JP2008010337A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高エネルギー密度で、長期にわたって高温放置にさらされた状態でも、高い放電容量を維持する非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、負極活物質は炭素質材料であって、かつ、電池の充電状態における25℃でのLi−NMR分析において、基準物質であるLiClの共鳴線に対して、低磁場側に10〜40ppmシフトした共鳴ピーク(A)と55〜130ppmシフトした共鳴ピーク(B)を少なくとも有し、共鳴ピーク(A)と共鳴ピーク(B)の強度の合計に対する共鳴ピーク(A)の強度の比が8%以上91%以下であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は非水電解質二次電池に関するものである。
民生用の携帯電話、ポータブル機器や携帯情報端末などの急速な小型軽量化・多様化に伴い、その電源である電池に対して、小型で軽量かつ高エネルギー密度で、さらに長期間繰り返し充放電が実現できる二次電池の開発が強く要求されている。なかでも、水溶液系電解液を使用する鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、これらの欲求を満たす二次電池としてリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池が最も有望であり、活発な研究がおこなわれている。
非水電解質二次電池の負極活物質には、金属リチウム、リチウム合金、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料などの種々のものが検討されているが、なかでも炭素材料を使用すると、サイクル寿命の長い電池が得られ、かつ安全性が高いという利点がある。
その中でも、グラファイトは真密度が高く、粒子が軟質であり、初期不可逆容量が比較的小さいために、高エネルギー密度化の要求が高い民生用の携帯電話、ポータブル機器や携帯情報端末用の電池用負極活物質として、実用化されている。
一方、コークスやハードカーボンに代表される非晶質炭素は、グラファイトに比べて真密度が低く、また、粒子が硬いうえに塊状であり、初期不可逆容量が比較的大きいために、高エネルギー密度化の要求が高い電池には不向きであるが、これらの非晶質炭素の充放電曲線がなだらかであり、電解液との反応性が比較的低いことから、入出力特性、サイクル寿命特性、および高温放置特性の要求が高い電池には非常に有望である。
リチウムイオン二次電池において、入出力特性、サイクル寿命特性、および高温放置特性を向上させるために、正極材料、負極材料、非水電解質、セパレータの開発が進められており、特に負極活物質に非晶質炭素を用いる方法が近年盛んに研究されている。なお「入出力特性」とは、充電時あるいは放電時の電池の直流抵抗のことであり、この値が小さいものが入出力特性に優れていることを示唆している。
中でも、リチウムをドープした炭素質材料のLi−NMR分析をおこなったときに観測されるピーク位置を制御することで、電池性能を改善させる研究がさかんにおこなわれている。
特許文献1はその例であり、石油系または石炭系のタールやピッチを架橋処理した後、減圧下で加熱して炭素化し、または、椰子殻を減圧下で加熱して炭素化し、Li−NMR分析における基準物質LiClの共鳴線に対して低磁場側に80〜115ppmシフトした主共鳴ピークが観測される炭素材料を用いることにより、高エネルギー密度で、サイクル寿命特性が良好なリチウムイオン二次電池が得られることが開示されている。
特許文献2では、縮合多環式化合物と窒素、硫黄、酸素などを有する化合物との反応により得られた原料有機化合物を焼成して得られ、リチウム原子核のNMRスペクトルにおけるシフト値が、−40℃では10〜20ppmおよび110〜140ppmの2種類のピークが観測され、27℃では100〜120ppmにピークが観測される、非水溶媒二次電池負極用炭素材料が開示されている。
特許文献3では、リチウムと合金化可能な異種元素(Mg、B、Alなど)を含む炭素材料で、Li−NMR分析における基準物質LiClの共鳴線に対して低磁場側に50〜200ppmシフトしたピークと0〜50ppmシフトしたピークの2種の共鳴ピークが観測される二次電池用電極材料が開示されている。
特許文献4では、リチウム二次電池用負極として、黒鉛粒子の表面に結晶性炭素の被覆層を形成した黒鉛−炭素複合材料を用いる技術が開示され、この黒鉛−炭素複合材料にリチウムをインターカレーションした状態でLi−NMRスペクトルを測定した場合、黒鉛粒子にインターカレーションしたリチウムイオンに由来するケミカルシフトが40〜50ppmに、被覆層の結晶性炭素にインターカレーションしたリチウムイオンに由来するケミカルシフトが10〜20ppmに観測されることが報告されている。
特許第3502669号公報 特開平09−007598号公報 特開平11−097014号公報 特開2004−087227号公報
近年では、従来から重要視されてきた高エネルギー密度であることやサイクル寿命特性が良好であること以外に、長期にわたって高温放置にさらされた状態でも、高い放電容量を維持する非水電解質二次電池の要求が高まってきている。
非水電解質二次電池の高温放置時の放電容量の減少は、電極上での非水電解質の分解反応によるところが大きく、なかでも負極上での分解反応が主な原因の1つであり、この問題を解決するために、負極の観点からも活発な検討がなされてきたものの、その具体的な手段が見出されていない。
特許文献1に記載の炭素材料は、Li−NMR分析において主共鳴ピークのみが観測される炭素材料であり、特許文献2に記載の炭素材料は、27℃では1本のピークのみが観測される炭素材料である。
また、特許文献3の電極材料では、Li−NMR分析における0〜50ppmシフトしたピークは、異種元素粒子に吸蔵されたリチウムによるものである。
なお、特許文献4には、黒鉛を低結晶性炭素で被覆した黒鉛−炭素複合材料にインターカレーションしたリチウムイオンに由来するケミカルシフトが10〜20ppmと90〜120ppmに観測されることが記載されているが、これらのピーク強度比についての記載はなかった。
さらに、特許文献1〜4においては、Li−NMR分析において特定のケミカルシフトを示す炭素材料を用いているが、いずれの特許文献においても、高温放置特性について検討した結果は報告されていない。
そこで本発明の目的は、高エネルギー密度で、長期にわたって高温放置にさらされた状態でも、高い放電容量を維持する非水電解質二次電池を提供することにある。
請求項1の発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、負極活物質は炭素質材料であって、かつ、電池の充電状態における25℃でのLi−NMR分析において、基準物質であるLiClの共鳴線に対して、低磁場側に10〜40ppmシフトした共鳴ピーク(A)と55〜130ppmシフトした共鳴ピーク(B)を少なくとも有し、共鳴ピーク(A)と共鳴ピーク(B)の強度の合計に対する共鳴ピーク(A)の強度の比が8%以上91%以下であることを特徴とする。
請求項2の発明は、上記非水電解質二次電池において、負極活物質の真密度が1.61g/cm以上、1.96g/cm以下であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、高容量で、長期間にわたって高温放置にさらされた場合でも、放電容量の低下の小さい非水電解質二次電池を得ることができる。
請求項2の発明によれば、真密度が1.61g/cm以上、1.96g/cm以下の炭素材料を用いることによって、理由は不明であるが、長期間高温放置にさらされた場合でも、放電容量の低下のより小さい非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、負極活物質は炭素質材料であって、かつ、電池の充電状態における25℃でのLi−NMR分析において、基準物質であるLiClの共鳴線に対して、低磁場側に10〜40ppmシフトした共鳴ピーク(A)と55〜130ppmシフトした共鳴ピーク(B)を少なくとも有し、共鳴ピーク(A)と共鳴ピーク(B)の強度の合計に対する共鳴ピーク(A)の強度の比(以下では単に「A/(A+B)共鳴ピーク強度比」とする)が8%以上91%以下であることを特徴とするものである。
本発明おいて、「充電状態」とは、充電終止電圧を4.2Vとするまで定電流定電圧充電をおこなった状態のことをいう。これは、市販されているリチウムイオン二次電池が、4.2Vに設定されているためである。なお、充電方法が指定されている場合にはそれにしたがうものとする。
本発明において、炭素材料のLi−NMRはつぎの条件で測定した。充電状態の電池を解体して得られた負極の25℃でのLi−NMR分析について説明する。アルゴン置換グローブボックス中で、解体して得られた負極をジメチルカーボネートで洗浄し、25℃の真空乾燥を2時間おこなったものを試料とした。試料を空気に触れさせないように、分析装置に導入し、基準物質として、1MLiCl水溶液を用い、Nガス雰囲気下、5.0kHzの試料回転数で測定をおこなった。その時に観察されたピークのうち、低磁場側に10〜40ppmシフトした共鳴ピーク(A)と50〜130ppmシフトした共鳴ピーク(B)の強度の合計を100とし、共鳴ピーク(A)の強度比(A/(A+B)共鳴ピーク強度比)を算出した。
すなわち、共鳴ピーク(A)を有する活物質は、真密度が高く、電池の高容量化が可能であり、また共鳴ピーク(B)を有する活物質は、電解液との反応性が低いため、そのピーク強度比を最適化された範囲にすることで、高い放電容量と良好な高温放置特性の両立が可能となる。
A/(A+B)共鳴ピーク強度比が8%より小さい場合には、放電容量が500mAhを下回る、あるいは容量保持率が80%を下回ってしまい、それらの両立が不十分であった。一方、A/(A+B)共鳴ピーク強度比が91%より大きい場合には、容量保持率が非常に小さいものであった。
本発明の非水電解質二次電池の負極材料には、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料を用いる。この炭素材料の例としては、コークス類(石油コークス、ピッチコークス、石炭コークスなど)、ハードカーボン類、熱分解炭素類、炭素繊維、ガラス状炭素類が挙げられる。
A/(A+B)共鳴ピーク強度比が8%以上91%以下である炭素質材料は、これらの炭素材料を2種以上混合するか、あるいは、これらの炭素材料の表面を低結晶性炭素で被覆することによって得ることができる。
2種以上の炭素材料を混合する場合には、入出力特性やサイクル寿命特性が優れていることから、コークス類とハードカーボン類との混合物を用いることが好ましい。
また、ハードカーボンあるいはコークスに低結晶性炭素を被覆したものを用いてもよい。被覆方法としては、化学蒸着処理法あるいはピッチ被覆法が挙げられ、中でも、化学蒸着処理法は、高温放置特性の観点から、特に好ましい。
化学蒸着処理方法としては、特に限定はされないが、例えば流動床式の化学蒸着処理法、又は、静置式の固定床化学蒸着処理法を用いることが可能である。流動床式の化学蒸着処理法では、まず炭素粒子と不活性ガスとを反応器内に供給して、嵩密度(JIS K5101)が約0.1〜0.5g/cmの炭素粒子の流動層を形成する。この状態で反応器内を昇温して反応器内が所定温度に到達した後、炭素源を反応器内に供給することによって、炭素粒子の表面が低結晶性炭素で被覆される。
化学蒸着処理温度は炭素源として用いる有機物の種類によって異なるが、化学蒸着処理温度が850℃未満の場合は、熱分解炭素の析出速度が小さく、化学蒸着処理に長時間を要するので好ましくない。化学蒸着処理温度は特に限定されないが、850〜1200℃が好ましく、より好ましくは900〜1200℃、特に好ましくは950〜1150℃である。
炭素源としては、特に限定はされないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ビフェニル、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環〜3環の芳香族炭化水素、その誘導体、又はその混合物などの有機物を用いることが可能である。また、石炭系のタールの蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、石油系の分解油、ナフサ分解タール油、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素を用いたり、前記脂肪族炭化水素の誘導体であるアルコールを単独で、又は混合物として用いたり、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブタジエン、アセチレン等の二重結合又は三重結合を有する有機物を用いることが可能である。
なお、化学蒸着処理において、反応器内に供給する炭素源としての有機物は、不活性ガスで希釈した混合ガスの形態で供給することが好ましい。不活性ガスとしては、特に限定されないが、窒素又はアルゴン等を用いることが可能である。
混合ガス中の有機物のモル濃度は、好ましくは2〜80%、さらに好ましくは5〜70%である。混合ガス中の有機物のモル濃度が2%未満の場合は、化学蒸着処理に長時間を要するので好ましくない。一方、混合ガス中の有機物のモル濃度が80%を超える場合は、炭素粒子表面を低結晶性炭素で被覆した後に、低結晶性炭素が炭素粒子表面から剥がれ落ち易くなるため好ましくない。
以上の諸条件を適宜選択して化学蒸着処理を行うことにより、炭素粒子表面を低結晶性炭素で被覆することができる。なお、被覆に用いる低結晶性炭素の量(被覆量)は、化学蒸着処理時間により調節することができる。
また、静置式の固定床化学蒸着処理法では、例えば石英管中の黒鉛板上に炭素粒子を静置して、石英管内に炭素源となる有機物と希釈ガスとからなる混合ガスを供給しながら有機物の熱分解温度以上に加熱する。なお、炭素源となる有機物の種類、希釈ガスの種類、混合ガス中の有機物のモル濃度、及び、処理温度は、上述の流動床式の化学蒸着処理法と同様である。
炭素粒子をピッチに浸漬して、不活性雰囲気中で熱処理するピッチ被覆法では、まず、炭素粒子をピッチに温度10〜300℃程度で、好ましくは100〜200℃程度で、5〜60分程度、好ましくは10〜30分程度浸漬する。その際使用するピッチは、石炭、石油、又は木材などの有機物の乾留によって得られるタールを蒸留したときの釜残油であれば特に限定されず、例えばコールタールピッチ又は石油ピッチ等を使用することが可能である。
次に、ピッチから、炭素粒子を分離した後に、有機溶媒を加えて10〜300℃程度、好ましくは10〜100℃程度で洗浄処理する。そして、不活性雰囲気中で炭素粒子表面に被覆したピッチを炭化することにより、低結晶性炭素で表面が被覆された炭素(被覆黒鉛)が得られる。
ここで、洗浄用の有機溶媒としては特に限定されず、例えばトルエン、メタノール、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、メチルナフタレン、タール中油などを使用することが可能である。なお、被覆に用いる低結晶性炭素の量(被覆量)は、洗浄に使用する有機溶媒の種類、洗浄時間、洗浄温度等により調整することができる。不活性雰囲気中でのピッチを炭化する温度は、特に限定されないが、例えば600〜1500℃であり、好ましくは800〜1200℃であり、さらに好ましくは900〜1000℃である。また、炭化処理時間も特に限定されないが、1〜20時間程度、好ましくは3〜12時間程度である。
本発明においては、負極活物質に炭素材料を用い、この炭素材料の真密度の範囲を1.61g/cm以上、1.96g/cm以下とした場合に、高温放置特性がより優れた非水電解質二次電池を得ることができる。なお、炭素材料の真密度の測定は、ブタノールを用いたピクノメータ法でおこなった。
炭素材料の真密度が1.61g/cmより小さい場合には、電池容量を確保するために、所定の負極合材密度を得るのに高いプレス圧力を必要とする。そのため、粒子同士あるいは粒子と集電体間の密着性が大きく低下してしまうので好ましくない。また、炭素材料の真密度が1.96g/cmより大きい場合には、通常、負極の膨張率も大きくなるので好ましくない。
なお、請求項2に記載の「真密度」は、つぎの式で定義される「負極平均真密度」とは同じものであり、各種活物質を混合して用いる際に適用するものである。
負極平均真密度=1/((全負極活物質に対する炭素材Aの割合(質量%)/100)/(炭素材Aの真密度)+(全負極活物質に対する炭素材Bの割合(質量%)/100)/(炭素材Bの真密度)+(全負極活物質に対する炭素材Cの割合(質量%)/100)/(炭素材Cの真密度)+・・・)
本発明を適用する非水電解質二次電池の非水電解質としては、電解液または固体電解質のいずれも使用することができる。電解液を用いる場合には、電解液溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1、3−ジオキソランやハロゲン化ジオキソラン、トリフルオロエチルメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールジプロピオネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、フルオロ酢酸メチル、フルオロ酢酸エチル、フルオロ酢酸プロピル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、アセトニトリル、フルオロアセトニトリル、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、ジエトキシテトラフルオロシクロトリホスファゼン、フェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンなどのアルコキシおよびハロゲン置換環状ホスファゼン類および、鎖状ホスファゼン類、リン酸トリエチル、リン酸トリメチル、リン酸トリオクチルなどのリン酸アルキルエステル類、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチルなどのホウ酸エステル類、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノン等の非水溶媒を、単独でまたはこれらの混合溶媒を使用することができる。
非水電解質は、これらの非水溶媒に支持塩を溶解して使用する。支持塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFCO、LiCFSO、LiCFCFSO、LiCFCFCFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF、LiN(COCFCFLiBF、LiBC、LiPF(CおよびLiPF(CFCFなどの塩もしくはこれらの混合物を使用することができる。
また、電池特性向上のために、少量の添加剤を非水電解質中に混合してもよく、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、プロピルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートなどのカーボネート類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、ジアリルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、アリルビニルスルフィド、アリルエチルスルフィド、プロピルスルフィド、ジアリルジスルフィド、アリルエチルジスルフィド、アリルプロピルジスルフィド、アリルフェニルジスルフィド等のスルフィド類、1、3−プロパンスルトン、1、4−ブタンスルトン、1、3−プロパ−2−エンスルトン等の環状スルホン酸エステル類、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸プロピル、エタンスルホン酸メチル、エタンスルホン酸エチル、エタンスルホン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸プロピル、メタンスルホン酸フェニル、エタンスルホン酸フェニル、プロパンスルホン酸フェニル、ベンジルスルホン酸メチル、ベンジルスルホン酸エチル、ベンジルスルホン酸プロピル、メタンスルホン酸ベンジル、エタンスルホン酸ベンジル、プロパンスルホン酸ベンジル、等の鎖状スルホン酸エステル類、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト、エチルメチルサルファイト、メチルプロピルサルファイト、エチルプロピルサルファイト、ジフェニルサルファイト、メチルフェニルサルファイト、エチルメチルサルファイト、エチレンサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ジビニルエチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ビニルプロピレンサルファイト、ブチレンサルファイト、ビニルブチレンサルファイト、ビニレンサルファイト、フェニルエチレンサルファイト、などの亜硫酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、2−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、ジフェニルエーテル、tert−ブチルベンゼン、オルトターフェニル、メタターフェニル、ナフタレン、フルオロナフタレン、クメン、フルオロベンゼン、2、4−ジフルオロアニソールなどの芳香族化合物、パーフルオロオクタンなどのハロゲン置換アルカン、ホウ酸トリメチルシリル、ホウ酸トリエチルシリルなど、目的に応じて適宜添加してもよい。
固体電解質を用いる場合は、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに電解液を含有させることで良い。また、ゲル状の高分子固体電解質を用いる場合には、ゲルを構成する電解液と、細孔中等に含有されている電解液とは異なっていてもよい。ただし、高い入出力が要求される電池においては、固体電解質や高分子固体電解質を用いるよりは電解質として非水電解液を単独で用いるほうがより好ましい。
本発明を適用する非水電解質二次電池の正極活物質としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、さらにはこれらの遷移金属とリチウムの複合酸化物LiMO2−δ(ただし、Mは、Co、NiまたはMnを表し、0.4≦x≦1.2、0≦δ≦0.5である複合酸化物)、またはこれらの複合酸化物にAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素を含有した化合物を使用することができる。さらに、好ましくはリチウムとマンガンとコバルトとニッケルの複合酸化物、すなわち一般式LiMnCoNi(但し、0<a≦1.2、0≦b≦1、0≦c≦1、0≦d≦1)で表される正極活物質を用いることができる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
また、本発明に係る非水電解質電池の隔離体としては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。中でもポリエチレン及びポリプロピレン製微多孔膜、アラミドやポリイミドと複合化させたポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜またはこれらを複合した微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
さらに、高分子固体電解質等の固体電解質を用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。さらに、合成樹脂微多孔膜と高分子固体電解質等を組み合わせて使用してもよい。この場合、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を用い、高分子固体電解質にさらに電解液を含有させることで良い。ただしこの場合、電池出力が低下する原因となるので、好ましくは高分子固体電解質は、最小限の量にとどめるほうが好ましい。
また、電池の形状は特に限定されるものではなく、角形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形、円筒型電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能である。
以下、本発明の実施例を、図面に基づいて具体的に説明するが、本発明は、本実施例によって何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
[実施例1〜6および比較例1〜4]
[実施例1]
図1は本発明に係る非水電解質二次電池の構成例を示す断面図である。図1において、1は非水電解質二次電池(以下、電池という)、2は発電要素、3は負極、4は正極、5はセパレータ、6は電池ケース、7は電池蓋、8は安全弁、9は負極端子、10は負極リードである。発電要素2は、正極4と負極3とをセパレータ5を介して扁平状に巻回したものである。発電要素2は角型の電池ケース6に収納されており、電池ケース6の開口部は、安全弁8及び負極端子9が設けられた電池蓋7をレーザー溶接して密閉している。負極3は負極リード10を介して負極端子9と接続され、正極4は電池ケース6内面と接続されている。
正極は、正極活物質LiCo1/3Ni1/3Mn1/386質量%と、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)6質量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)8質量%とを混合して正極合剤とし、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させることによりペーストを調製した。このペーストを厚さ20μmのアルミニウム集電体に均一に塗布して、乾燥させた後、150℃で5時間真空乾燥させ、ロールプレスで圧縮成形することにより作製した。
炭素材料としては、つぎの2種類を用いた。平均粒径15μmであり、ブタノールを用いたピクノメータ法による真密度が2.12g/cmのコークスを炭素材料Xとし、平均粒径9μmであり、ブタノールを用いたピクノメータ法による真密度が1.52g/cmのハードカーボンを炭素材料Yとする。
負極活物質には、炭素材料Xと炭素材料Yとを質量比で95:5で混合し、平均真密度が2.08g/cmであるものを用いた。この負極活物質95質量%とPVDF5重量%をNMPに加えてペースト状に調製し、厚さ15μmの銅集電体に均一に塗布し、乾燥させた後、100℃で5時間真空乾燥させ、ロールプレスで圧縮成形することにより負極を作製した。
セパレータには、厚さ20μm程度の微多孔性ポリエチレンフィルムを用い、また、電解液には、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:2:5(体積比)の混合溶媒に、LiPFを調整後に1mol/Lとなるように溶解させたものを用いた。
[実施例2]
負極活物質に、炭素材料Xと炭素材料Yとを質量比で90:10で混合し、平均真密度が2.04g/cmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の電池を作製した。
[実施例3]
負極活物質に、炭素材料Xと炭素材料Yとを質量比で80:20で混合し、平均真密度が1.96g/cmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の電池を作製した。
[実施例4]
負極活物質に、炭素材料Xと炭素材料Yとを質量比で60:40で混合し、平均真密度が1.83g/cmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の電池を作製した。
[実施例5]
負極活物質に、炭素材料Xと炭素材料Yとを質量比で20:80で混合し、平均真密度が1.61g/cmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の電池を作製した。
[実施例6]
負極活物質に、炭素材料Xと炭素材料Yとを質量比で15:85で混合し、平均真密度が1.59g/cmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の電池を作製した。
[比較例1]
負極活物質に炭素材料Xのみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の電池を作製した。
[比較例2]
負極活物質に、炭素材料Xと炭素材料Yとを質量比で10:90で混合し、平均真密度が1.56g/cmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の電池を作製した。
[比較例3]
負極活物質に炭素材料Yのみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の電池を作製した。
[比較例4]
負極活物質に炭素材料Yのみを用い、極板プレス時の圧力を高くすることで、負極の合材密度を大きくすることで、実施例4とほぼ同等の放電容量になるように調整したこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の電池を作製した。
実施例1〜6および比較例1〜4では、いずれの場合も電池を3セル作製した。これらの非水電解質二次電池に用いた負極活物質の内容を表1にまとめた。
Figure 2008010337
[高温放置試験]
実施例1〜6および比較例1〜4で作製した非水電解質二次電池を、25℃において、充電は、500mAの電流で4.2Vまで3時間定電流定電圧充電し、その後500mAの電流で2.5Vまで放電をおこない、初期放電容量を測定した。その後、25℃において、500mAの電流で4.2Vまで3時間定電流定電圧充電したのち、60℃で3ヶ月放置し、25℃まで十分に冷却した後、500mAの電流で2.5Vまで放電をおこない、残存容量とした。その後、25℃において、充電は、500mAの電流で4.2Vまで3時間定電流定電圧充電し、その後500mAの電流で2.5Vまで放電をおこない、放置後回復容量を測定した。ここで「容量保持率」とは、初期放電容量に対する放置後回復容量の比率(%)を示すものとする。データは、3セルの平均値とした。
Li−NMR分析]
充電状態の電池を解体して得られた負極の25℃でのLi−NMR分析について説明する。アルゴン置換グローブボックス中で、解体して得られた負極をジメチルカーボネートで洗浄し、25℃の真空乾燥を2時間おこなったものを試料とした。試料を空気に触れさせないように、分析装置(Chemagnetics社製、CMX−300)に導入し、基準物質として、1MLiCl水溶液を用い、Nガス雰囲気下、5.0kHzの試料回転数で測定をおこなった。その時に観察されたピークのうち、低磁場側に10〜40ppmシフトした共鳴ピーク(A)と50〜130ppmシフトした共鳴ピーク(B)の強度の合計を100とし、共鳴ピーク(A)の強度比(=A/(A+B)共鳴ピーク強度比)を算出した。
実施例5で用いた負極活物質のLi−NMRの測定結果を図2に、また、比較例1で用いた負極活物質のLi−NMRの測定結果を図3に示す。図2および図3において、Aは低磁場側に10〜40ppmシフトした共鳴ピークを示し、Bは低磁場側に50〜130ppmシフトした共鳴ピークをしめす。また、点線はピーク強度を求める場合のベースラインを示し、ピーク強度はベースラインからのピークの高さである。
図2に示した実施例5で用いた負極活物質の場合、低磁場側に約20ppmシフトした共鳴ピーク(A)と、低磁場側に約90ppmシフトした共鳴ピーク(B)が見られ、共鳴ピーク(A)の強度比は12%であった。一方、図3に示した比較例1で用いた負極活物質の場合、低磁場側に約20ppmシフトした共鳴ピーク(A)は見られたが、低磁場側に50〜130ppmシフトした範囲に共鳴ピークは見られなかった。
Li−NMR分析におけるA/(A+B)ピーク強度比および高温放置試験結果を表2にまとめた。
Figure 2008010337
実施例1と比較例1の結果から、ピーク強度比が100、すなわち共鳴ピーク(A)のみが観測された比較例1では、初期放電容量は大きいものの、容量保持率が小さいものであった。一方、共鳴ピーク(A)および(B)をともに有し、その強度比が91%である実施例1では、初期放電容量も大きく、容量保持率も大きかった。これは、(A)の位置のみにピークを有する負極の場合、高温放置時に電解液の還元分解および負極表面被膜の成長がより進行してしまい、放置後の放電容量が小さくなることが示唆されるが、詳細は不明である。
比較例3の結果から、ピーク強度比が0、すなわち共鳴ピーク(B)のみが観測されたものでは、容量保持率は悪くないものの、初期放電容量が小さいものであった。これは、真密度の値が小さく、不可逆容量が比較的大きいハードカーボンを使用しているためであると考えられる。
そこで、比較例3の負極の合材密度を高くすることで、その放電容量を実施例4と同程度の約550mAhとした比較例4では、容量保持率が小さかった。これは、ハードカーボン粒子が比較的硬質であるために、電池作製の際に所定の負極合材密度を得るのに、高いプレス圧を必要とし、そのため、粒子同士あるいは粒子−集電体間の密着性が大きく低下してしまったことで、高温放置特性が悪くなったものと考えられる。
実施例1〜6および比較例1〜3の結果から、共鳴ピーク(A)の強度比が8%以上91%以下の負極を用いた実施例1〜6では、初期放電容量も大きく、回復容量保持率も80%以上と良好であった。中でも、負極活物質の真密度が1.96g/cm、1.83g/cm、1.61g/cmである実施例3、4、5では、容量保持率が85%以上であり、負極活物質の真密度が2.04g/cm、1.59g/cmである実施例2、実施例6よりもさらに良好な結果であった。このことから、負極活物質の真密度は、1.61g/cm以上、1.96g/cm以下の炭素材料であることがより好ましいことがわかった。
[実施例7〜9]
[実施例7]
流動床式化学蒸着法(CVD法)により、実施例1で用いた炭素材料Y(真密度が1.52g/cmのハードカーボン)の表面を低結晶性炭素で被覆したものを負極活物質として用いた。
炭素材料Yとアルゴンとを反応器内に供給して、嵩密度約0.3g/cmの炭素粒子の流動層を形成する。この状態で反応器内を昇温し、反応器内が1100℃に到達した後、トルエンを反応器内に60分間供給することによって、炭素材料Yの表面が低結晶性炭素で被覆される。
得られた負極活物質の平均真密度は1.60g/cmであり、炭素材料Yに対する被覆炭素の割合は15重量%であった。この負極活物質を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の電池を作製した。
[実施例8]
トルエンを反応器内に120分間供給したこと以外は実施例7と同様にして、炭素材料Yの表面を低結晶性炭素で被覆し、これを負極活物質として用いた。
得られた負極活物質の平均真密度は1.62g/cmであり、炭素材料Yに対する被覆炭素の割合は20重量%であった。この負極活物質を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の電池を作製した。
[実施例9]
ピッチ被覆法により、実施例1で用いた炭素材料Yの表面を低結晶性炭素で被覆したものを負極活物質として用いた。
まず、炭素材料Yをコールタールピッチ中に温度約150℃で、30分間浸漬する。次に、コールタールピッチから炭素材料Yを分離した後に、ヘキサンを加えて約30℃で洗浄処理する。そして、アルゴン雰囲気中、1000℃で60分間保持することで、炭素粒子表面に被覆したピッチを炭化することにより、炭素材料Yの表面が低結晶性炭素で被覆される。
得られた負極活物質の平均真密度は1.60g/cmであり、炭素材料Yに対する被覆炭素の割合は15重量%であった。この負極活物質を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の電池を作製した。
実施例7〜9では、いずれの場合も電池を3セル作製した。これらの非水電解質二次電池に用いた負極活物質の内容を表3にまとめた。
Figure 2008010337
実施例7〜9の非水電解質二次電池について、実施例1と同じ条件で、高温放置試験とLi−NMR分析をおこなった。試験結果を表4にまとめた。
Figure 2008010337
実施例7〜9の結果から、CVD法やピッチ被覆法により、ハードカーボンの表面を低結晶性炭素で被覆した負極活物質は、真密度が1.60〜1.62g/cmで、共鳴ピーク(A)の強度比が9〜22%の範囲内にあり、初期放電容量も大きく、回復容量保持率も80%以上と良好であることがわかった。
本発明の実施例および比較例の角形電池の断面構造を示す図。 実施例5で用いた負極活物質のLi−NMRの測定結果を示す図。 比較例1で用いた負極活物質のLi−NMRの測定結果を示す図。
符号の説明
1 角型非水電解質二次電池
2 巻回型電極群
3 正極
4 負極
5 セパレータ

Claims (2)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、負極活物質は炭素質材料であって、かつ、電池の充電状態における25℃でのLi−NMR分析において、基準物質であるLiClの共鳴線に対して、低磁場側に10〜40ppmシフトした共鳴ピーク(A)と55〜130ppmシフトした共鳴ピーク(B)を少なくとも有し、共鳴ピーク(A)と共鳴ピーク(B)の強度の合計に対する共鳴ピーク(A)の強度の比が8%以上91%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 負極活物質の真密度が1.61g/cm以上、1.96g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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