JP2011220831A - センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搭載される電子回路基板の小型化の足かせとならず、また対ノイズ性の問題も発生しないようにする。
【解決手段】センサ回路10と、センサ回路10から出力する差動の検出信号を入力して増幅するインスツルメンテーション増幅回路20Xとからなる。インスツルメンテーション増幅回路20Xは、前記差動の検出信号をそれぞれ増幅するオペアンプOP1,OP2Xと、そのオペアンプOP1,OP2Xで増幅した信号の差成分を増幅するオペアンプOP3とを有する。オペアンプOP1又はオペアンプOP2は、該オペアンプの入力側の差動増幅回路を構成するトランジスタのサイズ比が外部から調整されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、微少なセンサ検出信号を増幅するセンサ装置に関するものである。
従来の圧力センサ装置として、図8に示すように、ホイートストンブリッジで構成されたセンサ回路10と、そのセンサ回路10の微少な差動出力信号を増幅するインスツルメンテーション増幅回路20で構成されたものがある。センサ回路10は、圧力によって抵抗値が変化するセンサ素子Rsと抵抗R01〜R03とからなるブリッジ回路で構成されている。また、インスツルメンテーション増幅回路20はオペアンプOP1,OP2,OP3と、抵抗R1〜R7と、電圧源VCOMからなる。通常、抵抗の値は、R1=R2,R4=R5,R6=R7に設定される。
この圧力センサ装置では、センサ回路10から出力する電位差ΔV1をもつ差動の出力信号V1a,V1bが、それぞれ非反転増幅器として働くオペアンプOP1、OP2で電圧V2a,V2bに増幅される。そして、その差成分V2a−V2b=ΔV2が、オペアンプOP3で増幅されて、出力電圧V3となる。電圧源VCOMは出力電圧V3のバイアス電圧である。
ところが、図8に示すセンサ装置は、センサ回路10が圧力0を検出している場合でも、出力電圧の電位差ΔV1に有限の電圧が生じる。これは、出力オフセット電圧と呼ばれる。このような出力オフセット電圧が存在する場合は、そのオフセット電圧がインスツルメンテーション増幅回路20で増幅されるので、出力電圧V3がそのオフセット電圧の影響を大きく受けてしまう。つまり、インスツルメンテーション増幅回路20のゲインを大きくすると、入力オフセット電圧によって出力電圧V3が飽和してしまうので、ゲインを大きくできず、したがって感度が低い問題があった。
図9はこれを説明するための図である。センサ回路10の出力オフセット電圧がVos1であるとすると、これがセンサ回路10の出力電圧ΔV1に含まれ(図9(a))、インスツルメンテーション増幅回路20では初段(オペアンプOP1,OP2)の増幅率をG1とすれば、オフセット電圧はVos2=G1*Vos1に増幅され(図9(b))、さらに2段目(オペアンプOP3)の増幅率をG2とすれば、オフセット電圧はVos3=G2*Vos2に増幅される(図9(c))。よって、高い圧力の領域では検出不可能になる。
上記したセンサ回路10が有するオフセット電圧Vos1は、センサ毎に異なる。そこで、従来では、インスツルメンテーション増幅回路の外に、所望のオフセットキャンセル電圧を生成するオフセット電圧調整回路を設け、このオフセット電圧調整回路からオフセットキャンセル電圧をインスツルメンテーション増幅回路に入力させることが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−174122号公報
ところが、特許文献1では、オフセット電圧調整回路でオフセットキャンセル電圧を発生させてこれをインスツルメンテーション増幅回路に外部から入力させるので、搭載される電子回路基板の小型化の足かせとなり、また対ノイズ性が悪化する問題がある。
本発明の目的は、インスツルメンテーション増幅回路の外部にオフセット電圧調整回路を設ける必要がなく、上記した問題を解決したセンサ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、センサ回路と、該センサ回路から出力する差動の検出信号を入力して増幅するインスツルメンテーション増幅回路とからなるセンサ装置において、前記インスツルメンテーション増幅回路は、前記差動の検出信号をそれぞれ増幅する第1および第2のオペアンプと、該第1および第2のオペアンプで増幅した信号の差成分を増幅する第3のオペアンプとを有し、前記第1のオペアンプ又は前記第2のオペアンプは、該オペアンプの入力側の差動増幅回路を構成するトランジスタのサイズ比、又は抵抗の値、又は対のトランジスタに供給する共通のバイアス電圧が外部から調整されるようにしたことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のセンサ装置において、前記トランジスタを複数のサブトランジスタで構成し、該複数のサブトランジスタの内の任意のサブトランジスタをスイッチ素子によって切り替えることにより有効となる1又は2以上のサブトランジスタを決め、該有効となったサブトランジスタにより前記トランジスタのサイズ比が設定されるようにしたことを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1に記載のセンサ装置において、前記抵抗を複数のサブ抵抗で構成し、該複数のサブ抵抗の内の任意のサブ抵抗をスイッチ素子によって切り替えることにより有効となる1又は2以上のサブ抵抗を決め、該有効となったサブ抵抗により前記抵抗の値が設定されるようにしたことを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項2又は3に記載のセンサ装置において、前記スイッチ素子のオン/オフを、前記インスツルメンテーション増幅回路の外部から入力するデジタル信号に応じて制御するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、インスツルメンテーション増幅回路の入力側の第1のオペアンプ又は第2のオペアンプの入力側の差動増幅回路を構成するトランジスタのサイズ比、又は抵抗の値、又は対のトランジスタに供給する共通のバイアス電圧が調整されるようにしたので、オフセット調整にノイズが混入する恐れはない。また、外部からは操作のための信号を入力すればよく、インスツルメンテーション増幅回路の外部にオフセット電圧調整回路を設ける必要がないので、搭載される電子回路基板の小型化を阻害することもない。
問題がある。
本発明の実施例のセンサ装置の回路図である。 図1のセンサ装置のインスツルメンテーション増幅回路のオペアンプOP2Xの内部回路を示す回路図である。 図2の部分31の具体的な回路図である。 図3の部分32の具体的な回路図である。 図1のセンサ装置のインスツルメンテーション増幅回路のオペアンプOP2Xの別の例の内部回路を示す回路図である。 図5のオペアンプOP2Xのバイアス電圧生成回路の回路図である。 図1のセンサ装置の各部の電圧特性図である。 従来のセンサ装置の回路図である。 図8のセンサ装置の各部の電圧特性図である。
図1に本発明の実施例のセンサ装置を示す。このセンサ装置は、ブリッジ接続の抵抗素子で構成されたセンサ回路10と、そのセンサ回路10の差動出力信号を増幅するインスツルメンテーション増幅回路20Xで構成されたものである。センサ回路10は、圧力によって抵抗値が変化するセンサ素子Rsと抵抗R01〜R03とからなるブリッジ回路で構成されている。また、インスツルメンテーション増幅回路20XはオペアンプOP1,OP2X,OP3と、抵抗R1〜R7と、電圧源VOFFと、調整信号生成部21とからなる。通常、抵抗の値は、R1=R2,R4=R5,R6=R7に設定される。
オペアンプOP2Xは、調整信号生成回路21で生成された調整信号によってオフセット量が調整可能となっている。調整信号生成部21は外部から入力するデジタル信号によって、調整信号を生成する。
図2はオペアンプOPX2の内部回路の構成図である。このオペアンプOP2Xは、入力段に通常の差動増幅回路を用いた例のものであり、その差動増幅回路は、ゲートが入力端子VIN+,VIN−に接続される差動接続のPMOSトランジスタMP1,MP2、動作電流を決める電流源I1、能動負荷を構成するカレントミラー接続のNMOSトランジスタMN1,MN2、抵抗R11,R12で構成される。GmはGm増幅器、BF1はバッファ回路である。
本実施例では、能動負荷用のトランジスタMN1,MN2の部分31においてトランジスタサイズ比(W/L)を調整するか、あるいは抵抗R11,R12の部分32において抵抗値を調整するか、さらには部分31,32における調整を同時に行うことで、差動接続トランジスタMP1,MP2に流れる電流のDC成分を調整して、オフセット調整を行う。
図3は図2の部分31の詳細図である。ここでは、トランジスタMN1を4個のNMOSのサブトランジスタMN11〜MN14で構成し、トランジスタMN2も4個のNMOSのサブトランジスタMN21〜MN24で構成する。そして、サブトランジスタMN12〜MN14は、アナログスイッチS112〜S114をオンさせることによってゲートをドレインと接続してトランジスタとして機能させるか、あるいはアナログスイッチS122〜S124をオンさせることによってゲートをVSSに接続してトランジスタとして機能させないようにする。サブトランジスタMN22〜MN24も、アナログスイッチS212〜S214をオンさせることによってゲートをドレインと接続してトランジスタとして機能させるか、あるいはアナログスイッチS222〜S224をオンさせることによってゲートをVSSに接続してトランジスタとして機能させないようにする。したがって、アナログスイッチS112〜S114,S122〜S124,S212〜S214,S222〜S224を適宜切り替えることによって、トランジスタMN1、MN2のサイズ比W/Lを任意に調整することができる。
そして、例えば、サブトランジスタMN12のサイズ比をW/Lを1、サブトランジスタMN13のサイズ比をW/L=2、サブトランジスタMN14のサイズ比をW/L=4のようにバイナリステップでウエイト設定し、サブトランジスタMN22のサイズ比をW/Lを1、サブトランジスタMN23のサイズ比をW/L=2、サブトランジスタMN24のサイズ比をW/L=4のようにバイナリステップでウエイト設定しておけば、トランジスタMN1は、トランジスタMN11のサイズ比に対して、1を加算、又は2を加算、又は3を加算、又は4を加算することができ、ほぼ連続的にサイズ比を調整できる。トランジスタMN2についても、同様である。これは、外部からデジタル信号に応じて調整信号生成回路21で生成された調整信号によってアナログスイッチS112〜S114,S122〜S124,S212〜S214,S222〜S224を適宜切り替えることによって、実現できる。したがって、オペアンプOP2Xのオフセット調整を連続的に行うことができる。
図4は図2の部分32の詳細図である。ここでは、サブ抵抗R111〜R114をアナログスイッチS31〜S34によって接続するか否かによって、抵抗R11の抵抗値を調整できる。また、サブ抵抗R121〜R124をアナログスイッチS41〜S44によって接続するか否かによって、抵抗R12の抵抗値を調整できる。この場合も、サブ抵抗R111〜R114の値にバイナリステップでウエイトを付けると、抵抗R11の値をほぼ連続的に調整できる。また、サブ抵抗R121〜R124の値にバイナリステップでウエイトを付けると、抵抗R12の値をほぼ連続的に調整できる。したがって、オペアンプOP2Xのオフセット調整を連続的に行うことができる。
図5は入力段にフォールテッドカスコード型差動増幅回路を用いた例のオペアンプOP2Xの内部構成を示す図である。このフォールテッドカスコード型差動増幅回路は、入力段を構成する差動接続のPMOSトランジスタMP3,MP4と、カレントミラー接続されたPMOSトランジスタMP5,MP6と、カレントミラー接続され、ドレインにトランジスタMP5,MP6のドレインが接続され、ソースにトランジスタMP3,MP4のドレインと抵抗R21,R22が接続されるNMOSトランジスタMN3,MN4と、バッファ回路BF2とから構成される。
この図5に示すオペアンプOP2Xでも、トランジスタMN3,MN4の部分33においてトランジスタサイズ比を図3で説明した手法で調整し、抵抗R21,R22の部分34において抵抗値を図4で説明した手法で調整することで、オフセット電圧を連続的に調整することができる。さらに、この図5に示すオペアンプOP2Xでは、バイアス電圧Vbiasを調整することでも、オフセット電圧を調整できる。
図6にバイアス電圧Vbiasを生成する回路を示す。このバイアス生成回路は、オペアンプOP4、抵抗R511〜R514,R521〜R524、アナログスイッチS511〜S514,S521〜S524から構成される。ここでは、アナログスイッチS511とS521、アナログスイッチS512とS522、アナログスイッチS513とS523、アナログスイッチS514とS524は、一方がオン、他方がオフに制御される。これにより、電圧VDDが抵抗R511〜R514,R521〜R524の接続組み合わせに応じて分圧され、電圧ホロワを構成するオペアンプOP4からバイアス電圧Vbiasとして出力する。図5のトランジスタQ4,Q5には通常ミスマッチがあるので、このバイアス電圧Vbiasを調整することで、そのミスマッチが増大され、あるいは減少され、オフセット電圧を調整できる。
本実施例では、以上のようにして、インスツルメンテーション増幅回路20Xの一方のオペアンプOP2Xでオフセット電圧を調整できるので、センサ回路10の出力信号の差成分ΔV1に含まれるオフセット電圧をキャンセルすることができる。
すなわち、圧力が0のときのセンサ回路10の出力信号をΔV1を入力して、インスツルメンテーション増幅回路20XのオペアンプOP1の出力電圧V2aと、オペアンプOP2Xの出力電圧V2bの差分ΔV2が、ΔV2=0になるように、つまり、オペアンプOP3の出力電圧V3が0となるように、オペアンプOP2Xのオフセット電圧の調整を行うことで、センサ回路10の出力オフセット電圧Vos1をキャンセルできる。よって、出力電圧V3の出力電圧範囲が拡大する。このとき、オペアンプOP1,OP2Xで発生するオフセット電圧は無関係となる。そして、電圧源VOFFの電圧値を電源電圧VDDに近い側に調整することによって、図7(c)に示すように、ほぼ電源電圧VDDとVSSの間の全範囲にまで出力電圧V3の範囲を拡大でき、センサ装置を感度を大幅に高くすることができる。
なお、以上の説明では、入力側の一方のオペアンプOP2Xのトランジスタサイズ比や抵抗の値や対のトランジスタに供給する共通のバイアス電圧を外部から調整することでオフセット調整を行っていたが、他方のオペアンプOP1について同様に調整することでオフセット調整を行ってもよい。また、以上ではセンサ回路10を、圧力を検出するセンサ回路として説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、温度、速度、加速度、その他のあらゆる物理現象を検出するセンサ回路に適用できることはもちろんである。
10:センサ回路
20,20X:インスツルメンテーション増幅回路、21:調整信号生成回路、OP1,OP2,OP2X,OP3,OP4:オペアンプ

Claims (4)

  1. センサ回路と、該センサ回路から出力する差動の検出信号を入力して増幅するインスツルメンテーション増幅回路とからなるセンサ装置において、
    前記インスツルメンテーション増幅回路は、前記差動の検出信号をそれぞれ増幅する第1および第2のオペアンプと、該第1および第2のオペアンプで増幅した信号の差成分を増幅する第3のオペアンプとを有し、
    前記第1のオペアンプ又は前記第2のオペアンプは、該オペアンプの入力側の差動増幅回路を構成するトランジスタのサイズ比、又は抵抗の値、又は対のトランジスタに供給する共通のバイアス電圧が外部から調整されるようにしたことを特徴とするセンサ装置。
  2. 請求項1に記載のセンサ装置において、
    前記トランジスタを複数のサブトランジスタで構成し、該複数のサブトランジスタの内の任意のサブトランジスタをスイッチ素子によって切り替えることにより有効となる1又は2以上のサブトランジスタを決め、該有効となったサブトランジスタにより前記トランジスタのサイズ比が設定されるようにしたことを特徴とするセンサ装置。
  3. 請求項1に記載のセンサ装置において、
    前記抵抗を複数のサブ抵抗で構成し、該複数のサブ抵抗の内の任意のサブ抵抗をスイッチ素子によって切り替えることにより有効となる1又は2以上のサブ抵抗を決め、該有効となったサブ抵抗により前記抵抗の値が設定されるようにしたことを特徴とするセンサ装置。
  4. 請求項2又は3に記載のセンサ装置において、
    前記スイッチ素子のオン/オフを、前記インスツルメンテーション増幅回路の外部から入力するデジタル信号に応じて制御するようにしたことを特徴とするセンサ装置。
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