JP4556380B2 - 生産ラインの稼動状況解析装置、稼動状況解析方法、稼動状況解析プログラム及び稼動状況解析システム - Google Patents
生産ラインの稼動状況解析装置、稼動状況解析方法、稼動状況解析プログラム及び稼動状況解析システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産ラインの稼動状況解析装置に係り、特に、複数の生産設備で構成される生産ラインの稼動状況についてデータベースに収集されたデータを用いて解析する稼動状況解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の生産設備によって構成される生産ラインにおいて、生産計画通りの生産を継続的に行うのは困難が多い。例えば、車両のエンジン部品の機械加工ライン等では、エンジン部品ができるまでにいくつもの工程が存在し、実際には数十台の設備がつなげられて加工を行い、エンジン部品を作成する。これら複数の設備には、設備の故障、加工不良、工具交換、部品補給等の様々な保守作業がランダムに発生する。これら様々の阻害要因の影響を受けながら生産ラインの稼動を行っているため、稼動の維持及び管理に工数をかけても、なかなか計画どおりの安定した生産を確保するのは難しい。
【0003】
生産ラインには、複数の生産設備の異常がすぐわかるように、例えば「あんどん」と呼ばれる異常表示板が設けられ、その表示を見ることで、どの設備が現在停止しているか、工具交換の必要があるか等を知ることができる。また、特許文献1には、各生産設備の稼動状況に関する情報を収集してデータベースに蓄積し、これら蓄積されるデータに基づいて集計データを出力し、稼働率向上のための解析を目的とした生産設備稼働状況管理システムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−91527号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
「あんどん」等の異常表示板を用いることで、現在の各設備が正常に稼動しているか、停止しているか、工具交換等の作業を必要としているか等の情報をすばやく得ることはできるが、その表示は色違いのランプの点灯等を用いるので、異常事象が発生し、解消するたびに表示が更新されてしまう。したがって、各設備の継続的な稼動状況、例えば、ある設備が特に停止が多いとか、工具交換が頻繁である、等の把握およびその解消のための手立ては、現場作業者の経験にゆだねられていることが多い。
【0006】
また、生産設備の稼動状況に関する情報を収集してデータベースに蓄積し、集計データ等の解析を行うシステムを構築しても、稼動状況を表すための情報をユーザまたはオペレータが逐一入力する必要がある。例えば特許文献1に開示されるシステムにおいては、入力を容易にするために階層構造のデータベースとしているが、稼動情報の入力は、オペレータにより稼動情報収集メニューの画面に従って行われる。したがって、稼動情報の入力の手間や、入力ミス等を起こさないような注意等、稼動状況の解析のためにユーザまたはオペレータにかける負担が大きい。また入力ミス等によるデータの信頼性の低下が起こりやすい。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、ユーザの負担を軽減して、生産ラインの稼動状況解析を行うことができる生産ラインの稼動状況解析装置、稼動状況方法、稼動状況解析プログラム及び稼動状況解析システムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る稼動状況解析装置は、データ収集装置により収集されデータ蓄積サーバにより蓄積される生産ラインの各作業要素の動作状態を表す動作状態データに基づいて、生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析装置であって、データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力される時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得手段と、取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析手段と、データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得手段と、取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出手段と、取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、生産ラインの各作業要素の動作状態についてのデータがデータ収集装置により収集されデータ蓄積サーバによって蓄積される。生産ラインの各作業要素の動作状態データは、各工程に置かれる生産設備の制御盤の各種の信号や、各種センサからの信号を用いることができる。そして、所定期間内における任意の工程のサイクルタイムが取得され処理されて、その期間内のその工程のサイクルタイムの変動を解析することができる。ここで、工程のサイクルタイムとは、工程をワークが通過する工程所要時間とは異なり、その工程が作業を行う際に、作業ヘッド等がホームポジションからスタートし、作業を行って再びホームポジションに戻るまでの時間をいい、ワークが搬送途中で待機したりする時間等を含まない、実質作業の所要時間である。例えば、1日の間に数千件の作業のように非常に多い数の作業を行う工程の場合、このサイクルタイムの変動を1日通しての監視するのはユーザに大きな負担をかけるが、上記構成によれば、機械的にデータ取得を行い、統計処理等を行うので、負担を軽減して所定期間内の任意の工程のサイクルタイムの変動を解析できる。
また、上記構成により、本発明に係る稼動状況解析装置は、データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得手段と、取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出手段と、取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記構成により、データ蓄積サーバから、各工程の工程所要時間のデータと、工程所要時間を構成する各要素項目ごとの項目消費時間のデータが取得される。そして、各工程の工程所要時間のデータを処理し、異常状況が多く工程所要時間の長いネック工程を抽出し、さらにその中で時間のかかっているネック項目を抽出する。これらのデータ取得や、取得したデータの統計処理等は、機械的に行うことができるので、ユーザの負担を軽減して、生産ラインの中におけるネック工程、ネック項目を解析することができる。
【0010】
また、本発明に係る稼動状況解析装置は、データ蓄積サーバから、各工程における稼動状況要素の中の異常停止項目について、所定の期間内に発生した各異常停止ごとにその種類と停止時間のデータを取得する工程停止データ取得手段と、取得された異常停止項目に関するデータに基づき、異常停止の頻度と停止時間との間の関係を解析する異常停止内容解析手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成により、データ蓄積サーバから所定の期間に発生した異常停止に関するデータが取得され、処理され、その頻度と停止時間の関係付けが行われる。例えば、ある工程では個々の停止時間は短いが頻繁に停止するいわゆる「頻発停止」の傾向がある一方、他の工程では「長時間停止」のように、めったに起きないが起きるとかなり長い停止時間を要する、いわば設計事項に近い停止問題の傾向がある等の解析が可能となる。これらのデータ取得や、取得したデータの統計処理等は、機械的に行うことができるので、ユーザの負担を軽減して、異常停止の工程ごとの解析を行うことができる。
【0012】
また、本発明に係る稼動状況解析装置は、データ蓄積サーバから、各工程における稼動状況要素の中の工具交換項目について、所定の期間内に発生した各工具交換ごとにその種類と交換時間のデータを取得する工具交換データ取得手段と、取得された工具交換に関するデータに基づき、工具交換の頻度と交換時間との間の関係を解析する工具交換内容解析手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
上記構成により、データ蓄積サーバから所定の期間に発生した工具交換に関するデータが取得されて処理され、その頻度と交換時間の関係付けが行われる。例えば、ある工程では工具交換が頻繁に起こる一方で他の工程はほとんど工具交換を必要としない等の解析が可能となる。これらのデータ取得や、取得したデータの統計処理等は、機械的に行うことができるので、ユーザの負担を軽減して、工程ごとの工具交換の解析を行うことができる。
【0016】
また、本発明に係る稼動状況解析装置は、データ蓄積サーバから、各工程を構成する複数の作業要素の動作状態データを取得する構成作業要素データ取得手段と、取得された各作業要素の動作状態データに基づいて当該工程のサイクル線図を作成するサイクル線図作成手段と、作成されたサイクル線図と、標準サイクル線図とを比較し、当該工程においてネックとなる作業要素とその動作状態を抽出するサイクル線図解析手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
上記構成により、各工程を構成する複数の作業要素、例えば、複数の前進・後退シリンダ等のアクチュエータの動作状態データを取得する。そして、これら複数の作業要素の動作状態を時系列に並べること等により、その工程全体の作業の時間線図であるサイクル線図を得る。得られたサイクル線図は、標準のサイクル線図と比較される。このようにして、標準との差異の大きなネック作業要素とその動作状態を抽出する。上記のデータ収集、サイクル線図作成、比較は、機械的に行うことができ、ユーザの負担を軽減して、ネックとなる作業要素を解析できる。
【0018】
また、本発明に係る稼動状況解析方法は、データ収集装置により収集されデータ蓄積サーバにより蓄積される生産ラインの各作業要素の動作状態を表す動作状態データに基づいて、解析装置によって生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析方法であって、データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力される時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得ステップと、取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析ステップと、データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得ステップと、取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出ステップと、取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出ステップと、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る稼動状況解析プログラムは、データ収集装置により収集されデータ蓄積サーバにより蓄積される生産ラインを構成する各作業要素の動作状態を表す動作状態データに基づいて、生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析プログラムであって、データ蓄積サーバに接続された稼動状況解析装置に、データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力される時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得処理手順と、取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析処理手順と、データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得処理手順と、取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出処理手順と、取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出処理手順と、を実行させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る稼動状況解析システムは、生産ラインの各工程ごとに設けられ、生産ラインの各作業要素ごとに、各作業要素の動作状態のデータを収集して出力する複数のデータ収集装置と、各データ収集装置から出力されるデータを受け取り、蓄積するデータ蓄積サーバと、データ蓄積サーバから、稼動状況解析に用いるデータを取得し、生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析装置と、を含む稼動状況解析システムであって、稼動状況解析装置は、データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力される時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得手段と、取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析手段と、データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得手段と、取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出手段と、取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
上記構成により、生産ラインを構成する各作業要素の動作状態データの収集は、まず各工程に設けられたデータ収集装置が行う。データ収集装置は、各作業要素の動作状態データとして、例えば、各工程を構成する生産設備の動作を制御する複数の制御素子の信号、各種センサの信号のデータ等を収集する。そして、データ収集装置で収集されたデータがデータ蓄積サーバによって蓄積される。したがって、各工程単位に整理された動作状態データがデータ蓄積サーバにより蓄積されるので、データ蓄積サーバの負担が軽減される。例えば、各工程において、ワークに対する処理が終わるごとに、動作状態データをまとめてデータ蓄積サーバに送ることができ、区切りのよいデータ蓄積を少ない負担で行うことができる。また、生産ラインの構成が変動しても、工程単位で区切れるので、データ収集のシステムに柔軟性を持たせることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、車両用のエンジン部品を生産する部品生産ラインを例として取り上げて説明するが、生産ラインとしては、複数の生産設備あるいは工程から構成される生産ラインであれば、エンジン部品生産ライン以外であってもよい。例えば、エンジン部品以外の部品の生産ライン、組み立てライン、検査ライン等でもよく、また、車両用の生産ラインに限られない。
【0023】
図1は、生産ラインの稼動状況解析システム10の構成を示すブロック図である。稼動状況解析システム10は、生産ラインを構成する各生産設備20と、各生産設備20の異常状態を表示する異常表示装置22と、各生産設備20及び異常表示装置22にそれぞれ接続され、これらの動作状態のデータを収集するデータ収集装置30と、各データ収集装置30とネットワーク40で接続されるデータ蓄積サーバ50と、ネットワーク40に接続される稼動状況解析装置60を含む。
【0024】
各生産設備20は、エンジン部品を完成するための各加工機械、例えばマシニングセンタ、旋盤、ドリル等、付属部品を取り付ける組み立て機械、検査機械等で、各生産設備20はそれぞれの間がワーク搬送機構、例えばベルト搬送機構、ロボット搬送機構等で接続され、数十台の生産設備20が一体となってエンジン部品生産ラインを構成する。
【0025】
各生産設備20は、その目的とする作業を行うために複数の作業要素を備え、それらの作業要素は複数の制御素子によりその動作が制御され、複数のセンサによってその位置等が検出される。例えば、複数のシリンダヘッドを用いてワークを順次移動させる場合を例にとると、各シリンダヘッドが作業要素で、各シリンダヘッドを駆動する油圧アクチュエータあるいはモータの動作をON/OFFする各リレーが制御素子に相当し、各シリンダヘッドの位置を検出するリミットスイッチ等がセンサにあたる。これら複数のリレー等によって各生産設備20が所定の動作を行うようにシーケンスコントロールが行われる。
【0026】
ディジタル信号によりシーケンスコントロールを行うものとして、各生産設備にはPLC(Programmable Logic Controller)24が設けられる。PLC24における各ON/OFF信号のデータは、生産設備20の動作を制御する制御素子の動作状態を表すディジタルデータとして、通信線26を介しデータ収集装置30に出力される。また、各種センサからは、生産設備の作業要素の動作状態を表すアナログ信号として、図示されていないアナログ信号出力インタフェイスと通信線28とを介し、データ収集装置30に出力される。
【0027】
これらの動作状態を表す動作状態データは、1つの生産設備20内の複数の作業要素それぞれの動作状態に対応するもののほか、例えば生産設備にワークが搬入されるタイミング、位置あるいは生産設備からワークが搬出されるタイミング、位置等のように、生産設備をいわば1つの作業要素としてその動作状態をあらわすものを含む。また、複数の生産設備でもって1つのまとまった工程とするほうが便利な場合には、複数の設備を含む工程そのものをいわば1つの作業要素としてその動作状態を表すものを含む。
【0028】
異常表示装置22は、各工程の現在の状況を一目でわかるように表示する装置で、例えば、各工程に対応するランプを2次元配列し、異常の内容に応じて色を異ならせてランプを点灯するいわゆる「あんどん」と呼ばれるものを用いることができる。例えば、工程が異常停止のときは「赤」を点灯し、工具交換や部品補給等の必要があるときは「黄」を点灯して予報し、実際に作業者が工具交換等の実施をしている停止のときは「青」を点灯する等の表示を行うことができる。
【0029】
異常表示装置22の点灯は、異常表示装置22に設けられたPLC24により制御される。異常表示装置22に設けられたPLC24には、各生産設備20からの動作状態データが、図示されていない信号線を介して入力される。また、異常表示装置22に設けられたPLC24からは、異常表示装置22の作業要素、例えば、各ランプについてのON/OFF信号が、動作状態データとして、データ収集装置30に出力される。
【0030】
データ収集装置30は、各工程ごとに設けられ、各工程の作業要素の動作状態データを収集する装置で、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)で構成することができる。なお、上記のように、異常表示装置22用にもデータ収集装置30が接続されて設けられる。また、1つの工程が1つの生産設備で構成されるときは各生産設備ごとにデータ収集装置30が1台ずつ接続され、上記のように、複数の生産設備でもって1つの工程とするのが便利なときは、その工程に1台のデータ収集装置30が接続される。
【0031】
データ収集装置30は、対応するPLC24及びアナログ出力インタフェイスとの間で通信線26,28を介して交信し、必要な動作状態データを採取し、採取したデータを自らに転送することでデータの収集を実行する。データの収集は、収集するデータの種類を規定するデータ収集設定ファイル及び収集する期間を規定する収集条件設定ファイル等に登録された内容に従って、データ収集プログラムを実行することで行われる。
【0032】
データ収集装置30は、ネットワーク40を介し、所定のタイミング、例えば一定のサンプル数あるいは任意の動作が終了した時点等のタイミングで、収集した動作状態データをデータ蓄積サーバ50に転送する装置で、例えば一般的なパーソナルコンピュータ等で構成できる。所定のタイミングとして、生産装置20から収集したデータについては、例えば、ワークに対する処理が終わるごと等とすることもできる。また、異常表示装置22から収集したデータについては、例えば、生産ラインの稼動が終了した時点あるいは生産ロット等の切り替わり時点等のタイミングで転送してもよい。データの転送は、適当なファイル転送プロトコル(例えば、File Transfer Protocolを使用)に従い、そのプログラムを実行することで行われる。未転送データを格納するために、データ収集装置30には記憶装置が設けられる。
【0033】
データ蓄積サーバ50は、ネットワーク40を介して各データ収集装置30と交信し、各データ収集装置30から動作状態データ等を収集し蓄積するサーバである。各データ収集装置30との間のデータ転送は、上記のようにファイル転送プログラムを実行することで行われる。受け取ったデータの分類と蓄積は、データ分類を規定するサーバ設定ファイルに従い、データサーバプログラムを実行することで行われる。
【0034】
稼動状況解析装置60は、データ蓄積サーバ50から必要なデータを取得し、処理して生産ラインの稼動状況を解析する装置で、一般的なコンピュータで構成できる。具体的には、ユーザが希望する解析メニューや設定項目を指定することで、データ蓄積サーバ50から必要な動作状態データを取得し、指定された解析メニュー等に対応する処理を実行して、生産ラインの稼動状況を定量的に解析して出力する機能を有する。データに対して解析メニュー等に対応する処理を行うには、ソフトウエアを用いることができ、対応する解析プログラムを実行することで所定の処理を行うことができる。処理の一部をハードウエアで実行させることもできる。
【0035】
稼動状況解析装置60は、CPU70と、ネットワーク40を介してデータ蓄積サーバ50と交信する通信制御部72と、ユーザが解析メニューまたは設定項目の指定を行うキーボード等の入力部74と、解析された生産ラインの稼動状況を表示するディスプレイ等の出力部76と、ハードディスク等の外部記憶装置78とを含み、これらは相互に内部バスにより接続される。
【0036】
CPU70の中のデータ取得部100は、通信制御部72を介し、データ蓄積サーバ50に必要なデータの転送を要求し、それを取得する機能を有する。必要なデータは、ユーザの指定する解析メニューの種類により異なる。
【0037】
ネック工程抽出部102以降サイクル線図解析部114までは、ユーザが指定した解析メニューの種類に対応して、取得したデータを処理する機能を有する。
これらの内容については、図2以降を用い、具体例に即して説明する。
【0038】
ネック工程抽出部102は、ユーザが「ネック工程抽出」のメニューを指定したときに実行される稼動状況解析処理の機能である。具体的には、各工程の工程所要時間に関するデータを取得し、これらのデータに統計処理等の処理を行い、異常状況が多く工程所要時間の長いネック工程を抽出する機能を有する。
【0039】
図2に、ネック工程抽出処理の様子を示す。図2は、各時刻における各工程の工程所要時間に関するデータをデータ蓄積サーバ50から取得し、取得したデータに基づいて、横軸に時間、縦軸に工程所要時間を取り、横軸を共通として各工程ごとに並べる処理を行ったものである。工程所要時間は、その工程にワークが搬入されてから搬出されるまでのワーク通過時間で、例えばワーク搬入信号とワーク搬出信号を時系列でデータ蓄積サーバ50から取得し、これらの動作状態データから工程所要時間を算出することができる。また、各工程でデータ収集装置30によって既に工程所要時間算出の処理を行ってデータ蓄積サーバ50に転送しているときは、直接工程所要時間のデータをデータ蓄積サーバ50から取得できる。
【0040】
図2から、工程♯01、工程♯02の工程所要時間は安定しているが、工程♯03の工程所要時間は変動していることが把握できる。例えば、所定の期間内において、各工程ごとに工程所要時間を合計し、行った作業回数で除する処理を行うことで、各工程ごとの平均工程所要時間を得ることができる。これを用い、平均工程所要時間の長い順に工程を並べる統計処理を行うことで、異常状況が多く工程所要時間の長いネック工程を抽出できる。このように、ユーザは「ネック工程抽出」のメニューを指定するだけで、自動的にネック工程抽出の機能、具体的にはネック工程抽出プログラムが実行される。そして処理の実行の結果として、工程所要時間の長いネック工程が出力部76に、例えば「ネック工程は工程♯03」と表示される。
【0041】
ネック項目抽出部104は、ユーザが「ネック項目抽出」のメニューを指定したときに実行される稼動状況解析処理の機能である。ユーザは、ネック項目を抽出する工程を指定できる。あるいはネック工程についてそのネック項目を抽出するものとすることもできる。具体的には、工程所要時間を構成する稼動状況要素項目に関するデータを取得し、これらのデータに統計処理等の処理を行い、消費時間の長い稼動状況要素項目をネック項目として抽出する機能を有する。
【0042】
稼動状況要素項目としては、例えば、良品生産、不良品生産、異常停止、工具交換、段取り、後工程フルワーク、前工程ワーク無し等をあげることができる。なお、後工程フルワークとは、自工程の処理が終わったのに、後工程がまだ作業中のため、後工程にワークを送ることができず、自工程にワークをとどめておくためムダ時間が生じている稼動状況を示している。前工程ワーク無しは、自工程の処理が終わったのに、前工程がまだ作業中のため、前工程からワークを受け取れず、自工程にムダ時間が生じている稼動状況を示している。
【0043】
図3に、ネック項目抽出処理の様子を示す。図3は、所定期間内における各工程の工程所要時間を構成する各稼動状況要素項目に関するデータをデータ蓄積サーバ50から取得し、取得したデータに基づいて、縦軸に出来高率を取り、横軸方向に工程順に出来高率を並べる処理を行ったものである。ここで出来高率とは、工程所要時間を100%として、工程所要時間を構成する各稼動状況要素項目が消費した時間の割合を%で表したものである。図3の例では、各稼動状況要素項目として、良品生産a、不良品生産b、異常停止c、工具交換d、段取りe、後工程フルワークf、前工程ワーク無しgと分類されている。これらの稼動状況要素項目の消費時間も、データ蓄積サーバ50から取得された時系列の複数の動作状態データに基づいて算出できる。例えば、工具交換消費時間は、各工程における工具交換予報信号と、実際に作業者が工程を停止している信号等の時系列データから算出できる。あるいは、各工程のデータ収集装置30によって既に稼動状況要素項目の消費時間のデータに処理されてデータ蓄積サーバ50に転送されているときは、直接そのデータを用いることができる。
【0044】
図3から、出来高率の内容は各工程により異なることが把握される。良品生産a以外の稼動状況要素項目がネック項目となるので、例えば工程♯01については、異常停止cまたは工具交換dがネック項目であり、工程♯06においては、工具交換dがネック項目である。このように各稼動状況要素項目を統計処理して出来高率とすることで、各工程におけるもっとも消費時間比率の高いネック項目を抽出できる。例えば、ユーザは「ネック項目抽出」のメニューを指定し、「工程♯01」を選択するだけで、自動的にネック項目抽出プログラムが実行され、処理の実行の結果として、ネック項目が出力部76に、「ネック項目は異常停止、工具交換工程」と表示される。
【0045】
異常停止内容解析部106は、ユーザが「異常停止内容解析」のメニューを指定したときに実行される稼動状況解析処理の機能である。具体的には、各工程の異常停止に関するデータを取得し、これらのデータに統計処理等の処理を行い、異常停止を種類ごとに分類し、異常停止の種類ごとにその頻度と停止時間との関係を解析する機能を有する。
【0046】
異常停止とは、上記の例で、良品生産a、不良品生産b、工具交換d、段取りe、後工程フルワークf、前工程ワーク無しg以外の工程停止を異常停止と定義してもよく、また、例えば重要な作業要素の停止をそのまま異常停止と定義してもよい。また異常停止の種類とは、例えば、各工程を構成する作業要素別に分類してもよく、あるいは各工程をサブ工程に分け、サブ工程ごとに分類してもよい。
【0047】
図4、図5に、異常停止内容解析処理の様子を示す。図4は、所定期間内における工程♯01において生じた全異常停止について、縦軸に合計停止時間を取り、横軸方向に、異常停止の種類A〜F別にその合計停止時間を並べる処理を行ったものである。例えば、工程♯01においてその内部をサブ工程A〜Fに分け各サブ工程における異常停止を異常停止の種類A〜Fとするものとすると、各サブ工程ごとの異常停止信号を時系列でデータ蓄積サーバ50から取得することで、所定期間内における異常停止の種類と停止回数、その合計停止時間を算出することができる。図4から、異常停止の種類により、合計停止時間が異なることがわかり、異常停止の種類A,Eが特に合計停止時間が長いことが把握できる。
【0048】
図5は、横軸に合計停止時間T、縦軸に停止回数Nを取り、所定期間内の各異状停止の種類ごとにプロットし、停止回数と合計停止時間との相関関係を処理したものである。この例では、(T大、N大)の傾向に異常停止Eが、(T大、N小)の傾向に異常停止A,Bが、(T小、N大)の傾向に異常停止Dが、(T小、N小)の傾向に異常停止C,Fがあることが把握できる。工程の異常停止が後工程に与える影響は合計停止時間Tが長いほど、停止回数Nが多いほど大きいので、図5で得られて結果に従い、例えば(T大、N大)の異常停止Eを最初に処置し、次に(T小、N大)の異常停止D、(T大、N小)の異常停止A,Bを処置し、最後に(T小、N小)の異常停止C,Fの処置を行う等の判断が可能となる。また、(T小、N大)の傾向は、いわゆる頻発停止と呼ばれる故障の可能性が高く、(T大、N小)の傾向は、設計事項に関する故障である可能性が高いので、これらの傾向分析にあわせて、処置を行う技術者を選択することもできる。
【0049】
このように、ユーザは「異常停止内容解析」のメニューを指定するだけで、自動的に異常停止内容解析の機能、具体的には異常停止内容解析プログラムが実行される。そして処理の実行の結果として、出力部76に、合計停止時間の長い異常停止の種類や、(合計停止時間T、停止回数N)の相関関係が表示される。
【0050】
工具交換内容解析部108は、ユーザが「工具交換内容解析」のメニューを指定したときに実行される稼動状況解析処理の機能である。具体的には、各工程の工具交換に関するデータを取得し、これらのデータに統計処理等の処理を行い、各工程ごとに、工具交換の頻度と工具交換時間との関係を解析する機能を有する。
【0051】
図6に、工具交換内容解析処理の様子を示す。図6は、所定期間内における各工程において生じた工具交換について、縦軸に合計停止時間を取り、横軸方向に、各工程別にその合計工具交換時間を並べる処理を行ったものである。工程において工具交換の必要が生ずると、上記のように異常表示装置22において「黄」が点灯して作業者に知らせる。その後実際に工具交換の作業が行われる。例えば、工具交換の際にその工程を止める場合は、工具交換予報信号と工程停止信号とを時系列で時系列でデータ蓄積サーバ50から取得し、これらの動作状態データから各工具交換時間と交換回数を算出することができる。合計工具交換時間は、所定期間内の各工具交換時間を集計処理することで得られる。また、各工程でデータ収集装置30によって既に各工具交換時間算出の処理を行ってデータ蓄積サーバ50に転送しているときは、直接各工具交換時間のデータをデータ蓄積サーバ50から取得できる。
【0052】
図6から、工程により合計工具交換時間が異なることがわかり、工程♯01が最も合計工具交換時間が長いことが把握できる。また、各工程ごとに(合計工具交換時間、交換回数)のデータを算出し、図5と同様に、横軸に合計工具交換時間、縦軸に交換回数を取り、これらの間の相関関係を求める処理を行うことができる。
【0053】
サイクルタイム変動解析部110は、ユーザが「サイクルタイム変動解析」のメニューを指定したときに実行される稼動状況解析処理の機能である。具体的には、各工程のサイクルタイムに関するデータを取得し、これらのデータに統計処理等の処理を行い、サイクルタイムの所定期間内の変動を解析する機能を有する。ここで、工程のサイクルタイムと図1に示す工程所要時間との違いは、前者は、工程の実際の作業時間を表すものであるのに対し、後者は、工程に入ってから作業を行う位置まで搬入され、セットされる時間および、作業が終わってセットが解除されて工程から搬出される時間を含むところにある。工程のサイクルタイムは、例えば、工程における作業を行う作業ヘッドがホームポジションからスタートし、再びホームポジションに戻る時間で定義することができる。
【0054】
図7に、サイクルタイム変動解析処理の様子を示す。図7は、一日における各時刻における工程♯01について、横軸に時間、縦軸にサイクルタイムを取って時系列に並べる処理を行ったものである。サイクルタイムは、上記の例で、作業ヘッドのホームポジションセンサの信号をデータ蓄積サーバ50から取得して算出することができる。また、作業ヘッドのホームポジションセンサの信号に代わり、作業ヘッドの前進開始信号と後退完了信号等に基づいてサイクルタイムを算出してもよい。
【0055】
図7から、工程♯01のサイクルタイムはかなり変動していることが把握できる。同様の処理を各工程について行えば、各工程間のサイクルタイム変動の相違が把握でき、さらに、例えば、時刻と変動との相関等も得ることができる。各工程サイクルタイムを一日通してその変動を把握するのは、一日の長さに対しサイクルタイムが短い場合、例えば、日産数千個の生産の場合、一日に数千ものサイクルタイムの変動を監視する必要があり、単純な監視手段ではユーザに大きな負担をかける。上記構成によれば、ユーザは「サイクルタイム変動解析」のメニューを指定するだけで、自動的に各工程のサイクルタイムデータを取得し、サイクルタイム変動解析プログラムが実行される。そして処理の実行の結果として、各工程のサイクルタイムを時系列に並べた変動データや、変動データをさらに統計処理して所定期間内の変動度等を出力部76に表示させることができる。
【0056】
サイクル線図作成部112と、サイクル線図解析部114は、ユーザが「サイクル線図解析」のメニューを指定したときに実行される稼動状況解析処理の機能である。具体的には、サイクル線図作成部112において、各工程を構成する複数の作業要素の動作状態データを時系列でデータ蓄積サーバ50から収集し、これらの動作状態データを時系列に並べて、その工程のサイクル線図を作成する。そして、作成されたサイクル線図をサイクル線図解析部114において標準のサイクル線図と比較し、その相違から、ネックとなる作業要素やネックとなる動作状態を解析する。
【0057】
図8は、サイクル線図作成部112により作成されるサイクル線図の例を示す図である。この例は、シリンダ1〜シリンダ4を用いてワークを順次前進させる作業を行うときのサイクル線図で、横軸に時間を取り、縦軸にワークの前進位置を示す。図8においては、シリンダ1が前進することでワークの前進位置は基準位置からP1の位置まで前進し、ついでシリンダ2が前進してワークの前進位置をP2の位置まで前進させる。その後順次シリンダ3がP3の位置まで、シリンダ4がP4の位置までワークを前進させる。こうしてワークをP4位置まで前進させると、シリンダ4は再びP3の位置に後退し、ついでP3の位置にあるシリンダ3はP2の位置に後退し、以下順次シリンダ2はP1の位置に、シリンダ1は基準位置に後退し、すべてのシリンダ1〜シリンダ4が初期値に戻って一連の作業を終了し、次の作業を待つ。
【0058】
図8のサイクル線図は、工程の作業要素である各シリンダの動作状態データである前進位置データと後退位置データをデータ蓄積サーバ50から時系列で取得し、各シリンダの時間に対する位置の変化を示す動作線を作成し、時間軸を共通として、これらの動作線の位置をつなぎ合わせることで得ることができる。例えば、シリンダ3の前進動作は、縦軸の位置P2において前進指示の開始信号を時系列に並べ、縦軸の位置P3において前進指示の終了信号を時系列に並べ、時系列で隣接する開始信号の点と終了信号の点とを接続することで得られる。同様に、シリンダ3の後退動作は、縦軸の位置P3において後退指示の開始信号を時系列に並べ、縦軸の位置P2において後退指示の終了信号を時系列に並べ、時系列で隣接する開始信号の点と終了信号の点とを接続することで得られる。こうして、位置P2とP3との間のシリンダ3の前進動作及び後退動作を表す動作線を得ることができる。各シリンダについて得られた前進と後退の動作線について、時間軸を共通とし、位置P1,P2,P3を合わせて、各シリンダの動作線をつなぎ合わせることで、シリンダ1〜シリンダ4を用いてワークを順次前進させる作業を行うときのサイクル線図を得ることができる。
【0059】
図9は、工程に問題があるときにサイクル線図を用いて、ネックとなる作業要素及びネックとなる動作状態を解析する様子を示す図である。図9のサイクル線図は、図8に示したと同じシリンダ1〜シリンダ4を用いてワークを順次前進させる作業についてのサイクル線図である。いま、図8を標準的なサイクル線図として、図8と図9とを比較すると、シリンダ3が前進動作を行って前進位置P3に至ったにもかかわらず、すぐシンリンダ3が後退動作を行い、位置P2に後退し、再び前進動作を行う等、シリンダ3が異常動作を行っているのが把握できる。したがって、ネックとなる作業要素がシリンダ3で、ネックとなる動作状態が、シリンダ3の前進動作が完全に完了しない状態であることがわかる。
【0060】
このように、ユーザは、「サイクル線図解析」のメニューを指定し、問題の工程及び好ましくは問題の作業要素を選択するだけで、自動的に問題となる工程のサイクル線図を作成し、標準のサイクル線図と比較処理し、出力部76に問題の作業要素及び動作状態を、例えば「シリンダ3の前進動作不完全」等と表示させることができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係る生産ラインの稼動状況解析装置、稼動状況方法、稼動状況解析プログラム及び稼動状況解析システムによれば、ユーザの負担を軽減して、生産ラインの稼動状況解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態における生産ラインの稼動状況解析システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る実施の形態において、ネック工程抽出処理の様子を示す図である。
【図3】 本発明に係る実施の形態において、ネック項目抽出処理の様子を示す図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態において、異常停止内容解析処理の様子を示す図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態において、異常停止内容解析処理の別の例を示す図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態において、工具交換内容解析処理の様子を示す図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態において、サイクルタイム変動解析処理の様子を示す図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態において、サイクル線図作成の様子を示す図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態において、サイクル線図解析の様子を示す図である。
【符号の説明】
10 稼動状況解析システム、20 生産設備、22 異常表示装置、30 データ収集装置、50 データ蓄積サーバ、60 稼動状況解析装置、70 CPU、100 データ取得部、102 ネック工程抽出部、104 ネック項目抽出部、106 異常停止内容解析部、108 工具交換内容解析部、110 サイクルタイム変動解析部、112 サイクル線図作成部、114 サイクル線図解析部。
Claims (7)
- データ収集装置により収集されデータ蓄積サーバにより蓄積される生産ラインの各作業要素の動作状態を表す動作状態データに基づいて、生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析装置であって、
データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力された時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得手段と、
取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析手段と、
データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得手段と、
取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出手段と、
取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出手段と、
を備えることを特徴とする稼動状況解析装置。 - 請求項1に記載の稼動状況解析装置において、
データ蓄積サーバから、各工程における稼動状況要素の中の異常停止項目について、所定の期間内に発生した各異常停止ごとにその種類と停止時間のデータを取得する工程停止データ取得手段と、
取得された異常停止項目に関するデータに基づき、異常停止の頻度と停止時間との間の関係を解析する異常停止内容解析手段と、
を備えることを特徴とする稼動状況解析装置。 - 請求項1に記載の稼動状況解析装置において、
データ蓄積サーバから、各工程における稼動状況要素の中の工具交換項目について、所定の期間内に発生した各工具交換ごとにその種類と交換時間のデータを取得する工具交換データ取得手段と、
取得された工具交換に関するデータに基づき、工具交換の頻度と交換時間との間の関係を解析する工具交換内容解析手段と、
を備えることを特徴とする稼動状況解析装置。 - 請求項1に記載の稼動状況解析装置において、
データ蓄積サーバから、各工程を構成する複数の作業要素の動作状態データを取得する構成作業要素データ取得手段と、
取得された各作業要素の動作状態データに基づいて当該工程のサイクル線図を作成するサイクル線図作成手段と、
作成されたサイクル線図と、標準サイクル線図とを比較し、当該工程においてネックとなる作業要素とその動作状態を抽出するサイクル線図解析手段と、
を備えることを特徴とする稼動状況解析装置。 - データ収集装置により収集されデータ蓄積サーバにより蓄積される生産ラインの各作業要素の動作状態を表す動作状態データに基づいて、解析装置によって生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析方法であって、
データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力された時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得ステップと、
取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析ステップと、
データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得ステップと、
取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出ステップと、
取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出ステップと、
を備えることを特徴とする稼動状況解析方法。 - データ収集装置により収集されデータ蓄積サーバにより蓄積される生産ラインを構成する各作業要素の動作状態を表す動作状態データに基づいて、生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析プログラムであって、
データ蓄積サーバに接続された稼動状況解析装置に、
データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力された時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得処理手順と、
取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析処理手順と、
データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得処理手順と、
取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出処理手順と、
取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出処理手順と、
を実行させることを特徴とする稼動状況解析プログラム。 - 生産ラインの各工程ごとに設けられ、生産ラインの各作業要素ごとに、各作業要素の動作状態のデータを収集して出力する複数のデータ収集装置と、
各データ収集装置から出力されるデータを受け取り、蓄積するデータ蓄積サーバと、
データ蓄積サーバから、稼動状況解析に用いるデータを取得し、生産ラインの稼動状況を解析する稼動状況解析装置と、
を含む稼動状況解析システムであって、
稼動状況解析装置は、
データ蓄積サーバから、任意の工程について、その工程に入ってから作業を行う位置まで搬入されて作業ヘッドの前進開始信号が出力される時間から、作業が終わって作業ヘッドの後退完了信号が出力される時間までのサイクルタイムについてのデータを、所定の期間内において複数取得するサイクルタイムデータ取得手段と、
取得された複数のサイクルタイムデータに基づき、所定期間内におけるその工程のサイクルタイムの変動を解析するサイクルタイム変動内容解析手段と、
データ蓄積サーバから、生産ラインの各工程をワークが通過する工程所要時間のデータと、各工程所要時間を構成する複数の稼動状況要素項目ごとの項目消費時間データとを取得する工程時間データ取得手段と、
取得された各工程ごとの工程所要時間のデータに基づき、異常状況の多いネック工程を抽出するネック工程抽出手段と、
取得された各工程所要時間ごとの複数の項目消費時間のデータに基づき、ネック工程において、項目消費時間の多いネック項目を抽出するネック項目抽出手段と、
を備えることを特徴とする稼動状況解析システム。
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