JP2011231524A - 仮締切り方法、仮締切り構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】水域に対する仮締切りを容易に行うことができる仮締切り方法等を提供する。
【解決手段】側壁部2および底部4により構成され接合面が開放される、内部が少なくとも浮体部100、400、流入部200、注水部300に区画された仮締切り構造体1を、側壁部2を横方向にして水面に浮いた状態から、注水部300に注水し、流入部200に水を流入させることによって、底部4より水中に沈降させ、側壁部2を縦方向にして水面に浮いた状態とする。そして、仮締切り構造体1を、ダム堤体3の側面3aに、接合面に形成される側壁部2および底部4の端面が沿うように配置する。その後、仮締切り構造体1とダム堤体3の側面3aで囲まれる空間を排水する。
【選択図】図8

Description

本発明は仮締切り方法、仮締切り構造体に関する。より詳しくは、水中の対象物に仮締切り構造体を配置して水域に対する仮締切りを行う仮締切り方法、およびこれに用いる仮締切り構造体に関する。
ダム等では、例えば洪水調節容量の確保や発電量の増大のために、既設の放流管に加えて新たに放流管を設ける場合がある。放流管は、ダム外部とダム湖を貫通するように設けられ、ダム湖側での作業が必要となる。
放流管の新設は、ダム湖の低水位時に行われる場合もあるが、工期が限定されるなどの問題がある。そのため、放流管の新設時には、放流管の施工作業を行う空間をダム湖の水域と隔てるための仮締切り設備をダム堤体に設け、当該空間内で作業を行う手法がとられる場合がある。
例えば、基礎地盤に水中コンクリートを打設し、打設した水中コンクリート上に仮締切り用の隔壁を下部から順次組み立ててゆき、隔壁内部を排水して作業空間を形成する。
また、特許文献1には、工場で製造した仮締切り用の構造体をダム湖の設置現場まで曳航し、構造体の内部に注水を行い、略垂直状態としたあとダム堤体の壁面に取り付け、当該構造体の内側を排水し作業空間とする方法が記載されている。
特開2008−95330号公報
しかしながら、例えば隔壁を下から順次組み立ててゆく方法では、ダム堤体にクレーンを取り付けて隔壁の設置、撤去を行うなど作業が大掛かりとなり、また水中コンクリートの打設の際のダイバー作業、水中コンクリートの品質確保など、作業が困難になる等の問題があった。
特許文献1の方法は、これらの問題を軽減することができるが、仮締切り用の構造体を略垂直状態とするためには構造体の内部に多量の注水を行うなどの必要がある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、水域に対する仮締切りを容易に行うことができる仮締切り方法等を提供することを目的とする。
前述の目的を達するための第1の発明は、側壁部および底部により構成され一部の側面が開放され、内部が、少なくとも、流路を介して注水可能な第1の空間と、少なくとも一部で前記側壁部に開口部が形成された第2の空間と、密閉された空間である第3の空間と、に区画された仮締切り構造体を、前記側壁部を横方向にして水面に浮いた状態から、前記第1の空間に注水し、前記第2の空間に水を流入させることによって、前記底部より水中に沈降させ前記側壁部を縦方向にして水面に浮いた状態とする工程(a)と、前記仮締切り構造体を、少なくとも一部が水面下にある対象物の側面に、開放された前記側面に形成される前記側壁部および前記底部の端面が沿うように配置する工程(b)と、前記仮締切り構造体と前記対象物の側面で囲まれる空間を排水する工程(c)と、を具備することを特徴とする仮締切り方法である。
また、前記工程(b)において、前記側壁部の上部に設けた引寄せ材により前記仮締切り構造体を前記対象物の側面に引寄せて圧着させることが望ましい。
前記仮締切り構造体において、前記側壁部および底部の端面には止水突起部が連続するように設けられるとともに、前記仮締切り構造体で前記止水突起部の外側にはシート状の止水スカート部が連続するように設けられ、前記工程(c)において、前記止水突起部が、前記対象物の側面の形状、および前記端面と前記対象物の側面との距離に合わせて変形しつつ前記対象物の側面に接しているとともに、前記止水スカート部が、前記対象物の側面に接していることも望ましい。
また、前記工程(c)において、前記側壁部に設けられた折曲り部で前記側壁部が折曲ることにより、前記仮締切り構造体が前記対象物の側面の鉛直方向の形状に沿って配置されていることも望ましい。
前述した目的を達するための第2の発明は、側壁部および底部により構成され一部の側面が開放され、内部が、少なくとも、流路を介して注水可能な第1の空間と、少なくとも一部で前記側壁部に開口部が形成された第2の空間と、密閉された空間である第3の空間と、に区画されることを特徴とすることを特徴とする仮締切り構造体である。
また、前記仮締切り構造体を対象物に引寄せるための引寄せ材が、前記側壁部の上部に設けられることが望ましい。
加えて、開放された前記側面に形成される前記側壁部および前記底部の端面には、変形可能な止水突起部が連続するように設けられ、前記止水突起部の外側には、シート状の止水スカート部が連続するように設けられることも望ましい。
さらに、前記側壁部に折曲り部が設けられ、前記側壁部が前記折曲り部で折曲ることにより前記仮締切り構造体の鉛直方向の形状が変化することも望ましい。
上記の構成により、予め製作した仮締切り構造体をダム堤体等の水中の対象物に配置し仮締切りを行うので、水中コンクリートの施工やクレーン等の設置の必要が無く、ダイバー作業を減少させるなど、工事を簡略化することが可能になる。そして、仮締切り構造体を横方向に寝かせた状態から縦方向に立ち上がった状態とする際に、第1の空間に注水しつつ第2の空間に水を流入させるので、少ない注水量で容易にこれを行うことができる。また、仮締切り構造体をダム堤体等に取り付ける際に、側壁部の上部に設けた引寄せ材を用いて引寄せて圧着することにより、水圧による接合時に上部における水圧の低さを補うことができる。また、仮締切り構造体の端面に設けた変形可能な止水突起部が、ダム堤体等の側面の形状と、ダム堤体等と仮締切り構造体との距離に応じて変形するとともに、止水突起部の外側に設けた止水スカート部が、ダム堤体等の側面に接するので、仮締切り構造体とダム堤体等とで囲まれる空間に水が流入することが防がれる。また、側壁部に折曲り部を設け、側壁部をダム堤体等の側面の鉛直方向の形状に沿って鉛直方向に変形させつつ配置することができ、ダム堤体等と仮締切り構造体の密着性をより高めることができる。
本発明により、水域に対する仮締切りを容易に行うことができる仮締切り方法等を提供することができる。
ダム堤体3に仮締切り構造体1を設置した状態を示す図 仮締切り構造体1を示す図 側壁部2および底部4の接合面を示す図 側壁部2および底部4の構成を示す図 側壁部2および底部4の構成を示す図 仮締切り方法の流れを示す図 仮締切り方法の流れを示す図 仮締切り構造体1の状態を示す図 止水突起部11等の状態を示す図 側壁部2の例を示す図
以下図面を参照しながら、本発明の仮締切り方法等の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の仮締切り方法により、ダム堤体3に仮締切り構造体1を配置し、仮締切り構造体1とダム堤体3で囲まれた空間10の水域に対する仮締切りを行った状態を示す図である。
仮締切り構造体1は、上端部が水面7の上に突出するようにダム堤体3のダム湖5側の側面3aに沿って配置され、仮締切り構造体1とダム堤体3とで囲まれる空間10が水域と隔てられ気中状態となっている。そして当該空間10にて水圧管路9の施工作業が行われ、ダム堤体3に水圧管路9が設けられる。水圧管路9のダム湖5側の開口部には、蓋体8が設けられる。
次に、仮締切り構造体1の構成について、図2から図5を用いて説明する。
図2は、仮締切り構造体1を示す図で、図2(a)は仮締切り構造体1の平面を示す図、図2(b)は仮締切り構造体1を図2(a)の方向Aからみた側面を示す図、図2(c)は仮締切り構造体1の図2(a)の線B−B’による垂直方向断面を示す図である。
図に示すように、仮締切り構造体1は平面が半円形の底部4と、底部4の平面の円周部に沿って形成される側壁部2を有し、図2(b)で示す、底部4の平面の直線部分に対応する側面が開放された構造体である。当該側面は、図1に示す仮締切り構造体1による仮締切り時に、仮締切り構造体1がダム堤体3の側面3aと接合する面であり、以降接合面と称する。なお、仮締切り構造体1の形状はこれに限ることはない。例えば、底部4の平面を矩形状のものとし、その三辺に側壁部2を設け、残りの一辺に対応する側面を開放したものであってもよい。
仮締切り構造体1は、図2(c)に示すように、側壁部2および底部4の内部が、高さ方向に上から順に浮体部100、流入部200、注水部300、浮体部400にそれぞれ区画され他と隔てられる。詳細は後述するが、浮体部100、400(第3の空間)は密閉された空間である。流入部200(第2の空間)では側壁部2の内側鋼板の少なくとも一部に開口部が設けられ、側壁部2の外部と通じている。注水部300(第1の空間)は流路を介して側壁部2の上端部で側壁部2の外部と通じている。
図3は、仮締切り構造体1の接合面の詳細を示した図である。
図に示すように、仮締切り構造体1の接合面に形成される側壁部2および底部4の端面においては、止水突起部11が、外側(11a)および内側(11b)で、側壁部2および底部4の端面に沿って連続するように設けられている。止水突起部11は例えばゴムで形成される錐台状の部材である。
なお、止水突起部11はこれに限らず、例えばゴムによるシート状の部材を伸縮自在な部材で突起高さ方向に押し上げた状態としたものであってもよい。
側壁部2および底部4の端面において、止水突起部11(11a、11b)の間には、突出部12が形成される。突出部12は、例えば鋼板で形成される外殻の内部にモルタル等を充填して形成されるが、これに限ることはない。
仮締切り構造体1の止水突起部11の外側では、側壁部2および底部4の端部の外側面に、側壁部2および底部4に沿ってスカート状に連続するように、止水スカート部15が取り付けられる。止水スカート部15は、例えばゴムによるシート状の部材である。
また、側壁部2の端部においては、その上部にジャッキ16が内蔵される。ジャッキ16は、後述する仮締切り構造体1の配置の際に側壁部2の端面から引き出して、仮締切り構造体1とダム堤体3の側面3aを引寄せて圧着するために用いられる引寄せ材である。なお、図3では側壁部2の両端部で略同じ高さに設けるジャッキ16の2組計4つを示しているが、ジャッキ16を設ける数や位置は、目的に応じて適宜定めることができる。また、ジャッキ16の代わりにジャッキ取付部を設け、仮締切り構造体1の配置の際にジャッキ16を仮締切り構造体1のジャッキ取付部に取付けることなどもできる。
次に、側壁部2および底部4の構成について、図4、5を用いて説明する。
図4、図5はそれぞれ側壁部2および底部4の構成について示す図である。図4(a)は、図2(a)の線B−B’による仮締切り構造体1の垂直方向断面の詳細を示す図である。図4(b)は内側鋼板21bの一部を示す図であり、図4(a)の方向Eで示す接合面の方向からみた図である。図5(a)は仮締切り構造体1の図2(c)の線C−C’による水平方向断面を示す図、図5(b)は仮締切り構造体1の図2(c)の線D−D’による水平方向断面を示す図である。
図4、5に示すように、側壁部2および底部4は、垂直方向の鋼板21、29、水平方向の鋼板23を溶接等により接続し組み合わせることにより構成される。鋼板21は平面の円周方向に沿って配置され、鋼板29は平面の径方向に沿って配置される。なお、側壁部2の外側と内側には、垂直方向の鋼板21である外側鋼板21aと内側鋼板21bがそれぞれ設けられている。側壁部2の内部では、外側鋼板21a、内側鋼板21bに沿って鉛直方向にH型鋼等の鉛直方向部材25が設けられている。
仮締切り構造体1は、後述する、ダム堤体3の側面3aに沿って仮締切り構造体1を配置して空間10を排水した際生じる周囲の水圧や、仮締切り構造体1の自重や浮力等に伴う鉛直方向荷重を考慮して設計するとよい。例えば側壁部2は、周囲の水圧により生じる円周方向の応力を考慮し、これに耐えうるように設計するとよい。
そして、前述したように、側壁部2および底部4の内部は、高さ方向に浮体部100、流入部200、注水部300、浮体部400にそれぞれ区画されている。
側壁部2の内部には、管体24が設けられる。管体24は側壁部2の上端部に設けた開口から、鉛直方向に向かって配置され、下端部が注水部300に達するように設けられる。後述する仮締切り構造体1の立ち上がり時には、管体24を介して注水部300にバラスト水の注水を行う。
また、側壁部2で流入部200に対応する位置の内側鋼板21bには、図4(b)に示すように、開口部27が設けられる。開口部27を設けることにより、後述する仮締切り構造体1の立ち上がり時に、側壁部2の流入部200にダム湖5の水を流入させる。なお、流入部200は、仮締切り構造体1の立ち上がり時に周囲の水が流入するように設ければよく、開口部27の形状等これに限ることはない。ただし、開口部27は、内側鋼板21bに設けることが望ましい。これは、外側鋼板21aに開口部27を設けた場合には、空間10の排水時に、水が流入部200に流入しているために、水圧により内側鋼板21bに大きな力がかかるためである。例えば内側鋼板21bの溶接は仮締切り構造体1の内側(空間10側)より行うことが想定されるが、このような溶接箇所には上記の水圧により大きな引張力が働きやすく、破断等の原因となる可能性がある。なお、浮体部100、400は、密閉された空間である。
続いて、図6、7を用いて、仮締切り構造体1による仮締切り方法について説明する。
図6(a)に示すように、仮締切り構造体1は地上で製作される。地上で製作した仮締切り構造体1は、斜面41に設けたレール等によりダム湖5へ進水させる。
図6(b)に示すように、ダム湖5においては、タグボート43等により、仮締切り構造体1を、側壁部2が横方向に配置されるように寝かせた状態で水面7に浮かせつつ曳航する。
ダム湖5で十分な水深を有する位置まで曳航すると、管体24を介して、側壁部2の注水部300にバラスト水の注水を行う。すると、仮締切り構造体1の注水部300の重量が上昇し、浮力との釣り合い状態を保ちつつ、仮締切り構造体1が底部4から沈み出す。底部4から沈み出した仮締切り構造体1の流入部200には開口部27を介してダム湖5の水が流れ込み、図6(c)に示すように、仮締切り構造体1は側壁部2を縦方向にして立ち上がり、浮力との釣り合いをとりつつ水面に浮いた状態で安定するようになる。注水部300への注水量を定めることで、仮締切り構造体1の、立ち上がった状態での水面7からの沈み量を定めることができる。
この状態を説明する図が図8である。側壁部2において、浮体部100、400は鋼板により囲まれて水域と隔てられている状態で、それぞれの内部は気体44、48であり、浮体として機能する。流入部200には、開口部27を介してダム湖5の水45が流入している状態である。注水部300は鋼板により囲まれて水域と隔てられている状態であり、内部には所定量のバラスト水47が注入されている。バラスト水47の上方の、注水部300の残りの空間には気体46が存在する。
浮体部100、400、流入部200、注水部300を区画する位置は、仮締切り構造体1を安定して曳航させる、あるいは立ち上がった状態で安定させる等の目的に応じて適宜定めてよい。例えば本実施形態では底部4の内部を浮体部400としているが、底部4を注水部300として注水を行うことも可能で、底部4に達するように前述の管体24を設けるとよい。また、注水部300をはじめ、これらの空間はさらに細かく区画されていてもよい。注水部300をさらに細かく区画する場合には、区画された各空間に達するように前述の管体24をそれぞれ設けるとよい。
図6(c)に示す状態からは、図7(d)に示すようにウィンチ47を使用しつつワイヤ49、タグボート43等によりダム堤体3のダム湖5側の側面3aへと仮締切り構造体1を近づける。なお、この前に側面3aについては不陸の測量や整形、仮締切り構造体1の位置決めのための誘導ガイドの設置などを行っておく。また仮締切り構造体1についても、ジャッキ16の引き出し、ウィンチ47用のアンカーの設置など行っておく。
そして、図7(e)に示すように、仮締切り構造体1のジャッキ16の端部をダム堤体3に取付け、ジャッキ16により仮締切り構造体1の上部を側面3aに引寄せて圧着しつつ、接合面に形成された側壁部2および底部4の端面が側面3aに沿うようにして仮締切り構造体1をダム堤体3の側面3aに配置する。
その後、図7(f)に示すように、仮締切り構造体1と側面3aにより囲まれた空間10を排水する。すると、水圧により仮締切り構造体1がダム堤体3の側面3aに押し付けられるようにして接合され、仮締切り構造体1が側面に沿って安定して配置される。なお、仮締切り構造体1の上部では水圧が低いが、上部ではジャッキ16による圧着により水圧の不足が補われる。空間10をドライアップした後、空間10にて施工工事を行い、ダム堤体3を水平方向に貫通するように水圧管路9を設ける。水圧管路9を設けた後、水圧管路9のダム湖5側の開口部に、蓋体8を設ける。
図9は、仮締切り構造体1をダム堤体3に設置する際の、側壁部2の端面の止水突起部11等の様子を示す図である。
止水突起部11は、仮締切り構造体1がダム堤体3の側面3aに沿って配置される前は、図9(a)に示す元の形状であるが、仮締切り構造体1を側面3aに沿って配置し、仮締切り構造体1とダム堤体3で囲まれる空間10を排水する際には、まず図9(b)に示すように側面3aに接する。そして、周囲の水圧により仮締切り構造体1がダム堤体3側に押し付けられることに伴って、止水突起部11は、図9(c)に示すように、側面3aに接する面がダム堤体3の側面3aの(不陸)形状に合わせて変形するとともに、側壁部2の端面と側面3aとの距離に応じてその突起長さを縮めるように変形し、空間10に対する止水機能を果たす。さらに、止水突起部11には、側面3aとの摩擦力により鉛直方向の荷重を負担させることができる。
なお、止水突起部11の突起長さは、突出部12が側面3aに接するまで、即ち突出部12の突出長さまで縮ませることが可能である。止水突起部11が突出部12の突出長さまで縮んだ際には、突出部12も側面3aに接し、水圧による円周方向の応力を側面3aに伝達する。突起長さなど、止水突起部11の大きさや形状、材質等は、側面3aの形状等に合わせて、止水機能を果たし得るように適宜定めることができる。また突出長さなど、突出部12の大きさや形状、材質等も、必要な強度等の目的に応じて適宜定めてよい。
また、図9(b)等に示すように、止水突起部11の外側に設けられたシート状の部材である止水スカート部15は、仮締切り構造体1の端面と側面3aの距離に対して当該端面からの長さに余裕が設けられる。空間10の排水中は、周囲の水が仮締切り構造体1の止水突起部11と側面3aの隙間を通って空間10へ幾分か流れ込むが、この際に、図9(c)に示すように止水スカート部15は内側へ押されて側面3aに接し仮締切り構造体1と側面3aとの間の隙間を閉じる。これにより、止水スカート部15によっても止水が行われる。なお、止水スカート部15が側面3aに接するようにするためには、適宜ダイバー作業等行ってもよい。
水圧管路9の施工が完了すれば、空間10に注水し、ジャッキ16を側面3aから取り外して側壁部2の端部に収納し、図7(g)に示すように仮締切り構造体1とダム堤体3との接合状態を解除し、仮締切り構造体1をダム堤体3から取り外す。取り外した仮締切り構造体1は、他の箇所の仮締切りを行うために移動し転用することが可能である。
仮締切り構造体1については、図10に示すように、側壁部2の内側鋼板21a、外側鋼板21bにそれぞれ折曲り部61(61a、61b)を設け、折曲り部61で側壁部2が折曲ることにより、鉛直方向に変形可能とするようにしてもよい。このとき、仮締切り構造体1は、ダム堤体3の側面3aに配置し水圧による接合を行う際に、図10(a)に示す元の状態から、図10(b)に示すように折曲り部61で折曲り、ダム堤体3の側面3aに沿って鉛直方向に変形し、側面3aに沿ってより密着するようになるので好適である。このとき鉛直方向部材25等は、側壁部2の変形を妨げないよう折曲り部61に対応する箇所には設けないようにすることが望ましいが、折曲がり部61に対応する位置で、鉛直方向部材25を上下につなぐように弾性を有する部材を設けてもよい。また、図示していないが、管路24等も、側壁部2の変形に伴って追随するように可とう性を持たせておくことが望ましい。
また、仮締切り構造体1は、現場で一体として製作するほか、予め工場等で製作した複数のブロックを運搬して現場で組み立てて製作し、使用後は分解し運搬を行うものであってもよい。
以上説明したように、本発明の仮締切り方法等の実施形態によれば、予め製作した仮締切り構造体1をダム堤体3等の水中の対象物に配置し仮締切りを行うので、水中コンクリートの施工やクレーン等の設置の必要が無く、ダイバー作業を減少させるなど、工事を簡略化することが可能になる。そして、仮締切り構造体1を横方向に寝かせた状態から縦方向に立ち上がった状態とする際に、注水部300に注水しつつ流入部200に水を流入させるので、少ない注水量で容易にこれを行うことができる。また、仮締切り構造体1をダム堤体3に取り付ける際に、側壁部2の上部に設けたジャッキ16を用いて引寄せて圧着することにより、水圧による接合時に上部における水圧の低さを補うことができる。また、仮締切り構造体1の端面に設けた変形可能な止水突起部11が、ダム堤体3の側面3aの形状と、ダム堤体3と仮締切り構造体1との距離に応じて変形するとともに、止水突起部11の外側に設けた止水スカート部15が、ダム堤体3の側面3aに接するので、仮締切り構造体1とダム堤体3とで囲まれる空間10にダム湖5の水が流入することが防がれる。また、側壁部2に折れ曲り部61を設け、側壁部2をダム堤体3の側面3aの鉛直方向の形状に沿って鉛直方向に変形させつつ配置することができ、ダム堤体3と仮締切り構造体1の密着性をより高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る仮締切り方法等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………仮締切り構造体
2………側壁部
3………ダム堤体
3a………側面
4………底部
5………ダム湖
7………水面
9………水圧管路
10………空間
11………止水突起部
12………突出部
15………止水スカート部
16………ジャッキ
21、23、29………鋼板
27………開口部
61………折曲り部
100、400………浮体部
200………流入部
300………注水部

Claims (8)

  1. 側壁部および底部により構成され一部の側面が開放され、内部が、少なくとも、流路を介して注水可能な第1の空間と、少なくとも一部で前記側壁部に開口部が形成された第2の空間と、密閉された空間である第3の空間と、に区画された仮締切り構造体を、前記側壁部を横方向にして水面に浮いた状態から、前記第1の空間に注水し、前記第2の空間に水を流入させることによって、前記底部より水中に沈降させ前記側壁部を縦方向にして水面に浮いた状態とする工程(a)と、
    前記仮締切り構造体を、少なくとも一部が水面下にある対象物の側面に、開放された前記側面に形成される前記側壁部および前記底部の端面が沿うように配置する工程(b)と、
    前記仮締切り構造体と前記対象物の側面で囲まれる空間を排水する工程(c)と、
    を具備することを特徴とする仮締切り方法。
  2. 前記工程(b)において、
    前記側壁部の上部に設けた引寄せ材により前記仮締切り構造体を前記対象物の側面に引寄せて圧着させることを特徴とする請求項1記載の仮締切り方法。
  3. 前記仮締切り構造体において、前記側壁部および底部の端面には止水突起部が連続するように設けられるとともに、前記仮締切り構造体で前記止水突起部の外側にはシート状の止水スカート部が連続するように設けられ、
    前記工程(c)において、
    前記止水突起部が、前記対象物の側面の形状、および前記端面と前記対象物の側面との距離に合わせて変形しつつ前記対象物の側面に接しているとともに、
    前記止水スカート部が、前記対象物の側面に接していることを特徴とする請求項1記載の仮締切り方法。
  4. 前記工程(c)において、前記側壁部に設けられた折曲り部で前記側壁部が折曲ることにより、前記仮締切り構造体が前記対象物の側面の鉛直方向の形状に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の仮締切り方法。
  5. 側壁部および底部により構成され一部の側面が開放され、内部が、少なくとも、
    流路を介して注水可能な第1の空間と、
    少なくとも一部で前記側壁部に開口部が形成された第2の空間と、
    密閉された空間である第3の空間と、
    に区画されることを特徴とする仮締切り構造体。
  6. 前記仮締切り構造体を対象物に引寄せるための引寄せ材が、前記側壁部の上部に設けられることを特徴とする請求項5記載の仮締切り構造体。
  7. 開放された前記側面に形成される前記側壁部および前記底部の端面には、変形可能な止水突起部が連続するように設けられ、
    前記止水突起部の外側には、シート状の止水スカート部が連続するように設けられることを特徴とする請求項5記載の仮締切り構造体。
  8. 前記側壁部に折曲り部が設けられ、
    前記側壁部が前記折曲り部で折曲ることにより前記仮締切り構造体の鉛直方向の形状が変化することを特徴とする請求項5記載の仮締切り構造体。
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