JP2019034643A - 車体上部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルーフリインフォースメントをルーフサイドレールに接合する接合部分の接合強度を高くする。
【解決手段】一対のルーフサイドレール14のそれぞれの車両上下方向の下側とルーフリインフォースメント16の車両幅方向の内側とを接合するエクステンション20に、車両上下方向の下側に突出すると共に車両幅方向に延在し車両幅方向の内側から外側に向かって下側への突出深さが深くなるビード部が設けられる。
【選択図】図2

Description

本願は、車体上部構造に関する。
特許文献1には、一対のルーフサイドレールを連結して取り付けたルーフリインフォースの両端部の中央から車幅方向外側に延びる延長部を有する自動車のルーフ構造が記載されている。この文献に記載の構造では、延長部が、ルーフサイドレールの内側に突出したレールフランジの下方で下方に屈曲して縦壁を形成し、この縦壁から屈曲部を介して下方に延びる接続部がルーフサイドレールインナに連結している。そして、車両側面衝突時に、ルーフリインフォースの端部がルーフサイドレールのフランジの端縁に当接すると共に、ルーフリインフォースの縦壁がルーフサイドレールインナの腹面に当接する。
特開2010−23692号公報
車体上部構造では、ルーフリインフォースメントをルーフサイドレールに接合する部分(以下単に「接合部分」という)の接合強度を高くすることが望まれる。たとえば、ルーフリインフォースメントの車両前後方向に沿った断面形状が車両幅方向の位置によらず一定である場合、ルーフリインフォースメントに作用した荷重をルーフリインフォースメントの変形等では吸収しきれず、接合部分に作用する。
本願は、ルーフリインフォースメントをルーフサイドレールに接合する接合部分の接合強度を高くすることが目的である。
第一の態様では、車両幅方向に離間して配置され車両前後方向に延在される一対のルーフサイドレールと、一対の前記ルーフサイドレールの間で前記車両幅方向に延在されるルーフリインフォースメントと、一対の前記ルーフサイドレールのそれぞれの車両上下方向の下側と前記ルーフリインフォースメントの前記車両幅方向の内側とを接合するエクステンションと、前記エクステンションに設けられ、前記車両上下方向の下側に突出すると共に前記車両幅方向に延在し前記車両幅方向の内側から外側に向かって下側への突出深さが深くなるビード部と、を有する。
この車体上部構造では、一対のルーフサイドレールのそれぞれの下側とルーフリインフォースメントの車両幅方向の内側とがエクステンションで接合される。
エクステンションには、車両上下方向の下側に突出するビード部が設けられている。ビード部は、車両幅方向に延在している。このビード部により、エクステンションの車両幅方向での曲げ剛性が高くなる。特に、ビード部の下側への突出深さが、車両幅方向の内側から外側に向かって深くなるので、エクステンションの曲げ剛性も、車両幅方向の内側から外側に向かって高くなる。これにより、エクステンションに曲げモーメントが作用しても、エクステンションの曲げを効果的に抑制できるので、ルーフリインフォースメントに対するエクステンションの接合強度の低下を抑制できる。そして、ルーフリインフォースメントをルーフサイドレールに接合する接合部分の接合強度も高くなる。
第二の態様では、第一の態様において、前記ビード部における前記車両幅方向の内側の部位が前記車両上下方向で見て前記ルーフリインフォースメントと重なっている。
これにより、エクステンションにおいて曲げ剛性が高い部分がルーフリインフォースメントと重なるので、ルーフリインフォースメントからエクステンションまでの間に、局所的に曲げ剛性が弱い部分が存在しない構造を実現できる。
第三の態様では、第一又は第二の態様において、前記ルーフリインフォースメントが、前記車両幅方向に延在された骨格部を有し、前記ビード部における前記車両幅方向の内側の部位が前記車両上下方向で見て前記骨格部と重なっている。
骨格部は、ルーフリインフォースメントにおいて車両幅方向に延在されているので、ルーフリインフォースメントの車両幅方向での曲げ剛性が高くなる。そして、ビード部における車両幅方向の内側の部位が車両上下方向で見て骨格部と重なっているので、ルーフリインフォースメントからエクステンションを経てルーフサイドレールへの荷重をスムーズに伝達できる。
第四の態様では、第一〜第三のいずれか1つの態様において、前記ビード部が、前記車両前後方向の前側に位置する前ビード部と、前記車両前後方向の後側に位置する後ビード部と、を有する。
エクステンションは、前ビード部により車両前方側で曲げ剛性が高くなり、後ビード部により車両後方側で曲げ剛性が高くなる。すなわち、車両前方側と車両後方側の両側でエクステンションの曲げ剛性を高くすることができる。
第五の態様では、第四の態様において、前記前ビード部よりも前記車両前後方向の前側の部位、前記後ビード部よりも前記車両前後方向の後側の部位、及び、前記前ビード部と前記後ビード部の車両前後方向の間の部位に、前記エクステンションを前記ルーフリインフォースメントに接着するための接着部を有する。
接着部が、前ビード部よりも前方側の部位、後ビード部よりも後方側の部位、及び、前ビード部と後ビード部の間の部位にあるので、接着部の全体での面積を広く確保でき、エクステンションとルーフリインフォースメントとの接着強度の向上に寄与できる。
第六の態様では、第一〜第五のいずれか1つの態様において、前記ルーフリインフォースメントが前記車両幅方向で直線状であり、前記ルーフリインフォースメントの前記車両前後方向に沿って切断した断面形状が、前記車両幅方向の位置によらず一定である。
ルーフリインフォースメントを車両幅方向で直線状とすることで、ルーフリインフォースメントの形状を簡素化できる。また、ルーフリインフォースメントの車両前後方向に沿って切断した断面形状が、車両幅方向の位置によらず一定であるので、ルーフリインフォースメントは、車両幅方向の位置で局所的に脆弱な部位が存在しない構造を実現できる。そして、このようなルーフリインフォースメントからエクステンションに荷重が作用しても、エクステンションの曲げを抑制できる。
第七の態様では、第一〜第六のいずれか1つの態様において、前記ルーフリインフォースメントが、前記車両前後方向に沿って切断した断面形状が矩形状の閉断面部を有する。
ルーフリインフォースメントの車両前後方向に沿って切断した断面形状が矩形状の閉断面を成しているので、たとえば、ルーフリインフォースメントが開断面を成す構造と比較して、ルーフリインフォースメントの曲げ剛性が高い。
第八の態様では、第七の態様において、前記閉断面部の内部に、前記車両幅方向に延在し前記閉断面部の上壁と下壁とに掛け渡される補強片が設けられる。
補強片により、ルーフリインフォースメントの曲げ剛性がさらに高い構造を実現できる。
第九の態様では、第一〜第六のいずれか1つの態様において、前記ルーフリインフォースメントが、前記車両前後方向に沿って切断した断面形状が前記車両上下方向の上側に開く開断面を成し、前記ルーフリインフォースメントの前記車両上下方向の上側で前記開断面を閉じるルーフパネルを有する。
ルーフリインフォースメントは上側に開く開断面を成しており、上壁部分が不要であるので、軽量化を図ることができる。
本願では、ルーフリインフォースメントをルーフサイドレールに接合する接合部分の接合強度を高くすることができる。
図1は第一実施形態の車体上部構造を部分的に拡大して示す平面図である。 図2は第一実施形態の車体上部構造を部分的に拡大して示す図1の2−2線断面図である。 図3Aは第一実施形態の車体上部構造を示す図1のA−A線断面図である。 図3Bは第一実施形態の車体上部構造を示す図1のB−B線断面図である。 図3Cは第一実施形態の車体上部構造を示す図1のC−C線断面図である。 図4は第一実施形態の車体上部構造のルーフリインフォースメントを部分的に示す斜視図である。 図5は第一実施形態の車体上部構造のエクステンションを示す斜視図である。 図6は第二実施形態の車体上部構造を図3Aと同様の切断位置で示す断面図である。 図7は第三実施形態の車体上部構造を図3Aと同様の切断位置で示す断面図である。
本発明の第一実施形態の車体上部構造12について、図面を参照して説明する。図面において、車両前方、車両上方及び車両幅方向右側をそれぞれ矢印FR、矢印UP及び矢印RHで示す。以下において単に「前側」及び「後側」というときは、車両前後方向の前側及び後側を、「上側」及び「下側」というときは車両上下方向の「上側」及び「下側」をそれぞれ意味する。
車体上部構造12は、図1及び図2に示すように、車両幅方向に離間して配置された左右一対のルーフサイドレール14を有している。図1及び図2では、車両幅方向の右側部分を示しているが、車両幅方向の左側部分においても、車両幅方向の中心線CL−1を中心として対称である。
本実施形態では、図2に示すように、ルーフサイドレール14は、上側且つ車両幅方向外側に配置された外側レール14Aと、下側且つ車両幅方向内側に配置された内側レール14Bと、を有している。
外側レール14Aは、下側且つ車両幅方向内側に向かって開く断面形状を有しており、内側レール14Bは、上側且つ車両幅方向外側に向かって開く断面形状を有している。そして、それぞれのフランジ部14F、14Gが、後述する補強レール14Cのフランジ部14Hを挟み込んで接合されている。これにより、車両前後方向に延在されると共に、車両幅方向に閉断面形状を有するルーフサイドレール14が構成されている。
ルーフサイドレール14の下側には、図示しないピラーが接合されている。たとえば、車両前後方向の略中央位置では、ルーフサイドレール14の下側にセンターピラー(Bピラー)が接合される。
ルーフサイドレール14の内部には、補強レール14Cが配置されている。補強レール14Cは、下側且つ車両幅方向内側に向かって開く断面形状を有している。補強レール14Cのフランジ部14Hは、フランジ部14F、14Gの間に挟みこまれており、これによって補強レール14Cが外側レール14A及び内側レール14Bに固定されている。補強レール14Cによって、ルーフサイドレール14が補強されている。
左右一対のルーフサイドレール14の間には、車両幅方向に延在するルーフリインフォースメント16が配置されている。図3A、図3B及び図4に詳細に示すように、ルーフリインフォースメント16は、車両前後方向に沿って切断した断面において、上壁16A、下壁16B、前壁16M及び後壁16Uで囲まれることで、形状が長方形の閉断面部16Cを有している。さらに、ルーフリインフォースメント16は、この閉断面部16Cの上壁16Aから、前側及び後側へそれぞれ延出されたフランジ部16F、16Rを有している。
閉断面部16Cは車両幅方向に延在されており、閉断面部16Cの断面形状は、車両幅方向の位置によらず一定の断面形状である。ルーフリインフォースメント16はこのような閉断面部16Cを有するので、閉断面部16Cがない構造と比較して、車両幅方向における曲げ剛性が高くなっている。閉断面部16Cは、ルーフリインフォースメント16における骨格部16Sの一例である。
本実施形態では、閉断面部16Cの内部に補強片16Dが設けられている。補強片16Dは、車両前後方向の中央に位置しており、車両上下方向に沿って設けられて、閉断面部16Cにおける上壁16Aと下壁16Bとに掛け渡されている。この補強片16Dによってルーフリインフォースメント16が補強されており、特に、ルーフリインフォースメント16の車両幅方向での曲げ剛性が、補強片16Dが無い構造と比較して高くなっている。
補強片16Dは、閉断面部16Cの内部において、車両幅方向に延在されており、閉断面部16Cの断面形状は、補強片16Dを含めて、車両幅方向の位置によらず一定である。
図2、図3A〜図3Bに示すように、ルーフリインフォースメント16の上側には、ルーフパネル18が配置されている。ルーフパネル18には、車両幅方向の両端に接合部18Aが設けられており、この接合部18Aが、外側レール14Aに接合されて固定されている。
図2に示すように、ルーフサイドレール14の車両幅方向の内面14Nと、ルーフリインフォースメント16の車両上下方向の下面16Lと、は、エクステンション20で接合されている。
図5にも詳細に示すように、エクステンション20は、ルーフリインフォースメント16の下面16Lから、ルーフサイドレール14の内面14Nまで接触するように滑らかに湾曲する一般部22を有している。
一般部22の前側及び後側には、それぞれ前ビード部24F及び後ビード部24Rが設けられている。前ビード部24F及び後ビード部24Rは、一般部22を構成する板材を所定の突出深さD1で下側へ突出させて形成されている。図1に示すように、前ビード部24Fと後ビード部24Rとは、エクステンション20の車両前後方向の中心線CL−2に対し略対称に形成されている。
前ビード部24F及び後ビード部24Rの下側への突出深さD1は、一般部22における車両幅方向の各部位において、一般部22の法線方向に沿った下側への突出長である。前ビード部24F及び後ビード部24Rには、突出深さD1が、車両幅方向の内側から外側に向かって深くなる部分(深さ漸増部26)が存在している。
特に、本実施形態では、車両幅方向で後述する接着部30Cが設けられている部分に、深さ漸増部26が設定されている。
また、前ビード部24F及び後ビード部24Rは、車両幅方向の内側部分、たとえば、上記の深さ漸増部26が設定されている部分では、車両上下方向で見てルーフリインフォースメント16と重なっており、重なり部28が構成されている。
特に、本実施形態では、重なり部28は、ルーフリインフォースメント16の閉断面部16C(骨格部16S)と車両上下方向で見て重なっている。
前ビード部24Fのさらに前側には、前壁部32Fが設けられ、後ビード部24Rのさらに後側には後壁部32Rが設けられている。前壁部32F及び後壁部32Rの上端は、一般部22よりも上側にあり、それぞれ前側及び後側へ向けてフランジ部34F、34Rが延出されている。
そして、図3A及び図3Bに示すように、前ビード部24Fにおける前側且つ下側の稜線である前ビード部稜線BFは、ルーフリインフォースメント16の閉断面部16Cにおける前側且つ下側の稜線である閉断面部前側稜線CFと車両上下方向で見て重なっている。
同様に、後ビード部24Rにおける後側且つ下側の稜線である後ビード部稜線BRは、ルーフリインフォースメント16の閉断面部16Cにおける後側且つ下側の稜線である閉断面部後側稜線CRと車両上下方向で見て重なっている。
図1にも示すように、一般部22において、前ビード部24Fと後ビード部24Rの間の部分は、接着部30Cでもある。接着部30Cは、ルーフリインフォースメント16の下壁16Bに、接着剤により接着される部分である。なお、図1では、接着部30Cを、微小なドットを付して示している。
さらに、フランジ部34F、34Rにも接着部30A、30Bが設けられている。接着部30A、30Bは、ルーフリインフォースメント16のフランジ部16Fに接着剤により接着される部分である。図1では、接着部30A、30Bを、接着部30Cと同様に、微小なドットを付して示している。
したがって、本実施形態では、前ビード部24Fよりも前側の部位、後ビード部24Rよりも後側の部位、及び前ビード部24Fと後ビード部24Rの間の部位に、接着部30A、30B又は接着部30Cを有する構造である。すなわち、合計で3箇所の接着部30A、30B、30Cにより、エクステンション20はルーフリインフォースメント16に接着される。
図2に示すように、接着部30A、30Bは接着部30Cよりも上側に位置している。すなわち、車体上部構造12は、車両上下方向の異なる位置に存在する複数の接着部を有する構造である。
エクステンション20は、一般部22において、ルーフリインフォースメント16の下壁16Bに対し、上記した接着剤に加えて、ボルト34でも固定される。
エクステンション20のフランジ部は、ルーフリインフォースメント16のフランジ部16Fに対し、上記した接着剤に加えて、ボルト36でも固定される。さらに、エクステンション20は、一般部22において、ルーフサイドレール14の内側レール14Bに接着剤やボルトで固定される。
次に、第一実施形態の作用を説明する。
図2に示すように、車体上部構造12において、たとえば、車両側突時に、車体に対し車両幅方向の外側から内側へ向かう荷重F1が、図示しないピラー、すなわちルーフサイドレール14よりも下側に作用することがある。この荷重F1が作用した位置よりも上側には、車両幅方向にルーフリインフォースメント16が位置している。したがって、図2に矢印M1で示すように、車体上部構造12に回転モーメントが生じることがある。
本実施形態のエクステンション20には、前ビード部24F及び後ビード部24Rが設けられている。この前ビード部24F及び後ビード部24Rにより、エクステンション20の車両幅方向での曲げ剛性が高くなっている。このため、上記した回転モーメントM1がエクステンション20における車両幅方向の外側から作用しても、エクステンション20の曲げが抑制される。これにより、接着部30A、30B、30Cによってルーフリインフォースメント16に接着した状態を維持できるので、ルーフリインフォースメント16に対するエクステンション20の接合強度の低下を抑制できる。そして、車体上部構造12としての接合強度、すなわち、ルーフリインフォースメント16をルーフサイドレール14に接合する接合部分の接合強度も高くなる。
しかも、本実施形態では、エクステンション20の曲げを抑制するために、エクステンション20の板厚を厚くしたり、あらたな部材を追加したりする必要がない。このため、エクステンション20の重量増を抑制しつつ、曲げを抑制することができる。
また、車両側突時に図示しないピラーに車両幅方向外側から内側へ作用した荷重F1は、ルーフサイドレール14を介して、車両幅方向の外側から内側への並進力としてエクステンション20に作用することがある。エクステンション20に設けられた前ビード部24F及び後ビード部24Rにより、このような並進力が作用した場合でも、エクステンション20の曲げを抑制できる。
特に、本実施形態において、前ビード部24F及び後ビード部24Rは、車両幅方向の内側から外側に向かって突出深さD1が深くなる深さ漸増部26が設けられている。すなわち、側突時に荷重が作用する部位に近い位置である車両幅方向外側において、エクステンション20は、より大きな断面を有している。エクステンション20の曲げ剛性が、車両幅方向の内側から外側へ高くなるので、エクステンション20の曲げを効果的に抑制できる。
しかも、本実施形態では、前ビード部24F及び後ビード部24Rが重なり部28を有している。重なり部28は、車両上下方向で見てルーフリインフォースメント16と重なっている。すなわち、エクステンション20において曲げ剛性が向上された部分がルーフリインフォースメント16に達して接合されており、ルーフリインフォースメント16からエクステンション20までの間に、局所的に曲げ剛性が弱い部分が存在しない。このため、エクステンション20の曲げをより効果的に抑制できる。
また、本実施形態においては、ルーフリインフォースメント16が閉断面部16Cを有している。閉断面部16Cは、骨格部16Sの一例であり、閉断面部16Cにより、ルーフリインフォースメント16の曲げ剛性が高くなっている。そして、エクステンション20の前ビード部24F及び後ビード部24Rにおける重なり部28は、ルーフリインフォースメント16の閉断面部16C(骨格部16S)と重なっている。したがって、ルーフサイドレール14からエクステンション20を経てルーフリインフォースメント16への荷重伝達時に、エクステンション20やルーフリインフォースメント16の変形が抑制されるので、荷重をスムーズに伝達できる。
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図6に示すように、第二実施形態の車体上部構造42では、ルーフリインフォースメント46において、閉断面部16Cの内部に、第一実施形態の補強片16D(図3A参照)に相当する部材は設けられていない。
このように、閉断面部16Cとして所定の剛性を維持できれば、補強片16Dがない構造のルーフリインフォースメント46であってもよい。補強片16Dがないことで、ルーフリインフォースメント16の軽量化を図ることができる。
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図7に示すように、第三実施形態の車体上部構造52では、ルーフリインフォースメント56において、上壁16A(図3A参照)が設けられていない。すなわち、第三実施形態では、ルーフリインフォースメント56は単独では閉断面部16C(図3A参照)を構成していないが、下壁16B、前壁16M及び後壁16Uにより、骨格部16Sが構成されている。
そして、第三実施形態では、ルーフパネル18が、骨格部16Sの上側を覆っている。換言すれば、ルーフパネル18の一部と、ルーフリインフォースメント56の下壁16B、前壁16M及び後壁16Uによって閉断面部16Cが構成されている。
このように、車体上部構造52として剛性を維持できれば、補強片16Dと上壁16Aとがない構造のルーフリインフォースメント56であってもよい。補強片16Dと上壁16Aとがないことで、ルーフリインフォースメント56のさらなる軽量化を図ることができる。
上記各実施形態において、エクステンション20には、複数のビード部(前ビード部24F及び後ビード部24R)が設けられている。ビード部の数は1つであってもよいが、複数のビード部を設けると、エクステンション20の曲げ剛性を向上させる効果が高い。特に、上記各実施形態では、前ビード部24Fにより、エクステンション20の前側での曲げ剛性が向上され、後ビード部24Rにより、エクステンション20の後側での曲げ剛性が向上される。前ビード部24Fと後ビード部24Rとは、車両前後方向の中心線CL−2に対し対称に形成されているので、エクステンション20の曲げ剛性が向上された部分に車両前後方向の偏りが生じない。
上記各実施形態において、エクステンション20をルーフリインフォースメント16に接着するための接着部としては、1箇所の接着部30Cと2箇所の接着部30A、30Bがあり、合計で接着部は3箇所である。1箇所の接着部であってもエクステンション20をルーフリインフォースメント16に接着することは可能であるが、複数個所の接着部を設けることで、より強固にエクステンション20をルーフリインフォースメント16に接着できる。
そして、上記各実施形態の車体上部構造では、エクステンション20の曲げが抑制されることで、エクステンション20がルーフリインフォースメント16に強固に接着された状態を維持しやすい構造である。
ルーフリインフォースメント16は、車両幅方向で直線状の形状である。したがって、車両幅方向に荷重が作用した場合に、ルーフリインフォースメント16の屈曲を抑制できる。ルーフリインフォースメント16は直線状に成形できるので、たとえば、一部を湾曲させたり屈曲されたりした構造と比較して、成形が容易である。ルーフリインフォースメント16としては、たとえば、アルミニウム等の押出しにより形成することも可能であり、軽量化と高い剛性とを両立できる。さらに、ルーフリインフォースメント16として、繊維強化樹脂を用いることも可能であり、これにより、さらなる軽量化と高剛性化を図ることが可能である。ルーフリインフォースメント16は直線状の形状なので、繊維強化樹脂を用いた場合でも成形が容易である。
ルーフリインフォースメント16を車両前後方向に沿って切断した断面形状は、車両幅方向の位置によらず一定である。車両幅方向で、ルーフリインフォースメント16において形状が局所的に変化する部分が存在しないので、この点においても、たとえば車両幅方向に荷重が作用した場合に、ルーフリインフォースメント16の屈曲を抑制できる。
12 車体上部構造
14 ルーフサイドレール
16 ルーフリインフォースメント
16C 閉断面部
16D 補強片
16S 骨格部
18 ルーフパネル
20 エクステンション
24F 前ビード部(ビード部の一例)
24R 後ビード部(ビード部の一例)
26 漸増部
28 重なり部
30A、30B、30C 接着部
42 車体上部構造
46 ルーフリインフォースメント
52 車体上部構造
56 ルーフリインフォースメント

Claims (9)

  1. 車両幅方向に離間して配置され車両前後方向に延在される一対のルーフサイドレールと、
    一対の前記ルーフサイドレールの間で前記車両幅方向に延在されるルーフリインフォースメントと、
    一対の前記ルーフサイドレールのそれぞれの車両上下方向の下側と前記ルーフリインフォースメントの前記車両幅方向の内側とを接合するエクステンションと、
    前記エクステンションに設けられ、前記車両上下方向の下側に突出すると共に前記車両幅方向に延在し前記車両幅方向の内側から外側に向かって下側への突出深さが深くなるビード部と、
    を有する車体上部構造。
  2. 前記ビード部における前記車両幅方向の内側の部位が前記車両上下方向で見て前記ルーフリインフォースメントと重なっている請求項1に記載の車体上部構造。
  3. 前記ルーフリインフォースメントが、
    前記車両幅方向に延在された骨格部を有し、
    前記ビード部における前記車両幅方向の内側の部位が前記車両上下方向で見て前記骨格部と重なっている請求項2に記載の車体上部構造。
  4. 前記ビード部が、
    前記車両前後方向の前側に位置する前ビード部と、
    前記車両前後方向の後側に位置する後ビード部と、
    を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車体上部構造。
  5. 前記前ビード部よりも前記車両前後方向の前側の部位、前記後ビード部よりも前記車両前後方向の後側の部位、及び、前記前ビード部と前記後ビード部の車両前後方向の間の部位に、前記エクステンションを前記ルーフリインフォースメントに接着するための接着部を有する請求項4に記載の車体上部構造。
  6. 前記ルーフリインフォースメントが前記車両幅方向で直線状であり、前記ルーフリインフォースメントの前記車両前後方向に沿って切断した断面形状が、前記車両幅方向の位置によらず一定である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車体上部構造。
  7. 前記ルーフリインフォースメントが、前記車両前後方向に沿って切断した断面形状が矩形状の閉断面部を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車体上部構造。
  8. 前記閉断面部の内部に、前記車両幅方向に延在し前記閉断面部の上壁と下壁とに掛け渡される補強片が設けられる請求項7に記載の車体上部構造。
  9. 前記ルーフリインフォースメントが、前記車両前後方向に沿って切断した断面形状が前記車両上下方向の上側に開く開断面を成し、
    前記ルーフリインフォースメントの前記車両上下方向の上側で前記開断面を閉じるルーフパネルを有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の車体上部構造。
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