JP2011213887A - ポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents

ポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子及び発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を容器内で、(T−40)〜(T+15)℃(Tはポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度)の気体により、流動させかつ、前記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体に含まれる揮発性有機化合物の量が20ppm以下になるまで容器下部より前記気体を吹き込むことを特徴とするポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法により上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子及び発泡成形体に関する。
ポリ乳酸系樹脂は、天然に存在する乳酸を重合させて得られた樹脂であり、自然界に存在する微生物によって分解可能な生分解性樹脂であると共に、常温での機械的特性についても優れていることから注目を集めている。特に、最近の環境意識の高まりから、ポリ乳酸系樹脂の自動車関連部品、建材等の種々の用途への利用が進んできている。例えば、特許第4213200号公報では、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を型内成形させることで、所望形状の発泡成形体を得る技術が提案されている。
特許第4213200号公報
ところで自動車関連部品、建材等の用途では、樹脂中から発生する原料や添加物由来の揮発性有機化合物(VOC)を低減することが望まれている。この観点において、ポリ乳酸系樹脂は比較的VOCが少ない樹脂であるため、今までそのVOCの低減は行われていなかった。しかし、ポリ乳酸系樹脂においても、その耐久性付与のために添加されている加水分解抑制剤に由来するVOCや、ポリ乳酸系樹脂の残原料及び分解物に由来するVOCが発生することがあり、それらのVOCを低減することが将来課題となるであろうと発明者等は考えた。
かくして本発明によれば、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を容器内で、(T−40)〜(T+15)℃(Tはポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度)の気体により、流動させかつ、前記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体に含まれる揮発性有機化合物の量が20ppm以下になるまで容器下部より前記気体を吹き込むことを特徴とするポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法が提供される。
また、本発明によれば、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子であり、前記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体に含まれる揮発性有機化合物の量が20ppm以下であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を型内成形させて得られる発泡性成形体が提供される。
本発明によれば、VOCの少ない、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得ることができる。その結果、低レベルのVOC含有率を要求される自動車関連部品や建材等の用途に使用可能な発泡成形体を得ることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を容器下部から気体を吹き込んだ状態で容器内に入れることで、よりVOCの少ないポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得ることができる。
更に、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子が、D体及びL体の双方の光学異性体を含有しかつD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満であるモノマー成分に由来するか、あるいは、D体又はL体のうちのいずれか一方の光学異性体のみを含有しているモノマー成分に由来することで、加熱寸法安定性に優れた発泡成形体を与えるポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得ることができる。
発泡粒子の製造装置の一例を示した模式断面図である。 マルチノズル金型を正面から見た模式図である。
本発明のポリ乳酸系樹脂発泡粒子(以下、単に発泡粒子ともいう)中のVOCの低減方法は、発泡粒子を容器内で、(T−40)〜(T+15)℃(Tはポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度)の気体により、流動させかつ、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体に含まれるVOCの量が20ppm以下になるまで容器下部より気体を吹き込む方法である。発泡成形体に20ppmより多いVOCが含まれていると、発泡体より不快臭がするため発泡体のVOC量は20ppm以下にする必要がある。
本発明においてVOCとは、ポリ乳酸系樹脂の耐久性付与のために添加されている加水分解抑制剤や、ポリ乳酸系樹脂の残原料及び分解物に由来するものである。例えばカルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等、加水分解抑制剤由来の化合物、乳酸モノマー、ラクチド等の残原料及び分解物由来の化合物等が挙げられる。
本発明では、気体を容器下部より吹き込んで発泡粒子を流動させているため、VOCを効率よく低減できる。ここで気体とは、空気、不活性ガス(例えば、窒素)等であり、通常空気が使用される。
(VOC低減条件)
本発明で使用される容器は、気体を容器下部から吹き込みつつ容器内の粒子を流動させることが可能な容器であり、容器の形状は、下部に気体の吹き込み口があれば特に限定されない。容器は、吹き込まれた気体を排出するための排出口を通常上部に有する。容器下部には、吹き込み口に発泡粒子が入ることを防止する為の目皿板を設けることが好ましい。目皿板には、通常気体が通過し得る孔が多数設けられている。この孔は、気体を垂直に吹き上げる形状を有していてもよく、斜めに吹き上げる形状を有していてもよい。VOCの低減効率を上げる観点からは、両者の形状の孔を有する目皿板を使用することが好ましい。更に、VOCの低減効率を上げるために、容器内に攪拌装置を設けてもよい。そのような容器としては、例えば、粒状物の乾燥に一般的に使用される流動層乾燥装置が、使用できる。具体的には、バグ内蔵旋回型流動層乾燥装置(例えば、大川原製作所社製、スリットフロー(登録商標)(FBS型))が挙げられる。
本発明の方法において、発泡粒子は、容器下部より気体を吹き込む前に容器内に入れられてもよいし、容器下部から気体を吹き込んだ状態で容器内に入れられてもよい。このうち、容器下部から気体を吹き込んだ状態で容器内に入れられるのが、VOC成分の低減効率を向上させる観点から好ましい。
本発明に用いられる気体の温度は、ポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度をT℃としたとき、(T−40)〜(T+15)℃の温度である。(T−40)℃より低い場合、VOCの低減が不充分となることがある。(T+15)℃より高い場合、発泡粒子同士が合着することがある。より好ましい気体の温度は、(T−20)〜(T+15)である。なお、ここで言うポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度は、JISK7121−1987で言うところのガラス転移温度を意味する。
気体の流速は、容器内の発泡粒子を流動させるのに必要な最小の流速以上であり、それは、容器内の発泡粒子の粒子径及び量により変化し得る。
気体の流速は吹き込む気体の風量により変化させることが可能であり、風量を調節することで流動性を調整できる。風量が少ない場合、発泡粒子を充分に流動できないことがある。また、風量が多い場合は、発泡粒子を飛散させてしまうことがある。より効率よく発泡粒子を流動させるために、風量の好ましい範囲は0.1〜2.0m/秒であり、更に好ましい範囲は0.5〜1.6m/秒である。適切な風量は、吹き込む気体が発泡粒子中を通過するときに受ける圧力損失で判断できる。圧力損失が1〜10kpaの範囲であることが好ましく、より好ましくは2〜6kpaの範囲である。気体の発泡粒子による圧力損失がこの範囲であれば、確実に発泡粒子を流動できる。
気体を吹き込む時間は、気体の温度と流速により変化し、気体の温度が一定の場合、流速が速くなれば時間は短くなり、反対に流速が遅くなれば時間は長くなる。一方、気体の流速が一定の場合、温度が高くなれば時間は短くなり、反対に温度が低くなれば時間は長くなる。いずれにせよ、気体を吹き込む時間は、発泡粒子全体に含まれるVOCの量が20ppm(μg/g)以下になるまでである。
(ポリ乳酸系樹脂発泡粒子)
(1)ポリ乳酸系樹脂
ポリ乳酸系樹脂は、一般に市販されているポリ乳酸系樹脂を用いることができる。具体的には、D−乳酸及びL−乳酸の共重合体、D−乳酸(D体)又はL−乳酸(L体)のいずれか一方の単独重合体、D−ラクチド、L−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドの開環重合体が挙げられる。
ここで、D体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の割合が5モル%未満であるD体とL体との共重合体、及びD体又はL体のいずれか一方の単独重合体は、少ない方の光学異性体が減少するにしたがって、結晶性が高くなり融点が高くなる傾向がある。一方、D体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の割合が5モル%以上であるD体とL体との共重合体は、少ない方の光学異性体が増加するにしたがって、結晶性が低くなり、やがて非結晶となる傾向がある。
従って、例えば、高い耐熱性が望まれる用途では、前者のポリ乳酸系樹脂を、複雑な空間への充填性の向上が望まれる用途では、後者のポリ乳酸系樹脂を使用できる。
また、後者のポリ乳酸系樹脂は、発泡粒子を金型内に充填して発泡させて得られる発泡成形体の耐熱性を向上できるので、発泡成形体は高い温度であってもその形態を維持できる。従って、発泡成形体を金型から高い温度のまま取り出すことが可能となって発泡成形体の金型内における冷却時間が短縮され、発泡成形体の生産効率を向上させることもできる。
更に、D体とL体との共重合体は、D体又はL体のうちのいずれか少ない方の光学異性体の割合が4モル%未満であることが好ましく、3モル%未満であることより好ましく、2モル%未満であることが特に好ましい。
また、ポリ乳酸系樹脂には、加水分解抑制剤カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等が含まれていてもよい。
また、上記カルボジイミド化合物としては、分子内に少なくとも2つの(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を有しておればよく、カルボジイミド基を二個以上有する多価カルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4'−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)等のポリカルボジイミド化合物が挙げられる。
なお、ポリカルボジイミド化合物としては、例えば、日清紡社から商品名「カルボジライトLA−1」で市販されている。
また、上記イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を二個以上有しておればよく、イソシアネート基を二個以上有する多価イソシアネート化合物としては、多官能芳香族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、芳香族ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネートの何れであってもよく、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物;トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(p−イソシアナトフェニル)チオフォスファイト、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記エポキシ基を有する化合物としては、エポキシ基を有するアクリル・スチレン系化合物が好ましく、構成モノマー成分として、エポキシ基を有するアクリル系単量体と、スチレン系単量体とを含有してなるビニル重合体が好ましい。
そして、上記エポキシ基を有するアクリル系単量体としては、例えば、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタアクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート等が挙げられる。また、スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
更に、エポキシ基を有するアクリル・スチレン系化合物は、エポキシ基を有するアクリル系単量体及びスチレン系単量体以外の単量体を構成モノマー成分として含有していてもよく、このような単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート等が挙げられる。
なお、エポキシ基を有するアクリル・スチレン系化合物は、例えば、東亜合成社から商品名「ARUFON UG−4000」「ARUFON UG−4010」「「ARUFON UG−4030」「ARUFON UG−4040」「ARUFON UG−4070」で市販されている。
オキサゾリン化合物としては、例えば、2,2'フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2'フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2'フェニレンビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−エチレンビスオキサゾリン、2,2'−テトラメチレンビスオキサゾリン、2,2'−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
ここで、発泡粒子を押出発泡法で得る場合、ポリ乳酸系樹脂は、その融点(mp)と、動的粘弾性測定にて得られた、貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線との交点における温度Tとが下記式1を満たすように調整されることが好ましい。
(ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)−40℃)
≦(交点における温度T)≦ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)・・・式1
ここで、動的粘弾性測定にて得られた貯蔵弾性率は、粘弾性において弾性的な性質を示す指標であって、発泡過程における気泡膜の弾性の大小を示す指標であり、発泡過程において、気泡膜の収縮力に抗して気泡を膨張させるのに必要な発泡圧の大小を示す指標である。
即ち、ポリ乳酸系樹脂の動的粘弾性測定にて得られた貯蔵弾性率が低いと、気泡膜が伸長された場合、気泡膜が伸長力に抗して収縮しようとする力が小さい。そのため、発泡粒子の製造に必要とする発泡圧によって発泡膜が容易に伸長してしまう結果、気泡膜が過度に伸長してしまい破泡を生じることがある。一方、ポリ乳酸系樹脂の動的粘弾性測定にて得られた貯蔵弾性率が高いと、気泡膜に伸長力が加わった場合、伸長に抗する気泡膜の収縮力が大きくなる。そのため、発泡粒子の製造に必要とする発泡圧で一旦、気泡が膨張したとしても、温度低下等に起因する経時的な発泡圧の低下に伴って気泡が収縮してしまうことがある。
また、動的粘弾性測定にて得られた損失弾性率は、粘弾性において粘性的な性質を示す指標である。具体的には、発泡過程における気泡膜の粘性を示す指標である。特に、発泡過程において、気泡膜をどの程度まで破れることなく伸長できるかの許容範囲を示す指標であると同時に、発泡圧によって所望大きさに気泡を膨張させた後、この膨張した気泡をその大きさに維持する能力を示す指標でもある。
即ち、ポリ乳酸系樹脂の動的粘弾性測定にて得られた損失弾性率が低いと、発泡粒子の製造に必要とする発泡圧によって気泡膜が伸長された場合、気泡膜が容易に破れてしまうことがある。一方、ポリ乳酸系樹脂の動的粘弾性測定にて得られた損失弾性率が高いと、発泡力が気泡膜によって熱エネルギーに変換されてしまい、発泡粒子の製造時に気泡膜を円滑に伸長させることが難しくなり、気泡を膨張させることが困難になることがある。
このように、ポリ乳酸系樹脂を発泡させて発泡粒子を製造するにあたっては、発泡過程において、発泡圧によって気泡膜が破れることなく適度に伸長するための弾性力、即ち、貯蔵弾性率を有していることが好ましい。加えて、発泡圧によって気泡膜が破れることなく円滑に伸長し、所望の大きさに膨張した気泡をその大きさに発泡圧の経時的な減少にかかわらず維持しておくための粘性力、即ち、損失弾性率を有していることが好ましい。
つまり、押出発泡工程において、ポリ乳酸系樹脂の貯蔵弾性率及び損失弾性率の双方が押出発泡に適した値を有していることが好ましく、このような押出発泡に適した貯蔵弾性率及び損失弾性率を押出発泡工程においてポリ乳酸系樹脂に付与するために、ポリ乳酸系樹脂における動的粘弾性測定にて得られた、貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線との交点における温度T(以下「温度T」という)と、ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)とが、好ましくは下記式1を満たすように、より好ましくは式2を満たすように調整される。この調整により、貯蔵弾性率及び損失弾性率をそれらのバランスをとりながら押出発泡性を良好なものとし、発泡粒子を安定的に製造できる。
〔ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)−40℃〕
≦交点における温度T≦ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)・・・式1
〔ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)−35℃〕
≦交点における温度T≦〔ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)−10℃〕・・・式2
更に、温度Tと、ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)とが上記式1を満たすように調整されるのが好ましい理由を下記に詳述する。
まず、温度Tが、ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)よりも40℃を超えて低い場合には、押出発泡時におけるポリ乳酸系樹脂の損失弾性率が貯蔵弾性率に比して大き過ぎるために、損失弾性率と貯蔵弾性率とのバランスが崩れてしまう。
そこで、ポリ乳酸系樹脂の損失弾性率に適した発泡力、即ち、粘性に合わせた発泡力とすると、弾性力に対する発泡力が大き過ぎてしまい、気泡膜が破れて破泡を生じて良好な発泡粒子を得られないことがある。逆に、ポリ乳酸系樹脂の貯蔵弾性率に適した発泡力、即ち、弾性に合わせた発泡力とすると、粘性力に対する発泡力が小さく、ポリ乳酸系樹脂が発泡しにくくなり、良好な発泡粒子を得られないことがある。
また、温度Tが、ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)よりも高いと、押出発泡時におけるポリ乳酸系樹脂の貯蔵弾性率が損失弾性率に比して大き過ぎることになる。そのため、上述と同様に損失弾性率と貯蔵弾性率とのバランスが崩れてしまうことがある。
そこで、ポリ乳酸系樹脂の貯蔵弾性率に適した発泡力、即ち、弾性に合わせた発泡力とすると、粘性力に対する発泡力が大き過ぎてしまい、気泡膜が破れて破泡を生じ良好な発泡粒子を得られないことがある。逆に、ポリ乳酸系樹脂の損失弾性率に適した発泡力、即ち、粘性に合わせた発泡力とすると、弾性力に対する発泡力が小さく、ポリ乳酸系樹脂が一旦発泡したとしても、経時的な発泡力の低下に伴って気泡が収縮してしまって、やはり良好な発泡粒子を得られないことがある。
ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量が高くなるにしたがって、温度Tが高くなる。よって、温度Tと、ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)とを上記式1を満たすように調整するには、ポリ乳酸系樹脂の重合時に反応時間又は反応温度を調整することによって、得られるポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量を調整する方法、押出発泡前に又は押出発泡時にポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量を増粘剤や架橋剤を用いて調整する方法が挙げられる。
(2)発泡粒子の製造
発泡粒子は、公知の方法によって製造できる。例えば、以下の押出発泡法が挙げられる。
まず、ポリ乳酸系樹脂を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練する。この後、押出機の前端に取り付けた図1及び2に示すノズル金型からポリ乳酸系樹脂押出物を押出発泡させる。
なお、上記押出機としては、従来から汎用されている押出機であれば、特に限定されない。例えば、単軸押出機、二軸押出機、複数の押出機を連結させたタンデム型の押出機が挙げられる。
また、発泡剤としては、従来から汎用されているものが用いられる。例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウム等の化学発泡剤;プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテル等のエーテル類、二酸化炭素、窒素等の物理発泡剤等が挙げられる。この内、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。
発泡剤量は、少ないと、発泡粒子を所望発泡倍率まで発泡できないことがある。一方、多いと、発泡剤が可塑剤として作用することから溶融状態のポリ乳酸系樹脂の粘弾性が低下し過ぎて発泡性が低下し良好な発泡粒子を得ることができないことがある。加えて発泡粒子の発泡倍率が高過ぎて結晶化度を制御できなくなる場合がある。よって、発泡剤量は、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜4重量部がより好ましく、0.3〜3重量部が特に好ましい。
なお、押出機には気泡調整剤が添加されることが好ましい。ただし、気泡調整剤の多くは、発泡粒子の結晶核剤として作用するため、ポリ乳酸系樹脂の結晶化を促進しない気泡調整剤を用いることが好ましい。そのような気泡調整剤としては、ポリテトラフルオロエチレン粉末、アクリル樹脂で変性されたポリテトラフルオロエチレン粉末が挙げられる。
また、押出機に供給される気泡調整剤の量は、少ないと、発泡粒子の気泡が粗大となり、得られる発泡成形体の外観が低下することがある。一方、多いと、ポリ乳酸系樹脂を押出発泡させる際に破泡を生じて発泡粒子の独立気泡率が低下することがある。よって、気泡調整剤の量は、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、0.01〜3重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好ましく、0.1〜1重量部が特に好ましい。
ノズル金型1から押出されたポリ乳酸系樹脂押出物は引き続き切断工程に入る。ポリ乳酸系樹脂押出物の切断は、回転軸2をモータ3により回転させ、ノズル金型1の前端面1aに配設された回転刃5を2000〜10000rpmの一定の回転数で回転させて行う。
全ての回転刃5はノズル金型1の前端面1aに常時、接触しながら回転している。ノズル金型1から押出発泡されたポリ乳酸系樹脂押出物は、回転刃5と、ノズル金型1におけるノズルの出口部11端縁との間に生じる剪断応力によって、一定の時間間隔毎に大気中において切断されて発泡粒子とされる。この時、ポリ乳酸系樹脂押出物の冷却が過度とならない範囲内において、ポリ乳酸系樹脂押出物に水を霧状に吹き付けてもよい。
ノズル金型1のノズル内においてポリ乳酸系樹脂が発泡しないことが好ましい。そのため、ポリ乳酸系樹脂は、ノズル金型1のノズルの出口部11から吐出された直後は、未だに発泡しておらず、吐出されてから僅かな時間が経過した後に発泡を始める。従って、ポリ乳酸系樹脂押出物は、ノズル金型1のノズルの出口部11から吐出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する、未発泡部に先んじて押出された発泡途上の発泡部とからなる。
ノズル金型1のノズルの出口部11から突出されてから発泡を開始するまでの間、未発泡部はその状態を維持する。この未発泡部が維持される時間は、ノズル金型1のノズルの出口部11における樹脂圧力や、発泡剤量等によって調整できる。ノズル金型1のノズルの出口部11における樹脂圧力が高いと、ポリ乳酸系樹脂押出物はノズル金型1から押出されてから直ぐに発泡することはなく未発泡の状態を維持する。ノズル金型1のノズルの出口部11における樹脂圧力の調整は、ノズルの口径、押出量、ポリ乳酸系樹脂の溶融粘度及び溶融張力によって調整できる。発泡剤量を適正な量に調整することによって金型内部においてポリ乳酸系樹脂が発泡することを防止し、未発泡部を確実に形成できる。
ポリ乳酸系樹脂の押出温度(押出機の先端部におけるポリ乳酸系樹脂の温度)は、低いと、フラクチャーが生じ、得られた発泡粒子同士が付きやすくなる。一方、ポリ乳酸系樹脂の押出温度が高いと、ポリ乳酸系樹脂の分解が促進し、発泡粒子の発泡性及び連続気泡率が低下し易くなる。従って、押出温度は、ポリ乳酸系樹脂の融点よりも10〜50℃高い温度が好ましく、ポリ乳酸系樹脂の融点よりも15〜45℃高い温度がより好ましく、ポリ乳酸系樹脂の融点よりも20〜40℃高い温度が特に好ましい。
全ての回転刃5はノズル金型1の前端面1aに常時、接触した状態でポリ乳酸系樹脂押出物を切断していることから、ポリ乳酸系樹脂押出物は、ノズル金型1のノズルの出口部11から吐出された直後の未発泡部において切断されて発泡粒子が製造される。
得られた発泡粒子は、ポリ乳酸系樹脂押出物をその未発泡部で切断していることから、切断部の表面には気泡断面は存在しない。そして、発泡粒子の表面全面は、気泡断面の存在しない表皮層で被覆されている。従って、発泡粒子は、発泡ガスの抜けがなく優れた発泡性を有していると共に連続気泡率も低く、更に、表面の熱融着性にも優れている。
発泡粒子の表面は、気泡断面が露出していない表皮層から形成されている。そのため発泡粒子を型内発泡成形に用いた時、発泡粒子同士の熱融着性が良好であり、得られる発泡成形体は、表面ムラがなく外観に優れていると共に優れた機械的強度を有している。
また、回転刃5は一定の回転数で回転していることが好ましい。回転刃5の回転数は、2000〜10000rpmが好ましく、3000〜9000rpmがより好ましく、4000〜8000rmpが更に好ましい。
2000rpmを下回ると、ポリ乳酸系樹脂押出物を回転刃5によって切断できないことがある。そのため、発泡粒子同士が合体したり、発泡粒子の形状が不均一となることがある。10000rpmを上回ると下記の問題点を生じることがある。第一の問題点は、回転刃による切断応力が大きくなって、発泡粒子がノズルの出口部から冷却部材に向かって飛散される際に、発泡粒子の初速が速くなることがある。その結果、ポリ乳酸系樹脂押出物を切断してから、発泡粒子が冷却部材に衝突するまでの時間が短くなり、発泡粒子の発泡が不充分となることである。第二の問題点は、回転刃及び回転軸の摩耗が大きくなって回転刃及び回転軸の寿命が短くなることである。
発泡粒子は、回転刃5による切断応力によって切断と同時に外方又は前方に向かって飛散され、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に直ちに衝突する。発泡粒子は、冷却ドラム41に衝突するまでの間も発泡をし続けており、発泡によって略球状に成長している。
冷却ドラム41の周壁部41bの内周面は全面的に冷却液42で被覆されており、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に衝突した発泡粒子は直ちに冷却されて、発泡が停止する。このように、ポリ乳酸系樹脂押出物を回転刃5によって切断した後に、発泡粒子を直ちに冷却液42によって冷却していることで、発泡粒子を構成しているポリ乳酸系樹脂の結晶化度が上昇するのを防止できると共に、発泡粒子が過度に発泡するのを防止できる。
従って、発泡粒子は、型内発泡成形時に優れた発泡性及び熱融着性を発揮する。型内発泡成形時に発泡粒子の結晶化度を上昇させて、ポリ乳酸系樹脂の耐熱性を向上でき、得られる発泡成形体は、優れた耐熱性を有している。
なお、冷却液42の温度は、低いと、冷却ドラム41の近傍に位置するノズル金型が過度に冷却されて、ポリ乳酸系樹脂の押出発泡に悪影響が生じることがある一方、高いと、発泡粒子を構成しているポリ乳酸系樹脂の結晶化度が高くなり、発泡粒子の熱融着性が低下することがある。よって、温度は、0〜45℃が好ましく、5〜40℃がより好ましく、10〜35℃が特に好ましい。
そして、得られる発泡粒子の結晶化度は、30%以下が好ましく、3〜28%がより好ましく、5〜26%が特に好ましい。発泡粒子の結晶化度は、ノズル金型1からポリ乳酸系樹脂押出物が押出されてから発泡粒子が冷却液42に衝突するまでの時間や、冷却液42の温度によって調整できる。
発泡粒子の嵩密度が小さいと、発泡粒子の連続気泡率が上昇して、型内発泡成形における発泡時に発泡粒子に必要な発泡力を付与できないことがある。一方、大きいと、得られる発泡粒子の気泡が不均一となって、型内発泡成形時における発泡粒子の発泡性が不充分となることがある。よって、嵩密度は、0.02〜0.6g/cm3が好ましく、0.03〜0.5g/cm3がより好ましく、0.04〜0.4g/cm3が特に好ましい。
そして、発泡粒子の連続気泡率は、高いと、型内発泡成形時に発泡粒子が殆ど発泡せず、発泡粒子同士の融着性が低くなって、得られる発泡成形体の機械的強度が低下することがある。よって、連続気泡率は、20%未満が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下が特に好ましい。なお、発泡粒子の連続気泡率の調整は、押出機からのポリ乳酸系樹脂の押出発泡温度、押出機への発泡剤の供給量等を調整することによって行われる。
また、発泡粒子の粒径は、小さいと、型内発泡成形時に発泡粒子の発泡性が低下することがある。一方、大きいと、型内発泡成形時に金型内への発泡粒子の充填性が低下することがある。よって、0.5〜5.0mmが好ましく、1.0〜4.5mmがより好ましく、1.5〜4mmが特に好ましい。
(発泡成形体の製法)
このようにして得られた発泡粒子を金型のキャビティ内に充填して加熱することで、発泡粒子を発泡させる。この加熱により、発泡粒子同士をそれらの発泡圧によって互いに融着一体化できるので、融着性に優れた発泡成形体を得ることができる。また、この加熱により、発泡粒子を構成するポリ乳酸系樹脂の結晶化度を上昇できるので、耐熱性に優れた発泡成形体を得ることができる。
なお、発泡粒子の加熱媒体としては、特に限定されず、水蒸気の他に、熱風、温水等が挙げられる。この内、温水を用いることが好ましい。これは、温水は、液体状であって比熱が大きいことから、温度が低くても金型内の発泡粒子に発泡に必要な高い熱量を充分に付与できるからである。従って、発泡粒子を加熱し過ぎることなく、充分に加熱、発泡できる。そのため、加熱媒体として水蒸気や熱風を用いた時に生じたような発泡粒子表面の熱収縮を生じさせることなく、発泡粒子同士をそれらの発泡力によって互いに強固に熱融着一体化できる。その結果、得られる発泡成形体は、優れた機械的強度を有していると共に外観にも優れている。
また、高圧の水蒸気を用いるのに比べて、低い圧力で型内発泡成形を行うことができるので、金型の設計強度を低く抑えることができる。そのため、複雑な形状を有する金型でも成形可能であると共に、コンパクトな金型でも成形可能である。その結果、発泡成形体の生産性を向上できる。
加熱媒体として用いる水の温度は、低いと、金型内に充填した発泡粒子の発泡が不充分となり、発泡粒子同士の熱融着性が低下する。そのため発泡成形体の機械的強度や外観性が低下することがある。一方、高いと、水を高圧状態としなければならず、ボイラーのような大掛かりな設備を要する。よって、水の温度は、60〜100℃が好ましく、70〜99℃がより好ましく、80〜98℃が特に好ましい。
金型内に充填した発泡粒子に温水を供給して発泡粒子を加熱する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)公知の型内発泡成形機に水蒸気の代わりに温水を供給する方法、(2)発泡粒子を充填した金型を、温水中に浸漬する方法等が挙げられる。この内、複雑な形状の金型であっても金型全体、即ち、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を全体的に均一に加熱、発泡できる(2)の方法が好ましい。
金型内に充填した発泡粒子の温水による加熱時間は、短いと、発泡粒子の加熱が不充分となって発泡粒子同士の熱融着が不充分となり、又は発泡粒子の結晶化度が充分に上昇しないことがある。その結果、得られる発泡成形体の耐熱性が低下することがある。一方、長いと、発泡成形体の生産性が低下することになる。加熱時間は、20秒〜1時間が好ましい。
型内発泡成形後、金型内に形成された発泡成形体は、冷却した上で金型を開放することで取り出すことができる。発泡成形体の冷却温度は、高いと、発泡粒子を充分に固化できないことがある。その結果、金型から取り出した時に膨らんで金型のキャビティ形状通りの発泡成形体とならないことがある。よって冷却温度は、発泡成形体の表面温度が好ましくは50℃以下となるように、より好ましくは0〜45℃となるように、特に好ましくは0〜40℃となるように、最も好ましくは0〜35℃となるように設定できる。
上記冷却方法としては、特に限定されないが、(1)金型を50℃以下の雰囲気中に放置する方法、(2)金型に50℃以下の水又は空気を吹き付ける方法、(3)金型を50℃以下の水中に浸漬させる方法が挙げられる。この内、複雑な形状の金型であっても金型全体を均一に冷却できることから、(3)の冷却方法が好ましい。なお、冷却時間は、冷却方法や金型の大きさ等に応じて適宜、調整できる。例えば、50℃以下の水中に金型を浸漬させる場合には、1〜10分が好ましい。
発泡成形体の結晶化度は、低いと、耐熱性が低下することがある。一方、高いと、発泡成形体が脆くなることがある。そのため、結晶化度は、好ましくは40〜65%、より好ましくは45〜64%、特に好ましくは50〜63%である。
なお、金型は、特に限定されず、例えば、鉄系金属、アルミニウム系金属、銅系金属、亜鉛系金属等から構成されていてもよい。この内、熱伝導性及び加工性の観点からアルミニウム系金属から構成されていることが好ましい。
更に、型内発泡成形前に、上記発泡粒子に更に不活性ガスを含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい。発泡力を向上させることにより、型内発泡成形時に発泡粒子同士の融着性が向上し、得られる発泡成形体に更に優れた機械的強度を付与できる。なお、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
発泡粒子に更に不活性ガスを含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する不活性ガス雰囲気下に発泡粒子を置くことによって発泡粒子中に不活性ガスを含浸させる方法が挙げられる。不活性ガスは、発泡粒子を金型内に充填する前に含浸させてもよく、発泡粒子を金型内に充填した後に金型ごと不活性ガス雰囲気下に置くことで含浸させてもよい。なお、不活性ガスが二酸化炭素である場合、0.1〜1.5MPaの二酸化炭素雰囲気中に発泡粒子を20分〜24時間に亘って放置することが好ましい。圧力は大気圧を基準としている。
不活性ガスを更に含浸させた発泡粒子は、そのまま、金型内にて加熱、発泡させてもよく、発泡粒子を金型内に充填する前に加熱、発泡させて、高発泡倍率の発泡粒子とした上で金型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような高発泡倍率の発泡粒子を用いることによって、高発泡倍率の発泡成形体を得ることができる。なお、発泡粒子を加熱する加熱媒体としては、乾燥した空気が好ましい。
なお、高発泡倍率の発泡粒子とした上で金型内に充填し成形する場合にも、0.1〜1.5MPaの不活性ガス雰囲気、好ましくは二酸化炭素中に発泡粒子を20分〜24時間に亘って置いて、発泡粒子中に不活性ガスを含浸させて発泡性を向上させておくことが好ましい。
高発泡倍率の発泡粒子とする際の温度としては、高いと、ポリ乳酸系樹脂の結晶化度が上昇し、発泡粒子同士の熱融着性が低下することがあり、その場合、得られる発泡成形体の機械的強度及び外観性が低下することがある。従って、温度は、70℃未満が好ましい。
得られた発泡成形体は、家電製品等の緩衝材(クッション材)、電子部品、各種工業資材、食品等の搬送容器、自動車関連部品(例えば、車輌用ダンパーの芯材、ドア内装緩衝材等の衝撃エネルギー吸収材等)等に用いることができる。特に、VOCの少ない発泡成形体が得られる観点から、自動車内装材(例えば、下肢部衝撃吸収材やフロア嵩上げ材、ツールボックス等)に好適に用いることもできる。
以下、実施例を挙げて更に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例に記載した各種測定法及び製造条件を以下で説明する。
(D体又はL体の含有量)
ポリ乳酸系樹脂中におけるD体又はL体の含有量は以下の方法によって測定する。ポリ乳酸系樹脂を凍結粉砕し、ポリ乳酸系樹脂の粉末200mgを三角フラスコ内に供給した後、三角フラスコ内に1Nの水酸化ナトリウム水溶液30ミリリットルを加える。そして、三角フラスコを振りながら65℃に加熱してポリ乳酸系樹脂を完全に溶解させる。しかる後、1N塩酸を三角フラスコ内に供給して中和し、pHが4〜7の分解溶液を作製し、メスフラスコを用いて所定の体積とする。
次に、分解溶液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した後、液体クロマトグラフを用いて分析し、得られたチャートに基づいてD体及びL体由来のピーク面積から面積比を存在比としてD体量及びL体量を算出する。そして、上述と同様の要領を5回繰り返して行い、得られたD体量及びL体量をそれぞれ相加平均した値を、ポリ乳酸系樹脂のD体量及びL体量とする。
HPLC装置(液体クロマトグラフ):日本分光社製商品名「PU−2085 Plus型システム」
カラム:住友分析センター社製商品名「SUMICHIRAL OA5000」(4.6mmφ×250mm)
カラム温度:25℃
移動相:2mMCuSO4水溶液と2−プロパノールとの混合液
(CuSO4水溶液:2−プロパノール(体積比)=95:5)
移動相流量:1.0ミリリットル/分
検出器:UV254nm
注入量:20マイクロリットル
(融点)
ポリ乳酸系樹脂の融点(mp)は次のようにして測定する。
即ち、JIS K7121:1987に準拠してポリ乳酸系樹脂の示差走査熱量分析を行い、得られたDSC曲線における融解ピークの温度をポリ乳酸系樹脂の融点(mp)とする。なお、融解ピークの温度が複数個ある場合には、最も高い温度とする。
(貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線との交点における温度T)
貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線との交点における温度Tは次のようにして測定する。
まず、発泡粒子を製造する要領において、発泡剤を添加しないこと以外は同様の要領にて、ポリ乳酸系樹脂粒子を得る。
このポリ乳酸系樹脂粒子を9.33×104Paの減圧下にて80℃で3時間に亘って乾燥する。このポリ乳酸系樹脂粒子を構成しているポリ乳酸系樹脂の融点よりも40〜50℃だけ高い温度に加熱した測定プレート上に載置して窒素雰囲気下にて5分間に亘って放置し溶融させる。
次に、直径が25mmの平面円形状の押圧板を用意し、この押圧板を用いて測定プレート上のポリ乳酸系樹脂を押圧板と測定プレートとの対向面間の間隔が1mmとなるまで上下方向に押圧する。そして、押圧板の外周縁からはみ出したポリ乳酸系樹脂を除去した後、5分間に亘って放置する。
しかる後、歪み5%、周波数1rad/秒、降温速度2℃/分、測定間隔30秒の条件下にて、ポリ乳酸系樹脂の動的粘弾性測定を行って貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定する。次に、横軸を温度とし、縦軸を貯蔵弾性率及び損失弾性率として、貯蔵弾性率曲線及び損失弾性率曲線を描く。なお、貯蔵弾性率曲線及び損失弾性率曲線を描くにあたっては、測定温度を基準として互いに隣接する測定値同士を直線で結ぶ。
そして、得られた貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線との交点を読み取ることで温度Tが得られる。なお、貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線とが複数箇所において互いに交差する場合は、貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線との複数の交点における温度のうち最も高い温度を、温度Tとする。
また、温度Tは、Reologica Instruments A.B社から商品名「DynAlyser DAR−100」にて市販されている動的粘弾性測定装置を用いて測定する。
(ガラス転移温度)
JISK7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」記載の方法に準拠し測定する。すなわち、示差走査熱量計(DSC)を用い、発泡粒子約6mgを昇温速度10℃/minで測定温度20℃〜100℃まで測定し、JISK7121−1987に記載の方法で中間ガラス転移温度を算出する。この中間ガラス転移温度を本明細書におけるガラス転移温度とする。
(粒径)
発泡粒子の粒径は、直径を直接、ノギスを用いて次のようにして測定する。即ち、発泡粒子の切断面における最も長い直径(長径)及び最も短い直径(短径)を測定すると共に、発泡粒子における切断面に直交する方向の長さを測定する。発泡粒子30個の長径、短径及び長さの相加平均値を粒径とする。
(結晶化度)
結晶化度は次のようにして測定する。
発泡粒子又は発泡成形体を4mg試料として採取する。得られた試料を、JIS K7121に記載の測定法に準拠して、10℃/分の速度にて昇温しながら、示差走査熱量計(DSC:エスアイアイナノテクノロジー社製示差走査熱量計装置「DSC6220型」)を用いて、1mg当たりの冷結晶化熱量及び融解熱量を測定する。両熱量を下記式に代入することで結晶化度を算出する。
Figure 2011213887
(総揮発性有機化合物(TVOC)の量)
アウトガス捕集装置(日本分析工業社製、製品名「B0−HM−01」)サンプルベッセル(HM−04型、内容量250mL)に秤量した実施例又は比較例で得られた発泡粒子又は発泡成形体0.2〜2gを入れ、密封する。次にこれを100℃で10分間加熱しながら窒素ガスで容器内を換気し、その排出ガスをTenax吸着管を通して採取する。試料採取したTenax吸着管を熱脱着オートサンプラー装置(液クロサイエンス社製、製品名「TD−4J」)を用いて250℃で3分間パージし、発生した揮発成分を−40℃に冷却された吸着管にトラップする。その後200℃で熱脱着し、ガスクロマトグラフ質量分析計(日本電子データム社製、製品名「JMS−Q1000GC」)に供する。
測定条件は下記の要領とする。
カラムとしては、直径0.25mm×長さ60m、膜厚1.0μmのカラム(Phenomenex社製、商品名「ZB−1」)を用いる。
カラムの温度条件:40℃で3分間保持後、200℃まで15℃/分で昇温し、250℃まで25℃/分で昇温し、250℃で6分20秒間保持する。
カラムの注入口温度を250℃、インターフェイス温度を250℃、検出器電圧を−1056V、スプリット比を50:1、キャリアガスをHe、He流量を1mL/分、イオン源温度を250℃、イオン化電流を300uA、イオン化エネルギーを70eVとする。
パージアンドトラップ条件は、PurgeTime(10s)、InjectTime(20s)、DesorbTime(180s)、DelayStartTime(10s)、DesorbHeater(250℃)、CryoTempHeating(200℃)、CryoTempCooling(−40℃)とする。
(発泡粒子の嵩密度)
発泡粒子をメスシリンダ内に500cm3の目盛りまで充填する。なお、メスシリンダを水平方向から目視し、発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達しているものがあれば、その時点で発泡粒子のメスシリンダ内への充填を終了する。
次に、メスシリンダ内に充填した発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字まで秤量し、その質量W(g)とする。
そして、下記の式により発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
実施例1
図1及び図2に示した製造装置を用いて発泡粒子を製造した。まず、結晶性のポリ乳酸系樹脂(ユニチカ社製商品名「TERRAMAC HV−6250H」、融点(mp):169.1℃、D体比率:1.2モル%、L体比率:98.8モル%、動的粘弾性測定にて得られた、貯蔵弾性率曲線と損失弾性率曲線との交点における温度T:138.8℃、ガラス転移温度:58℃、)100重量部及び気泡調整剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末(旭硝子社製 商品名「フルオンL169J」)0.1重量部を口径が65mmの単軸押出機に供給して溶融混練した。なお、単軸押出機内において、ポリ乳酸系樹脂を始めは190℃にて溶融混練した後に220℃まで昇温させながら溶融混練した。
続いて、単軸押出機の途中から、イソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなるブタンをポリ乳酸系樹脂100重量部に対して1.0重量部となるように溶融状態のポリ乳酸系樹脂に圧入して、ポリ乳酸系樹脂中に均一に分散させた。
しかる後、押出機の先端部において、溶融状態のポリ乳酸系樹脂を200℃に冷却した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型1の各ノズルから剪断速度7639sec-1でポリ乳酸系樹脂を押出発泡させた。なお、マルチノズル金型1の温度は200℃に維持されていた。
なお、マルチノズル金型1は、出口部11の直径が1.0mmのノズルを10個有しており、ノズルの出口部11は全て、マルチノズル金型1の前端面1aに想定した、直径が139.5mmの仮想円A上に等間隔毎に配設されていた。
そして、回転軸2の後端部外周面には、四枚の回転刃5が回転軸2の周方向に等間隔毎に一体的に設けられており、各回転刃5はマルチノズル金型1の前端面1aに常時、接触した状態で仮想円A上を移動するように構成されていた。
更に、冷却部材4は、正面円形状の前部41aと、この前部41aの外周縁から後方に向かって延設されかつ内径が315mmの円筒状の周壁部41bとからなる冷却ドラム41を備えていた。そして、供給管41d及びドラム41の供給口41cを通じて冷却ドラム41内に冷却水42が供給されており、周壁部41bの内面全面には、この内面に沿って20℃の冷却水42が前方に向かって螺旋状に流れていた。
そして、マルチノズル金型1の前端面1aに配設した回転刃5を4800rpmの回転数で回転させてあり、マルチノズル金型1の各ノズルの出口部11から押出発泡されたポリ乳酸系樹脂押出物を回転刃5によって切断して略球状の発泡粒子を製造した。ポリ乳酸系樹脂押出物は、マルチノズル金型1のノズルから押出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなっていた。そして、ポリ乳酸系樹脂押出物は、ノズルの出口部11の開口端において切断されており、ポリ乳酸系樹脂押出物の切断は未発泡部において行われていた。
なお、発泡粒子の製造にあたっては、まず、マルチノズル金型1に回転軸2を取り付けずかつ冷却部材4をマルチノズル金型1から退避させておいた。この状態で、単軸押出機からポリ乳酸系樹脂押出物を押出発泡させ、ポリ乳酸系樹脂押出物が、マルチノズル金型1のノズルから押出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなることを確認した。次に、マルチノズル金型1に回転軸2を取り付けかつ冷却部材4を所定位置に配設した後、回転軸2を回転させ、ポリ乳酸系樹脂押出物をノズルの出口部11の開口端において回転刃5で切断して発泡粒子を製造した。
発泡粒子は、回転刃5による切断応力によって外方又は前方に向かって飛ばされ、冷却部材4の冷却ドラム41の内面に沿って流れている冷却水42に衝突して直ちに冷却された。
冷却された発泡粒子は、冷却ドラム41の排出口41e及び排出管41fを通じて冷却水42と共に排出された後、脱水機にて冷却水42と分離された。得られた発泡粒子は、その粒径が2.2〜2.6mmであり、嵩密度が0.2g/cm3であり、結晶化度が18%であり、TVOCは30ppmであった。
次に、大川原製作所社製の流動層乾燥装置(型式:FB−0.5;層高600mm)を使用し、上記発泡粒子20kgをポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度T℃から10℃高い68℃の温風が下部より1.0m/秒の速度(圧力損失1.0kPa)で吹き上げられている装置内に投入した。流動層乾燥装置は、吹き込み口に発泡粒子が入ることを防止する為の目皿板(目皿面積0.05m2)を備えていた。投入後、発泡粒子を6時間処理してVOCを低減した。次に、常温(約25℃)まで冷却し、発泡粒子を流動層乾燥機から取り出して、VOCが低減された発泡粒子を得た。発泡粒子の結晶化度は23%であり、発泡粒子のTVOCは8ppmであった。
次に、発泡粒子を密閉容器内に入れ、この密閉容器内に二酸化炭素を0.3MPaの圧力にて圧入して20℃にて24時間に亘って放置して発泡粒子に二酸化炭素を含浸させた。
続いて、発泡粒子をアルミニウム製の金型のキャビティ内に充填した。なお、金型のキャビティの内寸は、縦30mm×横300mm×高さ300mmの直方体形状とした。また、金型は、この金型のキャビティ内と金型外部とを連通させるために、直径が8mmの円形状の供給口を20mm間隔毎に合計252個備えていた。各供給口には、開口幅が1mmの格子部を設けることで、金型内に充填した発泡粒子がこの供給口を通じて金型外に流出せず、供給口を通じて金型外からキャビティ内に水を円滑に供給できるように構成した。
次に、加熱水槽内の90℃に維持された温水中に発泡粒子を充填した金型を完全に5分間に亘って浸漬した。この浸漬により、金型の供給口を通じて金型のキャビティ内の発泡粒子に温水を供給することで、発泡粒子を加熱、発泡させて発泡粒子同士を熱融着一体化させて発泡成形体を得た。
次に、加熱水槽内から金型を取り出した。そして、冷却水槽内の20℃に維持された水中に金型を完全に5分間に亘って浸漬した。この浸漬により、金型内の発泡成形体を冷却した。
金型を冷却水槽から取り出した後、金型を開放することで直方体形状の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体のTVOCの量を測定したところ、11ppmであった。
各種測定結果を表1に示す。
実施例2
VOC低減工程時の温風の温度をポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度より10℃低い47℃とすること以外は実施例1と同様にしてVOCが低減された発泡粒子(TVOC10ppm)及び発泡成形体を得た(TVOC14ppm)。発泡粒子の結晶化度は20%であった。
各種測定結果を表1に示す。
実施例3
VOC低減工程時の温風の温度をポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度より30℃低い28℃とすること以外は実施例1と同様にしてVOCが低減された発泡粒子(TVOC11ppm)及び発泡成形体を得た(TVOC14ppm)。発泡粒子の結晶化度は18%であった。
各種測定結果を表1に示す。
比較例1
VOC低減工程を経ないこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た(TVOC35ppm)。発泡粒子の結晶化度は18%であった。
各種測定結果を表1に示す。
比較例2
VOC低減工程時の温風の温度をポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度より50℃低い8℃とすること以外は実施例1と同様にしてVOCが低減された発泡粒子(TVOC28ppm)及び発泡成形体を得た(TVOC35ppm)。発泡粒子の結晶化度は18%であった。
各種測定結果を表1に示す。
比較例3
VOC低減工程時の温風の温度をポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度より20℃高い78℃とすること以外は実施例1と同様にしてVOCが低減された発泡粒子を得ようとしたが、発泡粒子同士が合着したため、成形不可能であった。また、発泡粒子の結晶化度は40%であった。
各種測定結果を表1に示す。
Figure 2011213887
実施例1〜3と比較例1〜3とから、発泡粒子のガラス転移温度T℃としたとき、(T−40)〜(T+15)℃の気体(空気)を容器下部より吹き込みながら発泡粒子を流動させると、発泡粒子全体に含まれる揮発性有機化合物の量を20ppm以下にできることが分かる。
1ノズル金型:1a前端面:2回転軸:3モータ:4冷却部材:5回転刃:11出口部:41冷却ドラム:41a前部:41b周壁部:41c供給口:41d供給管:41e排出口:41f排出管:42冷却水液:A仮想円

Claims (4)

  1. ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を容器内で、(T−40)〜(T+15)℃(Tはポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度)の気体を流動させかつ、前記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体に含まれる揮発性有機化合物の量が20ppm以下になるまで容器下部より前記気体を吹き込むことを特徴とするポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法。
  2. 前記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子が、D体及びL体の双方の光学異性体を含有しかつD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満であるモノマー成分に由来するか、あるいは、D体又はL体のうちのいずれか一方の光学異性体のみを含有しているモノマー成分に由来する請求項1又は2に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法によって得られたポリ乳酸系樹脂発泡粒子であって、当該ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体に含まれる揮発性有機化合物の量が20ppm以下であることを特徴とするポリ乳酸系樹脂発泡粒子。
  4. 請求項3に記載のポリ乳酸系樹脂発泡粒子を型内発泡成形させて得られた発泡成形体。
JP2010083998A 2010-03-31 2010-03-31 ポリ乳酸系樹脂発泡粒子中の揮発性有機化合物の低減方法、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子及び発泡成形体 Pending JP2011213887A (ja)

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