JP2011216479A - コイン形電池およびコイン形電池用ホルダとコイン形電池収納体 - Google Patents
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Abstract
【課題】苛酷な振動環境下においても電池のズレに起因する接触不良を抑制し、信頼性に優れたコイン形電池およびコイン形電池用ホルダを提供する。
【解決手段】コイン形電池のカシメ部から封口板天面までの高さAと電池缶底面から封口板天面までの高さである電池総高Bの比A/Bが0.35以上0.50以下であることを特徴とする電池と、この電池用ホルダであって、カシメ部に相対する支持部を有し、支持部の高さCと前記電池カシメ部から前記封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.7以上1.0以下であることを特徴とするコイン形電池用ホルダ。
【選択図】図3
【解決手段】コイン形電池のカシメ部から封口板天面までの高さAと電池缶底面から封口板天面までの高さである電池総高Bの比A/Bが0.35以上0.50以下であることを特徴とする電池と、この電池用ホルダであって、カシメ部に相対する支持部を有し、支持部の高さCと前記電池カシメ部から前記封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.7以上1.0以下であることを特徴とするコイン形電池用ホルダ。
【選択図】図3
Description
本発明はコイン形電池に関し、特に高振動環境下での信頼性を向上させた構造を備えたコイン形電池とコイン形電池用ホルダおよびコイン形電池収納体に関するものである。
ボタン形電池、扁平形電池とも称されるコイン形電池は小型薄型であるため、その特長を活かして腕時計やキーレスエントリーなど小型の電池が要求される機器や、OA機器やFA機器等のメモリバックアップ用途など長期間の電池使用が要求される機器に広く用いられている。さらに各種のメーターや測定用電源にも採用され、その用途は拡大の一途にある。また、電池の使用環境も常温域から低温或いは高温環境下に拡がっている。
コイン形電池は、電池缶内に正極ペレットと負極ペレットとをセパレータを介して対向配置し、電解液を充填したあと、ガスケットを介して電池缶の開口部を封口板でカシメ封口して形成されている。このような構造の電池では、高温度雰囲気下で長期間連続使用された場合に、内圧が高くなりカシメ封口部から漏液する場合がある。
高温度雰囲気下などにおいても優れた耐漏液性を得るための電池構成としては、たとえば特許文献1に記載されているように、封口板として電池缶と逆向きの有底円筒形の開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分に円筒方向への廷出部と、その折返し部とが形成されたものを、また電池缶として底部周辺に少なくとも前記廷出部の内径より小さい外径に段差部が形成されたものを各々用い、ガスケットが段差部の内面上及び折返し部の先端上からフランジ部上に圧縮されるようにカシメ加工を施すことで、ガスケットが段差部の内面上及び折返し部の先端上からフランジ部上で圧縮され確実な封口を可能にする構成が提案されている。
近年、コイン形電池の使用用途は多岐に亘っており、より苛酷な雰囲気下であっても高い信頼性を有する電池が求められている。
そこで、本願発明者らは、高振動環境下においてコイン形電池の信頼性に対する検討を行った。その結果、振動負荷を与え続けることにより、漏液が発生したり、使用機器に設けられたコイン形電池用ホルダ内で電池がずれ、コイン形電池に溶接されたリード端子がはずれたりする場合があることを確認した。
本発明は、苛酷な振動負荷を与え続けた場合においても、漏液や電池のズレに起因するリード端子はずれを抑制し、電池の信頼性を大きく向上させる封口構造を備えたコイン形電池と、この電池を確実にホールドできるコイン形電池用ホルダ、およびコイン形電池をコイン形電池用ホルダに収納したコイン形電池収納体とを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、有底円筒形に形成された一方の電極端子を兼ねる電池缶内に発電要素を収容して、電池缶の開口部にガスケットを介して他方の電極端子を
兼ねる封口板を配し、電池缶の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶の開口部をカシメ封口したコイン形電池であって、電池カシメ部から前記封口板天面までの高さをAとし、前記電池缶底面から前記封口板天面までの高さを電池総高Bとした場合、比率A/Bが0.35以上0.50以下で形成されていることを特徴とするコイン形電池である。
兼ねる封口板を配し、電池缶の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶の開口部をカシメ封口したコイン形電池であって、電池カシメ部から前記封口板天面までの高さをAとし、前記電池缶底面から前記封口板天面までの高さを電池総高Bとした場合、比率A/Bが0.35以上0.50以下で形成されていることを特徴とするコイン形電池である。
また本発明は、請求項1記載のコイン形電池が装着可能なコイン形電池用ホルダであって、前記コイン形電池の電池カシメ部に相対する支持部を有することを特徴とするコイン形電池用ホルダである。
また本発明は、有底円筒形に形成された一方の電極端子を兼ねる電池缶内に発電要素を収容して、電池缶の開口部にガスケットを介して他方の電極端子を兼ねる封口板を配し、電池缶の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶の開口部をカシメ封口したコイン形電池であって、電池カシメ部から前記封口板天面までの高さをAとし、前記電池缶底面から前記封口板天面までの高さを電池総高Bとした場合、比率A/Bが0.35以上0.50以下で形成されたコイン形電池を、前記コイン形電池の電池カシメ部に相対する支持部を有するコイン形電池用ホルダに収納したコイン形電池収納体である。
本構成のコイン形電池およびコイン形電池用ホルダを用いれば、電池カシメ部に相対する支持部によって、コイン形電池が確実にホールドされることになるので、電池のズレに起因する接触不良やリード端子はずれが抑制でき、苛酷な振動環境下においても優れた信頼性をもたらすことができる。また、これらのコイン形電池およびコイン形電池用ホルダを用いたコイン形電池収納体の苛酷な振動環境下における信頼性も高いものとなる。
本発明による第1の発明は、有底円筒形に形成された一方の電極端子を兼ねる電池缶内に発電要素を収容して、電池缶の開口部にガスケットを介して他方の電極端子を兼ねる封口板を配し、電池缶の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶の開口部をカシメ封口したコイン形電池であって、電池カシメ部から封口板天面までの高さをAとし、電池缶底面から封口板天面までの高さを電池総高Bとした場合、比率A/Bが0.35以上0.50以下で形成されていることを特徴とするコイン形電池である。
比率A/Bをこの範囲に設定することにより、コイン形電池用ホルダ内でのホールド性を十分得ることができ、振動吸収性が高くなることから漏液の発生を抑えることができる。
比率A/Bが0.35より小さいと、コイン形電池用ホルダの支持部によるホールド性
が不十分となり振動時の衝撃吸収性が弱まる。また、比率A/Bが0.50より大きい場合、ホールド性は十分得られるが、コイン形電池の内容積が減少し、放電容量が低下して好ましくない。
が不十分となり振動時の衝撃吸収性が弱まる。また、比率A/Bが0.50より大きい場合、ホールド性は十分得られるが、コイン形電池の内容積が減少し、放電容量が低下して好ましくない。
本発明による第2の発明は、第1の発明のコイン形電池が装着可能なコイン形電池用ホルダであって、コイン形電池の電池カシメ部に相対する支持部を有することを特徴とするコイン形電池用ホルダである。支持部を有することによって、コイン形電池の封口板の側面からもホールドすることができ、コイン形電池が確実にホールドされることになるので、電池のズレに起因するリード端子はずれを抑制することができる。
本発明による第3の発明は、第2の発明において、支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.7以上1.0以下であることを特徴とするコイン形電池用ホルダである。
比率C/Aをこの範囲に設定することにより、コイン形電池がより確実にホールドされることになるので、電池のズレに起因するリード端子はずれを抑制することができる。
比率C/Aが0.7より小さいとコイン形電池のホールド性が不十分となり振動時の衝撃吸収性が弱まる。また、比率C/Aが1.0より大きければ、コイン形電池をホルダ内に収納することができない。
本発明による第4の発明は、有底円筒形に形成された一方の電極端子を兼ねる電池缶内に発電要素を収容して、電池缶の開口部にガスケットを介して他方の電極端子を兼ねる封口板を配し、電池缶の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶の開口部をカシメ封口したコイン形電池であって、電池カシメ部から前記封口板天面までの高さをAとし、前記電池缶底面から前記封口板天面までの高さを電池総高Bとした場合、比率A/Bが0.35以上0.50以下で形成されたコイン形電池を、前記コイン形電池の電池カシメ部に相対する支持部を有するコイン形電池用ホルダに収納したコイン形電池収納体である。
このコイン形電池収納体においては、コイン形電池用ホルダに支持部を有することによって、コイン形電池の側面からもホールドすることができ、コイン形電池が確実にホールドされることになるので、電池のズレに起因するリード端子はずれを抑制することができる。
本発明による第5の発明は、第4の発明において、支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.7以上1.0以下であることを特徴とするコイン形電池収納体である。
比率C/Aをこの範囲に設定することにより、コイン形電池がより確実にホールドされることになるので、電池のズレに起因するリード端子はずれを抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施の形態に係るコイン形電池は図1に示すように、浅い有底円筒形の電池缶1内に、正極ペレット2と負極ペレット3がセパレータ4を介して対向配置されており、電解液を充填して、電池缶1の開口部にガスケット5を介して封口板6を配し、電池缶1の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶1の開口部を封口し、コイン形の外観を呈
する電池に構成されている。電池缶1および封口板6にはリード端子12,13が溶接されている。
する電池に構成されている。電池缶1および封口板6にはリード端子12,13が溶接されている。
一方、図1に示したコイン形電池が収納されるコイン形電池用ホルダは図2(a)に示すように、ホルダ容器11の内部の電池のカシメ部に相対する位置に、支持部7が設けられており、封口板6の側面からもホールドできる構成になっている。また、リード端子12,13を外部に引き出すための溝14が設けられている。溝14の深さは、より確実にホールドされるために、リード端子12,13と同等もしくはそれ以上の深さであることが好ましい。
図2(b)はコイン形電池用ホルダの正面図である。ホルダ容器11にはリード端子12,13を外部に引き出すための切り欠き部15が形成されている。図2(c)はホルダ容器11の平面図である。支持部7は切り欠き部15を除き、円周状に形成されている。溝14の幅は大きくすればするほどコイン電池のホールド性も低下することから可能な限りリード端子の幅と同程度の幅であることが好ましい。
上記構成となる電池は、苛酷な振動環境下での使用に対しても耐振動性に優れた特性を発揮する。すなわち、苛酷な振動環境下における使用により、コイン形電池用ホルダ内で電池がわずかな隙間の中で動く力が及ぶが、電池のカシメ部から垂直に突出した封口板6の突出部と、コイン形電池用ホルダの支持部7が形成されていることにより、振動負荷が加わっても電池へ伝わる力が分散され、漏液やリード端子がはずれたりすることが抑制される。
(実施例1)
本実施の形態に係る電池は具体的に次のように作製した。図1に示すように、SUS430を用いて形成された電池缶1に、二酸化マンガンに黒鉛等の導電剤及び結着剤を混合した正極ペレット2と、金属リチウムにより形成した負極ペレット3とを、ポリフェニレンサルファイド不織布によるセパレータ4を挟んで対向配置し、150℃以上の耐熱性を有する非水電解液を充填した。この後、ポリフェニレンサルファイドにより形成されたガスケット5とSUS304により形成された封口板6との間にブロンアスファルトと鉱物油からなる封止剤を塗布して、これを電池缶の開口部に配してカシメ封口することによりコイン形電池を作製した。封口板6と電池缶1には、厚さ0.15mmのリード端子12,13を溶接した。なお、作製した電池の直径は24.5mm、厚さは5.0mm、電気容量は560mAhである。また、比率A/Bは0.50であった。この電池を実施例の電池1とする。
本実施の形態に係る電池は具体的に次のように作製した。図1に示すように、SUS430を用いて形成された電池缶1に、二酸化マンガンに黒鉛等の導電剤及び結着剤を混合した正極ペレット2と、金属リチウムにより形成した負極ペレット3とを、ポリフェニレンサルファイド不織布によるセパレータ4を挟んで対向配置し、150℃以上の耐熱性を有する非水電解液を充填した。この後、ポリフェニレンサルファイドにより形成されたガスケット5とSUS304により形成された封口板6との間にブロンアスファルトと鉱物油からなる封止剤を塗布して、これを電池缶の開口部に配してカシメ封口することによりコイン形電池を作製した。封口板6と電池缶1には、厚さ0.15mmのリード端子12,13を溶接した。なお、作製した電池の直径は24.5mm、厚さは5.0mm、電気容量は560mAhである。また、比率A/Bは0.50であった。この電池を実施例の電池1とする。
(実施例2)
比率A/Bが0.44となるように設計した以外は実施例1と同様にして電池2を作製した。
比率A/Bが0.44となるように設計した以外は実施例1と同様にして電池2を作製した。
(実施例3)
比率A/Bが0.40となるように設計した以外は実施例1と同様にして電池3を作製した。
比率A/Bが0.40となるように設計した以外は実施例1と同様にして電池3を作製した。
(実施例4)
比率A/Bが0.35となるように設計した以外は実施例1と同様にして電池4を作製した。
比率A/Bが0.35となるように設計した以外は実施例1と同様にして電池4を作製した。
(比較例1)
比率A/Bが0.29となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池1を作製した。
比率A/Bが0.29となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池1を作製した。
(比較例2)
比率A/Bが0.25となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池2を作製した。
比率A/Bが0.25となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池2を作製した。
(比較例3)
比率A/Bが0.20となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池3を作製した。
比率A/Bが0.20となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池3を作製した。
(比較例4)
比率A/Bが0.55となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池4を作製した。
比率A/Bが0.55となるように設計した以外は実施例1と同様にして比較電池4を作製した。
コイン形電池用ホルダは、図2に示すように、ポリプロピレン系の樹脂を成型することにより作製した。有底円筒状のホルダ容器11とホルダ蓋10からなる。ホルダ容器11の底部およびホルダ蓋10には、リード端子を外部に引き出すための溝14が設けられている。溝14の深さは0.2mmとした。ここで、支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.7となるように、電池1〜4および比較電池1〜3に対応させて支持部の高さCを変更して作製した。
初めに得られた電池1〜4および比較電池1〜4の耐振動試験と放電試験を行った。
耐振動試験については上記の電池を各100個作製し、上記のホルダ容器11に収納し、ホルダ蓋10をホルダ容器に接着により固定した。そして、リード端子12,13の先端を回路基板16にハンダ付けにより固定し、ホルダ容器11も回路基板16に固定したもので行った。
図3に収納した状態の一例を示す。具体的な条件は200Hzの周波数振動を1時間、X、Y、Zの3方向にそれぞれ実施し、続いて−60℃で1時間、60℃で1時間を1サイクルとした時の熱衝撃試験を360サイクル行った。その後、リード端子はずれの有無と漏液の有無を確認した。放電試験については具体的な条件は、20℃において10kΩで定抵抗放電を行い、電池電圧が2.0V以下になるまでの放電時間より放電容量を算出した。上記の電池を各5個ずつ放電し、平均値の比較を行った。その結果を(表1)に併せて示す。
その結果、電池1〜4においてはリード端子はずれ、漏液共に発生していないのに対して比較電池2、3に関してはリード端子はずれが確認され、また、比較電池1〜3で漏液の発生が確認された。比較電池4においてはリード端子はずれ、漏液共に発生していないが放電容量が他の電池に比べて大幅に低下している。比較電池4を作製時にカシメ封口によって電解液が多量こぼれてしまったことが原因であり、A/Bの比率を大きくしすぎたために電池内容積が低下し、必要量の電解液を封入することができなかったためであると考えられる。
続いてコイン形電池用ホルダについて検証した。電池はすべて(表1)の電池4を使用した。
(実施例5)
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.65となるようにホルダ1を作製した。
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.65となるようにホルダ1を作製した。
(実施例6)
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.70となるようにホルダ2を作製した。
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.70となるようにホルダ2を作製した。
(実施例7)
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.80となるようにホルダ3を作製した。
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.80となるようにホルダ3を作製した。
(実施例8)
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.90となるようにホルダ4を作製した。
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.90となるようにホルダ4を作製した。
(実施例9)
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.95となるようにホルダ5を作製した。
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.95となるようにホルダ5を作製した。
(実施例10)
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが1.00となるようにホルダ6を作製した。
支持部の高さCと電池カシメ部から封口板天面までの高さAとの比率C/Aが1.00となるようにホルダ6を作製した。
(比較例5)
支持部を形成しなかった比較ホルダ1を作製した。
支持部を形成しなかった比較ホルダ1を作製した。
耐振動試験は上記と同様に200Hzの周波数振動を1時間、X、Y、Zの3方向にそれぞれ実施して、正極側(電池缶側)と負極側(封口板側)のリード端子はずれの有無と漏液の有無を確認した。その試験結果を(表2)に示す。
(表2)から明らかなように、支持部が無いものに比べ、支持部があるものはリード端子はずれの発生が少なくなった。また、C/Aが0.7以上において、リード端子はずれが発生しなくなった。
尚、コイン形電池を使用する機器において、機器内部に電池の封口板側に対応する部分に設けられた円周状の支持部が図2(c)のように溝14の部分を除いて連続した円周状を形成しているものを使用したが、連続した円周状に限らず、図5に示すように、断続的に形成したものでもよい。また、図6に示すように、ホルダ容器11の底面から突出した突起状に形成したものであっても本実施例と同様の効果が得られることを確認している。
さらに、本実施例ではコイン形電池の電池缶の底面が平坦な電池缶を使用したが、この電池缶は外径より内側に垂直な段部がある図7に示すような形状のものでも同様の効果が得られることを確認している。
本発明のコイン形電池およびコイン形電池用ホルダは、キーレスエントリーなど小型の電池が要求される機器や、OA機器、FA機器等のメモリバックアップ用途など長期間の電池使用が要求される機器、また車載用途など苛酷な振動条件下で使用される用途等に広く用いることができる。
1 電池缶
2 正極ペレット
3 負極ペレット
4 セパレータ
5 ガスケット
6 封口板
7 支持部
10 ホルダ蓋
11 ホルダ容器
12,13 リード端子
14 溝
15 切り欠き部
16 回路基板
2 正極ペレット
3 負極ペレット
4 セパレータ
5 ガスケット
6 封口板
7 支持部
10 ホルダ蓋
11 ホルダ容器
12,13 リード端子
14 溝
15 切り欠き部
16 回路基板
Claims (5)
- 有底円筒形に形成された一方の電極端子を兼ねる電池缶内に発電要素を収容して、電池缶の開口部にガスケットを介して他方の電極端子を兼ねる封口板を配し、電池缶の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶の開口部をカシメ封口したコイン形電池であって、電池カシメ部から前記封口板天面までの高さをAとし、前記電池缶底面から前記封口板天面までの高さを電池総高Bとした場合、比率A/Bが0.35以上0.50以下で形成されていることを特徴とするコイン形電池。
- 請求項1記載のコイン形電池が装着可能なコイン形電池用ホルダであって、前記コイン形電池の電池カシメ部に相対する支持部を有することを特徴とするコイン形電池用ホルダ。
- 前記支持部の高さCと前記電池カシメ部から前記封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.7以上1.0以下であることを特徴とする請求項2記載のコイン形電池用ホルダ。
- 有底円筒形に形成された一方の電極端子を兼ねる電池缶内に発電要素を収容して、電池缶の開口部にガスケットを介して他方の電極端子を兼ねる封口板を配し、電池缶の開口端を内側に折り曲げるカシメ加工により電池缶の開口部をカシメ封口したコイン形電池であって、電池カシメ部から前記封口板天面までの高さをAとし、前記電池缶底面から前記封口板天面までの高さを電池総高Bとした場合、比率A/Bが0.35以上0.50以下で形成されたコイン形電池を、前記コイン形電池の電池カシメ部に相対する支持部を有するコイン形電池用ホルダに収納したコイン形電池収納体。
- 前記支持部の高さCと前記電池カシメ部から前記封口板天面までの高さAとの比率C/Aが0.7以上1.0以下であることを特徴とする請求項4記載のコイン形電池収納体。
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