JP2011217631A - 海洋構造物用パイプ部材およびそれを用いた養殖筏 - Google Patents

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Abstract

【構成】 海洋構造物用パイプ部材10は、たとえば養殖筏100の構成材として用いられるものであり、軟質合成樹脂からなる樹脂管18を備えている。樹脂管18の両端は密閉されており、その中には、金属管20がルーズな状態で収容されている。つまり、樹脂管18の内周面と金属管20の外周面とが接着等されておらず、そして、金属管20の寸法が、曲げまたはせん断力に対して樹脂管18を金属管20により補強可能な範囲内において、樹脂管18の寸法よりも大きくなってしまうことがない所定の値に設定されている。
【効果】 両端を密閉した樹脂管の中に金属管を収容するだけで、海洋構造物用パイプ部材を簡単にかつ安価に製造することができる。さらに、樹脂管の中に金属管がルーズな状態で収容されているため、樹脂管の線膨張率と金属管の線膨張率との差に起因する破損等の不具合も生じない。
【選択図】図2

Description

この発明は、海洋構造物用パイプ部材およびそれを用いた養殖筏に関し、特にたとえば、魚介類の養殖を行う養殖筏などの海洋構造物の構成材として使用される海洋構造物用パイプ部材およびそれを用いた養殖筏に関する。
従来、水中で魚介類や海苔などを養殖する目的で養殖筏を海面付近に浮遊させる技術が公知である。このような養殖筏は、木製丸太、竹材、合成樹脂製パイプなどの構成材を格子状に組んで、構成材の交差部分を番線等で固定することによって構成される。
たとえば、特許文献1では、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を環状に押し出した内層の外周にFRP(繊維強化プラスチック)等の繊維強化硬化性樹脂からなる中間層を形成し、その中間層の外周をさらにABS樹脂等の熱可塑性樹脂からなる被覆層で被覆することによって、養殖筏用パイプが形成される。
実開昭62−89975[A01K 61/00]
しかしながら、特許文献1の技術では、養殖筏用パイプが内層、中間層および被覆層の3層構造を有しているため、養殖筏用パイプの製造工程が複雑となってしまい、生産性が悪いという問題がある。また、製造工程が複雑となることで、コストも嵩んでしまう。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、海洋構造物用パイプ部材およびそれを用いた養殖筏を提供することである。
この発明の他の目的は、製造がより簡単かつ安価に行える、海洋構造物用パイプ部材およびそれを用いた養殖筏を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、海洋構造物の構成材として用いられる海洋構造物用パイプ部材において、軟質合成樹脂からなるかつ両端が密閉された樹脂管の中に金属管をルーズな状態で収容したことを特徴とする、海洋構造物用パイプ部材である。
第1の発明では、海洋構造物用パイプ部材(10)は、軟質合成樹脂からなる樹脂管(18)を備えており、たとえば養殖筏(100)の構成材として用いられる。樹脂管の両端は密閉されており、その中には、金属管(20)がルーズな状態で収容される。つまり、樹脂管の内周面と金属管の外周面とが接着等されておらず、そして、金属管の寸法が、曲げまたはせん断力に対して樹脂管を金属管により補強可能な範囲内において、樹脂管の寸法よりも大きくなってしまうことがない所定の値に設定されている。
第1の発明によれば、両端を密閉した樹脂管の中に金属管を収容するだけで、海洋構造物用パイプ部材を簡単にかつ安価に製造することができる。
さらに、樹脂管の中に金属管がルーズな状態で収容されているため、樹脂管の線膨張率と金属管の線膨張率との差に起因する破損等の不具合も生じない。
第2の発明は、第1の発明に従属し、樹脂管の両端のそれぞれに金属管の管端に接触して当該金属管の動きを規制する当たり部が形成される。
第2の発明では、樹脂管(18)の両端のそれぞれに当たり部(24,26)が形成され、この当たり部が金属管(20)の管端に接触することによって、樹脂管の中での金属管の動きが規制される。したがって、波浪や台風によって養殖筏(10)が揺れ動いたときにも、樹脂管の中での金属管のがたつきが一定範囲内に制限され、金属管との衝突による樹脂管の破損が防止される。
第3の発明は、第1または2の発明に従属し、樹脂管の両端のそれぞれに当該樹脂管と同じ軟質合成樹脂からなる樹脂管キャップが設けられ、樹脂管の管端と樹脂管キャップとが熱融着で接合される。
第3の発明では、樹脂管(18)の両端のそれぞれには、樹脂管の開口端を密閉する樹脂管キャップ(24)が設けられる。樹脂管キャップは、樹脂管と同じ軟質合成樹脂からなり、樹脂管の管端にたとえばバット融着で接合される。したがって、樹脂管と樹脂管キャップとの接合部分を適切に密封することができ、この接合部分の隙間からの海水等の浸入を確実に防止することができる。
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明に従属し、樹脂管はポリエチレンによって形成される。
第4の発明では、樹脂管(18)は、ポリエチレンによって形成され、その外周面には、たとえば樹脂管の長手方向に延びる多数のリブ(22)が一体的に形成される。このため、たとえば、海洋資材用パイプ(10)の交差部分(12)を締め付け具(14)で締め付けて固定すると、リブが締め付け具によって容易に圧潰され、その潰れた後にそのまま締め付け具が収まることとなり、締め付け具の結束位置がずれにくい。
第5の発明は、第1ないし4のいずれかの発明の海洋構造物用パイプ部材を用いた、養殖筏。
第5の発明では、養殖筏(100)は、複数の海洋構造物用パイプ部材(10)を縦横に格子状に組んで、その交差部分(12)を締め付け具(14)で締め付けて固定することによって構成される。
この発明によれば、両端を密閉した樹脂管の中に金属管を収容するだけで、海洋構造物用パイプ部材を簡単にかつ安価に製造することができる。
さらに、樹脂管の中に金属管がルーズな状態で収容されているため、樹脂管の線膨張率と金属管の線膨張率との差に起因する破損等の不具合も生じない。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施例の養殖筏を示す図解図である。 図1における海洋構造物用パイプ部材の詳細を示す拡大図である。 図1の海洋構造物用パイプ部材を示す平面図である。 図3の海洋構造物用パイプ部材を示す断面図である。 図1における海洋構造物用パイプ部材の交差部分の詳細を示す図解図である。 海洋構造物用パイプ部材に締め付け部材が食い込んだ様子を示す図解図である。 図3の海洋構造物用パイプ部材の端部を示す断面図である。 この発明の別の実施例の海洋構造物用パイプ部材を示す断面図である。
図1を参照して、この発明の一実施例である海洋構造物用パイプ部材10は、海洋構造物の構成材として用いられる、所謂海洋資材であり、この実施例においては、水中で真珠あるいは牡蠣などの魚介類や海苔を養殖する目的で海面付近に浮遊させる養殖筏100の構成材として用いられる。
養殖筏100は、複数の海洋構造物用パイプ部材10を縦横に格子状に組んで、その交差部分12を番線等の締め付け具14で締め付けて固定することによって構成される。海洋構造物用パイプ部材10の下方側には、一定間隔でフロート16が設けられる。
図2に示すように、海洋構造物用パイプ部材10は、両端が密閉された樹脂管18、および樹脂管18の中に収容される金属管20を備えている。
樹脂管18は、高密度ポリエチレン等の軟質合成樹脂からなる、外径寸法が75−90mmの合成樹脂管であり、この実施例では、樹脂管18の外径は、たとえば90mmに設定され、その厚みは、たとえば6.3mmである。つまり、樹脂管18の内径は、78.4mmとなる。また、樹脂管18の軸方向の長さは、たとえば12075mmに設定される。
図4に示すように、樹脂管18の外周面には、当該樹脂管18の長手方向に延びる多数のリブ22が一体的に形成されている。リブ22は、一定間隔で樹脂管18の外周面の全周に亘って形成され、その上下方向の長さ(つまり、高さ)は、たとえば2mmである。
図5に示すように、海洋構造物用パイプ部材10の交差部分12を締め付け具14で締め付けて固定する際には、リブ22が締め付け具14によって圧潰され、図6に示すように、その潰れた後にそのまま締め付け具14が収まることとなる。
図3に戻って、樹脂管18の両端のそれぞれには、樹脂管キャップ24が設けられる。
樹脂管キャップ24は、樹脂管18の開口端を密閉するためのものであり、図7に示すように、一方端が曲面で封止された円筒状に形成される。樹脂管キャップ24は、樹脂管18と同じ軟質合成樹脂からなり、樹脂管18の管端にバット融着で接合される。樹脂管18と樹脂管キャップ24との接合部分には、融着部分が盛り上がったビード26が形成され、詳細は後述するように、このビード26が金属管20の動きを規制する当たり部として機能する。
上述したように、樹脂管18の中には、金属管20が収容されている。
図4に示すように、金属管20は、断面略円形の中空鋼管であり、この金属管20によって、樹脂管18が補強され、延いては、海洋構造物用パイプ部材10の強度や剛性等が向上される。金属管20は、樹脂管18の中に非接着の状態で収容され、その外周面には、酸化や劣化を防止するために防錆処理が施されている。
ここで、金属管20の寸法は、曲げまたはせん断力に対して樹脂管18を金属管20により補強可能な範囲内において、樹脂管18の寸法よりも小さくなるように設定される。
具体的には、養殖筏100を適用する海域の温度低下により樹脂管18が熱収縮してその全長が金属管20より短くなると、樹脂管18の軸方向に引張荷重がかかってしまうことで、樹脂管18が破損する可能性がある。よって、金属管20の軸方向の長さは、養殖筏100が所定の最低適用温度において熱収縮しても、樹脂管18の全長よりも大きくなってしまうことがないように所定の値以下に設定される。
同じように、養殖筏100を適用する海域の温度低下により樹脂管18が熱収縮してその内径が金属管20の外径より小さくなると、樹脂管18の周方向に引張荷重がかかってしまうことで、樹脂管18が破損する可能性がある。よって、金属管20の外径は、養殖筏100が所定の最低適用温度において熱収縮しても、樹脂管18の内径よりも大きくなってしまうことがないように所定の値以下に設定される。
一方、養殖筏100を適用する海域の温度上昇については、金属管20より線膨張係数が大きい樹脂管18が膨張するので、熱膨張が原因で樹脂管18に破損が生じることはないが、樹脂管18と金属管20との間隙があまりに大きくなりすぎると、曲げまたはせん断力が樹脂管18に作用したときに、その樹脂管18が弾性限界点を超えて塑性変形を起こす可能性がある。よって、金属管20の外径は、養殖筏100が所定の最高適用温度において熱膨張しても、樹脂管18の塑性変形が起きないように金属管20により樹脂管18を補強できるように所定の値以上に設定される。
同じように、金属管20が短すぎて、樹脂管18における補強されていない長さ範囲があまりに大きくなり過ぎると、その補強されていない範囲に曲げまたはせん断力が作用したときに、樹脂管18が弾性限界点を超えて塑性変形を起こす可能性がある。よって、金属管20の全長は、養殖筏100が所定の最高適用温度において熱膨張しても、樹脂管18の塑性変形が起きないように金属管20により樹脂管18を補強できるように所定の値以上に設定される。
なお、上述した最低適用温度ならびに最高適用温度は、養殖筏100を適用する海域における年間水温や気温を測定し、所定の安全率を考慮したうえで予め決定される。
つまり、金属管20の寸法は、樹脂管18の弾性限界点、樹脂管18の線膨張率、金属管20の線膨張率、養殖筏100を適用する海域における気温や水温の推移等を勘案することによって適宜設定されることとなり、この実施例では、金属管20の軸方向の長さは、たとえば12000mmに設定され、その外径は、たとえば76.3mmに設定される。
このように、樹脂管18の内周面と金属管20の外周面とが接着等されておらず、そして、金属管20の寸法が上記の範囲内において所定の値に設定されているため、樹脂管18の内周面と金属管20の外周面との間には間隔があることとなり、この意味で、金属管20は樹脂管18の中にルーズな状態で収容されていると言える。
また、図7に示すように、金属管18の両端のそれぞれには、金属管キャップ28が設けられる。
金属管キャップ28は、高密度ポリエチレン等の合成樹脂からなり、一方端が封止された円筒状に形成される。金属管キャップ28は、金属管20の内径と略等しい外径を有しており、金属管20の開口端に嵌め込まれて、金属管20内への海水等の侵入を防止する。
金属管キャップ28の外周面には、シールテープ30が巻き付けられており、このシールテープ30によって金属管キャップ28の外周面と金属管20の内周面との間が水密的に塞がれるとともに、金属管キャップ28ののがたつきや離脱が防止される。
また、金属管キャップ28の他方端には、径方向の外側に延びる鍔部32が形成されている。鍔部32は、防錆処理が施されていない金属管20の管端面を被覆して、金属管20の管端面と海水等との接触を防ぐ。
このような海洋構造物用パイプ部材10を製造する場合には、先ず、樹脂管18の一方側の管端部に樹脂管キャップ24をバット融着で接合する。そして、外周面にシールテープ30を巻き付けた金属管キャップ28を金属管20の両端に設け、その金属管20を樹脂管18内に挿入する。その後、樹脂管18の他方側の管端部に樹脂管キャップ24をバット融着で接合して、樹脂管18の両端を密閉する。
このように、この実施例では、両端を密閉した樹脂管18の中に金属管20を収容するだけで、海洋構造物用パイプ部材10を製造することができる。つまり、この実施例によれば、特許文献1の技術のように3層構造を有するパイプを製造する場合と比較して、製造コストを大幅に抑えることができ、また、汎用品を組み合わせて製造することができるので、海洋構造物用パイプ部材10を簡単にかつ安価に製造することができる。
さらに、この実施例では、樹脂管18の内周面と金属管20の外周面とが接着等されておらず、そして、金属管20の寸法が、曲げまたはせん断力に対して樹脂管18を金属管20により補強可能な範囲内において、樹脂管18の寸法よりも小さい所定の値に設定されている。つまり、樹脂管18の中に金属管20がルーズな状態で収容されている。したがって、この実施例によれば、樹脂管18の線膨張率と金属管20の線膨張率との差に起因する樹脂管18の破損等の不具合が生じない。
また、この実施例では、樹脂管18の両端のそれぞれに当たり部が形成され、この当たり部が金属管20の管端に接触することによって、樹脂管18の中での金属管20の動きが規制される。したがって、波浪や台風によって養殖筏10が揺れ動いたときにも、樹脂管18の中での金属管20のがたつきが一定範囲内に制限され、金属管20との衝突による樹脂管18の破損が防止される。
さらに、この実施例では、樹脂管18の管端に当該樹脂管18と同じ軟質合成樹脂からなる樹脂管キャップ24が設けられ、樹脂管18と樹脂管キャップ24とがバット融着で接合される。このため、樹脂管18と樹脂管キャップ24との接合部分を適切に密封することができ、この接合部分の隙間からの海水等の浸入を確実に防止することができる。また、樹脂管18や樹脂管キャップ24の製造に利用する合成樹脂材料を無駄なく使用することができ、延いては、海洋構造物用パイプ部材10の製造コストをさらに低減することができる。
さらにまた、この実施例では、海洋構造物用パイプ部材10の樹脂管18がポリエチレンによって形成される。
ここで、たとえばパイプの最外層や当該パイプの外周面に形成するリブをポリプロピレンなどの硬質樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)などの繊維強化樹脂によって形成すると、パイプの交差部分を番線によって締め付けても、素材が高剛性であることにより番線がパイプの外周面やリブに食い込みにくく、番線の結束位置もずれ易くなる。そして、パイプの外周面と番線とが擦れることによってパイプの外周面が傷つき、これがパイプの破損の原因ともなる。
これに対し、この実施例によれば、樹脂管18がポリエチレンによって形成されるため、海洋構造物用パイプ部材10の交差部分12を締め付け具14で締め付けて固定すると、リブ22が締め付け具14によって容易に圧潰され、その潰れた後にそのまま締め付け具14が収まることとなり、締め付け具14の結束位置もずれにくい。また、たとえ樹脂管18の外周面と締め付け具14とが擦れても、ポリエチレンは滑性を有するため、樹脂管18の外周面が傷つき難い。
さらに、この実施例では、金属管20の両端のそれぞれに、防錆処理が施されていない金属管20の内面および管端面と海水等との接触を防ぐ金属管キャップ28が設けられる。このため、たとえ樹脂管18が部分的に破損した場合であっても、金属管24と海水等との接触を防錆処理が施されている金属管24の外周面に留めることができる。
なお、上述の実施例では、樹脂管18の管端と樹脂管キャップ24とがバット融着で接合され、その融着部分で盛り上がったビード26が金属管20の動きを規制する当たり部として機能したが、これに限定される必要はない。
たとえば、樹脂管キャップ24をその樹脂管18側の内面が金属管20の外周面よりも内側に位置するように形成していれば(図7参照)、樹脂管キャップ24の樹脂管18側の端面によって金属管20の動きを規制することができる。この場合には、樹脂管キャップ24自身が当たり部として機能することとなり、樹脂管18と樹脂管キャップ24との融着部分のビード26を当たり部として利用する場合と比較して、当たり部が高剛性となるため、樹脂管18の中でがたついた金属管20との衝突によって当たり部が破損する可能性は極めて低くなる。
また、たとえば、樹脂管キャップ24をその先端側に向かうに従って縮径するように形成していれば(図7参照)、樹脂管キャップ24の内面によって金属管20の動きを規制することができる。つまり、この場合にも、樹脂管キャップ24自身が当たり部として機能することとなり、上述したように、樹脂管18の中でがたついた金属管20との衝突によって当たり部が破損する可能性は極めて低くなる。
さらにまた、図示は省略するが、樹脂管キャップ24の内面に、別途、内側に突出する突起状の当たり部を設け、この当たり部によって金属管20の動きを規制してもよい。
さらに、上述の実施例では、樹脂管キャップ24が一方端が曲面で封止された円筒状に形成されて、この樹脂管キャップ24と樹脂管18とがバット融着で接合されたが、これに限定される必要はない。少なくとも樹脂管の開口端を密封することができるのであれば、任意の形状の樹脂管キャップ24を採用することができ、また、樹脂管18の管端と樹脂管キャップ24との接合方法についても、接着接合、融着接合、溶着接合、機械的接合等の適宜の接合手段を採用することができる。
たとえば、図8に示すように、樹脂管キャップ24を略円板状に形成し、この樹脂管キャップ24と樹脂管18の管端とを融着したり、またエポキシ樹脂等の水密性の接着剤を用いて接着接合してもよい。この場合にも、樹脂管キャップ24自身が当たり部として機能することとなる。
さらにまた、上述の実施例では、樹脂管18および樹脂管キャップ24がポリエチレンによって形成されたが、これに限定される必要はなく、樹脂管18および樹脂管キャップ24をポリプロピレン等の軟質合成樹脂によって形成してもよい。
また、この実施例では、養殖筏100は、複数の海洋構造物用パイプ部材10を縦横に格子状に組んで、その交差部分12を番線等の締め付け具14で締め付けて固定することによって構成されたが、これに限定される必要はなく、海洋構造物用パイプ部材10に、木製丸太、竹材、等の構成材を適宜組み合わせることによって、養殖筏100を構成してもよい。
さらに、海洋構造物用パイプ部材10の交差部分12を締め付け具14で締め付けて固定するのではなく、適宜の固定手段を採用することができる。
さらにまた、この実施例においては、魚介類や海苔を養殖するための養殖筏100の構成材として海洋構造物用パイプ部材10が用いられたが、これに限定される必要はない。ふぐ等の飛び跳ねない魚用の魚養殖用生簀枠、釣り用の浮き筏、灯浮標(ブイ)などの浮標識、浮き桟橋、海洋標識用のポール、船着場の桟橋のフロート固定用のポール等の他の周知の海洋構造物の構成材としても海洋構造物用パイプ部材10を利用することができる。ただし、この実施例における「海洋構造物」の用途は、海域に限定されるものではなく、たとえば、湖、池、河川などの淡水域であってもよい。
なお、上述した径や高さ等の具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
10 …海洋構造物用パイプ部材
14 …締め付け具
16 …フロート
18 …樹脂管
20 …金属管
22 …リブ
24 …樹脂管キャップ
28 …金属管キャップ
100 …養殖筏

Claims (5)

  1. 海洋構造物の構成材として用いられる海洋構造物用パイプ部材において、
    軟質合成樹脂からなるかつ両端が密閉された樹脂管の中に金属管をルーズな状態で収容したことを特徴とする、海洋構造物用パイプ部材。
  2. 前記樹脂管の両端のそれぞれに前記金属管の管端に接触して当該金属管の動きを規制する当たり部が形成される、請求項1記載の海洋構造物用パイプ部材。
  3. 前記樹脂管の両端のそれぞれに当該樹脂管と同じ軟質合成樹脂からなる樹脂管キャップが設けられ、前記樹脂管の管端と前記樹脂管キャップとが熱融着で接合される、請求項1または2記載の海洋構造物用パイプ部材。
  4. 前記樹脂管はポリエチレンによって形成される、請求項1ないし3のいずれかに記載の海洋構造物用パイプ部材。
  5. 請求頂1ないし4のいずれかに記載の海洋構造物用パイプ部材を用いた、養殖筏。
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