JP2011215604A - ベルト駆動装置、画像形成装置、及びベルト駆動方法 - Google Patents

ベルト駆動装置、画像形成装置、及びベルト駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中間転写ベルトのフィードバック処理を正確に行うベルト駆動装置を提供することを課題とする。
【解決手段】移動速度信号出力部44は、回転移動する無端ベルト1の回転移動に基づいた信号を出力する。幅方向位置信号出力部19は無端ベルト1の幅方向の位置に応じて値が変化する位置信号を出力する。幅方向位置制御部2062は、無端ベルト1の幅方向の位置を制御する。処理実行部2074は幅方向位置信号出力部19から出力された位置信号に基づいて、移動速度出力部から出力された信号を用いた所定の処理を行う。
【選択図】図10−1

Description

本発明は、ベルトの幅方向位置を補正するベルト駆動装置、画像形成装置、及びベルト駆動方法に関する。
中間転写ベルトを用いた画像形成装置では、中間転写ベルトを走行させている間に、中間転写ベルトが幅方向にずれてしまう(変位してしまう)ことがある。この場合、中間転写ベルトは蛇行しながら移動することとなる。このズレを解消して中間転写ベルトの幅方向の位置を補正する方法として、中間転写ベルトを支持するローラを傾斜させることにより中間転写ベルトの蛇行を制御する方法(以下、ステアリング方法と称する)が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1は、ベルト端部のエッジ位置を検出するエッジセンサを設け、検出されたベルトエッジ位置から、ベルトの蛇行量(幅方向位置)を検出し、傾き動作を行うローラ(以下、ステアリングローラ)の傾きを制御して、蛇行量を一定に保つことも提案している。
また、特許文献1には、従来の中間転写ベルトの駆動方法として、ベルト上に設けられた複数のベルトスケールをスケールセンサによって検出し、そのベルトスケール間隔を基に、中間転写ベルトの速度を制御する方法(以下、中間転写ベルトフィードバック制御と称する)が記載されている。
また、特許文献1には、ベルトスケールもしくはスケールセンサに何らかの異常が発生した場合、ベルトスケールもしくはスケールセンサの異常を通知する方法が記載されている。
上記ステアリング方式によるベルト幅方向位置制御と、上記中間転写ベルトのフィードバック制御の両者を行う場合、中間転写ベルト上のベルトスケールはベルト上の一部分(
例えば、ベルトの幅方向の一側部に沿った部分)にのみ配置される。
また、中間転写ベルト1の交換時等に、中間転写ベルト1が基準位置から大きく外れて組みつけられる場合がある。図1は、中間転写ベルト1が基準位置から大きく外れている状態を示す図である。中間転写ベルト1が基準位置から大きく外れていると、スケールセンサ44が中間転写ベルト1上のベルトスケール25を検出できないおそれがある。
図2は特許文献1に記載されたベルトスケール及びスケールセンサの異常を通知する方法による処理のフローチャートである。まず、中間転写ベルト1を回転させるために、中間転写ベルト1の駆動モータの駆動を開始する(ステップS2)。そして、制御部としてのCPUは、駆動モータの開始後、即座に、スケールセンサ44からの出力信号を取得する。そして、CPUは、一定時間内にスケールセンサ44の出力信号が変化したか否かを判断する(ステップS4)。ここで、スケールセンサ44の出力信号が変化するとは、正常にスケールセンサ44がベルトスケール25を検知するということである。
そして、CPUが、一定時間内にスケールセンサ44の出力信号が変化した(正常にスケールセンサ44がベルトスケール25を検出した)と判断すると、CPUは処理を終了する(ステップS4のYes)。一方、CPUが、一定時間内にスケールセンサ44の出力信号の値(振幅)が変化しない(正常にスケールセンサ44がベルトスケール25を検出しない)と判断すると(ステップS4のYes)、中間転写ベルト1のスケール又はスケールセンサが異常である旨の通知がなされる(ステップS6)。
ところが、図1に示すように中間転写ベルト1が基準位置から大きく外れている場合には、スケールセンサ44はベルトスケール25を検出できない。従って、スケールセンサ44およびベルトスケール25に異常が無いのにかかわらず、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できないため、スケールセンサ44又はベルトスケール25の異常が通知されてしまうという問題が生じる。
そこで、中間転写ベルト上のベルトスケールもしくはスケールセンサに異常がない場合には、正確な処理(例えば、中間転写ベルトのフィードバック処理)を行うことが出来るベルト駆動装置及、画像形成装置及びベルト駆動方法の開発が望まれている。
本発明の一実施態様によれば、複数のローラに支持され、回転移動する無端ベルトと、前記無端ベルトの回転移動に基づいた信号を出力する移動速度信号出力手段と、前記無端ベルトの幅方向の位置に応じて値が変化する位置信号を出力する幅方向位置信号出力手段と、前記無端ベルトの幅方向の位置を制御する幅方向位置制御手段と、前記幅方向位置信号出力手段から出力された前記位置信号に基づいて、前記移動速度出力手段から出力された前記信号を用いた所定の処理を行う処理実行手段とを有することを特徴とするベルト駆動装置が提供される。
また、上述のベルト駆動装置を有する画像形成装置が提供される。
さらに、本発明の他の実施態様によれば、複数のローラに支持されながら回転移動する無端ベルトの回転移動に基づいた信号を出力し、前記無端ベルトの幅方向の位置に応じて値が変化する位置信号を出力し、前記無端ベルトの幅方向の位置を制御し、前記位置信号に基づいて、前記無端ベルトの回転移動に基づいた前記信号を用いた所定の処理を行うことを有することを特徴とするベルト駆動方法が提供される。
本発明によれば、無端ベルトの回転移動を検出する機構(例えば、ベルトスケール及びスケールセンサ)に異常がない場合に、確実に適切な処理(例えば、無端ベルトの回転移動のフィードバック処理)を行うことが出来る。
中間転写ベルトが基準位置から外れている状態を示す図である。 従来のベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態による画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による画像形成装置の画像形成部の構成を示す図である。 エッジセンサを示す図である。 補正部を示す図である。 中間転写ベルトが基準位置に位置している状態を示す図である。 スケールセンサを説明するための図である。 制御部の機能ブロック図である。 第1実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 第2実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 第1の所定範囲を模式的に示す図である。 第3実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 第4実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 第5実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 第6実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 第7実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。 一実施形態によるカラー複写機の概略構成を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず、以下の説明で用いられる用語について説明する。画像形成装置とは、例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの機能を一台の装置に組み込んだ複合機などである。記録媒体は、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。以下の説明では、記録媒体としてプリント用紙を用いる。画像形成とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録媒体に形成することや、単に液滴(インク)を記録媒体に付着させることも意味する。像担持体とは、例えば、感光体ドラムであり、以下の説明では像担持体として感光体ドラムを用いる。以下の説明では、無端ベルトとは、例えば、中間転写ベルトであり、移動速度信号出力手段とは、例えば、スケールセンサであり、幅方向位置信号出力手段とは、例えば、エッジセンサである。
なお、ブロック図において同じ機能を持つ構成部品及びフローチャートにおいて同じ処理を行う工程には同じ番号を付し、重複説明は省略する。
図3は本発明の一実施形態による画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。図3に示す画像形成装置は、補助記憶部313、外部記憶装置I/F部314、ネットワークI/F部316、操作部317、表示部318、及びエンジン部319を有する。エンジン部319は、制御部206及び主記憶部312を含む。
制御部206は、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUにより実現される。制御部206は、主記憶部312に記憶されたプログラムを実行する演算装置として機能し、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
主記憶部312は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を含み、制御部206が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
補助記憶部313は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。外部記憶装置I/F部314は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体315(例えば、フラッシュメモリなど)と画像形成装置とのインタフェースである。
記憶媒体315には、所定のプログラムが格納される。この記憶媒体315に格納されたプログラムは、外部記憶装置I/F部314を介して画像形成装置にインストールされる。これにより、所定のプログラムは、画像形成装置により実行可能となる。
ネットワークI/F部316は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と画像形成装置とのインタフェースである。
操作部317及び表示部318は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成さる。操作部317及び表示部318は、画像形成装置が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
エンジン部319は、実際に画像形成に係る処理を行うプロッタ、スキャナ等の機構部分や、各モータなどを駆動させる部分である。
図4は、本実施形態による画像形成装置の画像形成部の簡略構成図である。図4に示す例では、無端ベルトである中間転写ベルト1は、駆動ローラ2、ステアリングローラ3、斥力ローラ4、従動ローラ5により、所定の張力を持って支持されている。中間転写ベルト1上には、Y(イエロー)M(マゼンダ)C(シアン)B(ブラック)の4個の感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bが設けられる。以下の説明では、色を特定しない場合には、Y,C,M,Bを省略して感光体ドラム20と称する。感光体ドラム20の個数は4個に限られない。感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bはそれぞれ、露光部22Y,22C,22M,22B、現像部24Y,24C,24M,24B、及び帯電部26Y,26C,26M,26Bを有する。露光部22Y,22C,22M,22Bの各々は、例えば、ポリゴンミラーを含む。
中間転写ベルト1には、1周に渡り、ベルトスケール25が設けられている。図4では、図面の簡略化のために、ベルトスケール25の一部のみが示されている。中間転写ベルト1の移動経路途中には、中間転写ベルト1の速度を検知するためのスケールセンサ44A,44Bが配置されている。中間転写ベルト1が回転している間に、スケールセンサ44A,44Bがベルトスケール25を検出することで、中間転写ベルト1の回転速度を求めることができる。
斥力ローラ4は、斥力ローラ4に対向して配置され、二次転写ローラ11に押圧される。斥力ローラ4と二次転写ローラ11で二次転写部32が形成される。
次に、本実施形態による画像形成装置を用いてカラー画像を形成する際の処理手順について説明する。画像形成装置のスタートボタンがユーザにより押下されるか、もしくはプリント指示が画像形成装置に入力されると、感光体ドラム20Y,20C,20M,20B、中間転写ベルト1、二次転写ローラ11はほぼ等しい速度で回転駆動される。駆動ローラ2の回転軸2aに、エンコーダ18が取り付けられる。エンコーダ18は駆動ローラ2の回転速度を検出する。検出された回転速度を駆動モータ10にフィードバックすることで、中間転写ベルト1を一定速度で回転することができる。
同様に、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bおよび二次転写ローラ11には、それぞれモータおよびエンコーダ(ともに図示せず)が取り付けられる。それぞれのエンコーダにより、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bおよび二次転写ローラ11の回転速度が検出される。それぞれのエンコーダにより検出された回転速度がモータにフィードバックされることで、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bおよび二次転写ローラ11は一定速度で回転することができる。
帯電部26Y,26C,26M,26Bは感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bをそれぞれ均一に帯電させる。露光部22Y,22C,22M,22Bは、それぞれ入力された画像信号に基づいて各色の画像に対応するレーザ光を所定のタイミングで走査し、露光して感光体ドラム20Y,20C,20M,20B上に静電潜像を形成する。現像部24Y,24C,24M,24Bは、それぞれ静電潜像を単色の現像材(例えば、トナー)によって現像する(トナー画像を形成する)。以下の説明では、トナーによって現像された画像をトナー画像と称する。
各単色のトナー画像が中間転写ベルト1に一次転写されることで、中間転写ベルト1上にカラートナー画像が形成される。それと同時に、プリント用紙13が給紙トレイ、もしくは手差しトレイから搬送される。中間転写ベルト1上に一次転写されたカラートナー画像は二次転写部32に到達するタイミングで、プリント用紙13は二次転写部32に到達する。そして二次転写部32は、中間転写ベルト1上のカラートナー画像をプリント用紙13に転写する。中間転写ベルト1が感光体ドラム20と対向する平面、すなわち駆動ローラ2と従動ローラ5の間の平面(以下、対向平面1aと称する)において、中間転写ベルト1の移動方向をX1X2方向とし、画像形成装置の高さ方向をZ1Z2方向とする。
図5は中間転写ベルト1とエッジセンサ19の配置関係を示す図である(図4も参照)。
図5に示す例では、エッジセンサ19は中間転写ベルト1の幅方向の端部に配置される。中間転写ベルト1の幅方向をY1Y2方向とする。エッジセンサ19は中間転写ベルト1のエッジ(端)を検出する。すなわち、エッジセンサ19は、中間転写ベルト1の幅方向(Y1Y2方向)の位置を検出する。以下で説明する「蛇行」とは、中間転写ベルト1がY1Y2方向に移動することである。また、「蛇行制御」とは、中間転写ベルト1の幅方向の位置を調整する制御である。
図6は中間転写ベルト1の幅方向位置を補正するための補正部50を示す図である。補正部50は、ステアリングローラ3を傾けることにより、中間転写ベルト1の幅方向位置を補正する。補正部50は、略ブーメラン形状であるアーム部材51を含む。アーム部材51の中央部は軸部材52により支持されている。アーム部材51の両端部は軸部材52を中心として回動可能である。また、アーム部材51は、軸部材52を中心として、左半部51Aと右半部51Bを有する。右半部51Aは、軸支部材54と弾性体53(例えば、バネ)からなる。軸支部材54は、ステアリングローラ3の回転軸3cを回転可能に支持する。弾性体53は、軸支部材54(ステアリングローラ3の回転軸3cの一端)をX1方向(すなわち、中間転写ベルト1により囲まれる領域の外側方向)に付勢している。
一方、右半部51Bの端部51aには、係合ローラ55が設けられる。係合ローラ55は、偏心カム17と係合されている。偏心カム17には、ギヤ58が取り付けられている。ステアリングモータ16を駆動させると、ステアリングモータ16の駆動力がウォームギヤ56からギヤ57に伝達され、ギヤ58が回転駆動することで、偏心カム17が回動する。偏心カム17が回動すると、係合ローラ55が設けられた端部51aは上下方向(図6のP方向:Z1Z2方向)に移動する。
アーム部材51の中央部は、軸部材52により支持されおり、軸支部材54はアーム部材51の自由端として機能し、回動可能である。この回動方向は、軸部材52を中心とした円弧方向(図6のα1α2方向)である。アーム部材51の右半部51Bの端部51aが、上下方向(P方向)に移動することで、軸支部材54は、α1α2方向に回動可能となる。
また、上述のように、ステアリングローラ3の回転軸3cの一端は、弾性体53により付勢されている。従って、軸部材54のα1α2方向の回動に伴い、ステアリングローラ3の回転軸3cの一端は、中間転写ベルト1の移動方向(X1方向)又は中間転写ベルト1の移動方向と逆方向(X2方向)に回動可能である。
以上のように、軸部材54がα1方向へ回動されると、ステアリングローラ3の回転軸3cの一端は、X1方向へ移動し、軸支部材54がα2方向へ回動されると、ステアリングローラ3の回転軸3cの一端は、X2方向へ移動する。ステアリングローラ3の回転軸3cの他端には、補正部50は設けられておらず、回転軸3cの他端はX1X2方向に移動可能ではない。したがって、ステアリングローラ3の回転軸3cの一端が、X1方向又はX2方向に移動すると、ステアリングローラ3の回転軸3cは図6の紙面に垂直な方向(中間転写ベルト1の幅方向に相当する)に対して傾斜する。ステアリングローラ3が幅方向に対して傾斜すると、ステアリングローラ3に係合しながら回転移動している中間転写ベルト1は、傾斜した方向に移動する。これにより中間転写ベルト1の幅方向の位置を調整することができる。なお、補正部50は、ステアリングローラ3の回転軸3cの一端をX1方向またはX2方向へ移動できる機構であれば、図6に示す機構に限られない。
次に、ベルトスケールとスケールセンサについて説明する。図7はベルトスケール25とスケールセンサ44を示す平面図である。図7に示す例では、ベルトスケール25に対して2つのセンサ44A,44Bを含むスケールセンサ44が対向して配置されている。センサ44A,44Bは、ベルトスケール25に沿って互いに近接して配置される。ベルトスケール25は、中間転写ベルト1の裏側で幅方向の一側部に配置されている。
センサ44A,44Bの各々は、ベルトスケール25を光学的に読み取って、スケールの間隔を検出する。ベルトスケール25のスケールは、等間隔で中間転写ベルト1の全周にわたって設けられている。したがって、中間転写ベルト1の速度が変化すると、センサ44A,44Bが検出したベルトスケール25のスケールの間隔もそれに応じて変化する。中間転写ベルト1のフィードバック制御では、センサ44A,44Bの一方が検出するスケール間隔が一定になるように駆動モータ10(図4参照)の回転数制御を行うことで、中間転写ベルト1の速度を高精度に制御することができる。
次に、スケールセンサ44の構成及び機能について、図8(A)〜8(E)を参照しながら詳細に説明する。スケールセンサ44のセンサ44A,44Bは同一構成のセンサである。センサ44A,44Bの各々は、例えば、図8(A)に示すように、例えば一対の発光部44aと受光部44bとを備えた反射型光学センサである。ベルトスケール25は、図8(B)に示すように、反射部25aと非反射部25bが交互に一列に整列したスケールである。
センサ44A,44Bの各々は、発光部44aからベルトスケール25に向けて照射した光の反射光を受光部44bで受光する。その際に、ベルトスケール25の反射部25aでの反射光の光量と、非反射部25bでの反射光の光量とは異なる光量となる。
そこで、図8(C)に示すように、センサ44A,44Bの各々は、ベルトスケール25(反射部25aと非反射部25b)を光学的に読み取ることで、正弦波のアナログ信号波形を得る。そして、図8(D)に示すように、アナログ信号波形はスケールセンサ44内の回路によりデジタル信号に変換され、図8(D)に示すように、HighとLowの2値の信号として出力される。なお、スケールセンサ44は、センサ44A,44Bのアナログ信号波形も同時に出力する。
ここで、センサ44A,44Bとして、受光部44bが光を受光するとHigh信号を出力するタイプのものを使用しているので、ベルトスケール25の反射部25aの反射率が非反射部25bよりも高くなる。これにより、スケールセンサ44から出力される信号は、図8(D)に示すtの範囲が、反射部25aがスケールセンサ44を通過している間の出力となる。したがって、中間転写ベルト1が回転移動するのに伴い、センサ44A,44Bの検出範囲を通過する反射部25aの有無により、スケールセンサ44の出力の値は図8(D)に示すようにHigh及びLowの間に切り替わる。したがって、その信号がLowからHighに変化した時点から次のLowからHighに変化するまでの時間Sを求めることにより、中間転写ベルト1の表面の移動速度(中間転写ベルト1の回転速度)を検出することができる。なお、図8(D)に示すセンサ出力(デジタル信号)は、センサ44Aのアナログ出力波形をデジタル化したものであり、センサ44Bのアナログ出力波形からも同様なデジタル信号を得ることができる。
以上のように、スケールセンサ44は中間転写ベルト1の回転移動速度を検出する。検出された回転移動速度に応じて、エンジン部319は、駆動モータ10(図4参照)の回転速度を制御して、中間転写ベルト1の回転移動速度を予め設定した基本速度になるように制御する。
すなわち、エンジン部319は、駆動モータ10を駆動するための信号を出力し、その駆動モータ10を中間転写ベルト1が基本速度(定常速度)で回動するように制御する。中間転写ベルト1が回転移動すると、スケールセンサ44は中間転写ベルト1上のベルトスケール25を読み取り、その検出情報(すなわち中間転写ベルト1の回転移動速度についての情報)をエンジン部319にフィードバックする。
その際、エンジン部319は、フィードバックされた検出情報から得られたベルトの回転移動速度が基本速度に一致していれば、そのまま駆動モータ10の回転速度(回転数)を維持することにより(変更なし)、中間転写ベルト1をそのまま基本速度で回転移動させ続ける。一方、そのフィードバックされた検出情報から得られたベルト回転移動速度が基本速度から相違する場合には、エンジン部319は、その差を算出して、中間転写ベルト1の回転移動速度が基本速度になるように、駆動モータ10の回転速度(回転数)を制御する。
ここで、スケールセンサ44が、図8(D)に示すパルス信号(デジタル信号)を出力するということは、スケールセンサ44のセンサ44A又は44Bの出力が変化している(HighとLowに変化している)ということである。この場合、センサ44A又は44Bは、正常にベルトスケール25を検出しているとみなすことができる。一方、スケールセンサ44A又は44Bの出力が変化しないということは、図8(D)に示すパルスを出力していない、すなわち、例えば図8(E)に示す平坦状の信号を出力している、ということである。この場合、センサ44A又は44Bは、正常にベルトスケール25を検出していないとみなすことができる。
ここで、センサ44A,44Bの出力の位相差について説明する。センサ44A,44Bの各々は、図8(C)に示すようにアナログ信号波形を出力する。44A,44Bは、ベルトスケール25の長手方向の異なる位置に配列されているので、センサ44Aのアナログ信号波形の位相と、センサ44Bのアナログ信号波形の位相は異なり、位相差がある。中間転写ベルト1のベルトスケール25の長さが常に一定であれば、センサ44A,44Bの出力の位相差も一定である。図8(C)に示す例では、センサ44Aのアナログ信号波形の位相と、センサ44Bのアナログ信号波形の位相とは、90°異なっている。言い換えれば、センサ44A及び44Bは、出力の位相差が90°となるような位置に配置されている。
ここで、例えば中間転写ベルト1に伸びが生じたとすると、ベルトスケール25も同様に伸びて僅かに長くなる。すると、ベルトスケール25のスケール間隔が長くなるが、センサ44A及び44Bの間隔は変わらないので、センサ44A及び44Bの出力から取得される位相差は小さくなる。この位相差の変化を検出することで、中間転写ベルト1(ベルトスケール25)に伸び(あるいは縮)が生じたことを検出することができる。位相差の変化の大きさは中間転写ベルト1の伸び(あるいは縮)に対応する。これを利用して、中間転写ベルト1の伸縮補正を行なうことができる。
次に、第1実施形態によるベルト駆動装置について説明する。図9は、第1実施形態によるベルト駆動装置を制御する制御部206の機能ブロック図である。制御部206は、幅方向位置制御部2062、ローラ速度検出部2064、異常検知部2066、光量調整部2068、伸縮補正部2070、判断部2072、処理実行部2074を含む。
図5に示すエッジセンサ19(幅方向位置信号出力部)は、中間転写ベルト1の幅方向の位置を検出し、検出された位置を示す信号(以下、「位置信号」と称する)を出力する。図7に示すスケールセンサ44A,44B(移動速度信号出力部)は、中間転写ベルト1の回転移動を検出して信号を出力する。
幅方向位置制御部2062は、中間転写ベルト1の幅方向の位置(図5におけるY1Y2方向の位置)を制御するものである。以下の説明では、中間転写ベルト1の幅方向の位置の制御を、蛇行制御と称する。蛇行制御は補正部50(図6参照)を用いて行われる。
図10−1は、第1実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。まず、制御部206は、中間転写ベルト1を回転させるべく、駆動モータ10(図4参照)の駆動を開始する(ステップS12)。そして、制御部206内の幅方向位置制御部2062が中間転写ベルト1の蛇行制御を開始する(ステップS14)。
そして、判断部2072は、エッジセンサ19からの位置信号が第1の所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、第1の所定範囲について説明する。エッジセンサ19が中間転写ベルト1のエッジを検出でき、かつ、スケールセンサ44A,44Bが、ベルトスケール25を検出できるように、第1の所定範囲は予め設定されている。
図11は第1の所定範囲を模式的に示す図である。この例では、エッジセンサ19が出力する位置信号とは、出力電圧であるとする。図11において、横軸は基準位置からのベルトスケール25の距離を示し、縦軸はエッジセンサ19の出力電圧を示す。図11に示す例では、中間転写ベルト1(ベルトスケール25)の基準位置を、スケールセンサ44がベルトスケール25の中心を読み取っているときの位置とする。中間転写ベルト1が基準位置に位置する場合に、エッジセンサ19の出力電圧をX(V)とする。ベルトエッジ1b(図5参照)のばらつきがない場合やベルトエッジ成分を除去した場合、エッジセンサ19は、ベルトエッジ1bの基準位置からの距離に比例した出力電圧を出力する。
そして、予めエッジセンサ19の出力電圧についての第1の所定範囲を定める(図11では、ハッチングを施した部分)。そのとき、スケールセンサ44A,44Bがベルトスケール25を検出できる範囲は、ベルトスケール25の主走査方向(中間転写ベルト1の幅方向)の長さから決定される。ここでは、第1の所定範囲をX+Y(V)〜X−Y(V)とする。ここで、Yは、ベルトスケール25の主走査方向の長さとベルトセンサ44のセンシング可能領域から決まる値であり、ベルトスケール25の主走査方向の長さの半分に近い値になる。
図10−1に戻り、ステップS16において、判断部2072が、エッジセンサ19の出力が、第1の所定範囲に含まれていると判断すると、処理はステップS17に移行する。ここで、エッジセンサ19の出力が、第1の所定範囲に含まれているとは、エッジセンサ19が、中間転写ベルト1のエッジを検出でき(中間転写ベルト1の幅方向の位置を検出でき)、かつ、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できる(中間転写ベルト1の移動速度を検出できる)ということである。
また、幅方向位置制御部2062により蛇行制御が開始された後(ステップS14)、エッジセンサ19からの出力電圧が第1の所定範囲内ではない場合(例えば、中間転写ベルト1の取り付け直後であり、基準位置から大きく離れている場合)には(ステップS16のNo)、処理はステップS22に進む。ステップS22において、判断部2072は、蛇行制御を開始した時から所定時間T1が経過したか否かを判断する。所定時間T1が経過していなければ、処理はステップS16に戻る。所定時間T1が経過していれば、処理はステップS24に移行する。ステップS24の処理については後述する。本実施形態によるベルト駆動装置では、エッジセンサ19からの位置信号(出力電圧)が第1の所定範囲に含まれるまで、所定時間T1の間、ステップS24への移行を待つということになる。
次に、ステップS17について説明する。本実施形態では、処理実行部2074は、位置信号が、幅方向位置制御手段2062の制御開始時から所定時間T1内に、予め定められた第1の所定範囲に含まれた場合に(ステップS16のYes)、スケールセンサ44A,44Bからの信号に基づいて、所定の処理を開始させる。
ここで、所定の処理とは様々あるが、本実施形態では、「スケールセンサ44A,44Bからの検出信号を用いた中間転写ベルト1のフィードバック処理」である。そして、処理実行部2074は、中間転写ベルト1のフィードバック処理を行わせる(ステップS17)。
一方、ステップS22において所定時間T1が経過したと判断されると(ステップS22のYes)、すなわち、所定時間T1経過しても、エッジセンサ出力が、第1の所定範囲内とならない場合には、異常通知部2066は、幅方向位置制御部2062による蛇行制御の異常を通知する(ステップS24)。この異常の通知については後述する。また、所定時間T1は、幅方向位置制御部2062による蛇行制御で、中間転写ベルト1が移動するのに、十分な時間である。
上述の第1実施形態によるベルト駆動装置であれば、スケールセンサ44A,44Bがベルトスケール25を検出できるようになった後で(ステップS16のYes)、中間転写ベルト1のフィードバック処理が行われる。従って、中間転写ベルト1のフィードバック処理を適切に行うことが出来る。
次に、第2実施形態について説明する。図10−2は、第2実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。
図10−2に示す処理は、図10−1に示す処理のステップS17の後にステップS18及びステップS20を付加したものである。図10−2に示すように、ステップS12、S14、S16、S17の処理が終了した後、処理はステップS18に移行する。
ステップS18において、判断部2072は、スケールセンサ44A,44Bからの出力信号が、所定値以上であるか否か判断する。スケールセンサ44A,44Bからの出力信号が、所定値より小さい場合(ステップS18のNo)、処理はステップS20に進む。ステップS20では、判断部2072は、フィードバック処理開始後に、フィードバック処理の異常があるか否かを判断する。すなわち、判断部2072は、スケールセンサ44AA,44Bのアナログ出力値の最大振幅ft(図8(C)参照)が、所定値以上となったか否かを判断する(ステップS18)。この判断は、スケールセンサ44A,44Bが正常にベルトスケール25を読み取ることができているか否かの判断に相当する。
そして、判断部2072が、スケールセンサ44A,44Bのアナログ出力値の最大振幅が所定値以上である(すなわち、スケールセンサ44A,44Bがベルトスケール25を正常に検出している)と判断すると(ステップS18のYes)、処理はステップS19に進む。ステップS19の処理については後述する。
一方、判断部2072が、スケールセンサ44A,44Bのアナログ出力信号の最大振幅が所定値に満たない(すなわち、スケールセンサ44A,44Bがベルトスケール25を正常に検出していない)と判断すると(ステップS18のNo)、処理はステップS20に移行する。ステップS20では、異常判断部2066は、スケールセンサ44からの出力信号を用いたフィードバック処理に異常があるとして通知する。フィードバック処理の異常とは、具体的には、スケールセンサ44の読取面やベルトスケール25に付着した汚れによりスケールセンサ44が正常に機能しないことによる異常などがある。この異常通知は、例えば、表示部318(図3参照)に表示させればよい。また、ネットワークを介して、サービスマンに異常を通知してもよい。図10−1、図10−2のステップS24の異常通知も同様な方法で行なうことができる。
処理がステップS18(ステップS18のYes)からステップS19に進むと、判断部2072は、予め定められた所定時間T2内に、スケールセンサ44からの出力信号が変化したか否かを判断する(ステップS19)。所定時間T2は予め定められるものであり、スケールセンサ44からの出力信号が、変化するのに十分な時間に設定される。この判断は、スケールセンサ44が正常にベルトスケールを検出できたか否かの判断に該当する。ここでの、スケールセンサ44の出力信号とは、図8(D)に示したパルス波のことである。また、上述のように、スケールセンサ44とベルトスケール25は、中間転写ベルト1を一定速度に制御(フィードバック制御)するフィードバック制御機能を有する。
そして、判断部2072が、スケールセンサ44の出力が変化した(すなわち、正常に、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出しており、図8(D)に示すようなパルス波を出力している)と判断すると(ステップS18のYes)、異常判断処理を終了し、通常の中間転写ベルト1のフィードバック制御を行う。
一方、判断部2072が、スケールセンサ44の出力信号が変化していない(すなわち、正常に、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出していない、すなわち、図8(E)に示す信号を出力している)と判断すると(ステップS18のNo)、スケールセンサ44の出力に基づいたフィードバック処理に異常があるとして通知する(ステップS20)。フィードバック処理の異常とは、具体的には、スケールセンサ44の読取面の汚れや、ベルトスケールの汚れによる異常や、スケールセンサによるフィードバック制御がされない異常である。
そして、異常通知部2066は、判断部2072により異常があると判断されると、異常がある旨を通知する。この異常通知は、例えば、表示部318(図3参照)に表示させればよい。また、ネットワークを介して、サービスマンに異常を通知してもよい。図10−1、図10−2におけるステップS24の異常通知も同様である。
また、ステップS18において、所定時間T2内に、スケールセンサ出力が変化するか否かという判断に基づいてフィードバック処理の異常を通知するが、他の方法に基づいてフィードバック処理の異常を通知してもよい。
本実施形態によるベルト駆動装置によると、幅方向位置制御部2062の異常と、フィードバック制御機能の異常とを別々に判断することができる。また、ステップS16で、エッジセンサ19の出力が、第1の所定範囲内であるか否かが判断されている。そして、エッジセンサ19の出力が、第1の所定範囲内である(エッジセンサ19が中間転写ベルトのエッジを検出でき、かつ、スケールセンサ44が、ベルトスケール25を検出できる)場合に、処理実行部2074は、所定の処理(第1実施形態では、フィードバック処理)をスケールセンサ44の出力信号を用いて実行している。そして、ステップS18及びステップS19において、スケールセンサ出力の異常があるか否かを判断している。従って、スケールセンサ44やベルトスケール25に異常がないにも関らず、中間転写ベルト1が基準位置から大きく離れているのでスケールセンサ44がベルトスケール25を検知できないという理由で、「フィードバック処理が異常である」という旨の誤った通知がなされることがない。結果として、スケールセンサ25やベルトスケール44についての正確な異常通知を行うことが出来る。
なお、本実施形態ではステップS18の処理の後にステップS19による処理を行なうが、ステップS19をステップS18の前に行なってもよい。
次に、第3実施形態によるベルト駆動装置について説明する。第3実施形態によるベルト駆動装置のスケールセンサ44は、図8に示すように記載のように、発光部44aと受光部44bを備える光学センサである。一般的に、発光部44aまたは受光部44bに汚れなどが付着した場合には、発光部44aから出る光の強さ(発光量)、または、受光部44bが受ける光の強さ(受光量)が減少する。このような場合、光量調整処理を行う必要がある。本実施形態では、処理実行部2074は、スケールセンサ44の光量調整処理を実行させる。
一般的に、中間転写ベルト1のフィードバック制御を行う場合、スケールセンサ44が安定した信号(例えば、電圧)を出力するように、中間転写ベルト1の交換時やスケールセンサ44の交換時に光量調整処理を実行する。光量調整処理は、中間転写ベルト1の交換やスケールセンサ44の交換を行った後の画像形成装置の電源ON時に、光量調整実行指示が出されることで実行される。
従来の光量調整処理では、光量調整実行指示がなされると、即座に光量調整が実行される。従って、中間転写ベルト1が基準位置から大きく離れていて、スケールセンサ44がベルトスケール25を適切に検出できない場合には、正確に光調整を行うことが出来ないおそれがある。そこで、本実施形態によるベルト駆動装置は、スケールセンサ44がベルトスケール25を適切に検出できる状態になってから、光量調整を実行する。
図12−1は第3実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。ステップS12、ステップS14の処理終了後、判断部2072は、光量調整部2068により、スケールセンサ44に対する光量調整指示がなされているか否かを判断する(ステップS30)。光量調整指示は、光量調整部2068が、スケールセンサ44に対して光量調整指示信号を送信することで行われる。
判断部2072が、光量調整指示が行われていないと判断すると(ステップS30のNo)、処理は終了する。
一方、判断部2072が、光量調整指示が行われていると判断すると(ステップS30のYes)、処理はステップS16に進む。ステップS16、ステップS22の処理により、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できる位置に中間転写ベルト1が位置していると判断されると(ステップS16のYes)、処理はステップS32に進む。ステップS32において、スケールセンサ40は、発光部44aの光量を増したり、受光部44bの受光感度を上げたりして、光量調整を実行する。
本実施形態によるベルト駆動装置では、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できるようになった後で(ステップS16のYes)、スケールセンサ44は光量調整処理を行う。従って、光量調整処理を確実に行うことが出来る。
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第3実施形態によるベルト駆動装置の光量調整処理の異常通知を正確に行う。
図12−2は、第4実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。光量調整処理開始後(ステップS32)に、判断部2072は、光量調整処理に異常があるか否かを判断する。具体的には、光量調整処理開始後(ステップS32)から予め定められた所定時間T3内に、スケールセンサ44からの出力信号が予め定められた第2の所定範囲に含まれているか否かが判断される(ステップS34)。ここで、スケールセンサ44からの信号とは、受光部44bの受光量を示す信号であり、例えば、図8(C)に示す最大振幅ftに相当する。所定時間T3は、スケールセンサ44からの信号が、第2の所定範囲に含まれるのに十分な時間に設定される。
ステップS34でスケールセンサ出力が第2の所定範囲内であると判断されると(ステップS34のYes)、処理は終了される。一方、また、スケールセンサ出力が第2の所定範囲内ではないと判断されると(ステップS34のNo)、異常通知部2066は、光量調整処理が異常であることを通知する(ステップS36)。ここで、光量調整処理の異常とは、スケールセンサ44における光調整機能の異常や、制御部206内の光量調整部2068の異常などを含む。
本実施形態によれば、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できるような位置に中間転写ベルト1が移動するまで待ってから、光量調整異常の判断が行なわれる。従って、スケールセンサ44の光量調整機能や光量調整部2068(つまり、光量調整処理)に異常がないにも関らず、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できないという理由で、「スケールセンサ44の光量調整機能や光量調整部2068に異常がある」という異常通知がなされることが防止される。結果として、スケールセンサ25やベルトスケール44についての異常通知を確実に行うことが出来る。
次に、第5実施形態について説明する。
一般的に、中間転写ベルト1のフィードバック制御を行う場合、温度や湿度による中間転写ベルト1の伸縮による影響を除去するために、複数のスケールセンサ44A,44Bが設けられる。そして、位相取得部2076は、スケールセンサ44A,44Bからの出力信号の位相差を算出して取得する。位相取得部2076が取得した位相差に基づいて、中間転写ベルト1の伸縮の程度が判断され、中間転写ベルト1の移動速度が補正される。ここで、ベルト駆動装置が初期状態において中間転写ベルト1の回転駆動が開始され直後に取得する位相差を初期位相差と称する。この初期位相差と、ベルト駆動装置の駆動中に取得した位相差とを比較して、中間転写ベルト1の伸縮等を判定する。
一般的に、初期位相差取得処理は、中間転写ベルト1の交換時やスケールセンサ44の交換時に行われる。従来の初期位相差取得処理は、初期位相差取得実行指示がなされた後、即座に実行された。しかし、中間転写ベルト1の取り付け位置によっては、スケールセンサ44がベルトスケール25を検知できず、正確な初期位相差を取得ができないおそれがある。そこで、本実施形態によるベルト駆動装置は、中間転写ベルト1の交換時やスケールセンサ44の交換時においても、正確な初期位相差を取得ができるようにしている。
図13−1は、第5実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。ステップS12及びステップS14の処理終了後、判断部2072は、位相取得部2076からスケールセンサ44に対して、初期位相差取得指示が行なわれたか否かを判断する(ステップS42)。初期位相差取得指示は、位相取得部2076が、スケールセンサ44に対して初期位相差取得指示信号を送信することで行われる。
判断部2072が、初期位相差取得指示が行われていないと判断すると(ステップS42のNo)、処理は終了する。
一方、判断部2072が、初期位相差取得指示が行われたと判断すると(ステップS42のYes)、処理はステップS16に移行する。ステップS16及びステップS22の処理により、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できるようになるまで待ち(ステップS16のYes)、処理はステップS44に移行する。
ステップS44では、判断部2072は、エッジセンサ19からの位置信号が十分に安定しているか否かを判断する。位置信号が十分に安定しているか否かの判断とは、具体的には、位置信号が所定時間T5の間、一定値となっているか、または一定値近傍の値であるか否かの判断である。したがって、所定時間T5は、位置信号が一定値になるか、または、一定値近傍の値になるのに十分な時間に予め設定される。一定値は、基準値X(V)(図11参照)に所定値X1を加算した値(X+X1)にすればよい。また、一定値X+X1の近傍とは、完全な一定値でなく、一定値X+X1より若干大きい値や若干小さい値を往来するような値であることを意味する。
判断部2072が、位置信号が十分に安定していないと判断すると(ステップS44のNo)、処理はステップS22に移行する。一方、判断部2072が、位置信号が十分に安定していると判断すると(ステップS44のYes)、処理はステップS46に移行する。ステップS46では、初期位相差取得処理が実行される。エッジセンサ19からの位置信号が一定値であるか、または一定値近傍の値になると、スケールセンサ44は正確な初期位相差を取得できる。このため、ステップS44の処理を設けることで、更に確実に初期位相取得処理における異常発生の判断を行うことができる。
ステップS44の処理は、第1乃至第4実施形態で説明した処理にも適用することができる。そのような場合には、ステップS16の処理終了後にステップS44の処理を行えばよい。
上述のように第5実施形態による駆動装置では、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できるようになった後で(ステップS16のYes)、スケールセンサ44からの出力に基づいて、初期位相差を取得する。従って、正確な初期位相差を取得することができる。
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態では、ベルト駆動装置の初期位相差取得処理における異常を通知する。
光量調整実行指示が出された後、即座に初期位相差取得処理を実行する場合、初期位相差取得処理に異常があると判断されたら、その異常の通知が行なわれる。従って、スケールセンサ44がベルトスケール25を検知できない位置に中間転写ベルト1が存在する場合には、中間転写ベルト1の駆動が開始されてから所定時間内にはスケールセンサ44A,44Bの出力から初期位相差を取得することはできない。このため、スケールセンサ44やベルトスケール25に異常がないにもかかわらず、初期位相取得処理の異常と判断されるおそれがある。
そこで、本実施形態によるベルト駆動装置は、以下に説明する制御処理を実行することで、初期位相差取得処理における異常通知を正確に行なう。
図13−2は、実施形態6によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。ステップS46において位相差取得処理の実行が開始された後に、判断部2072は、位相差取得処理に異常があるか否かを判断する。具体的には、判断部2072は、予め定められた所定時間T4内に、スケールセンサ44からの信号が変化したか否かを判断する(ステップS48)。ここで、スケールセンサ44からの信号とは、スケールセンサ44A,44Bから出力されるアナログ信号の最大振幅(図8(C)参照)である。また、所定時間T4は、スケールセンサ44からの信号が変化するのに十分な時間に設定される。
ステップS48において、所定時間T4内にスケールセンサ44からの信号が変化したと判断されると(ステップS48のYes)、処理は終了される。一方、ステップS48において所定時間T4内にスケールセンサ44からの信号が変化しなかったと判断されると(ステップS48のNo)、異常通知部2066は、初期位相差取得処理に異常が発生したという通知を行う(ステップS50)。ここで、初期位相差取得処理の異常は、スケールセンサ44の出力から初期位相を取得する機能の異常や、制御部206内の位相取得部2076の異常などを含む。
上述の第6実施形態によれば、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できる位置に中間転写ベルト1が移動してから、初期位相差取得処理の異常の判断を行う。従って、スケールセンサ44の信号から初期位相差を取得する機能や位相取得部2076における初期位相差取得処理に異常がないにも関らず、スケールセンサ44がベルトスケール25を検出できないという理由で、「初期位相差取得処理に異常がある」という異常通知がなされることがない。結果として、初期位相差取得処理についての正確な異常通知を行うことが出来る。
なお、初期位相差取得処理により取得した初期位相差を用いて、伸縮補正部2070は、中間転写ベルト1の伸縮による影響を除去する。
次に、第7実施形態について説明する。
上述の実施形態では、フィードバック処理(第1実施形態で説明)、フィードバック処理の異常通知(第2実施形態で説明)、光量調整処理(再3実施形態で説明)、光量調整処理の異常通知(第4実施形態で説明)、初期位相差取得処理(第5実施形態で説明)、初期位相取得処理の異常通知(第6実施形態で説明)について言及した。これらの実施形態のうち2つ以上を組み合わせることもできる。
例えば、第7実施形態は、光量調整処理の異常通知と、初期位相差取得処理の異常通知と、を組み合わせた実施形態である。すなわち、第7実施形態によるベルト駆動装置は、光量調整処理の異常通知と、初期位相差取得処理の異常通知の両方を行うことが出来る。
図14は第7実施形態によるベルト駆動装置の制御処理のフローチャートである。ステップS12、ステップS14の処理終了後、ステップS16において、エッジセンサ19からの位置信号が第1の所定範囲に含まれているか否かが判断される。ステップS16の処理終了後、ステップS30、ステップS32、ステップS34、ステップS36の処理において、光量調整処理の異常通知処理が行われる。
その後、ステップS42、ステップS44、ステップS46、ステップS48、ステップS50の処理において、初期位相差取得処理の異常通知処理が行われる。
また、図14に示す処理では、光量調整処理の異常通知、初期位相差取得処理の異常通知の順番で処理を行っているが、逆の順番でもよい。
上述の第1乃至第7実施形態によるベルト駆動装置は、画像形成装置の一例としてカラー複写機の画像形成部(図3及び4参照)に用いることができる。図15は一実施形態によるカラー複写機100の概略構成を示す図である。カラー複写機100において、スキャナ部150は原稿に走査光を照射しながら、原稿からの反射光を3ラインCCDセンサにより受光し、原稿の画像を読み取る。原稿を読み取って得られた画像データは、画像処理ユニットでスキャナγ補正、色変換、画像分離、階調補正処理等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、画像書き込みユニット160へ送られる。画像書き込みユニット160は、画像データに応じてLD(レーザーダイオード)のレーザビームを変調する。感光体ユニット130は、一様に帯電された回転する感光体ドラムに上述のLDからのレーザビームにより潜像を書き込む。現像ユニット140は、感光体ドラムにトナーを付着させて潜像を現像する。感光体ドラム上に形成されたトナー画像は、紙転写部120の一次転写ユニットの転写ベルト上に転写される。一次転写ベルト上にはフルカラーコピーの場合、4色のトナー画像が順次重ねられて形成される。(ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色)フルカラーコピーの場合には、Bk、C、M、Yの4色のトナー画像が作成される。4色のトナー画像の転写が終了した時点で、一次転写ベルトとタイミングを合わせて、給紙部110より転写紙が給紙される。そして、紙転写部120で一次転写ベルトから4色同時に転写紙にトナー画像が転写される。トナー画像が転写された転写紙は搬送部180を経て定着部170に送られ、定着ローラと加圧ローラによってトナー画像が熱定着され排紙される。ここで、上述のカラー複写機100は、間接転写方式の画像形成装置であるが、直接転写方式の画像形成装置であっても良い。
1 中間転写ベルト
2 駆動ローラ
3 ステアリングローラ
4 斥力ローラ
5 従動ローラ
19 エッジセンサ
25 ベルトスケール
44,44A,44B スケールセンサ
20Y,20C,20M,20B 感光体ドラム
22Y,22C,22M,22B 露光部
24Y,24C,24M,24B 現像部
26Y,26C,26M,26B 帯電部
100 カラー複写機
110 給紙部
120 紙転写部
130 感光体ユニット
140 現像ユニット
150 スキャナ部
160 画像書き込みユニット
170 定着部
180 搬送部
206 制御部
312 主記憶部
313 補助記憶部
314 外部記憶装置I/F部
316 ネットワークI/F部
317 操作部
318 表示部
319 エンジン部319
2062 幅方向位置制御部
2064 ローラ速度検出部
2066 異常検知部
2068 光量調整部
2070 伸縮補正部
2072 判断部
2074 処理実行部
特開2004−271718号公報

Claims (11)

  1. 複数のローラに支持され、回転移動する無端ベルトと、
    前記無端ベルトの回転移動に基づいた信号を出力する移動速度信号出力手段と、
    前記無端ベルトの幅方向の位置に応じて値が変化する位置信号を出力する幅方向位置信号出力手段と、
    前記無端ベルトの幅方向の位置を制御する幅方向位置制御手段と、
    前記幅方向位置信号出力手段から出力された前記位置信号に基づいて、前記移動速度出力手段から出力された前記信号を用いた所定の処理を行う処理実行手段と
    を有することを特徴とするベルト駆動装置。
  2. 請求項1記載のベルト駆動装置であって、
    前記幅方向位置信号出力手段からの前記位置信号が、前記幅方向位置制御手段の制御開始時から第1の所定時間内に、予め定められた第1の所定範囲に含まれた場合に、前記所定の処理の異常があるか否かを判断する判断部を更に有することを特徴とするベルト駆動装置。
  3. 請求項1または2記載のベルト駆動装置であって、
    前記所定の処理は、前記無端ベルトの回転移動速度のフィードバック制御を含むことを特徴とするベルト駆動装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のベルト駆動装置であって、
    前記移動速度信号出力手段は、光学センサを含み、
    前記所定の処理は、前記光学センサの光量調整処理を含む
    ことを特徴とするベルト駆動装置。
  5. 請求項1,2,4のうちいずれか一項記載のベルト駆動装置であって、
    前記所定の処理は、前記移動速度信号出力手段の信号から位相差を取得する位相差取得処理を含むことを特徴とするベルト駆動装置。
  6. 請求項5記載のベルト駆動装置であって、
    前記幅方向位置信号出力手段からの信号が第1の所定時間内に、予め定められた第1の所定範囲に含まれ、かつ、前記幅方向位置信号出力手段からの信号が第2の所定時間中に一定値または該一定値近傍である場合に、前記所定の処理が開始されることを特徴とするベルト駆動装置。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のベルト駆動装置であって、
    前記幅方向位置制御手段の制御開始時から、第1の所定時間内に前記幅方向位置信号出力手段からの位置信号が予め定められた第1の所定範囲に含まれない場合に、前記幅方向位置制御手段による無端ベルトの幅方向の位置制御に異常があると判断する判断部を更に有することを特徴とするベルト駆動装置。
  8. 請求項1記載のベルト駆動装置を有する画像形成装置。
  9. 請求項2乃至7のうちいずれか一項記載のベルト駆動装置を有する画像形成装置。
  10. 請求項9記載の画像形成装置であって、
    前記判断部により異常があると判断されると、該異常がある旨を通知する異常通知部を有する画像形成装置。
  11. 複数のローラに支持されながら回転移動する無端ベルトの回転移動に基づいた信号を出力し、
    前記無端ベルトの幅方向の位置に応じて値が変化する位置信号を出力し、
    前記無端ベルトの幅方向の位置を制御し、
    前記位置信号に基づいて、前記無端ベルトの回転移動に基づいた前記信号を用いた所定の処理を行う
    ことを有することを特徴とするベルト駆動方法。
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