JP2011227032A - 磁束検知センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化が可能で、姿勢の傾斜角度に対する検出信号の線形性を高めることができる磁束検知センサを提供する。
【解決手段】 傾斜センサ1は、ケーシング2、磁電変換素子8および可動体12によって構成する。ケーシング2は、上向きの凹状曲面5を有する可動体収容空間6を形成する。ケーシング2には、凹状曲面5の最深部5Aの下側に位置してケーシング2の高さ方向の磁束密度を検出する磁電変換素子8を設ける。可動体12は、半球状のマグネットによって形成し、下向きの半球面からなる滑動面13と平坦な上面14とが互いに逆極性となっている。そして、可動体12は、滑動面13が凹状曲面5で滑動自在となった状態で、ケーシング2の可動体収容空間6に収容される。これにより、磁電変換素子8には、ケーシング2の傾斜角度θに応じた磁束密度を印加することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば姿勢の傾きの検出に用いて好適な磁束検知センサに関する。
従来技術による磁束検知センサとして、姿勢の傾きを検出する傾斜センサが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1には、中央部分が窪んだ傾斜面を有するマグネットと、該マグネットの傾斜面と対向して配置されたホールIC等の磁気検出素子と、マグネットと磁気検出素子との間に位置してマグネットの傾斜面に転動可能に設けられた磁性材料からなる球形の可動体とを備えた構成が開示されている。特許文献1の傾斜センサでは、マグネットの傾斜に応じて可動体が傾斜面上を転動変位し、可動体の変位に伴う磁束密度の変化を磁気検出素子によって検出している。
また、特許文献2には、凹状球面をもったケースと、該ケースの凹状球面上に滑動可能に設けられた厚肉な円板状のマグネットと、凹状球面の側縁部に3個以上設けられた磁気検出素子とを備えた構成が開示されている。特許文献2の傾斜センサでは、ケースの傾斜に応じてマグネットが凹状球面上を滑動変位し、マグネットの変位に伴う磁束密度の変化を複数個の磁気検出素子を用いて検出している。
特開2003−185430号公報 特開平8−261758号公報
ところで、従来技術による傾斜センサでは、傾斜に伴う可動体やマグネットの変位を確実に検出するために、可動体等の可動範囲を可動体等の外形に比べて十分に大きく確保する必要がある。このため、センサ全体が大型化し易く、小型のセンサを形成し難いという問題がある。また、傾斜センサでは、可動体等の形状や、磁気検出素子と可動体等との位置関係に応じた検出信号を出力するから、検出信号が傾斜角度に対して非線形な特性になり易く、検出可能な傾斜の角度範囲が狭くなる傾向がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、小型化が可能で、姿勢の傾斜角度に対する検出信号の線形性を高めることができる磁束検知センサを提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、底部側に下向きの凸状曲面からなる滑動面が形成された可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、前記滑動面を介して前記磁束密度検知手段に磁束を印加すると共に、前記可動体の上面周縁には、当該上面周縁における磁束密度の集中を緩和する面取り部を設け、前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としている。
請求項2の発明は、底部側に下向きの半球面からなる滑動面が形成された半球状の可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、前記滑動面を介して前記磁束密度検知手段に磁束を印加すると共に、前記可動体の上面周縁には、当該上面周縁における磁束密度の集中を緩和する面取り部を設け、前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としている。
請求項3,4の発明では、前記可動体は、磁性材料を用いて形成され、前記滑動面と上面とが互いに逆極性となった状態で磁化した構成としている。
請求項5の発明では、前記可動体収容空間の凹状曲面は、前記可動体の滑動面よりも大きな曲率半径をもった球面によって形成している。
請求項6の発明では、前記可動体の滑動面と前記可動体収容空間の凹状曲面とのうち少なくともいずれか一方には、平滑処理を施している。
請求項7の発明では、前記磁束密度検知手段は、水平面の互いに直交するX軸方向およびY軸方向において、X軸方向に磁束を傾斜させたときの検出信号に比べてY軸方向に磁束を傾斜させたときの検出信号が大きな出力レベルとなる異方性を有し、前記可動体収容空間の凹状曲面は、前記磁束密度検知手段の異方性を補うために、X軸方向に比べてY軸方向に向けて前記可動体を大きく変位させる異方性曲面によって形成している。
請求項8の発明は、底部側に下向きの凸状曲面からなる滑動面が形成された可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としている。
請求項9の発明は、底部側に下向きの半球面からなる滑動面が形成された半球状の可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としている。
請求項1の発明によれば、可動体の底部側を下向きの凸状曲面からなる滑動面に形成した。このため、凸状曲面の頂点部分から上面周縁に沿って可動体の厚さが漸次小さくなる。なお、磁性体材料を用いて可動体を形成したときには、可動体の厚い部分に磁束が集中する傾向がある。このため、可動体の頂点部分の周囲では磁束密度が高く、可動体の上面周縁に近い部分では磁束密度が低下する。
また、可動体は、非磁性容器の可動体収容空間内に設けられる。磁束密度検知手段は、非磁性容器に設けられると共に、可動体の滑動面と対向配置される。非磁性容器が水平状態から傾くと、可動体の滑動面が凹状曲面上を滑動して、凹状曲面の最も低い位置に向けて可動体の頂点部分が移動する。このとき、非磁性容器の傾斜角度に応じて可動体の頂点部分と磁束密度検知手段との相対位置が変化する。このため、非磁性容器の傾斜角度に応じて、磁束密度検知手段に印加する磁束密度を変化させることができる。
また、可動体の頂点部分が磁束密度検知手段に対して変位すればよいから、非磁性容器の可動体収容空間は、可動体が回転変位できる程度の容積があれば足りる。このため、可動体収容空間の容積を可動体の体積に近付けることができ、センサ全体を小型化することができる。
さらに、可動体の滑動面と磁束密度検知手段との対向位置関係として、例えば非磁性容器を水平状態にしたときの凹状曲面の最深部の周囲に磁束密度検知手段を配置すると、非磁性容器の傾斜角度が小さい場合には可動体の頂点部分と磁束密度検知手段との変位が小さく、磁束密度検知手段に印加される磁束密度が高くなる。一方、非磁性容器の傾斜角度が大きい場合には、可動体の頂点部分と磁束密度検知手段との変位が大きく、磁束密度検知手段に印加される磁束密度が低くなる。なお、磁束密度検知手段に印加される磁束密度は、磁束密度検知手段と対向する可動体部分の厚さに応じて変化する。このため、可動体を例えば厚肉な円板形状や小径の球形状とした場合に比べて、非磁性容器の傾斜角度に対する磁束密度検知手段の検出信号の線形性を高めることができ、検出可能な傾斜の角度範囲を広げることができる。
また、例えば可動体の滑動面と上面とを逆極性に磁化したときには、面が鋭角に交わる可動部の上面周縁に磁束が集中する傾向がある。これに対し、本発明では、可動体の上面周縁には面取り部を設けたから、該面取り部によって、可動体の上面周縁での磁束の集中を緩和することができる。この結果、可動体の頂点部分から上面周縁に近付くに従って、磁束密度を漸次低下させることができ、可動体の変位によって生じる磁束密度の変化の直線性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、可動体の底部側には下向きの半球面からなる滑動面を形成したから、半球面の頂点部分から上面周縁に沿って可動体の厚さが漸次小さくなる。このため、請求項1の発明とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
請求項3,4の発明によれば、磁性材料を用いて可動体が形成され、滑動面と上面とを互いに逆極性に磁化する構成としたから、滑動面の法線方向に向けて磁束を発生させることができる。また、磁束密度検知手段は可動体の滑動面と対向して配置されている。このため、非磁性容器を水平状態から傾けると、磁束密度検知手段と対向する滑動した可動体の滑動面部分の法線方向に略一致して、磁束密度検知手段も傾く。
また、半球状をなす可動体は、その頂点部分での磁束密度が高く、上面周縁に近い部分では磁束密度が低くなる。このため、非磁性容器の傾斜角度に応じて、可動体の滑動面のうち磁束密度検知手段と対向する部分を変位させて、可動体から磁束密度検知手段に印加する磁束密度を変化させることができると共に、磁束密度検知手段は傾斜角度に応じた磁束密度を確実に検出することができる。この結果、磁束密度検知手段は、傾斜角度に応じた検出信号を出力することができる。
請求項5の発明によれば、可動体収容空間の凹状曲面は、可動体の半球面よりも大きな曲率半径をもった半球面によって形成したから、可動体は、その半球面の頂点部分が凹状曲面に接触した状態で凹状曲面上を滑動することができる。
請求項6の発明によれば、可動体の滑動面と可動体収容空間の凹状曲面とのうち少なくともいずれか一方には平滑処理を施したから、可動体の滑動面と可動体収容空間の凹状曲面との間の摩擦抵抗を低減して、可動体を凹状曲面上で円滑に滑動させることができる。
請求項7の発明によれば、磁束密度検知手段は、X軸方向に磁束を傾斜させたときの検出信号に比べてY軸方向に磁束を傾斜させたときの検出信号が大きな出力レベルとなる異方性を有する構成とした。また、可動体収容空間の凹状曲面は、X軸方向に比べてY軸方向に向けて可動体を大きく変位させる異方性曲面によって形成した。このため、非磁性容器をX軸方向に傾けたときと同じ傾斜角度だけY軸方向に傾けると、Y軸方向における可動体の変位量が大きくなり、磁束密度検知手段と可動体の頂点部分との位置変化を大きくすることができる。
ここで、可動体の滑動面の法線方向に向けて磁束が発生するから、非磁性容器をX軸方向に傾けたときに比べて、Y軸方向に傾けたときの方が、磁束密度検知手段に印加される磁束密度の変化が大きくなる。即ち、同じ傾斜角度でX軸方向に傾けたときに比べて、Y軸方向に傾けたときの方が可動体から磁束密度検知手段に印加される磁束密度が低下し、検出信号の出力レベルを小さくすることができる。この結果、非磁性容器がX軸方向に傾斜したときの磁束密度検知手段の検出信号と、非磁性容器がY軸方向に傾斜したときの磁束密度検知手段の検出信号とは、傾斜角度に対する出力レベルをほぼ等しくすることができる。
請求項8の発明によれば、可動体の底部側には下向きの凸状曲面からなる滑動面を形成したから、可動体は、凸状曲面の頂点部分から上面周縁に沿って可動体の厚さが漸次小さくなる。また、磁束密度検知手段は非磁性容器に設けられると共に、可動体の滑動面と磁束密度検知手段とを対向配置したから、非磁性容器の傾斜角度に応じて可動体の頂点部分と磁束密度検知手段との相対位置が変化する。このため、非磁性容器の傾斜角度に応じて、磁束密度検知手段に印加する磁束密度を変化させることができる。
そして、請求項8の発明でも、請求項1の発明とほぼ同様に、センサ全体を小型化することができると共に、非磁性容器の傾斜角度に対する磁束密度検知手段の検出信号の線形性を高めることができる。
請求項9の発明によれば、可動体の底部側には下向きの半球面からなる滑動面を形成したから、可動体は、半球面の頂点部分を中心として上面周縁に向かうに従って厚さ寸法が漸次小さくなる半球状に形成することができる。このため、請求項8の発明とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態による傾斜センサを示す分解斜視図である。 傾斜センサを図3中の矢示II−II方向からみた断面図である。 図1中の傾斜センサを蓋体を省いた状態で示す平面図である。 第1の実施の形態による傾斜センサを水平状態としたときの可動体と磁電変換素子との位置関係を示す説明図である。 第1の実施の形態による傾斜センサを傾斜状態としたときの可動体と磁電変換素子との位置関係を示す説明図である。 比較例による傾斜センサを示す図4と同様な説明図である。 第1の実施の形態および比較例において、傾斜角度と検出信号に対応する磁束密度との関係を示す特性線図である。 第2の実施の形態による傾斜センサを示す分解斜視図である。 傾斜センサを図10中の矢示IX−IX方向からみた断面図である。 図8中の傾斜センサを蓋体を省いた状態で示す平面図である。 第1,第2の実施の形態において、傾斜角度と検出信号に対応する磁束密度との関係を示す特性線図である。 第3の実施の形態による傾斜センサを示す図2と同様な位置の断面図である。 第2,第3の実施の形態において、傾斜角度と検出信号に対応する磁束密度との関係を示す特性線図である。 第4の実施の形態による傾斜センサを示す図9と同様な位置の断面図である。 第5の実施の形態による傾斜センサを示す分解斜視図である。 傾斜センサを図18中の矢示XVI−XVI方向からみた断面図である。 傾斜センサを図16中の矢示XVII−XVII方向からみた断面図である。 図15中の傾斜センサを蓋体を省いた状態で示す平面図である。 図15中の可動体と磁電変換素子との位置関係を示す説明図である。 磁電変換素子の磁気抵抗センサを示す正面図である。 磁電変換素子を示す等価回路図である。 第6の実施の形態による傾斜センサを示す図16と同様な位置の断面図である。 傾斜センサを図22中の矢示XXIII−XXIII方向からみた断面図である。 図22中の傾斜センサを蓋体を省いた状態で示す平面図である。 第1の変形例による傾斜センサを示す図2と同様な位置の断面図である。 第2の変形例による傾斜センサを示す図2と同様な位置の断面図である。 第3の変形例による傾斜センサを示す図2と同様な位置の断面図である。 第4の変形例による傾斜センサを示す図2と同様な位置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態による磁束検知センサを傾斜センサに適用した場合を例に挙げて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図5は第1の実施の形態による傾斜センサ1を示している。この傾斜センサ1は、後述するケーシング2、磁電変換素子8、可動体12によって構成されている。
ケーシング2は、例えば絶縁樹脂材料等の非磁性材料を用いて形成された非磁性容器である。このケーシング2は、有底な略円筒状に形成されたケーシング本体3と、該ケーシング本体3の開口部となる上部側を施蓋する蓋体4によって構成されている。
ケーシング本体3の鉛直方向の高さは数mm(例えば9mm程度)であり、水平面での断面形状は、数mm(例えば9mm程度)の外径寸法の略円形になっている。また、ケーシング本体3の上部側には略半球状(鉢状)に窪んだ凹部3Aが形成されると共に、該凹部3Aの開口縁には円筒状の雄嵌合部3Bが上方に向けて一体に形成されている。
凹部3Aの表面(露出面)は、上向きに開口した凹状曲面5となっている。この凹状曲面5は、例えば半球面によって形成され、その曲率半径r1は後述する可動体12の滑動面13の曲率半径r2よりも大きな値となっている。
蓋体4は、略円板状に形成されると共に、その外周縁には円筒状の雌嵌合部4Aが下方に向けて一体に形成されている。この雌嵌合部4A内にケーシング本体3の雄嵌合部3Bを嵌合挿入することによって、蓋体4はケーシング本体3に取り付けられ、ケーシング本体3と蓋体4との間に略半球状の可動体収容空間6が形成される。
また、蓋体4の中央部分には、凹状曲面5の最深部5Aに向けて下方に延びる略円柱状のロッド部7が設けられている。なお、ロッド部7の下端部分は略半球状に形成されている。ロッド部7を設けたことにより、後述の可動体12が凹状曲面5から離れるのが抑制され、また、可動体12が可動体収容空間6内で天地逆転して転倒するのが防止される。
磁気抵抗素子、ホール素子等からなる磁電変換素子8は、磁束密度検知手段を構成し、例えばケーシング2の高さ方向の磁束密度(磁界)に対応した検出信号Voutを出力する。この磁電変換素子8は、凹状曲面5の最深部5Aよりも、微小寸法δだけ下側に位置したケーシング本体3の内部に設けられる。なお、微小寸法δは数百μm〜数mmの範囲で、例えばδ=1mm程度に設定される。また、磁電変換素子8は、可動体収容空間6に収容される可動体12の滑動面13に対向する位置に配置される。そして、磁電変換素子8には、可動体12の滑動面13を介して可動体12からの磁束φが印加される。これにより、磁電変換素子8は、可動体12の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する。
また、磁電変換素子8には、外部のグランドに接続するためのグランド端子9が電気的に接続されると共に、駆動電圧Vddを供給するための駆動電圧端子10が電気的に接続されている。さらに、磁電変換素子8には、例えば電圧等の検出信号Voutを出力する信号出力端子11が電気的に接続されている。そして、グランド端子9、駆動電圧端子10および信号出力端子11は、例えば導電性金属材料によって形成され、ケーシング本体3に埋設されると共に、その一部がケーシング本体3の下面側から下向きに突出している。
可動体12は、例えばフェライト等の磁性材料を用いて形成され、略半球状のマグネット(永久磁石)に形成されている。この可動体12の底部側は下向きの凸状曲面からなる滑動面13が形成されると共に、可動体12の上部側は平坦面となった上面14が形成されている。これにより、可動体12は、略半球面となった滑動面13の頂点部分12Aで厚さが最大になると共に、滑動面13に沿って頂点部分12Aから上面14の上面周縁部分12Bに近付くに従って漸次厚さが薄くなっている。
また、可動体12は、例えば滑動面13がN極、上面14がS極のように、滑動面13と上面14とが互いに逆極性となるように磁化されている。これにより、可動体12の滑動面13の法線方向に向けて、磁束φが発生する。なお、可動体12の厚さが最大の頂点部分12Aの周囲での磁束密度が高くなると共に、厚さが薄くなる上面周縁部分12Bに近付くに従って漸次磁束密度が低くなる。
可動体12は、ケーシング2の凹状曲面5と可動体12の滑動面13とが接触して滑り移動できるように、滑動面13を下向きにしてケーシング2の可動体収容空間6に収容される。このため、ケーシング2を水平状態から傾けると、可動体12は凹状曲面5に沿って可動体収容空間6の内部を滑動変位する。
また、可動体12は下向きに突出した半球形状をなしているから、その重量バランスに基づいて上面14が水平な状態で静止する。このため、ケーシング2の傾斜角度θに応じて、可動体12の頂点部分12Aと磁電変換素子8との間の位置関係が変化すると共に、可動体12から磁電変換素子8に印加される磁束φの向きも変化するものである。
本実施の形態による傾斜センサ1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、ケーシング2が水平状態の場合には、可動体12は、定常位置として、凹状曲面5の最深部5A側に配置される。具体的には、可動体12の頂点部分12Aが凹状曲面5の最深部5Aに接触した状態で、可動体12は凹状曲面5によって支持される。このとき、可動体12のうち磁束密度が高い頂点部分12Aは、磁電変換素子8に最も近付いた真上位置に配置される。従って、磁電変換素子8には、ケーシング2の高さ方向となる鉛直方向に沿った可動体12による磁束φが印加される。このため、磁電変換素子8は、Z軸方向の磁束密度に応じた最も大きな検出信号Voutを出力する。
次に、ケーシング2を傾斜状態にして水平状態から傾けた場合には、可動体12は、凹状曲面5に沿って定常位置から変位し、可動体収容空間6の最も低い位置に向けて移動する。このため、可動体12のうち磁束密度の高い頂点部分12Aは、ケーシング2の傾斜角度θに応じて、凹状曲面5の最深部5Aから離れると共に、最深部5Aには磁束密度の低い上面周縁部分12Bが近付く。従って、可動体12から磁電変換素子8に印加される磁束密度は、傾斜角度θに応じて減少する。
磁電変換素子8は、鉛直方向に対して傾斜角度θだけ傾いた方向の磁束密度を検出し、この磁束密度に応じた検出信号Voutを出力する。この結果、磁電変換素子8は傾斜角度θに応じた検出信号Voutを出力すると共に、この検出信号Voutは傾斜角度θが大きくなるに従って漸次小さくなる。
次に、ケーシング2を水平状態に戻した場合には、可動体12は、凹状曲面5に沿って最深部5A側に向けて変位し、頂点部分12Aが最深部5Aに接触した定常位置に復帰する。これにより、磁電変換素子8に印加される磁束密度が再び増加し、磁電変換素子8は、鉛直方向の磁束密度に応じた最も大きな検出信号Voutを出力する。
本実施の形態では、可動体12を半球面の滑動面13を有する半球形状に形成すると共に、滑動面13を半球面となった凹状曲面5で滑動自在に支持する構成とした。このため、磁電変換素子8に印加する磁束密度をケーシング2の傾斜角度θに応じて変化させることができ、傾斜角度θに対する検出信号Voutの線形性を高めることができる。
なお、線形性向上の効果を確認するために、本実施の形態による傾斜センサ1と、図6に示す比較例としての傾斜センサ21との比較を行った。傾斜センサ1、21について、傾斜角度θと、傾斜角度θ方向の磁束密度との関係を測定し、その比較結果を図7に示す。
図6に示す比較例としての傾斜センサ21のケーシング22は、第1の実施の形態の傾斜センサ1と同様に、ケーシング本体23と蓋体24とからなり、ケーシング本体23には凹状曲面25を有する可動体収容空間26を備える構成とした。また、可動体27は、特許文献2と同様に厚肉な円板状(円柱状)のマグネットによって形成すると共に、円形状をなす下面27Aと上面27Bは互いに逆極性に磁化したものを用いた。
傾斜センサ21の場合は図7中に破線で示すように、傾斜角度θが20°から30°の間で磁束密度が大きく変化し、磁束密度は傾斜角度θに対して非線形な特性になる。この理由は、可動体27を厚肉な円板状に形成したため、磁電変換素子8が下面27Aの中央部の近くに位置する場合と、中央部から離れて位置する場合とでは磁電変換素子8に印加される磁束密度が大きく変化するためである。
これに対し、傾斜センサ1の場合は図7中に実線で示すように、傾斜角度θが0°から50°程度までの範囲では、傾斜角度θの増加に従って磁束密度が一様に減少し、磁束密度は、傾斜角度θに対して線形に近い特性になる。この理由は、可動体12を半球状に形成したことにより、可動体12の厚さが最大となる頂点部分12Aの周囲で磁束密度が高く、厚さが薄い上面周縁部分12Bに近付くに従って磁束密度が漸次低下するためである。そして、本実施の形態では、ケーシング2の傾斜角度θが大きくなるに従って、滑動面13のうち磁電変換素子8と対向する位置が、頂点部分12Aから上面周縁部分12Bに向けて変位する。このため、可動体12の滑動面13と磁電変換素子8とが対向する角度範囲で、磁束密度を傾斜角度θに応じて変化させることができ、磁束密度に対応した検出信号Voutの線形性を高めることができる。
また、本実施の形態では、可動体12の頂点部分12Aが磁電変換素子8に対して変位すればよいから、ケーシング2の可動体収容空間6は、可動体12が回転変位できる程度の容積があれば足りる。このため、可動体収容空間6の容積を可動体12の体積に近付けることができ、傾斜センサ1を小型化することができる。
次に、図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、可動体の上面周縁部分に面取り部を設ける構成としたことにある。
傾斜センサ41は、第1の実施の形態による傾斜センサ1とほぼ同様に、ケーシング42、磁電変換素子48、可動体52によって構成されている。
ケーシング42は、例えば絶縁樹脂材料等の非磁性材料を用いて形成された非磁性容器である。このケーシング42は、有底な略円筒状に形成されたケーシング本体43と、該ケーシング本体43の開口部となる上部側を施蓋する蓋体44によって構成されている。このケーシング本体43および蓋体44は、第1の実施の形態によるケーシング本体3および蓋体4とほぼ同様に形成されている。
ケーシング本体43の鉛直方向の高さは数mm程度であり、水平面での断面形状は数mmの外径寸法の略円形になっている。また、ケーシング本体43の上部側には略半球状に窪んだ凹部43Aが形成されると共に、該凹部43Aの開口縁には円筒状の雄嵌合部43Bが一体に形成されている。
凹部43Aの表面(露出面)は、上向きに開口した凹状曲面45となっている。この凹状曲面45の最深部側には、水平面に平行な小径な円形平坦面となった底面部45Aが形成されている。また、凹部43Aの略半球状の表面と底面部45Aの外周との間は、下方方向に縮径する円錐台の側面形状の底面連結部45Bで連結されている。この結果、凹状曲面45は、全体として略半球面形状に形成されている。
これらの底面部45Aおよび底面連結部45Bは、後述する可動体52の滑動面53を点接触に近い状態で支持する。このため、傾斜角度θが小さいときでも、凹状曲面45と可動体52との間の摩擦抵抗を低減して、可動体52を容易に滑動させることができる。また、凹状曲面45の最深部側には平坦面となった底面部45Aを設けたから、ケーシング42を水平状態に復帰させたときには、可動体52を定常位置となる底面部45Aに確実に戻すことができる。
蓋体44は、略円板状に形成されると共に、その外周縁には円筒状の雌嵌合部44Aが下向に向けて一体に形成されている。この雌嵌合部44A内にケーシング本体43の雄嵌合部43Bを嵌合挿入することによって、蓋体44はケーシング本体43に取り付けられ、ケーシング本体43と蓋体44との間に略半球状の可動体収容空間46が形成される。また、蓋体44の中央部分には、第1の実施の形態によるロッド部7とほぼ同様なロッド部47が設けられている。
磁電変換素子48は、磁束密度検知手段を構成し、例えばケーシング42の高さ方向の磁束密度に対応した検出信号Voutを出力する。この磁電変換素子48は、凹状曲面45の底面部45Aよりも数百μm〜数mm下側に位置してケーシング本体43の内部に設けられ、また、可動体収容空間46の可動体52の滑動面53に対向する位置に配置されている。そして、磁電変換素子48には、滑動面53を介して可動体52からの磁束φが印加される。これにより、磁電変換素子48は、可動体52の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する。なお、磁電変換素子48には、第1の実施の形態と同様に、ケーシング本体43に取り付けられたグランド端子49、駆動電圧端子50および信号出力端子51が電気的に接続されている。
可動体52は、磁性材料を用いて形成され、略半球状のマグネット(永久磁石)に形成されている。この可動体52は、第1の実施の形態による可動体12とほぼ同様に、底部側に下向きの凸状曲面からなる滑動面53が形成されると共に、上部側に平坦面となった上面54が形成されている。これにより、可動体52は、略半球面となった滑動面53の頂点部分52Aで厚さが最大になると共に、頂点部分52Aから上面54の上面周縁部分52Bに近付くに従って漸次厚さが薄くなっている。
また、可動体52は、滑動面53と上面54とが互いに逆極性となるように磁化されている。これにより、可動体52は、例えば滑動面53の法線方向に向けて磁束φを発生する。なお、可動体52の厚さが最大の頂点部分52Aの周囲では磁束密度が高くなると共に、厚さが薄くなる上面周縁部分52Bに近付くに従って漸次磁束密度が低くなる。
可動体52は、ケーシング42の凹状曲面45と可動体52の滑動面53とが接触して滑り移動できるように、滑動面53を下向きにしてケーシング42の可動体収容空間46に収容されている。このため、ケーシング42を水平状態から傾けると、可動体52は凹状曲面45に沿って可動体収容空間46の内部を滑動変位する。
また、可動体52は、下向きに突出した半球形状をなしているから、その重量バランスに基づいて上面54が水平な状態で静止する。このため、ケーシング42の傾斜角度θに応じて、可動体52の頂点部分52Aと磁電変換素子48との間の距離が変化すると共に、可動体52から磁電変換素子48に印加される磁束φの向きも変化する。
また、可動体52の上面周縁部分52Bは円弧状にR面取りが施され、面取り部55が形成されている。これにより、面取り部55の周辺における、上面周縁部分52Bでの磁束φの集中が緩和される。
さらに、可動体52には、上面54の中央側に位置して略円形に窪んだ凹陥部56が形成されている。この凹陥部56を設けたことにより、可動体52の重心位置が頂点部分52A側に移動して、可動体52の安定性を高めている。
かくして、第2の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができると共に、特に、可動体52の上面周縁部分52Bには面取り部55を設けたから、該面取り部55によって、可動体52の上面周縁部分52Bでの磁束φの集中を緩和して、傾斜角度θに対する磁電変換素子48の検出信号の線形性の範囲を高めることができる。
なお、線形性向上の効果を確認するために、第1,第2の実施の形態による傾斜センサ1,41との比較を行った。傾斜センサ1,41について、傾斜角度θと、傾斜角度θ方向の磁束密度との関係を測定し、その比較結果を図11に示す。
第1の実施の形態の傾斜センサ1の場合は図11中に破線で示すように、傾斜角度θが例えば50°よりも小さい範囲では、傾斜角度θが増加するに従って磁束密度が低下する。一方、傾斜角度θが例えば50°よりも大きい範囲では、傾斜角度θが増加しても磁束密度がさらに低下せず、磁束密度が増加する。
第1の実施の形態による可動体12では、滑動面13と上面14とが鋭角的に交わる上面周縁部分12Bで磁束φの集中が生じる。従って、第1の実施の形態では、傾斜角度θが大きくなると、磁束密度の高い上面周縁部分12Bが磁電変換素子8に近付くため、磁電変換素子8によって検出する磁束密度が増加し、傾斜角度θに対して非線形の範囲が狭くなる。
これに対し、第2の実施の形態の傾斜センサ41では、可動体52の上面周縁部分52Bに面取り部55を設けたから、該面取り部55によって、可動体52の上面周縁部分52Bでの磁束φの集中を緩和することができる。このため、頂点部分52Aから上面周縁部分52Bに近付くに従って、磁束密度を漸次低下させることができる。この結果、第2の実施の形態の場合は図11中に実線で示すように、傾斜角度θが50°を超えた範囲でも、傾斜角度θの増加に従って磁束密度が一様に減少し続け、検出可能な傾斜角度θの範囲をさらに広げることができる。
次に、図12は本発明の第3の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、可動体の外径寸法を凹状曲面の内径寸法に近い値に設定したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
傾斜センサ61は、第1の実施の形態による傾斜センサ1とほぼ同様に、ケーシング62、磁電変換素子8、可動体68によって構成されている。
ケーシング62は、第1の実施の形態によるケーシング2とほぼ同様に、ケーシング本体63および蓋体64によって構成されている。ケーシング本体63の上部側には、半球状に窪んだ凹部63Aが形成されると共に、凹部63Aの表面には、内径寸法D1をもって開口した半球面からなる凹状曲面65が形成されている。また、凹状曲面65の開口縁には円筒状の雄嵌合部63Bが形成され、この雄嵌合部63Bは、蓋体64の雌嵌合部64A内に嵌合挿入されている。これにより、ケーシング本体63と蓋体64との間に可動体収容空間66が形成される。また、蓋体64の中央部分には、第1の実施の形態によるロッド部7とほぼ同様なロッド部67が設けられている。
さらに、ケーシング本体63には、凹状曲面65の最深部65Aの下側に位置して磁電変換素子8が設けられると共に、該磁電変換素子8に電気的に接続されたグランド端子9、駆動電圧端子10および信号出力端子11が取り付けられている。
可動体68は、磁性材料を用いて形成され、略半球状のマグネット(永久磁石)に形成されている。この可動体68は、第2の実施の形態による可動体52とほぼ同様に形成されている。このため、可動体68の底部側に下向きの凸状曲面からなる滑動面69が形成されると共に、上部側に平坦面となった上面70が形成されている。
また、可動体68は、滑動面69と上面70とが互いに逆極性に磁化されている。この可動体68の厚さが厚い頂点部分68Aの周囲での磁束密度が高くなると共に、厚さが薄い上面周縁部分68Bに近付くに従って漸次磁束密度が低くなっている。
可動体68の上面周縁部分68Bは、円弧状にR面取りが施され、面取り部71が形成されている。また、可動体68の上面70の中央側に、略円形に窪んだ凹陥部72が形成されている。さらに、可動体68の外径寸法D2は、凹状曲面65の内径寸法D1に近い値として、内径寸法D1の70〜95%程度の値に設定されている。そして、可動体68は、滑動面69が下向きとなった状態でケーシング62の可動体収容空間66に収容されている。
かくして、第3の実施の形態でも第1,第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができ、特に、可動体68の外径寸法D2を凹状曲面65の内径寸法D1に近い値に設定したから、図13に示すように、傾斜角度θに対する磁電変換素子8に印加する磁束密度の変化量を大きくすることができる。このため、磁電変換素子8の検出信号Voutの出力レンジを広げて、傾斜角度θの検出感度を高めることができる。
また、可動体68の外径寸法D2を凹状曲面65の内径寸法D1に近い値に設定したから、可動体68の外径寸法D2を小さくすることによって、傾斜センサ61全体を小型化することができる。
なお、第3の実施の形態では、第2の実施の形態による可動体52と同様な可動体68を用いる構成としたが、第1の実施の形態による可動体12と同様な可動体を用いる構成としてもよい。また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態による凹状曲面5と同様な形状の凹状曲面65を用いる構成としたが、第2の実施の形態による凹状曲面45を同様な形状の凹状曲面を用いる構成としてもよい。
次に、図14は本発明の第4の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、平滑処理としてのコーティング膜を凹状曲面に形成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
傾斜センサ81は、第2の実施の形態による傾斜センサ41とほぼ同様に、ケーシング42、磁電変換素子48、可動体52によって構成されている。但し、凹状曲面45の表面には、平滑処理としてフッ素樹脂やシリコン樹脂等による薄いコーティング膜82が形成されている。このコーティング膜82は、例えば潤滑性をもった滑らかな表面を有し、可動体52に対する接触抵抗を低減するものである。
かくして、第4の実施の形態でも第1,第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができ、特に、平滑処理としてのコーティング膜82を凹状曲面45に形成したから、凹状曲面45と可動体52との間の摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、傾斜角度θの変化に対して可動体52の応答性を高めることができ、傾斜角度θの検出精度を高めることができる。
なお、第4の実施の形態では、第2の実施の形態に適用した場合を例に挙げて説明したが、第1,第3の実施の形態に適用してもよい。また、第4の実施の形態では、凹状曲面45の表面にコーティング膜82を形成するものとしたが、可動体52の滑動面53にコーティング膜82を形成してもよく、凹状曲面45と滑動面53の両方にコーティング膜82を形成してもよい。
さらに、第4の実施の形態では、平滑処理として樹脂製のコーティング膜82を用いる構成としたが、メッキ等による金属薄膜を形成してもよく、表面研磨処理のように表面の凹凸を低減することができる各種の表面処理が適用可能である。
次に、図15ないし図21は本発明の第5の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸のうち、水平方向のX軸方向に比べて水平方向のY軸方向の検出出力が大きくなる異方性を有する磁電変換素子を用いた場合、どの方向に傾けても略同じ検出出力が得られるようにするため、可動体収容空間の凹状曲面を、X軸方向に比べてY軸方向に向けて可動体を大きく変位させる異方性曲面によって形成したことにある。
傾斜センサ91は、第2の実施の形態による傾斜センサ41とほぼ同様に、ケーシング92、磁電変換素子98、可動体102によって構成されている。
ケーシング92は、例えば絶縁樹脂材料等の非磁性材料を用いて形成された非磁性容器である。このケーシング92は、有底な略円筒状に形成されたケーシング本体93と、該ケーシング本体93の開口部となる上部側を施蓋する蓋体94によって構成されている。
ケーシング本体93の、鉛直方向の高さは数mm程度であり、水平面での断面形状は数mmの外径寸法の略円形になっている。また、ケーシング本体93の上部側には略半楕円体状に窪んだ凹部93Aが形成されると共に、該凹部93Aの開口側には円筒状の雄嵌合部93Bが下方に向けて一体に形成されている。
凹部93Aの表面(露出面)は、上向きに開口した凹状曲面95となっている。この凹状曲面95は、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸のうち、水平方向のX軸方向とY軸方向とで断面形状が異なる異方性曲面によって形成されている。具体的には、凹状曲面95は、X軸方向が短軸となり、Y軸方向が長軸となった半割り形状の楕円体面によって形成されている。
凹状曲面95を異方性曲面によって形成することで、ケーシング92が水平面(XY面)のいずれの方向に傾斜したときでも、磁電変換素子98から同じ出力レベルの検出信号Voutが得られる形状に形成されている。
蓋体94は、略円板状に形成されると共に、その外周縁には円筒状の雌嵌合部94Aが下方に向けて一体に形成されている。この雌嵌合部94A内にケーシング本体93の雄嵌合部93Bを嵌合挿入することによって、蓋体94はケーシング本体93に取り付けられ、ケーシング本体93と蓋体94との間に略半楕円体状の可動体収容空間96が形成される。また、蓋体94の中央部分には、凹状曲面95の最深部95Aに向けて下方に延びる第1の実施の形態によるロッド部7とほぼ同様なロッド部97が設けられている。
次に、磁束密度検知手段となる磁電変換素子98として、磁性薄膜の磁気抵抗素子を用いた場合について説明する。なお、磁電変換素子98は、小型化するために、磁性薄膜磁気抵抗素子からなる磁気抵抗センサ98Aと、差動増幅器98Bとを集積化したAMR−IC(Anisotropic Magneto Resistance Integrated Circuit)とによって構成されている。磁気抵抗センサ98Aは、4個の磁気抵抗素子R1〜R4から構成される。磁気抵抗素子R1〜R4は、インジウムアンチモン(InSb)等の磁気抵抗材料をセンサ基板S上に蒸着する等の手段を用いて形成される。磁気抵抗素子R1〜R4は、複数の伸長パターンをミアンダ状に接続配置して形成される。伸長パターンをセンサ基板Sの上下方向に一致させた、磁気抵抗素子R1をセンサ基板Sの左上に、磁気抵抗素子R4をセンサ基板Sの右下に配置形成する。伸長パターンをセンサ基板Sの左右方向に一致させた、磁気抵抗素子R2をセンサ基板Sの左下に、磁気抵抗素子R3をセンサ基板Sの右上に配置形成する。
磁気抵抗素子R1〜R4はブリッジ接続され、差動増幅器98Bの入力端子は、磁気抵抗素子R1,R2間の接続点と、磁気抵抗素子R3,R4間の接続点とにそれぞれ接続される。磁気抵抗素子R2,R4間の接続点は、外部のグランドGNDに接続するためのグランド端子99が電気的に接続される。また、磁気抵抗素子R1,R3間の接続点は、駆動電圧Vddを供給するための駆動電圧端子100が電気的に接続される。さらに、差動増幅器98Bの出力端子は、例えば電圧等の検出信号Voutを出力する信号出力端子101が電気的に接続される。差動増幅器98Bは、これら2つの接続点間に生じる電位差を差動増幅し、検出信号Voutを出力する。
なお、センサ基板Sは、磁気抵抗素子R1とR2(R3とR4)とを結ぶ方向が鉛直方向(Z軸方向)と一致し、また、磁気抵抗素子R1とR3(R2とR4)とを結ぶ方向が水平方向(X軸方向)と一致するように配置される。磁気抵抗素子R1とR4は、水平方向(X軸方向)の磁束密度の変化に応じてその抵抗値が変化する。磁気抵抗素子R2とR3は、鉛直方向(Z軸方向)の磁束密度の変化に応じてその抵抗値が変化する。
XZ面に平行な磁束密度がセンサ基板Sに印加されたときには、4個の磁気抵抗素子R1〜R4の抵抗値が全て変化する。このため、ケーシング92をX軸方向に傾けたときには、検出信号Voutは、例えば駆動電圧Vddの正負の範囲で変化する(−Vdd≦Vout≦Vdd)。
一方、XY面に平行な磁束密度がセンサ基板Sに印加されたときには、2個の磁気抵抗素子R2,R3の抵抗値は変化するものの、残余の2個の磁気抵抗素子R1,R4の抵抗値は殆ど変化しない。このため、ケーシング92をY軸方向に傾けたときには、検出信号Voutは、グランド電位から駆動電圧Vddの範囲で変化する(0≦Vout≦Vdd)。
この結果、磁気抵抗センサ98Aは、X軸方向に磁束φを傾斜させたときの検出信号Voutに比べてY軸方向に磁束を傾斜させたときの検出信号Voutが大きな出力レベルとなる異方性の出力特性を有している。
磁電変換素子98は、凹状曲面95の最深部95Aよりも数百μm〜数mm下側に位置したケーシング本体93の内部に設けられる。即ち、磁電変換素子98は、可動体収容空間96に収容される可動体102の滑動面103に対向する位置に配置される。
可動体102は、磁性材料を用いて形成され、略半球状のマグネット(永久磁石)に形成されている。第2の実施の形態による可動体52とほぼ同様に、この可動体102の底部側は下向きの凸状曲面からなる滑動面103が形成されると共に、上部側は平坦面となった上面104が形成されている。これにより、可動体102は、略半球面となった滑動面103の頂点部分102Aで厚さが最大になると共に、頂点部分102Aから上面104の上面周縁部分102Bに近付くに従って漸次厚さが薄くなっている。
また、可動体102は、滑動面103と上面104とが互いに逆極性となるように磁化されている。これにより、可動体102の滑動面103の法線方向に向けて磁束φを発生する。なお、可動体102の厚さが最大の頂点部分102Aの周囲では磁束密度が高くなると共に、厚さが薄くなる上面周縁部分102Bに近付くに従って漸次磁束密度が低くなる。
可動体102は、ケーシング92の凹状曲面95と、可動体102の滑動面103とが接触して滑り移動できるように、滑動面103を下向きにしてケーシング92の可動体収容空間96に収容されている。このため、ケーシング92を水平状態から傾けると、可動体102は凹状曲面95に沿って可動体収容空間96の内部を滑動変位する。
可動体102の上面周縁部分102Bは円弧状にR面取りが施され、面取り部105が形成されている。また、可動体102には、上面104の中央側に位置して略円形に窪んだ凹陥部106が形成されている。
第5の実施の形態では、傾斜センサをX軸方向に傾けたときの検出信号Voutに比べてY軸方向に傾けたときの検出信号Voutが大きな出力レベルとなる異方性を有する磁電変換素子98を用いる構成とした。一方、可動体収容空間96の凹状曲面95は、X軸方向に比べてY軸方向に向けて可動体102を大きく変位させる楕円体面によって形成した。このため、ケーシング92をX軸方向に傾けたときに比べて、Y軸方向に傾けたときの方が、傾斜角度θに対する可動体102の変位量を大きくして、磁電変換素子98と可動体102の頂点部分102Aとの位置変化を大きくすることができる。
このため、ケーシング92をX軸方向に傾けたときに比べて、Y軸方向に傾けたときの方が、磁電変換素子98に印加される磁束密度の変化が大きくなる。即ち、同じ傾斜角度θでX軸方向に傾けたときに比べて、Y軸方向に傾けたときの方が可動体102から磁電変換素子98に印加される磁束密度を低下させて、検出信号Voutの出力レベルを抑制することができる。この結果、ケーシング92がX軸方向に傾斜したときの磁電変換素子98の検出信号Voutと、ケーシング92がY軸方向に傾斜したときの磁電変換素子98の検出信号Voutとは、傾斜角度θに対する出力レベルをほぼ等しくすることができる。なお、第5の実施の形態でも第1,第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図22ないし図24は本発明の第6の実施の形態を示している。そして、本実施の形態の特徴は、可動体収容空間の凹状曲面を、X軸方向が短軸となりY軸方向が長軸となった半割り形状の楕円体面と、半球面とを組み合わせた異方性曲面によって形成したことにある。なお、半割り形状の楕円体面と半球面とは、楕円体面の中央部分で接した状態で組み合わされる。なお、本実施の形態では、前記第5の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
傾斜センサ111は、第5の実施の形態による傾斜センサ91とほぼ同様に、ケーシング112、磁電変換素子98、可動体102によって構成されている。
ケーシング112は、例えば絶縁樹脂材料等の非磁性材料を用いて形成された非磁性容器である。このケーシング112は、有底な略円筒状に形成されたケーシング本体113と、該ケーシング本体113の開口部となる上部を施蓋する蓋体114によって構成されている。
ケーシング本体113の鉛直方向の高さは数mm程度であり、水平面での断面形状は数mmの外径寸法の略円形になっている。また、ケーシング本体113の上部側には略半楕円体状に窪んだ凹部113Aが形成されると共に、該凹部113Aの開口縁には円筒状の雄嵌合部113Bが一体に形成されている。
凹部113Aの表面(露出面)は、上向きに開口した凹状曲面115となっており、X軸方向とY軸方向とで断面形状が異なる異方性曲面によって形成されている。具体的には、凹状曲面115は、X軸方向が短軸となり、Y軸方向が長軸となった半割り形状の楕円体面115Aと、楕円体面115Aの長手方向の長さ寸法よりも小さく短手方向の長さ寸法よりも大きな直径寸法D2bをもった半球面115Bとを組み合わせた異方性曲面によって形成されている。このとき、楕円体面115Aの最深部と半球面115Bの最深部とが、形成される凹状曲面115の最深部115Cと一致するように配置形成される。この結果、楕円体面115Aと半球面115Bとが、形成される凹状曲面115の最深部115Cで接し、凹部113AはXZ面およびYZ面に対して面対称に形成される。
なお、楕円体面115Aの長軸寸法D2aと半球面115Bの直径寸法D2bは、ケーシング112がXY面のいずれの方向に傾斜したときでも、凹状曲面115の最深部115Cの下側に位置する磁電変換素子98から同じ出力レベルの検出信号Voutが得られる形状となるように選択される。
蓋体114は、略円板状に形成されると共に、その外周縁には円筒状の雌嵌合部114Aが下方に向けて一体に形成されている。この雌嵌合部114A内にケーシング本体113の雄嵌合部113Bを嵌合挿入することによって、蓋体114はケーシング本体113に取り付けられ、ケーシング本体113と蓋体114との間に半割り形状の楕円体と略半球を組み合わせた可動体収容空間116が形成される。また、蓋体114の中央部分には、第1の実施の形態によるロッド部7とほぼ同様なロッド部117が設けられている。
第6の実施の形態では、凹状曲面115は楕円体面115Aと半球面115Bとを組み合わせた異方性曲面によって形成したから、半割り形状の楕円体面のみによって形成した場合に比べて、可動体102と凹状曲面115との接触面積を少なくして、これらの摩擦抵抗を小さくすることができる。このため、傾斜角度θに対する可動体102の応答性を高め、傾斜角度θの検出精度を向上することができる。なお、第6の実施の形態でも第1,第2,第5の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、前記第5,第6の実施の形態では、面取り部105を備えた可動体102を用いる構成としたが、第1の実施の形態による可動体12と同様に、面取り部を省いた可動体を用いる構成としてもよい。また、前記第5,第6の実施の形態の凹状曲面95,115には、第4の実施の形態と同様に平滑処理を施してもよく、可動体102の滑動面103に平滑処理を施してもよい。また、前記第5,第6の実施の形態でも、第2の実施の形態による凹状曲面と同様に、凹状曲面の最深部には平坦面となった底面部を形成する構成としてもよい。
また、前記第2〜第6の実施の形態では、可動体52,68,102の上面周縁部分52B,68B,102Bに断面円弧状の面取り部55,71,105を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図25に示す第1の変形例による傾斜センサ121のように、可動体122の上面周縁部分122BにはC面取りを施して断面直線状の面取り部125を設ける構成としてもよい。この場合、可動体122は、頂点部分122Aが下側に突出した滑動面123と平坦な上面124とを備えるものである。
また、可動体122の面取り部125は、可動体122の上側に向かうに従って、可動体122の径方向外側から内側に向けて傾斜した円錐側面を形成する構成としたが、例えば可動体122の高さ方向と平行な円周面を形成してもよい。
また、前記第1〜第6の実施の形態では、可動体12,52,68,102は半球面からなる滑動面13,53,69,103の曲率半径に近い厚さ寸法を有する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図26に示す第2の変形例による傾斜センサ131のように、所望な磁束密度の分布が得られる範囲内で、可動体132は半球面からなる滑動面133の曲率半径よりも小さい厚さ寸法(例えば曲率半径の半分程度)を有する構成としてもよい。この場合、可動体132は、頂点部分132Aが下側に突出した滑動面133と平坦な上面134とを備え、頂点部分132Aから上面周縁部分132Bに近付くに従って、その厚さ寸法が漸次小さくなるものである。また、転動が防止できる範囲内で、可動体は、滑動面の曲率半径よりも大きな厚さ寸法を有する構成としてもよい。
また、前記第2〜第6の実施の形態では、可動体52,68,102には上面54,70,104の中央部分に位置して円柱状に窪んだ凹陥部56,72,106を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図27に示す第3の変形例による傾斜センサ141のように、可動体142には上面144の中央部分に位置してボウル状に窪んだ凹陥部145を設ける構成としてもよい。この場合でも、可動体142は、半球面からなる滑動面143を備えると共に、頂点部分142Aから上面周縁部分142Bに近付くに従って、その厚さ寸法が漸次小さくなるのが好ましい。
また、前記各実施の形態では、可動体12,52,68,102はマグネットによって構成した。しかし、本発明はこれに限らず、図28に示す第4の変形例による傾斜センサ151のように、可動体152とは別個に磁束φの発生源となるマグネット155をケーシング2′に設ける構成としてもよい。この場合、可動体152は、磁性材料によって形成されるものの、着磁されている必要はない。また、可動体152は、半球面からなる滑動面153と平坦な上面154とを備え、頂点部分152Aから上面周縁部分152Bに近付くに従って、その厚さ寸法が漸次小さくなる。さらに、マグネット155は、ケーシング2′の蓋体4′に設けると共に、可動体152の滑動面153を介して磁電変換素子8に磁束密度を印加するために、例えば可動体152を挟んで磁電変換素子8とは反対側となる位置に配置するものである。
また、前記各実施の形態では、可動体12,52,68,102はその全体を磁性体材料を用いて形成するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、可動体は、例えば磁性体材料をインサートした状態で半球状をなす外形部分を非磁性の樹脂材料を用いて形成する構成としてもよい。
さらに、前記各実施の形態では、磁束検知センサをケーシング2,42,62,92,112の傾斜角度θを検出する傾斜センサ1,41,61,81,91,111に適用した場合を例に挙げて説明したが、例えばケーシングが所望の傾斜角度だけ傾いたときに、スイッチのオン、オフを切り換える傾斜スイッチに適用してもよい。
1,41,61,81,91,111,121,131,141,151 傾斜センサ(磁束検知センサ)
2,42,62,92,112,2′ ケーシング(非磁性容器)
5,45,65,95,115 凹状曲面
6,46,66,96,116 可動体収容空間
8,48,98 磁電変換素子(磁束密度検知手段)
12,52,68,102,122,132,142,152 可動体
12A,52A,68A,102A,122A,132A,142A,152A 頂点部分
12B,52B,68B,102B,122B,132B,142B,152B 上面周縁部分
13,53,69,103,123,133,143,153 滑動面
14,54,70,104,124,134,144,154 上面
55,71,105,125 面取り部
82 コーティング膜

Claims (9)

  1. 底部側に下向きの凸状曲面からなる滑動面が形成された可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、
    前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、前記滑動面を介して前記磁束密度検知手段に磁束を印加すると共に、
    前記可動体の上面周縁には、当該上面周縁における磁束密度の集中を緩和する面取り部を設け、
    前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、
    前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としてなる磁束検知センサ。
  2. 底部側に下向きの半球面からなる滑動面が形成された半球状の可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、
    前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、前記滑動面を介して前記磁束密度検知手段に磁束を印加すると共に、
    前記可動体の上面周縁には、当該上面周縁における磁束密度の集中を緩和する面取り部を設け、
    前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、
    前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としてなる磁束検知センサ。
  3. 前記可動体は、磁性材料を用いて形成され、前記滑動面と上面とが互いに逆極性となった状態で磁化した構成としてなる請求項1に記載の磁束検知センサ。
  4. 前記可動体は、磁性材料を用いて形成され、前記滑動面と上面とが互いに逆極性となった状態で磁化した構成としてなる請求項2に記載の磁束検知センサ。
  5. 前記可動体収容空間の凹状曲面は、前記可動体の滑動面よりも大きな曲率半径をもった球面によって形成してなる請求項2または4に記載の磁束検知センサ。
  6. 前記可動体の滑動面と前記可動体収容空間の凹状曲面とのうち少なくともいずれか一方には、平滑処理を施してなる請求項1ないし5のいずれかに記載の磁束検知センサ。
  7. 前記磁束密度検知手段は、水平面の互いに直交するX軸方向およびY軸方向において、X軸方向に磁束を傾斜させたときの検出信号に比べてY軸方向に磁束を傾斜させたときの検出信号が大きな出力レベルとなる異方性を有し、
    前記可動体収容空間の凹状曲面は、前記磁束密度検知手段の異方性を補うために、X軸方向に比べてY軸方向に向けて前記可動体を大きく変位させる異方性曲面によって形成してなる請求項1ないし6のいずれかに記載の磁束検知センサ。
  8. 底部側に下向きの凸状曲面からなる滑動面が形成された可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、
    前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、
    前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、
    前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としてなる磁束検知センサ。
  9. 底部側に下向きの半球面からなる滑動面が形成された半球状の可動体と、該可動体の滑動面を滑動自在に支持する上向きの凹状曲面を有する可動体収容空間を備えた非磁性容器と、該非磁性容器に設けられ前記可動体の滑動によって生じる磁束密度の変化を検知する磁束密度検知手段とを有する磁束検知センサであって、
    前記可動体の滑動面と前記磁束密度検知手段とを対向配置し、
    前記非磁性容器が水平状態から傾いたときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置から変位し、
    前記非磁性容器が水平状態に戻ったときには、前記可動体は前記非磁性容器の凹状曲面に沿って定常位置に復帰する構成としてなる磁束検知センサ。
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