JP2011216586A - 積層型光電変換装置および積層型光電変換装置の製造方法 - Google Patents

積層型光電変換装置および積層型光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた特性を有する積層型光電変換装置および積層型光電変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の光電変換ユニットと、第1の光電変換ユニット上に設けられた第1導電型半導体層を含む中間層と、中間層上に設けられた第2の光電変換ユニットと、を備え、第1導電型半導体層は第2導電型半導体層と接しており、第1導電型半導体層中の第1導電型不純物濃度が第2導電型半導体層中の第2導電型不純物濃度以上である積層型光電変換装置とその製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型光電変換装置および積層型光電変換装置の製造方法に関する。
近年、光エネルギを電気エネルギに変換することが可能な光電変換装置が注目されており、光電変換装置の変換効率を向上させることを目的として、2つ以上の光電変換ユニットを積層した構造の積層型光電変換装置が特に注目されている。
図4に、特許文献1(特開2006−319068号公報)に記載されている従来の積層型光電変換装置の模式的な断面図を示す。ここで、図4に示す積層型光電変換装置は、ガラス基板101上に、SnO2膜102、ボロンドープのp型SiC層1031、ノンドープのi型非晶質Si層1032、リンドープのn型μc−Si層1033、導電性SiOx層1041、n型μc−Si層1042、導電性SiOx層1043、ボロンドープのp型μc−Si層1051、ノンドープのi型結晶質Si層1052、リンドープのn型μc−Si層1053、および、ZnO膜とAg膜との積層体106がこの順に積層された構造を有している(特許文献1の段落[0031]〜[0035])。
図4に示す積層型光電変換装置においては、p型SiC層1031、i型非晶質Si層1032およびn型μc−Si層1033により非晶質光電変換ユニット103が形成されている。また、導電性SiOx層1041、n型μc−Si層1042および導電性SiOx層1043により中間層104が形成されている。さらに、p型μc−Si層1051、i型結晶質Si層1052およびn型μc−Si層1053により結晶質シリコン光電変換ユニット105が形成されている。
図5に、特許文献2(特開2005−45129号公報)に記載されている従来の積層型光電変換装置の模式的な断面図を示す。ここで、図5に示す積層型光電変換装置は、ガラス基板201上に、SnO2膜202、p型非晶質SiC層2031、i型非晶質Si層2032、n型μc−Si層2033、n型シリコン複合層204、p型μc−Si層2051、i型結晶質Si層2052、n型μc−Si層2053、および、ZnO膜とAg膜との積層体206がこの順に積層された構造を有している(特許文献2の段落[0090]および[0095])。
図5に示す積層型光電変換装置においては、p型非晶質SiC層2031、i型非晶質Si層2032およびn型μc−Si層2033により前方光電変換ユニット203が形成されている。また、p型μc−Si層2051、i型結晶質Si層2052およびn型μc−Si層2053により後方光電変換ユニット205が形成されている。
図4および図5に示す積層型光電変換装置においては、中間層104およびn型シリコン複合層204が光電変換ユニットの間に中間層として設けられている。そのため、中間層104およびn型シリコン複合層204がそれぞれ反射層として機能することによって中間層よりも光入射側に位置する光電変換ユニットの光吸収量を増大させることができ、その光電変換ユニットで発生させることができる電流値を増大させることができるとされている(特許文献1の段落[0006]および特許文献2の段落[0010])。
特開2006−319068号公報 特開2005−45129号公報
上述のように、光電変換ユニットの間に反射層として機能する中間層を設けることによって積層型光電変換装置の特性を優れたものとすることができるが、近年の光電変換装置への期待の高まりから、さらに特性に優れた積層型光電変換装置の開発が要望されている。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、優れた特性を有する積層型光電変換装置および積層型光電変換装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、第1の光電変換ユニットと、第1の光電変換ユニット上に設けられた第1導電型半導体層を含む中間層と、中間層上に設けられた第2の光電変換ユニットと、を備え、第1導電型半導体層は第2導電型半導体層と接しており、第1導電型半導体層中の第1導電型不純物濃度が第2導電型半導体層中の第2導電型不純物濃度以上である積層型光電変換装置である。
ここで、本発明の積層型光電変換装置においては、第1導電型半導体層が、結晶質のシリコンと、非晶質の酸化シリコンまたは非晶質の窒化シリコンと、を含むことが好ましい。
また、本発明の積層型光電変換装置においては、第1導電型半導体層はn型半導体層であって、第1導電型半導体層中のn型不純物濃度が3.95×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明の積層型光電変換装置においては、第2導電型半導体層はp型半導体層であって、第2導電型半導体層中のp型不純物濃度が1×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明の積層型光電変換装置において、第2導電型半導体層は第2の光電変換ユニットの一部であることが好ましい。
また、本発明の積層型光電変換装置において、第1導電型半導体層はp型半導体層であって、第1導電型半導体層中のp型不純物濃度が3.76×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明の積層型光電変換装置において、第2導電型半導体層はn型半導体層であって、第2導電型半導体層中のn型不純物濃度が1×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明の積層型光電変換装置において、第2導電型半導体層は第1の光電変換ユニットの一部であることが好ましい。
また、本発明は、透明基板上に、第1のp型半導体層、第1のi型半導体層および第1のn型半導体層をこの順に積層して第1の光電変換ユニットを形成する工程と、第1の光電変換ユニット上に、n型半導体層を含む中間層を形成する工程と、中間層上に、第2のp型半導体層、第2のi型半導体層および第2のn型半導体層をこの順に積層して第2の光電変換ユニットを形成する工程と、を含み、中間層に含まれるn型半導体層は、第2のp型半導体層に接するようにして形成される積層型光電変換装置の製造方法である。
さらに、本発明は、透明基板上に、第1のp型半導体層、第1のi型半導体層および第1のn型半導体層をこの順に積層して第1の光電変換ユニットを形成する工程と、第1の光電変換ユニット上に、p型半導体層を含む中間層を形成する工程と、中間層上に、第2のp型半導体層、第2のi型半導体層および第2のn型半導体層をこの順に積層して第2の光電変換ユニットを形成する工程と、を含み、中間層に含まれるp型半導体層を第1のn型半導体層に接するようにして形成する積層型光電変換装置の製造方法である。
本発明によれば、優れた特性を有する積層型光電変換装置および積層型光電変換装置の製造方法を提供することができる。
実施の形態1の積層型光電変換装置の模式的な断面図である。 実施の形態2の積層型光電変換装置の模式的な断面図である。 実施の形態3の積層型光電変換装置の模式的な断面図である。 特許文献1に記載されている従来の積層型光電変換装置の模式的な断面図である。 特許文献2に記載されている従来の積層型光電変換装置の模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施の形態1>
図1に、本発明の積層型光電変換装置の一例である実施の形態1の積層型光電変換装置の模式的な断面図を示す。実施の形態1の積層型光電変換装置は、透明基板1と、透明基板1上に積層された、透明電極層2と、第1のp型半導体層31と、第1のi型半導体層32と、第1のn型半導体層33と、n型シリコン複合層4と、第2のp型半導体層51と、第2のi型半導体層52と、第2のn型半導体層53と、裏面電極層6とを有している。
ここで、第1のp型半導体層31と、第1のi型半導体層32と、第1のn型半導体層33とから第1の光電変換ユニット3が形成されている。また、第2のp型半導体層51と、第2のi型半導体層52と、第2のn型半導体層53とから第2の光電変換ユニット5が形成されている。
透明基板1としては、たとえば、ガラス基板、ポリイミド樹脂などの透明樹脂を含む樹脂基板、またはこれらの基板の複数を積層した基板などの光を透過させることができる透光性基板を用いることができる。
透明電極層2としては、たとえば、酸化錫膜、ITO(Indium Tin Oxide)膜、酸化亜鉛膜、若しくはこれらの膜に微量の不純物を添加した膜の単層またはこれらを複数重ね合わせた複数層などの光を透過させることができるとともに導電性である膜を用いることができる。透明電極層2が複数層から構成される場合には、すべての層が同一の材料から形成されていてもよく、少なくとも1層が他と異なる材料から形成されていてもよい。
透明電極層2の表面にはたとえば凹凸が形成されていることが好ましい。透明電極層2の表面に凹凸が形成されていることによって、透明基板1側から入射した入射光を散乱および/または屈折させて光路長を伸ばすことができ、第1の光電変換ユニット3における光閉じ込め効果を高めることができるため短絡電流密度を増大させることができる傾向にある。透明電極層2の表面に凹凸を形成する方法としては、たとえば、エッチング法やサンドブラストのような機械加工による方法、または透明電極層2の結晶成長を利用する方法などを用いることができる。
第1のp型半導体層31としては、たとえば、p型非晶質シリコン層、p型微結晶シリコン層、p型非晶質炭化シリコン層、またはp型非晶質窒化シリコン層などのp型層の単層またはこれらを複数重ね合わせた複数層を用いることができる。第1のp型半導体層31が複数層から構成される場合には、すべての層が同一の半導体材料から形成されていてもよく、少なくとも1層が他と異なる半導体材料から形成されていてもよい。第1のp型半導体層31にドープされるp型不純物としては、たとえばボロンなどを用いることができる。
第1のi型半導体層32としては、たとえば、非晶質シリコン層の単層または複数層などを用いることができる。第1のi型半導体層32は、p型不純物およびn型不純物のいずれもドープされないノンドープ層である。
第1のn型半導体層33としては、たとえば、n型非晶質シリコン層、またはn型微結晶シリコン層などのn型層の単層またはこれらを複数重ね合わせた複数層などを用いることができる。第1のn型半導体層33が複数層から構成される場合には、すべての層が同一の半導体材料から形成されていてもよく、少なくとも1層が他と異なる半導体材料から形成されていてもよい。第1のn型半導体層33にドープされるn型不純物としては、たとえばリンなどを用いることができる。
なお、第1のp型半導体層31および第1のn型半導体層33としては、第1のi型半導体層32と同一の半導体材料を用いてもよく、異なる半導体材料を用いてもよい。たとえば、第1のp型半導体層31および第1のi型半導体層32にそれぞれp型非晶質シリコン層および非晶質シリコン層を用いるとともに、第1のn型半導体層33にn型微結晶シリコン層を用いてもよい。また、たとえば、第1のp型半導体層31にp型非晶質炭化シリコン層を用い、第1のi型半導体層32に非晶質シリコン層を用い、第1のn型半導体層33にn型微結晶シリコン層を用いてもよい。
また、本明細書において、「非晶質シリコン」は「水素化非晶質シリコン」を含む概念であり、「微結晶シリコン」は「水素化微結晶シリコン」を含む概念である。
n型シリコン複合層4は、結晶質のシリコンと、非晶質の酸化シリコンと、を含むn型の導電型を有する中間層である。n型シリコン複合層4は、n型シリコン複合層4の厚さ方向に連なっている複数の結晶質シリコンの結晶粒の周囲を非晶質の酸化シリコンが取り囲む構造を有していることが好ましい。なお、「結晶質」とは、少なくとも結晶相を含むものであればよく、いわゆる「微結晶」を含む概念である。
n型シリコン複合層4がこの構造を有する場合には、n型シリコン複合層4は光透過性および光反射性の双方の特性を有するとともに導電性も有する傾向にある。そのため、この場合には、n型シリコン複合層4に到達した光の一部を第1の光電変換ユニット3側に反射させることができ、n型シリコン複合層4よりも光入射側に位置する第1の光電変換ユニット3における光吸収量を増加させることができるため、第1の光電変換ユニット3で発生する電流量を増大させて積層型光電変換装置の特性を向上させることができる傾向にある。なお、非晶質の酸化シリコンの代わりに非晶質の窒化シリコンを用いてもよい。また、n型シリコン複合層4にドープされるn型不純物としては、たとえばリンなどが挙げられる。
第2のp型半導体層51としては、たとえば、p型微結晶シリコン層、p型微結晶炭化シリコン層、またはp型微結晶窒化シリコン層などのp型層の単層またはこれらを複数重ね合わせた複数層を用いることができる。第2のp型半導体層51が複数層から構成される場合には、すべての層が同一の半導体材料から形成されていてもよく、少なくとも1層が他と異なる半導体材料から形成されていてもよい。第2のp型半導体層51にドープされるp型不純物としては、たとえばボロンなどを用いることができる。
第2のi型半導体層52としては、たとえば、結晶質シリコン層の単層または複数層などを用いることができる。第2のi型半導体層52は、p型不純物およびn型不純物のいずれもドープされないノンドープ層である。
第2のn型半導体層53としては、たとえば、n型非晶質シリコン層、またはn型微結晶シリコン層などのn型層の単層またはこれらを複数重ね合わせた複数層などを用いることができる。第2のn型半導体層53が複数層から構成される場合には、すべての層が同一の半導体材料から形成されていてもよく、少なくとも1層が他と異なる半導体材料から形成されていてもよい。第2のn型半導体層53にドープされるn型不純物としては、たとえばリンなどを用いることができる。
裏面電極層6としては、導電体層を用いることができ、たとえば、透明導電膜と反射電極との積層体などを用いることができる。
透明導電膜としては、たとえば酸化錫膜、ITO膜、酸化亜鉛膜、若しくはこれらの膜に微量の不純物を添加した膜の単層またはこれらを複数重ね合わせた複数層などの光を透過させることができるとともに導電性である膜を用いることができる。透明導電膜が複数層から構成される場合には、すべての層が同一の材料から形成されていてもよく、少なくとも1層が他と異なる材料から形成されていてもよい。また、反射電極としては、たとえばAg(銀)層、Al(アルミニウム)層またはこれらの層の積層体などの導電性を有する層を用いることができる。
透明導電膜は、入射光に対する光閉じ込め向上効果および光反射率向上効果が得られることに加えて、透明導電膜の存在によって、反射電極を構成する原子が第2の光電変換ユニット5に拡散をするのを抑制することができる。そのため、裏面電極層6には透明導電膜が含まれていることが好ましい。
反射電極は、第1の光電変換ユニット3および第2の光電変換ユニット5で吸収されなかった光を反射して第1の光電変換ユニット3および第2の光電変換ユニット5に戻すことができるため、変換効率の向上に寄与する。
実施の形態1の積層型光電変換装置においては、n型シリコン複合層4中のn型不純物濃度がn型シリコン複合層4に隣接する第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度以上となっている。そのため、第2の光電変換ユニット5の光電変換特性に悪影響を及ぼし得る第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度を高めることなく、n型シリコン複合層4と第2のp型半導体層51との良好なオーミック接触性を担保することができるため、優れた特性を有する積層型光電変換装置とすることができる。
ここで、n型シリコン複合層4中のn型不純物濃度は3.95×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下であることが好ましく、1×1019個/cm3以上5×1019個/cm3以下であることがより好ましい。n型シリコン複合層4中のn型不純物濃度が3.95×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下である場合、特に1×1019個/cm3以上5×1019個/cm3以下である場合には、積層型光電変換装置の特性がさらに向上する傾向にある。
n型シリコン複合層4中のn型不純物濃度は、n型シリコン複合層4中に含まれているn型不純物の総数をn型シリコン複合層4の体積で割った値に相当する。ここで、n型シリコン複合層4中にn型不純物が2種類以上含まれている場合には、n型不純物の総数は、2種類以上のn型不純物の総数となる。また、n型シリコン複合層4中のn型不純物濃度は、たとえば、n型シリコン複合層4の気相成長時に導入されるドーパントガスの流量によって設定することができるが、n型シリコン複合層4の形成後はたとえばSIMS(Secondary Ion Mass Spectro-metry)などにより測定することができる。
また、n型シリコン複合層4に接してn型シリコン複合層4とは逆の導電型を有する第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度は1×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下であることが好ましい。第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度が1×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下である場合には、積層型光電変換装置の特性がさらに向上する傾向にある。
第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度は、第2のp型半導体層51中に含まれているp型不純物の総数を第2のp型半導体層51の体積で割った値に相当する。ここで、第2のp型半導体層51中にp型不純物が2種類以上含まれている場合には、p型不純物の総数は、2種類以上のp型不純物の総数となる。また、第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度は、たとえば、第2のp型半導体層51の気相成長時に導入されるドーパントガスの流量によって設定することができるが、第2のp型半導体層51の形成後はたとえばSIMSなどにより測定することができる。
実施の形態1の積層型光電変換装置は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず、透明基板1上に透明電極層2を形成する。透明電極層2は、たとえば、スパッタリング法、熱CVD法、電子ビーム蒸着法、ゾルゲル法、スプレー法または電析法などにより形成することができる。
次に、透明電極層2上に、第1のp型半導体層31、第1のi型半導体層32および第1のn型半導体層33をこの順序で積層して第1の光電変換ユニット3を形成する。第1のp型半導体層31、第1のi型半導体層32および第1のn型半導体層33は、それぞれ、たとえばプラズマCVD法などにより形成することができる。なお、予め透明基板1に透明電極層2が形成されていてもよく、この場合には、透明基板1上に予め設けられた透明電極層2上に、第1のp型半導体層31、第1のi型半導体層32および第1のn型半導体層33をこの順序で積層して第1の光電変換ユニット3を形成することになる。
次に、第1のn型半導体層33上にn型シリコン複合層4を形成する。n型シリコン複合層4は、たとえばプラズマCVD法などにより形成することができる。
次に、n型シリコン複合層4上に、第2のp型半導体層51、第2のi型半導体層52および第2のn型半導体層53をこの順序で積層して第2の光電変換ユニット5を形成する。第2のp型半導体層51、第2のi型半導体層52および第2のn型半導体層53は、それぞれ、たとえばプラズマCVD法などにより形成することができる。ここで、第2のp型半導体層51は、n型シリコン複合層4に接するようにして形成される。
次に、第2のn型半導体層53上に、透明導電膜および反射電極をこの順に積層することによって裏面電極層6を形成する。ここで、透明導電膜は、たとえば、スパッタリング法、CVD法、電子ビーム蒸着法、ゾルゲル法、スプレー法または電析法などの方法によって形成することができる。また、反射電極は、たとえば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スプレー法、スクリーン印刷法または電析法などの方法によって形成することができる。
以上により、実施の形態1の積層型光電変換装置を製造することができる。実施の形態1の積層型光電変換装置は、上述したように、n型シリコン複合層4のn型不純物濃度がn型シリコン複合層4に接する第2のp型半導体層51のp型不純物濃度以上となるように形成されるために、優れた特性を有する積層型光電変換装置とすることができる。
<実施の形態2>
図2に、本発明の積層型光電変換装置の他の一例である実施の形態2の積層型光電変換装置の模式的な断面図を示す。実施の形態2の積層型光電変換装置は、透明基板1と、透明基板1上に積層された、透明電極層2と、第1のp型半導体層31と、第1のi型半導体層32と、第1のn型半導体層33と、p型シリコン複合層42と、第2のp型半導体層51と、第2のi型半導体層52と、第2のn型半導体層53と、裏面電極層6とを有している。
実施の形態2の積層型光電変換装置においては、中間層としてp型シリコン複合層42を用い、p型シリコン複合層42中のp型不純物濃度をp型シリコン複合層42と接する第1のn型半導体層33中のn型不純物濃度以上としている点に特徴がある。
この特徴により、第1の光電変換ユニット3の光電変換特性に悪影響を及ぼし得る第1のn型半導体層33中のn型不純物濃度を高めることなく、p型シリコン複合層42と第1のn型半導体層33との良好なオーミック接触性を担保することができるため、実施の形態2の積層型光電変換装置についても優れた特性を有する積層型光電変換装置とすることができる。
ここで、p型シリコン複合層42中のp型不純物濃度は3.76×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下であることが好ましく、1×1019個/cm3以上5×1019個/cm3以下であることがより好ましい。p型シリコン複合層42中のp型不純物濃度が3.76×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下である場合、特に1×1019個/cm3以上5×1019個/cm3以下である場合には、積層型光電変換装置の特性がさらに向上する傾向にある。
p型シリコン複合層42中のp型不純物濃度は、p型シリコン複合層42中に含まれているp型不純物の総数をp型シリコン複合層42の体積で割った値に相当する。ここで、p型シリコン複合層42中にp型不純物が2種類以上含まれている場合には、p型不純物の総数は、2種類以上のp型不純物の総数となる。また、p型シリコン複合層42中のp型不純物濃度は、たとえば、p型シリコン複合層42の気相成長時に導入されるドーパントガスの流量によって設定することができるが、p型シリコン複合層42の形成後はたとえばSIMSにより測定することができる。
また、p型シリコン複合層42に接してp型シリコン複合層42とは逆の導電型を有する第1のn型半導体層33中のn型不純物濃度は1×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下であることが好ましい。第1のn型半導体層33中のn型不純物濃度が1×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下である場合には、積層型光電変換装置の特性がさらに向上する傾向にある。
第1のn型半導体層33中のn型不純物濃度は、第1のn型半導体層33中に含まれているn型不純物の総数を第1のn型半導体層33の体積で割った値に相当する。ここで、第1のn型半導体層33中にn型不純物が2種類以上含まれている場合には、n型不純物の総数は、2種類以上のn型不純物の総数となる。また、第1のn型半導体層33中のn型不純物濃度は、たとえば、第1のn型半導体層33の気相成長時に導入されるドーパントガスの流量によって設定することができるが、第1のn型半導体層33の形成後はたとえばSIMSなどにより測定することができる。
p型シリコン複合層42は、結晶質のシリコンと、非晶質の酸化シリコンと、を含むp型の導電型を有する中間層である。p型シリコン複合層42は、p型シリコン複合層42の厚さ方向に連なっている複数の結晶質シリコンの結晶粒の周囲を非晶質の酸化シリコンが取り囲む構造を有していることが好ましい。p型シリコン複合層42がこの構造を有する場合には、p型シリコン複合層42は光透過性および光反射性の双方の特性を有するとともに導電性も有する傾向にある。そのため、この場合には、p型シリコン複合層42に到達した光の一部を第1の光電変換ユニット3側に反射させることができ、p型シリコン複合層42よりも光入射側に位置する第1の光電変換ユニット3における光吸収量を増加させることができるため、第1の光電変換ユニット3で発生する電流量を増大させて積層型光電変換装置の特性を向上させることができる傾向にある。なお、非晶質の酸化シリコンの代わりに非晶質の窒化シリコンを用いてもよい。また、p型シリコン複合層42にドープされるp型不純物としては、たとえばボロンなどが挙げられる。
実施の形態2の積層型光電変換装置は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず、透明基板1上に透明電極層2を形成し、その後、透明電極層2上に、第1のp型半導体層31、第1のi型半導体層32および第1のn型半導体層33をこの順序で積層して第1の光電変換ユニット3を形成する。ここまでは実施の形態1と同様である。
次に、第1のn型半導体層33上にp型シリコン複合層42を形成する。ここで、p型シリコン複合層42は、第1のn型半導体層33に接するように、たとえばプラズマCVD法などにより形成することができる。
その後は、実施の形態1と同様にして、p型シリコン複合層42上に、第2のp型半導体層51、第2のi型半導体層52および第2のn型半導体層53をこの順序で積層して第2の光電変換ユニット5を形成し、第2のn型半導体層53上に裏面電極層6を形成する。
以上により、実施の形態2の積層型光電変換装置を製造することができる。実施の形態2の積層型光電変換装置は、上述したように、p型シリコン複合層42のp型不純物濃度がp型シリコン複合層42に接する第1のn型半導体層33のn型不純物濃度以上となるように形成されるために、優れた特性を有する積層型光電変換装置とすることができる。
実施の形態2における上記以外の説明は実施の形態1と同様であるため、その説明については省略する。
<実施の形態3>
図3に、本発明の積層型光電変換装置のさらに他の一例である実施の形態3の積層型光電変換装置の模式的な断面図を示す。実施の形態3の積層型光電変換装置は、透明基板1と、透明基板1上に積層された、透明電極層2と、第1のp型半導体層31と、第1のi型半導体層32と、第1のn型半導体層33と、n型シリコン複合層4と、n型微結晶シリコン層43と、n型シリコン複合層4と、第2のp型半導体層51と、第2のi型半導体層52と、第2のn型半導体層53と、裏面電極層6とを有している。
実施の形態3の積層型光電変換装置においては、中間層として、n型シリコン複合層4と、n型微結晶シリコン層43と、n型シリコン複合層4との積層体を用い、その積層体のn型シリコン複合層4中のn型不純物濃度をn型シリコン複合層4と接する第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度以上としている点に特徴がある。
この特徴により、第2の光電変換ユニット5の光電変換特性に悪影響を及ぼし得る第2のp型半導体層51中のp型不純物濃度を高めることなく、n型シリコン複合層4と第2のp型半導体層51との良好なオーミック接触性を担保することができるため、実施の形態3の積層型光電変換装置についても優れた特性を有する積層型光電変換装置とすることができる。
実施の形態3の積層型光電変換装置は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず、透明基板1上に透明電極層2を形成し、その後、透明電極層2上に、第1のp型半導体層31、第1のi型半導体層32および第1のn型半導体層33をこの順序で積層して第1の光電変換ユニット3を形成する。ここまでは実施の形態1および2と同様である。
次に、第1のn型半導体層33上に、n型シリコン複合層4、n型微結晶シリコン層43およびn型シリコン複合層4をこの順に形成する。ここで、n型シリコン複合層4、n型微結晶シリコン層43およびn型シリコン複合層4は、それぞれ、たとえばプラズマCVD法などにより形成することができる。なお、n型微結晶シリコン層43にドープされるn型不純物としては、たとえばリンなどを用いることができる。
その後は、実施の形態1と同様にして、n型シリコン複合層4上に、第2のp型半導体層51、第2のi型半導体層52および第2のn型半導体層53をこの順序で積層して第2の光電変換ユニット5を形成し、第2のn型半導体層53上に裏面電極層6を形成する。ここで、第2のp型半導体層51は、n型シリコン複合層4に接するようにして形成される。
以上により、実施の形態3の積層型光電変換装置を製造することができる。実施の形態3の積層型光電変換装置は、上述したように、n型シリコン複合層4のn型不純物濃度がn型シリコン複合層4に接する第2のp型半導体層51のp型不純物濃度以上となるように形成されるために、優れた特性を有する積層型光電変換装置とすることができる。
実施の形態3における上記以外の説明は実施の形態1および2と同様であるため、その説明については省略する。
<実施例1>
まず、幅1100mm×長さ1400mm×厚さ4mmのガラス基板の表面上にSnO2膜を800nmの厚さに熱CVD法によって形成した。
次に、SnO2膜上に、p型非晶質シリコンカーバイド層、i型非晶質シリコン層およびn型微結晶シリコン層をこの順序にプラズマCVD法で積層して第1の光電変換ユニットを形成した。
p型非晶質シリコンカーバイド層は、SiH4:H2:CH4:B26=1:12:2:0.002の流量比の反応ガス、150Paの反応ガス圧力、185℃の基板温度、および0.03W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で10nmの厚さに形成した。
i型非晶質シリコン層は、SiH4:H2=1:0の流量比の反応ガス、40Paの反応ガス圧力、185℃の基板温度、および0.03W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で300nmの厚さに形成した。
n型微結晶シリコン層は、SiH4:H2:PH3=1:200:0.02の流量比の反応ガス、400Paの反応ガス圧力、185℃の基板温度、および0.2W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で20nmの厚さに形成した。
次に、n型微結晶シリコン層上に、微結晶シリコンと、非晶質の酸化シリコンと、を含むn型シリコン複合層をプラズマCVD法で積層した。
n型シリコン複合層は、SiH4:CO2:PH3:H2=1:0.3:0.01:100の流量比の反応ガス、1500Paの反応ガス圧力、200℃の基板温度、および0.2W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で70nmの厚さに形成した。
次に、n型シリコン複合層上に、p型微結晶シリコン層、i型結晶質シリコン層、およびn型微結晶シリコン層をこの順序にプラズマCVD法で積層して第2の光電変換ユニットを形成した。
p型微結晶シリコン層は、SiH4:H2:B26=1:200:0.01の流量比の反応ガス、300Paの反応ガス圧力、200℃の基板温度、および0.2W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で15nmの厚さに形成した。
i型結晶質シリコン層は、SiH4:H2=1:90の流量比の反応ガス、900Paの反応ガス圧力、170℃の基板温度、および0.15W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で1700nmの厚さに形成した。
n型微結晶シリコン層は、SiH4:H2:PH3=1:200:0.02の流量比の反応ガス、900Paの反応ガス圧力、170℃の基板温度、および0.15W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で20nmの厚さに形成した。
その後、スパッタリング法によって、n型微結晶シリコン層上に、80nmの厚さの酸化亜鉛膜を形成した後に、300nmの厚さの銀膜を形成することによって、実施例1の積層型光電変換装置を作製した。
実施例1の積層型光電変換装置のn型シリコン複合層中のn型不純物濃度は3.95×1018個/cm3であって、n型シリコン複合層に接するp型微結晶シリコン層(第2の光電変換ユニットの一部)のp型不純物濃度は3.95×1018個/cm3であった。なお、n型シリコン複合層中のn型不純物濃度およびp型微結晶シリコン層中のp型不純物濃度は、それぞれ、上記と同じ条件で別途作製したn型シリコン複合層およびp型微結晶シリコン層についてSIMSによってn型不純物濃度およびp型不純物濃度を測定することにより求めた。
そして、上記のようにして作製した実施例1の積層型光電変換装置に対して、ソーラシミュレータを用いてAM1.5の光を1kW/m2のエネルギ密度で25℃のもとで照射することによって、実施例1の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は13.1mA/cm2であって、フィルファクタは0.72であって、変換効率は13.20%であった。
<実施例2>
n型シリコン複合層およびp型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、n型シリコン複合層中のn型不純物濃度を2×1022個/cm3とし、p型微結晶シリコン層のp型不純物濃度を3.95×1018個/cm3としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例1と同様にして、実施例2の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例2の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は12.9mA/cm2であって、フィルファクタは0.74であって、変換効率は13.36%であった。
<実施例3>
n型シリコン複合層およびp型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、n型シリコン複合層中のn型不純物濃度を3.95×1018個/cm3とし、p型微結晶シリコン層のp型不純物濃度を1×1018個/cm3としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例1と同様にして、実施例3の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例3の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は13.1mA/cm2であって、フィルファクタは0.79であって、変換効率は13.02%であった。
<実施例4>
n型シリコン複合層およびp型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、n型シリコン複合層中のn型不純物濃度を2×1022個/cm3とし、p型微結晶シリコン層のp型不純物濃度を2×1022個/cm3としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例1と同様にして、実施例4の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例4の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は12.7mA/cm2であって、フィルファクタは0.74であって、変換効率は13.16%であった。
<比較例1>
n型シリコン複合層およびp型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、n型シリコン複合層中のn型不純物濃度を1×1018個/cm3とし、p型微結晶シリコン層のp型不純物濃度を3.95×1018個/cm3としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例1と同様にして、比較例1の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
表1に示すように、比較例1の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は12.5mA/cm2であって、フィルファクタは0.71であって、変換効率は12.43%であった。
Figure 2011216586
表1に示すように、n型シリコン複合層のn型不純物濃度がp型微結晶シリコン層のp型不純物濃度以上である実施例1〜4の積層型光電変換装置は、n型シリコン複合層のn型不純物濃度がp型微結晶シリコン層のp型不純物濃度未満である比較例1の積層型光電変換装置よりも特性に優れていることが確認された。
<実施例5>
まず、幅1100mm×長さ1400mm×厚さ4mmのガラス基板の表面上にSnO2膜を800nmの厚さに熱CVD法によって形成した。
次に、SnO2膜上に、p型非晶質シリコンカーバイド層、i型非晶質シリコン層およびn型微結晶シリコン層をこの順序にプラズマCVD法で積層して第1の光電変換ユニットを形成した。
p型非晶質シリコンカーバイド層は、SiH4:H2:CH4:B26=1:12:2:0.002の流量比の反応ガス、150Paの反応ガス圧力、185℃の基板温度、および0.03W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で10nmの厚さに形成した。
i型非晶質シリコン層は、SiH4:H2=1:0の流量比の反応ガス、40Paの反応ガス圧力、185℃の基板温度、および0.03W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で300nmの厚さに形成した。
n型微結晶シリコン層は、SiH4:H2:PH3=1:200:0.01の流量比の反応ガス、1500Paの反応ガス圧力、200℃の基板温度、および0.2W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で20nmの厚さに形成した。
次に、n型微結晶シリコン層上に、微結晶シリコンと、非晶質の酸化シリコンと、を含むp型シリコン複合層をプラズマCVD法で積層した。
p型シリコン複合層は、SiH4:CO2:B26:H2=1:0.3:0.01:200の流量比の反応ガス、300Paの反応ガス圧力、200℃の基板温度、および0.2W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で70nmの厚さに形成した。
次に、p型シリコン複合層上に、p型微結晶シリコン層、i型結晶質シリコン層、およびn型微結晶シリコン層をこの順序にプラズマCVD法で積層して第2の光電変換ユニットを形成した。
p型微結晶シリコン層は、SiH4:H2:B26=1:200:0.001の流量比の反応ガス、900Paの反応ガス圧力、170℃の基板温度、および0.15W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で15nmの厚さに形成した。
i型結晶質シリコン層は、SiH4:H2=1:90の流量比の反応ガス、900Paの反応ガス圧力、170℃の基板温度、および0.15W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で1700nmの厚さに形成した。
n型微結晶シリコン層は、SiH4:H2:PH3=1:200:0.02の流量比の反応ガス、900Paの反応ガス圧力、170℃の基板温度、および0.15W/cm2の高周波放電電力密度の条件下で20nmの厚さに形成した。
その後、スパッタリング法によって、n型微結晶シリコン層上に、80nmの厚さの酸化亜鉛膜を形成した後に、300nmの厚さの銀膜を形成することによって、実施例5の積層型光電変換装置を作製した。
実施例5の積層型光電変換装置のp型シリコン複合層中のp型不純物濃度は3.76×1019個/cm3であって、p型シリコン複合層に接するn型微結晶シリコン層(第1の光電変換ユニットの一部)のp型不純物濃度は3.76×1019個/cm3であった。なお、p型シリコン複合層中のp型不純物濃度およびn型微結晶シリコン層中のn型不純物濃度は、それぞれ、上記と同じ条件で別途作製したp型シリコン複合層およびn型微結晶シリコン層についてSIMSによってp型不純物濃度およびn型不純物濃度を測定することにより求めた。
そして、上記のようにして作製した実施例5の積層型光電変換装置に対して、ソーラシミュレータを用いてAM1.5の光を1kW/m2のエネルギ密度で25℃のもとで照射することによって、実施例1の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例5の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は13.0mA/cm2であって、フィルファクタは0.72であって、変換効率は13.10%であった。
<実施例6>
p型シリコン複合層およびn型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、p型シリコン複合層中のp型不純物濃度を2×1021個/cm3とし、n型微結晶シリコン層のn型不純物濃度を3.76×1019個/cm3としたこと以外は実施例5と同様にして、実施例6の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例5と同様にして、実施例6の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例6の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は13.1mA/cm2であって、フィルファクタは0.74であって、変換効率は13.57%であった。
<実施例7>
p型シリコン複合層およびn型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、p型シリコン複合層中のp型不純物濃度を3.76×1019個/cm3とし、n型微結晶シリコン層のn型不純物濃度を1×1019個/cm3としたこと以外は実施例5と同様にして、実施例7の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例5と同様にして、実施例7の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例7の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は13.1mA/cm2であって、フィルファクタは0.715であって、変換効率は13.11%であった。
<実施例8>
p型シリコン複合層およびn型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、p型シリコン複合層中のp型不純物濃度を2×1021個/cm3とし、n型微結晶シリコン層のn型不純物濃度を2×1021個/cm3としたこと以外は実施例5と同様にして、実施例8の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例5と同様にして、実施例7の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例8の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は12.8mA/cm2であって、フィルファクタは0.74であって、変換効率は13.26%であった。
<比較例2>
p型シリコン複合層およびn型微結晶シリコン層の形成条件をそれぞれ変更して、p型シリコン複合層中のp型不純物濃度を1×1019個/cm3とし、n型微結晶シリコン層のn型不純物濃度を3.76×1019個/cm3としたこと以外は実施例5と同様にして、比較例2の積層型光電変換装置を作製した。
そして、実施例5と同様にして、比較例2の積層型光電変換装置の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、フィルファクタ(FF)、および変換効率(Eff)をそれぞれ求めた。その結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例2の積層型光電変換装置の開放電圧は1.40Vであって、短絡電流密度は13.0mA/cm2であって、フィルファクタは0.70であって、変換効率は12.74%であった。
Figure 2011216586
表2に示すように、p型シリコン複合層のp型不純物濃度がn型微結晶シリコン層のn型不純物濃度以上である実施例5〜8の積層型光電変換装置は、p型シリコン複合層のp型不純物濃度がn型微結晶シリコン層のn型不純物濃度未満である比較例2の積層型光電変換装置よりも特性に優れていることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、たとえば太陽電池、光センサまたはディスプレイなどの様々な用途の積層型光電変換装置および積層型光電変換装置の製造方法に利用することができる。
1 透明基板、2 透明電極層、3 第1の光電変換ユニット、4 n型シリコン複合層、5 第2の光電変換ユニット、6 裏面電極層、31 第1のp型半導体層、32 第1のi型半導体層、33 第1のn型半導体層、42 p型シリコン複合層、43 n型微結晶シリコン層、51 第2のp型半導体層、52 第2のi型半導体層、53 第2のn型半導体層、101 ガラス基板、102 SnO2膜、103 非晶質光電変換ユニット、104 中間層、105 結晶質シリコン光電変換ユニット、106 積層体、201 ガラス基板、202 SnO2膜、203 前方光電変換ユニット、204 n型シリコン複合層、205 後方光電変換ユニット、206 積層体、1031 p型SiC層、1032 i型非晶質Si層、1033 n型μc−Si層、1041 導電性SiOx層、1042 n型μc−Si層、1043 導電性SiOx層、1051 p型μc−Si層、1052 i型結晶質Si層、1053 n型μc−Si層、2031 p型非晶質SiC層、2032 i型非晶質Si層、2033 n型μc−Si層、2051 p型μc−Si層、2052 i型結晶質Si層、2053 n型n型μc−Si層。

Claims (10)

  1. 第1の光電変換ユニットと、
    前記第1の光電変換ユニット上に設けられた第1導電型半導体層を含む中間層と、
    前記中間層上に設けられた第2の光電変換ユニットと、を備え、
    前記第1導電型半導体層は、第2導電型半導体層と接しており、
    前記第1導電型半導体層中の第1導電型不純物濃度が、前記第2導電型半導体層中の第2導電型不純物濃度以上である、積層型光電変換装置。
  2. 前記第1導電型半導体層は、結晶質のシリコンと、非晶質の酸化シリコンまたは非晶質の窒化シリコンと、を含む、請求項1に記載の積層型光電変換装置。
  3. 前記第1導電型半導体層はn型半導体層であって、
    前記第1導電型半導体層中のn型不純物濃度が、3.95×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下である、請求項1または2に記載の積層型光電変換装置。
  4. 前記第2導電型半導体層はp型半導体層であって、
    前記第2導電型半導体層中のp型不純物濃度が、1×1018個/cm3以上2×1022個/cm3以下である、請求項3に記載の積層型光電変換装置。
  5. 前記第2導電型半導体層は、前記第2の光電変換ユニットの一部である、請求項4に記載の積層型光電変換装置。
  6. 前記第1導電型半導体層はp型半導体層であって、
    前記第1導電型半導体層中のp型不純物濃度が、3.76×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下である、請求項1または2に記載の積層型光電変換装置。
  7. 前記第2導電型半導体層はn型半導体層であって、
    前記第2導電型半導体層中のn型不純物濃度が、1×1019個/cm3以上2×1021個/cm3以下である、請求項6に記載の積層型光電変換装置。
  8. 前記第2導電型半導体層は、前記第1の光電変換ユニットの一部である、請求項7に記載の積層型光電変換装置。
  9. 透明基板上に、第1のp型半導体層、第1のi型半導体層および第1のn型半導体層をこの順に積層して第1の光電変換ユニットを形成する工程と、
    前記第1の光電変換ユニット上に、n型半導体層を含む中間層を形成する工程と、
    前記中間層上に、第2のp型半導体層、第2のi型半導体層および第2のn型半導体層をこの順に積層して第2の光電変換ユニットを形成する工程と、を含み、
    前記中間層に含まれる前記n型半導体層を前記第2のp型半導体層に接するようにして形成する、積層型光電変換装置の製造方法。
  10. 透明基板上に、第1のp型半導体層、第1のi型半導体層および第1のn型半導体層をこの順に積層して第1の光電変換ユニットを形成する工程と、
    前記第1の光電変換ユニット上に、p型半導体層を含む中間層を形成する工程と、
    前記中間層上に、第2のp型半導体層、第2のi型半導体層および第2のn型半導体層をこの順に積層して第2の光電変換ユニットを形成する工程と、を含み、
    前記中間層に含まれる前記p型半導体層を前記第1のn型半導体層に接するようにして形成する、積層型光電変換装置の製造方法。
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