JP2011220270A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置において、余分な燃料増量を行わず、有害物質の排出を抑制するとともに、燃料消費量を低減することにある。
【解決手段】制御手段(12)は、排ガスを浄化する触媒を冷却する冷却ファン(9)を駆動させる冷却ファン制御手段(12B)と、回転数検出手段(13)により検出された内燃機関(1)の回転数及び負荷検出手段(14)により検出された内燃機関(1)の負荷に基づいて常時燃料を増量補正する領域であるか否かを判定する回転負荷領域判定手段(12C)とを備え、回転負荷領域判定手段(12C)により常時燃料を増量補正しない回転負荷領域であると判定され、かつ、車速検出手段(17)により検出された車速が予め設定された設定値以下の場合には、冷却ファン制御手段(12B)により冷却ファン(9)を駆動する。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に燃料を増量補正する内燃機関の制御装置に関する。
車両の内燃機関においては、排ガス中に有害物質(CO、HC、NOx)が含まれており、この有害物質を大気中に排出されないよう、排気系に触媒を設けている。
そして、電子的な制御装置(ECU)により、触媒の浄化作用を最大限に発揮し、有害物質の排出が少なくなる理論空燃比に燃料噴射量、点火時期を設定し、それでも有害物質の排出が抑えられない分については、触媒にて有害物質を無害化し、大気へ排出している。
ここで、運転者が急加速等を行い、内燃機関の負荷が高い状態が継続された場合に、内燃機関からの排ガスが高温となる。このため、触媒は、高温の排ガスに晒されることで劣化し、その性能が悪化してしまい、有害物質の大気放出量を増やしてしまう。
このような触媒の性能劣化を防ぐためには、内燃機関の高回転数・高負荷状態が継続し、触媒温度の上昇が懸念される場面では、通常制御よりも燃料を過濃状態で制御し、燃料の気化熱を利用して触媒温度の低減を図る制御が用いられている。この場合、燃料増量条件の判定には、回転数−負荷のマップを用いて、領域毎に触媒温度を推定し、触媒温度が許容温度を超えてしまう領域では、燃料の増量補正を開始している。
即ち、内燃機関の制御装置では、図3に示すように、プログラムがスタートすると(ステップB01)、回転数−負荷のマップから触媒温度を満足できない領域での運転か否かを判断し(ステップB02)、このステップB02がNOの場合に、この判断を継続する一方、このステップB02がYESの場合には、燃料の増量補正を開始し(ステップB03)、プログラムをエンドとしている(ステップB04)。
特開昭53−40128号公報
特許文献1に係る内燃機関用燃料制御装置は、スロットル開度が所定開度に達したときの信号と高速運転領域になったときの信号との少なくとも一方にて、内燃機関への燃料を増量させるものである。
ところが、従来、内燃機関の制御装置においては、高車速状態における走行風の冷却効果について見込んでいなく、このため、走行風により十分な冷却効果があるにもかかわらず、不要な燃料増量を行ってしまい、従って、有害物質の大気中への排出量が増えるとともに、燃料消費量が増加するという不都合があった。
そこで、この発明の目的は、余分な燃料増量を行わず、有害物質の排出を抑制するとともに、燃料消費量を低減する内燃機関の制御装置を提供することにある。
この発明は、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を設け、前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段を設け、前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数及び前記負荷検出手段により検出された前記内燃機関の負荷に基づいて前記内燃機関に燃料を供給する燃料噴射量制御手段が備えられた制御手段を設けた内燃機関の制御装置において、車速を検出する車速検出手段を設け、前記制御手段は、排ガスを浄化する触媒を冷却する冷却ファンを駆動させる冷却ファン制御手段と、前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数及び前記負荷検出手段により検出された前記内燃機関の負荷に基づいて常時燃料を増量補正する領域であるか否かを判定する回転負荷領域判定手段とを備え、前記回転負荷領域判定手段により常時燃料を増量補正しない回転負荷領域であると判定され、かつ、前記車速検出手段により検出された車速が予め設定された設定値以下の場合には、前記冷却ファン制御手段により前記冷却ファンを駆動することを特徴とする。
この発明の内燃機関の制御装置は、冷却風により触媒が冷却されるような運転領域では、燃料増量補正をしないので、余分な燃料増量を行わず、有害物質の排出を抑制するとともに、燃料消費量を低減できる。
図1は内燃機関の制御装置のシステム構成図である。(実施例) 図2は内燃機関の制御のフローチャートである。(実施例) 図3は従来の内燃機関の制御のフローチャートである。(従来例)
この発明は、余分な燃料増量を行わず、有害物質の排出を抑制するとともに、燃費を向上する目的を、冷却風により触媒が冷却されるような運転領域では、燃料を増量補正しないようにして実現するものである。
図1、図2は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、1は車両に搭載される内燃機関、2はラジエータである。
内燃機関1には、吸気通路3を形成する吸気管4と排気通路5を形成して触媒6を備えた排気管7とが接続し、また、内部へ燃料を噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)8が取り付けられている。触媒6は、内燃機関1が高回転数で高負荷率の領域で運転されているときに、排ガスの温度が高くなることで、高温となり易いものである。
ラジエータ2は、内燃機関1の冷却水を放熱させるものであり、冷却ファン9を備えている。また、吸気通路3の途中には、スロットルバルブ10が配設されている。
内燃機関1には、電子的な制御装置(ECU)11が設けられる。
この制御装置11には、燃料噴射弁8と冷却ファン9とに連絡した制御手段(ECU)12が設けられている。
また、制御装置11には、制御手段12に連絡して、内燃機関1の回転数を検出する回転数検出手段13と、内燃機関1の負荷を検出する負荷検出手段14として、例えば、スロットルバルブ10のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ15及び内燃機関1への吸入空気量を検出する吸入空気量センサ16と、車速を検出する車速検出手段17と、外気温度を検出する外気温検出手段18と、内燃機関1の冷却水の温度を検出する水温センサ19と、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧センサ20とが設けられている。
なお、負荷検出手段14としては、上記のスロットル開度センサ15及び吸入空気量センサ16の他に、燃料噴射量等を検出する手段とすることも可能である。また、外気温検出手段18としては、外気温度を直接検出する代わりに、吸入空気の温度を外気温度として検出する手段とすることも可能である。
制御手段12は、回転数検出手段13により検出された内燃機関1の回転数及び負荷検出手段14により検出された内燃機関1の負荷に基づいて内燃機関1に燃料を供給する燃料噴射量制御手段12Aと、排ガスを浄化する触媒6を冷却する冷却ファン9を駆動させる冷却ファン制御手段12Bと、回転数検出手段12Aにより検出された内燃機関1の回転数及び負荷検出手段14により検出された内燃機関1の負荷に基づいて常時燃料を増量補正する領域であるか否かを判定する回転負荷領域判定手段12Cとを備え、回転負荷領域判定手段12Cにより常時燃料を増量補正しない回転負荷領域であると判定され、かつ、車速検出手段17により検出された車速が予め設定された設定値以下の場合には、冷却ファン制御手段12Bにより冷却ファン9を駆動する。
ここで、この冷却ファン9としては、排ガスを浄化する触媒6を冷却するものであり、触媒6を直接冷却する専用のファンを追加してもよいが、内燃機関1の冷却水を放熱させるラジエータ2に備えられたものを流用し、そして、内燃機関1の冷却水を放熱させることにより、内燃機関1を冷却して触媒6を冷却させることとした。
また、制御手段12は、常時燃料を増量補正しない回転負荷領域であって車速検出手段17により検出された車速が予め設定された設定値以下でも、外気温検出手段18により検出された外気温度が予め設定された設定温度以上の場合には、冷却ファン制御手段12Bにより冷却ファン9を駆動せずに、燃料噴射量制御手段12Aにより燃料を増量補正する。言い換えれば、冷却風により触媒6が冷却されるような運転領域では、燃料を増量補正しない。
次に、この実施例に係る制御を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2に示すように、制御手段12においてプログラムがスタートすると(ステップA01)、先ず、回転負荷領域1になったか否かを判断し(ステップA02)、このステップA02がNOの場合には、この判断を継続する。この回転負荷領域1は、冷却ファン9を駆動すれば、燃料を増量補正しなくても、触媒温度を満足できる領域である。
このステップA02がYESの場合には、回転負荷領域2になったか否かを判断する(ステップA03)。この回転負荷領域2は、冷却ファン9を駆動しても、過濃状態で制御しなくては、触媒温度を満足できないために、燃料の増量補正を開始する必要のある領域である。よって、この回転負荷領域2は、上記の回転負荷領域1よりも厳しい運転状態である。
このステップA03がYESの場合には、燃料の増量補正を開始する(ステップA04)。つまり、この回転負荷領域2の運転状態では、冷却ファン9を駆動させても温度低下が見込めないような回転負荷領域にて運転した場合や、高車速での運転により走行風により十分な冷却が見られるが、それ以上に温度が高く、温度条件を満足できない場合には、即座に燃料を増量補正して冷却を行う。
一方、このステップA03がNOの場合には、車速が設定値以下か否かを判断する(ステップA05)。
このステップA05がYESの場合には、所定のバッテリ電圧条件(例えば、バッテリ電圧が設定値以上)及び外気温条件(例えば、外気温度が設定値以下)が成立したか否かを判断する(ステップA06)。
このステップA06がNOの場合には、前記ステップA04に移行して燃料の増量補正を開始する。
このステップA06がYESの場合には、冷却ファン9を駆動する(ステップA07)。
前記ステップA04の処理後、前記ステップA07の処理後、又は、前記ステップA05がNOの場合には、プログラムがエンドする(ステップA08)。
即ち、触媒温度を下げる際に、走行風に相当する十分な冷却風を用い、この状態において、高速走行中では、冷却風により触媒温度が低減しているが、低速走行においては、走行風による十分な冷却が見込めないため、低車速状態(車速条件)、かつ、冷却ファン9の駆動を行うに十分なバッテリ電圧(電圧条件)、かつ、外気温が低く冷却に有効な場合、かつ、冷却ファン9の駆動による冷却効果で触媒温度が許容温度に収まる領域(回転数・負荷条件)を満たした場合には、冷却ファン9を駆動して燃料を増量補正しない。
この結果、高速走行時には走行風により触媒6が冷却され、低速走行時には冷却ファン9を駆動することにより触媒6が冷却されるので、このような運転領域では、余分な燃料増量補正をしない。従って、触媒温度が許容温度を超えないようにしつつ、燃料消費量を低減することができる。また、不要な燃料の増量補正を行わないので、大気中への有害物質の排出を抑えることができる。
また、冷却ファン9を、内燃機関1の冷却水を放熱させるラジエータ2の冷却ファンとしたことにより、内燃機関1の冷却水を放熱させ、内燃機関1を冷却し、内燃機関1の排気温度を下げ、そして、このように、内燃機関1の排気温度を下げることにより、触媒6が冷却される。また、ラジエータ2の冷却ファン9を用いたことにより、新たな冷却ファンを追加する必要がなくし、構成や制御の簡素化を図ることができる。
更に、常時燃料を増量補正しない回転負荷領域であって車速検出手段17により検出された車速が予め設定された設定値以下でも、外気温検出手段18により検出された外気温度が予め設定された設定温度以上の場合には、冷却ファン制御手段12Bにより冷却ファン9を駆動せずに、燃料噴射量制御手段12Aにより燃料を増量補正する。これにより、外気温度が高い時に冷却ファン9を駆動しても十分な冷却は望めなく、この場合には、冷却ファン9を駆動せずに燃料を増量補正するので、触媒温度が許容温度を超えないようにすることができる。
また、高速走行時であれば、燃料の増量補正が不要でも、低速走行時には、燃料を増量補正しなければならない運転領域があり、従来では、この運転領域においては車速に関係なく燃料を増量補正していたが、この実施例では、車速を検出して、この運転領域で低速走行時において、冷却ファン9を駆動することにより、燃料を増量補正しない運転領域を拡大することができる。
なお、この発明においては、燃料の増量補正の条件として、回転数−負荷のマップを用いるもの、何らかのパラメータから触媒温度を推定し、この推定された触媒温度を用いて燃料増量を行うもの等にも、応用可能である。
この発明に係る内燃機関の制御装置を、各種車両に適用可能である。
1 内燃機関
2 ラジエータ
8 燃料噴射弁
9 冷却ファン
11 内燃機関の制御装置
12 制御手段
12A 燃料噴射量制御手段
12B 冷却ファン制御手段
12C 回転負荷領域判定手段
13 回転数検出手段
14 負荷検出手段
15 スロットル開度センサ
16 吸入空気量センサ
17 車速検出手段
18 外気温センサ
19 水温センサ
20 バッテリ電圧センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を設け、前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段を設け、前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数及び前記負荷検出手段により検出された前記内燃機関の負荷に基づいて前記内燃機関に燃料を供給する燃料噴射量制御手段が備えられた制御手段を設けた内燃機関の制御装置において、車速を検出する車速検出手段を設け、前記制御手段は、排ガスを浄化する触媒を冷却する冷却ファンを駆動させる冷却ファン制御手段と、前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数及び前記負荷検出手段により検出された前記内燃機関の負荷に基づいて常時燃料を増量補正する領域であるか否かを判定する回転負荷領域判定手段とを備え、前記回転負荷領域判定手段により常時燃料を増量補正しない回転負荷領域であると判定され、かつ、前記車速検出手段により検出された車速が予め設定された設定値以下の場合には、前記冷却ファン制御手段により前記冷却ファンを駆動することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記冷却ファンは、前記内燃機関の冷却水を放熱させるラジエータの冷却ファンであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、外気温度を検出する外気温検出手段に連絡し、常時燃料を増量補正しない回転負荷領域であって前記車速検出手段により検出された車速が予め設定された設定値以下でも、前記外気温検出手段により検出された外気温度が予め設定された設定温度以上の場合には、前記冷却ファン制御手段により前記冷却ファンを駆動せずに、前記燃料噴射量制御手段により燃料を増量補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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