JP2011218892A - 車体上部結合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性を向上させることができる車体上部結合構造を得る。
【解決手段】ピラーインナ32の車両上下方向の上端部36は、ルーフサイドレールインナ22の上下フランジ22B、22Cに結合されると共に、ルーフサイドレールインナ22とアウタリインフォース24のレールアウタ部26との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる略V字状に凸状部36Cが形成されて当該凸状部36Cの頂部36Dがレールアウタ部26に隣接配置されている。これにより、ピラーインナ32の上端部36とルーフサイドレールインナ22とで車両正面視の断面形状を略三角形としたトラス構造部40が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体におけるルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部分に適用される車体上部結合構造に関する。
車体上部においては、ルーフサイドレールにセンターピラーの上端部が結合された構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−193037公報
しかしながら、上記の結合部分は、車両正面視の断面形状が略四角形や下方側に開放された開断面形状等となっているので、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性を向上させる点で改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性を向上させることができる車体上部結合構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車体上部結合構造は、ルーフの両サイドに車両前後方向に沿って配置され、車幅方向内側の部位を構成するレールインナ部と車幅方向外側の部位を構成するレールアウタ部とで閉断面を形成する左右一対のルーフサイドレールと、車体側部の車両前後方向の中間部に車両上下方向に沿って配置され、車幅方向内側の部位を構成するピラーインナ部と車幅方向外側の部位を構成するピラーアウタ部とで閉断面を形成すると共に、車両上下方向の上端部が前記ルーフサイドレールの車両前後方向の中間部に結合されるセンターピラーと、を備えた車体に適用される車体上部結合構造であって、前記ピラーインナ部の車両上下方向の上端部は、前記レールインナ部の上下フランジに結合されると共に、前記レールインナ部と前記レールアウタ部との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる凸状部が形成されて当該凸状部の頂部が前記レールアウタ部に隣接配置されており、前記レールインナ部及び前記レールアウタ部の少なくとも一方とで車両正面視の断面形状を略三角形としたトラス構造部を形成している。
請求項1に記載する本発明の車体上部結合構造によれば、ルーフサイドレールがレールインナ部とレールアウタ部とで閉断面を形成すると共に、センターピラーがピラーインナ部とピラーアウタ部とで閉断面を形成しており、センターピラーの車両上下方向の上端部が、ルーフサイドレールの車両前後方向の中間部に結合されている。ここで、ピラーインナ部の車両上下方向の上端部は、レールインナ部の上下フランジに結合されると共に、レールインナ部とレールアウタ部との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる凸状部が形成されて当該凸状部の頂部がレールアウタ部に隣接配置されており、レールインナ部及びレールアウタ部の少なくとも一方とで車両正面視の断面形状を略三角形としたトラス構造部を形成している。このため、センターピラーの上端部とルーフサイドレールとの結合部における剛性が高められ、この部分に荷重が入力されても変形が抑制される。
請求項2に記載する本発明の車体上部結合構造は、請求項1記載の構成において、前記凸状部が車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる略V字状に形成されることによって、前記ピラーインナ部の上端部と前記レールインナ部とで前記トラス構造部が形成されている。
請求項2に記載する本発明の車体上部結合構造によれば、ピラーインナ部の上端部における凸状部が車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる略V字状に形成されることで、ピラーインナ部の上端部とレールインナ部とでトラス構造部が形成されている。このため、センターピラーとルーフサイドレールとの結合部に車幅方向外側から車幅方向内側への荷重が作用した場合には、ピラーインナ部の上端部とレールインナ部とで形成されたトラス構造部によってレールアウタ部側からの荷重が安定的に支持されながら、センターピラーの上端部とルーフサイドレールとの結合部の変形が抑えられる。
請求項3に記載する本発明の車体上部結合構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記レールアウタ部と前記ピラーアウタ部とがアウタリインフォースとして一体に形成されて車幅方向内向きに開口された断面ハット形状を成している。
請求項3に記載する本発明の車体上部結合構造によれば、レールアウタ部とピラーアウタ部とがアウタリインフォースとして一体に形成されて車幅方向内向きに開口された断面ハット形状を成している。このため、部品点数が抑えられる一方で、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部においてルーフサイドレールの下端部が開断面構造となるが、レールインナ部及びレールアウタ部の少なくとも一方と、ピラーインナ部の上端部とで形成されたトラス構造部によって剛性が高められる。
請求項4に記載する本発明の車体上部結合構造は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記凸状部の頂部が前記レールアウタ部と結合されている。
請求項4に記載する本発明の車体上部結合構造によれば、ピラーインナ部の上端部における凸状部の頂部がレールアウタ部と結合されている。このため、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性が一層高められる。
請求項5に記載する本発明の車体上部結合構造は、請求項4記載の構成において、前記ピラーインナ部の上端部と前記レールインナ部とで形成する閉断面に隣接して前記ピラーインナ部の上端部と前記レールアウタ部とで前記トラス構造部が形成されている。
請求項5に記載する本発明の車体上部結合構造によれば、ピラーインナ部の上端部とレールインナ部とで形成する閉断面に隣接してピラーインナ部の上端部とレールアウタ部とでトラス構造部が形成されている。このため、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部に荷重が入力された場合には、前記閉断面の構造部と前記トラス構造部とが共働して荷重を受けるので、この部分が変形しにくい。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車体上部結合構造によれば、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車体上部結合構造によれば、センターピラーとルーフサイドレールとの結合部に車幅方向外側から車幅方向内側への荷重が作用した場合、ピラーインナ部の上端部とレールインナ部とで形成されたトラス構造部によって、安定的な荷重の支持が可能になると共に、センターピラーの上端部とルーフサイドレールとの結合部の変形を抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車体上部結合構造によれば、部品点数を抑えつつ、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の車体上部結合構造によれば、凸状部の頂部をレールアウタ部と結合させることで、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性を一層向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項5に記載の車体上部結合構造によれば、ピラーインナ部の上端部とレールインナ部とで形成する閉断面に隣接してピラーインナ部の上端部とレールアウタ部とでトラス構造部を形成することで、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の剛性をより一層向上させることができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車体上部結合構造を示す図であって、図2の1−1線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体上部結合構造が適用された車両を模式的に示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体上部結合構造を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体上部結合構造を示す正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体上部結合構造を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る車体上部結合構造を示す正面断面図である。 本発明の実施形態と対比される対比構造を示す正面断面図である。
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車体上部結合構造について図1〜図3を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車幅方向内側を示している。
図2には、車体上部結合構造12が適用された自動車(車両)の車体10の一部を車室外側から見た模式的な側面図が示されており、図1には、図2の1−1線に沿った断面図が示されている。また、図3には、車体上部結合構造12が斜視図にて示されている。
図2に示されるように、車体10は、車体上部にルーフサイドレール14を備えている。ルーフサイドレール14は、ルーフ16(図1参照)の両サイドに車両前後方向に沿って(車両前後方向を長手方向として)左右一対で配置された骨格部材とされている。このルーフサイドレール14の車両前後方向の中間部には、センターピラー18(Bピラー)の車両上下方向の上端部が結合されている。左右一対のセンターピラー18は、車体側部の車両前後方向の中間部に車両上下方向に沿って(車両上下方向を長手方向として)配置された骨格部材とされている。なお、センターピラー18の車両上下方向の下端部は、車体下部でロッカ20の車両前後方向の中間部に結合されている。
そして、第1の実施形態に係る車体上部結合構造12は、車体10におけるルーフサイドレール14とセンターピラー18との結合部分に適用されている。
図3に示されるように、ルーフサイドレール14の車幅方向内側の部位はレールインナ部としてのルーフサイドレールインナ22(ルーフサイドレールインナパネル)によって構成されている。ルーフサイドレールインナ22は、一般部22Aが車体上方へ向けて車幅方向内側に傾斜し、上端側に上フランジ22B、下端側に下フランジ22Cを備えている。上フランジ22Bは、一般部22Aの上端から車幅方向内側へ屈曲されて略水平に配置されている。
これに対して、ルーフサイドレール14の車幅方向外側の部位はアウタリインフォース24のレールアウタ部26によって構成されている。レールアウタ部26は、車幅方向内向きに開口する断面ハット形状とされ、上端側に上フランジ26A、下端側に下フランジ26Bを備えている。
ルーフサイドレールインナ22とアウタリインフォース24のレールアウタ部26とは、それぞれの上フランジ22B、26A、下フランジ22C、26Bが互いに接合されることで閉断面C1を形成している。レールアウタ部26を備えたアウタリインフォース24は、レールアウタ部26とピラーアウタ部30(詳細後述)とが一部材として一体に形成された部材であり、車幅方向内向きに開口された断面ハット形状を成している。このため、図1に示されるように、ルーフサイドレール14とセンターピラー18との結合部においてルーフサイドレール14の下端部側が開断面Bとなっている。
図3に示されるように、センターピラー18の車幅方向外側の部位は、前述したアウタリインフォース24のピラーアウタ部30によって構成されている。ピラーアウタ部30は、車幅方向内向きに開口する断面ハット形状とされ、車両前後方向の前側に前フランジ30A、車両前後方向の後側に後フランジ30Bを備えている。
なお、アウタリインフォース24は、二点鎖線で示されるサイメンアウタ28によって車幅方向外側から覆われており、アウタリインフォース24のレールアウタ部26の上フランジ26A及び下フランジ26B並びにアウタリインフォース24のピラーアウタ部30の前フランジ30A及び後フランジ30Bにサイメンアウタ28が接合されている。
図1及び図3に示されるように、センターピラー18の車幅方向内側の部位はピラーインナ部としてのピラーインナ32(センタピラーインナパネル)によって構成されている。図3に示されるように、ピラーインナ32においてルーフサイドレール14よりも車両下方側のピラーインナ本体部34では、車幅方向外向きに開口する断面ハット形状とされ、車両前後方向の前側に前フランジ34A、車両前後方向の後側に後フランジ34Bを備えている。
アウタリインフォース24のピラーアウタ部30とピラーインナ32のピラーインナ本体部34とは、それぞれの前フランジ30A、34A、後フランジ30B、34Bが互いに接合されることで、閉断面C2を形成している。
図1に示されるように、ピラーインナ32の車両上下方向の上端部36は、ピラーインナ本体部34の上端から車両上方側に延設されており、ルーフサイドレールインナ22の上フランジ22Bに結合される上フランジ36Aを備えると共に、ルーフサイドレールインナ22の下フランジ22Cに結合される被結合部36Bを備えている。上フランジ36Aは、ルーフサイドレールインナ22の上フランジ22Bとレールアウタ部26の上フランジ26Aとの間に配設されている。さらに、レールアウタ部26の上フランジ26Aには、サイメンアウタ28の上端部に形成された上フランジ28A、ルーフ16の車幅方向外端に形成された外フランジ16Aが重ね合わされており、計5枚のフランジ22B、36A、26A、28A、16Aが重ね合わせ状態でスポット溶接にて接合されている。この接合部分は、所謂モヒカン溝部42の底部を構成している。
また、ピラーインナ32の車両上下方向の上端部36には、ルーフサイドレールインナ22とレールアウタ部26との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる凸状部36Cが略V字状に形成されている。このように張り出した凸状部36Cの頂部36Dは、レールアウタ部26に隣接配置されている。これにより、ピラーインナ32の上端部36とルーフサイドレールインナ22とで車両正面視の断面形状を略三角形としたトラス構造部40が形成されている。なお、本実施形態では、凸状部36Cの頂部36Dとレールアウタ部26との間に僅かな隙が設定されている。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の車体上部結合構造12では、例えば自動車が旋回走行する際には一方のレールアウタ部26側が車幅方向内向きに倒れ込もうとする。この点を車体上部結合構造12と対比される対比構造100を示す図7に基づき補足する。
図7には、凸状部36C及び上フランジ36A(いずれも図1参照)がピラーインナ32に形成されていないことを除き車体上部結合構造12(図1参照)と同様に構成された対比構造100が図1に対応する断面図にて示されている。図7に示される対比構造100は、上記実施形態と同様にアウタリインフォース24が一体構造になっており、ルーフサイドレール14とセンターピラー18との結合部においてルーフサイドレール14の下端部側が開断面B(開放断面)となっている。換言すれば、この対比構造100は、開断面Bの部分が閉断面になっている構成(つまり、レールアウタ部とピラーアウタ部とがそれぞれ別体の断面ハット形状のアウタリインフォースで形成されている構成)に比べて、ルーフサイドレール14とセンターピラー18との結合部分の剛性が低くなっている。
この図に矢印Fにて示される荷重が自動車の旋回走行時等に入力されると、ルーフサイドレール14とセンターピラー18との結合部分が車幅方向内向きに倒れるように弾性変形しようとし、車体上部がねじられる可能性がある。このため、操縦安定性の点で改善の余地がある。
これに対して、図1に示される本実施形態に係る車体上部結合構造12では、ピラーインナ32の車両上下方向の上端部36は、ルーフサイドレールインナ22の上下フランジ22B、22Cに結合されると共に、ルーフサイドレールインナ22とアウタリインフォース24のレールアウタ部26との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる略V字状に凸状部36Cが形成されて当該凸状部36Cの頂部36Dがレールアウタ部26に隣接配置されている。これにより、ピラーインナ32の上端部36とルーフサイドレールインナ22とで車両正面視の断面形状を略三角形としたトラス構造部40が形成されているので(レール断面のトラス構造化)、センターピラー18の上端部とルーフサイドレール14との結合部における剛性が高められる。
このため、センターピラー18とルーフサイドレール14との結合部に車幅方向外側から車幅方向内側への荷重Fが作用した場合には、トラス構造部40によってレールアウタ部26側からの荷重が安定的に支持されながら、センターピラー18の上端部とルーフサイドレール14との結合部の変形(レール部の断面変形)が抑えられる。
また、本実施形態に係る車体上部結合構造12では、前述した対比構造100(図7参照)と同様に、レールアウタ部26とピラーアウタ部30とがアウタリインフォース24として一体に形成されて車幅方向内向きに開口された断面ハット形状を成している。このため、部品点数が抑えられる一方で、ルーフサイドレール14とセンターピラー18との結合部においてルーフサイドレール14の下端部側が開断面Bとなるが、本実施形態に係る車体上部結合構造12では、前述の通り、ルーフサイドレールインナ22とピラーインナ32の上端部36とで形成されたトラス構造部40によって剛性が高められるので、部品点数が抑えられながら剛性が確保される。
また、他の対比構造と比較してさらに補足説明すると、例えば、ルーフサイドレールとセンターピラーとの結合部の車両正面視の断面形状が略四角形(又は四角形以上の多角形)とされた他の対比構造(いわばラーメン構造に相当する構造)では、前記結合部に車幅方向外側からの荷重が入力された場合に比較的断面崩れが生じやすい。これに対して、本実施形態では、トラス構造部40が形成されることで断面崩れが生じにくい。
以上説明したように、本実施形態に係る車体上部結合構造12によれば、ルーフサイドレール14とセンターピラー18との結合部の剛性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車体上部結合構造50について、図4及び図5を用いて説明する。図4には、本発明の第2の実施形態に係る車体上部結合構造50が正面断面図(第1の実施形態における図1に対応する図)にて示されており、図5には、車体上部結合構造50が斜視図(第1の実施形態における図3に対応する図)にて示されている。なお、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図4及び図5に示されるように、本実施形態では、第1の実施形態におけるアウタリインフォース24(図3等参照)に代えて、レールアウタ部としてのルーフサイドレールアウタ54(ルーフサイドレールアウタリインフォース)及びピラーアウタ部としてのピラーアウタリインフォース58(センターピラーアウタリインフォース)が設けられている。換言すれば、本実施形態では、第1の実施形態におけるルーフサイドレール14(図3等参照)に代えてルーフサイドレール52が配置され、第1の実施形態におけるセンターピラー18(図3等参照)に代えてセンターピラー56が配置されているが、ルーフサイドレール52は以下に説明する点を除きルーフサイドレール14(図3等参照)と同様の骨格部材とされ、センターピラー56は以下に説明する点を除きセンターピラー18(図3等参照)と同様の骨格部材とされている。
ルーフサイドレールアウタ54は、ルーフサイドレール52の車幅方向外側の部位を構成し、車幅方向内向きに開口する断面ハット形状の骨格部材とされ、上端側に上フランジ54A、下端側に下フランジ54Bを備えている。ルーフサイドレールインナ22とルーフサイドレールアウタ54とは、それぞれの上フランジ22B、54A、下フランジ22C、54Bが互いに接合されることで閉断面C3(図5参照)を形成している。これらのルーフサイドレールインナ22とルーフサイドレールアウタ54とによって、ルーフサイドレール52が形成されている。
ピラーアウタリインフォース58は、センターピラー56の車幅方向外側の部位を構成し、図5に示されるように、車幅方向内向きに開口する断面ハット形状とされ、車両前後方向の前側に前フランジ58A、車両前後方向の後側に後フランジ58Bを備えている。ピラーアウタリインフォース58とピラーインナ32のピラーインナ本体部34とは、それぞれの前フランジ58A、34A、後フランジ58B、34Bが互いに接合されることで、閉断面C4を形成している。これらのピラーアウタリインフォース58とピラーインナ32とによって、センターピラー56が形成されている。
また、ピラーアウタリインフォース58の上端部58Cは、ルーフサイドレールアウタ54において上下フランジ54A、54Bに対し車幅方向外側に突出した外側壁54Cに、スポット溶接にて接合されている。
一方、図4に示されるように、ピラーインナ32の上端部36に形成された凸状部36Cは、ルーフサイドレールインナ22とルーフサイドレールアウタ54との間の空間において車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる略V字状に形成され、凸状部36Cの頂部36Dがルーフサイドレールアウタ54に隣接配置されており、第1の実施形態と同様にトラス構造部40を形成している。
また、凸状部36Cの頂部36Dがルーフサイドレールアウタ54とマスチック(図示しない接着剤)により結合されている。これにより、ピラーインナ32の上端部36とルーフサイドレールアウタ54との間には、トラス構造部40の上下に閉断面C5、C6が形成されている。なお、凸状部36Cの頂部36Dとルーフサイドレールアウタ54との結合は、マスチックによる接着に代えてスポット溶接でもよい。
本実施形態に係る車体上部結合構造50によれば、第1の実施形態における開断面B(図1参照)が閉断面とされると共に、ピラーインナ32の上端部36における凸状部36Cの頂部36Dがルーフサイドレールアウタ54と結合されることで、トラス構造部40の上下に閉断面C5、C6が形成されるので、ルーフサイドレール52とセンターピラー56との結合部の剛性を一層向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る車体上部結合構造60について、図6を用いて説明する。図6には、本発明の第3の実施形態に係る車体上部結合構造60が正面断面図(第1の実施形態における図1に対応する図)にて示されている。なお、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図6に示されるように、本実施形態では、センターピラー62におけるピラーインナ部としてのピラーインナ64の凸状部36Eの構成が図1等に示される第1の実施形態におけるピラーインナ32の凸状部36Cの構成とは異なる。なお、図6に示されるセンターピラー62は、他の構成については以下に説明する点を除き第1の実施形態におけるセンターピラー18(図1参照)と同様の構成であり、ピラーインナ64は、他の構成については以下に説明する点を除き第1の実施形態におけるピラーインナ32(図1参照)と同様の構成である。
ピラーインナ64の車両上下方向の上端部66には、ルーフサイドレールインナ22とレールアウタ部26との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる凸状部36Eが形成されている。この凸状部36Eの頂部36Fは、平坦状とされてレールアウタ部26の外側壁部26Dに面接触状態で隣接配置され、レールアウタ部26の外側壁部26Dにスポット溶接によって結合されている。なお、凸状部36Eの頂部36Fとレールアウタ部26の外側壁部26Dとの結合は、スポット溶接に代えてマスチック(接着剤)による接着でもよい。凸状部36Eは、頂部36Fの上端から屈曲されて車幅方向内側へ向けて車両上方側へ若干傾斜した上壁部36Gが上フランジ36Aに連設されている。
一方、凸状部36Eの頂部36Fが接合されるレールアウタ部26の外側壁部26Dは、車両上方側へ向けて車幅方向内側へ若干傾斜している。レールアウタ部26は、この外側壁部26Dの上端から屈曲されて車幅方向内側へ向けて車両下方側へ若干傾斜した上壁部26Cが上フランジ26Aに連設されている。
また、レールアウタ部26の上フランジ26Aの車幅方向外端位置とピラーインナ64の上フランジ36Aの車幅方向外端位置とは概ね揃えられており、レールアウタ部26の上壁部26C、外側壁部26D及び凸状部36Eの上壁部36Gは、図6の断面視で直線状に設定されている。これらにより、ピラーインナ64の車両上下方向の上端部66とレールアウタ部26とで、車両正面視の断面形状を略三角形としたトラス構造部68が形成されている。このトラス構造部68は、ピラーインナ64の上端部66とルーフサイドレールインナ22とで形成する閉断面C7に隣接して形成されている。
以上説明した本実施形態の構成によれば、ルーフサイドレール14とセンターピラー62との結合部に荷重Fが入力された場合には、閉断面C7の構造部とトラス構造部68とが共働して荷重Fを受けるので、前記結合部が変形しにくい。すなわち、本実施形態の構成によっても、ルーフサイドレール14とセンターピラー62との結合部の剛性を向上させることができる。
[実施形態の補足説明]
なお、上記第1の実施形態では、図1に示されるピラーインナ32の凸状部36Cの頂部36Dとレールアウタ部26との間に僅かな隙が設定されているが、凸状部36Cの頂部36Dは、レールアウタ部26に接していてもよく、また、レールアウタ部26とマスチック(接着剤)や溶接により結合されていてもよい。
また、上記第2の実施形態では、図4に示されるピラーインナ32の凸状部36Cの頂部36Dがルーフサイドレールアウタ54と結合されており、ルーフサイドレール52とセンターピラー56との結合部の剛性を一層向上させるという観点からはこのような構成がより好ましいが、凸状部36Cの頂部36Dがルーフサイドレールアウタ54と結合されない構成とすることも可能である。
また、上記第3の実施形態では、図6に示されるピラーインナ64の凸状部36Eは頂部36Fが平坦状とされた形状とされているが、このような凸状部36Eに代えて、ルーフサイドレールインナ22とアウタリインフォース24のレールアウタ部26との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる略V字状の凸状部が形成された構造としてもよい。このような構造にすれば、ピラーインナ部の車両上下方向の上端部は、ルーフサイドレールインナ(22)(レールインナ部)と第1のトラス構造部を形成することができると共に及びレールアウタ部(26)と第2のトラス構造部を形成することができる。
なお、請求項1の「車両正面視の断面形状を略三角形とした」の概念には、車両正面視の断面形状を完全な三角形とした場合のほか、上記実施形態のように車両正面視の断面形状を完全な三角形とはしてないが、完全な三角形とした場合と実質的に同様の作用及び効果が得られて実質的に車両正面視の断面形状を三角形としたと認められるような場合も含まれる。
10 車体
12 車体上部結合構造
14 ルーフサイドレール
16 ルーフ
18 センターピラー
22 ルーフサイドレールインナ(レールインナ部)
24 アウタリインフォース
26 レールアウタ部
30 ピラーアウタ部
32 ピラーインナ(ピラーインナ部)
36C 凸状部
36D 頂部
36E 凸状部
36F 頂部
40 トラス構造部
50 車体上部結合構造
52 ルーフサイドレール
54 ルーフサイドレールアウタ(レールアウタ部)
56 センターピラー
58 ピラーアウタリインフォース(ピラーアウタ部)
60 車体上部結合構造
62 センターピラー
64 ピラーインナ(ピラーインナ部)
68 トラス構造部

Claims (5)

  1. ルーフの両サイドに車両前後方向に沿って配置され、車幅方向内側の部位を構成するレールインナ部と車幅方向外側の部位を構成するレールアウタ部とで閉断面を形成する左右一対のルーフサイドレールと、
    車体側部の車両前後方向の中間部に車両上下方向に沿って配置され、車幅方向内側の部位を構成するピラーインナ部と車幅方向外側の部位を構成するピラーアウタ部とで閉断面を形成すると共に、車両上下方向の上端部が前記ルーフサイドレールの車両前後方向の中間部に結合されるセンターピラーと、
    を備えた車体に適用される車体上部結合構造であって、
    前記ピラーインナ部の車両上下方向の上端部は、前記レールインナ部の上下フランジに結合されると共に、前記レールインナ部と前記レールアウタ部との間の空間に車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる凸状部が形成されて当該凸状部の頂部が前記レールアウタ部に隣接配置されており、前記レールインナ部及び前記レールアウタ部の少なくとも一方とで車両正面視の断面形状を略三角形としたトラス構造部を形成している車体上部結合構造。
  2. 前記凸状部が車両正面視で車幅方向外側へ向けて凸となる略V字状に形成されることによって、前記ピラーインナ部の上端部と前記レールインナ部とで前記トラス構造部が形成されている請求項1記載の車体上部結合構造。
  3. 前記レールアウタ部と前記ピラーアウタ部とがアウタリインフォースとして一体に形成されて車幅方向内向きに開口された断面ハット形状を成している請求項1又は請求項2に記載の車体上部結合構造。
  4. 前記凸状部の頂部が前記レールアウタ部と結合されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車体上部結合構造。
  5. 前記ピラーインナ部の上端部と前記レールインナ部とで形成する閉断面に隣接して前記ピラーインナ部の上端部と前記レールアウタ部とで前記トラス構造部が形成されている請求項4記載の車体上部結合構造。
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