JP2011231989A - クリーンブース - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーンブース内を陽圧または陰圧に調整することができ、その調整の仕方が簡易であり、高価な部品を使用しなくても外気との間における塵埃やウィルスの遮断性を高めることのできるクリーンブースの提供。
【解決手段】 少なくとも複数のパネル部材を連結して形成され、内部空間を区画するブース本体と、当該ブース本体で区画された内部空間への気体移送および内部空間からの気体移送の少なくとも何れかを行う1または2つ以上の気体移送手段と、ブース本体における壁面の設置面側の底部に設けられ、設置したブース本体の底面における気密性を確保する弾性部材とからなるクリーンブースとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、簡単に組立てることができ、且つ製造コストも抑えたクリーンルームに関し、特に建築物内に簡易に設置することができるとともに、不使用時には解体してコンパクトに保管することができるクリーンルームに関する。
従来から医療や工業等の分野では、塵埃やウィルスなとの進入や放出を回避する為にクリーンルームやクリーンブースが活用されている。例えば病院設備としては、感染症の治療等に関連して周囲と隔離された治療室を設け、この中にクリーンな空気を供給して無菌状態を形成し無菌病室、無菌ICU等として使用することが行われている。また工業の分野においては、例えば半導体集積回路を製造するための気密性を有する作業空間が形成され、その作業空間は、製造工程に必要とされる所定の清浄度が維持されている。
しかしながら、これらの設備は大病院や大工場内に固定的に設置される大掛かりなものであり、必要に応じて出現させ不要時には保管することができるようなものとはなっていない。更に従来提供されている固定的に設置されるタイプのクリーンルームやクリーンブースは、極めて高価なものとなっている。
そこで、従前では組立て及び解体を容易に行うことのできる簡易なクリーンブースを提供するべく種々の検討がなされている。例えば特許文献1(実用新案登録第3108536号公報)では、1つのファンユニットを用いて形成されたクリーンブースであって、除塵フィルタ等を有するファンユニットの気流方向を逆転させるだけで、陽圧型でも陰圧型でも使用することができ、フレームの組立て及び解体を容易に行うことのできる簡易なクリーンブースが提案されている。
更に、簡易型のクリーンルームについて着目すれば、特許文献2(特開2005−326093号公報)でも簡易型バイオクリーンルームが提案されている。特にこの公報で提案されている簡易型バイオクリーンルームは、環境制御ユニットに設置された給気ファン及び主排気ファンがインバータを介して制御部と接続され、この制御部は、圧力計で測定された室内の圧力や、温湿度計で測定された給気区画の温度及び湿度、動圧計で測定された給気動圧の各測定値に基づいて、主排気ファン、室外機、及び給気ファンの運転を制御するものとなっている。
そして、一つのケアー室が陰圧型、陽圧型両用のバイオクリーンルームとして使用可能とする技術も特許文献3(特開平6−249482号公報)で提案されている。この文献では、ケアー室とケアー室の出入口に前室を設けてなるバイオクリーンルームであって、給気ファンおよび排気のファンとともに給・排気切替ダンパーを有し、一つのケアー室を切替手段によって、陽圧もしくは陰圧とすることを特徴とする陽圧・陰圧切替式バイオクリーンルームが提案されている。
実用新案登録第3108536号公報 特開2005−326093号公報 特開平6−249482号公報
上記特許文献1で提案されているクリーンブースは、シート部材の一部がフィルタ機能を有する素材で構成され、該素材を通して空気の流入及び流出を可能とするものとして形成されている関係上、高い清浄度が要求される場合には未だ十分なものとはなっていない。更にファンユニットの送風方向は電気的に又は機械的に変換するものであるが、この点についての製造コストの削減については未だ十分に検討されていない。
また上記特許文献2で提案されている簡易型バイオクリーンルームも、環境制御ユニットに設置された給気ファン及び主排気ファンはインバータを介して制御部と接続されていることから、やはり製造コストの削減については未だ十分に検討されていない。更にこの特許文献2で提案されている簡易型バイオクリーンルームは、室内を陰圧にするものであり、これを陽圧にして使用することは考慮されていない。更にこの簡易型バイオクリーンルームは、多数のパーテーションで構成され、これらパーテーションを組み立てることにより室内が室外と高い密閉度で隔離されると記載されているだけで、設置面である床面との機密性確保の手段及び構成はおろか、設置後にこれを移動させることは一切考慮されていない。
更に上記特許文献3で提案されているバイオクリーンルームは、一つのケアー室を切替手段によって陽圧もしくは陰圧とすることが提案されているが、これを実現する為には給・排気切替ダンパーが必要になることから、製造コストの削減については未だ十分に検討されていない。また特許文献3では、バイオクリーンルームをどのようにして構成するかさえも記載されておらず、設置面である床面との機密性確保の手段及び構成はおろか、設置後にこれを移動させることは一切考慮されていない。
よって本発明では、簡易な構成および設備でありながらも、外気との間における塵埃やウィルスの遮断性を十分に高めたクリーンブースを提供することを第一の課題とする。
また本発明では、簡易な構成および設備であり、かつ外気との間における塵埃やウィルスの遮断性を高めながらも、更に室内を陽圧にも陰圧にも簡易に調整することのできるクリーンブースを提供することを第二の課題とする。
また本発明では、クリーンブース内を陽圧または陰圧に調整する際、その調整の仕方が簡易であり、高価な部品を使用しなくても外気との間における塵埃やウィルスの遮断性を高めることのできるクリーンブースを提供することを第三の課題とする。
更に簡易に設置することのできるクリーンブースであって、設置後に任意の場所に移動することができ、更には移動可能でありながらも、クリーンブース内外での遮断性を高め、特に床面との間における遮断を確実に行うことのできるクリーンブースを提供することを、第四の課題とする。
本発明では、上記課題の少なくとも何れかを解決する為に、組み立て可能なブース本体の底面に、床面との密着性を向上させる弾性部材を設けてなるクリーンブースとし、更に設置後の移動を行う場合には、ブース本体の下方に床面側に進退自在なキャスターを設けたクリーンブースとすることにより、本発明を完成させたものである。
即ち本発明では、前記課題の少なくもと何れかを解決するクリーンブースとして、少なくとも複数のパネル部材を連結して形成され、内部空間を区画するブース本体と、当該ブース本体で区画された内部空間への気体移送および内部空間からの気体移送の少なくとも何れかを行う1または2つ以上の気体移送手段と、ブース本体における壁面の設置面側の底部に設けられ、設置したブース本体の底面における気密性を確保する弾性部材とからなるクリーンブースを提供する。
上記弾性部材は、ゴム、シリコン等の樹脂材料を用いて形成する他、布や不織布などの布帛を用いて形成することができる。かかる弾性部材をブース本体の底面に設置することにより、設置したブース本体の底面と、設置面との間における気体流通を阻止し、当該ブース本体内の気密性を高めることができる。
特に、かかるクリーンブースは、通常、壁面となる側面と天井面で形成され、側面(壁面)を設置面に立設状に設けるのが殆どである。そして、この設置面としては、当該クリーンブースが屋内に設けられる場合には、床面であることが殆どである。そして、この床面は、ある程度は平坦であるが厳密に見れば歪みによる凹凸があったり、ゴミや塵埃などが散乱している事がある。このため、仮にこのような設置面(床面)上に、硬質の部材、特にクリーンブースを構成するパネル部材を載せ置いた場合には、両者間に微小な空隙が生じてしまい、そこから気体流通が発生してしまい、クリーンブース内を外部と遮断することが困難になる。そこで本発明では、この様な設置面(床面)における凹凸や、ゴミや塵埃による凹凸を吸収するべく、ブース本体における壁面の設置面側の底部に弾性部材を設置したものである。
よってこの弾性部材は、設置面との密着性を確保する為に弾性偏倚可能な材料を用いて形成され、且つブース本体の内部空間の遮断性を確保する為に、少なくともブース本体の底面を一周するように形成される必要がある。
そして、上記のように設けられる弾性部材は、ブース本体における壁面を構成するパネル部材単位で分割されており、それぞれのパネル部材に設けられている事が望ましい。即ち、このブース本体は複数のパネル部材を組み合わせて構成されるものであり、複数組み合わせられるたパネル部材のうち、設置面に載せ置かれるパネル部材ごとに、その底面(即ち設置面に対向する底面)に、弾性部材を設けて形成することが望ましい。このように該当するパネル部材ごとに弾性部材を設置することにより、パネル部材の組み立て後に、別途弾性部材を設置する手間を省くことができる。
そして、上記のようにブース本体における壁面の設置面側の底部に弾性部材を設置したクリーンブースでは、設置面上に載せ置かれるだけであることから、任意に移動することも可能である。これは、一旦クリーンブースを設置した後においても、作業者の移動通路を確保する為、或いは各種の機材を設置する為などの理由から、設置することが必要な場合もあり、このような場合において有利なものとなる。
そこで本発明では、上記のようにブース本体における壁面の設置面側の底部に弾性部材を設置することにより、設置面上に載せ置いて使用されるクリーンブースにおいて、更に、ブース本体における壁面の設置面側寄りに設けられ、前記弾性部材よりも下に進退自在に設けられたキャスター部材を備えるクリーンブースとすることが望ましい。
このキャスター部材は、設置したクリーンブースを移動させるものであることから、設置したブース本体の側面の下側、或いは底面に設けることができ、移動時には、任意にブース本体の底面に存在する弾性部材よりも下方に突出させることができると共に、常にはブース本体の底面よりも上方に存在するように設ける。
そしてかかるキャスター部材も、ブース本体における壁面を構成するパネル部材ごとに、それぞれのパネル部材の下側、即ち設置面寄りに1つ又は2つ以上形成される事が望ましい。パネル部材ごとにキャスター部材を設ける事により、ブース本体の組み立てや解体に際して各パネル部材を搬送することが必要になるが、その場合にも当該キャスター部材を利用して搬送乃至配送することが可能になる。これにより、当該クリーンブースの設置時における労力を大幅に減じることができる。
そして本発明にかかるクリーンブースでは、ブース本体で区画された内部空間への気体移送および内部空間からの気体移送の少なくとも何れかを行う1または2つ以上の気体移送手段を具備する。これにより、ブース本体の内部空間を陰圧又は陽圧に保持し、当該内部空間とブース本体の外部との遮断性を確保することができる。特に、かかる気体移送手段は、通常、比較的高価な部品であるHEPAフィルターなどの高性能フィルターや、ファンの回転速度により送風量を調整する為のインバータなどが使用されることが一般であるが、本発明ではこれらの使用数量を減じながらも、外気との間における塵埃やウィルスの遮断性を高めることが可能なクリーンブースを提供することができる。
即ち、本発明では上記クリーンブースの気体移送手段として、ブース本体内の内部空間に対する気体の移送方向が相互に逆向きとなっている第一ファン及び第二ファンを使用し、この第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかは1又は2以上の送風機で構成し、この第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかを構成する送風機全体の送風量は他方のファンの送風量を超えているようにしたクリーンブースとすることができる。そしてこの第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかには、移送する気体を清浄する高性能フィルターが設ける事が望ましい。
例えば、この第一ファン及び第二ファンを、ブース本体内の空間に対する空気の移送方向が相互に逆向きとなる様に設置し、第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかを複数の送風機で構成し、第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかを構成する複数の送風機は、その全体の送風量が他方のファンの送風量を超えており、当該複数の送風機の内の何れか1つ以上の送風機を停止させた場合における全体の送風量が、他方のファンの送風量よりも少なくなるようにする事が望ましい。
かかるクリーンブースをより具体的にするべく、単純化した一例を挙げて説明すれば、第一ファンをブースからの排気を行う排気ファンとして、当該排気ファンを構成する送風機の出力(即ち、「単位時間当たりの送風量」 以下同じ)をXとし、第二ファンをブース内への吸気を行う吸気ファンとして、当該吸気ファンを構成する2つの送風機の出力を、それぞれY、Zとする場合、これらの送風機については、以下の関係式が満たされるようにして、上記クリーンブースが構成される。
「送風機出力の関係式」
排気ファン用送風機の出力:X
吸気ファン用の各送風機の出力:Y、Z
陽圧時: X < Y+Z
陰圧時: X > Y(又はZ)
かかるクリーンブースでは、複数の送風機で構成されているファン(第一ファン又は第二ファン)において、何れかの送風機を作動させれば、当該クリーンブースの室内(以下「ブース内」とする)の圧力を陽圧にし、一方複数の送風機で構成されているファン(第一ファン又は第二ファン)において、何れかの送風機を停止させれば、当該ブース内の圧力を陰圧にすることができる。
即ち、単に何れかの送風機の動作をON/OFFするだけで、簡易にブース内の圧力を陽圧又は陰圧にすることができ、インバータ制御など特別の制御装置を不要にして構成することができる。
また本発明では、上記のクリーンブースの様にブース内を陽圧にも陰圧にもすることのできるクリーンブースとして、ブース内(内部空間)に吸気を行う吸気ファン及びブース内からの排気を行う排気ファンの少なくとも何れかを構成する送風機を逆向きに取り付けることのできるクリーンブースを提供する。ここで、逆向きとは吸気ファンであればブース内から排気する向きが逆向きであり、排気ファンであればブース内に吸気する向きが逆向きとなる。
かかるクリーンブースは、上記した本発明にかかるクリーンブースであって、気体移送手段として、ブース本体の内部空間の内外に対する気体の移送を行う第一ファン及び第二ファンを使用し、この第一ファン及び第二ファンを構成する送風機の少なくとも何れかを、ブース本体内に送風する向き及びブース本体外に送風する向きに、着脱自在にブース本体に設けたクリーンブースとして具体化することができる。
かかるクリーンブースでも、その技術的思想をより具体的にするべく、単純化した一例を挙げて説明すれば、第一ファンをブースからの排気を行う排気ファンとして、これを出力Xの1つの送風機で構成し、第二ファンをブース内への吸気を行う吸気ファンとして、これを出力Yの送風機と、出力Zの送風機で構成した場合に、以下の関係式が満たされるようにして、上記クリーンブースが構成される。
「送風機出力の関係式」
排気ファン用送風機の出力:X
吸気ファン用の各送風機の出力:Y、Z
(但し出力Zの送風機は逆向きにも着脱自在)
陽圧時: X < Y+Z
陰圧時: X+Z > Y
その結果、複数の送風機で構成される方の第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかの送風機の送風方向を調整することにより、ブース内を陽圧又は陰圧の何れにも維持することができる。特に、このように構成されたクリーンブースとする場合、何れか1つ以上の送風機を正逆両方向に取り付け可能なように構成される必要があるが、これは単に送風機の向きを変えるだけであることから、特段の困難はなく実施できる。
更に本発明では、上記のクリーンブースの様にブース内を陽圧にも陰圧にもすることのできるクリーンブースとして、ブース内に吸気を行う吸気ファン及びブース内からの排気を行う排気ファンを構成する送風機の少なくとも何れかがインバータ制御により出力が調整れたクリーンブースを提供する。
かかるクリーンブースは、上記した本発明にかかるクリーンブースであって、気体移送手段として、ブース本体内の内部空間に対する気体の移送方向が相互に逆向きとなっている第一ファン及び第二ファンを使用し、この第一ファン及び第二ファンの何れかはインバータ制御により、その送風量が調整されており、当該インバータ制御により送風量が制御されるファンの送風量は、他方のファンの送風量よりも少ない範囲から当該送風量を超える範囲まで調整可能なクリーンブースとすることができる。
かかるクリーンブースにおいてインバータ制御される第一ファン及び第二ファンの何れかは、それが複数の送風機で構成されている場合には、その内の何れか1つ以上であれば良い。そして、この様に構成されたクリーンブースでは、インバータ制御された送風機(即ち第一ファン又は第二ファン)の出力を調整することにより、ブース内を陽圧にも陰圧にも調整することができる。
特にこのように形成されたクリーンブースでは、ファンの出力を調整する為にインバータが使用されているが、当該インバータは排気側又は吸気側の何れかのファンを構成する、何れかの送風機に使用するだけで良いことから、排気側及び吸気側の双方の送風機をインバータで制御する場合に比べ、製造コストを大幅に削減することができる。
そして以上のように構成された本発明のクリーンブースは、更にブース内への塵埃やウィルスの侵入を阻止する為、或いはブース外への塵埃やウィルスの侵入を阻止する為に高性能フィルターを具備する
かかる高性能フィルターは、除菌あるいは集塵を行う除菌集塵フィルターであり、当該クリーンブースに要求されるクリーン度により種々選択することができる。例えばウィルスなどを対象とするクリーンブースを形成する為には、HEPAフィルタ(High Efficiency Particle Filter)等を使用することができる。その他にも、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)、ケミカルフィルタ、あるいは抗菌フィルタ等を使用することができる。かかるHEPAフィルターの捕集効率は0.3μmの単分散DOP粒子に対して99.97%以上を有し、ULPAフィルターの捕集効率は0.1μmの単分散DOP粒子に対して99.9995%以上を有するものである。
特に本発明に係るクリーンブースでは、陽圧でも陰圧でも使用できるように構成されている。クリーン内を陰圧にする用途としては、例えば医療用途などにおいて、保菌者及び感染者が明らかになった場合に、その患者を隔離したクリーンブース内を減圧し、室内に病原菌を封じ込めることによって他の患者または健常者への感染を防止することが挙げられる。またブース内を陽圧にする用途としては、例えば同じく医療用途などにおいて、手術後の体力のない患者や投薬等による易感染者が、院内の病原菌に感染される恐れのある場合などに、当該クリーンブース内に病原菌を除去した空気を供給し、室内を加圧し、外部から病原菌の侵入を防ぐことによって感染を防止することが挙げられる。
よって、以上のような用途に使用されるクリーンブースにおいて、前記高性能フィルターは、陽圧型のクリーンブースにあっては、当該ブース内に供給する外気などの気体が通過する位置、即ち吸気側の送風機で送風されるか或いは送風された気体が通過する位置に設置され、一方で陰圧型のクリーンブースにあっては、当該ブース内から排出される気体が通過する位置、即ち排気側の送風機で送風されるか或いは送風された気体が通過する位置に設置されれば良い。そして本発明にかかるクリーンブースにおいては、ブース内を陽圧にする場合には吸気側のファンの出力を大きくし、一方陰圧にする場合には排気側のファンの出力を大きくするものであるから、本発明に係るクリーンブースにおいては、前記高性能フィルターは、第一ファン及び第二ファンの内、送風量の大きいファン側にだけ設けることもできる。高性能フィルターを第一ファン又は第二ファンの何れか一方にだけ設置することにより、当該高性能フィルターの使用数量を減じ、製造コストを削減することができる。更にメンテナンスにおいても、一方の高性能フィルターを交換すればよいことから、メンテナンスコスト及び手間を減じることができる。
特に、本発明に係るクリーンブースは、クリーンブース内における外気との遮断性を高めながらも、必要時に設置し、不要時には解体して保存しておくことが可能なように、パネル部材を用いて形成している。より具体的には、クリーンブースにおいて室内空間を区画しているブース本体は、フレーム体と当該フレーム体間に嵌め込まれたボード体とからなるパネル部材と、少なくとも1つ以上の出入口部材とで構成されている。かかるパネル部材は建築工事におけるパネル工法により、相互に連結してブース本体を形成するものであり、少なくとも何れか一箇所以上に、当該クリーンブースの内部空間への入退室を行うための出入口部材が設置される。そしてこの様に組み立てられるパネル部材と出入口部材とは、その組み立てに際して、隣接するパネル部材の間、およびパネル部材と出入口部材との間にはコーキング、テープその他の気密性確保部材が設けられ、部材相互間における外気とのアクセスを阻止することが望ましい。
以上のように本発明に係るクリーンブースをパネル部材で形成すれば、カーテンなどの布帛で形成した場合に比べても、気密性を高くすることができる。しかもパネル部材の組み合わせは、建築分野におけるパネル工法を応用することで困難なく設置することができる。また不要時には、パネル部材を積み重ねるか、或いはまとめて立て掛けておくだけでよいことから、その保管スペースも削減することができる。
なお出入口部材は、望ましくはスライドして出入口を開閉する引き戸として形成されるが、ドア(開き戸)として形成しても良い。
また、上記本発明では既存の室内等、建築物内に設置して使用されるのが主な用途であることから、クリーンブースの名称を使用しているが、例えば既存の室内を区画して新たな部屋を画成するクリーンルームとして使用することもできる。よって、本発明に係るクリーンブースはクリーンルームとしても使用することができ、同じ構成及び効果を有する限りにおいて、そのようなクリーンルームも本発明の技術的範囲に属する。
また本明細書中において、第一ファン、第二ファン、吸気側ファンおよび負排気側ファンの用語は、1つ又は2つ以上の送風機が集まって構成されたものを意味することから、これらを第一ファンモジュール、第二ファンモジュール、吸気側ファンモジュールおよび負排気側ファンモジュールとして表現することもできる。
また、気体移送手段で移送する気体は、必ずしも空気とは限らず、当該空気中に酸素ガスを意図的に混入させたり、工業用途などにおいては不活性ガスを移送させることもできる。よって、このクリーンブースの内部空間は、特に陽圧で使用する場合には、必ずしも空気で満たされるものではなく、意図的に成分を変更した気体や、不活性ガスなどの気体で満たすこともできる。
以上申し述べたとおり、本発明に係るクリーンブースは、陰圧および陽圧の何れでも使用することができ、且つ当該クリーンブースと外気との間における塵埃やウィルスの通過を阻止することができ、そして必要時に応じて簡易に設置し、不要時にはコンパクトにして保管することができるので、例えば患者数などに応じて能動的な対応で使用しなければならない病院などにおいて有効に使用することができる。
何故ならば、従前において一般的に用いられているクリーンブースでは、ある一つのクリーンブースにおいて陰圧型用か陽圧型用のどちらか専用としなければならず、したがって、いくつかの陰圧型、陽圧型それぞれのクリーンブースを設置する必要があった。一方、院内感染を防止するために、陰圧型あるいは陽圧型のいずれのクリーンブースを採用するかは患者の状態に依存するものとなっていた。これは保菌者が特定された場合には、陰圧型クリーンブースが有効であり、体力の衰えた患者の感染防止のためには、陽圧型クリーンブースが適している為である。
そして従来から用いられている陰圧型もしくは陽圧型のクリーンブースでは、そのどちらかのクリーンブースしか空いていない場合、患者によって不適切な可能性があり、院内にあるクリーンブースを効率よく運用することが不可能であった。またさらに、陽圧型、陰圧型それぞれのクリーンブースを形成する必要があるため、クリーンブース建設時、そしてメンテナンスの高コスト化と院内において無駄なスペースをとることが避けられなかった。
これに対して本発明に係るクリーンブースは、上記した構成により、陰圧型用および陽圧型用のどちらにも使用することができ、かつ当該クリーンブースにおける外気との遮断性を高め、更に必要に応じて簡易に組み立てることができるクリーンブースが実現されており、よって、上記のような従前における課題を解決することができる。
更に、本発明にかかるクリーンブースは、設置した際における壁面の底に、ゴム、シリコン、ウレタン樹脂等の樹脂材料や、不織布などの弾性部材を設けていることから、パネル部材を用いて形成したクリーンブースでありながらも、ブース本体内外における設置面境界での遮断性を十分に確保することができる。
特に、カーテンなどで仕切ったクリーンブースでは、外部との遮断性の確保が困難であるが、本発明にかかるクリーンブースでは、設置面との境界も確実に遮断できるように構成していることから、排気・吸気ファンなどの気体移送手段を制御することにより、ブース内部空間を陰圧に確保して汚染空気がブース外に流出・拡散を防止する場合における米国疾病管理予防センター(CDC)のガイドラインの値(結核菌を制御可能な微差圧:0.001inch water Pasca)もクリアすることができる。
更に、医療施設などにおいては、化学薬品暴露防止対策の観点からもクリーンルームやクリーンブースを含む空調システムの管理を行うのが望ましい。このような基準として、最も普及している高レベル消毒剤グルタラールについて、米国のTLV−C推奨値(Threshold Limit Values-Ceiling:作業中いかなる時も超えてはならない化学物質の空気中成分濃度の上限値)では0.05ppmが推奨され、厚生労働省では暴露限界値として0.05ppmが規定されている。本発明にかかるクリーンブースでは、上記のように構成されていることから、排気・吸気ファンなどの気体移送手段を制御することにより、これらの基準値でさえもクリアすることができる。
そして、ブース本体を構成するパネル部材における設置面側には、進退自在に突起することのできるキャスター部材を設けていることから、クリーンブースを設置した後においても移動することができ、更にブース本体を設置する際にも、各パネル部材の移送の労力を大幅に軽減することができる。
そして、上記した弾性部材の構成およびキャスター部材の構成を同時に伴うことにより、クリーンブースを設置した後においても移動することができ、しかも移動した後においてもキャスター部材を退行させることにより、弾性部材が設置面におけるブース本体内外の遮断性を確保することができるクリーンブース、即ち移動後にも設置部分における遮断性を確保したクリーンブースが実現する。
実施の形態に係るクリーンブースの構成を示す分解図 壁面を形成するパネル部材の下端側を示す要部拡大図 更にキャスター部材を設けたパネル部材の下端側を示す要部拡大図 各パネル部材の組み合わせ状況を示す要部拡大図 他の実施の形態に係るクリーンブースの平面図であって(A)はブース内の陽圧調整時、(B)はブース内の陰圧調整時の状態を示す関係図 更に他の実施の形態に係るクリーンブースの平面図であって(A)はブース内の陽圧調整時、(B)はブース内の陰圧調整時の状態を示す関係図 図4に示したクリーンブースにおいて前室を形成した状態の平面図 出入口部材の構成例を示し(A)は要部斜視図、(B)はブース内が陽圧時の設置例を示す要部平面図、(B)はブース内が陰圧時の設置例を示す要部平面図
以下、図面に基づいて本発明に係るクリーンブース10の1つの実施の形態を具体的に説明する。図1はこの実施の形態に係るクリーンブース10の構成を示す分解図であり、図2は壁面を形成するパネル部材20の下端側を示す要部拡大図であり、図3は更にキャスター部材30を設けたパネル部材20の下端側を示す要部拡大図であり、図4は各パネル部材20の組み合わせ状況を示す要部拡大図であり、図5は他の実施の形態に係るクリーンブース10の平面図であって(A)はブース内の陽圧調整時、(B)はブース内の陰圧調整時を示しており、図6は更に他の実施の形態に係るクリーンブース10の平面図であって(A)はブース内の陽圧調整時、(B)はブース内の陰圧調整時を示しており、図7は図4に示したクリーンブース10において前室を形成した状態の平面図であり、図8は出入口部材60の構成例を示し(A)は要部斜視図、(B)はブース内が陽圧時の設置例、(B)はブース内が陰圧時の設置例を示している。
先ず、図1に基づいて、本実施の形態に係るクリーンブース10の構成を明らかにすると、当該クリーンブース10は、外部環境から区画された室を形成するブース本体15と、この室内又は室外への送風を行う気体移送手段(本実施の形態における送風機F)で構成されている。そしてこのブース本体15は、複数のパネル部材20を用いて形成されており、各パネル部材同士は、接着剤や粘着材、或いはネジや各種の係合構造などで接合することができ、望ましくは当該パネル同士間における気密性を高める為に、シーリング材を充填することができる。このパネル部材20は、縁部分を形成するフレーム体22と、このフレーム体22間に嵌め込まれたボード体24とからなる。このボード体24は、強度が要求されない部分、例えば天井面や壁面などを構成するパネル部材20においては、アクリル板、ポリカーボネート板、ウレタン板などの樹脂ボードを使用することができ、床などの強度が要求される部分を形成するパネル部材20にあっては、アルミ板などで形成することができる。また、フレーム体22は加工容易性、変形度合いおよび可搬性を考慮すればアルミニウムを用いて形成することが望ましいが、此れに限らず、鋼材やステンレスなどの金属材料、或いはABS樹脂、PE樹脂など各種樹脂材料を用いて形成することもできる。
そしてブース本体15における壁面を形成するパネル部材20の下端には、ウレタン樹脂、ゴム等の各種樹脂材料を用いて形成された弾性部材26が長さ方向に沿って添設されており、また当該パネル部材20の側面には、パネル部材20底面よりも下方に、詳細には弾性部材26下面よりも下方に進退自在に設けられたキャスター部材30が形成されている。
この弾性部材26は、図2に示すように、ブース本体15の側壁を形成するパネル部材20において、床面などの設置面側に存在する端面に沿って設けられており、望ましくは当該端面に接着されている。そして、パネル部材20の端面と弾性部材26との間をカバーするようにプレート部材21を設けている。かかるパネル部材20において、弾性部材26はプレート部材21よりも下方に突出するような長さに形成されており、設置時において当該弾性部材26にパネル部材20の荷重がかかった場合には、当該弾性部材26はプレート部材21の下端に面一になるように弾性偏倚する。このように弾性部材26が縮んだ状態において、このプレート部材21はパネル部材20の脚として機能することができ、このプレート部材21が設置面に載せ置かれることにより、意図しない移動などを無くすことができる。そして、設置された床面とパネル部材20の端面との間には弾性部材26が閉じ込められることから、両者間における空気の遮断を確実に行い、気密性を高めることができる。
そして上記のプレート部材21には、更に弾性部材26の下面よりも下方に進退自在に設けられたキャスター部材30を形成することができる。図3(A)は、パネル部材20の下端側の側面にキャスター部材30を設けた要部斜視拡大図である。この図に示す実施の形態では、パネル部材20の下端側には、高さ方向に進退自在としたキャスター部材30を設けている。この実施の形態において、当該キャスター部材30は、パネル部材20の下方の側面からフランジ状に延在する台座部32と、この台座部32に螺合して進退自在に設けられたシャフト部34と、当該シャフト部34の上端に設けられてシャフトを回動させる操作部36と、シャフト部34の下端に設けられたキャスター部38で構成されており、これがパネル部材20の幅方向の両端部に合計2つ設けられている。
かかるキャスター部材30は、当該パネル部材20、或いは設置した後のブース本体15を移動させる場合には、図3(B1)に示すように、キャスター部を弾性部材26よりも下方に進出させて、当該キャスター部分を床面に設置させ、弾性部材26と床面との間に間隙が生じる程度にパネル部材20を浮かせる。この状態であればキャスターの機能により、自在に移動させることができる。即ち、このキャスター部材30は、パネル部材20や設置後のブース本体15の移動手段として機能するのみならず、当該パネル部材20などを持ち上げる為のジャッキとしても機能することができる。そして当該パネル部材20や設置後のブース本体15を設置する場合には、図3(B2)に示すように、今度はキャスター部材30をプレート部材21の下端よりも上方まで後退させる。これにより、プレート部材21が設置面(床面)に接し、安定且つ確実にパネル部材20を固定することができる。
再び図1を参照して本実施の形態にかかるクリーンブース10を説明すると、ブース本体15を形成する何れかのパネル部材20には、気体移送手段としての吸気側のファン40が設けられ、また他のパネル部材20には気体移送手段としての排気側のファン50が設けられている。特に本実施の形態において、吸気側のファン40は2つの送風機Fで構成されており、また排気側のファン50も2つの送風機Fで構成されている。かかる送風機Fとしては、市販されている換気扇等を使用することができる。
そしてこのブース本体15を形成する何れかの1つ以上のパネル部材20には、当該クリーンブース10内へのアクセスを可能にする出入口部材60が設けられる。この出入口部材60は、クリーンブース10内を外部環境から気密に区画できるものであれば、引き戸でもドアでも良い。
本実施の形態に係るクリーンブース10は、上記したパネル部材20、即ち排気側ファン50が設けられたパネル部材20、排気側ファンが設けられたパネル部材20、出入口部材60が設けられたパネル部材20を含んで使用して、ブースの壁面、天井面および床面を形成している。但し、特に床面に関しては、パネル部材20を用いて形成した上に、補強の為の金属板を載せて強度を高めて形成することができる。
更に本実施の形態では、各パネル部材20を組み合わせるに際して、当該クリーンブース10の全体形状を形成する柱と梁を設けているが、これによりクリーンブース10の全体の強度を向上させることができる。
また、各パネル部材20の接合状態を図4に示す。この図に示すように、各パネル部材20の接合に際しては、その接合面にコーキング剤やシーリング剤などのシール部材70を充填し、接合するパネル部材20同士間からの気体の流通を阻止することが望ましい。
以上のように形成されたクリーンブース10は、例えば1時間あたり、30回換気するように、吸気側のファン40送風量と排気側のファン50の送風量を調整する事が望ましく、またこれら吸気側のファン40送風量と排気側のファン50の送風量を、ブース本体15の内部空間の差圧が0.5気圧程度に維持されるように制御することが望ましい。これにより、前記米国疾病管理予防センター(CDC)のガイドラインの値(結核菌を制御可能な微差圧:0.001inch water Pasca)も充足(クリア)することができる。
なお、図1に示したクリーンブース10のように、吸気側のファン40、および排気側のファン50を共に2つの送風機Fで形成した場合、各送風機Fの出力が同じであれば、室内を陽圧にするには、吸気側のファン40を構成する送風機Fを2つとも作動させ、一方で排気側のファン50を構成する送風機Fを1つ作動させる。一方、室内を陰圧にするには、排気側のファン50を構成する送風機Fを2つとも作動させ、吸気側のファン40を構成する送風機Fを1つ作動させる。即ちこの実施の形態に係るクリーンブース10は、単に送風機FのON/OFFを管理するだけで、室内を陽圧にも陰圧にも調整することができるものとなっている。
このように本発明にかかるクリーンブース10では、吸気側のファン40や排気側のファン50等の気体移送手段の性能や動作を調整することにより、空気感染対応モニタリングシステムに使用されるような微差圧モニター(ブース本体15の内部空間の差圧を正確に測定して表示し、確保されるべき圧力が崩れた際には警告を発するようなモニター)を不要とすることができ、これにより製造コストを大幅に削減できる。仮に本発明にかかるクリーンブース10でも内部空間伸び差圧をモニタリングする場合でも、気体移送手段の性能や動作の調整により、フィードバック制御の為に、内部空間の差圧を定期的又は不定期に確認すればよい。
次に図5を参照しながら、他の実施の形態に係るクリーンブース10を示す。この実施の形態に示すクリーンブース10は、吸気側ファン40および排気側ファン50を構成する送風機Fのうち、少なくとも何れかのファンを複数の送風機Fで形成した態様を示しており、特に図面に示す実施の形態では、吸気側のファン40を2つの送風機Fで構成し、排気側のファン50を1つの送風機Fで構成している。このとき排気側のファン50を構成する1つの送風機Fの出力Xは、吸気側のファン40を構成する2つの送風機Fの内の何れかの送風機Fの出力Z又はYよりも大きく、かつ吸気側のファン40を構成する2つの送風機Fを合計した出力(Y+Z)よりも小さくなるように調整される。
この様に構成されたクリーンブース10で、室内を陽圧にする場合には、吸気側のファン40を構成する2つの送風機F、および排気側ファンを構成する送風機Fを動作させる。一方、陰圧にする場合には、吸気側のファン40を構成する2つの送風機Fの内、排気側ファン50よりも出力の小さい送風機Fを作動させ、および排気側ファン50を構成する送風機Fを動作させる。そして高性能フィルター80として使用されるHEPAフィルターは、クリーンブース室内を陽圧にする場合には、当該室内に吸気される気体が通過する位置に設置され、一方クリーンブース室内を陰圧にする場合には、当該室内から排気される気体が通過する位置に設置される。
この実施の形態に係るクリーンブース10も、室内圧の調整は単に送風機FのON/OFFを管理するだけで実施することができる。
次に図6を参照しながら、更に他の実施の形態に係るクリーンブース10を示す。この実施の形態に示すクリーンブース10は、排気側ファン50および排気側ファンの他、任意に着脱可能であって、吸気側および排気側のファン50として機能させることのできる第3の送風機Fを設置している。このとき排気側のファン50を構成する送風機Fの出力Xと第3の送風機Fの出力Zの合計は、吸気側のファン40を構成する送風機Fの出力Yよりも大きく、かつ吸気側のファン40を構成する送風機Fの出力Yと第3の送風機Fの出力Zの合計は、排気側のファン50を構成する送風機Fの出力Xよりも大きくなるように調整される。
そしてクリーンブース10の室内を陽圧にする場合には、第3の送風機Fを吸気側のファン40として使用し、一方で陰圧とする場合には、この第3の送風機Fを逆向きに設置して排気側のファン50として使用する。この様に形成することにより、何れかの送風機Fの向きを調整するだけで、ブース内を陽圧にも陰圧にも調整することができる。
そして図7は、特に図6に示したクリーンブース10において、更に室内にアクセスする前に通過する前室を設けた例を示している。この図において(A)はブース内が陽圧に調整されており、よって前室も陽圧に調整した例を示している。また(B)はブース内が陰圧に調整されており、よって前室も陰圧に調整した例を示している。特に、ブース内にアクセスするための出入口手段としてドアが使用されている場合には、その室内圧の変化を減じるために前室を設けるのが望ましい。
図8は、出入口手段として使用することのできるスライドドア(出入口部材60)の構成を示している。特に図8(A)はスライドドアの移動状態を示す斜視図であり、この図に示すように、当該スライドドアは開いた状態において隣のパネル部材20に対向するように設けることができる。特にこのスライドドアは、図8(B)および(C)に示すように、横方向にスライドした後、当該ドアの厚さ方向に移動して、パネル部材20に設けられた出入口を構成する桟に押し当てられて、桟とドアとの間における気密性を確保するように形成する事が望ましい。よって、この実施形態に係るスライドドアを受容するパネル部材20には、スライドドアが気圧の高い側から押し付けられたときに、当該スライドドアを支持するフランジが設けられることが望ましい。なお、当然のことながら、当該フランジ部分には、気密性を確保する為のゴム等を用いて形成されたシール部材が設けられて気密性を確保することが望ましい。
本発明に係るクリーンブースは、医療用において簡易な隔離室を形成する為のみならず、工業用途、例えば精密部品の製造の為のブースとしても使用することができる。
更に、パネル部材を用いて簡易に設置することができ、また送風機のON/OFF管理、或いはファンを設置するときの送風方向を調整するだけであり、管理がきわめて容易であることから、一般家庭を含む施設内で使用することもできる。
10 クリーンブース
15 ブース本体
20 パネル部材
21 プレート部材
22 フレーム体
24 ボード体
26 弾性部材
30 キャスター部材
32 台座部
34 シャフト部
36 操作部
38 キャスター部
40 吸気側ファン
50 排気側ファン
60 出入口部材
80 高性能フィルター
F 送風機

Claims (7)

  1. 少なくとも複数のパネル部材を連結して形成され、内部空間を区画するブース本体と、
    当該ブース本体で区画された内部空間への気体移送および内部空間からの気体移送の少なくとも何れかを行う1または2つ以上の気体移送手段と、
    ブース本体における壁面の設置面側の底部に設けられ、設置したブース本体の底面における気密性を確保する弾性部材とからなることを特徴とするクリーンブース。
  2. 前記弾性部材は、ブース本体における壁面を構成するパネル部材単位で分割されており、それぞれのパネル部材に設けられている、請求項1に記載のクリーンブース。
  3. 更に、ブース本体における壁面の設置面側よりに設けられ、前記弾性部材よりも下に進退自在に設けられたキャスター部材を備える、請求項1又は2に記載のクリーンブース。
  4. 前記気体移送手段は、ブース本体内の内部空間に対する気体の移送方向が相互に逆向きとなっている第一ファン及び第二ファンであり、
    当該第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかには、移送する気体を清浄する高性能フィルターが設けられており、
    前記第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかは1又は2以上の送風機で構成されており、
    第一ファン及び第二ファンの少なくとも何れかを構成する送風機全体の送風量は他方のファンの送風量を超えている、請求項1〜3の何れか一向に記載のクリーンブース。
  5. 換気扇を逆向きにする
    前記第一ファン及び第二ファンを構成する送風機の少なくとも何れかは、ブース本体内に送風する向き及びブース本体外に送風する向きに、着脱自在にブース本体に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のクリーンブース。
  6. 前記第一ファン及び第二ファンの何れかはインバータ制御により、その送風量が調整されており、
    当該インバータ制御により送風量が制御されるファンの送風量は、他方のファンの送風量よりも少ない範囲から当該送風量を超える範囲まで調整可能である請求項4又は5に記載のクリーンブース。
  7. 前記ブース本体は、フレーム体と当該フレーム体間に嵌め込まれたボード体とからなるパネル部材と、少なくとも1つ以上の出入口部材とで構成されており、
    隣接するパネル部材の間、およびパネル部材と出入口部材との間にはコーキング、テープその他の気密性確保部材が設けられている請求項1〜6の何れか一項に記載のクリーンブース
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