JP2011231146A - 異方導電性フィルム - Google Patents

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健敏 臼井
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Abstract

【課題】低温及び短時間での接続においても、局所的な硬化不良が起こり難く、接続領域における配線及び電極の腐食の発生が抑制され、長期の信頼性を与える接続が可能な、保存安定性の高い異方導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】フィルム形成性ポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)及び導電粒子(D)を含有する異方導電性フィルムであって、該潜在性硬化剤(C)がアミンアダクトを含有し、10秒硬化時に反応率が90%となる温度と10分硬化時に反応率が20%となる温度との差として定義される硬化感温性が10℃以上75℃以下であり、フィルム形成性ポリマー(A)100質量部に対し、エポキシ樹脂(B)を50質量部以上190質量部以下、及び潜在性硬化剤(C)を15質量部以上75質量部以下含有し、異方導電性フィルム全体に対して導電粒子(D)を0.1質量%以上30質量%以下含有する、異方導電性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、低温及び短時間での接続においても、局所的な硬化不良が起こり難く、接続領域における配線及び電極の腐食の発生が抑制され、長期の信頼性を与える接続が可能な、保存安定性の高い異方導電性フィルムに関する。
異方導電性フィルムは、絶縁性接着剤中に導電粒子を分散させたフィルムであり、液晶ディスプレイと半導体チップ若しくはTCPとの接続、又はFPCとTCPとの接続、FPCとプリント配線板との接続等を簡便に行うために好適に使用される接続部材である。異方導電性フィルムは、例えば、ノート型パソコン又は携帯電話の液晶ディスプレイと制御ICとの接続用として広範に用いられ、最近では、半導体チップを直接プリント基板又はフレキシブル配線板に搭載するフリップチップ実装にも用いられている(特許文献1、2及び3参照)。
この分野では、高い接着強さが得られ、耐熱性及び耐水性が優れるという理由で、エポキシ樹脂系の絶縁性接着剤が多用される。エポキシ樹脂系絶縁性接着剤には、エポキシ樹脂の他に、フィルム形状を維持するためのフィルム形成性ポリマーとエポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤とが含有されるのが一般的である。この硬化剤には、異方導電性フィルムを使用するまではエポキシ樹脂と反応性せずに安定に存在する貯蔵安定性と、接続時には短時間にエポキシ樹脂と反応する硬化性との両立、即ち、潜在性が求められる。従って、従来、潜在性硬化剤が使用されている。特に、マイクロカプセル型の潜在性硬化剤は、高い潜在性を有するため一般的に使用されている(特許文献4及び5参照)。
この分野では近年、接続後の反りによる画像の歪みの低減、及び耐熱性の低い基板の使用が求められている。従って、貯蔵安定性は維持しつつ、より低温での接続が可能な異方導電性フィルムが求められている。また、工程時間の短縮のために、短時間での接続が可能な異方導電性フィルムが求められている。高い潜在性が得られるエポキシ樹脂組成物として、特定のアミンアダクトを主成分とする潜在性硬化剤が検討されている(特許文献6参照)。
特開平03−107888号公報 特開平04−366630号公報 特開昭61−195179号公報 特開2002−327162号公報 特開平08−315885号公報 国際公開第WO2005/095486号パンフレット
しかしながら、高硬化性の潜在性硬化剤を用いた異方導電性フィルムを、特に、短時間で硬化させるような用途で使用した場合、異方導電性フィルム中に分散状態で存在する潜在性硬化剤が均一に分散する前に、硬化反応が進行してしまう。これにより、硬化が不均一となり、局所的な硬化不良領域が発生し、長期の信頼性評価において、電極が腐食する等の課題を有する。よって、異方導電性フィルム中での潜在性硬化剤の分散均一性の改良が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、低温及び短時間での接続においても、局所的な硬化不良が起こり難く、接続領域における配線及び電極の腐食の発生が抑制され、長期の信頼性を与える接続が可能な、保存安定性の高い異方導電性フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の硬化感温性を有し、フィルム形成性ポリマーとエポキシ樹脂と潜在性硬化剤とを特定の配合比率で含有する異方導電性フィルムを用いることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記の通りである。
[1] フィルム形成性ポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)及び導電粒子(D)を含有する異方導電性フィルムであって、
該潜在性硬化剤(C)がアミンアダクトを含有し、
10秒硬化時に反応率が90%となる温度と10分硬化時に反応率が20%となる温度との差として定義される硬化感温性が10℃以上75℃以下であり、
フィルム形成性ポリマー(A)100質量部に対し、エポキシ樹脂(B)を50質量部以上190質量部以下、及び潜在性硬化剤(C)を15質量部以上75質量部以下含有し、異方導電性フィルム全体に対して導電粒子(D)を0.1質量%以上30質量%以下含有する、異方導電性フィルム。
[2] 該フィルム形成性ポリマー(A)がフェノキシ樹脂である、上記[1]に記載の異方導電性フィルム。
[3] 該潜在性硬化剤(C)が、アミンアダクトからなるコアをカプセル膜で被覆してなるマイクロカプセル型潜在性硬化剤であり、
該カプセル膜が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂成分と、アミンアダクト成分と、イソシアネート化合物成分と、活性水素化合物成分との反応生成物である、上記[1]又は[2]に記載の異方導電性フィルム。
[4] 該エポキシ樹脂成分の全塩素量が400ppm以下である、上記[3]に記載の異方導電性フィルム。
[5] 該潜在性硬化剤(C)を、該潜在性硬化剤(C)の1〜5倍の質量のエポキシ樹脂(B)に分散させてなるマスターバッチを少なくとも用いて形成されており、
該マスターバッチが、昇温速度10℃/分でのDSC測定において、2本の発熱ピークを与える、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の異方導電性フィルム。
[6] 該2本の発熱ピークにおいて、低温側のピーク頂点が115℃以上であり、高温側のピーク頂点が185℃以下である、上記[5]に記載の異方導電性フィルム。
[7] 該潜在性硬化剤(C)を、該潜在性硬化剤(C)の1〜5倍の質量のエポキシ樹脂(B)に分散させてなるマスターバッチを少なくとも用いて形成されており、
該マスターバッチが、昇温速度50℃/分でのDSC測定において、1本の発熱ピークを与える、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の異方導電性フィルム。
[8] 該1本の発熱ピークのピーク頂点が130℃以上160℃以下である、上記[7]に記載の異方導電性フィルム。
[9] 該エポキシ樹脂(B)の少なくとも一部がナフタレン型エポキシ樹脂である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の異方導電性フィルム。
本発明によれば、低温及び短時間での接続においても、局所的な硬化不良が起こり難く、接続領域における配線及び電極の腐食の発生が抑制され、長期の信頼性を与える接続が可能な、保存安定性の高い異方導電性フィルムが提供される。
以下、本発明について具体的に説明する。
<異方導電性フィルム>
本発明は、フィルム形成性ポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)及び導電粒子(D)を含有する異方導電性フィルムであって、該潜在性硬化剤(C)がアミンアダクトを含有し、10秒硬化時に反応率が90%となる温度と10分硬化時に反応率が20%となる温度との差として定義される硬化感温性が10℃以上75℃以下であり、フィルム形成性ポリマー(A)100質量部に対し、エポキシ樹脂(B)を50質量部以上190質量部以下、及び潜在性硬化剤(C)を15質量部以上75質量部以下含有し、異方導電性フィルム全体に対して導電粒子(D)を0.1質量%以上30質量%以下含有する、異方導電性フィルムを提供する。
[フィルム形成性ポリマー(A)]
本発明に用いられるフィルム形成性ポリマー(A)としては、フィルム形状を維持する機能を有するポリマー全般を使用できる。好ましいフィルム形成性ポリマー(A)としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、並びに、カルボキシル基、ヒドロシキシル基、ビニル基及びアミノ基等の官能基を有するエラストマー類等が例示される。
フィルム形成性ポリマー(A)としては、長期接続信頼性に優れるフェノキシ樹脂が好ましい。使用できるフェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビスフェノールF混合型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAビスフェノールS混合型フェノキシ樹脂、フルオレン環含有フェノキシ樹脂、カプロラクトン変性ビスフェノールA型フェノキシ樹脂等が例示される。
フィルム形成性ポリマー(A)の数平均分子量は9,000以上23,000以下であることが好ましい。該数平均分子量は、より好ましくは、9,500以上21,000以下、更に好ましくは、10,000以上20,000以下である。ここで数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下GPCと称す)によるポリスチレン換算の数平均分子量であり、ポリスチレン換算分子量が728以上の領域について平均値を算出した値である。数平均分子量を9,000以上とすることで、硬化したエポキシ樹脂の架橋構造からのフィルム形成性ポリマー(A)のすり抜けを抑制でき、硬化物の凝集力の低下を抑制でき、よって接続信頼性の低下を抑制でき好ましい。一方、数平均分子量を23,000以下とすることで、基板又はICチップ等の被接着物と異方導電性フィルムとの高い密着性を維持でき、また、接続時に局所的な硬化不良の発生が抑制でき、配線及び電極の腐食の発生が起き難く、高い絶縁信頼性が得られ好ましい。
フィルム形成性ポリマー(A)の180℃におけるメルトフローレートは3以上90以下であることが好ましい。上記メルトフローレートは、より好ましくは4以上70以下、更に好ましくは4.5以上60以下である。ここでメルトフローレートは荷重5kgでの値である。メルトフローレートを90以下とすることで、得られる異方導電性フィルムの仮貼付け(すなわち、異方導電性フィルムを、基板と接続するために該基板上に搭載すること)ができない不具合を抑制することができ、また、得られる異方導電性フィルムをリール状に巻いた場合にブロッキングを起こしてフィルムの引き出しができなくなるトラブルを抑制でき好ましい。一方、メルトフローレートを3以上とすることで、接続時に局所的な硬化不良の発生が抑制でき、配線及び電極の腐食の発生が起き難く好ましい。本明細書で記載するメルトフローレートは、JIS K7210に準拠して180℃にて測定される値である。
[エポキシ樹脂(B)]
本発明に用いられるエポキシ樹脂(B)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラキスヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エーテル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環族エポキサイド等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂はハロゲン化又は水素添加されていてもよく、また、ウレタン変性、ゴム変性、シリコーン変性等の変性がされたエポキシ樹脂でもよい。また複数種のエポキシ樹脂を併用しても構わない。
エポキシ樹脂(B)としては、接着力の強さの観点からはグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。一方、ナフタレン型エポキシ樹脂は、潜在性硬化剤を隅々まで行き渡らせる効果が高く、局所的な硬化不良の発生が抑制できる。エポキシ樹脂(B)の少なくとも一部にナフタレン型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は100以上500以下であることが好ましい。エポキシ当量は、より好ましくは120以上400以下、更に好ましくは140以上300以下である。エポキシ当量を100以上とすることで安全性の高い異方導電性フィルムが得られ好ましい。一方、エポキシ当量を500以下とすることで架橋密度の高い硬化物が得られ、高い接続信頼性が得られ好ましい。尚、エポキシ当量が500を超えるエポキシ樹脂を一部に使用しても問題はなく、その場合、エポキシ樹脂(B)全体としてのエポキシ当量が100以上500以下であることが好ましい。本明細書で記載するエポキシ当量は、JIS K7236に準拠して測定される値である。
異方導電性フィルム中のエポキシ樹脂(B)の含有量は、フィルム形成性ポリマー(A)100質量部に対して50質量部以上190質量部以下である。上記含有量は、好ましくは60質量部以上170質量部以下、更に好ましくは70質量部以上150質量部以下である。エポキシ樹脂(B)の上記含有量を50質量部以上とすることで架橋密度の高い硬化物が得られ、高い接続信頼性が得られ好ましい。一方、上記含有量を190質量部以下とすることで、得られる異方導電性フィルムの仮貼付け(すなわち、異方導電性フィルムを、基板と接続するために該基板上に搭載すること)ができない不具合を抑制することができ、また、得られる異方導電性フィルムをリール状に巻いた場合にブロッキングを起こしてフィルムの引き出しができなくなるトラブルを抑制でき好ましい。
[潜在性硬化剤(C)]
本発明に用いられる潜在性硬化剤(C)は、アミンアダクトを含む。アミンアダクトは、潜在性が高い点で有利である。なお本明細書において、潜在性が高いとは、室温条件下では安定に存在し、異方導電性フィルムの使用時(典型的には加熱及び加圧による熱圧着時)には硬化剤として高い活性を与えることができること、すなわち、貯蔵安定性と硬化性とのバランスが良好であることを意味する。
アミンアダクトとしては、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、イソシアネート化合物、尿素化合物及びエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とアミン化合物の反応により得られる化合物が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、ダイマー酸等が挙げられる。
スルホン酸化合物としては、例えば、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。脂肪族ジイソシアネートの例としては、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。脂環式ジイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、4−4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,4−イソシアナトシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、1,3−ビス(2−イソシアナトプロピル−2イル)−シクロヘキサン等を挙げることができる。芳香族ジイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。脂肪族トリイソシアネートの例としては、1,3,6−トリイソシアネートメチルヘキサン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソシアナトエチル等を挙げることができる。ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、上記ジイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネート等が挙げられる。上記ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネート、カルボジイミド型ポリイソシアネート等が挙げられる。
尿素化合物としては、例えば、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、エチル尿素、t−ブチル尿素等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、モノエポキシ化合物、多価エポキシ化合物、又はそれらの混合物が用いられる。モノエポキシ化合物としては、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、パラ−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、パラキシリルグリシジルエーテル、グリシジルアセテート、グリシジルブチレート、グリシジルヘキソエート、グリシジルベンゾエート等を挙げることができる。多価エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル(7))−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂等;多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ樹脂;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂;フタル酸、テレフタル酸等のポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂;4,4−ジアミノジフェニルメタン、m−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物;トリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エポキシ樹脂等のグリシジル型エポキシ樹脂と、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキシド等が例示される。
アミンアダクトの原料として用いられる、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、イソシアネート化合物、尿素化合物及びエポキシ化合物のうち、エポキシ化合物は、高い硬化性を有し貯蔵安定性に優れるため好ましい。
アミン化合物としては、少なくとも1個の一級アミノ基及び/又は二級アミノ基を有するが三級アミノ基を有さない化合物、並びに、少なくとも1個の三級アミノ基と少なくとも1個の活性水素基とを有する化合物が挙げられる。
少なくとも1個の一級アミノ基及び/又は二級アミノ基を有するが三級アミノ基を有さない化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、アニリン、トルイジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の三級アミノ基を有さない第一アミン類、及び;例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペリドン、ジフェニルアミン、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン等の、三級アミノ基を有さない第二アミン類;を挙げることができる。
少なくとも1個の三級アミノ基と少なくとも1個の活性水素基とを有する化合物において、活性水素基としては一級アミノ基、二級アミノ基、水酸基、チオール基、カルボン酸、ヒドラジド基等が例示される。
少なくとも1個の三級アミノ基と少なくとも1個の活性水素基とを有する化合物としては、例えば、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン等のアミノアルコール類;2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール類;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−ベンジルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−(o−トリル)−イミダゾリン、テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,2−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,3−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ジエチルアミノエチルピペラジン等の三級アミノアミン類;2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン等のアミノメルカプタン類;N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸等のアミノカルボン酸類;N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のアミノヒドラジド類;を挙げることができる。
アミン化合物としては、貯蔵安定性と硬化性とのバランスが優れている点で、少なくとも1個の三級アミノ基と少なくとも1個の活性水素基とを有する化合物が好ましく、イミダゾール類が更に好ましく、2−メチルイミダゾール及び2−エチル−4−メチルイミダゾールが一層好ましい。
本発明に用いられるアミンアダクトは、例えば、エポキシ化合物とアミン化合物とを、エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して、アミン化合物中の活性水素基が好ましくは0.8当量〜5当量(更に好ましくは0.9当量〜4当量、一層好ましくは0.95当量〜3当量)となる範囲で、必要に応じて溶剤の存在下において、例えば50〜250℃の温度で0.1〜10時間反応させることにより得られる。エポキシ基に対する活性水素基の当量比を0.8以上にすると、分子量分布(Mw/Mn)が小さい(例えば3以下)ことによって優れた硬化性を与えるアミンアダクトを得るのに有利であり、該当量比を5以下とすると、未反応のアミン化合物の回収が経済的にでき、有利である。
アミンアダクトの製造において、必要に応じて用いられる溶剤としては、特別に制限するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類;水;等が挙げられ、これらの溶剤は複数種を併用しても構わない。用いられた溶剤は蒸留等により除去されることが好ましい。
本発明の潜在性硬化剤(C)は、アミンアダクトからなるコアをカプセル膜で被覆してなるマイクロカプセル型潜在性硬化剤の形状で存在していることが、貯蔵安定性と硬化性とのバランスが良好である点で好ましい。マイクロカプセル型潜在性硬化剤は、前記のアミンアダクトをコアとし、その表面をカプセル膜で被覆し安定化したもので、接続時の温度及び圧力でカプセル膜が破壊され、アミンアダクトがマイクロカプセル外に拡散し、エポキシ樹脂(B)と反応する。
カプセル膜としては、室温での安定性と低温加熱による活性発現とのバランス、すなわち、潜在性が高い点で、高分子化合物が好ましく、特に、ポリウレタン化合物、ポリウレタンウレア化合物、ポリウレア化合物、ポリビニル化合物、メラミン化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びこれらの反応物である高分子化合物が好ましい。
カプセル膜は、硬化時の感温性、即ち、ある温度までは安定に存在しマイクロカプセルのカプセル膜としての機能を果たすが、臨界温度を超えると一気に硬化反応が開始する性能が高いことが好ましい。硬化時の感温性が高いと、低温硬化での機能発現が可能であると共に、異方導電性フィルムの溶融粘度が低くなってからカプセル膜が破壊されるために、アミンアダクトが隅々まで行き渡り易く、局所的な硬化不良を低減することができる。
カプセル膜としては、エポキシ樹脂成分とアミンアダクト成分とイソシアネート化合物成分と活性水素化合物成分との反応生成物が、硬化時の感温性がより高く、好ましい。
エポキシ樹脂成分としては、エポキシ樹脂(B)として先に例示した種々のエポキシ樹脂を好ましく用いることができる。複数種のエポキシ樹脂を併用しても良い。
エポキシ樹脂成分としては、硬化時の感温性の高さからビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂成分のエポキシ当量は、100以上300以下であることが好ましい。該エポキシ当量は、より好ましくは120以上250以下、更に好ましくは140以上200以下である。エポキシ当量を100以上とすることで取り扱い時の安全性が高く、エポキシ当量を300以下とすることで、潜在性の高いカプセル膜が得られる。
エポキシ樹脂成分の全塩素量は、400ppm以下であることが好ましい。該全塩素量は、より好ましくは200ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、一層好ましくは50ppm以下である。全塩素量を400ppm以下とすることで、硬化時の感温性が一層高くなり、より好ましい。上記全塩素量は、滴定法により求めることができる。典型的には、試料1gを25mlのエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解し、これに1規定の水酸化カリウムのプロピレングリコール溶液25mlを加えて20分間煮沸したのち、硝酸銀水溶液で滴定する方法を用いることができる。
カプセル膜の原料として用いられるエポキシ樹脂成分の使用量は、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアに用いるアミンアダクト100質量部に対して、0.5質量部以上15質量部以下の範囲が好ましく、1質量部以上12質量部以下であることがより好ましい。上記使用量が0.5質量部以上である場合、貯蔵安定性の高いマイクロカプセル型潜在性硬化剤が得られ、15質量部以下である場合、マイクロカプセル型潜在性硬化剤中のアミンアダクト比率が高く、硬化剤としての効率が高い。
カプセル膜の原料として用いられるアミンアダクト成分は、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアに用いる潜在性硬化剤として供給されたアミンアダクトの一部(好ましくは1質量%以上20質量%以下)であることができる。この場合、異方導電性フィルム中に本発明の所定量の潜在性硬化剤が含有されるよう、カプセル膜形成時にアミンアダクトの使用量を制御する。
カプセル膜の原料として用いられるイソシアネート化合物成分としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、及びポリイソシアネートを挙げることができる。脂肪族ジイソシアネートの例としては、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。脂環式ジイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、4−4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,4−イソシアナトシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、1,3−ビス(2−イソシアナトプロピル−2イル)−シクロヘキサン等を挙げることができる。芳香族ジイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。脂肪族トリイソシアネートの例としては、1,3,6−トリイソシアネートメチルヘキサン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソシアナトエチル等を挙げることができる。ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、上記ジイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネート等を挙げることができる。上記ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネート、カルボジイミド型ポリイソシアネート等が挙げられる。これらイソシアネート化合物成分は2種以上併用しても良い。
カプセル膜の原料として用いられるイソシアネート化合物成分としては、高い潜在性が得られる点で、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、及びポリイソシアネートが好ましい。
カプセル膜の原料として用いられるイソシアネート化合物成分の使用量は、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアに用いるアミンアダクト100質量部に対して、0.5質量部以上15質量部以下の範囲が好ましく、1質量部以上12質量部以下であることがより好ましい。上記使用量が0.5質量部以上である場合、貯蔵安定性の高いマイクロカプセル型潜在性硬化剤が得られ、15質量部以下である場合、マイクロカプセル型潜在性硬化剤中のアミンアダクト比率が高く、硬化剤としての効率が高い。
カプセル膜の原料として用いられる活性水素化合物成分としては、水、ポリアミン化合物、ポリオール化合物等が例示される。これらは2種以上併用しても良い。
ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、水添ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
カプセル膜の原料として用いられる活性水素化合物成分の使用量は、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアに用いるアミンアダクト100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の範囲が好ましく、0.5質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。上記使用量が0.1質量部以上である場合、貯蔵安定性の高いマイクロカプセル型潜在性硬化剤が得られ、5質量部以下である場合、アミンアダクトの凝集による大粒径化が起こり難い。
カプセル膜の量は、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアに用いるアミンアダクト100質量部に対して、5質量部以上40質量部以下の範囲が好ましく、6質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。カプセル膜の量を5質量部以上にすることで、貯蔵安定性をより有利に発現でき、40質量部以下にすることで、有効成分比率の高いマイクロカプセル型潜在性硬化剤が得られる。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤は、微粉末状のアミンアダクトの表面をカプセル膜で被覆した構造を有することが好ましい。この場合のマイクロカプセル型潜在性硬化剤の平均粒子径は、0.5μm以上8μm以下であることが好ましく、1μm以上6μm以下がより好ましく、1.5μm以上4μm以下であることが更に好ましい。該平均粒子径が0.5μm以上である場合、カプセル膜に対するアミンアダクトの比率が大きくなり過ぎず、潜在性硬化剤としての効率が高く好ましい。一方、平均粒子径が8μm以下である場合、均一性の高い硬化物が得られ、局所的な硬化不良が起こり難く好ましい。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤の平均粒子径の測定方法としては、コールターカウンターを用いる方法が挙げられ、マイクロカプセル型潜在性硬化剤の球相当直径の数平均値として得られる。
カプセル膜は、例えば以下の方法で形成できる。分散媒中にエポキシ樹脂成分、イソシアネート化合物成分及び活性水素化合物成分を溶解させ、粉末状のアミンアダクトを分散させ、好ましくは、−10℃以上100℃以下、より好ましくは10℃以上70℃以下の温度で、1時間以上100時間以下、好ましくは2時間以上50時間以下の時間で、in situ反応、界面反応のいずれか単独又はその両反応によってカプセル化反応を進行させ、カプセル膜をアミンアダクトの表面に形成する。
カプセル膜の形成反応において用いられる分散媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。また、エポキシ樹脂成分が分散媒を兼ねることも可能である。更に、エポキシ樹脂成分が分散媒を兼ねる場合、カプセル膜に取り込まれなかったエポキシ樹脂成分は、エポキシ樹脂(B)の一部又は全部として作用することができる。この場合、分散媒の除去操作が不要となり、好ましい。エポキシ樹脂成分が分散媒も兼ねる場合のエポキシ樹脂成分の使用量は、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアに用いるアミンアダクト100質量部に対して、100質量部以上900質量部以下であることが、安定なカプセル化反応を行うことができる点で好ましい。
本発明の異方導電性フィルムは、潜在性硬化剤(C)をエポキシ樹脂(B)に分散させてなるマスターバッチを少なくとも用いて形成されていることが好ましい。この場合、本発明において用いるエポキシ樹脂(B)の一部又は全部を該マスターバッチによって供給できる。マスターバッチを形成するエポキシ樹脂(B)の種類は、マスターバッチとせずに配合するエポキシ樹脂(B)(存在する場合)と同じでも異なっていてもよい。マスターバッチが含有するエポキシ樹脂(B)の質量は、潜在性硬化剤(C)の質量の1〜5倍であることが好ましく、特に好ましくは2倍である。
マスターバッチは、昇温速度10℃/分で緩慢昇温したDSC(Differential scanning calorimetry)測定において、2本の発熱ピークを与えることが好ましい。この場合、緩慢な昇温がなされる異方導電性フィルムの製造時の熱履歴及び貯蔵時の熱履歴において、反応性が低くなり(即ち、安定性が高くなり)好ましい。
また、該マスターバッチが、昇温速度50℃/分で急速昇温したDSC測定において、発熱ピークを1本のみ与えることが好ましい。この場合、急速な昇温がなされる異方導電性フィルムの使用時において、反応性が高くなり好ましい。
特に、昇温速度10℃/分で緩慢昇温したDSC測定において2本の発熱ピークを与え、かつ、昇温速度50℃/分で急速昇温したDSC測定において1本の発熱ピークを与える場合、硬化性が昇温速度に敏感であることを示し、好ましい。
10℃/分で緩慢昇温した場合の発熱ピークの、低温側のピーク頂点は115℃以上(好ましくは120℃以上)、高温側のピーク頂点は185℃以下(より好ましくは180℃以下)であることが、異方導電性フィルムの使用時に硬化反応を良好に進行させる観点から好ましい。また、50℃/分で急速昇温したときの発熱ピークのピーク頂点は130℃以上160℃以下(より好ましくは135℃以上155℃以下)であることが、異方導電性フィルムの使用時に硬化反応を良好に進行させる観点から好ましい。
異方導電性フィルム中の潜在性硬化剤(C)の含有量は、フィルム形成性ポリマー(A)100質量部に対して、15質量部以上75質量部以下であり、好ましくは20質量部以上70質量部以下、更に好ましくは25質量部以上60質量部以下である。潜在性硬化剤(C)の上記含有量を15質量部以上とすることで、接続時に局所的な硬化不良の発生が抑制でき、配線及び電極の腐食の発生が起き難く、高い絶縁信頼性が得られ好ましい。一方、上記含有量を75質量部以下とすることで耐水性の低下が抑えられ、高い信頼性が得られ好ましい。
[導電粒子(D)]
本発明に用いられる導電粒子(D)としては、金属粒子、炭素からなる粒子、高分子核材に金属薄膜を被覆した粒子等が挙げられる。
金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、半田、インジウム、パラジウム等の単体、及び、2種以上のこれらの金属が層状又は傾斜状に組み合わされている粒子が例示される。
高分子核材に金属薄膜を被覆した粒子としては、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン架橋体、NBR、SBR等のポリマーから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせで構成される高分子核材に、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、半田、インジウム、パラジウム等から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせで構成されるメッキ等により金属被覆した粒子が例示される。金属薄膜の厚さは0.005μm以上1μm以下の範囲であることが、接続安定性及び粒子の凝集防止の観点から好ましい。なお上記厚みは、オージェ分光分析法で確認できる。金属薄膜は均一な厚みで被覆されていることが接続安定性の観点から好ましい。これら導電粒子の表面を更に絶縁被覆した粒子も使用することができる。
導電粒子(D)の平均粒子径は、0.5μm以上10μm以下の範囲であることが、導電性と絶縁性との両立及び粒子の凝集防止の観点から好ましい。上記平均粒子径は、より好ましくは1μm以上7μm以下、更に好ましくは1.5μm以上6μm以下、より更に好ましくは2μm以上5.5μm以下、特に好ましくは2.5μm以上5μm以下である。上記範囲の平均粒子径の導電粒子(D)を用いることで、ICチップ及び回路基板の電極高さのバラツキ、並びに接続時の平行度のバラツキを吸収し、同時に隣接電極間の粒子滞留による絶縁破壊を抑制することができる。
導電粒子(D)の粒子径の標準偏差は、小さいほど好ましく、平均粒子径の50%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。導電粒子の平均粒子径は、コールターカウンターを用いて測定することができ、導電粒子体積の球相当直径の数平均値として得られる。
異方導電性フィルム中の導電粒子(D)の含有量は、異方導電性フィルム全体を100質量%として0.1質量%以上30質量%以下である。該含有量は、好ましくは0.13質量%以上25質量%以下、更に好ましくは0.15質量%以上20質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以上15質量%以下、特に好ましくは0.25質量%以上10質量%以下である。導電粒子(D)の含有量が0.1質量%以上30質量%以下の領域では、対向する電極間の導電性と隣接する電極間の絶縁性とが両立し易い。
[その他の成分]
本発明の異方導電性フィルムは、更に、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、絶縁粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、イオントラップ剤等が挙げられる。絶縁粒子、充填剤等の固形の成分の場合、これらの最大径は導電粒子(D)の平均粒子径未満であることが好ましい。カップリング剤としては、ケチミン基、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基から選ばれる少なくともいずれかを含有するシランカップリング剤が、接着性の向上の点から好ましい。
その他の成分の含有量は、異方導電性フィルムを100質量%として、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは30質量%以下である。
[異方導電性フィルムの製造]
本発明の異方導電性フィルムの典型的な製造方法を以下に説明する。まず、異方導電性フィルムを構成する各成分を、必要に応じて溶剤を用いて、混合し、塗工液を調製する。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等が挙げられる。次に、この塗工液をセパレーター上にアプリケーター塗装等により塗工し、オーブン中で溶剤を揮発させる。このような方法で異方導電性フィルムを製造できる。異方導電性フィルムは、所望の幅にスリットされ、リール状に巻き取られてもよい。
本発明の異方導電性フィルムの厚みは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは6μm以上35μm以下、更に好ましくは7μm以上25μm以下、更に好ましくは8μm以上20μm以下である。
異方導電性フィルムは、例えばセパレーター等の上に形成して種々の用途に適用できる。セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル(例えば、PET及びPEN)、ナイロン、塩化ビニル、ポリビニルアルコール等のフィルムが例示される。また、異方導電性フィルムの上に保護フィルムを更に形成してもよい。好ましい保護フィルム用の樹脂としては、ポリプロピレン及びPETが挙げられる。該セパレーターはフッ素処理、Si処理、アルキド処理等の表面処理が施されたものであることが好ましい。セパレーターの膜厚は、20μm以上100μm以下であることが好ましい。
本発明の異方導電性フィルムは、10秒硬化時に反応率が90%となる温度と10分硬化時に反応率が20%となる温度との差として定義される硬化感温性が10℃以上75℃以下である。上記硬化感温性は、好ましくは20℃以上70℃以下であり、より好ましくは30℃以上60℃以下である。硬化感温性を75℃以下とすることで、低温硬化での機能発現が可能であると共に、異方導電性フィルムの溶融粘度が低くなってから、潜在性硬化剤(C)が作用する(例えばマイクロカプセル型潜在性硬化剤を用いる場合にはカプセル膜が破壊される)ために、アミンアダクトが隅々まで行き渡り易く、局所的な硬化不良を低減することができる。一方、硬化感温性を10℃以上とすることで、異方導電性フィルムを用いて接続する場合に温度バラツキの許容幅を大きくでき、厳密な温度管理を必要としないので好ましい。
本発明の異方導電性フィルムは、液晶ディスプレイとTCP、TCPとFPC、FPCとプリント配線基板との接続、及び、半導体チップを直接基板に実装するフリップチップ実装に好適に用いることができる。
本発明の異方導電性フィルムを用いた接続方法としては、ITO配線又は金属配線等によって回路及び電極を形成したガラス基板等の回路基板と、回路基板の電極と対を成す位置に電極を形成したICチップ等の回路部材とを準備し、回路基板上の回路部材を配置する位置に、本発明の異方導電性フィルムを貼り付け、次に、回路基板と回路部材とをそれぞれの電極が互いに対を成すように位置を合わせた後、熱圧着して接続する。
異方導電性フィルムがセパレーター上に形成されている場合、異方導電性フィルムの貼付け時に、セパレーターを剥離するために、加熱及び加圧することができる。加熱及び加圧の条件としては、例えば、40℃以上90℃以下の温度、0.1MPa以上1MPa以下の圧力で0.5秒以上3秒以下の間の加熱及び加圧が好ましい。
接続における熱圧着の条件としては、150℃以上195℃以下(より好ましくは160℃以上190℃以下)の温度範囲で、回路部材面積に対して、0.1MPa以上50MPa以下(より好ましくは0.5MPa以上40MPa以下)の圧力範囲で、3秒以上15秒以下(より好ましくは4秒以上12秒以下)の間で、加熱及び加圧することが好ましい。
上記範囲の熱圧着条件で接続することにより、高い接続信頼性が得られると共に、耐熱性の低い基板の接続に対し有利であるという効果が得られるため、上記範囲の熱圧着条件での接続は、基板の反りが抑制でき、工程時間が短縮できるという点で有利である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
<フィルム形成性ポリマー(A)(フェノキシ樹脂)の数平均分子量>
東ソー(株)製HLC8020GPC(検出器:UV)を用い、カラム:TSKgel5000HHR/G4000HHR/G3000HHR/G2500HHR直列、溶離液:テトラヒドロフラン、溶離温度:40℃の条件でGPC測定を行い、標準ポリスチレンによる検量線を用い、ポリスチレン換算分子量で728以上の範囲について数平均分子量を求めた。
<メルトフローレートの測定>
JIS K7210に準拠して、荷重5kg、180℃で測定した。
<エポキシ当量の測定>
JIS K7236に準拠して求めた。
<エポキシ樹脂成分の全塩素量の測定>
試料1gを25mlのエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解し、これに1規定の水酸化カリウムのプロピレングリコール溶液25mlを加えて20分間煮沸したのち、硝酸銀水溶液で滴定した。
<膜厚測定>
(株)ニコン製デジマイクロMH−15Mを用いて測定し、測定数25箇所の数平均値を膜厚とした。
<DSC測定>
セイコーインスツルメント(株)製DSC220Cを用い、サンプル量9mg以上10mg以下、空気雰囲気で10℃/分又は50℃/分で昇温し、測定した。
<FT−IT測定>
(株)島津製IRAffinity−1を用いて、透過で測定を行った。
<反応率の測定>
異方導電性フィルム単体のFT−IR測定を行い、2928cm-1付近のピークの高さに対する914cm-1付近のピークの高さより硬化前後のエポキシ基の減少率を算出し、反応率を求めた。
<10秒硬化時に反応率が90%となる温度の測定>
異方導電性フィルムの片面に剥離シートを重ね、更に該異方導電性シートの剥離シートとは反対側の面に厚み100μmのPTFEシートを重ねてサンプルを準備し、所定温度に昇温された真鍮ブロックとステンレスプレートとの間にすばやく挟み、10秒間加熱後、サンプルを急冷した。加熱前後でFT−IR測定を行い、反応率を算出した。140℃から200℃まで10℃刻みの温度となる様に位置させたサンプルを加熱し、反応率が90%を超える前後2つの温度の反応率データより一次相関解析を行い、反応率が90%となる温度を算出した。
<10分硬化時に反応率が20%となる温度の測定>
剥離シートの付いた異方導電性フィルムを小型高温チャンバー(ESPEC社製ST−110)中で所定の温度で10分間加熱後、サンプルを急冷した。加熱前後でFT−IR測定を行い、反応率を算出した。100℃から140℃まで10℃刻みの温度となる様に位置させたサンプルを加熱し、反応率が20%を超える前後2つの温度の反応率データより一次相関解析を行い、反応率が20%となる温度を算出した。
<製造例1:潜在性硬化剤(C)、及びマスターバッチの製造>
[製造例1−1]
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−1及びマスターバッチM−1の製造)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量175g/当量、全塩素量30ppm:以下エポキシ樹脂B−1と称す)100質量部と、2−メチルイミダゾール47質量部とを、n−ブタノール74質量部とトルエン74質量部との混合溶剤中で80℃6時間反応させた。その後、減圧下200℃で未反応の2−メチルイミダゾールが10ppm未満になるまで蒸留を行い、溶剤と共に留去し、エポキシ樹脂B−1と2−メチルイミダゾールとの反応生成物であるアミンアダクトを得た。ここで得たアミンアダクトを室温で粉砕して、平均粒子径が2.5μmの粉体状のアミンアダクトとした。
210質量部のエポキシ樹脂B−1(エポキシ樹脂成分として)に、上記の粉体状アミンアダクト100質量部、水(活性水素化合物成分として)1.5質量部、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(イソシアネート濃度31%、平均官能基数2.5〜2.6)(イソシアネート化合物成分として)5質量部を加えて、40℃で攪拌しながら3時間反応を続け、FT−IR測定を行い、イソシアネート基の特性吸収が消失している事を確認した。更に、50℃で48時間反応を行ない、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−1を得た。更に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−1とエポキシ樹脂B−1とを質量比で1対2の比率で混合して、マスターバッチM−1を得た。
マスターバッチM−1をDSC測定した結果、10℃/分での昇温では、ピーク温度が127℃及び173℃の2本の発熱ピークが現れ、50℃/分での昇温では、ピーク温度が151℃の1本のみの発熱ピークが現れた。
[製造例1−2]
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−2及びマスターバッチM−2の製造)
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの添加量を3質量部とした以外は製造例1−1と同様にしてマイクロカプセル型潜在性硬化剤C−2を製造し、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−2とエポキシ樹脂B−1とを質量比で1対2の比率で混合してマスターバッチM−2を得た。
マスターバッチM−2をDSC測定した結果、10℃/分での昇温では、ピーク温度が122℃及び172℃の2本の発熱ピークが現れ、50℃/分での昇温では、ピーク温度が143℃の1本のみの発熱ピークが現れた。
[製造例1−3]
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−3及びマスターバッチM−3の製造)
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの添加量を2質量部とした以外は製造例1−1と同様にしてマイクロカプセル型潜在性硬化剤C−3を製造した。更に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−3とエポキシ樹脂B−1とを質量比で1対2の比率で混合してマスターバッチM−3を得た。
マスターバッチM−3をDSC測定した結果、10℃/分での昇温では、ピーク温度が119℃の発熱ピーク1本のみが現れ、50℃/分での昇温では、ピーク温度が133℃の1本のみの発熱ピークが現れた。
[製造例1−4]
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−4及びマスターバッチM−4の製造)
マイクロカプセル化反応に使用するエポキシ樹脂として、210質量部のエポキシ樹脂B−1の代わりに210質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量184g/当量、全塩素量310ppm:以下エポキシ樹脂B−2と称す)を用いた以外は製造例1−1と同様にしてマイクロカプセル型潜在性硬化剤C−4を製造した。更に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−4とエポキシ樹脂B−2とを質量比で1対2の比率で混合してマスターバッチM−4を得た。
マスターバッチM−4をDSC測定した結果、10℃/分での昇温では、ピーク温度が126℃及び173℃の2本の発熱ピークが現れ、50℃/分での昇温では、ピーク温度が153℃の1本のみの発熱ピークが現れた。
[製造例1−5]
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5及びマスターバッチM−5の製造)
マイクロカプセル化反応に使用するエポキシ樹脂として、210質量部のエポキシ樹脂B−1の代わりに210質量部のビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量159g/当量、全塩素量800ppm:以下エポキシ樹脂B−3と称す)を用いた以外は製造例1−1と同様にしてマイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5を製造した。更に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5とエポキシ樹脂B−3とを質量比で1対2の比率で混合してマスターバッチM−5を得た。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5のDSC測定を行うため、マスターバッチM−5とキシレンとを混合し、エポキシ樹脂B−3を溶解させ、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5を濾別し、キシレンで更に洗浄し、キシレンを乾燥除去して、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5を単離した。単離したマイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5をエポキシ樹脂B−2に分散させ、マイクロカプセル型潜在性硬化剤C−5とエポキシ樹脂B−2とを質量比で1対2の比率で混合してマスターバッチM−5bを得た。
マスターバッチM−5bをDSC測定した結果、10℃/分での昇温では、ピーク温度が114℃の発熱ピーク1本のみが現れ、50℃/分での昇温では、ピーク温度が163℃の1本のみの発熱ピークが現れた。
<製造例2:フィルム形成性ポリマー(A)としてのフェノキシ樹脂の製造>
[製造例2−1]
(フェノキシ樹脂A−1の製造)
エポキシ樹脂B−1:175質量部、ビスフェノールA:109質量部、キシレン:30質量部及びトリエチルアミン:0.05質量部を混合し、窒素雰囲気下、攪拌しながら170℃で2時間反応を行った。反応終了後、キシレンを系外へ除去しながら200℃まで3時間かけて昇温し、200℃で更に2時間反応を続け、数平均分子量:19,000、メルトフローレート:5.3のフェノキシ樹脂A−1を得た。
[製造例2−2]
(フェノキシ樹脂A−2の製造)
エポキシ樹脂B−1:175質量部、ビスフェノールA:105質量部、キシレン:30質量部及びトリエチルアミン:0.05質量部を混合し、窒素雰囲気下、攪拌しながら170℃で2時間反応を行った。反応終了後、キシレンを系外へ除去しながら200℃まで3時間かけて昇温し、200℃で更に2時間反応を続け、数平均分子量:10,500、メルトフローレート:70のフェノキシ樹脂A−2を得た。
<実施例及び比較例:異方導電性フィルムの製造>
[実施例1]
フェノキシ樹脂A−1(フィルム形成性ポリマー(A)として)を40質量部、エポキシ樹脂B−1(エポキシ樹脂(B)として)を20質量部、マスターバッチM−1(マイクロカプセル化された潜在性硬化剤(C)を含むマスターバッチとして)を40質量部、シランカップリング剤(信越化学工業製、商品名KBM−403)1質量部、導電粒子D−1(導電粒子(D)として)を5質量部、酢酸エチル150質量部を混合し、バインダーワニスを得た。尚、ここで用いた導電粒子D−1は平均粒子径3μmのジビニルベンゼン系樹脂をコアとし、その表層に厚み0.07μmのニッケル層をメッキで形成し、更に厚み0.04μmの金層をメッキで形成した、長軸に対する短軸の比が0.95、粒子径の標準偏差が0.2μmのものを用いた。
次に、上記バインダーワニスを、離型処理した膜厚50μmのPETフィルム製セパレーター上にブレードコーターを用いて塗布し、70℃で10分加熱し溶剤を乾燥除去して、膜厚20μmの異方導電性フィルムを得た。
得られた異方導電性フィルムの硬化感温性を測定した結果、10秒硬化時に反応率が90%となる温度は178℃であり、10分硬化時に反応率が20%となる温度は123℃であり、硬化感温性は55℃であった。
次に、20μm×100μmの金バンプがピッチ30μmで並んだ1.5mm×16.1mmのICチップと、これに対応した接続ピッチを有するアルミチタン配線(0.3μm)とを形成した、厚み0.7mmのガラス基板を3組準備し、ガラス基板のICチップ接続位置を覆う様に、2mm×20mmの上記の異方導電性フィルムを貼り付けた。次に、70℃、0.5MPa、2秒間の条件で仮圧着し、セパレーターを剥離した。3組ともセパレーターを剥離することができ、貼付性は良好であった。異方導電性フィルムを貼り付けたガラス基板と、ICチップとをフリップチップボンダー(東レエンジニアリング株式会社製FC2000、以下同じ)を用いて位置合わせし、チップ面積当たり4MPa、175℃で10秒間加熱加圧し、ICチップをガラス基板に接続した。
ICチップ及びガラス基板からは、4端子接続抵抗が5箇所測定でき、3組×5箇所(計15箇所)の接続抵抗の最大値は21.3Ωであり、安定に接続されていた。更に、85℃、相対湿度85%の環境下で1000時間放置後、同様に接続抵抗を測定した結果、接続抵抗の最大値は34.1Ωであり、優れた接続信頼性を有していた。
ICチップ及びガラス基板からは、20対の櫛を有する櫛形電極が2箇所形成されており、3組×2箇所(合計6箇所、120対)の絶縁抵抗測定を行った。櫛形電極の絶縁抵抗の最小値は109Ω以上であり、隣接電極間でショートの発生はなかった。更に、85℃、相対湿度85%の環境下で1,000時間放置後、同様に絶縁抵抗を測定した結果、絶縁抵抗の最小値は109Ω以上であり、外観上も配線の腐食等は観察されず優れた絶縁信頼性を有していた。
次に、貯蔵安定性評価として、5℃で4か月貯蔵した異方導電性フィルムを用いて、上記と同様に貼付性及び接続抵抗の測定を行った。貼付性は良好であり、接続抵抗の最大値は23.4Ωであり、異方導電性フィルムは高い貯蔵安定性を有していた。
[実施例2〜7]
表1に示す配合量で、実施例1と同様にして、異方導電性フィルムを作成し、実施例1と同様に、貼付性、接続信頼性、絶縁信頼性、貯蔵安定性を評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
表2に示す配合量で、実施例1と同様にして、異方導電性フィルムを作製し、実施例1と同様に、貼付性、接続信頼性、絶縁信頼性、貯蔵安定性を評価した。得られた結果を表2に示す。比較例1で使用した異方導電性フィルムは、使用したアミンアダクトの硬化感温性が75℃を超えていたために、接続信頼性及び絶縁信頼性ともに不十分であった。
[比較例2]
表2に示す配合量で、実施例1と同様にして、異方導電性フィルムを作製し、実施例1と同様に、貼付性、接続信頼性、絶縁信頼性、貯蔵安定性を評価した。得られた結果を表2に示す。比較例2で使用した異方導電性フィルムでは、潜在性硬化剤(C)の使用量が少なく、局所的な硬化不良が発生し、絶縁信頼性が不十分であった。
[比較例3]
表2に示す配合量で、実施例1と同様にして、異方導電性フィルムを作製し、実施例1と同様に、貼付性、接続信頼性、絶縁信頼性、貯蔵安定性を評価した。得られた結果を表2に示す。比較例3で使用した異方導電性フィルムでは、潜在性硬化剤(C)の使用量が多すぎるため、耐水性が低下し、接続信頼性、絶縁信頼性共に不十分であった。
[比較例4]
表2に示す配合量で、実施例1と同様にして、異方導電性フィルムを作製し、実施例1と同様に、貼付性を評価した。得られた結果を表2に示す。比較例4で使用した異方導電性フィルムでは、エポキシ樹脂の使用量が多すぎるため、貼付性不良で3組ともセパレーターを剥離することができず、信頼性評価、貯蔵安定性評価を行うことができなかった。
Figure 2011231146
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本発明の異方導電性フィルムは、低温及び短時間での接続においても、局所的な硬化不良が起こり難く、接続領域における配線及び電極の腐食の発生が抑制され、長期の信頼性を与える接続が可能であり、液晶ディスプレイと半導体チップとの接続等の電気的接続用途において好適に利用できる。

Claims (9)

  1. フィルム形成性ポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)及び導電粒子(D)を含有する異方導電性フィルムであって、
    該潜在性硬化剤(C)がアミンアダクトを含有し、
    10秒硬化時に反応率が90%となる温度と10分硬化時に反応率が20%となる温度との差として定義される硬化感温性が10℃以上75℃以下であり、
    フィルム形成性ポリマー(A)100質量部に対し、エポキシ樹脂(B)を50質量部以上190質量部以下、及び潜在性硬化剤(C)を15質量部以上75質量部以下含有し、
    異方導電性フィルム全体に対して導電粒子(D)を0.1質量%以上30質量%以下含有する、異方導電性フィルム。
  2. 該フィルム形成性ポリマー(A)がフェノキシ樹脂である、請求項1に記載の異方導電性フィルム。
  3. 該潜在性硬化剤(C)が、アミンアダクトからなるコアをカプセル膜で被覆してなるマイクロカプセル型潜在性硬化剤であり、
    該カプセル膜が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂成分と、アミンアダクト成分と、イソシアネート化合物成分と、活性水素化合物成分との反応生成物である、請求項1又は2に記載の異方導電性フィルム。
  4. 該エポキシ樹脂成分の全塩素量が400ppm以下である、請求項3に記載の異方導電性フィルム。
  5. 該潜在性硬化剤(C)を、該潜在性硬化剤(C)の1〜5倍の質量のエポキシ樹脂(B)に分散させてなるマスターバッチを少なくとも用いて形成されており、
    該マスターバッチが、昇温速度10℃/分でのDSC測定において、2本の発熱ピークを与える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方導電性フィルム。
  6. 該2本の発熱ピークにおいて、低温側のピーク頂点が115℃以上であり、高温側のピーク頂点が185℃以下である、請求項5に記載の異方導電性フィルム。
  7. 該潜在性硬化剤(C)を、該潜在性硬化剤(C)の1〜5倍の質量のエポキシ樹脂(B)に分散させてなるマスターバッチを少なくとも用いて形成されており、
    該マスターバッチが、昇温速度50℃/分でのDSC測定において、1本の発熱ピークを与える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性フィルム。
  8. 該1本の発熱ピークのピーク頂点が130℃以上160℃以下である、請求項7に記載の異方導電性フィルム。
  9. 該エポキシ樹脂(B)の少なくとも一部がナフタレン型エポキシ樹脂である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の異方導電性フィルム。
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