JP4404400B2 - 浮体構造物 - Google Patents

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、養殖生け簀、作業用屋形、浮き桟橋、湿原歩行路等の浮体構造物に関し、特に該浮体構造物を、ガラス繊維などの補強繊維よりなる繊維強化樹脂(FRP)等を用いて構築する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、我が国を取り巻く漁業環境は経済水域問題とともに乱獲による漁業資源枯渇など年々厳しさを増しているのが現状であり、それに対して、ブリ、マダイ等の魚類やその他貝類、海草類などの各種水産資源を育成するべく、網生け簀などの養殖施設による養殖事業が鹿児島、長崎、三重県等を中心に盛んに行われている。この養殖事業に用いられる養殖生け簀は、各種構造部材を矩形など所定の形状に組んで形成した枠体に発泡スチロールなどからなるフロート(浮体)を取付けて水上に浮上させるフロート式支持枠方式が一般的であり、自動餌蒔き機の設置及び保守が容易である点や、枠体上に板材を架設すれば容易に歩行路を設置出来る点などの各種利点を有し、作業船の接舷や種々の作業を簡便に行えるため広く普及している。
【0003】
また、上記養殖生け簀と同様に、フロートを付けた枠体上に歩み板等を渡して作業スペースを確保するといった構造をなしているものとして、水上工事など種々の作業をするための作業用筏、屋形、船からの荷揚げや人員の乗り降りを行う浮き桟橋、岸と浮き桟橋とを繋ぐブリッジ等があり、いずれも港湾作業などで汎用されている。
【0004】
これら養殖生け簀や浮き桟橋等の浮体構造物は、その枠体の構造部材及び該構造部材の固定方法として以下▲1▼〜▲4▼に列記する部材及び固定方法を用いることが多かった。
▲1▼間伐材や竹等の天然材を構造部材として使用し、ロープまたは針金等で互いを結束固定して枠体を形成する場合。
▲2▼亜鉛メッキ鋼管を構造部材として用い、各部材は溶接或いはUボルト締結等で固定する場合。
▲3▼厚肉のプラスチック被覆鋼管を用い、▲2▼と同様の固定方法をとる場合。
▲4▼FRPパイプを用い、樹脂製の連結治具を使用して互いを固定する場合。
【0005】
また、上記枠体に取り付けられるフロートは、いずれの場合でも、発泡スチロールを塩化ビニール製等のシートで包んだもの、或いは発泡スチロールをポリエチレン被覆したもの等が用いられ、これをロープなどで枠体に結束されるもので、他方、枠体に取付けられる歩み板は、主に杉板などの木製の板材を枠体上に架設し、針金やロープにより固定されている。
【0006】
上述の浮体構造物以外の水上作業用の構造物として、例えば湿地帯内に敷設された電力施設等の巡回用、或いは観光散策用としての湿原歩行路があり、その構造は一般に、木材、鋼材、コンクリート、或いは廃プラスチック等からなる杭と、係る杭を結合して歩行路を形成する構造部材及び床板等とからなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の浮体構造物は次に述べるような、主に、浮体構造物を構成する構造部材の特性に由来する課題を有していた。
【0008】
すなわち、構造部材として例えば間伐材及び竹を使用した場合、これらは天然材でありしかも廃材等を適宜利用すれば材料コストは低く抑制できるが、激しい風雨及び日射に直接曝される水上環境においては腐食速度が速く耐久性に問題があり、例えば竹は約2〜3年で、間伐材は約5〜6年で著しく強度が低下して使用不能となる場合もあった。また、亜鉛メッキ鋼管や被覆鋼管を使用した場合、亜鉛メッキやプラスチック被覆が防蝕膜として有効に機能し続ければ前記間伐材及び竹よりもかなり耐久性があるものの、溶接箇所或いは被覆損傷箇所等からは腐食しやすく、一旦腐食が進行すると10年以下で使用不能となることが多い。また、鋼製であることから弾力性に乏しく、波浪、船との接触衝突による衝撃などを受けるとその衝撃変形を吸収することは困難で、変形すると自己復元することも難しい。
【0009】
さらに、FRP(主にフィラメントワインディング法により成形されたもの)を構造部材として用いる場合もあったが、耐久性は良好である反面、FRPそのものが高価で材料コストが嵩むばかりでなく、被覆を特に持たないため損傷を受けやすく、ジョイント箇所での保護構造に格別の配慮を要しコスト的にも作業効率的にも課題が多かった。しかも表面が平滑で滑りやすく作業の効率を更に低下させるといった問題も抱えていた。
【0010】
これら浮体構造物に加えて、木材、鋼材、コンクリート、廃プラスチック等からなる杭体を打設してその杭上に歩行路を設ける湿原歩行路等を形成する場合、上述の浮体構造物の構造部材が抱える問題と同様に、木材、鋼材は腐蝕しやすく耐久性に乏しい一方、コンクリートや廃プラスチックは重量が大きく、湿地帯の条件によっては杭が沈み込み、歩行路として役務を果たすことが出来なくなるといった問題も有している。
【0011】
構造部材の特性に由来する上記課題の他にも、例えば針金やロープによる結束などの構造部材同士の固定手段などにも、耐久性やコストの面で上記同様の課題が存在しており、上述の種々の課題と併せて考えると、従来の浮体構造物はいずれの場面においても耐久性及び作業効率が低く、製作及び維持コストも嵩むといった問題を抱えているのである。
【0012】
そこで、本発明はこのような従来の課題に着目してなされたもので、軽量でありながら十分な構造強度を備えて耐久性にも優れ、加えて材料及び施工コスト、並びに施工効率が良好な浮体構造物を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するためになされたもので、構造部材を所定形状に組み合わせて枠体を形成し、該枠体に浮体を取付けることで浮力を得て水上にあり、漁労その他の水上作業を可能にする浮体構造物において、前記枠体を構成する構造部材が、熱可塑性樹脂からなる中空部を有する中芯と、補強繊維を熱硬化性樹脂で一体に結着してなり、前記中芯外周を被覆する中間層と、該中間層を被覆し熱可塑性樹脂よりなる外層との三層よりなる繊維強化中空構造体からなり、前記浮体構造物上で作業を行う際の歩み板等として前記枠体に取付けられる構造部材が、板状の前記繊維強化中空構造体からなることを特徴とする。
【0015】
加えて、前記繊維強化中空構造体の外層に凹凸加工が施されていると更に好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでまず、本発明の浮体構造物を構築する際に実際に用いる構造部材及び構造部材同士の固定作業概要を示す。
【0017】
図1は本発明の浮体構造物10を構成する繊維強化中空構造体の断面図を示し、そのうち、(a)は角パイプ状の中空構造体、(b)は丸パイプ状の中空構造体、(c)は板状の中空構造体の各断面図を示す。
【0018】
浮体構造物構築に供される構造部材としては、図に示す様な、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂からなる中空部11を有する中芯12と、ガラス繊維などの補強繊維13をビニエステル樹脂などの熱硬化性樹脂で一体に結着してなり、前記中芯12外周を被覆するFRP層14(中間層)と、該FRP層14を被覆しABS樹脂などの熱可塑性樹脂よりなる外層15との三層よりなる繊維強化中空構造体10を成形して、管材(例えば、商品名コンポーズ:宇部日東化成株式会社製)或いは板材(例えば、商品名ハニカムコンポーズ:宇部日東化成株式会社製)などにしたものを構造部材として使用する。
【0019】
係る構造部材を各種連結治具等を用いて、用途及び求める機能に応じた矩形或いは円形などの所定形状に連結固定し、あるいは接合し浮体構造物の根幹を成す枠体を構成する。ここで使用される連結治具としては、例えば、角パイプ状或いは丸パイプ状の中空構造体P(以下、単にパイプとする)を交差或いは並列固定する際に用いられる交差ジョイント20(図2(a)、(b)参照)があり、これはステンレス(例えばSUS304、316、317等)製あるいは構造部材と同様の繊維強化樹脂製(例えばガラス繊維強化PPからなり、商品名アズデル:宇部日東化成株式会社製)で、パイプP外周を略内包する断面半円状の把持部21と、ステンレス製ボルトBを連通させて締結固定を行うフランジ部22とを有するものである。場合によっては前記把持部21に貫通穴(図示しない)を開け、把持するパイプPと交差ジョイント20とをボルトBにて締結固定してもよい。前記把持部21は、パイプ締付け方向の内空寸法が、把持されるパイプPの外径より若干(例えば1〜3mm)小さくなっており、該ジョイント20の形状自体が締め付け構造を成すものとする。また、交差ジョイント20の把持部21内面と把持されるパイプP外面とにエポキシ系接着剤を塗布して接着接合すると、更に接合強度が向上し連結の信頼性も高まることとなる。
【0020】
パイプPの交差或いは並列固定に加え、構築する枠体が長尺に及ぶ場合などはパイプPを継ぎ足して使用するためにパイプP先端の端面を突き合わせ接合する必要もあり、その場合の連結治具は、例えば図3(a)、(b)、(c)に示す様な、断面コの字型で左右両側部にはボルト貫通穴31が設けられている突き合わせジョイント30が用いられる。この突き合わせジョイント30は、2部材一組になっており、コの字型断面開口を合わせるように2部材を接合してその内空にパイプPを挟持するとともに、パイプPに予め開けられた連通穴(図示しない)と前記ボルト貫通穴31とを連通するようにボルトBを挿入しこれを締結固定する。その締結結合の際に、例えばエポキシ系接着剤をジョイント30内面及びパイプP表面に塗布して後、ボルト締結すればより一層の連結信頼性が得られる。
【0021】
他に、パイプP同士を直接連結固定するものではないが、図4(a)、(b)、(c)に示すヒヤシ40と呼ばれるスペーサーを用いて、枠体を構成するパイプP同士の間隔を所定のものに保ち固定する治具も用いられる。
【0022】
上記のパイプP等の管材の他に、浮体構造物上で作業を行う際の歩み板や床板等として枠体に取付けられる板状繊維強化中空構造体の連結或いは固定は、該板状繊維強化中空構造体にドリル等で結束穴を設けて、枠体或いはヒヤシ40と結束穴とにロープや針金を挿通巻回させて結束する。また、ヒヤシ40或いは板状繊維強化中空構造体を受けとして使用し、これに穴を開けてボルト及びナットで締結固定する方法もある。
【0023】
その他、例えば枠体を形成する角パイプ状繊維強化中空構造体と板状中空構造体とを連通するようドリルで下穴を開け、ステンレス製のタッピングビスで止め両者を固定する方法なども状況に応じて採用できる。この際、ドリルとネジが一体になったドリルネジ等を使用すると、前準備として下穴を開ける必要が無く、電動ドライバー等を用いてそのまま穴開け作業と締結作業とを同時かつ容易に実施できる。
【0024】
図5は本発明の浮体構造物Aの第1実施例である養殖生け簀50の構造概要を示す説明図である。
【0025】
図において、該養殖生け簀50は、外径78mm、長さ13mで、表面にリブ及びエンボス加工を施したパイプ状繊維強化中空構造体51(商品名コンポーズ:宇部日東化成株式会社製、以下メインパイプと称する)を主な枠体Fの材料として使用し、13m四方サイズの田の字型の形状に前記メインパイプ51を連結固定し形成されたものである。枠体Fの組立て手順としては、前記メインパイプ51を例えば40cmの間隔をおいて梯状に平行配列し、これを生け簀50中央部で十字交差させ、また生け簀50外周部も同様に40cm間隔で梯状に平行配列したメインパイプ51を生け簀50の角隅部でクロスさせた。生け簀50中央部及び角隅部におけるメインパイプ51同士の交差部分は、ステンレス板(例えば厚さ3mm)を曲げ加工して作成した前述の交差ジョイント20(図2参照)と、ステンレス製のボルトナット(M10)を使用して締結固定した。平行配列されたメインパイプ51間の40cmといった間隔はFRP製のヒヤシ40で保持固定するものとし、平行配列したメインパイプ51間の所定位置に、例えば塩化ビニール製等のシートで包んだ発泡スチロール製フロート(図示しない)をロープなどで結束し固定している。なお、生け簀50外周の4辺のメインパイプ51内側には、網受け用として、表面にエンボス加工が施されていないφ50mmのパイプ状中空構造体52を平行配置し枠体F本体とロープで結束した。
【0026】
図6は本発明の浮体構造物Aの第2実施例である板状中空構造体を歩み板として使用した養殖生け簀60の構造概要を示す説明図である。
【0027】
該養殖生け簀60は、第1実施例で得た養殖生け簀50中央の十字型の枠体F上において、メインパイプ51を拘束するヒヤシ40の上から長さ6m、幅240mm、厚さ30mmの板状中空構造体HC(商品名ハニカムコンポーズ:宇部日東化成株式会社製)を4枚取り付けたものであり、取付け方法としては、ドリル等で板状中空構造体HCに結束穴(図示しない)を開け、その結束穴にロープ或いは針金等を挿通巻回してヒヤシ40やメインパイプ51と結束する方法を採用した。田の字型の養殖生け簀60中央部には、養殖魚に給餌を行うための給餌開口61を設けてあり、また枠体Fの外周4辺の内、対向する2辺の中央部に長さ4mの板状中空構造体HCを上記と同様に取り付け、餌蒔き機搬入の際の足場となしている。また、本実施例においては上記の様な養殖生け簀60の枠体Fに補強を施す為、図7(a)に示す様に、生け簀60外周の四隅に、長さ4m、幅240mm、厚さ30mmの板状中空構造体70をステンレス製ジョイントによりハンチ状に取付けて枠体Fの構造強度を向上させている。この補強用に取り付けられた板状中空構造体70は、枠体Fの補強と歩み板の機能とを兼ねるものとなっている。その他、同図(b)に示すとおり、補強材として前記板状中空構造体70に代えてパイプ状中空構造体71を、斜め交差ジョイント72(同図(c)、(d)、(e)参照)により枠体Fに取り付けてもよい。係る斜め交差ジョイント72は、パイプ状中空構造体71を把持する把持部72aと、ボルト締結孔72bを有するフランジ部72cとからなる本体部分と、該本体部分のフランジ部72cに当接され、一体にボルト締結されるプレート72dとからなるものである。
【0028】
図8(a)は、本発明の浮体構造物Aの第3実施例である浮き桟橋80の構造概要を示す平面図であり、(b)は同断面図である。この浮き桟橋80は、船からの荷揚げや人員の乗り降りを行う軽便な構造であり、本実施例では、例えば平面形状が長さ10m、幅4mの略矩形浮き桟橋について示す。
【0029】
該浮き桟橋80の組立にあたって、浮き桟橋80の長さが10mであるから、まず4.5mと5.5m長の60mm角のパイプ状中空構造体の突き合わせ接合をステンレス製突き合わせジョイント30により行って10mの部材81を形成した。なお、ジョイント30内部にはエポキシ接着剤を塗布した後、ジョイント30を組んでボルト締結を行い、一晩放置することで接着剤の固化を確実ならしめた。突き合わせ接合された10mのパイプ81を並列配置した梯状のフロート止め82(40cm間隔で3組、計6本)を枠体F最下層に配置し、更にこのフロート止め82上において、該フロート止め82と直交する方向に4m長の60mm角パイプ状中空構造体83をほぼ均等に16本並列配置した。パイプ状中空構造体81、83の計96箇所の交点においては、ガラス繊維強化ポリプロピレン(例えば、商品名アズデル:宇部日東化成株式会社製)製の交差ジョイント(図示しない)を使用して固定を行い、その後、幅240mm、厚さ30mmの板状中空構造体HCを39枚、間隔を1cm空けてステンレス製のビス(6mm×50mmL、鍋タッピングビス)で60mm角パイプ状中空構造体83に固定した。枠体Fが完成したら、所定位置に例えば塩化ビニール製等のシートで包んだ発泡スチロール製フロート84をロープなどで結束して取付け浮体としているのである。
【0030】
図9は本発明の浮体構造物Aの第4実施例である作業筏90の構造概要を示す説明図である。
【0031】
図の作業筏90は大きさが長さ20m、幅10mの漁具洗浄など網洗い用の筏であり、構造としては、前記メインパイプ51と同径で長さ10mのパイプ91と、長さ6.5mのパイプ92とをステンレス製並列ジョイント93で並列接合し長さ20mとした部材を枠体F構築に供し、20mの該部材をFRP製の前記ヒヤシ40をもって40cm間隔の所定位置に並列固定した。パイプの交差部は第1実施例と同じくステンレス製の交差ジョイント20を使用し、ボルト締結して固定するものとする。以下、床板としての板状中空構造体HCや、フロート94等の取付け手順は上述の実施例と同様である。
【0032】
図10は本発明の浮体構造物Aの第5実施例である作業用屋形100の構造概要を示す説明図である。
【0033】
該作業用屋形100は例えば、13m四方の矩形状であり、主に直径78mm、長さ13mのパイプ状中空構造体101を図の示す如く平行配置して形成した。該パイプ状中空構造体101は、フロート係止用に40cmの間隔で平行配置し、その間はFRP製の前記ヒヤシ40で固定してある。パイプ状中空構造体101と直交して60mm角のパイプ状中空構造体102を計19本均等間隔で設置し、両パイプ101、102の交差部はステンレス製交差ジョイント20(図示しない)で固定されている。本実施例では、作業用屋形100外周において使用されている交差ジョイント20には、その内面に例えばエポキシ系接着剤を塗布し、枠体Fをなすパイプ状中空構造体101、102と該交差ジョイント20とを強固に接着接合し、構造強度の向上を図っている。
【0034】
図11(a)は、本発明の浮体構造物Aの第6実施例である湿原巡視路110の構造概要を示す平面図であり、(b)は同側断面図である。
【0035】
本実施例の湿原巡視路110は、例えば、湿原地帯に設置されている電力施設等の巡回用に設けられる浮橋構造の巡視路であり、以下の手順のもと構築されるものである。長さ1.5mと1mの50mm角パイプ状中空構造体にボルト挿通用穴(図示しない)を設け、両者をジョイント等で連結固定して形成したフロート係止用枠体111に、フロート112を例えばステンレスバンド113にて巻回して取付ける。更に長さ5.5mの板状中空構造体114を湿原巡視路110の歩行路Wを成すよう、前記フロート係止用枠体111に連結治具を用いてフロート114a共に取り付けてある。実際の湿原巡視路として使用する際には、この単体の湿原巡視路110を長手方向に適宜連結して歩行路Wを形成するのである。このような湿原巡視路110は、従来のものと違って杭を使用しないため自重やその他の荷重により湿原中に沈埋する恐れがないだけでなく、耐久性、経済性の面においても良好な特性を示すものとなる。
【0036】
なお、以上の実施例で使用したステンレス製の交差ジョイント20の接合強度を評価したところ、係る交差ジョイント20は十分に高い引き抜き耐力を示し、加えてエポキシ系樹脂接着を施すとより確実な引き抜き耐力を示した為、好ましくは、構造部材のジョイント部分には例えばエポキシ系樹脂接着剤による接着を実施すると好ましい。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の浮体構造物は、構造部材を所定形状に組み合わせて枠体を形成し、該枠体に浮体を取付けることで浮力を得て水上にあり、漁労その他の水上作業を可能にする浮体構造物において、前記枠体を構成する構造部材が、熱可塑性樹脂からなる中空部を有する中芯と、補強繊維を熱硬化性樹脂で一体に結着してなり、前記中芯外周を被覆する中間層と、該中間層を被覆し熱可塑性樹脂よりなる外層との三層よりなる繊維強化中空構造体からなることを特徴とするものであるから、該浮体構造物は構造的に、軽量、高強度かつ高剛性といった優れた特性を備えることとなり、加えて、高い電気絶縁性を備えて海水等と接しても容易に腐蝕することもなく、また、耐候性に優れるため、耐久性及び耐腐食性も、従来の竹や間伐材或いは鋼材といったものに比して著しく良好なのものとなる。
【0038】
これらの良好な特性は、すなわち、竹、木材などの天然物と違い、長期に亘り荷重が負荷されたとしてもクリープ現象を生じないことや、また、例えば波浪及び風浪による繰り返し曲げ荷重が作用しても、鋼材によく見受けられるような疲労現象をほとんど生じないといったことにもつながり、本発明の浮体構造物が、長期に亘り良好な強度を保ち得て保守点検のコストや手間を抑制し、従来の浮体構造物ではなしえなかった低コスト長期使用を達成できる。
【0039】
また、浮体構造物を構成する枠体等の部材は工場生産品であり、したがって使用する各部材は安定した品質と所定の性能とを確実に得られ、更に部材の生産性が高く生産コスト低減も図ることができるから、浮体構造物の構造強度の信頼性を確保できるとともに、その製作コストも圧縮可能なのである。
【0040】
そして、前記繊維強化中空構造体の構造上、外層の被覆樹脂が外界に対して保護効果を発揮する為、中間層の耐腐食性、耐久性を高めることにつながり、また、部材同士の接合時には係る外層がジョイントによるFRP層の摩耗を抑止することも可能である。この外層は、他部材とのジョイント部分において緩衝材としても機能し、かかる荷重を分散させてジョイント端部での応力集中を緩和するといった効果も奏する。加えて、接着剤等で部材同士を接着する際には、外層表面と接着剤とのなじみが良好であることから、接着後の信頼性を高めることになり、また、リブ加工、或いはエンボス加工が表面に施されていることから、良好な歩行感を得ることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮体構造物を構成する繊維強化中空構造体のうち、(a)は角パイプ状の中空構造体、(b)は丸パイプ状の中空構造体、(c)は板状の中空構造体の各断面図を示す。
【図2】(a)は、本発明の浮体構造物を形成する際に使用するパイプ状の中空構造体同士の交差固定を行う、交差ジョイントを示す説明図であり、(b)は、その使用例を示す説明図である。
【図3】(a)は、本発明の浮体構造物を形成する際に使用する突き合わせジョイントの断面図、(b)は同側面図を示し、(c)は、係る突き合わせジョイントの使用例を示す説明図である。
【図4】(a)は、本発明の浮体構造物を形成する際に使用するヒヤシ(スペーサー)の側面図を、(b)は同平面図を、(c)は同断面図示す。
【図5】本発明の浮体構造物の第1実施例である養殖生け簀の構造概要を示す説明図である。
【図6】本発明の浮体構造物の第2実施例である板状中空構造体を歩み板として使用した養殖生け簀の構造概要を示す説明図である。
【図7】本発明の浮体構造物である養殖生け簀の枠体四隅にハンチ状の補強を施した例のうち、(a)は補強材として板状中空構造体を取付けた場合、(b)は、補強材としてパイプ状中空構造体を取付けた場合を示しており、また、係るパイプ状中空構造体の取付けに用いる斜め交差ジョイントの断面図を(c)に、同側面図を(d)に、更に、該斜め交差ジョイントと一体締結されるプレートを(e)に示す。
【図8】(a)は、本発明の浮体構造物の第3実施例である浮き桟橋の構造概要を示す平面図であり、(b)は同断面図である。
【図9】本発明の浮体構造物の第4実施例である作業筏の構造概要を示す説明図である。
【図10】本発明の浮体構造物の第5実施例である作業用屋形の構造概要を示す説明図である。
【図11】(a)は、本発明の浮体構造物の第6実施例である湿原巡視路の構造概要を示す平面図であり、(b)は同側断面図である。
【符号の説明】
A 浮体構造物
F 枠体
10 繊維強化樹脂材

Claims (2)

  1. 構造部材を所定形状に組み合わせて枠体を形成し、該枠体に浮体を取付けることで浮力を得て水上にあり、漁労その他の水上作業を可能にする浮体構造物において、
    前記枠体を構成する構造部材が、熱可塑性樹脂からなる中空部を有する中芯と、補強繊維を熱硬化性樹脂で一体に結着してなり、前記中芯外周を被覆する中間層と、該中間層を被覆し熱可塑性樹脂よりなる外層との三層よりなる繊維強化中空構造体からなり、
    前記浮体構造物上で作業を行う際の歩み板等として前記枠体に取付けられる構造部材が、板状の前記繊維強化中空構造体からなることを特徴とする浮体構造物。
  2. 前記繊維強化中空構造体の外層に凹凸加工が施されていることを特徴とする請求項に記載の浮体構造物。
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