまま出力する。出力装置14の処理は、公知技術による処理であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、ネットワーク装置132は、分岐装置131からコード化された接点関連情報(適宜、「状態コード」とも言う。)を受信し、データ収集装置133に送信する。
そして、データ収集装置133は、ネットワーク装置132から接点関連情報を受信し、当該接点関連情報を稼動情報ログ記憶部1331に蓄積する。稼動情報ログ記憶部1331に蓄積されている情報は、1以上の接点関連情報である稼動情報ログである。通常、接点関連情報は、時刻情報(図12の「日付」「時刻」の情報)を有する。
以上の処理により、データ収集装置133には、図12に示すような接点関連情報が、通常、大量に蓄積される。
次に、解析装置134の具体的な動作について説明する。
解析装置134の指示受付部1341は、ユーザから、解析の開始指示を受け付けた、とする。
次に、接点関連情報取得部1342は、図12のデータ構造を有する稼動情報ログを、データ収集装置133の稼動情報ログ記憶部1331から取得する。
次に、補正部1343は、予め格納されている状態認識部1312が状態情報を取得する時間(ここでは「t=1秒」)を取得する。
次に、補正部1343は、取得した稼動情報ログが有する全接点関連情報に含まれる時刻情報を、取得したt(1秒)により補正する。
図13を用いて、補正部1343における時刻補正について説明する。今、接点関連情報が示す状態が、図13のような状況であった、とする。図13は、警告灯の状態を示す。そして、図13によれば、時刻T1の際の警告灯の状態は点滅であるが、補正部1343は、T0(「T1−t」)の際に警告灯の状態が点滅であったとするため、接点関連情報が有する時刻情報をT1からT0に変更する。かかる処理により、解析装置134は、状態認識部1312が状態情報を取得する時間(t)を考慮した、正確な時刻での状態に基づいて解析できる。
具体的には、補正部1343における時刻補正により、例えば、図14に示すように、補正前の接点関連情報(図14(a))が補正後の接点関連情報(図14(b))となる。かかる補正処理により、パターンが変化した時刻を正確に把握することができる。
次に、解析部1344は、以下のように解析処理を行い、1以上の接点関連情報に基づいて、作業員移動時間情報と復旧作業時間情報を取得する。
解析部1344の状態デコード手段13441は、接点関連情報から状態情報にデコードする。そして、解析部1344は、図13に示すタイミングチャートを構成し得る情報を得ることができる。
そして、解析部1344は、まず、上述した解析処理1を行う。つまり、解析部1344は、異常警告灯とブザー(作業員呼出ブザー)のON/OFFの状態に基づいて、移動時間、復旧時間を算出する。作業員移動時間情報取得手段13442、および復旧作業時間情報取得手段13443は、ブザー停止ボタンが押下されたことをトリガーとして、ブザーの状態を利用せずに、移動時間、復旧時間を算出しても良い。
具体的には、稼動情報ログ(1以上の接点関連情報)をデコード化してパターンにすることで、図16の表が得られたとする。図16において、赤点滅、つまり異常警告灯の点灯開始時刻が「12:52:46」で、作業員移動時間情報取得手段13442は、ブザーの停止時刻が「12:53:01」であるので、「移動時間=ブザーの停止時刻−異常警告灯の点灯開始時刻=15(s)」と算出する。なお、ここで、赤点滅は異常停止、緑点灯は正常稼動を意味する(図11の状態意味情報を参照)。
また、復旧作業時間情報取得手段13443は、「復旧時間=再稼働時刻−ブザーの停止時刻=12(m)4(s)」と算出する。なお、図16において、再稼働時刻が「13:05:05」であることを示す。
そして、作業員移動時間情報取得手段13442、復旧作業時間情報取得手段13443が算出した結果を、図17に示すようなデータ構造で、少なくとも一時的に格納する、とする。図17は、解析結果管理表である。解析結果管理表は、異常開始時刻を示す時刻情報、移動時間、復旧時間を有するレコードを1以上有する。
次に、移動時間ヒストグラム出力手段13451は、作業員移動時間情報取得手段13442が取得した作業員移動時間情報(図17の解析結果)に基づいて、当該作業員移動時間情報が示す作業員の移動時間と、当該移動時間の移動が発生した頻度または/および当該移動時間の1以上の移動の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
また、復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧作業時間情報取得手段13443が取得した復旧作業時間情報(図17の解析結果)に基づいて、当該復旧作業時間情報が示す復旧時間と、当該復旧時間の復旧が発生した頻度または/および当該復旧時間の1以上の復旧の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する。
具体的な、ヒストグラムの出力例を図18に示す。図18(a)(b)は、移動時間ヒストグラムである。図18(a)において、移動時間の中央値が閾値より小さく、問題がない、と判断できる。図18(b)において、移動時間の中央値が閾値より大きく、問題あり、と判断できる。問題ありの場合、作業員の増員が必要である、と判断され得る。なお、中央値とは、値を昇順または降順にソートした場合の、真中の値である。また、かかる判断は、人が行っても、解析装置134が行っても良い。解析装置134の出力部1314は、移動時間の平均値を算出し、かかる平均値が予め格納されている閾値より大きい場合、警告を示す情報を出力(「作業員の増員が必要である」との表示や、音出力など)するなどしても良い。
また、図18(c)(d)は、復旧作業時間ヒストグラムである。図18(c)において、復旧時間の中央値が閾値より小さいので、チョコ停対策が必要である、と判断できる。「チョコ停」とは、搬送詰まりなどの、比較的簡単な対処により復旧できる停止時間の短い設備停止をいう。また、図18(d)において、復旧時間の中央値が閾値より大きいので、ドカ停対策が必要である、と判断できる。「ドカ停」とは、設備故障などが原因で、熟練作業員でなければ対処できない、マニュアルを見直さなければいけないなど明確な対処方法が共有できていない場合などにおこる比較的停止時間の長い設備停止をいう。なお、ドカ停の対策とは、例えば、復旧作業の手順化である。なお、閾値の情報は、予め解析部1344が保持している、とする。そして、解析部1344が、上記の中央値が閾値より大きいか、小さいか等を判断し、解析結果出力部1345が当該判断結果に応じた出力を行っても良い。
移動時間ヒストグラム出力手段13451、および復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、具体的に、以下の処理を行って、図18のヒストグラムを出力する。
移動時間ヒストグラム出力手段13451は、移動時間を実績に基づいて、適当な階数に区切って、横軸を構成する。移動時間ヒストグラム出力手段13451は、縦軸には、移動時間の各階数ごとの頻度(度数)、もしくは合計時間を配する。これにより、どのくらいの長さの移動時間が停止時間に影響を与えていたのかを一目で認識することができる。短い移動時間の頻度が高い場合、停止が起こっても作業員がすぐに対処できる環境にあることがわかり、特に問題はない。逆に長い移動時間の頻度が高い場合設備停止が起こったときに、作業員が到着するまでに時間がかかっていることがわかる。これは作業員の配置に問題があると考えられるので、作業員の配置を再検討する必要があることがわかる。
復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、復旧時間を実績に基づいて、適当な階数に区切って、横軸を構成する。復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452は、縦軸には、復旧時間の各階数ごとの頻度(度数)、もしくは合計時間を配する。これにより、どのくらいの長さの復旧時間が停止時間に影響を与えていたのかを一目で認識することができる。短い復旧時間の頻度が高い場合、チョコ停が頻発していることがわかる。よってチョコ停の原因追及と対策が必要とわかる。逆に長い復旧時間の頻度が高い場合ドカ停が頻発していることがわかる。よって、ドカ停の原因追及と対策が必要とわかる。
このように、停止時間を移動時間と復旧時間に分けてヒストグラム表示することで生産装置の稼働率向上のための対策方法を決定する支援を行うことができる。
なお、解析結果出力部1345は、図19に示すような稼動情報をグラフ出力しても良い。かかる場合、図12に示す状態意味情報も、解析装置134が保持している必要がある。そして、状態情報に対応する状態意味情報(例えば「電源断」)の発生を、タイミングチャートで出力する。かかるタイミングチャートの出力処理は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。なお、タイミングチャートは、タイムチャートと同意義である。
次に、稼動情報統計処理手段13444は、上述した解析処理2を行う。つまり、稼動情報統計処理手段13444は、各状態情報に対応する変数(状態時間変数)に0を代入する。次に、稼動情報統計処理手段13444は、例えば、図12に示すような接点関連情報から、コードマップ(図11参照)を参照して、状態情報を順次取得する。そして、稼動情報統計処理手段13444は、状態情報を取得するごとに、当該状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。かかる処理により、各状態情報が示す状態が発生していた総時間を得ることができる。
そして、稼動情報統計処理手段13444は、図20に示す状態持続時間管理表を得る。状態持続時間管理表は、「状態情報ID」「状態情報」「状態時間変数(s)」「割合(%)」「状態意味情報」を有するレコードを1以上格納している。「状態情報ID」は、状態情報を識別するIDである。「状態時間変数」は、各状態情報が示す状態が発生していた総時間を示す情報である。また、「割合(%)」は、各状態情報が示す状態が発生していた割合を示す。つまり、稼動情報統計処理手段13444は、全状態情報に対応する「状態時間変数」から、「割合(%)」の属性値を算出する。図20において、「割合(%)」は、小数点以下、四捨五入している。
次に、統計処理結果出力手段13453は、図20に示す状態持続時間管理表の「割合(%)」および「状態意味情報」を用いて、図21に示す円グラフを出力する。本円グラフは、各状態の時間的な割合を示すグラフである。図21のグラフにより、製造現場のユーザは、正常稼動状態のON時間合計から稼働率に相当する割合を把握できる。さらに、製造現場のユーザは、それ以外の稼動情報から、停止要因が自設備にあるのか、前工程にあるのか、後工程にあるのか等を把握することができる。
さらに、稼動情報統計処理手段13444は、上述した解析処理3を行う。稼動情報統計処理手段13444は、各状態情報に対応する変数(状態時間変数)に0を代入する。次に、稼動情報統計処理手段13444は、状態情報を順次取得する。そして、稼動情報統計処理手段13444は、先に取得した状態情報((i−1)番目の状態情報)と、最近に取得した状態情報(i番目の状態情報)を比較し、変化があるまで、当該状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。そして、変化があった場合、前の状態の状態時間変数の値が示す区分を示す情報と、前の状態を示す情報と、合計時間を対にして格納する。かかる処理により、各状態情報が示す状態が持続して発生していた頻度を区分に分けて、得ることができる。具体的には、稼動情報統計処理手段13444は、例えば、図22に示す状態情報持続時間頻度管理表を得る。状態情報持続時間頻度管理表は、「区分」「頻度」「合計時間」を属性として有するレコードを1以上保持している。「区分」は、ある状態が持続していた場合に、持続している時間をグループ化する情報である。「頻度」は、区分で示される時間、ある状態が持続していた回数である。「合計時間」は、「区分」に該当する状態の持続時間の頻度分の合計である。
また、稼動情報統計処理手段13444は、状態ごとに、状態情報持続時間頻度管理表を得る。図22は、例えば、状態「前工程からのワークなし」の状態情報持続時間頻度管理表である。
次に、統計処理結果出力手段13453は、得た状態情報持続時間頻度管理表に基づいて、ヒストグラムを出力する。ヒストグラムの出力は、生産装置11ごと、状態ごとに行われる。
図23は、統計処理結果出力手段13453が出力したヒストグラムの例である。図23において、縦軸の「合計時間」は、各区分に該当する持続時間を頻度分加算した時間である。また、図23において、1分以内、2分以内、3分以内、…、10分以上と11階数(区分)に区切られている。なお、起こった回数を表示すると、持続時間の短いものの方が発生しやすいので、右下に傾きやすくなり、分析を行う上で妥当ではない。したがって、縦軸に「合計時間」をとった方が階数ごとの比較がしやすい。また、「合計時間」とは、例えば1分以内の停止について、30秒が1回、10秒が3回、20秒が3回発生したとすると、合計時間は「30×1+10×3+20×3=120(秒)」となる。
また、統計処理結果出力手段13453が図24の(a)から(d)のぞれぞれのヒストグラムを出力した場合、ユーザは、以下のように判断する。図24は、状態「前工程からのワーク供給なし」の持続時間、頻度計測を行った結果のヒストグラムである、とする。そして、統計処理結果出力手段13453が図24(a)のヒストグラムを出力した場合、ユーザは、前工程とのタクトバランスが乱れている、と判断する。また、図24(b)の場合、ユーザは、前工程でチョコ停が多発している、と判断する。また、図24(c)の場合、ユーザは、前工程でドカ停が多発している、と判断する。さらに、図24(d)の場合、ユーザは、製造ラインの不具合に、複数要因ある、と判断する。かかることは、図24(a)から(d)のぞれぞれのヒストグラムの破線の円形により把握できる。
以上、本実施の形態によれば、生産装置などの設備を改造したり、設備に装着されているプログラマブルコントローラなどのシーケンスプログラムを大幅に変更したりせずに、容易に生産装置の稼動に関する情報を取得できる。かかるデータ収集システムは、特に、例えば、プラントなどの大規模な生産システムに導入する際に極めて有効である。
また、本実施の形態によれば、解析装置134により、稼動情報ログを解析することにより、作業員の増員の必要性や、復旧作業の手順化の必要性などの解決策を講じることができる。
また、本実施の形態によれば、ネットワーク装置に送信するデータがコード化され、ネットワークトラフィックを少なくすることができる。また、蓄積される稼動情報ログも小さなデータ量で済む。
また、本実施の形態によれば、状態情報が、ブザーの状態の変化および警告灯の状態の変化とは非同期に発生する情報である非同期情報を含む場合、非同期情報以外の他の状態情報に関わらず、所定の値のコードである接点関連情報に変換することにより、さらに、ネットワークトラフィックを少なくできる。
また、本実施の形態によれば、従来の現場作業員の作業手順(例えば、異常が発生すれば、異常を発生させた生産装置の近くまで行き、ブザーを停止するボタンを押下する等の作業)を変更せずに、容易に生産装置の稼動に関する情報(作業員の移動時間、復旧作業時間)を取得できる。したがって、生産現場での対策が容易になる。
また、本実施の形態によれば、移動時間をヒストグラム表示することにより、停止が起こったときに移動時間が長い場合が多いのか短い場合が多いのかを把握でき、長い場合には作業員の配置に問題があることがわかる。また、復旧時間をヒストグラム表示することにより、停止が起こったときに復旧時間が長い場合が多いのか短い場合が多いのかを把握できる。復旧時間が長い場合にはドカ停が頻発するということになり、ドカ停対策が必要とわかり、復旧時間が短い場合にはチョコ停が頻発するということになり、チョコ停対策が必要とわかる。このように、ヒストグラム表示を行うことで、設備の対策方法決定支援が可能となる。
また、本実施の形態によれば、ある状態の持続時間や、ある状態の発生頻度の統計的データを出力することにより、製造ライン等の不具合の原因を一目瞭然に認識できる。
また、本実施の形態によれば、解析装置は、時刻を補正する補正部を具備することにより、生産装置の正確な状態変化(故障発生、復旧等)の時刻を取得でき、その結果、故障発生の原因などの解明が容易になる。
また、本実施の形態において、コードマップは、図9のマップに限られず、図25、または図26に示すマップでも良い。図25、図26において、「−」は、「0」でも「1」でも良い「don't care」を示す。
コードマップが図25のコードマップである場合、「前工程ワークなし+後工程満杯」の場合、状態情報は、警告灯「黄」が点灯、警告灯「緑」が点滅を示す情報である(図25の7番目のレコード参照)。また、「後工程満杯」の場合、状態情報は、警告灯「緑」が点滅を示す情報である(図25の3番目のレコード参照)。さらに、「前工程ワークなし」の場合、状態情報は、警告灯「黄」が点灯、警告灯「緑」が点灯を示す情報である(図25の5番目のレコード参照)。図25において、「前工程ワークなし+後工程満杯」という同時に発生する稼動状態を切り分けている。つまり、図25のコードマップにおいて、3種類の状態情報を、2ビットの接点関連情報(図25の「状態2」、「状態3」)で示すことができている。また、図25のコードマップは、2以上の状態(ここでは、「前工程ワークなし」と「後工程満杯」の2つの状態)の組み合わせを示す状態情報に対応する接点関連情報を、当該組み合わされた2以上の状態に対応する各接点関連情報(ここでは、「−100」と「−010」)の和(「−110」)とするコードマップである。ここで、「−100」と「−010」の和を「−110」と考える。つまり、「−」(don't care)については、和演算に影響を及ぼさない、とする。これは、生産現場において、少ない警告灯(ハードウェア)の数で、生産装置の多くの状態を伝える必要がある。一方、生産管理を行う部門では、「前工程ワークなし」、「後工程満杯」、および「前工程ワークなし+後工程満杯」の3つの状態を3つの波形等の出力から判断するのではなく、同時に発生する稼動状態を切り分け、2つの波形等の出力で判断できることが好適である。つまり、図27に示すように、図27(a)に示す最下位の「前工程ワークなし+後工程満杯」の波形を、「前工程ワークなし」、「後工程満杯」に集約している(図27(b))。このことにより、生産管理を行う部門において、より直感的な生産装置の状態把握が可能である。なお、コードマップが異なる場合でも、状態コード化部1313、コードマップ設定部1315、接点関連情報取得手段13132、解析部1344、状態デコード手段13441等の処理は同じである。かかる処理に関して、破線の円形、または破線の楕円形の図形で示している。
なお、本実施の形態における各装置の処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における分岐装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、生産装置から接点情報を取得する接点情報取得ステップと、前記接点情報取得ステップで取得した接点情報を前記出力装置に転送し、かつ、前記接点情報に関する情報である接点関連情報を前記ネットワーク装置に送信する出力ステップを実行させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムは、コンピュータに、前記接点情報取得ステップで取得した接点情報から前記生産装置の状態に関する情報である状態情報を取得する状態認識ステップと、前記状態認識ステップで取得した状態情報をコードである接点関連情報に変換する状態コード化ステップをさらに実行させ、前記出力ステップにおいて、前記接点情報取得ステップで取得した接点情報を前記出力装置に転送し、かつ、前記状態コード化部が変換して得た接点関連情報を前記ネットワーク装置に送信するプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、n(nは2以上の整数)の接点の状態のパターンを示す情報である状態情報と、(n−1)bitのコードである接点関連情報との対応を示す情報であるコードマップを格納しており、前記状態コード化ステップは、前記状態認識ステップで取得した状態情報に対応する接点関連情報を、前記コードマップから取得する接点関連情報取得ステップを具備することは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記接点は、オンまたはオフの2つの状態のうちのいずれかを採り得るブザー、および、点灯または点滅または消灯の3つの状態のうちのいずれかを採り得る警告灯の状態を出力し、前記状態情報は、前記ブザーの状態の変化および前記警告灯の状態の変化とは非同期に発生する情報である非同期情報を含み、前記状態コード化ステップにおいて、前記状態認識ステップで取得した状態情報が非同期情報を含む場合に、前記状態認識ステップで取得した非同期情報以外の他の状態情報に関わらず、所定の値のコードである接点関連情報に変換することは好適である。
また、本実施の形態における解析装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、データ収集装置から1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得ステップと、前記接点関連情報取得ステップで取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析ステップと、前記解析ステップで取得した所定の情報を出力する解析結果出力ステップを実行させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記解析ステップにおいて、2以上の接点関連情報に基づいて、作業員の移動時間に関する情報である作業員移動時間情報と、復旧作業時間に関する情報である復旧作業時間情報を取得するプログラム、でも良い。
また、上記プログラムにおいて、前記解析ステップは、2以上の接点関連情報に基づいて、ブザーがオンになってからオフになるまでの時間に関する情報を取得し、当該時間に関する情報を作業員移動時間情報とする作業員移動時間情報取得ステップと、2以上の接点関連情報に基づいて、ブザーがオンからオフになった後、前記生産装置が正常に稼動するまでの時間に関する情報を取得し、当該時間に関する情報を復旧作業時間情報とする復旧作業時間情報取得ステップを具備することは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記解析結果出力ステップは、前記作業員移動時間情報取得ステップで取得した作業員移動時間情報に基づいて、当該作業員移動時間情報が示す作業員の移動時間と、当該移動時間の移動が発生した頻度または/および当該移動時間の1以上の移動の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する移動時間ヒストグラム出力ステップと、前記復旧作業時間情報取得ステップで取得した復旧作業時間情報に基づいて、当該復旧作業時間情報が示す復旧時間と、当該復旧時間の復旧が発生した頻度または/および当該復旧時間の1以上の復旧の合計時間を2軸とするヒストグラムを構成し、出力する復旧作業時間ヒストグラム出力ステップを具備することは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記接点関連情報は、時刻に関する情報である時刻情報を有し、上記プログラムは、コンピュータに、状態情報を取得する時間に基づいて、前記作業員移動時間情報、および前記復旧作業時間情報を修正する補正ステップをさらに実行させることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記解析ステップは、1以上の生産装置の各状態情報が示す各状態の持続時間の合計を算出する稼動情報統計処理ステップを具備し、前記解析結果出力ステップは、前記稼動情報統計処理ステップで算出した各状態情報が示す各状態の持続時間の合計に基づいて、各状態の発生割合をグラフ出力することは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記解析ステップは、1以上の生産装置の各状態情報が示す各状態の持続時間または/および頻度を算出する稼動情報統計処理ステップを具備し、前記解析結果出力ステップは、前記稼動情報統計処理ステップで算出した持続時間または/および頻度に基づいて、各状態の頻度を示すヒストグラムを出力することは好適である。
(実施の形態2)
本実施の形態において、データ収集装置は、2つのネットワークインターフェイスを有し、生産装置の稼動の状況を示す情報を取得するネットワークと、解析装置がデータ収集装置からデータを取得するネットワークを分離し、ネットワークトラフィックを減じ、輻輳を回避し得る態様について説明する。
図28は、本実施の形態における生産システムの基本構成図である。本生産システムは、1以上の生産装置11、1以上のシーケンサ12、1以上のデータ収集システム183、1以上の出力装置14を具備する。
また、データ収集システム183は、1以上の分岐装置131、1以上のネットワーク装置132、データ収集装置1833、解析装置134を具備する。
データ収集装置1833において、分岐装置131と接続されるネットワークインターフェイスと、解析装置134と接続されるネットワークインターフェイスが異なる点が、実施の形態1と異なるのみであり、その他の装置構成、動作は同様である。
データ収集装置1833は、稼動情報ログ記憶部1331、第二接点関連情報受信部1332、稼動情報ログ蓄積部1333、第二接点関連情報送信部18331を具備する。
第二接点関連情報送信部18331は、稼動情報ログ記憶部1331の接点関連情報を、解析装置134に送信する。第二接点関連情報送信部18331は、無線または有線の通信手段等で実現され得る。
また、本生産システムにおいて、ネットワークN1、ネットワークN2の異なる2つのネットワークが存在する。ネットワークN1は、例えば、生産設備間のローカルネットワークである。ネットワークN2は、事業所のネットワークである。
以上、本実施の形態によれば、生産装置の稼動状態を取得することにより、ネットワークの負荷が増大するが、当該負荷の増大が、データ解析の処理を阻害することを防止できる。
(実施の形態3)
本実施の形態において、稼動情報の「発生間隔」ごとの頻度を計測し、出力することにより、稼動状態が頻発するのか希に発生するのかを把握することができる解析装置について説明する。また、本実施の形態において、稼動状態の持続時間の頻度の出力、発生間隔の頻度の出力を組み合わせて、より明確に稼動状態の発生傾向の解析ができる解析装置について説明する。また、本実施の形態の解析装置は、持続時間の頻度の出力からは持続時間の長さを「長時間型」「短時間型」に分類し、発生間隔の頻度の出力からは発生間隔の長さから「頻発型」「散発型」に分類できる。これにより、稼動情報の発生傾向を4種類に分類できるようになる。
本実施の形態の生産システムは、実施の形態1の生産システムと比較して、解析装置のみが異なる。本生産システムは、1以上の生産装置11、1以上のシーケンサ12、1以上のデータ収集システム293、1以上の出力装置14を具備する。
データ収集システム293は、1以上の分岐装置131、1以上のネットワーク装置132、データ収集装置133、解析装置2934を具備する。
図29は、データ収集システム293を構成する解析装置2934のブロック図である。解析装置2934は、指示受付部1341、接点関連情報取得部1342、補正部1343、解析部29344、解析結果出力部29345を具備する。
解析部29344は、コードマップ記憶手段13131、状態デコード手段13441、作業員移動時間情報取得手段13442、復旧作業時間情報取得手段13443、稼動情報統計処理手段293444、区分情報格納手段13445、状態特定情報格納手段293446を具備する。
解析結果出力部29345は、移動時間ヒストグラム出力手段13451、復旧作業時間ヒストグラム出力手段13452、統計処理結果出力手段293453を具備する。
稼動情報統計処理手段293444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。具体的には、稼動情報統計処理手段293444は、例えば、生産装置11ごとに、各状態情報が示す状態のONの持続時間の合計、および各状態情報が示す状態のOFFの持続時間の合計を算出する。稼動情報統計処理手段293444は、例えば、状態情報が示す状態のONの持続時間とその頻度を算出し、かつ、状態情報が示す状態のOFFの持続時間とその頻度を算出する。そして、稼動情報統計処理手段293444は、後述する区分情報に基づいて、各生産装置11の各状態のONの持続時間とその頻度、およびOFFの持続時間とその頻度を、区分情報が示す区分(グループ)に分類する。次に、稼動情報統計処理手段293444は、ある状態のONの持続時間とその頻度の情報、および/またはある状態のOFFの持続時間とその頻度の情報から、状態の発生のタイプである発生タイプを決定する。次に、稼動情報統計処理手段293444は、状態の発生タイプから状態を特定する情報である状態特定情報を取得する。また、稼動情報統計処理手段293444は、同一時間帯の2以上の状態の発生タイプから、状態を特定する情報である状態特定情報を取得しても良い。また、発生タイプは、例えば、4種類のタイプである。4種類のタイプは、「長時間頻発型」「短時間頻発型」「長時間散発型」「短時間散発型」である。状態ごとに、ある状態の持続時間の頻度(ある状態ONの持続時間の頻度)から、持続時間の長さの傾向が「長時間型」「短時間型」に分類される。また、ある状態の発生間隔の頻度(ある状態OFFの持続時間の頻度)から、発生頻度の傾向が「頻発型」「散発型」に分類される。4種類の発生タイプは、持続時間の長さの傾向と発生頻度の傾向の組み合わせにより構成される。稼動情報統計処理手段293444は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。稼動情報統計処理手段293444の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態特定情報格納手段293446は、状態特定情報と、1以上の発生タイプとを対応付けて格納している。状態特定情報格納手段293446は、ハードディスクやROM等の不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAM等の揮発性の記録媒体でも実現可能である。
統計処理結果出力手段293453は、稼動情報統計処理手段293444が取得した統計データを、円グラフやヒストグラム等の所定のグラフ等で出力する。統計処理結果出力手段293453が出力するヒストグラムであり、各状態のONの持続時間とその頻度を区分情報が示す区分(グループ)に分類したヒストグラムをONヒストグラムということとする。また、統計処理結果出力手段293453が出力するヒストグラムであり、各状態のOFFの持続時間とその頻度を区分情報が示す区分(グループ)に分類したヒストグラムをOFFヒストグラムということとする。また、統計処理結果出力手段293453は、稼動情報統計処理手段293444が決定した発生タイプを出力する。また、統計処理結果出力手段293453は、稼動情報統計処理手段293444が取得した状態特定情報を出力する。円グラフやヒストグラムの出力処理は、公知技術による処理である。統計処理結果出力手段293453の出力例は、後述する。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタへの印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積等を含む概念である。統計処理結果出力手段293453は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
次に、解析装置2934の動作について、図30のフローチャートを用いて説明する。図30のフローチャートにおいて、図7のフローチャートと異なるステップについてのみ説明する。
(ステップS3001)稼動情報統計処理手段293444は、状態デコード手段13441が取得した2以上の状態情報を統計処理し、1以上の生産装置11の動作状況を明らかにするためのデータである統計データを得る。また、稼動情報統計処理手段293444は、同一時間帯の2以上の状態の発生タイプから、状態を特定する情報である状態特定情報を取得する。ここでの処理を「解析処理4」という。解析処理4の詳細は、図31、図32のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS3002)統計処理結果出力手段293453は、ステップS3001で得た区分ごとの頻度のデータに基づいて、ヒストグラムを出力する。ヒストグラムの出力は、例えば、生産装置11ごと、状態のON、OFFごとに行われる。つまり、統計処理結果出力手段293453は、ONヒストグラム、OFFヒストグラムを状態ごとに出力する。
(ステップS3003)統計処理結果出力手段293453は、ステップS3001で得た状態特定情報を出力する。そして、処理を終了する。
次に、ステップS3001の解析処理4について、図31、図32のフローチャートを用いて説明する。図31のフローチャートにおいて、図10のフローチャートと異なるステップについてのみ説明する。
(ステップS3101)稼動情報統計処理手段293444は、前の状態がONであることを示す情報と、状態時間変数の値(持続時間)を対にして格納する。前の状態を示す情報は、状態情報のIDでも良いし、状態情報自体でも良い。稼動情報統計処理手段293444は、例えば、「正常稼動、ON、1870」を登録する。「正常稼動、ON、1870」において、「正常稼動、ON」は前の状態がONであることを示す情報、「1870」は持続時間(秒)である。
(ステップS3102)稼動情報統計処理手段293444は、前の状態を除く1以上の他の状態がOFFであることを示す情報と、状態時間変数の値(持続時間)の組を1組以上、格納する。ステップS3101で登録した情報が「正常稼動、ON、1870」である場合、本ステップで、稼動情報統計処理手段293444は、例えば、「自停止、OFF、1870」、「後工程ワーク満杯、OFF、1870」、「前工程ワークなし、OFF、1870」の3組の情報を登録する。3組の情報は、ある状態のOFFの持続時間とその頻度の情報を構成することとなる。ステップS1005に行く。なお、前の状態を除く1以上の他の状態は、上記の3つには限られないことは言うまでもない。他の状態は、例えば、「手動停止、OFF」などを含んでも良い。
(ステップS3103)稼動情報統計処理手段293444は、ある状態のONの持続時間とその頻度の情報、および/またはある状態のOFFの持続時間とその頻度の情報から、状態の発生のタイプである発生タイプを決定する。発生タイプを決定する動作の詳細について、図32のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS3104)稼動情報統計処理手段293444は、ステップS3103で決定した発生タイプに対応する状態特定情報を状態特定情報格納手段293446から検索し、取得する。なお、稼動情報統計処理手段293444は、ステップS3103で2以上の発生タイプを取得した場合、2以上の状態特定情報を取得することがある。上位関数にリターンする。
次に、ステップS3103の発生タイプを決定する動作について、図32のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS3201)稼動情報統計処理手段293444は、初期化を行う。初期化とは、カウンタiに1を代入する処理である。また、初期化とは、例えば、連続する状態であり、ある状態のOFFの状態の持続時間を合計する処理も含む。
(ステップS3202)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態が存在するか否かを判断する。i番目の状態が存在すればステップS3203に行き、i番目の状態が存在しなければ上位関数にリターンする。
(ステップS3203)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態のONのサブ状態の長時間の発生数を取得する。長時間の発生数とは、予め決められた区分の時間より長時間(または、予め決められた区分の時間以上の長時間)の区分における発生頻度の合計である。
(ステップS3204)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態のONのサブ状態の短時間の発生数を取得する。短時間の発生数とは、予め決められた区分の時間より短時間(または、予め決められた区分の時間以下の短時間)の区分における発生頻度の合計である。
(ステップS3205)稼動情報統計処理手段293444は、「ステップS3203で取得した長時間の発生数>ステップS3204で取得した短時間の発生数」であるか否かを判断する。この条件を満たせばステップS3206に行き、条件を満たさなければステップS3207に行く。
(ステップS3206)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態について、長時間型に決定し、i番目の状態を示す情報と、長時間型を示す情報を対にして書き込む。ステップS3208に行く。
(ステップS3207)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態について、短時間型に決定し、i番目の状態を示す情報と、短時間型を示す情報を対にして書き込む。
(ステップS3208)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態のOFFのサブ状態の長時間の発生数を取得する。
(ステップS3209)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態のOFFのサブ状態の短時間の発生数を取得する。
(ステップS3210)稼動情報統計処理手段293444は、「ステップS3208で取得した長時間の発生数>ステップS3209で取得した短時間の発生数」であるか否かを判断する。この条件を満たせばステップS3211に行き、条件を満たさなければステップS3212に行く。
(ステップS3211)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態について、散発型に決定し、i番目の状態を示す情報と、散発型を示す情報を対にして書き込む。ステップS3213に行く。
(ステップS3212)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態について、頻発型に決定し、i番目の状態を示す情報と、頻発型を示す情報を対にして書き込む。
(ステップS3213)稼動情報統計処理手段293444は、i番目の状態について、発生タイプを登録する。発生タイプの登録とは、例えば、i番目の状態を識別する情報と、長時間型または短時間型、および散発型または頻発型の情報を対にして書き込むことである。
(ステップS3214)稼動情報統計処理手段293444は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS3202に戻る。
なお、図32のフローチャートにおいて、長時間型または短時間型、および散発型または頻発型の決定方法は、上記のアルゴリズムに限らない。例えば、稼動情報統計処理手段293444は、状態のONの発生数が最も多い時間の区分を取得し、当該区分が長時間の区分であれば長時間型、当該区分が短時間の区分であれば短時間型と決定しても良い。かかる場合、稼動情報統計処理手段293444は、状態のOFFの発生数が最も多い時間の区分を取得し、当該区分が長時間の区分であれば散発型、当該区分が短時間の区分であれば頻発型と決定する。
また、すべての状態について、必ずしも長時間型または短時間型、および散発型または頻発型を決定する必要はない。顕著な傾向を示す状態についてのみ、上述した発生タイプを決定することは好適である。
以下、本実施の形態における解析装置の具体的な動作について説明する。
図33は、稼動情報統計処理手段293444が保持している状態の種類を示す状態種類管理表である。状態種類管理表は、「ID」と「状態識別子」の属性を有する。「状態識別子」は、状態を識別する情報である。
図34は、状態特定情報格納手段293446が格納している状態特定情報管理表である。状態特定情報管理表は、状態の発生タイプと、状態特定情報の対応を管理する表であり、「ID」「状態識別子」「発生タイプ」「状態特定情報」の属性を有する。「発生タイプ」は、状態の発生タイプを示す属性である。「状態特定情報」は、状態特定情報を示す属性である。
かかる状況で、解析装置2934は、例えば、図14(a)に示すような接点関連情報を取得した、とする。そして、実施の形態1において述べた処理と同様に、図14(b)に示すように、接点関連情報を補正した、とする。なお、図14において、状態1から状態4は、例えば、正常稼動、異常停止などである。
次に、解析装置2934は、実施の形態1において述べた処理と同様に、移動時間ヒストグラムや、復旧作業時間ヒストグラムを出力する。
次に、本実施の形態の特徴である稼動情報の発生間隔と頻度の計測機能について述べる。本機能は、上述の解析処理4の機能である。
まず、稼動情報統計処理手段293444は、状態情報を順次取得する。そして、稼動情報統計処理手段293444は、先に取得した状態情報((i−1)番目の状態情報)と、最近に取得した状態情報(i番目の状態情報)を比較し、変化があるまで、当該状態情報に対応する状態時間変数を1、インクリメントする。そして、変化があった場合、前の状態の状態時間変数の値が示す区分を示す情報と、前の状態がONであることを示す情報と、合計時間を対にして格納する。この情報の例は、「正常稼動,ON,60分」である。
また、稼動情報統計処理手段293444は、前の状態を除く1以上の他の状態がOFFであることを示す情報と、状態時間変数の値(持続時間)の組を1組以上、格納する。稼動情報統計処理手段293444は、他の状態を、図33の状態種類管理表を用いて取得し、他のすべての状態に対して、「状態識別子,OFF,上記で算出した合計時間」の情報を構成し、登録する。具体的には、稼動情報統計処理手段293444は、「異常停止,OFF,60分」、「前工程ワークなし,OFF,60分」、「後工程ワーク満杯,OFF,60分」を格納する。
稼動情報統計処理手段293444は、上記の処理を、すべての状態情報に対して行う。そして、稼動情報統計処理手段293444は、図35に示す状態持続時間管理表を取得した、とする。状態持続時間管理表は、「ID」「状態識別子」「サブ状態識別子」「持続時間」の属性を有するレコードを1以上管理している。「サブ状態識別子」は、ONかOFFを示す情報を取り得、「状態識別子」「サブ状態識別子」の値の組で、一つの状態を示す。
次に、稼動情報統計処理手段293444は、時間的に連続する状態であり、ある状態のOFFの状態の持続時間を合計する処理を行う。ここで、「時間的に連続する」とは、同じ状態識別子に着目した場合に時間的に連続するレコードをいう。つまり、図35の「ID=3」のレコードと、「ID=7」のレコードと、「ID=11」のレコードは、合計する処理をされるべき、連続する状態のレコードである。また、図35の「ID=4」のレコードと、「ID=8」のレコードと、「ID=12」のレコードも同様である。そして、稼動情報統計処理手段293444は、図35の「ID=3」のレコードと、「ID=7」のレコードと、「ID=11」のレコードの持続時間の属性値を合計し、新しいレコードを得る。また、稼動情報統計処理手段293444は、図35の「ID=4」のレコードと、「ID=8」のレコードと、「ID=12」のレコードの持続時間の属性値を合計し、新しいレコードを得る。そして、稼動情報統計処理手段293444は、図36の新しい状態持続時間管理表を得る。
次に、稼動情報統計処理手段293444は、各状態(正常稼動、異常停止など)に対して、それぞれの区分(例えば、「1分以内」、「9分以内」、「10分より長い」など)ごとの発生頻度を取得する。この発生頻度は、それぞれの区分の時間長に入る持続時間を有する図36の表中のレコード数である。
そして、稼動情報統計処理手段293444は、図37の状態別頻度管理表を得る。状態別頻度管理表は、「ID」「状態識別子」「サブ状態識別子」「区分」「頻度」の属性を有するレコードを1以上管理している。図37において、正常稼動ONの状態が10分より長く継続した回数が48回発生していることを示す。また、図37において、正常稼動OFFの状態が1分以内継続した回数が18回発生していることを示す。
次に、稼動情報統計処理手段293444は、例えば、正常稼動ONの状態の長時間(例えば、「10分より長い」)の発生数「48」を取得する。次に、稼動情報統計処理手段293444は、例えば、正常稼動ONの状態の短時間(例えば、「6分以内」)の発生数「0」(「1分以内」から「6分以内」の合計)を取得する。次に、稼動情報統計処理手段293444は、「長時間の発生数「48」>短時間の発生数「0」」であると判断し、稼動情報統計処理手段293444は、正常稼動の状態に対して、長時間型を示す情報を登録する。
次に、稼動情報統計処理手段293444は、正常稼動OFFの長時間(例えば、「10分より長い」)の発生数「1」を取得する。そして、稼動情報統計処理手段293444は、正常稼動OFFの短時間(例えば、「6分以内」)の発生数「25」(「1分以内」から「6分以内」の合計であり、「1分以内」の頻度「18」を含む)を取得する。次に、稼動情報統計処理手段293444は、「長時間の発生数「1」<短時間の発生数「25」」であるので、正常稼動の状態に対して、頻発型を示す情報を登録する。以上の処理により、稼動情報統計処理手段293444は、正常稼動の状態に対して、「長時間頻発型」を示す発生タイプを書き込む。
同様に、稼動情報統計処理手段293444は、異常停止の状態に対応する処理を行い、正常稼動の状態に対して、「短時間散発型」を示す発生タイプを書き込んだ、とする。
次に、稼動情報統計処理手段293444は、正常稼動の状態、「長時間頻発型」をキーとして、図34の状態特定情報管理表を検索し、状態特定情報「安定稼動しています。」を検索する。また、稼動情報統計処理手段293444は、異常停止の状態、「短時間散発型」をキーとして、図34の状態特定情報管理表を検索し、状態特定情報「安定稼動しています。」を検索する。
次に、統計処理結果出力手段293453は、例えば、図38に示すヒストグラムを出力する。図38(a)に示すヒストグラムは、正常稼動の状態のONのサブ状態のヒストグラム(ONヒストグラム)である。図38(b)に示すヒストグラムは、正常稼動の状態のOFFのサブ状態のヒストグラム(OFFヒストグラム)である。
次に、統計処理結果出力手段293453は、取得した状態特定情報「安定稼動しています。」を、図39に示すように出力する。なお、上記において、2つの「安定稼動しています。」の状態特定情報を検索したが、2つの状態特定情報は同じ内容であるので、出力は、一つの状態特定情報のみである、とする。
なお、統計処理結果出力手段293453は、図40に示すように、ヒストグラムと状態特定情報を一画面に出力しても良い。図40は、「後工程ワーク満杯」の状態に着目したヒストグラムであり、図40において、上部はONヒストグラム、下部はOFFヒストグラムである。図40において、停止傾向がヒストグラムに表れている。具体的には、図40において、ある時間帯に集中してタクトバランス乱れや、チョコ停や、ドカ停が発生している、ことが分かる。
以上、本実施の形態によれば、ON状態とOFF状態のヒストグラムを作成、出力することによって、稼動状態の発生傾向を明確に分類することができる。さらに、具体的には、例えば、ON状態のヒストグラムから、10分以上のものが多いと「長時間型」に分類でき、ドカ停が発生していたことがわかる。5−6分以下のものが多いと「短時間型」に分類でき、チョコ停あるいはタクトバランス乱れが発生していたことがわかる。またOFF状態のヒストグラムから、例えば、5分よりも長いものが多い場合、「散発型」に分類でき、状態がまれにしか発生しなかったことがわかる。また、例えば、5分よりも短いものが多い場合、「頻発型」に分類でき、状態が頻繁に発生していたことがわかる。つまり、例えば、ON/OFF状態のヒストグラムによる分類で、状態の発生傾向を「長時間頻発型」「長時間散発型」「短時間頻発型」「短時間散発型」の4種類に分類することが可能となる。
また、収集・蓄積した稼動情報が長期間に渡ったとき、これらを単純にタイムチャートで表示しただけでは、各稼動状態が長時間ON状態にあったのか、ON/OFFを頻繁に繰り返したのかがわかりにくくなる。これをON/OFFヒストグラムで表示して4種類の発生タイプに分けることにより、稼動状態の発生傾向を容易に把握できるようになる。
なお、本実施の形態において、稼動情報統計処理手段293444は、ONヒストグラム、OFFヒストグラムのみを構成する処理を行っても良い。つまり、稼動情報統計処理手段293444は、発生タイプの決定や、状態特定情報を取得する処理を行わなくても良い。かかる場合、統計処理結果出力手段293453が出力したONヒストグラム、OFFヒストグラムを、ユーザがチェックし、発生タイプの決定や、状態特定情報の特定を人手で行うこととなる。
また、本実施の形態において、状態特定情報管理表の例を図34のように示した。図34の状態特定情報管理表は、一の状態識別子と発生タイプから一の状態特定情報を検索した。しかし、状態特定情報管理表は、図41に示すようなものでも良い。図41の状態特定情報管理表において、2以上の状態識別子と発生タイプから一の状態特定情報が特定される。図41の状態特定情報管理表の「ID=1」のレコードにおいて、状態識別子「正常稼動」が短時間頻発型であり、かつ、状態識別子「前工程ワークなし」が短時間頻発型である場合、「前工程においてタクトバランスが乱れている」という状態であることを示す。なお、かかる場合、稼動情報統計処理手段293444は、複数の状態の発生タイプを用いて、状態特定情報を取得する処理を行うこととなる。
また、図41の状態特定情報管理表が格納されている場合に、状態識別子「正常稼動」、発生タイプ「短時間頻発型」であり、かつ、状態識別子「後工程ワーク満杯」、発生タイプ「短時間頻発型」である場合、稼動情報統計処理手段293444は、図41の状態特定情報管理表を検索し、状態特定情報「後工程において、タクトバランスが乱れています。」を取得する。
次に、統計処理結果出力手段293453は、ヒストグラムを出力する(ヒストグラムの表示例は図38)。
次に、統計処理結果出力手段293453は、取得した状態特定情報「後工程において、タクトバランスが乱れています。」を、図42に示すように出力する。
また、例えば、図34の状態特定情報管理表を用いた場合であり、かつ、状態識別子「異常停止」が長時間散発型である場合、稼動情報統計処理手段293444は、状態特定情報「ドカ停がまれに発生しています。」を取得し、統計処理結果出力手段293453は、取得した状態特定情報「ドカ停がまれに発生しています。」を出力する。つまり、出力される状態特定情報は、種々の情報があり得る。
また、本実施の形態において、ONヒストグラムとOFFヒストグラムを同時に出力したが、ONヒストグラムとOFFヒストグラムの一方を出力しても良い。出力されたONヒストグラムからは、状態の発生タイプが「短時間型」か「長時間型」かが判断できる。また、出力されたOFFヒストグラムからは、状態の発生タイプが「頻発型」か「散発型」かが判断できる。
また、本実施の形態における解析装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、データ収集装置から1以上の接点関連情報を取得する接点関連情報取得ステップと、前記接点関連情報取得ステップで取得した1以上の接点関連情報を処理し、所定の情報を取得する解析ステップと、前記解析ステップで取得した所定の情報を出力する解析結果出力ステップを実行させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムの解析ステップにおいて、生産装置の各状態情報が示す各状態のONの持続時間および頻度を算出し、かつ各状態情報が示す各状態のOFFの持続時間および頻度を算出する稼動情報統計処理ステップを具備し、前記解析結果出力ステップにおいて、前記稼動情報統計処理ステップで算出した各状態のONの持続時間および頻度、および各状態のOFFの持続時間および頻度を用いて、各状態のONおよびOFF頻度を示すヒストグラムであるONヒストグラムとOFFヒストグラムを出力することは好適である。
また、上記プログラムの稼動情報統計処理ステップにおいて、さらに、状態のONの持続時間と頻度、および/または状態のOFFの持続時間と頻度から、状態の発生のタイプである発生タイプを決定し、前記解析結果出力ステップにおいて、さらに、前記発生タイプを出力することは好適である。
また、上記プログラムの稼動情報統計処理ステップにおいて、さらに、状態のONの持続時間と頻度、および/または状態のOFFの持続時間と頻度から、状態の発生のタイプである発生タイプを決定し、当該発生タイプから、状態特定情報を取得し、前記解析結果出力ステップにおいて、さらに、前記状態特定情報を出力することは好適である。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(出力部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。