JP2011228516A - 多層基板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のフィルムを用いた耐熱基板において、導電ペーストからなるビアを多層に積層した場合、その部分の厚みが局所的に増加してしまう場合があった。
【解決手段】少なくとも、2層以上の内層配線12と、この内層配線12間に設けられた第1の耐熱性フィルム14と、この第1の耐熱性フィルム14と内層配線12とを接着する接着層13と、第1の耐熱性フィルム14に形成された第1の孔17に充填され内層配線12を層間接続する導電ペースト16と、を有する多層配線基板11であって、第1の耐熱性フィルム14の両側の接着層13どうしは、第1の孔17と異なる位置に設けられた複数の第2の孔18を介して一体化することで、信頼性を高めた多層配線基板11を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも、2層以上の内層配線12と、この内層配線12間に設けられた第1の耐熱性フィルム14と、この第1の耐熱性フィルム14と内層配線12とを接着する接着層13と、第1の耐熱性フィルム14に形成された第1の孔17に充填され内層配線12を層間接続する導電ペースト16と、を有する多層配線基板11であって、第1の耐熱性フィルム14の両側の接着層13どうしは、第1の孔17と異なる位置に設けられた複数の第2の孔18を介して一体化することで、信頼性を高めた多層配線基板11を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポリイミド等の耐熱性フィルムと、銅箔からなる複数層の配線とを、接着剤を介して積層すると共に、前記配線間を導電ペーストを用いて層間接続してなる多層基板とその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴い、産業用にとどまらず広く民生用機器の分野においてもLSI等の半導体チップを高密度に実装できる多層配線回路基板が安価に供給されることが強く要望されてきている。このような多層配線回路基板では微細な配線ピッチで形成された複数層の配線パターン間を高い接続信頼性で電気的に接続できることが重要である。
また、携帯電話に代表される携帯機器においては特に、機能の集積化の傾向に加えて、より持ち運び性を良くするべく、機器の薄型化の傾向が顕著であり、多層配線回路基板にもより高密度で薄いものが要求されている。
このような市場の要望に対して従来の多層配線基板に代えて、絶縁層にフィルム基材を用いた多層配線基板の任意の電極を任意の配線パターン位置において層間接続できるインナービアホール接続法すなわち全層IVH構造樹脂多層配線基板と呼ばれるものがある(特許文献1,2)。
従来より、ガラス織布等に硬化前のエポキシ樹脂を含浸させてなる絶縁シート(プリプレグと呼ばれる)と、銅箔からなる配線とが、導電ペーストからなる層間接続部(ビア部と呼ばれることもある)を介して、複数層積層された多層配線基板が市販されている。
従来の織布を用いたプリプレグは、配線等と共に積層して多層配線基板を製造する際に、加圧、加熱されて液化した硬化前のエポキシ樹脂が、ガラス織布の隙間を介して、プリプレグの両面を自由に流れるため、配線厚みや導電ペーストからなる層間接続部の厚みを吸収できるという特徴がある一方、織布等の影響で薄層化に限界があった。
そのため、従来より、フィルム基材を用いた多層配線基板が求められていた。
しかしながら、従来の絶縁層にフィルム基材を用いた多層基板において、導電ペーストからなる小径のビアを形成しようとした場合、ビア部分の厚みが多層基板の表面に突起として残る可能性があった。
更に異なる層に設けられた複数個の導電ペーストを、同位置で厚み方向に積み上げたビア構造(スタックビア構造と呼ばれることがある)の場合、ビア部分の厚みが更に厚くなり、多層配線基板の表面に突出する場合がある。
本発明は上記課題を解決するものであり、フィルムを用いた、配線基板の配線層間をペースト接続した場合において、高い信頼性で電気的に接続した全層IVH(IVHは、インナービアホールを意味する)構造を有する高密度薄型に対応する多層配線基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、2層以上の内層配線と、この内層配線間に設けられた耐熱性フィルムと、この耐熱性フィルムと前記内層配線とを接着する接着層と、前記耐熱性フィルムに形成された第1の孔に充填され前記内層配線を層間接続する導電ペーストと、を有する多層配線基板であって、前記耐熱性フィルムの両側の接着層どうしは、前記第1の孔と異なる位置に設けられた複数の第2の孔を介して一体化している多層配線基板とする。
本発明の多層基板とその製造方法によれば、耐熱性フィルムの両側に設けられた接着層どうしが、内層配線を層間接続する導電ペーストが充填されてなる第1の孔とは異なる位置に形成された、複数の第2の孔を介して一体化しているため、耐熱フィルムの両側に設けられた接着層どうしの密着性を高めることができ、耐熱性フィルムと接着剤との密着性を高められる。
更に、耐熱性フィルムの裏表面で、接着層の厚みが異なる場合、あるいは導電ペーストに起因する突起部(あるいは凹凸)が発生した場合でも、この厚み差、あるいは凹凸等を、耐熱性フィルムの裏表面で接着層の厚みをバランスさせることができ、その凹凸を多層配線基板の表面に表出させないため、携帯電話を初めとする各種電子機器の小型化、高密度実装に貢献する。
さらに、導電ペーストに起因する突出部(あるいは凹凸)を有する層間接続部を、複数の耐熱性フィルムのほぼ同位置で厚み方向に積み上げたビア構造(スタックビア構造と呼ばれることがある)とした場合でも、ビア部分の厚みの増加が、多層配線基板の表面に表出させにくくできるため、携帯電話を初めとする各種電子機器の小型化、高密度実装に貢献する。
(実施例1)
図1を用いて、実施例1について説明する。
図1を用いて、実施例1について説明する。
図1は、本発明の多層配線基板の断面図の一例である。図1において、11は多層配線基板、12は内層配線、13は接着層、14は第1の耐熱性フィルム、15は第2の耐熱性フィルム、16は導電ペースト、17は第1の孔、18は第2の孔、19は表層配線、20a、20bは矢印である。
図1に示すように、多層配線基板11は、少なくとも、2層以上の内層配線12と、この内層配線12間に設けられた第1の耐熱性フィルム14と、この第1の耐熱性フィルム14と前記内層配線12とを接着する接着層13と、前記第1の耐熱性フィルム14に形成された第1の孔17に充填され前記内層配線12を層間接続する導電ペースト16と、を有する多層配線基板11であって、前記第1の耐熱性フィルム14の両側の接着層13どうしは、前記第1の孔17と異なる位置に設けられた複数の第2の孔18を介して一体化している多層配線基板11である。
このように、第1の耐熱性フィルム14の両側に別々に設けられた接着層13は、複数の第2の孔を介して一体化しているため、第1の耐熱性フィルム14の両側に設けられた接着層どうしの密着性を高めることができ、第1の耐熱性フィルム14と接着層13との密着性を高められる。
更に、第1の耐熱性フィルム14の裏表面で、接着層13の厚みが異なる場合でも、あるいは導電ペースト16に起因する突起部(あるいは凹凸)が発生した場合でも、この厚み差、あるいは凹凸等を、第1の耐熱性フィルム14の裏表面で接着層13の厚みを局所的に増減、あるいはバランスさせられるため、その凹凸を多層配線基板11の表面に表出させにくくなる。
なお図1において、第1の耐熱性フィルム14に形成された第1の孔に充填された層間接続用の導電ペースト16と、第2の耐熱性フィルム15に形成された第1の孔に充填された層間接続用の導電ペースト16とを、略同位置として厚み方向に複数段、スタックビア構造として積み重ねている。これは実施例1の多層配線基板11において、導電ペースト16を多段に積み重ねた場合でも、その凹凸を、多層配線基板11の表面に表出させにくくなることを説明するためである。
図1において、第1の孔17は導電ペースト16が充填された孔、第2の孔18は接着層13を構成する接着剤(番号は付与していない)が充填されたものである。
また第1、第2の耐熱性フィルム14、15に接着層13の一部を充填してなる第2の孔18を複数個設けることで、第1、第2の耐熱性フィルム14、15の厚み方向の熱膨張係数と、導電ペースト16の厚み方向の熱膨張係数や、接着層13の厚み方向の熱膨張係数を、互いに近づけることができ、半田リフロー時のこれら界面における課題発生を防止できる。
また図1における矢印20aは、第1、第2の耐熱性フィルム14、15に形成した第2の孔18によって、第1、第2の耐熱性フィルム14、15に発生した内部応力が緩和される様子を示す。例えば後述する図3(B)の突出部23に起因する層間接続部の凹凸(あるいは凸部)が、その上に積層する第2の耐熱性フィルム15に応力発生させる場合があるが、第2の耐熱性フィルム15に第2の孔18を設けておくことで接続部の凹凸が緩和され、その結果応力を緩和することができる。ここで応力緩和とは、例えば、第2の孔18が、応力を受けて変形することを意味する。
図1における矢印20bは、第1の耐熱性フィルム14に形成した第2の孔18を介して接着層13の一部以上を互いに流通させた後に硬化させ内層配線12を形成し、この内層配線12を覆うように積層する第2の耐熱性フィルム15に形成した第2の孔18を介して、接着層13の一部以上が互いに流通する様子等を、一つの図面の中で示すものである。
図1の矢印20bに示すように、接着層13の一部以上を、第1の耐熱性フィルム14の裏表面で流通させた後に硬化させ内層配線12を形成し、この内層配線12を覆うように積層する第2の耐熱性フィルム15に形成した第2の孔18を介して接着層13の一部以上を互いに流通させることで、これら耐熱性フィルム等の裏表面で接着層13の厚みが異なる場合でも、あるいは導電ペースト16に起因する突起部(あるいは凹凸)が発生した場合でも、この厚み差、あるいは凹凸等を、第1の耐熱性フィルム14の裏表面で接着層13の厚みを局所的に増減、あるいはバランスさせられるため、その凹凸を多層配線基板11の表面に表出させにくくなる。
(実施例2)
実施例2として、図2(A)〜(C)、図3(A)〜(D)、図4、図5を用いて、実施例1で説明した多層配線基板11の製造方法の一例について説明する。
実施例2として、図2(A)〜(C)、図3(A)〜(D)、図4、図5を用いて、実施例1で説明した多層配線基板11の製造方法の一例について説明する。
図2(A)〜(C)は、多層配線基板11の製造方法の一例について説明する断面図である。図2において、20は矢印、21は保護フィルムである。
図2(A)の矢印20に示すように、第1の耐熱性フィルム14の両側に、接着層13を介して保護フィルム21を貼り付ける。
次に図2(B)に示すように、第1の耐熱性フィルム14に、第1の孔17を形成する。
次に図2(C)に示すように、第1の孔17に導電ペースト16を充填する。
図3(A)〜(D)は、多層配線基板11の製造方法の一例について説明する断面図である。図3において、22は銅箔、23は突出部である。
次に図3(A)に示すように、第2の孔18を形成する。
次に図3(B)に示すように、保護フィルム21を剥離することで、導電ペースト16からなる突出部23を設ける。
次に図3(C)に示すように、銅箔22を、突出部23の両側に配置し、矢印20で示すように加圧、加熱し、これらを一体化し、図3(D)の状態とする。なお加圧、加熱に用いる金型やプレス装置等は図示していない。
図3(D)において、銅箔22に形成された突出部23は、図3(C)に示した導電ペースト16からなる突出部23に起因するものである。図3(D)に示すように、また銅箔22の表面にも突出部23を積極的に設けることで、導電ペースト16中に含まれる銅粉どうし(銅粉は図示していない)が高密度に押しつぶされる際に、銅ペースト等の導電ペースト16部分により大きな圧力を印加することができる。
図3(D)の矢印20は、図3(C)の導電ペースト16に隣接した接着層13の一部が、第2の孔18へ流れ込む様子を示す。図3(D)の矢印20に示すように、第1の耐熱性フィルム14の裏表面に形成した接着層13どうしを一体化することで、これら界面での密着力を高められる。なおこれら部材の積層時に、市販の真空プレス装置を用いることは有用である。
図4は、多層配線基板11の製造方法の一例について説明する断面図である。
図4に示すように、図3(D)で作製したサンプルの両面に、図3(B)で作製したサンプルや、銅箔22を積層し、矢印20で示すように、これら部材を加熱、加圧し、一体化する。
図5は、図4に示したサンプルが加圧、加熱され一体化した後の様子を説明する断面図である。
図5に示すサンプルの最表層に設けた銅箔22の表面には、内蔵された導電ペーストに起因する突出部23が形成されているが、複数の導電ペーストが厚み方向に積層されたにも関わらず、その突出部23の高さは低く保たれている。
これは、前述の図3(D)で説明したように、導電ペースト16に隣接した接着層13の一部が、矢印20に示すように第2の孔18へ流れ込むためである。
また図5における矢印20aは、第1、第2の耐熱性フィルム14、15に形成した第2の孔18によって、第1、第2の耐熱性フィルム14、15に発生した内部応力が緩和される様子を示す。例えば前述の図3(B)の突出部23に起因する層間接続部の凹凸(あるいは凸部)が、その上に積層する第2の耐熱性フィルム15に応力発生させる場合があるが、第2の耐熱性フィルム15に第2の孔18を設けておくことで接続部の凹凸が緩和され、その結果応力を緩和することができる。ここで応力緩和とは、例えば、第2の孔18が、応力を受けて変形することを意味する。
以上のように、少なくとも、第1の耐熱性フィルム14の両側に接着層13を形成する工程と、前記第1の耐熱性フィルム14の両面に接着層13を介して保護フィルム21を設ける保護工程と、第1の耐熱性フィルム14に第1の孔17を形成する第1の孔工程と、第1の孔17に導電ペースト16を充填する充填工程と、第1の耐熱性フィルム14に第2の孔18を形成する第2の孔工程と、保護フィルム21を剥離し導電ペースト16からなる突出部23を形成する突出工程と、第1の耐熱性フィルム14の両面に、銅箔22を設置する銅箔設置工程と、第1の耐熱性フィルム14と、銅箔22とを加圧、加熱し積層すると共に、第2の孔18に接着層13の一部を充填し一体化する一体化工程と、銅箔22をパターニングして内層配線12または表層配線19を形成する配線形成工程と、を有する製造方法によって多層配線基板11が得られる。
また図4、図5に示したように、導電ペースト16からなるビアを、略同一位置であって厚み方向に積層してなるスタック構造とした場合でも、導電ペースト16の厚みの影響が表面に現れにくい多層配線基板11を製造することができる。
次に、比較例として、図6、図7を用いて、第1の耐熱性フィルム14に第2の孔18を設けていない場合について説明する。
図6(A)〜(C)は、第1の耐熱性フィルム14に第2の孔18を設けていない場合について説明する断面図である。
図6(A)は、前述の図2(C)の状態から、保護フィルム21を剥離する様子を説明する断面図である。
図6(B)は、前述の図3(C)の状態に相当する。
図6(C)は、前述の図3(D)の状態に相当する。図6(C)に示すように、第1の耐熱性フィルム14には、第2の孔18を設けていないため、銅箔22の表面には、図3(D)の場合に比べて、より大きな突出部23が形成されている。
図7は、第2の孔18が形成されていない場合の多層配線基板11の製造方法の一例について説明する断面図である。
図7に示すように、図6(C)で作製したサンプルの両面に、図6(B)で作製したサンプルや、銅箔22を積層し、矢印20で示すように、これら部材を加熱、加圧し、一体化する。
図8は、図7に示したサンプルが加圧、加熱され一体化した後の様子を説明する断面図である。
図8に示すサンプルの最表層に設けた銅箔22の表面には、内蔵された導電ペーストに起因する突出部23(図示していない)よりも、高さや面積が大きくなった突出部23が形成されているが、これは複数の導電ペースト16が厚み方向に積層され、より成長したためである。
図8に示すように、複数の導電ペースト16に起因する突出部23(図示していない)が互いに助長してなる大きな突出部23が形成された場合、表層配線19のファインパターン化や、電子部品の実装性に影響を与える可能性がある。
(実施例3)
実施例3を用いて、実施例1や実施例2で説明した各種部材について説明する。
実施例3を用いて、実施例1や実施例2で説明した各種部材について説明する。
第1、第2の耐熱性フィルム14、15としては、半田リフロー等の耐熱性を有する市販のポリイミドフィルムを用いる。第1、第2の耐熱性フィルム14、15の厚みは25μm以下、更には18μm以下が望ましい。第1、第2の耐熱性フィルム14、15の厚みを25μm以下とすることで、多層配線基板11の薄層化に対応できる。第1、第2の耐熱性フィルム14、15の厚みが30μm以上、更に50μm以上の場合、多層配線基板11の厚みが増加してしまう場合がある。
接着層13の厚みは、10μm以下、更には7μm以下が望ましい。接着層13の厚みを10μm以下とすることで、内層配線12や表層配線19、あるいは銅箔22の接着層13側に設けた粗化面(粗化面は、図1〜図8では図示していない)と、第1、第2の耐熱性フィルム14、15との接着力を高められる。なお接着層13の厚みとは、内層配線12の接着層13側に設けた粗化面と、第1、第2の耐熱性フィルム14、15との距離の一番小さい厚み(粗化面の凹凸面の凸部分と耐熱性フィルムとの距離)とする。なお接着層13の厚みが15μmを超えた場合、多層配線基板11の全体の総厚に影響を与える。
なお第1、第2の耐熱性フィルム14、15に設ける第2の孔18の直径と、第1、第2の耐熱性フィルム14、15に設ける第1の孔17の直径を略同一とすることで、レーザー等による孔形成のコストダウンが可能となる。
また第2の孔18は、複数個形成することが望ましい。複数個形成することで、より密着性を高め、熱膨張係数のマッチング性を高められる。なお第2の孔18の形成位置は、内層配線12が無い部分とすることで、絶縁信頼性を高めることができる。
また第1、第2の耐熱性フィルム14、15に、水分吸収率の高いポリイミドフィルムを用いた場合であっても、吸湿したポリイミドフィルムからの水分の起算が、第2の孔18を介して行われるため、第2の孔18によって密着性が高められているため吸湿リフロー特性等も改善できる。
次に[表1]を用いて、第1、第2の耐熱性フィルム14、15における第2の孔18の効果について説明する。なお吸湿リフロー試験は、85℃/85%RH/24h吸湿後260℃を繰り返し行ない、サンプル(1)(2)が破壊されるまでの回数で比較した。なお吸湿リフローで○は良、◎は特に優れていたことを示す。
なお[表1]において、導電ペースト16に起因する突出部23が、多層配線基板11の表面に現れる影響を調べるために、突出部23は通常の量産条件よりも、より大きく(より高く)なるように、保護フィルム21の厚み等をより厚くなるよう設定して実験した。
[表1]は、発明品(サンプル(1))と比較品(サンプル(2))について、試作した結果を示すものである。[表1]において、第1、第2の耐熱性フィルム14、15の厚みは28μm、第1、第2の孔17、18の直径は130μm、接着層13の厚みは10μmとした。また図3(D)や図6(C)に示したようにして両面基板、あるいは図4や図5、図7、図8に示したようにして4層あるいは6層基板を作製した。
なお第2の孔18の直径は、第1の孔17と略同じとし、個数も第1の孔17の数と略同じとした。なお評価用のパターンやビア数等は、一般的なテストパターンを用いた。
[表1]において総合判断は、ビア抵抗や、銅箔22表面(あるいは多層配線基板11の表面)に現れた凸部に起因する凹凸で判断した。また良の判断を○、判断に迷う場合を△、NGの判断を×、特に優れた場合を◎とした。
[表1]の結果より、サンプル(2)(比較品、例えば、図8の構造)では、導電ペースト16を厚み方向にスタックした場合、多層配線基板11の表面に大きな突出部23が形成される場合があることが判る。
一方、サンプル(1)(発明品、例えば、図1の構造)では、導電ペースト16を厚み方向にスタックした場合でも、多層配線基板11の表面に形成される突出部23は、大きく成長しないことが判る。
なお導電ペースト16としては、銅粉等の導電粉を熱硬化性樹脂に高濃度に分散してなるものを用いることが望ましい。
また接着層13を構成する接着剤は、エポキシ等の耐熱性を有する樹脂に、無機フィラー等の熱膨張調整部材等を添加したものを用いる。また第1、第2の耐熱性フィルム14、15上への接着層13の形成は、市販のコーター(塗工機)等を用いることで、ピンホール等の発生を防止しながら、略均一な塗膜厚みで形成することができる。また接着層13の厚みは、第1、第2の耐熱性フィルム14、15の上で、略均一とすることで、多層配線基板11の厚みバラツキを低減できる。
また図1に示した多層配線基板11は、4層配線基板の場合について説明する断面図であるが、図2〜図5で説明した工程を繰り返すことで、6層配線基板や8層配線基板を製造できることは言うまでもない。
また表層配線19を設けた上に、更に図2〜図5で説明した工程を繰り返すことで、多層配線基板を実現できることは言うまでもない。
本発明の多層基板とその製造方法は、耐熱性フィルムを用いることで、薄層でありながらも信頼性の高い多層配線基板を、導電ペーストからなるインナービアホール接続法すなわち全層IVH構造樹脂多層配線基板を提供することで、電子機器の小型化、高密度実装化、高機能化に貢献することができる。
11 多層配線基板
12 内層配線
13 接着層
14 第1の耐熱性フィルム
15 第2の耐熱性フィルム
16 導電ペースト
17 第1の孔
18 第2の孔
19 表層配線
20、20a、20b 矢印
21 保護フィルム
22 銅箔
23 突出部
12 内層配線
13 接着層
14 第1の耐熱性フィルム
15 第2の耐熱性フィルム
16 導電ペースト
17 第1の孔
18 第2の孔
19 表層配線
20、20a、20b 矢印
21 保護フィルム
22 銅箔
23 突出部
Claims (2)
- 少なくとも、2層以上の内層配線と、この内層配線間に設けられた耐熱性フィルムと、この耐熱性フィルムと前記内層配線とを接着する接着層と、前記耐熱性フィルムに形成された第1の孔に充填され前記内層配線を層間接続する導電ペーストと、を有する多層配線基板であって、
前記耐熱性フィルムの両側の接着層どうしは、前記第1の孔と異なる位置に設けられた複数の第2の孔を介して一体化している多層配線基板。 - 少なくとも、
耐熱性フィルムの両側に接着層を形成する工程と、
前記耐熱性フィルムの両面に前記接着層を介して保護フィルムを設ける保護工程と、
前記耐熱性フィルムに第1の孔を形成する第1の孔工程と、
前記第1の孔に導電ペーストを充填する充填工程と、
前記耐熱性フィルムに第2の孔を形成する第2の孔工程と、
前記保護フィルムを剥離し前記導電ペーストからなる突出部を形成する突出工程と、
前記耐熱性フィルムの両面に、銅箔を設置する銅箔設置工程と、
前記耐熱性フィルムと、銅箔とを加圧、加熱し積層すると共に、前記第2の孔に前記接着層の一部を充填し一体化する一体化工程と、
前記銅箔をパターニングして配線を形成する配線形成工程と、
を有する多層配線基板の製造方法。
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JP2014232760A (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-11 | 株式会社日立製作所 | 層間接続基板およびその製造方法 |
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2010
- 2010-04-21 JP JP2010097642A patent/JP2011228516A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014232760A (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-11 | 株式会社日立製作所 | 層間接続基板およびその製造方法 |
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