JP2011225014A - 車両用サイドドア構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のパネルで構成されたドアインナパネルの強度及び剛性を向上させることができる車両用サイドドア構造を得る。
【解決手段】ドアインナパネル40はアルミニウム合金製のパネル52、54、56が、接合部58、60において、互いに接合されて一体化されている。そして、ドアインナパネル40に接合されたベルトラインリインフォース62の下片62Aに、モジュールパネル70の腕片72を固定し、モジュールパネル70の脚片76と脚片78の間に、パネル54とパネル56の接合部60が配置されるようにして、パネル54、56に脚片76、78が跨いで固定されている。このように、パネル54とパネル56の接合部60を跨いで、ウインドレギュレータモジュール68を取付けることで、ドアインナパネル40の強度及び剛性を向上させることができる。
【選択図】図2
【解決手段】ドアインナパネル40はアルミニウム合金製のパネル52、54、56が、接合部58、60において、互いに接合されて一体化されている。そして、ドアインナパネル40に接合されたベルトラインリインフォース62の下片62Aに、モジュールパネル70の腕片72を固定し、モジュールパネル70の脚片76と脚片78の間に、パネル54とパネル56の接合部60が配置されるようにして、パネル54、56に脚片76、78が跨いで固定されている。このように、パネル54とパネル56の接合部60を跨いで、ウインドレギュレータモジュール68を取付けることで、ドアインナパネル40の強度及び剛性を向上させることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用サイドドア構造に関する。
車両用サイドドア構造として、例えば、特許文献1では、ドアインナパネルが複数のパネルで構成されており、溶接により互いに接合することによって一体化されている。このように、ドアインナパネルを複数のパネルによって構成することで、複雑な形状を形成することが可能となる。
しかしながら、ドアインナパネルを複数のパネルによって構成した場合、パネル同士の接合部分の強度及び剛性も含め、サイドドア構造の強度上の問題については改良の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、複数のパネルで構成されたドアインナパネルの強度及び剛性を向上させることができる車両用サイドドア構造を得ることが目的である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る車両用サイドドア構造は、車幅方向外側に設けられたドアアウタパネルと、前記ドアアウタパネルよりも車幅方向内側に設けられ、複数枚のパネルが互いに接合されて形成されたドアインナパネルと、前記ドアインナパネルの前記パネルとパネルの接合部を跨いで取付けられると共に、当該ドアインナパネルと前記ドアアウタパネルとの間でドアガラスを昇降させるウインドレギュレータモジュールと、を有している。
請求項1の発明に係る車両用サイドドア構造では、車幅方向外側に設けられたドアアウタパネルよりも車幅方向内側には、ドアインナパネルが設けられており、当該ドアインナパネルは複数枚のパネルが互いに接合されて形成されている。ドアアウタパネルとドアインナパネルの間には、ドアガラスを昇降させるウインドレギュレータモジュールが配置されている。このウインドレギュレータモジュールが、ドアインナパネルを形成するパネルとパネルの接合部を跨いで取付けられている。
ドアインナパネルを構成するパネル同士の接合部では、サイドドアに側突荷重が入力された場合、パネルとパネルの接合部が破断することが懸念される。一方、ウインドレギュレータモジュールはウインドガラスを昇降させることから、剛性の高い部材が使用される。
このため、パネルとパネルの接合部を跨いで、このウインドレギュレータモジュールを取付けることで、ドアインナパネルの強度及び剛性を向上させることができる。また、パネルとパネルの接合部が破断したとしても、パネルの移動はウインドレギュレータモジュールによって規制されるため、パネルの室内側への張出しが抑制される。
請求項2に記載の車両用サイドドア構造は、請求項1に記載の車両用サイドドア構造において、前記パネルが車両前後方向に沿って配置され、前記ウインドレギュレータモジュールが、前記ドアガラスを昇降させるウインドレギュレータと、前記ウインドレギュレータが取付けられたモジュールパネルと、を備え、前記モジュールパネルがX形状を成し、ドアベルトラインに沿って設けられたベルトラインリインフォースに取付けられた一対の腕片と、互いに隣接するパネルにそれぞれ取付けられた一対の脚片と、を含んで構成されている。
請求項2に記載の車両用サイドドア構造では、パネルが車両前後方向に沿って設けられている。一方、ウインドレギュレータモジュールには、ドアガラスを昇降させるウインドレギュレータが取付けられたX形状を成すモジュールパネルが備えられている。このモジュールパネルは、一対の腕片及び一対の脚片を含んで構成されており、ドアベルトラインに沿って設けられたベルトラインリインフォースには腕片が取付けられ、互いに隣接するパネルには脚片がそれぞれ取付けられている。
つまり、モジュールパネルの一方の脚片をパネルに取付け、他方の脚片を当該パネルに隣接するパネルに取付けることで、一対の脚片がパネルとパネルの接合部を跨ぐこととなる。このように、モジュールパネルの形状を利用して、複数のパネルの取付けを可能とする。このようなモジュールパネルを用いることで、ドアインナパネルが1枚のパネルで形成されている場合でも、このモジュールパネルは利用できるため、モジュールパネルの汎用化が可能となる。
請求項3に記載の車両用サイドドア構造は、請求項2に記載の車両用サイドドア構造において、前記パネル又は前記モジュールパネルに設けられ、車両前後方向に沿って形成された長孔と、前記長孔の前記接合部の反対側に位置し、当該長孔の幅寸法よりも小径を成し、締結具が挿入される丸孔と、前記丸孔の前記長孔の反対側に位置し、当該丸孔よりも幅広に形成され、予め定められた所定値以上の側突荷重が作用すると、当該長孔と連通する円弧孔と、を有している。
請求項3に記載の車両用サイドドア構造では、パネル又はモジュールパネルに、車両前後方向に沿って長孔が形成されており、この長孔の接合部の反対側には、丸孔が形成されている。この丸孔は長孔の幅寸法よりも小径を成しており、丸孔には締結具が挿入され、当該締結具によってパネル及びモジュールパネルが締結される。そして、丸孔の長孔の反対側には、丸孔よりも幅広の円弧孔が形成されており、予め定められた所定値以上の側突荷重が作用すると、長孔と連通する。
つまり、円弧孔と長孔が連通することによって、締結具に沿って長孔を介してパネルが移動可能となる。締結具はモジュールパネルに締結されているため、モジュールパネルに対する当該締結具の位置は略変わらない。このため、パネルの移動は規制されることとなる。したがって、パネル間の接合部が破断したとしても、パネルの室内側への張出しは抑制される。
ここで、「円弧孔と長孔が連通する」とは、長孔と円弧孔の間を区画する壁部が破断されることを意味する。換言すると、長孔と円弧孔の間を区画する壁部が破断されないと、長孔を介してパネルは締結具に沿って移動することはない。
締結具による締結力は予め設定可能であるため、この締結力を越える側突荷重が作用すると、パネルが締結具に沿って移動するように設定しても良いが、締結具による締結力を設定する際に、製造時のばらつきを考慮する必要がある。長孔と円弧孔の間を区画する壁部を破断する破断力における製造時のばらつきは、締結具による締結力のばらつきよりも小さい。このため、当該壁部が破断されることで、長孔を介してパネルが締結具に沿って移動可能となるように設定することで、側突荷重に対するドアインナパネルの耐力をより安定させることができる。
そして、このように、予め破断する部分(長孔と円弧孔の間を区画する壁部)を設けて、当該壁部が破断すると長孔を介してパネルが締結具に沿って移動するように設定することで、パネルの移動方向を特定することができる。
請求項4に記載の車両用サイドドア構造は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用サイドドア構造において、前記パネルがアルミニウム合金製である。
請求項4に記載の車両用サイドドア構造では、パネルをアルミで形成している。アルミは鋼よりも延びが小さいため、複雑な形状を絞り加工することは困難である。しかし、ドアインナパネルを複数のパネルで形成することで、複雑な形状であってもアルミによる絞り加工が可能となる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用サイドドア構造によれば、複数のパネルで構成されたドアインナパネルの強度及び剛性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用サイドドア構造によれば、モジュールパネルを汎用化することでコストダウンを図ることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用サイドドア構造によれば、パネルの接合部が破断したとしても、パネルの室内側への張出しを抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用サイドドア構造によれば、ドアインナパネルの軽量化を図ることができる。
以下、図1〜図3を用いて、本発明の実施の形態に係る車両用サイドドア構造について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示し、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
図3には、本実施形態に係る車両用サイドドア構造が適用された車両が示されている。この図に示されるように、車両10のボディー本体11の側部には、フロントドア開口部12とリアドア開口部14とが形成されている。フロントドア開口部12及びリアドア開口部14は、上縁部が車両前後方向に沿って延在する車両骨格部材としてのルーフサイドレール16によって構成されており、下縁部が車両前後方向に沿って延在するロッカ18によって構成されている。
フロントドア開口部12の前縁部は、略車両上下方向に沿って延在するフロントピラー20によって構成されており、フロントドア開口部12の後縁部は、略車両上下方向に沿って延在するセンターピラー22によって構成されている。フロントピラー20にはヒンジ部(図示省略)が設けられており、このヒンジ部にフロントサイドドア26が取付けられ、フロントドア開口部12が開閉可能とされている。
センターピラー22はフロントドア開口部12の後縁部を構成すると共に、リアドア開口部14の前縁部を構成しており、リアドア開口部14の後縁部は、車両後方側へ向かって下り傾斜して延在するリアピラー28によって構成されている。センターピラー22にはヒンジ部(図示省略)が設けられており、このヒンジ部にリアサイドドア32が取付けられ、リアドア開口部14が開閉可能とされている。
なお、上記のルーフサイドレール16、ロッカ18、フロントピラー20、センターピラー22及びリアピラー28は、いずれも車両骨格部材であり、サイドアウタパネル36によって覆われているため、外観には露出しない。
(車両用サイドドア構造の構成)
次に、本発明の実施の形態に係る車両用サイドドア構造について説明を行う。なお、ここでは、この車両用サイドドア構造について、図3に示すフロントサイドドア26に適用させて説明するが、リアサイドドア32に適用させても良い。
次に、本発明の実施の形態に係る車両用サイドドア構造について説明を行う。なお、ここでは、この車両用サイドドア構造について、図3に示すフロントサイドドア26に適用させて説明するが、リアサイドドア32に適用させても良い。
図1は、フロントサイドドア26の主要部を示す分解斜視図であり、ドアフレーム38、ドアインナパネル40、ウインドレギュレータモジュール68(なお、図1では、図2で示すウインドレギュレータ42を図示していない)及びドアアウタパネル50が図示されている。
ドアフレーム38は、車両前部に位置するフロントフレーム44と、車両上部に位置するアッパフレーム46と、車両後部に位置するリアフレーム48と、を備えており、車両下方が開放された逆U字状を成している。
一方、ドアインナパネル40は、車両上方が開放されたU字状を成しており、断面が略クランク状を成し、立壁40Aを設けて内縁側が一段下がった状態となっている。これにより、ドアインナパネル40とドアアウタパネル50との間に空間51が得られるようにしている。
ここで、ドアインナパネル40は、アルミニウム合金製の3枚のパネル52、54、56を含んで構成されており、パネル52、54、56は、車両前部から後部へ向かって順番に配置されている。パネル52とパネル54、及びパネル54とパネル56は、それぞれ接合部58、60において、摩擦攪拌接合等により互いに接合(剛結)され、これによってパネル52、54、56が一体化されている。なお、接合部52はドアインナパネル40の車両前部側に位置し、接合部60はドアインナパネル40の車両前後方向の中央側に位置している。
そして、車両前部に位置するパネル52の内縁側と車両後部に位置するパネル56の内縁側(空間51側)の上端部には、ベルトラインL(図2参照)の補強部材としてのベルトラインリインフォース62が設けられている。このベルトラインリインフォース62は、断面がP字状を成し、下部には下片62Aが垂下している。
ベルトラインリインフォース62は、車両前後方向を長手方向とする長尺状に形成されており、ベルトラインリインフォース62の下片62Aを含め、側面がドアインナパネル40に接合されている。また、ベルトラインリインフォース62の両端側では、ドアインナパネル40の立壁40Aとの間に隙間が設けられており、この隙間内に、前述のドアフレーム38のフロントフレーム44又はリアフレーム48の下端部が挿入される。
ここで、フロントフレーム44及びリアフレーム48の下端部には、水平断面がL字状を成すブラケット64がそれぞれ接合されており、フロントフレーム44及びリアフレーム48の下端部の側面の一部を覆っている。このブラケット64を介して、図2に示されるように、フロントフレーム44及びリアフレーム48が、ドアインナパネル40に接合される。これにより、ドアフレーム38とドアインナパネル40の上端部(いわゆるベルトラインL)との間で、窓部66が形成される。
ドアインナパネル40と当該ドアインナパネル40の車両外側に配置されるドアアウタパネル50(図1参照)との間には、図示はしないがドアガラスが配置されており、当該ドアガラスがウインドレギュレータ42によって昇降移動可能とされている(後述する)。このウインドレギュレータ42によるドアガラスの昇降移動によって上記窓部66が開閉される。
また、図1に示されるように、ドアインナパネル40のドアアウタパネル50側には、側突時において、フロントサイドドア26(図3参照)の室内への侵入を抑制するインパクトビーム55が、車両前後方向に対して傾斜して設けられている。このインパクトビーム55の前端部(車両前方側)がフロントサイドドア26の上部に位置し、車両後方側へ向かって下り勾配となるように配置されている。なお、リアサイドドア32(図3参照)の場合は、インパクトビーム55は、車両後方側へ向かって上り勾配となるように配置される。
ここでのインパクトビーム55は角筒状を成しており、インパクトビーム55の長手方向の両端部が、ドアインナパネル40に接合される。そして、ドアインナパネル40の外縁部には、鋼板製のドアアウタパネル50の外縁部がヘミング加工によって結合される。これによって、ドアインナパネル40とドアアウタパネル50とが一体となる。
(ウインドレギュレータ)
ここで、ウインドレギュレータ42について説明する。図2に示されるように、ウインドレギュレータ42がモジュールパネル70に取付けられている(いわゆるウインドレギュレータモジュール68)。このモジュールパネル70はX形状を成しており、車両上方へ向かって延出する一対の腕片72、74と、車両下方へ向かって延出する一対の脚片76、78と、が形成されている。
ここで、ウインドレギュレータ42について説明する。図2に示されるように、ウインドレギュレータ42がモジュールパネル70に取付けられている(いわゆるウインドレギュレータモジュール68)。このモジュールパネル70はX形状を成しており、車両上方へ向かって延出する一対の腕片72、74と、車両下方へ向かって延出する一対の脚片76、78と、が形成されている。
図1に示されるように、ベルトラインリインフォース62の車両下部に位置する下片62Aには、挿通孔80が形成されており、当該挿通孔80と腕片72、74の先端部に設けられた締結孔82とが対応した状態で、ボルト84(図5参照)によって締結される。これによって、モジュールパネル70の腕片72がベルトラインリインフォース62に固定される。
また、図4に示されるように、ドアインナパネル40のパネル54、56には、接合部60を間に置いて、車両前後方向に沿って接合部60側から順番に、長孔86、丸孔88及び円弧孔90がそれぞれ形成されている。長孔86と円弧孔90は同じ幅寸法(車両上下方向の長さ)で形成されており、丸孔88はこれらの幅寸法よりも小径とされている。この丸孔88に、後述するボルト84(図5参照)が締結される。
長孔86の丸孔88側には、丸孔88の同心円上に位置する円弧面86Aが形成されており、円弧孔90の丸孔88側には、丸孔88の同心円上に位置する円弧面90Aが形成されている。そして、円弧面86Aと円弧面90Aは、同一円周上に設けられている。
また、円弧面86Aの端部と円弧面90Aの端部との間には、長孔86と円弧孔90を区画する壁部91が設けられているが、この壁部91は、長孔86の円弧面86A又は円弧孔90の円弧面90Aと丸孔88との離間距離よりも短く設定されている。
一方、図1に示されるように、モジュールパネル70の脚片76、78の先端部には、締結孔82がそれぞれ設けられており、丸孔88と対応可能とされている。ここで、図5に示されるように、締結孔82内にはウエルドナット92が設けられており、ボルト84が締結可能とされている。
パネル54、56に設けられた丸孔88と脚片76、78の先端部に設けられた締結孔82とが対応した状態で、ボルト84によって締結されることで、モジュールパネル70の脚片76、78がパネル54、56にそれぞれ固定される。つまり、モジュールパネル70がドアインナパネル40に固定される。
ところで、図2に示されるように、モジュールパネル70の車幅方向外側には、ウインドレギュレータ42が取付けられている。具体的には、X形状を成すモジュールパネル70の略中央部にモータ94が取り付けられている、モータ94には、図示しない減速ギアを介して円柱状のケーブルドラム96が連結されており、モータ94が駆動することで当該ケーブルドラム96が回転する。
モジュールパネル70の腕片72及び脚片78の端部側には、それぞれアッパプーリ98、100及びロアプーリ102、104が設けられている。そして、ケーブルドラム96、ロアプーリ102、アッパプーリ98、ロアプーリ104、アッパプーリ100の順番で、ケーブル95(ワイヤ)が襷掛けされた状態でこれらに巻き掛けられている。
ケーブル95は、アッパプーリ98とロアプーリ102及びアッパプーリ100とロアプーリ104との間において、車両上下方向に沿って延びており、この部分に、図示はしないがドアガラスを保持するホルダが固定される。これにより、モータ94が駆動すると、ケーブル95の移動により、ホルダが車両上下方向に沿って移動し、ドアガラスが窓部66を開閉する。
なお、ウインドレギュレータ42の構成についてはこれに限るものではない。また、ここでは、ウインドレギュレータモジュール68のモジュールパネル70を利用し、当該モジュールパネル70の脚片76、78をパネル54、56にそれぞれ固定させるようにしたが、ウインドレギュレータモジュール68をパネル54、56にそれぞれ取付けることができれば良いため、これに限るものではない。
例えば、図7に示されるように、いわゆるXアーム式のウインドレギュレータ106を用いても良い。この場合、モジュールパネル70は不要であり、ウインドレギュレータ106の構成部品の一部を直接パネル54、56に取付けることができる。
このウインドレギュレータ106では、一対のアーム108、110が中心部Pで互いに交叉しており、アーム108、110の上端側には、車両前後方向に沿って延出する長尺状の昇降部材112が設けられ、図示しないドアガラスのホルダと連結される。
昇降部材112には車両前後方向に沿って、アーム108、110の上端部に設けられたピン114、116が係合するガイド孔118、120がそれぞれ形成されている。また、アーム108の下端部には、車両前後方向に沿って延出する長尺状の固定部材122が設けられており、当該固定部材122を基準にして、昇降部材112が昇降移動する。
固定部材122には車両前後方向に沿って、アーム108の下端部に設けられたピン124が係合するガイド孔126が形成されている。一方、アーム110の下端部には、セクタギア128が形成されている。このセクタギア128には、図示はしないが、モータ94からの駆動力が伝達されるギアが噛合しており、モータ94の駆動により、当該ギアを介して、セクタギア128が所定角度回転する。
これにより、ピン116を介して当該ピン116がガイド孔120に沿って移動すると共に、昇降部材112が下方へ移動する。これに伴って、アーム108のピン114、124がガイド孔118、126に沿って移動する。つまり、アーム108とアーム110が、中心部Pを中心に回転し、その交叉角度が変化することによって、固定部材122に対して昇降部材112が接離し、昇降移動することとなる。この昇降部材112の昇降移動によって、昇降部材112に連結されたホルダを介してドアガラスが昇降移動する。
(車両用サイドドア構造の作用・効果)
図2に示されるように、ドアインナパネル40はアルミニウム合金製の複数枚のパネル52、54、56が、接合部58、60において、互いに接合されて一体化されている。アルミは鋼よりも延びが小さいため、複雑な形状を絞り加工することは困難である。しかし、ドアインナパネル40を複数のパネル52、54、56で形成することによって、複雑な形状であってもアルミによる絞り加工が可能となる。
図2に示されるように、ドアインナパネル40はアルミニウム合金製の複数枚のパネル52、54、56が、接合部58、60において、互いに接合されて一体化されている。アルミは鋼よりも延びが小さいため、複雑な形状を絞り加工することは困難である。しかし、ドアインナパネル40を複数のパネル52、54、56で形成することによって、複雑な形状であってもアルミによる絞り加工が可能となる。
このように、ドアインナパネル40をアルミニウム合金製とすることで、ドアインナパネル40の軽量化を図ることができる。また、ドアインナパネル40を複数のパネル52、54、56で形成することで、歩留まりも向上し、生産性を向上させることができる。特に、ドアインナパネル40の車両前方側及び後方側では複雑な形状となっているため、ドアインナパネル40は車両前後方向に沿って分割した方が効果的である。
一方、ドアインナパネル40のパネル52、56の上端部に接合されたベルトラインリインフォース62の車両下部に位置する下片62Aに、モジュールパネル70の腕片72、74をそれぞれ固定している。また、パネル54にはモジュールパネル70の脚片76を固定し、パネル56にはモジュールパネル70の脚片78を固定している。つまり、モジュールパネル70の脚片76と脚片78の間に、パネル54とパネル56の接合部60が配置されるようにして、当該接合部60を跨いで脚片76、78がパネル54、56にそれぞれ固定されている。
ドアインナパネル40を構成するパネル54、56同士の接合部60では、フロントサイドドア26に側突荷重が入力された場合、パネル54とパネル56の接合部60が破断することが懸念される。一方、モジュールパネル70はウインドガラスを昇降させることから、剛性の高い部材が使用される。
このため、パネル54とパネル56の接合部60を跨いで、このモジュールパネル70を取付けることで、複数のパネル52、54、56で構成されたドアインナパネル40の強度及び剛性を向上させることができる。また、図6(B)に示されるように、パネル54とパネル56の接合部60が破断したとしても、パネル54、56の移動はモジュールパネル70によって規制されるため、パネル54、56の室内側への張出しが抑制される。
ここで、図2に示されるように、モジュールパネル70の形状をX形状とし、モジュールパネル70の一方の脚片76をパネル52に固定し、他方の脚片78を当該パネル54に隣接するパネル56に取付けることで、一対の脚片76、78がパネル54とパネル56の接合部60を跨ぐこととなる。
このように、モジュールパネル70の形状を利用して、複数のパネル54、56の取付けを可能とする。このようなモジュールパネル70を用いることで、ドアインナパネル40が1枚のパネルで形成されている場合でも、このモジュールパネル70は利用できるため、モジュールパネル70の汎用化が可能となり、コストダウンを図ることができる。
一方、図4に示されるように、パネル54、56には、接合部60を間に置いて、車両前後方向に沿って、接合部60側から順番に、長孔86、丸孔88及び円弧孔90がそれぞれ形成されており、ボルト84が締結される丸孔88は、長孔86と円弧孔90の幅寸法よりも小径とされている。
長孔86の丸孔88側には、丸孔88の同心円上に位置する円弧面86Aが形成され、円弧孔90の丸孔88側には、丸孔88の同心円上に位置する円弧面90Aが形成されている。そして、円弧面86Aと円弧面90Aが同一円周上に設けられている。また、長孔86の円弧面86Aの端部と円弧孔90の円弧面90Aの端部との間には、長孔86と円弧孔90を区画する壁部91が設けられ、円弧面86A又は円弧面90Aと丸孔88との離間距離よりも短く設定されている。
このため、この丸孔88内へボルト84が挿入され、図6(A)に示されるように、モジュールパネル70の脚片76、78の締結孔82へ当該ボルト84が締結(モジュールパネル70がドアインナパネル40に固定)された状態で、予め定められた所定値以上の側突荷重(F)がフロントサイドドア26(図3参照)に作用すると、図6(B)に示されるように、円弧孔90の端部と長孔86の端部との間に設けられた壁部91が破断し、長孔86と円弧孔90とが連通する。
つまり、円弧孔90と長孔86が連通することによって、ボルト84に沿って長孔86を介してパネル54、56が移動可能となる。ボルト84はモジュールパネル70に締結されているため、モジュールパネル70に対する当該ボルト84の位置は略変わらない。このため、パネル54、56の移動は規制されることとなる。したがって、パネル54、56間の接合部60が破断したとしても、パネル54、56の室内側への張出しは抑制される。
つまり、予め破断する部分(壁部91)を設け、壁部91が破断すると長孔86を介してパネル54、56がボルト84に沿って移動するように設定することで、パネル54、56の移動方向を特定することができる。
ここで、「円弧孔90と長孔86が連通する」とは、長孔86と円弧孔90の間に設けられた壁部91が破断されることを意味する。換言すると、長孔86と円弧孔90の間の壁部91が破断されないと、長孔86を介してパネル54、56はボルト84に沿って移動することはない。
ボルト84による締結力は予め設定可能であるため、この締結力を越える側突荷重が作用すると、パネル54、56がボルト84に沿って移動するように設定しても勿論良いが、ボルト84による締結力を設定する際に、製造時のばらつきを考慮する必要がある。長孔86と円弧孔90の間の壁部91を破断する破断力における製造時のばらつきは、ボルト84による締結力のばらつきよりも小さい。このため、当該壁部91部が破断されることで、長孔86を介してパネル54、56がボルト84に沿って移動可能となるように設定することで、側突荷重に対するドアインナパネル40の耐力をより安定させることができる。
なお、ここでは、長孔86、丸孔88及び円弧孔90をパネル54、56側に設けたが、モジュールパネル70側に設けても良い。また、円弧孔90は必ずしも必要ではない。円弧孔90がない場合、予め定められた所定値以上の側突荷重が作用すると、長孔86と丸孔88との間に設けられた壁部が破断することとなる。
10 車両
26 フロントサイドドア
32 リアサイドドア
40 ドアインナパネル
42 ウインドレギュレータ
50 ドアアウタパネル
52 パネル(ドアインナパネル)
54 パネル(ドアインナパネル)
56 パネル(ドアインナパネル)
60 接合部
62 ベルトラインリインフォース
68 ウインドレギュレータモジュール
70 モジュールパネル
72 腕片(モジュールパネル)
74 腕片(モジュールパネル)
76 脚片(モジュールパネル)
78 脚片(モジュールパネル)
86 長孔
88 丸孔
90 円弧孔
106 ウインドレギュレータ(ウインドレギュレータモジュール)
26 フロントサイドドア
32 リアサイドドア
40 ドアインナパネル
42 ウインドレギュレータ
50 ドアアウタパネル
52 パネル(ドアインナパネル)
54 パネル(ドアインナパネル)
56 パネル(ドアインナパネル)
60 接合部
62 ベルトラインリインフォース
68 ウインドレギュレータモジュール
70 モジュールパネル
72 腕片(モジュールパネル)
74 腕片(モジュールパネル)
76 脚片(モジュールパネル)
78 脚片(モジュールパネル)
86 長孔
88 丸孔
90 円弧孔
106 ウインドレギュレータ(ウインドレギュレータモジュール)
Claims (4)
- 車幅方向外側に設けられたドアアウタパネルと、
前記ドアアウタパネルよりも車幅方向内側に設けられ、複数枚のパネルが互いに接合されて形成されたドアインナパネルと、
前記ドアインナパネルの前記パネルとパネルの接合部を跨いで取付けられると共に、当該ドアインナパネルと前記ドアアウタパネルとの間でドアガラスを昇降させるウインドレギュレータモジュールと、
を有する車両用サイドドア構造。 - 前記パネルが車両前後方向に沿って配置され、
前記ウインドレギュレータモジュールが、
前記ドアガラスを昇降させるウインドレギュレータと、
前記ウインドレギュレータが取付けられたモジュールパネルと、
を備え、
前記モジュールパネルがX形状を成し、
ドアベルトラインに沿って設けられたベルトラインリインフォースに取付けられた一対の腕片と、
互いに隣接するパネルにそれぞれ取付けられた一対の脚片と、
を含んで構成された請求項1に記載の車両用サイドドア構造。 - 前記パネル又は前記モジュールパネルに設けられ、車両前後方向に沿って形成された長孔と、
前記長孔の前記接合部の反対側に位置し、当該長孔の幅寸法よりも小径を成し、締結具が挿入される丸孔と、
前記丸孔の前記長孔の反対側に位置し、当該丸孔よりも幅広に形成され、予め定められた所定値以上の側突荷重が作用すると、当該長孔と連通する円弧孔と、
を有する請求項2に記載の車両用サイドドア構造。 - 前記パネルがアルミニウム合金製である請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用サイドドア構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010093932A JP2011225014A (ja) | 2010-04-15 | 2010-04-15 | 車両用サイドドア構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010093932A JP2011225014A (ja) | 2010-04-15 | 2010-04-15 | 車両用サイドドア構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011225014A true JP2011225014A (ja) | 2011-11-10 |
Family
ID=45040951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010093932A Pending JP2011225014A (ja) | 2010-04-15 | 2010-04-15 | 車両用サイドドア構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011225014A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103206150A (zh) * | 2013-01-29 | 2013-07-17 | 东风汽车有限公司 | 一种客车铝合金侧舱门 |
JP2016172506A (ja) * | 2015-03-17 | 2016-09-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 車両用インナ構造体及びそれを用いた車両用構造体 |
JP2017013645A (ja) * | 2015-07-01 | 2017-01-19 | 株式会社神戸製鋼所 | 車両用インナ構造体及びそれを用いた車両用構造体 |
JP2017144965A (ja) * | 2016-02-19 | 2017-08-24 | マツダ株式会社 | 自動車のドア構造およびその組立て方法 |
-
2010
- 2010-04-15 JP JP2010093932A patent/JP2011225014A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2016172506A (ja) * | 2015-03-17 | 2016-09-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 車両用インナ構造体及びそれを用いた車両用構造体 |
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