JP2011216241A - 非水電解質二次電池用負極活物質及びこれを用いてなる非水電解質二次電池ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極活物質及びこれを用いてなる非水電解質二次電池ならびにこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期充放電効率、負荷特性、及び低温特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】平均粒径が25〜35μmの鱗片状人造黒鉛の表面の少なくとも一部が、非晶質炭素と平均粒径が0.1〜3μmの天然黒鉛とからなる被覆層により被覆されており、前記非晶質炭素と前記天然黒鉛の質量比が95:5〜50:50であり、前記鱗片状人造黒鉛と前記非晶質炭素及び前記天然黒鉛の合計質量との質量比が、99:1〜97:3である非水電解質二次電池用負極活物質。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池の負極活物質の改良に関する。
非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるため、携帯機器の駆動電源として広く利用されている。
従来、非水電解質二次電池に用いる負極活物質として、黒鉛が用いられている。黒鉛には、天然黒鉛と人造黒鉛とがあり、人造黒鉛は、天然黒鉛よりもサイクル特性や安全性に優れるという長所を有するが、天然黒鉛よりも低温特性に劣るという短所を有する。特に、鱗片状人造黒鉛を用いた負極を高容量化のために高い圧力で圧縮すると、リチウムイオンの吸蔵・脱離が起こりにくい黒鉛のベーサル面が集電体(芯体)と平行に配向しやすくなり、これによりリチウムイオンの吸蔵・脱離が阻害されて、低温時や高負荷放電時の放電特性がさらに低下するという問題があった。
このような中、黒鉛粒子を炭素材料で被覆することにより、放電特性を改善する技術が提案されている(特許文献1〜6参照)。
特開2004-127723号公報 特開平4-368778号公報 特開平10-294111号公報 特開2000-90925号公報 特開平11-54123号公報 特開2007-317551号公報
特許文献1は、粒状黒鉛を核材とし、該核材の表面の全部または一部に鱗片状黒鉛を付着させたリチウムイオン二次電池用負極材料を開示している。この技術によると、初期充放電効率、サイクル特性、安全性、急速充放電性、導電性などの特性を改善できるとされる。
特許文献2は、活物質となる炭素の電解液と接する表面を非晶質炭素により覆う技術を開示している。この技術によると、電解液の分解による充電効率の低下、炭素材料の破壊を防止できるとされる。
特許文献3は、粒子の長径aと短径bの比a/bが1≦a/b≦3で平均粒子径が1〜30μmの炭素または黒鉛粉末に、石炭系又は石油系ピッチを表面コートし、表面のピッチを不融化し、解砕(軽度の粉砕)し、炭化、黒鉛化する技術を開示している。この技術によると、充放電容量を増大でき、サイクル特性を向上できるとされる。
特許文献4は、人造黒鉛および天然黒鉛の少なくとも1種と揮発成分を含有する炭素材料との混合物の焼成物からなる負極用炭素材料を開示している。この技術によると、比表面積が小さく、電解液の安定性を阻害することなく、生産コストの低い炭素材料を提供できるとされる。
特許文献5は、(1)広角X線回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37Å未満でかつC軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が少なくとも1000Å以上、(2)アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1のピーク強度比であるR値が0.3以下でかつ1580cm-1ピークの半値幅が24cm-1以下、(3)平均粒径が10〜30μmでかつ一番薄い部分の厚さの平均値が少なくとも3μm以上平均粒径以下、(4)BET法による比表面積が3.5m2/g以上10.0m2/g以下、(5)タッピング密度が0.5g/cc以上1.0g/cc以下、(6)広角X線回折法による(110)/(004)のX線回折ピーク強度比が0.015以上の黒鉛粉末を核とし、その核の表面に炭素前駆体を被覆後、不活性ガス雰囲気下で700〜2800℃の温度範囲で焼成し、炭素質物の表層を形成させた複層構造の炭素質粉末を開示している。この技術によると、高温保存特性や低温放電特性を向上できるとされる。
特許文献6は、天然黒鉛によって表面の少なくとも一部が被覆されているメソカーボンマイクロビーズを負極に用いる技術を開示している。この技術によると、容量が大きく、サイクル特性に優れた二次電池を提供できるとされる。
しかし、これらの技術によっても、低温特性や負荷特性が十分に改善できていない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであって、低温特性及び負荷特性に優れた非水電解質二次電池用負極活物質及びこれを用いてなる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための第1の本発明は、次のように構成されている。
平均粒径が25〜35μmの鱗片状人造黒鉛の表面の少なくとも一部が、非晶質炭素と平均粒径が0.1〜3μmの天然黒鉛とからなる被覆層により被覆されており、前記非晶質炭素と前記天然黒鉛の質量比が95:5〜50:50であり、前記鱗片状人造黒鉛と前記非晶質炭素及び前記天然黒鉛の合計質量との質量比が、99:1〜97:3である非水電解質二次電池用負極活物質。
被覆層に含まれる非晶質炭素は、鱗片状人造黒鉛の低温時や高負荷時のリチウムイオン受け入れ性を向上させるように作用する。また、被覆層に含まれる0.1〜3μmの天然黒鉛もまた、低温時や高負荷時のリチウムイオン受け入れ性を向上させるように作用する。また、鱗片状人造黒鉛が非晶質炭素により完全に被覆されると、初期充放電効率が低下する(不可逆容量が増加する)という問題が生じるが、上記構成では被覆層には非晶質炭素とともに天然黒鉛が含まれるため、鱗片状人造黒鉛が非晶質炭素により完全に被覆されることがなく、初期充放電効率の低下を防止できる。上記第1の本発明の構成では、これらの効果が相乗的に作用して、初期充放電効率の低下を招くことなく、低温特性や負荷特性を向上できる。
ここで、天然黒鉛の平均粒径が小さすぎたり、大きすぎたりする場合には、負荷特性が低下してしまうため、天然黒鉛の平均粒径は、0.1〜3μmとする。
また、核となる鱗片状人造黒鉛の平均粒径が小さすぎると、不可逆容量が大きくなって初期充放電効率が低下する。また、鱗片状人造黒鉛の平均粒径が大きすぎると、良質な被覆層の形成が難しくなり、被覆層による効果が十分に得られなくなる。このため、鱗片状人造黒鉛の平均粒径は、25〜35μmとする。
また、核となる鱗片状人造黒鉛質量に対して、被覆層(天然黒鉛+非晶質炭素)の質量が小さいと、被覆層が薄くなりすぎるため、被覆層による効果が十分に得られなくなる。また、被覆層の質量比が大きいと、被覆層が厚くなりすぎるため、不可逆容量が大きくなって初期充放電効率が低下する。このため、核となる鱗片人造黒鉛と被覆層(非晶質炭素+天然黒鉛)との質量比は、99:1〜97:3とする。
また、被覆層に含まれる天然黒鉛量が少なすぎると、低温特性を十分に向上できない。また、被覆層に含まれる天然黒鉛量が多すぎると、低温特性や負荷特性を十分に向上できない。このため、被覆層の天然黒鉛と非晶質炭素の質量比は、5:95〜50:50とする。
上記課題を解決するための第2の本発明は、上記非水電解質二次電池用負極活物質を用いてなる非水電解質二次電池である。
上記課題を解決するための第3の本発明は、次のように構成されている。
平均粒径が25〜35μmの鱗片状人造黒鉛と、非晶質炭素源としてのピッチと、平均粒径が0.1〜3μmの天然黒鉛と、を混合し、850〜1000℃で焼成して、前記鱗片状人造黒鉛の表面の少なくとも一部を、前記ピッチの炭化物からなる非晶質炭素及び前記天然黒鉛により被覆する被覆工程を備える非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
上記構成によると、鱗片状人造黒鉛とピッチと天然黒鉛とを混合して焼成することにより、鱗片状人造黒鉛表面に非晶質炭素と天然黒鉛とからなる被覆層が形成され、上記第1の本発明と同様の効果が得られる。
上記課題を解決するための第4の本発明は、上記非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法を用いてなる非水電解質二次電池の製造方法である。
上記で説明したように、本発明によると、初期充放電効率、低温特性及び負荷特性に優れた非水電解質二次電池を実現することができる。
本発明を実施するための形態を、以下の実施例を通じて、詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
[実施例1]
〔正極の作製〕
コバルト酸リチウム90質量部と、導電剤としての黒鉛粉末5質量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5質量部と、分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとを混合して、正極活物質スラリーとした。この正極活物質スラリーをドクターブレード法により厚み15μmのアルミニウム製集電体の両面に塗布し、NMPを揮発除去させた後、ロールプレス機により圧延し、切断して正極を得た。
〔負極の作製〕
(負極活物質作製工程)
平均粒径が27μmの鱗片状人造黒鉛と、ピッチと、平均粒径が2μmの天然黒鉛とを、質量比99:0.95:0.05で混合した。この後、900℃で焼成し、ピッチを炭化させて、鱗片状人造黒鉛が非晶質炭素と天然黒鉛とからなる被覆層によりにより被覆された負極活物質となした。なお、レーザ回析式粒度分析装置(SHIMADZU製SALD−2200)により分析し、粒径が小さいものから粒径が大きいものへと積算したときの積算値50%での粒径D50を、平均粒径とした。
上記負極活物質98質量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース1質量部と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム1質量部と、分散媒としての水と、を混合して、負極活物質スラリーとした。この負極活物質スラリーをドクターブレード法により厚み10μmの銅製集電体の両面に塗布し、水を揮発除去させた後、ロールプレス機により圧延し、切断して負極を得た。
なお、正極及び負極の活物質塗布量は、正極と負極とが対向する部分での充電容量比(負極充電容量÷正極充電容量)を1.1となるようにした。
〔電極体の作製〕
上記正極及び負極を、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して巻回し、最外周にポロプロピレン製のテープを貼り付け、この後、プレスして、扁平渦巻電極体とした。
〔非水電解質の調整〕
エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比1:1:8(25℃、1気圧)で混合し、電解質塩としてのLiPFを1.0M(モル/リットル)となるように溶解して、非水電解質となした。
〔電池の組み立て〕
上記扁平電極体を、角形外装缶内に挿入した。この後、注液口を備える封口体により外装缶の開口を封止し、注液口より非水電解質を注液し、この後注液口を封止して、実施例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
[実施例2]
鱗片状人造黒鉛と、ピッチと、天然黒鉛とを、質量比99:0.80:0.20で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例3]
鱗片状人造黒鉛と、ピッチと、天然黒鉛とを、質量比99:0.70:0.30で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例4]
鱗片状人造黒鉛と、ピッチと、天然黒鉛とを、質量比99:0.50:0.50で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例4にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例5]
鱗片状人造黒鉛の平均粒径を35μmとしたこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例5にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例6]
天然黒鉛の平均粒径を3μmとしたこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例6にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例7]
天然黒鉛の平均粒径を0.1μmとしたこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例7にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例8]
鱗片状人造黒鉛と、ピッチと、天然黒鉛とを、質量比97:2.10:0.90で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例8にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[比較例1]
鱗片状人造黒鉛と、ピッチと、天然黒鉛とを、質量比99:0.30:0.70で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[比較例2]
鱗片状人造黒鉛と、天然黒鉛とを、質量比99:1で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[比較例3]
鱗片状人造黒鉛と、ピッチとを、質量比99:1で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[比較例4]
鱗片状人造黒鉛の平均粒径を20μmとしたこと以外は、上記実施例3と同様にして、比較例4にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[比較例5]
天然黒鉛の平均粒径を5μmとしたこと以外は、上記実施例3と同様にして、比較例5にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[比較例6]
鱗片状人造黒鉛と、ピッチと、天然黒鉛とを、質量比95:3.50:1.50で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例6にかかる非水電解質二次電池を作製した。
〈初期充放電効率試験〉
上記実施例1〜8、比較例1〜6と同一の条件で電池を作製し、これらの電池を定電流0.2It(160mA)で電圧が4.2Vとなるまで充電し、その後定電圧4.2Vで電流が0.02It(16mA)となるまで充電した。その後定電流0.2It(160mA)で電圧が2.75Vとなるまで放電した。このときの充電容量と放電容量とを測定し、充放電効率を以下の式により算出した。なお、この充放電は全て25℃条件で行った。この結果を下記表1に示す。
初期充放電効率(%)=放電容量÷充電容量×100
〈低温(0℃)特性試験〉
上記実施例1〜4、比較例1〜3と同一の条件で電池を作製し、これらの電池を25℃条件で定電流0.2It(160mA)で電圧が4.2Vとなるまで充電し、その後定電圧4.2Vで電流が0.02It(16mA)となるまで充電した。その後、25℃条件で定電流0.2It(160mA)で電圧が2.75Vとなるまで放電した。再度上記条件で充電を行い、その後0℃条件で定電流0.2It(160mA)で電圧が2.75Vとなるまで放電した。これらの放電容量を測定し、下記式により低温特性を算出した。この結果を下記表1に示す。
低温特性(%)=0℃放電容量÷25℃放電容量×100
〈負荷特性試験〉
上記実施例1〜4、比較例1〜3と同一の条件で電池を作製し、これらの電池を定電流0.2It(160mA)で電圧が4.2Vとなるまで充電し、その後定電圧4.2Vで電流が0.02It(16mA)となるまで充電した。その後、定電流1It(800mA)で電圧が2.75Vとなるまで放電した。再度上記条件で充電を行い、その後定電流3It(2400mA)で電圧が2.75Vとなるまで放電した。これらの放電容量を測定し、下記式により負荷特性を算出した。なお、この充放電は全て25℃条件で行った。この結果を下記表1に示す。
負荷特性(%)=3It放電容量÷1It放電容量×100
Figure 2011216241
上記表1から、(1)天然黒鉛の平均粒径が、0.1〜3μm、(2)人造黒鉛の平均粒径が、20μmより大きく35μm以下、(3)核となる鱗片状人造黒鉛と被覆層との質量比が、99:1〜97:3、(4)被覆層の天然黒鉛と非晶質炭素の質量比が、5:95〜50:50の4つの条件を全て満たしていれば(実施例1〜8)、初期充放電効率が92.6〜94.7%、低温特性が31.6〜38.6%、負荷特性が91.8〜95.4%と優れていることがわかる。これに対し、上記4条件のうち1つでも満たしていない場合(比較例1〜6)には、初期充放電効率が92%以上、低温特性が30%以上、負荷特性が90%以上の少なくとも1つを満たさないことがわかる。
このような結果が得られた理由は、次のように考えられる。
被覆層に含まれる非晶質炭素は、鱗片状人造黒鉛の低温時や高負荷時のリチウムイオン受け入れ性を向上させるように作用する。また、被覆層に含まれる天然黒鉛もまた、低温時や高負荷時のリチウムイオン受け入れ性を向上させるように作用する。また、非晶質炭素により完全に被覆されると、初期充放電効率が低下する(不可逆容量が増加する)が、被覆層には平均粒径が非晶質炭素とともに天然黒鉛が含まれており、鱗片状人造黒鉛が非晶質炭素により完全に被覆されることがなく、このような問題が生じることがない。これらの効果が相乗的に作用して、初期充放電効率の低下を招くことなく、低温特性や負荷特性を向上できる。
しかしながら、上記(1)の条件を満たしていない場合、次のような問題が生じる。天然黒鉛の平均粒径が大きすぎたり小さすぎたりすると(比較例5)、低温特性が低下する(比較例5では27.8%)。
また、上記(2)の条件を満たしていない場合、次のような問題が生じる。核となる鱗片状人造黒鉛の平均粒径が小さすぎると(比較例4)、不可逆容量が大きくなって初期充放電効率が低下する(比較例4では91.9%)。また、鱗片状人造黒鉛の平均粒径が大きすぎると、良質な被覆層の形成が難しくなり、被覆層による効果が十分に得られなくなる。
また、上記(3)の条件を満たしていない場合、次のような問題が生じる。核となる鱗片状人造黒鉛質量に対して、被覆層(天然黒鉛+非晶質炭素)の質量が小さいと、被覆層が薄くなりすぎるため、被覆層による効果が十分に得られなくなる。また、被覆層の質量比が大きいと(比較例6)、被覆層が厚くなりすぎるため、不可逆容量が大きくなって初期充放電効率が低下する(比較例6では91.8%)。
また、上記(4)の条件を満たしていない場合、次のような問題が生じる。被覆層に含まれる天然黒鉛量が少なすぎると(比較例3)、低温特性を十分に向上できない(比較例3では29.8%)。また、被覆層に含まれる天然黒鉛量が多すぎると(比較例1,2)、低温特性や負荷特性を十分に向上できない(比較例1では低温特性28.3%、負荷特性89.9%、比較例2では低温特性25.3%、負荷特性88.6%)。
(追加事項)
本発明負極活物質に組み合わせて用いる正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物や、これらの化合物に含まれる遷移金属元素の一部を他の金属元素に置換した化合物が好ましい。また、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン酸化合物としては、リン酸鉄リチウムが好ましい。これらを単独で用いることができ、又は複数種混合して用いることもできる。また、正極に炭酸リチウム等の公知の添加剤を添加してもよい。
更に、非水電解質の溶媒としては、プロピレンカーボネート・エチレンカーボネート・ブチレンカーボネート・ビニレンカーボネートに代表される環状カーボネート、γ−ブチロラクトン・γ−バレロラクトンに代表されるラクトン、ジエチルカーボネート・ジメチルカーボネート・エチルメチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン・1,2−ジメトキシエタン・ジエチレングリコールジメチルエーテル・1,3−ジオキソラン・2−メトキシテトラヒドロフラン・ジエチルエーテルに代表されるエーテル等を単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。また、非水電解質の電解質塩としては、LiPF、LiAsF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等を用いることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、初期充放電効率、負荷特性及び低温特性に優れた非水電解質二次電池用負極活物質を提供できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (4)

  1. 平均粒径が25〜35μmの鱗片状人造黒鉛の表面の少なくとも一部が、非晶質炭素と平均粒径が0.1〜3μmの天然黒鉛とからなる被覆層により被覆されており、
    前記非晶質炭素と前記天然黒鉛の質量比が95:5〜50:50であり、
    前記鱗片状人造黒鉛と前記非晶質炭素及び前記天然黒鉛の合計質量との質量比が、99:1〜97:3である非水電解質二次電池用負極活物質。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質を用いてなる非水電解質二次電池。
  3. 平均粒径が25〜35μmの鱗片状人造黒鉛と、非晶質炭素源としてのピッチと、平均粒径が0.1〜3μmの天然黒鉛と、を混合し、850〜1000℃で焼成して、前記鱗片状人造黒鉛の表面の少なくとも一部を、前記ピッチの炭化物からなる非晶質炭素及び前記天然黒鉛により被覆する被覆工程を備える非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  4. 請求項3に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法を備える非水電解質二次電池の製造方法。
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