JP2018157238A - 半導体装置、オペアンプ及び電子機器 - Google Patents

半導体装置、オペアンプ及び電子機器 Download PDF

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浩康 田上
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Abstract

【課題】半導体装置を高出力インピーダンス化する。【解決手段】高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ(Tr)素子と、高電位側電源と低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2Tr素子と、第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3Tr素子と、第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4Tr素子と、第1Tr素子と第3Tr素子との間の第1ラインに接続した第1出力部と、第2Tr素子と第4Tr素子との間の第2ラインに接続した第2出力部と、第1Tr素子の制御端子と第1出力部との間を接続する第1抵抗と、第2Tr素子の制御端子と第2出力部との間を接続する第2抵抗と、第1Tr素子の制御端子と第2Tr素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、を備える半導体装置。【選択図】図1

Description

本技術は、半導体装置、オペアンプ及び電子機器に関する。
図13は、従来のトランスコンダクタンス回路の基本的な構成を示す図である。
同図に示すトランスコンダクタンス回路は、高電位側電源VDDと低電位側電源Gndとの間を接続するラインL1上に介設された負荷MOSとなるPMOS1と、高電位側電源VDDと低電位側電源Gndの間を接続するラインL2上に介設された負荷MOSとなるPMOS2と、ラインL1上に介設されたNMOS3とラインL2上に介設されたNMOS4とにより構成された差動ペアと、出力の同相電位を設定するための同相帰還回路5と、電流源としてのNMOS6と、を有するソース共通差動回路の構成である。
同相帰還回路5は、PMOS1のドレインとPMOS2のドレインとの間を、直列接続した抵抗Rfb1と抵抗Rfb2で接続し、抵抗Rfb1と抵抗Rfb2の接続点をPMOS1のゲート及びPMOS2のゲートにそれぞれ接続してある。なお、抵抗Rfb1と抵抗Rfb2の抵抗値は同一である。これにより、一般的に差動信号を入力とするトランスコンダクタンス回路の出力の同相電位を設定することができる。
上述した同相帰還回路5においては、抵抗Rfb1,Rfb2が同相電位を検出してPMOS1,2のゲートに帰還することになる。これにより、出力同相電位が設定される。このとき、出力同相電位の範囲は、高電位側電源VDDからPMOS1,2の飽和領域動作に必要な電圧Vdpsatを差し引いた電圧(VDD−Vdpsat)と、NMOS3又はNMOS4の飽和領域動作に必要な電圧VdnsatにNMOS6の飽和領域動作に必要な電圧Vdnsatを加えた電圧(2Vdnsat)との間となる。
抵抗Rfb1、Rfb2は、差動成分を帰還させないが、差動出力間の負荷となるため、トランスコンダクタンス回路の電圧利得を減じないよう充分高い値に設定しなければならない。例えば、入出力同相電位が同一の場合、PMOS1,2のゲート−ソース間電位であるVgspとNMOS3,4のゲート−ソース間電位であるVgsnを450mV(Vth(400mV)+50mV)とし、NMOS6のドレイン−ソース間電位を150mVとすると、動作下限電圧は、1.05Vとなり、仕様としての最低動作電圧は1.2〜1.3V程度になってしまう。これを避けるべく、入出力の動作点がVDDよりもVgspまで下がらない程度(例えば、VDD−200mV)に設定した構成として、例えば図14に示す構成があるが、このように構成すると低電源電圧で動作できるものの電流ブランチが増えて低消費電流特性が悪化する。
また、トランスコンダクタンス回路は、出力インピーダンスが極めて高い特性を有するべきであり、トランスコンダクタンスGmがある一定値で、電圧利得が極めて大きくなるべきである。下記(1)式は、図13に示すトランスコンダクタンス回路の出力インピーダンスZoutを示す式である。下記(1)式において、RFBは抵抗Rfb1,Rfb2の抵抗値、RDSNはNMOS3,4のドレイン−ソース間抵抗、RDSPはPMOS1,2のドレイン−ソース間抵抗を示す。
Figure 2018157238
前記(1)式から分かるように、図13に示すトランスコンダクタンス回路では、PMOS1,2やNMOS3,4の出力インピーダンスが支配的である上、同相帰還回路の抵抗Rfb1,Rfb2が出力インピーダンスを更に低下させる。しかも、LSI技術の進化によるデバイスの微細化に伴い、トランジスタの出力インピーダンスは低下傾向にあり、トランスコンダクタンス回路の出力インピーダンスも低下傾向にある。
本技術は、前記課題に鑑みてなされたもので、半導体装置を高出力インピーダンス化することを目的とし、より望ましくは、更に半導体装置の低動作電圧化及び/又は低消費電力化を実現することを目的とする。
本技術の態様の1つは、高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ素子と、前記高電位側電源と前記低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2トランジスタ素子と、前記第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3トランジスタ素子と、前記第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4トランジスタ素子と、前記第1トランジスタ素子と前記第3トランジスタ素子との間の前記第1ラインに接続した第1出力部と、前記第2トランジスタ素子と前記第4トランジスタ素子との間の前記第2ラインに接続した第2出力部と、前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第1出力部との間を接続する第1抵抗と、前記第2トランジスタ素子の制御端子と前記第2出力部との間を接続する第2抵抗と、前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第2トランジスタ素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、を備える半導体装置である。
本技術の他の態様の1つは、高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ素子と、前記高電位側電源と前記低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2トランジスタ素子と、前記第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3トランジスタ素子と、前記第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4トランジスタ素子と、前記第1トランジスタ素子と前記第3トランジスタ素子との間の前記第1ラインに接続した第1出力部と、前記第2トランジスタ素子と前記第4トランジスタ素子との間の前記第2ラインに接続した第2出力部と、前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第1出力部との間を接続する第1抵抗と、前記第2トランジスタ素子の制御端子と前記第2出力部との間を接続する第2抵抗と、前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第2トランジスタ素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、を差動入力段として備えるオペアンプである。
本技術の他の態様の1つは、高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ素子と、前記高電位側電源と前記低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2トランジスタ素子と、前記第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3トランジスタ素子と、前記第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4トランジスタ素子と、前記第1トランジスタ素子と前記第3トランジスタ素子との間の前記第1ラインに接続した第1出力部と、前記第2トランジスタ素子と前記第4トランジスタ素子との間の前記第2ラインに接続した第2出力部と、前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第1出力部との間を接続する第1抵抗と、前記第2トランジスタ素子の制御端子と前記第2出力部との間を接続する第2抵抗と、前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第2トランジスタ素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、を備える半導体装置を備える電子機器である。
なお、以上説明した半導体装置、オペアンプ、電子機器は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。
本技術によれば、半導体装置を高出力インピーダンス化することが可能となり、更に半導体装置の低動作電圧化及び/又は低消費電力化を実現することも可能となる。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また付加的な効果があってもよい。
第1の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成を示す図である。 第1の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の電流源負荷の小信号等価回路である。 第1の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の他の構成例を示す図である。 第2の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成を示す図である。 第2の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の他の構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る電流源生成回路の具体的な一例を示す図である。 第3の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成を示す図である。 第3の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の他の構成例を示す図である。 Vcm生成回路の具体的な一例を示す図である。 第4の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の構成を示す図である。 第4の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路の他の構成例を示す図である。 第4の実施形態に係る電流源生成回路の具体的な一例を示す図である。 従来のトランスコンダクタンス回路の一例を示す図である。 従来のトランスコンダクタンス回路の一例を示す図である。
以下、下記の順序に従って本技術を説明する。
(A)第1の実施形態:
(B)第2の実施形態:
(C)第3の実施形態:
(D)第4の実施形態:
(A)第1の実施形態:
図1は、本実施形態に係る半導体装置としてのトランスコンダクタンス回路100の構成を示す図である。
トランスコンダクタンス回路100は、ソース共通の差動回路を基本とするトランスコンダクタンス回路であり、負荷となる一対のトランジスタ素子10、差動ペア20、第1出力部30、第2出力部40、電流源50、第1抵抗60、第2抵抗70、及び、第3抵抗80を備える。
負荷となる一対のトランジスタ素子10は、第1導電型の第1トランジスタ素子としてのPMOS11と第1導電型の第2トランジスタとしてのPMOS12により構成される。PMOS11は、第1ラインとしてのラインL1上に介設され、PMOS12は、第2ラインとしてのラインL2上に介設されている。第1ライン及び第2ラインは、高電位側電源としての定電圧源VDDと低電位側電源としてのグランドGNDとの間をそれぞれ接続するラインである。
差動ペア20は、第2導電型の第3トランジスタ素子としてのNMOS21と、第2導電型の第4トランジスタ素子としてのNMOS22とにより構成される。NMOS21は、ラインL1上のPMOS11よりも下流側に介設され、NMOS22は、ラインL2上のPMOS12よりも下流側に介設されている。NMOS21の制御端子としてのゲートには、差動入力電圧の一方を構成する電圧Vinpが入力され、NMOS22の制御端子としてのゲートには、差動入力電圧の他方を構成する電圧Vinnが入力される。
電流源50は、差動ペアを構成するNMOS21及びNMOS22と、グランドGNDとの間を接続する第2導電型のトランジスタ素子であるNMOS51により構成されている。NMOS51のゲートには、定電圧Vgsnが印加されている。これにより、NMOS51に流れる電流を2×I0とする。
なお、上述したPMOS11,12及びNMOS21,22は、それぞれオン抵抗を有しており、図1には、PMOS11,12のオン抵抗としてRdspを示し、NMOS21,22のオン抵抗としてRdsnを示してある。
第1出力部30は、PMOS11とNMOS21との間のラインL1に接続されており、第1出力部30の電圧は、差動出力電圧の一方を構成する電圧Voutpを構成する。第2出力部40は、PMOS12とNMOS22との間のラインL2に接続されており、第2出力部40の電圧は、差動出力電圧の他方を構成する電圧Voutnを構成する。
第1抵抗60は、PMOS11のゲートと第1出力部30との間を接続し、第2抵抗70は、PMOS12のゲートと第2出力部40との間を接続する。これにより、第1抵抗60はPMOS11のゲートに正帰還をかけ、第2抵抗70はPMOS12のゲートに正帰還をかける。
第3抵抗80は、PMOS11のゲートとPMOS12のゲートとの間を接続している。すなわち、第3抵抗80は、PMOS11のゲートに接続された側の第1抵抗60の端子と、PMOS12のゲートに接続された側の第2抵抗70の端子と、の間を接続している。
図2は、このように第3抵抗80を設けたトランスコンダクタンス回路100の電流源負荷の小信号等価回路である。同図において、Rfbは第1抵抗60及び第2抵抗70の抵抗値を示し、Rxは第3抵抗80の抵抗値の半分を示し、Gmはトランスコンダクタンスを示す。
第1出力部30と第2出力部40の間の出力インピーダンスは、下記(2)式により表すことができる。式(2)において、(k・Gm)/2は負性抵抗を示している。
Figure 2018157238
すなわち、負性抵抗を示す項が、Rfb、Rx、Rdsn、Rdspのみで構成される各項を打ち消すようにkとGmを設定すれば、Rfbをドレイン−ソース間抵抗より十分に大きくする必要なく、非常に高いインピーダンスを得ることができることが分かる。また、抵抗数は従来回路に比べて増えているものの、第1抵抗60、第2抵抗70の抵抗値を小さくできるため、従来のトランスコンダクタンス回路と同等の出力インピーダンスを実現する場合には回路面積を1/10以下で実現可能である。
以上説明したトランスコンダクタンス回路100は、図3に示すように、電流源50を設けず、NMOS21,22のソース端子を直接にグランドGNDへ接続する構成としてもよい。このように電流源50を設けないトランスコンダクタンス回路100においても、高い低周波利得を実現できる。
(B)第2の実施形態:
図4は、本実施形態に係る半導体装置としてのトランスコンダクタンス回路200の構成を示す図である。
トランスコンダクタンス回路200は、第3抵抗80に代えて抵抗81と抵抗82の直列接続を設けるとともに電流源210を設けた点を除くと、第1の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路100と同一構成であるため、共通構成についてはトランスコンダクタンス回路100と同じ符号を付して各構成要素の詳細な説明は省略する。
なお、抵抗81と抵抗82の抵抗値は、出力インピーダンスの計算式において、上述した第1の実施形態に係る第3抵抗80の抵抗値と対応させるため各々の抵抗値をRxとして説明を行う。
電流源210は、第3抵抗80の中点である抵抗81と抵抗82の接続点CとグランドGNDの間を接続しており、電流2×Ibを接続点Cから引き抜く構成である。これにより、各抵抗81,82にそれぞれ電流Ibが流れ、第1抵抗60及び第2抵抗70にもそれぞれ電流Ibが流れることとなり、出力Voutp,VoutnをRfb×Ibだけ上昇させることができる。
これにより、VDDをRfb×Ibだけ下げても電流源50のドレイン−ソース間電圧を同一に保つことが可能であり、低電源電圧化することが可能となる。なお、消費電流は2×Ib分増加するが、この2×Ibが流れる抵抗Rfbは必然的に高抵抗になるため、2×Ibの電流値は2×I0の電流値の約10分の1程度又はそれ以下であり、消費電流の増加は極めて少なくて済む。
また、上述した第1の実施形態と同様に、高出力インピーダンスを実現できる。これにより、低電圧化と低消費電流化および高出力インピーダンス化を両立可能なトランスコンダクタンス回路を実現することができる。
以上説明したトランスコンダクタンス回路200は、図5に示すように、電流源50を設けず、NMOS21,22のソース端子を直接にグランドGNDへ接続する構成としてもよい。電流源50を設けないトランスコンダクタンス回路200においても、低電圧化と低消費電流化および高出力インピーダンス化、並びに、高い低周波利得を実現できる。
図6は、電流源210の具体的な一例を示す図である。
同図に示す電流源210は、抵抗211、電流源212、PMOS213、抵抗214、電流源215、演算増幅器216、NMOS217,218,219を有する。
抵抗211と電流源212は、所望の定電圧V1を発生する回路である。
具体的には、抵抗211と電流源212は直列接続されており、抵抗211を定電圧源VDD側、電流源212をグランドGnd側として、定電圧源VDDとグランドGndの間を接続している。これにより、抵抗211と電流源212の電流値に応じた所望の定電圧V1が発生する。
PMOS213、抵抗214及び電流源215は、トランスコンダクタンス回路200の左右いずれか一方としての、PMOS11、電流源50及び第1抵抗60(又は、PMOS12、電流源50及び第2抵抗70)を模したレプリカ回路であり、電流源210に対応する構成であるNMOS217に、電流源210の電流値の元となる電流源Ibを発生させる回路である。
具体的には、PMOS213と電流源215も直列接続されており、PMOS213のソース端子を定電圧源VDD側、電流源215をグランドGnd側として、定電圧源VDDとグランドGndの間を接続している。PMOS213のゲートードレイン間は第1抵抗60及び第2抵抗70と抵抗値が等しい抵抗214で接続されている。PMOS213のゲートとグランドGNDの間は、NMOS217で接続されている。電流源215には、電流源50の半分の電流値に設定してある。これにより、PMOS213のドレインと電流源215の間に電圧V2が発生し、この電圧V2に応じた電流がNMOS217に流れる。
演算増幅器216は、電圧V2と定電圧V1とを入力されており、定電圧V1と電圧V2の電位差がゼロとなる電圧をNMOS217のゲートに与える。これにより、NMOS217に流れる電流Ibは、定電圧V1に応じた電流値となる。
NMOS217に発生した電流Ibは、NMOS218,219にカレントミラーされる。NMOS218,219には、例えばトランジスタサイズを2倍にする等により、NMOS217の2倍の電流が発生するように構成されている。これにより、図5の電流源210に相当するNMOS218,219に発生する電流2×Ibが電流源210がトランスコンダクタンス回路200に供給する電流として生成される。
このようにして生成された電流2×Ibは、入出力の同相電圧である「VDD−Vgs+Rfb×Ib」が、デバイスのバラつき等に依存せず一定とすることができる。
(C)第3の実施形態:
図7は、本実施形態に係る半導体装置としてのトランスコンダクタンス回路300の構成を示す図である。
トランスコンダクタンス回路300は、電流源210を設けず、代わりに抵抗310を設けた点を除くと、第2の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路200と同一構成であるため、共通構成についてはトランスコンダクタンス回路200と同じ符号を付して各構成要素の詳細な説明は省略する。
抵抗310は、第3抵抗80の中点である抵抗81と抵抗82の接続点Cに一方の端子を接続されており、他方の端子には電圧Vcmが入力されている。このとき、抵抗310に流れる電流が上述した電流2×Ibとしてトランスコンダクタンス回路300に作用する。
このように、トランジスタ素子を含んで構成される電流源を用いることなくトランジスタより電流精度が高い抵抗310で同相電流Ibを生成することで、トランスコンダクタンス回路300の同相電圧をより高精度に設定できる。
以上説明したトランスコンダクタンス回路300は、図8に示すように、電流源50を設けず、NMOS21,22のソース端子を直接にグランドGNDへ接続する構成としてもよい。このように電流源50を設けないトランスコンダクタンス回路300においても、同様の電流精度及び高い低周波利得を実現できる。
図9は、電圧Vcmを生成するVcm生成回路の具体的な一例を示す図である。
同図に示すVcm生成回路310は、抵抗311、電流源312、PMOS313、抵抗314、電流源315、抵抗316、及び、演算増幅器317を有する。
抵抗311と電流源312は、所望の定電圧V1を発生する回路である。
具体的には、抵抗311と電流源312は直列接続されており、抵抗311を定電圧源VDD側、電流源312をグランドGnd側として、定電圧源VDDとグランドGndの間を接続している。これにより、抵抗311と電流源312の電流値に応じた所望の定電圧V1が発生する。
PMOS313、抵抗314、電流源315、抵抗316及び演算増幅器317は、トランスコンダクタンス回路300の左右いずれか一方としての、PMOS11、電流源50及び第1抵抗60(又は、PMOS12、電流源50及び第2抵抗70)を模したレプリカ回路であり、抵抗310に対応する構成である抵抗316の一方の端子に電圧Vcmを発生させる回路である。
具体的には、PMOS313と電流源315も直列接続されており、PMOS313のソース端子を定電圧源VDD側、電流源315をグランドGnd側として、定電圧源VDDとグランドGndの間を接続している。PMOS313のゲート−ドレイン間は第1抵抗60及び第2抵抗70と抵抗値が等しい抵抗314で接続されている。PMOS313のゲートには抵抗316の他方の端子が接続されている。抵抗316の抵抗値は、抵抗310の2倍としてある。電流源315には、電流源50の半分の電流値に設定してある。これにより、PMOS313のドレインと電流源315の間に電圧V2が発生する。
演算増幅器317は、電圧V2と定電圧V1とを入力されており、出力端子が抵抗316を介してPMOS313のゲートに接続され、直列接続された抵抗314,316を介して演算増幅器317の出力端子と反転入力端子が互いに接続されている。
このとき抵抗316に流れる電流がIbに相当し、演算増幅器317の出力端子側の抵抗316の端子に発生する電圧Vcmは定電圧V1に応じた値となる。Vcm生成回路310は、電圧Vcmの値を調整することにより、抵抗310に正の電流又は負の電流が流れる電圧Vcmを供給することが可能である。
このようにして生成されたVcmによって抵抗310に流れる電流2×Ibは、入出力の同相電圧である「VDD−Vgs+Rfb×Ib」がデバイスのバラつき等に依存せず一定となる。
(D)第4の実施形態:
図10は、本実施形態に係る半導体装置としてのトランスコンダクタンス回路400の構成を示す図である。
トランスコンダクタンス回路400は、第3抵抗80に代えて抵抗81と抵抗82の直列接続を設けるとともに、電流源410を設けた点を除くと、第1の実施形態に係るトランスコンダクタンス回路100と同一構成であるため、共通構成についてはトランスコンダクタンス回路100と同じ符号を付して各構成要素の詳細な説明は省略する。
なお、抵抗81と抵抗82の抵抗値は、出力インピーダンスの計算式において、上述した第1の実施形態に係る第3抵抗80の抵抗値と対応させるため各々の抵抗値をRxとして説明を行う。
電流源410は、第3抵抗80の中点である抵抗81と抵抗82の接続点Cと定電圧源VDDの間を接続しており、電流2×Ibを接続点Cへ流し込む構成である。これにより、各抵抗81,82にそれぞれ電流Ibが流れ、第1抵抗60及び第2抵抗70にもそれぞれ電流Ibが流れることとなり、定電圧源VDDをRfb×Ibだけ下げることができる。
これにより、出力同相基準電位をVDD/2付近に調整して広いダイナミックレンジを確保することが可能となる。なお、消費電流は2×Ib分増加するが、この2×Ibが流れる抵抗Rfbは必然的に高抵抗になるため、2×Ibの電流値は2×I0の電流値の約10分の1程度又はそれ以下であり、消費電流の増加は極めて少なくて済む。
また、上述した第1の実施形態と同様に、高出力インピーダンスを実現できる。これにより、低電圧化と低消費電流化および高出力インピーダンス化を両立可能なトランスコンダクタンス回路を実現することができる。
以上説明したトランスコンダクタンス回路400は、図11に示すように、電流源50を設けず、NMOS21,22のソース端子を直接にグランドGNDへ接続する構成としてもよい。電流源50を設けないトランスコンダクタンス回路400においても、低電圧化と低消費電流化および高出力インピーダンス化、並びに、高い低周波利得を実現できる。
図12は、電流源410の具体的な一例を示す図である。
同図に示す電流源410は、抵抗411、電流源412、PMOS413、抵抗414、電流源415、演算増幅器416、PMOS417,418,419を有する。
抵抗411と電流源412は、電流源50が発生する電流2×I0に応じた所望の定電圧V1を発生する回路である。
具体的には、抵抗411と電流源412は直列接続されており、抵抗411を定電圧源VDD側、電流源412をグランドGnd側として、定電圧源VDDとグランドGndの間を接続している。これにより、抵抗411と電流源412の電流値に応じた所望の定電圧V1が発生する。
PMOS413、抵抗414及び電流源415は、トランスコンダクタンス回路400の左右いずれか一方としての、PMOS11、電流源50及び第1抵抗60(又は、PMOS12、電流源50及び第2抵抗70)を模したレプリカ回路であり、電流源410に対応する構成であるPMOS417に、電流源410の電流値の元となる電流源Ibを発生させる回路である。
具体的には、PMOS413と電流源415も直列接続されており、PMOS413のソース端子を定電圧源VDD側、電流源415をグランドGnd側として、定電圧源VDDとグランドGndの間を接続している。PMOS413のゲートードレイン間は、第1抵抗60及び第2抵抗70と抵抗値が等しい抵抗414で接続されている。PMOS413のゲートとグランドGNDの間は、NMOS417で接続されている。電流源415には、電流源50の半分の電流値に設定してある。これにより、PMOS413のドレインと電流源415の間に電圧V2が発生し、この電圧V2に応じた電流がNMOS417に流れる。
そして、演算増幅器416は、電圧V2と定電圧V1とを入力されており、定電圧V1と電圧V2の電位差がゼロとなる電圧をNMOS417のゲートに与える。これにより、NMOS417に流れる電流Ibは、定電圧V1に応じた電流値となる。このようにしてNMOS417に発生した電流Ibは、NMOS418,419にカレントミラーされる。
NMOS418,419には、例えばトランジスタサイズを2倍にする等により、NMOS417の2倍の電流が発生するように構成されている。これにより、図11の電流源410に相当するNMOS418,419に発生する電流2×Ibが、電流源410からトランスコンダクタンス回路400へ供給する電流として生成される。
このようにして生成された電流2×Ibは、入出力の同相電圧である「VDD−Vgs+Rfb×Ib」が、デバイスのバラつき等に依存せず一定とすることができる。
なお、以上説明した本技術に係るトランスコンダクタンス回路100〜400は、出力段を付加してオペアンプとして実施されたり、電子機器の回路中に組み込まれて実施されたりするなど各種の態様で実施される。本技術に係るトランスコンダクタンス回路を組み込んで好適な電子回路としては、デバイスの微細化 低電源電圧化、低消費電力化の要請あるデジタル回路及びアナログ回路を有するものが例示される。
なお、本技術は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また,本技術の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
そして、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)
高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ素子と、
前記高電位側電源と前記低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2トランジスタ素子と、
前記第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3トランジスタ素子と、
前記第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4トランジスタ素子と、
前記第1トランジスタ素子と前記第3トランジスタ素子との間の前記第1ラインに接続した第1出力部と、
前記第2トランジスタ素子と前記第4トランジスタ素子との間の前記第2ラインに接続した第2出力部と、
前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第1出力部との間を接続する第1抵抗と、
前記第2トランジスタ素子の制御端子と前記第2出力部との間を接続する第2抵抗と、
前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第2トランジスタ素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、
を備える半導体装置。
(2)
前記第3抵抗の中点から電流を引き抜く第1電流源を更に備える、前記(1)に記載の半導体装置。
(3)
前記第3抵抗の中点へ電流を流し込む第2電流源を更に備える、前記(1)に記載の半導体装置。
(4)
前記第3抵抗の中点と所定の定電圧源との間を接続する抵抗を更に備える、前記(1)に記載の半導体装置。
(5)
高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ素子と、
前記高電位側電源と前記低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2トランジスタ素子と、
前記第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3トランジスタ素子と、
前記第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4トランジスタ素子と、
前記第1トランジスタ素子と前記第3トランジスタ素子との間の前記第1ラインに接続した第1出力部と、
前記第2トランジスタ素子と前記第4トランジスタ素子との間の前記第2ラインに接続した第2出力部と、
前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第1出力部との間を接続する第1抵抗と、
前記第2トランジスタ素子の制御端子と前記第2出力部との間を接続する第2抵抗と、
前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第2トランジスタ素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、を差動入力段として備えるオペアンプ。
(6)
前記(1)〜前記(4)の何れか1つに記載の半導体装置を備える電子機器。
10…負荷となる一対のトランジスタ素子、20…差動ペア、30…第1出力部、40…第2出力部、50…電流源、60…第1抵抗、70…第2抵抗、80…第3抵抗、81…抵抗、82…抵抗、100…トランスコンダクタンス回路、200…トランスコンダクタンス回路、210…電流源、300…トランスコンダクタンス回路、310…抵抗、400…トランスコンダクタンス回路、410…電流源

Claims (6)

  1. 高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ素子と、
    前記高電位側電源と前記低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2トランジスタ素子と、
    前記第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3トランジスタ素子と、
    前記第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4トランジスタ素子と、
    前記第1トランジスタ素子と前記第3トランジスタ素子との間の前記第1ラインに接続した第1出力部と、
    前記第2トランジスタ素子と前記第4トランジスタ素子との間の前記第2ラインに接続した第2出力部と、
    前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第1出力部との間を接続する第1抵抗と、
    前記第2トランジスタ素子の制御端子と前記第2出力部との間を接続する第2抵抗と、
    前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第2トランジスタ素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、
    を備える半導体装置。
  2. 前記第3抵抗の中点から電流を引き抜く第1電流源を更に備える、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第3抵抗の中点へ電流を流し込む第2電流源を更に備える、請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記第3抵抗の中点と所定の定電圧源との間を接続する抵抗を更に備える、請求項1に記載の半導体装置。
  5. 高電位側電源と低電位側電源との間を接続する第1ライン上に介設された第1導電型の第1トランジスタ素子と、
    前記高電位側電源と前記低電位側電源の間を接続する第2ライン上に介設された第1導電型の第2トランジスタ素子と、
    前記第1ライン上に介設され、差動対の一方を構成する第2導電型の第3トランジスタ素子と、
    前記第2ライン上に介設され、差動対の他方を構成する第2導電型の第4トランジスタ素子と、
    前記第1トランジスタ素子と前記第3トランジスタ素子との間の前記第1ラインに接続した第1出力部と、
    前記第2トランジスタ素子と前記第4トランジスタ素子との間の前記第2ラインに接続した第2出力部と、
    前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第1出力部との間を接続する第1抵抗と、
    前記第2トランジスタ素子の制御端子と前記第2出力部との間を接続する第2抵抗と、
    前記第1トランジスタ素子の制御端子と前記第2トランジスタ素子の制御端子との間を接続する第3抵抗と、を差動入力段として備えるオペアンプ。
  6. 請求項1に記載の半導体装置を備える電子機器。
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