JP2005340157A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 過充電時の電池内圧及び電池温度の上昇などの異常及びサイクル特性の劣化を抑制できる非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】 負極3、正極4、及び電解質を備える非水電解質二次電池1において、前記電解質として、ビフェニル及び/又はシクロヘキシルベンゼンなどの芳香族化合物を含んだものを用い、前記負極3の活物質として、1質量%以上、20質量%以下の低結晶性炭素によって表面の一部又は全部が被覆された黒鉛を含んだものを用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】 負極3、正極4、及び電解質を備える非水電解質二次電池1において、前記電解質として、ビフェニル及び/又はシクロヘキシルベンゼンなどの芳香族化合物を含んだものを用い、前記負極3の活物質として、1質量%以上、20質量%以下の低結晶性炭素によって表面の一部又は全部が被覆された黒鉛を含んだものを用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、正極、負極、及び電解質を備える非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池は、長時間過充電した場合、非水電解質及び活物質が分解して電池内圧及び電池温度が異常上昇するおそれがある。そのため、過充電時の電池内圧及び電池温度の異常上昇を防止すべく、非水電解質に添加剤を添加することが行われている。非水電解質に添加する添加剤としては、ビフェニルが広く用いられている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−313415号公報
しかし、芳香族化合物は比較的低電位で酸化分解が生じるため、充電時において、ビフェニルが正極で酸化分解され、酸化分解による生成物が正極上に堆積したり、セパレータの目詰まりを生じさせるため、サイクル特性が劣化するという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電解質に芳香族化合物を含ませ、負極に低結晶性炭素で表面の一部又は全部を被覆した黒鉛を含ませることにより、過充電時の異常及びサイクル特性の劣化を抑制できる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、黒鉛の表面の一部又は全部を1質量%以上、20質量%以下の低結晶性炭素で被覆することにより、サイクル特性の劣化を効果的に抑制できる非水電解質二次電池を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、電解質に芳香族化合物を含ませ、負極にアセチレンブラックを含ませることにより、過充電時の異常及びサイクル特性の劣化を抑制できる非水電解質二次電池を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、電解質に1つもしくは2つのベンゼン環、又は、一部が水素化物の1つもしくは2つのベンゼン環を有する化合物を含ませることにより、過充電時の異常を抑制できる非水電解質二次電池を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、電解質にビフェニル又はシクロヘキシルベンゼンの少なくとも1種を含ませることにより、過充電時の異常を抑制できる非水電解質二次電池を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、電解質にビニレンカーボネートを含ませることにより、サイクル特性の劣化を抑制できる非水電解質二次電池を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、負極にカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を含ませることにより、過充電時の異常をさらに抑制することができる非水電解質二次電池を提供することを他の目的とする。
第1発明に係る非水電解質二次電池は、正極、負極、及び電解質を備える非水電解質二次電池において、前記電解質は、芳香族化合物を含み、前記負極は、低結晶性炭素によって表面の一部又は全部が被覆された黒鉛を含むことを特徴とする。
第2発明に係る非水電解質二次電池は、第1発明において、前記被覆された黒鉛は、1質量%以上、20質量%以下の低結晶性炭素で表面の一部又は全部が被覆されていることを特徴とする。
第3発明に係る非水電解質二次電池は、正極、負極、及び電解質を備える非水電解質二次電池において、前記電解質は、芳香族化合物を含み、前記負極は、アセチレンブラックを含むことを特徴とする。
第4発明に係る非水電解質二次電池は、第1〜第3発明の何れかにおいて、前記芳香族化合物は、1つもしくは2つのベンゼン環、又は、一部が水素化物の1つもしくは2つのベンゼン環を有する化合物であることを特徴とする。
第5発明に係る非水電解質二次電池は、第1〜第4発明の何れかにおいて、前記芳香族化合物は、ビフェニル又はシクロヘキシルベンゼンの少なくとも1種であることを特徴とする。
第6発明に係る非水電解質二次電池は、第1〜第5発明の何れかにおいて、前記電解質は、ビニレンカーボネートを含むことを特徴とする。
第7発明に係る非水電解質二次電池は、第1〜第6発明の何れかにおいて、前記負極は、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を含むことを特徴とする。
第1発明においては、負極に含まれる黒鉛の表面の一部又は全部を、黒鉛よりも結晶性の低い低結晶性炭素で被覆した場合、負極の充電時の開回路電位が低下するため、充電時における正極の開回路電位が低下し、電解質に含まれる芳香族化合物の酸化分解は抑制される。そのため、芳香族化合物の酸化分解によるサイクル特性の劣化が抑制される。また、芳香族化合物によって過充電時の電池内圧及び電池温度の異常上昇などが抑制される。
第2発明においては、負極に含まれる被覆された黒鉛が、黒鉛の質量に対して1質量%(以下、被覆量という)未満の低結晶性炭素で被覆されている場合、低結晶性炭素の被覆による効果が十分でない。一方、被覆量が20質量%を超えた場合、黒鉛粒子が硬くなり、負極の充填性が低下してしまう。また、被覆量が20質量%を超えた場合、黒鉛粒子同士又は黒鉛粒子と集電体との密着性が若干低下するため、サイクル特性が低下する。被覆量は1質量%以上20質量%以下が好ましい。
第3発明においては、負極にアセチレンブラックを少量含ませた場合、負極の充電時の開回路電位が低下するため、充電時における正極の開回路電位が低下し、電解質に含まれる芳香族化合物の正極での酸化分解が抑制される。そのため、芳香族化合物の酸化分解によるサイクル特性の劣化が抑制される。また、芳香族化合物によって過充電時の電池内圧及び電池温度の異常上昇などが抑制される。
第4発明においては、ベンゼン環を有する化合物は、黒鉛表面に吸着しやすく、吸着した化合物は黒鉛表面で還元分解されるため、抵抗の高い表面被膜が形成されやすく、負極上にリチウムが電析しやすいが、負極に含まれる黒鉛の表面を低結晶性炭素で被覆した場合、電解質に含まれるベンゼン環を有する化合物の前記黒鉛表面への吸着、及び、ベンゼン環を有する前記化合物の還元分解が抑制される。そのため、芳香族化合物の酸化分解によるサイクル特性の劣化が抑制される。また、芳香族化合物によって過充電時の電池内圧及び電池温度の異常上昇などが抑制される。
第5発明においては、電解質に、ビフェニル又はシクロヘキシルベンゼンの少なくとも1種を含ませた場合、過充電時の電池内圧及び電池温度の異常上昇などが抑制される。
第6発明においては、電解質にビニレンカーボネートを含ませた場合、負極表面に緻密で強固な被膜が形成されるため、電解質に含まれる芳香族化合物の負極表面への吸着、及び、電解質に含まれる芳香族化合物の還元分解が抑制される。そのため、芳香族化合物の酸化分解によるサイクル特性の劣化が抑制される。また、芳香族化合物によって過充電時の電池内圧及び電池温度の異常上昇などが抑制される。
第7発明においては、負極にカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を含ませた場合、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩(NH4 塩CMC)などを含ませる場合と比べて、過充電時に金属リチウムが均一に析出するため、電流密度分布が均一になり、セパレータのシャットダウンが均一に行われる。そのため、過充電時の異常が抑制され、安全性が向上する。また、過充電時の異常が抑制されるため、芳香族化合物の添加量を減少させてサイクル特性の劣化を抑制することができる。金属リチウムが均一に析出する理由としては、Na塩CMCから溶出したNa+ が負極被膜の性状に影響を与えているためと考えられる。また、前記理由として、Na+ からなる負極被膜の熱安定性がNH4 塩の場合よりも良好であるためとも考えられる。また、前記理由として、Na塩CMCから溶出したNa+ が放電時に正極に移動して正極上に被膜を形成し、形成した被膜が過充電時の抵抗となるため、ビフェニルなどの過充電添加剤又は電解液の酸化分解反応が起こりやすく、前記酸化分解反応の発熱によって電池内部温度が上昇しやすくなり、セパレータのシャットダウンを促進するためとも考えられる。
第1、第3発明によれば、過充電時の異常及びサイクル特性の劣化を抑制できる。
第2、第6発明によれば、サイクル特性の劣化をより良好に抑制できる。
第4、第5発明によれば、過充電時の電池内圧及び電池温度の異常上昇などの異常をより良好に抑制できる。
第7発明によれば、過充電時の異常をさらに抑制することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明するが、本発明は、本実施例により、何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池(以下、電池という)の断面図である。図1において、1は電池、2は扁平巻状電極群、3は負極、4は正極、5はセパレータ、6は電池ケース、7は電池蓋、8は安全弁、9は負極端子、10は負極リードである。扁平巻状電極群2は、負極3と正極4とをセパレータ5を介して巻回したものである。電池蓋7は負極端子9及び安全弁8を有し、扁平巻状電極群2は電池ケース6に収容してあり、電池蓋7と電池ケース6とはレーザー溶接されている。負極3は負極リード10を介して負極端子9と接続され、正極4は電池ケース6の内面と接触している。
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池(以下、電池という)の断面図である。図1において、1は電池、2は扁平巻状電極群、3は負極、4は正極、5はセパレータ、6は電池ケース、7は電池蓋、8は安全弁、9は負極端子、10は負極リードである。扁平巻状電極群2は、負極3と正極4とをセパレータ5を介して巻回したものである。電池蓋7は負極端子9及び安全弁8を有し、扁平巻状電極群2は電池ケース6に収容してあり、電池蓋7と電池ケース6とはレーザー溶接されている。負極3は負極リード10を介して負極端子9と接続され、正極4は電池ケース6の内面と接触している。
正極合剤は、活物質としてのLiCoO2 90質量%と、導電助剤としてのアセチレンブラック5質量%と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量%とを混合して正極合剤とし、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させることによりペーストを調製した。調製したペーストを厚さ20μmのアルミニウム集電体に均一に塗布して乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形することにより正極を作製した。
負極合剤は、負極活物質としての炭素材料95質量%と、バインダ(結着剤)としてのカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩(NH4 塩CMC)3質量%及びスチレンブタジエンゴム2質量%とを混合し、蒸留水を適宜加えて分散させ、ペーストを調整した。調製したペーストを厚さ15μmの銅集電体に均一に塗布し、100℃で5時間乾燥させた後、ロールプレスで電極合剤密度が1.4g/ccとなるように圧縮成形することにより負極を作製した。
前記炭素材料は、天然黒鉛の表面の一部又は全部を、天然黒鉛よりも結晶性の低い低結晶性炭素で被覆した炭素材料(以下、被覆黒鉛という)70質量%と、その他の炭素材料としてメソフェーズ系炭素材料(以下、メソフェーズ黒鉛という)30質量%とを含む。前記天然黒鉛は、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.357Åであり、また、アルゴンレーザーラマンによる1580cm-1付近のピークに対する1355cm-1付近のピークの強度比(I1355/I1580)が、0.25であり、さらに、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズLc及びLaは100nm以上であるものを用いた。また、前記被覆黒鉛は、アルゴンレーザーラマンによる1580cm-1付近のピークに対する1355cm-1付近のピークの強度比(I1355/I1580)が0.8である。
前記被覆黒鉛は、トルエンガスを炭素原料として化学蒸着処理法によって、天然黒鉛の表面を、天然黒鉛の質量に対して5質量%(以下、被覆量という)の低結晶性炭素で被覆したものである。化学蒸着処理方法としては、特に限定はされないが、例えば流動床式の化学蒸着処理法、又は、静置式の固定床化学蒸着処理法を用いることが可能である。
流動床式の化学蒸着処理法では、まず黒鉛粒子と不活性ガスとを反応器内に供給して、嵩密度(JIS K5101)が約0.1〜0.5g/cm3 の黒鉛粒子の流動層を形成する。この状態で反応器内を昇温して反応器内が所定温度に到達した後、炭素源を反応器内に供給することによって、黒鉛粒子の表面が低結晶性炭素で被覆される。化学蒸着処理温度は炭素源として用いる有機物の種類によって異なるが、化学蒸着処理温度が850℃未満の場合は、熱分解炭素の析出速度が小さく、化学蒸着処理に長時間を要するので好ましくない。化学蒸着処理温度は特に限定されないが、850〜1200℃が好ましく、より好ましくは900〜1200℃、特に好ましくは950〜1150℃である。
炭素源としては、特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ビフェニル、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環〜3環の芳香族炭化水素、その誘導体、又はその混合物などの有機物を用いることが可能である。また、石炭系のタールの蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、石油系の分解油、ナフサ分解タール油、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素を用いたり、前記脂肪族炭化水素の誘導体であるアルコールを単独で、又は混合物として用いたり、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブタジエン、アセチレン等の二重結合又は三重結合を有する有機物を用いることが可能である。
なお、化学蒸着処理において、反応器内に供給する炭素源としての有機物は、不活性ガスで希釈した混合ガスの形態で供給することが好ましい。不活性ガスとしては、特に限定されないが、窒素又はアルゴン等を用いることが可能である。混合ガス中の有機物のモル濃度は、好ましくは2〜80%、さらに好ましくは5〜70%である。混合ガス中の有機物のモル濃度が2%未満の場合は、化学蒸着処理に長時間を要するので好ましくない。一方、混合ガス中の有機物のモル濃度が80%を超える場合は、炭素粒子表面を低結晶性炭素で被覆した後に、低結晶性炭素が炭素粒子表面から剥がれ落ち易くなるため好ましくない。以上の諸条件を適宜選択して化学蒸着処理を行うことにより、黒鉛粒子表面を低結晶性炭素で被覆することができる。なお、被覆に用いる低結晶性炭素の量(被覆量)は、化学蒸着処理時間により調節することができる。
また、静置式の固定床化学蒸着処理法では、例えば石英管中の黒鉛板上に黒鉛粒子を静置して、石英管内に炭素源となる有機物と希釈ガスとからなる混合ガスを供給しながら有機物の熱分解温度以上に加熱する。なお、炭素源となる有機物の種類、希釈ガスの種類、混合ガス中の有機物のモル濃度、及び、処理温度は、上述の流動床式の化学蒸着処理法と同様である。
セパレータ5としては、厚さ20μm程度の微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。電解質には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比が3:7の混合溶媒にLiPF6 を1.1mol/l溶解させたものに、ビフェニルを2質量%添加した非水電解質を用いた。電池1のサイズは、幅30mm、厚さ4.2mm、高さ50mmであり、容量は600mAhである。
(実施例2)
電解質へのビフェニルの添加量を0.1質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質へのビフェニルの添加量を0.1質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例3)
電解質へのビフェニルの添加量を0.5質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質へのビフェニルの添加量を0.5質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例4)
電解質へのビフェニルの添加量を1質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質へのビフェニルの添加量を1質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例5)
電解質へのビフェニルの添加量を3.5質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質へのビフェニルの添加量を3.5質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例6)
電解質へのビフェニルの添加量を5質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質へのビフェニルの添加量を5質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例7)
電解質への添加剤を2質量%のシクロヘキシルベンゼンにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質への添加剤を2質量%のシクロヘキシルベンゼンにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例8)
電解質への添加剤を2質量%の2−フルオロアニソールにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質への添加剤を2質量%の2−フルオロアニソールにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例9)
電解質への添加剤を2質量%のターシャルアミルベンゼンにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質への添加剤を2質量%のターシャルアミルベンゼンにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例10)
電解質への添加剤を2質量%の4フルオロジフェニルエーテルにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質への添加剤を2質量%の4フルオロジフェニルエーテルにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例11)
電解質への添加剤を2質量%の2−フルオロビフェニルにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質への添加剤を2質量%の2−フルオロビフェニルにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例12)
電解質への添加剤を2質量%のビフェニル及び2質量%のシクロヘキシルベンゼンにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質への添加剤を2質量%のビフェニル及び2質量%のシクロヘキシルベンゼンにしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例13)
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を0.5質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1付近のピークに対する1355cm-1付近のピークの強度比(I1355/I1580)が0.48であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を0.5質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1付近のピークに対する1355cm-1付近のピークの強度比(I1355/I1580)が0.48であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例14)
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を1質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が0.52であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を1質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が0.52であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例15)
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を2質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が0.55であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を2質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が0.55であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例16)
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を10質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.0であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を10質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.0であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例17)
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を15質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.2であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を15質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.2であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例18)
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を20質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.4であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を20質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.4であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例19)
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を25質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.6であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛の低結晶性炭素による被覆量を25質量%にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が1.6であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例20)
被覆黒鉛における天然黒鉛の表面を低結晶性炭素で被覆する方法をピッチ被覆にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が0.76であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
被覆黒鉛における天然黒鉛の表面を低結晶性炭素で被覆する方法をピッチ被覆にしたこと、及び、被覆黒鉛のアルゴンレーザーラマンによる強度比(I1355/I1580)が0.76であること以外は実施例1と同様に電池を作製した。
なお、黒鉛粒子をピッチに浸漬して、不活性雰囲気中で熱処理するピッチ被覆では、まず、黒鉛粒子をピッチに温度10〜300℃程度で、好ましくは100〜200℃程度で、5〜60分程度、好ましくは10〜30分程度浸漬する。その際使用するピッチは、石炭、石油、又は木材などの有機物の乾留によって得られるタールを蒸留したときの釜残油であれば特に限定されず、例えばコールタールピッチ又は石油ピッチ等を使用することが可能である。次に、ピッチから、黒鉛粒子を分離した後に、有機溶媒を加えて10〜300℃程度、好ましくは10〜100℃程度で洗浄処理する。そして、不活性雰囲気中で黒鉛粒子表面に被覆したピッチを炭化することにより、低結晶性炭素で表面が被覆された黒鉛(被覆黒鉛)が得られる。
ここで、洗浄用の有機溶媒としては特に限定されず、例えばトルエン、メタノール、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、メチルナフタレン、タール中油などを使用することが可能である。なお、被覆に用いる低結晶性炭素の量(被覆量)は、洗浄に使用する有機溶媒の種類、洗浄時間、洗浄温度等により調整することができる。不活性雰囲気中でのピッチを炭化する温度は、特に限定されないが、例えば600〜1500℃であり、好ましくは800〜1200℃であり、さらに好ましくは900〜1000℃である。また、炭化処理時間も特に限定されないが、1〜20時間程度、好ましくは3〜12時間程度である。
(実施例21)
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を10質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を90質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を10質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を90質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例22)
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を30質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を70質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を30質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を70質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例23)
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を50質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を50質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を50質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を50質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例24)
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を80質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を20質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を80質量%にし、他の炭素材料であるメソフェーズ系黒鉛の含有量を20質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例25)
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を100質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を100質量%にしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例26)
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を80質量%にし、他の炭素材料を20質量%の鱗片状黒鉛としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を80質量%にし、他の炭素材料を20質量%の鱗片状黒鉛としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例27)
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を98質量%にし、他の材料を2質量%のアセチレンブラックとしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質としての炭素材料における被覆黒鉛の含有量を98質量%にし、他の材料を2質量%のアセチレンブラックとしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例28)
電解質に、2質量%のビフェニル、及び、0.5質量%のビニレンカーボネート(VC)を添加したこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
電解質に、2質量%のビフェニル、及び、0.5質量%のビニレンカーボネート(VC)を添加したこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例29)
負極活物質として、低結晶性炭素によって被覆されていない天然黒鉛を用い、天然黒鉛の含有量を98質量%とし、他の材料を2質量%のアセチレンブラックとしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質として、低結晶性炭素によって被覆されていない天然黒鉛を用い、天然黒鉛の含有量を98質量%とし、他の材料を2質量%のアセチレンブラックとしたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例30)
負極のバインダ(結着剤)として、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を3質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極のバインダ(結着剤)として、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を3質量%としたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(実施例31)
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を3質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を3質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
(実施例32)
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を0.5質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を0.5質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
(実施例33)
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を1質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を1質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
(実施例34)
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を2質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を2質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
(実施例35)
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を4質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
負極のバインダとして、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用い、Na塩CMCの含有量を4質量%としたこと以外は実施例28と同様に電池を作製した。
(比較例1)
負極活物質として低結晶性炭素によって被覆されていない天然黒鉛を用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
負極活物質として低結晶性炭素によって被覆されていない天然黒鉛を用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
(比較例2)
芳香族化合物が添加されていない電解質を用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
芳香族化合物が添加されていない電解質を用いたこと以外は実施例1と同様に電池を作製した。
これらの各実施例および各比較例の電池について、充放電サイクル試験及び過充電試験を行った。まず、各実施例および各比較例毎に同じ条件の電池を10セル作製し、これらの電池を、電流600mAで電圧4.2Vまで3時間定電流定電圧充電し、その後、電流600mAで電圧3Vまで放電を行い、初期の放電容量を測定した。
充放電サイクル試験は、初期の放電容量を測定した10セルのうち5セルに対し、同様の充放電を500サイクル繰返し、500サイクル目の放電容量を測定し、容量保持率(%)を算出し、5セルの平均値を求めた。ここで、容量保持率は、初期の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の比率(%)である。なお、容量保持率(サイクル特性)が80%以上の電池を良好とし、80%未満の電池を不良とした。
過充電試験は、初期の放電容量を測定した10セルのうち残りの5セルに対し、電流600mAで電圧4.2Vまで3時間定電流定電圧充電し、その後、電流600mAで3時間過充電を行い、過充電中に異常発熱などの異常が生じたセル数を記録した。また、実施例1,28,30〜35の電池については夫々別途5セルを用意し、電流1Aで同様の過充電を行い、異常が生じたセル数を記録した。試験結果を表1−1〜1−3に示す。
実施例1〜35のように、電解質に芳香族化合物を添加し、負極活物質として被覆黒鉛を用いた場合、何れも80%以上の容量保持率(サイクル特性)を確保しており、しかも、何れも異常電池数がゼロである。一方、比較例1のように、負極活物質として、低結晶性炭素によって被覆されていない天然黒鉛を用いた場合、異常電池数はゼロであるが、容量保持率は実施例1〜35と比べて大幅に低下している。また、比較例2のように、電解質に芳香族化合物を添加していない場合、容量保持率は良好であるが、全ての電池に異常が生じている。
実施例1〜6のように、ビフェニルの添加量が0.1〜5質量%の場合は、何れも80%以上の容量保持率を確保しており、また、何れも異常電池数がゼロである。また、実施例13〜19のように、被覆黒鉛の被覆量が0.5〜25質量%の場合、何れも80%以上の容量保持率を確保しており、また、何れも異常電池数がゼロである。被覆黒鉛の被覆量が1〜20質量%の場合は、何れも85%以上の容量保持率を確保している。
実施例1及び20に見られるように、被覆黒鉛の被覆方法は、ピッチ被覆よりも容量保持率が良好な化学蒸着法の方が好ましい。これは、化学蒸着法の方が、容易に黒鉛表面を低結晶性炭素で均一に被覆できるためである。また、実施例1、21〜25に見られるように、被覆黒鉛の含有量が80質量%までは、含有量が多くなるに従って容量保持率が向上している。被覆黒鉛の含有量が100質量%の場合は、若干容量保持率の低下が認められる。これは、被覆量が4質量%以上の場合は、黒鉛粒子同士、又は、黒鉛粒子と集電体との導電性が低下するためであり、実施例26又は27のように、導電助剤として、鱗片状黒鉛又はアセチレンブラックなどを少量添加することがより好ましい。その中でも、正極の開回路電位をより低電位とすることが可能なアセチレンブラックが特に好ましい。また、実施例28に見られるように、ビニレンカーボネート(VC)を添加した場合、容量保持率が向上する。
また、実施例29のように、電解質に芳香族化合物を添加し、負極活物質として、低結晶性炭素によって被覆されていない天然黒鉛とアセチレンブラックとを用いた場合、80%以上の容量保持率を確保しており、しかも異常電池数はゼロである。
また、実施例1,28のように負極のバインダ(結着剤)にカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩(NH4 塩CMC)を用いた場合は1Aの過充電で両方の電池に異常が生じているが、実施例30〜35のように負極のバインダにカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(Na塩CMC)を用いた場合は1Aの過充電でも異常は生じておらず、安全性がより向上している。また、実施例31〜35において、Na塩CMCの添加量が1〜3質量%の場合の容量保持率は90%以上であるが、Na塩CMCの添加量が1質量%未満又は3質量%よりも大きい場合の容量保持率は90%未満となっている。Na塩CMCの添加量が0.5質量%未満の場合、増粘効果が低下してペーストの安定性が低下し、またサイクル特性も低下する傾向にある。また、Na塩CMCの添加量が4質量%より大きい場合、電池充電時に負極表面にリチウムが多く電析し、サイクル特性が低下する傾向にある。Na塩CMCの添加量は、0.5〜4質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
ここで、負極の活物質に用いる黒鉛粒子は、上述した実施例に限定はされないが、天然黒鉛又は人造黒鉛が好ましく、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.354〜3.4Åであり、アルゴンレーザーラマンによる1580cm-1付近のピークに対する1355cm-1付近のピークの強度比(I1355/I1580)が0.40以下であり、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズLc及びLaは100nm以上であるものが好ましい。
また、前記黒鉛粒子の表面の一部又は全部を低結晶性炭素で被覆した被覆黒鉛は、上述した実施例に限定はされないが、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.354〜3.4Åであり、かつアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1付近のピークに対する1355cm-1付近のピークの強度比(I1355/I1580)が0.45以上であるものが好ましい。
前記黒鉛粒子の被覆方法は、上述した実施例に限定はされないが、化学蒸着処理法(気相、液相、固相いずれも)が好ましい。被覆の均一性又は有効性を考えると、流動床式の化学蒸着処理法が特に好ましい。また、気相、液相、固相の原料を用いて被覆したもの全てを単独あるいは併用して用いることが可能である。
被覆黒鉛における低結晶性炭素による被覆量は、被覆の形態又は黒鉛によって異なるが、0.1質量%以上被覆すると本発明の効果を得ることができる。被覆量の上限は特にないが、被覆量が多い場合、被覆に用いる低結晶性炭素によって粒子自体が硬くなり、負極の充填性が低下したり、それにともない、粒子同士、及び、粒子と集電体との導電性が低下したり、また、充放電の電圧挙動が変化したりする場合があるため、被覆量は20質量%以下が好ましく、より好ましい被覆量は1質量%以上、20質量%以下である。
負極活物質に含まれる被覆黒鉛の含有量は高い方が好ましいが、芳香族化合物の量、又は、要求される電池の性能に応じて適宜選択することができる。負極活物質中の被覆黒鉛の含有量は、上述した実施例に限定はされないが、40質量%以上が好ましく、特に好ましいのは50質量%から98質量%である。
被覆黒鉛以外の負極活物質については、上述した実施例に限定はされないが、好ましくは天然黒鉛、人造黒鉛(MCMB又はMCFなどのメソフェーズ系黒鉛)、リチウムを吸蔵放出する金属又は金属酸化物を用いることが可能であり、メソフェーズ系黒鉛(MCMB又はMCF)が特に好ましい。
前記被覆量が4質量%以上の場合、低結晶性炭素によって活物質同士の導電性が低下するために、導電性を向上させる導電助剤を添加することが好ましい。導電助剤は、一般に使用されている黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF(気相成長炭素)等を用いることが可能であり、特に好ましい量は2質量%〜20質量%である。導電助剤としてさらに好ましいのは、黒鉛よりも結晶性が低く、満充電時の開回路電位が低電位であるカーボンブラック、アセチレンブラック、又はケッチェンブラックである。添加量は、使用する負極活物質又はバインダによっても異なるが、導電性を維持するためには一般的に0.5質量%〜10質量%が好ましく、2質量%〜5質量%がより好ましい。
負極のバインダについては、上述した実施例に限定はされないが、密着性又は電池性能を考えると、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの一部をカルボキシ変性したもの、スチレンブタジエンゴム、又はカルボキシメチルセルロースなどが好ましい。特に、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースとの混合物を使用した際に、本発明の効果が大きい。
電解質に添加される芳香族化合物としては、上述した実施例に限定はされず、例えばクメン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、1−メチルプロピルベンゼン、1,3−ビス(1−メチルプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(1−メチルプロピル)ベンゼン、シクロペンチルベンゼン、2−ブロモビフェニル、又は、2−クロロビフェニルなどを用いることが可能である。
1 電池(非水電解質二次電池)
2 扁平巻状電極群
3 負極
4 正極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 負極端子
10 負極リード
2 扁平巻状電極群
3 負極
4 正極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 負極端子
10 負極リード
Claims (7)
- 正極、負極、及び電解質を備える非水電解質二次電池において、
前記電解質は、芳香族化合物を含み、
前記負極は、低結晶性炭素によって表面の一部又は全部が被覆された黒鉛を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記被覆された黒鉛は、1質量%以上、20質量%以下の低結晶性炭素で表面の一部又は全部が被覆されていることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 正極、負極、及び電解質を備える非水電解質二次電池において、
前記電解質は、芳香族化合物を含み、
前記負極は、アセチレンブラックを含むことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記芳香族化合物は、1つもしくは2つのベンゼン環、又は、一部が水素化物の1つもしくは2つのベンゼン環を有する化合物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の非水電解質二次電池。
- 前記芳香族化合物は、ビフェニル又はシクロヘキシルベンゼンの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の非水電解質二次電池。
- 前記電解質は、ビニレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極は、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2004130287 | 2004-04-26 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-10-07 JP JP2004295259A patent/JP2005340157A/ja not_active Withdrawn
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