JP6914385B1 - 陰陽圧エリアユニットおよび陰陽圧エリアユニットの配置構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなクリーンブースの一例として、特許文献1に記載のものが知られている。このクリーンブースは、上面を覆う天板と、天板の中央近傍に配設したファンフィルタユニットと、このファンフィルタユニットから供給される清浄空気をブース内に吹き出す吹出口とを備えている。
一方、最近の新型コロナウイルスや新型インフルエンザウイルスの感染拡大を抑制するために、病院、ホテル、体育館等の屋内施設に設置することで、いわゆるレッドゾーンとグリーンゾーンとを明確に区分けすると同時に、ウイルスの拡散抑制および医療従事者等の保護を行えるユニットの開発が望まれている。
内部に前記陰圧エリアおよび前記陽圧エリアが隣接配置される骨組ユニットと、
前記骨組ユニットにその上面および側面を覆うようにして設けられる被覆シートと、
前記骨組ユニットに前記陰圧エリアと前記陽圧エリアとを仕切るようにして設けられる仕切シートと、
前記陰圧エリアと前記陽圧エリアとの双方に少なくとも一部が露出するように、前記仕切シートに対して位置決めされて設置される自立型クリーンユニットとを備え、
前記自立型クリーンユニットは、前記陰圧エリアの空気を吸引し、当該空気に含まれている異物を除去したうえで、前記陽圧エリアに吹出すことを特徴とする。
また、自立型クリーンユニットは、骨組ユニットが設置される床面に設置されて自立可能なものであればよく、さらに、自立型クリーンユニットの下部にキャスタ等を取り付けて移動可能としてもよい。
前記陰圧エリアに開口する吸込口および前記陽圧エリアに開口する吹出口を有するユニット本体と、
前記ユニット本体の内部に前記吹出口に対向して設けられた送風機と、
前記ユニット本体の内部に前記吸込口に対向して設けられたフィルタとを備え、
前記送風機は、前記陰圧エリアの空気を前記吸込口を通して吸い込むとともに前記フィルタを通過させたうえで、前記吹出口から吹き出すことを特徴とする。
(第1の実施形態)
図1〜図3は、第1の実施形態に係る陰陽圧エリアユニット10を施設の廊下等に設置した状態を示すもので、図1は横断面図、図2は側断面図、図3は平断面図である。
ジョイント部材11bは複数種類あり、2本の骨組材11aを一直線状に接続するもの、骨組ユニット11のコーナ部において3本の骨組材11aを互いに直角に接続するもの、骨組ユニット11の側面上部において4本の骨組材11aを互いに直角に接続するもの、骨組ユニット11の上面中央部において5本の骨組材11aを互いに直角に接続するもの等がある。また、ジョイント部材11bは合成樹脂製またはアルミ等の金属製のものであり、骨組材11aの端部が挿入される継手パイプを有している。なお、ジョイント部材11bの形状等は上述したものに限ることなく、骨組材11aを接続する形態に応じて適宜形状等が設定される。
また、骨組ユニット11の側面側では、図2に示すように、複数の骨組材11aを側面視において略コ字形に組み立てるとともに、このコ字形枠の内側に2本の骨組材11aを所定間隔離間させて立てた状態で組み立て、骨組材11aどうしをジョイント部材11bによって接続する。なお、立てた状態の骨組材11aの下端部には設置部材11cが固定され、この設置部材11cが床面に設置されている。
また、両側面および両側端面を覆う被覆シート12の下端は、床面に接した状態となっていてもよいし、床面から若干上方に離れていてもよい。被覆シート12の下端が床面から上方に離れて、隙間が形成されても、陽圧エリアPpは外部に対して陽圧となっているので、外部から隙間を通して異物が侵入するのを抑制できる。また、陰圧エリアNpは外部に対して陰圧となっているので、陰圧エリアNpに封じ込めた異物が隙間を通して外部への飛散するのを抑制できる。
骨組ユニット11の両側端面を覆う被覆シート12を人が出入り可能に構成しても、陽圧エリアPpは外部に対して陽圧となっているので、側端面側の被覆シート12の扉や隙間を通して異物が侵入するのを抑制できる。また、陰圧エリアNpは外部に対して陰圧となっているので、陰圧エリアNpに封じ込めた異物が扉や隙間を通して外部への飛散するのを抑制できる。
また、仕切シート13の下端は、床面に接した状態となっていてもよいし、床面から若干上方に離れていてもよい。仕切シート13がこのようになっていても、陽圧エリアPpと陰圧エリアNpとの差圧によって、空気は陽圧エリアPpから陰圧エリアNpに向けて流れるので、陰圧エリアNpに封じ込めた異物が陽圧エリアPpに侵入するのを抑制できる。
また、仕切シート13の上端は、骨組ユニット11の上面を覆っている被覆シート12に溶着や接着等によって接合してもよいし、当該被覆シート12に接した状態であってもよい。
この係止クリップは略C形の開環リング状に形成され、骨組材11aに弾性的に着脱可能かつ係止可能となっている。したがって、被覆シート12および仕切シート13をそれぞれ骨組材11aに接するように沿わせたうえで、被覆シート12および仕切シート13のうえから骨組材11aに係止クリップを係止することで、被覆シート12および仕切シート13を骨組材11aに固定できる。このような係止クリップは、骨組材11aの長手方向に沿って所定間隔で複数配置されたうえで、被覆シート12および仕切シート13を骨組材11aの所定の位置に固定する。
すなわち、自立型クリーンユニット20は、図1に示すように、仕切シート13に対して、当該仕切シート13より陰圧エリアNpに配置されている。逆に言うと、仕切シート13は、自立型クリーンユニット20より陽圧エリアPpに配置されている。
したがって、自立型クリーンユニット20は、陰圧エリア側を向く面が全て陰圧エリアNpに露出し、陽圧エリア側を向く面は仕切シート13に覆われている。しかし、この仕切シート13の下端部には矩形状の開口13aが設けられている。このため、自立型クリーンユニット20は、陽圧エリア側を向く面の下端部が開口13aを通して陽圧エリアPpに露出している。
また、自立型クリーンユニット20は、図2および図3に示すように、骨組ユニット11の内部にその長手方向に沿って所定間隔で4つ設けられている。
ユニット本体21は内部が中空の矩形のパネル状に形成され、図4において、一方の面(図4において左面)の上部に吸込口21aを有している。吸込口21aは矩形状に形成され、当該吸込口21aには多数の小貫通孔を有する吸込板24(図5参照)が嵌め込まれている。また、ユニット本体21は、他方の面(図4において右面)の下部に吹出口21bを有している。吹出口21bは矩形状に形成され、当該吹出口21bには、多数の小貫通孔を有する吹出板25(図2および図5参照)が嵌め込まれている。吹出口21bは吸込口21aより長辺および短辺が短くなっており、吹出板25は吸込板24より長辺および短辺が短くなっている。
また、ユニット本体21は、支持台26によって直立状態に支持されている。支持台26はユニット本体21の厚さ方向(図4において左右方向)に延びる板状に形成され、その長手方向の両端部にはそれぞれキャスタ27,27が取り付けられている。なお、一方のキャスタ27はストッパ機能付きである。
また、支持台26はユニット本体21の幅方向(図5において左右方向)の両側部下端にそれぞれ取り付けられている。
そして、送風機22は、羽根22bをモータ22aによって回転させることによって、外部の空気を吸込口21aを通して吸い込むとともにフィルタ23を通過させたうえで、吹出口21bから吹き出す。この際、空気に含まれたいた比較的粒径の大きい塵等は主にプレフィルタ23aによって捕捉されて除去され、菌やウイルス等の微細なものはメインフィルタ23bによって捕捉されて除去される。
吸込口21aを有する面は仕切シート13によって覆われていないため、吸込口21aは陰圧エリアNpに露出している。
吹出口21bを有する面は仕切シート13によって覆われているが、当該仕切シート13の下部には矩形状の開口13aが設けられているため、この開口13aを通して吹出口21bは陽圧エリアPpに露出する。
したがって、送風機22を作動させることによって、陰圧エリアNpの空気を吸込口21aを通して吸い込むとともにフィルタ23を通過させて、当該フィルタ23によって空気に含まれているウイルスや塵等異物を除去したうえで、吹出口21bから吹き出すことができる。
図6は、第2の実施形態に係る陰陽圧エリアユニット10Aを病院内に設置した状態を示す平断面図である。
本実施形態に係る陰陽圧エリアユニット10Aが第1の実施形態に係る陰陽圧エリアユニット10と異なる点は、自立型クリーンユニット20の個数および陰圧エリアNpの長さであるので、以下ではこの点および各室の配置状態について説明し、同一構成は同一符号を付してその説明を省略する場合もある。
また、本実施形態では、自立型クリーンユニット20を、陰陽圧エリアユニット10Aの外部にも適宜設置することによって、各室の陰圧のレベルを調整している。
また、自立型クリーンユニット20は、陰圧エリアNpの空気を吸引し、フィルタ23によって空気に含まれているウイルスや塵等の異物を除去したうえで、陽圧エリアPpに吹出すものであり、陰圧エリアNpと陽圧エリアPpとの双方に少なくとも一部が露出するように、仕切シート13に対して位置決めされて床面に3台、廊下(陰圧廊下Npおよび陽圧廊下Pp)の長手方向に所定間隔で設置されている。
陰圧廊下Npには、一次待合室31、感染者待合室32,33,34が陰圧廊下Npの一端部から他端部側に向けて順に互いに隣接しつつ陰圧廊下Npの長手方向に沿って並設されている。また、一次待合室31、感染者待合室32,33,34は陰圧廊下Npに隣接配置され、陰圧廊下Npと一次待合室31、感染者待合室32,33,34との境界部にはそれぞれ出入口が設けられている。また、感染者待合室34には診察室35が隣接配置されており、当該診察室35には陰圧廊下Npの他端部に設けられた出入口から出入り可能となっている。
すなわち、一次待合室31は、複数の骨組材11aをジョイント部材11bによって接続することによって、直方体形状に形成され、感染者待合室32は、複数の骨組材11aをジョイント部材11bによって接続することによって、直方体形状にかつ平面視において一般待合室より小さく形成され、感染者待合室33,34も複数の骨組材11aをジョイント部材11bによって接続することによって、立方体形状にかつ感染者待合室32と同じ大きさに形成されている。但し、互いに隣接する感染者待合室33,34の境界部には骨組材11aは配置されておらず、その代わり、透明の塩化ビールシートによって形成された仕切シート13が設けられている。
また、互いに隣接する一次待合室31と感染者待合室32との境界部には骨組材11aおよび仕切シート13が設けられ、互いに隣接する感染者待合室32,33の境界部にも骨組材11aおよび仕切シート13が設けられている。さらに、互いに隣接する感染者待合室34と診察室35との境界部にも骨組材11aおよび仕切シート13が設けられている。また、各室31〜35と外部との境界部には骨組材11aおよび被覆シート12が設けられている。なお、被覆シート12は各室31〜35の上面にも設けられている。
さらに、各室31〜35と陰圧廊下Npとを仕切り仕切シート13には、それぞれ出入口が設けられている。
これら自立型クリーンユニット20および陰陽圧エリアユニット10Aに設けられた自立型クリーンユニット20の出力を制御することによって、陰圧廊下Np、一次待合室31、感染者待合室32,33,34および診察室35の内圧が以下のように設定されている。
すなわち、陰圧を示す指標を陰圧度が高いものから順に「−1」、「−2」、「−3」とすると、陰圧廊下Npは「−2」、一次待合室31は「−1」、感染者待合室32,33,34は「−3」、診察室は「−1」に設定されている。なお、陽圧廊下Ppは「+2」に設定されている。
また、一次待合室31より陰圧廊下Npの方が低圧となっているので、陰圧廊下Npから一次待合室31に空気が流出しない。このため、陰圧廊下Npから一次待合室31にウイルス等の異物が空気の流れによって流入することがなく、一次待合室31内でウイルス等の異物の濃度が高まるのを抑制できるとともに、外部への異物の流出を防止できる。
また、診察室35には、自立型クリーンユニット20が複数台設置され、当該自立型クリーンユニット20の吹出口の前方に、医者と患者がこの順で配置されように、医者の椅子や看者の椅子が配置されるので、自立型クリーンユニット20から吹き出される清浄空気は医者から看者に向けて流れ、この清浄空気はその背後にある自立型クリーンユニット20に吸い込まれて、ウイルス等の異物が除去されたうえで外部に吹出される。このため、看者がウイルス等に汚染されていても、当該ウイルスの医者への感染を抑制できる。
Pp 陽圧エリア
10,10A 陰陽圧エリアユニット
11,11A 骨組ユニット
11a 骨組材
12 被覆シート
13 仕切シート
20 自立型クリーンユニット
21 ユニット本体
21a 吸込口
21b 吹出口
22 送風機
23 フィルタ
Claims (3)
- 陰圧エリアと陽圧エリアとを備えた陰陽圧エリアユニットであって、
内部に前記陰圧エリアおよび前記陽圧エリアが隣接配置される骨組ユニットと、
前記骨組ユニットにその上面および側面を覆うようにして設けられる被覆シートと、
前記骨組ユニットに前記陰圧エリアと前記陽圧エリアとを仕切るようにして設けられる仕切シートと、
前記陰圧エリアと前記陽圧エリアとの双方に少なくとも一部が露出するように、前記仕切シートに対して位置決めされて設置される自立型クリーンユニットとを備え、
前記骨組ユニットは、複数の骨組材を組み立てることによって形成され、
前記仕切シートは、前記陰圧エリアと前記陽圧エリアの境界部に位置する前記骨組材より陽圧エリア側に配置され、
前記自立型クリーンユニットは、前記陰圧エリアの空気を吸引し、当該空気に含まれている異物を除去したうえで、前記陽圧エリアに吹出すことを特徴とする陰陽圧エリアユニット。 - 陰圧エリアと陽圧エリアとを備えた陰陽圧エリアユニットであって、
内部に前記陰圧エリアおよび前記陽圧エリアが隣接配置される骨組ユニットと、
前記骨組ユニットにその上面および側面を覆うようにして設けられる被覆シートと、
前記骨組ユニットに前記陰圧エリアと前記陽圧エリアとを仕切るようにして設けられる仕切シートと、
前記陰圧エリアと前記陽圧エリアとの双方に少なくとも一部が露出するように、前記仕切シートに対して位置決めされて設置される自立型クリーンユニットとを備え、
前記自立型クリーンユニットは、前記陰圧エリアの空気を吸引し、当該空気に含まれている異物を除去したうえで、前記陽圧エリアに吹出し、
前記自立型クリーンユニットは、
前記陰圧エリアに開口する吸込口および前記陽圧エリアに開口する吹出口を有するユニット本体と、
前記ユニット本体の内部に前記吹出口に対向して設けられた送風機と、
前記ユニット本体の内部に前記吸込口に対向して設けられたフィルタとを備え、
前記送風機は、前記陰圧エリアの空気を前記吸込口を通して吸い込むとともに前記フィルタを通過させたうえで、前記吹出口から吹き出し、
前記自立型クリーンユニットが前記仕切シートより陰圧エリア側に配置されることで、前記自立型クリーンユニットの陰圧エリア側を向く面が全て前記陰圧エリアに露出し、
前記仕切シートの下端部に開口が前記吹出口に対向して設けられ、
前記自立型クリーンユニットの陽圧エリア側を向く面の下端部が前記開口を通して前記陽圧エリアに露出していることを特徴とする陰圧陽圧エリアユニット。 - 請求項1または2に記載の陰陽圧エリアユニットを病院内に配置した陰陽圧エリアユニットの配置構造であって、
前記陰陽圧エリアユニットは、前記病院内の一部を陰圧廊下と陽圧廊下とに区画しており、
前記陰圧廊下が前記陰陽圧エリアユニットの陰圧エリアで構成され、前記陽圧廊下が前記陰陽圧エリアユニットの陽圧エリアで構成されていることを特徴とする陰陽圧エリアユニットの配置構造。
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