JP2011213825A - ボールペン用o/w型エマルションインキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筆跡の裏写りがなく耐水性に優れ筆記感の優れたボールペン用インキ組成物を得る。
【解決手段】 油溶性染料と、該染料を溶解し20℃における水100gへの溶解度が5g以下の有機溶剤とを少なくとも含む油性インキ成分(A)と、非イオン界面活性剤と炭素数が14〜24の高級アルコールとを少なくとも含む乳化剤成分(B)と、水とを少なくとも含有し、前記油性インキ成分(A)が、水中に乳化分散されているボールペン用O/W型エマルションインキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、筆跡の耐水性に優れ、裏写りがなく、筆記感が優れ、筆記乾燥に優れ、温度安定性も良好なボールペン用O/W型エマルションインキ組成物に関するものである。
従来、水溶性染料を用いた水性ボールペンインキ、水性ゲルボールペンインキは、筆跡が鮮やかで筆記感が良いという特性を持っているが筆跡の耐水性に劣るという欠点を持っている。耐水性向上の為に着色剤を顔料にした水性顔料ゲルボールペンインキは筆記濃度向上や沈降防止のためにインキ粘度が高く書き味に劣る。また、油溶性染料を有機溶剤に溶解した油性ボールペンインキは染料に耐水性があるため筆跡耐水性はよいが粘度を下げて書き味を良くすると有機溶剤が紙に浸透する裏写りが起こる。このため粘度を高くして裏写りを防止しているが書き味が重くなる。
そこで着色剤である油溶性染料と有機溶剤とからなる油相成分を乳化剤により水に乳化分散したO/W型エマルションボールペンインキならば、水相の書き味の良さと油溶性染料の耐水性を両立させることができると考えられる。
しかし、通常O/W型エマルション作成に使用されるHLBが比較的高い8〜18程度の非イオン性界面活性剤を配合してエマルションインキとすると、紙面の筆跡上に着色剤と共に界面活性剤が残留するため、筆跡が水に濡れると再乳化がおこり油溶性染料を使用しているにもかかわらず筆跡が水に流れてしまう問題が発生した。本発明者はこの問題を解決するために、HLBが8以下のポリグリセリン脂肪酸エステルと特定のアシル乳酸ナトリウムとの組み合わせ(特許文献1)やHLBが8以下のショ糖脂肪酸エステルと特定のアシル乳酸ナトリウムとの組み合わせ(特許文献2)でO/W型エマルションインキを作成でき、その耐水性が優れていることを見いだした。また単独では乳化能がほとんどないアシル乳酸ナトリウムと特定のアルキルグリセリルエーテルを組み合わせると耐水性の良いO/W型エマルションインキとなることも見いだした。(特許文献3)
特開2009−173920号公報 特許第4433094号公報 特開2010−53232号公報
これらのO/W型エマルションインキは、十分な耐水性を備えている。しかしながら、HLBの高い界面活性剤を使用したエマルションは、筆跡の再乳化の他に界面活性剤が持つ曇点のため環境温度の影響を受けやすく、ある程度の高温環境に置かれた場合などにはエマルションが破壊されて、凝集したり、油相と水相に分離してしまう可能性があった。
本願発明は、乳化に使用する非イオン界面活性剤のHLBによらず十分な耐水性を備えながら、十分な耐熱性を備えて温度安定性が良好であり破壊され難い安定なエマルジョンインキとすると共に、水を含有していながらも裏写りもなく早い筆跡乾燥性をも備え、書き味も良好なO/W型エマルションインキを得ることを目的とするものである。
本発明は、着色剤としての油溶性染料と該染料を溶解し20℃における水100gへの溶解度が5g以下の有機溶剤とを少なくとも含む油性インキ成分(A)と、非イオン界面活性剤と炭素数が14〜24の高級アルコールとを少なくとも含む乳化剤成分(B)と、水とを少なくとも含有し、前記油性インキ成分(A)が、水中に乳化分散されているボールペン用O/W型エマルションインキ組成物を第1の要旨とする。
また、これに加えて、前記非イオン界面活性剤が、HLBが8を超える親水性の非イオン界面活性剤とHLBが8以下の親油性の非イオン界面活性剤とを含有するボールペン用O/W型エマルションインキ組成物を第2の要旨とする。
更に、前記乳化剤成分(B)が、炭素数の異なる2種以上の高級アルコールを少なくとも含有するボールペン用O/W型エマルションインキ組成物を第3の要旨とする。
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、非イオン界面活性剤で乳化しながらも、炭素数が14〜24の高級アルコールを組み合わせることにより、筆記具用のインキとして、耐水性と熱安定性に優れたO/W型エマルションを作成できることを見いだした。
更に、非イオン界面活性剤として、HLBが8を超える親水性の非イオン界面活性剤とHLBが8以下の親油性非イオン界面活性剤を併用して乳化を行うことにより、HLBが8を超える親水性の非イオン界面活性剤による高い乳化能に加えて、HLBが8以下の非イオン界面活性剤が油相側に溶解してエマルションの油滴表面に親水基を向けて配向し油相側から油滴と水の界面を強化してエマルションの耐熱性を更に向上させて安定なO/W型エマルションを形成することができる。よって、1種類の非イオン界面活性剤のみで乳化するよりも高温で安定なエマルションが得られるものである。
また、2種以上の高級アルコールを混合して使用すると、油相での溶解安定性が向上し、低温保存時などに高級アルコールが水相に結晶化して析出することがないO/W型エマルションを作成できる。
本発明で使用される非イオン界面活性剤は、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられ、使用量は0.01重量%から10.00重量%であり、更に好ましくは0.5重量%から4重量%である。乳化に最適な所要HLBは油溶性染料の種類と量、有機溶剤の種類と量により異なるため適宜最適なHLBとなるように選択することができ、最適HLBとなるように複数種の非イオン界面活性剤を混合して使用することもできる。
O/W型エマルション作成に適した界面活性剤のHLBは8〜18程度であることが知られているが、1種類の非イオン界面活性剤で乳化するよりも、水に溶解しにくいHLBが8以下の低HLB活性剤と乳化に適した親水性のHLBが8以上の高HLB活性剤を併用した方がエマルションの熱安定性や筆跡の耐水性が良好になる。これは、油相側に低HLBの非イオン界面活性剤が溶解してエマルションの油滴表面に親水基を向けて配向し、高HLBの非イオン界面活性剤は水相側に溶解して油滴側に親油基を向けて配向して界面が強化され熱安定性が向上すると推察される、また筆跡が水に濡れても一定量の水に溶解しない活性剤が存在するためインキの再乳化が抑制されるため耐水性も向上すると推察される。この場合低HLBと高HLBの非イオン界面活性剤はHLBの差が5以上のものを選択することが好ましい。
本発明で使用される炭素数が14〜24の高級アルコールはミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、アラキルアルコール、ヘンイコサノール、ベヘニルアルコール、トリコサノール、カルナービルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、エライジルアルコールなどが挙げられるが、常温固体の飽和1価アルコールが好ましい。これらは界面活性をほとんど持たないが、長鎖のアルキル基と親水基であるアルコール−OH基を持つため非イオン界面活性剤と共に水相と油相の界面に配向するものと推察される。これらは非イオン界面活性剤のような曇点も持たず、融点も高いものが多いためエマルジョンが高温になった場合にも界面を保持する働きがありエマルジョンの耐熱性を向上させることができる。また、水には溶解しないため紙面上では油性インキ上に析出し、乾燥性を向上させることができると考えられる。これらの使用量は0.2重量%から10.0重量%使用でき、好ましくは0.5重量%から5重量%であり、更に非イオン界面活性剤全量の0.5〜5倍量が析出しにくく、高温の安定性も高く好ましい。添加量が少ないと耐熱性向上の効果が見られず、多すぎると油相側に全量が溶解できずに水相側に析出してしまう。
これらの炭素数が14〜24の高級アルコールは単独で使用することもできるが、炭素数の異なる2種以上のものを併用した方が特に低温保存での析出を防止でき好ましい。特に低温安定性が良いのはセチルアルコールとステアリルアルコール、ベヘニルアルコールとステアリルアルコールの組み合わせである。
着色剤としては、従来油性ボールペン用インキに用いられている染料が限定無く使用可能である。染料としては、酸性染料、塩基性染料、金属錯塩染料、造塩染料、アジン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料などが使用でき、具体的にはバリファーストイエロー#3104、バリファーストイエロー#3105、バリファーストイエロー#1105、バリファーストイエローAUM、オリエント スピリットブラックAB、バリファーストブラック#3804、バリファーストブラック#3806、バリファーストブラック#1802、バリファーストブラック#1805、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッ
ド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701、オリエント オイル スカーレット#308、ニグロシンベースEX−BP(以上、オリエント化学工業(株)製の油性染料)、スピロンブラック GMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー−111(以上、保土谷化学工業(株)製の油性染料)、ローダミンBベース(C.I.45170B、住友化学工業(株)製の油性染料)、ビクトリアブルーF4R、ニグロシンベースLK(独国、BASF社製)、メチルバイオレット2Bベース(米国、National Anilne Div.社製)などが使用できる。
これらは単独で用いても複数を混合して用いてもよい。O/Wエマルション油性成分は少なくとも着色剤として油溶性染料を有機溶剤で溶解したインキ成分であることが必要であり油溶性染料の添加量は油性成分の5重量%から50重量%以下、好ましくは10重量%以上45重量%以下が使用できる。使用量が少ないとエマルションにしたときに筆跡濃度が薄くなり、多くなると有機溶剤に溶解せず油性成分部分が不安定になりエマルションの熱安定性が悪くなることがある。
また、色調調整に水相に従来公知の水性染料として酸性染料、直接染料、塩基性染料等を使用することができる。また顔料も水相・油相両方に併用できる。顔料の具体例としては、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、群青、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられ、これらは従来公知の分散剤で分散することができる。
エマルション油性成分に使用できる溶剤としては、従来より油性ボールペンで使用され、油溶性染料を溶解することができ、20℃における水100gへの溶解度が5g以下の実質的に水に溶解しない有機溶剤が使用できる。例えば、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどのエチレングリコールモノエーテル系溶剤、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのジエチレングリコールモノエーテル系溶剤、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、等のプロピレングリコールモノエーテル系溶剤や、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール等のアルコール系溶剤が使用可能である。これらは単独で用いてもまた2種以上混合して用いても良い。筆跡濃度が濃く鮮明になるようにするためには油溶性染料を30重量%以上溶解できるものであることが好ましい。配合量はエマルションインキ組成物の油相に対し1重量%以上90重量%以下である。
O/W型エマルションインキの必須成分として水を使用する。この水は染料や樹脂の溶解安定のためにイオン交換水が望ましい。
また、これらの必須成分の他に従来公知の粘度調整剤、染料の溶解促進剤、定着剤として各種樹脂や樹脂エマルション、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、pH調整剤、ボール受座摩耗防止や運筆性改良のための潤滑剤を必要に応じて油相、水相の両方に適宜使用できる。特にエマルションインキのpHが高いと造塩染料などは構造が不安定になり染料の析出が発生したり、pHが低いとボールペンチップの腐食が発生するため適宜公知のpH調整剤を用いてエマルションインキのpHを4.5〜9.5程度に保つことが好ましい。
特に、インキの乾燥防止や凍結防止のために水性成分に水溶性有機溶剤や多価アルコール類を配合することが望ましく具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等の水溶性有機溶剤やソルビトール、マルチトール、フルクトース等の多価アルコールを使用でき、配合量は水性成分全体の50重量%以下が好ましい。
ボールペンインキとして望ましい粘度やレオロジー性能を付与するために水性成分に高分子多糖類や水溶性アクリル樹脂、無機鉱物系など従来公知の増粘剤が使用可能である。
O/W型エマルションインキ全量に対して油溶性染料を含む油性成分は10重量%以上
50重量%以下、水性成分は20重量%以上75重量%以下であることが好ましい。
O/W型エマルションインキを作成する乳化分散の方法は特に制限されるものではなく、スターラー、ホモミキサー、ホモジナイザーなどで適当な温度で撹拌することで作成することができる。また、作成したエマルションをさらに微細にするために高圧ホモジナイザー処理することもできる、エマルション粒径を揃えたり不溶解物を除くためにろ過や遠心処理をすることもできる。
HLBが8以下の低HLB非イオン界面活性剤や高級アルコールを十分油相に溶解し、液状の状態でエマルションを作成するためには乳化の撹拌初期に温度を70℃以上にしておくことが好ましい。
実施例1(エマルションインキ)
スピロンブラックGMHスペシャル(着色剤:保土ヶ谷化学工業(株)製)
3.0重量%
スピロンバイオレットC−RH(着色剤:保土ヶ谷化学工業(株)製) 4.0重量%
スピロンイエローC−GNH(着色剤:保土ヶ谷化学工業(株)製) 0.6重量%
ベンジルアルコール 12.4重量%
BC−5.5(ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル HLB=10.5:日光ケミカルズ(株)製) 1.2重量%
EGMS−70V(モノステアリン酸エチレングリコール HLB=3.5:日光ケミカルズ(株)製) 0.3重量%
セチルアルコール 0.6重量%
ステアリルアルコール 0.4重量%
グリセリン 5.0重量%
トリエタノールアミン 0.1重量%
イオン交換水 72.4重量%
上記エチレングリコール、イオン交換水以外の成分を85℃2時間加熱撹拌してA液を作成する。エチレングリコールとイオン交換水を20℃で10分撹拌しB液を作成する。B液を80℃に加熱し80℃を保ちながらでB液にA液を加えマグネチックスターラーで10分撹拌したあとさらに高圧ホモジナイザーで20℃に冷却しながら5パス処理して黒色エマルションインキを作成した。
実施例2(エマルションインキ)
実施例1においてEGMS−70Vの全量をイオン交換水とした以外は実施例1と同様にして黒色エマルションインキを作成した。
実施例3(エマルションインキ)
実施例1においてセチルアルコールの全量をステアリルアルコールとした以外は実施例1と同様にして黒色エマルションインキを作成した。
実施例4(エマルションインキ)
実施例1においてEGMS−70Vの全量をイオン交換水とし、セチルアルコールの全量をステアリルアルコールとした以外は実施例1と同様にして黒色エマルションインキを作成した。
実施例5(エマルションインキ)
実施例1においてBC−5.5の全量をMYS−40V(モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO) HLB=17.5:日光ケミカルズ(株)製)とし、EGMS−70Vの全量をSO−30(トリオレイン酸ソルビタン HLB=1.7:日光ケミカルズ(株)製)とした以外は実施例1と同様にして黒色エマルションインキを作成した。
実施例6(エマルションインキ)
スピロンブラックGMHスペシャル 3.0重量%
スピロンバイオレットC−RH 4.0重量%
スピロンイエローC−GNH 0.6重量%
ベンジルアルコール 12.4重量%
PBC−34(ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル HLB=16.5:日光ケミカルズ(株)製) 2.0重量%
PMS−1CV(モノステアリン酸プロピレングリコール HLB=3.5:日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量%
ミリスチルアルコール 0.6重量%
ベヘニルアルコール 1.4重量%
ケルザン AR(キサンタンガム三晶(株)製) 0.2重量%
トリエタノールアミン 0.1重量%
イオン交換水 74.3重量%
上記イオン交換水、ケルザンAR以外の成分を85℃2時間加熱撹拌してA液を作成する。ケルザンARとイオン交換水をラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しB液を作成する。B液を80℃に加熱し80℃を保ちながらでB液にA液を加えマグネチックスターラーで10分撹拌したあとさらに高圧ホモジナイザーで20℃に冷却しながら5パス処理して黒色エマルションインキを作成した。
実施例7(エマルションインキ)
実施例6においてベヘニルアルコールの全量をミリスチルアルコールとした以外は実施例6と同様にして黒色エマルションインキを作成した。
実施例7(エマルションインキ)
スピロンイエローC−GNH 2.86重量%
スピロンレッドC−GH 1.29重量%
エチレングリコールモノフェニルエーテル 5.85重量%
デカグリン5−SV(ペンタステアリン酸デカグリセリル、HLB=3.5:日光ケミカルズ(株)製) 0.5重量%
ステアロイル乳酸ナトリウム 0.1重量%
ベヘニルアルコール 1.0重量%
ステアリルアルコール 1.0重量%
トリエタノールアミン 0.2重量%
エチレングリコール 10.0重量%
イオン交換水 77.2重量%
エチレングリコール、イオン交換水以外の成分を80℃2時間加熱撹拌してA液を作成する。80℃に加熱したエチレングリコールとイオン交換水をホモジナイザーで撹拌しながらA液を滴下し5分間処理したあと氷浴で冷却し、さらに高圧ホモジナイザーで20℃に冷却しながら3パス処理し赤色エマルションインキを作成した。
実施例8(エマルションインキ)
スピロンブルーC−RH(着色剤:保土ヶ谷化学工業(株)製) 1.8重量%
スピロンレッドC−BH(着色剤:保土ヶ谷化学工業(株)製) 0.2重量%
ベンジルアルコール 10.0重量%
エチレングリコールモノフェニルエーテル 3.0重量%
HCO−40(POE(40)硬化ヒマシ油、HLB=12.5:日光ケミカルズ(株)
製) 1.5重量%
ベヘニルアルコール 0.3重量%
トリエタノールアミン 0.1重量%
イオン交換水 83.1重量%
上記トリエタノールアミン、イオン交換水以外の成分を85℃2時間加熱撹拌してA液を作成する。トリエタノールアミンとイオン交換水を20℃で10分撹拌しB液を作成する。B液を80℃に加熱し80℃を保ちながらでB液にA液を加えマグネチックスターラーで10分撹拌したあとさらに高圧ホモジナイザーで20℃に冷却しながら5パス処理して青色エマルションインキを作成した。
比較例1(油性インキ)
スピロンブラックGMHスペシャル 3.0重量%
スピロンバイオレットC−RH 4.0重量%
スピロンイエローC−GNH 0.6重量%
ベンジルアルコール 12.4重量%
BC−5.5 1.2重量%
EGMS−70V 0.3重量%
セチルアルコール 0.6重量%
ステアリルアルコール 0.4重量%
トリエタノールアミン 0.1重量%
PVP K−90(ポリビニルピロリドン:ISPジャパン(株)製) 0.1重量%
エチレングリコールモノフェニルエーテル 77.3重量%
上記成分を80℃3時間加熱撹拌し染料を溶解して黒色油性インキを作成した。
比較例2(水性インキ)
ウォーター ブラック #108−L(C.I.DIRECT BLACK19の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0重量%
ケルザン AR 0.2重量%
エチレングリコール 10.0重量%
トリエタノールアミン 0.1重量%
イオン交換水 49.7重量%
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して黒色染料水性インキを作成した。
比較例3(エマルションインキ)
実施例1においてセチルアルコールとステアリルアルコールの全量をイオン交換水とした以外は実施例1と同様にして黒色エマルションインキを作成した。
比較例4(エマルションインキ)
実施例5においてベヘニルアルコールとステアリルアルコールの全量をイオン交換水とした以外は実施例5と同様にして赤色エマルションインキを作成した。
比較例5(エマルションインキ)
実施例6においてベヘニルアルコールの全量を炭素数10のデシルアルコールとした以外は実施例6と同様にして青色エマルションインキを作成した。
初期状態観察
エマルションインキの1滴を10gのイオン交換水中に滴下して軽く撹拌し、エマルションインキ滴が水と分離する場合をW/O型エマルション、水に均質に分散する場合をO/W型エマルションと判定した。
粒子径測定
エマルションの粒子径は(株)島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7100を用いてO/W型エマルションインキである実施例1〜8と比較例3〜5をイオン交換水で希釈し、粒度分布を20℃で測定しメディアン径を平均粒子径として採用した。
50℃耐熱経時後粒子径測定
O/W型エマルションインキである実施例1〜8と比較例3〜5のインキ10gを、フタ付きねじ口ガラス瓶(19×70mm、日電理化硝子(株)製)に入れ、50℃に3週間置いた後に20℃で5時間放置した後に、粒子径測定と同様にして経時後粒子径を測定した。
筆記試験用試験サンプルの作成
上記実施例1〜8及び比較例1〜5で得た各インキ組成物を、直径0.5mmの超硬製のボール抱持したボールペンペン先をもつノック式ボールペン(ノック式エナージェル、製品符号BLN75、ぺんてる(株)製)のインキ収容管に1.7g充填し、試験用ボールペンサンプルとした。
筆跡耐水性試験
各ボールペン試験サンプルでJIS P3201筆記用紙Aに手書きで直径約2cmの連続した丸15個を2回筆記し、1時間放置した後、イオン交換水中に1時間浸漬する。その後、水中から取り出して退色の度合いをグレースケール(JIS L−0804)で判定した。グレースケールは1〜5号まであり、数字が大きい程、試験前後の筆跡の濃度
差が小さく、耐水性を有することを示す。尚、各号の中間に位置すると判断されるものは、低い号数に0.5を加えた数値として表した。
筆跡の裏写り試験
各ボールペン試験サンプルでJIS P3201筆記用紙Aに手書きで直径約2cmの連続した丸15個を2回筆記し、30℃、60%RHの環境下に1日放置した後、筆記裏面を観察した。
全くインキの滲み出しのなかったものを …… ◎
わずかな滲み出ししかなかったものを …… ○
明らかに滲み出しがあったものを …… ×
とした。
筆跡乾燥性試験
上記試験用ボールペンサンプルを使用して、JIS P3201筆記用紙Aに手書きで直径約2cmの連続した丸5個を筆記し、筆記後の時間を5秒間隔で変えながら筆跡の上に500gの荷重をかけた濾紙(アドバンテック製no.2)を載せたとき、濾紙にインキが付かなくなるまでの時間を求めた。時間が短いものが筆跡乾燥性に優れたインキである。
低温析出試験
実施例1〜8と比較例1〜5のインキ10gを、フタ付きねじ口ガラス瓶(19×70mm、日電理化硝子(株)製)に入れ、5℃に3週間置いた後に20℃で5時間放置した後に、外観観察と軽く撹拌した後スライドグラスに少量取り光学顕微鏡の400倍の倍率で不溶解物の目視観察を行った。
○:視野中に析出物が確認されない
△:わずかに析出物あり
×:析出物が多量に存在する
各試験の結果を表1に示す。
Figure 2011213825
以上、詳細に説明したように本発明のO/W型エマルションインキ組成物は加熱経時後でも粒径の変化が少なく温度安定性に優れることから長期の常温経時安定性もよく、筆跡の裏写りや耐水性、乾燥性にも優れた性能を持つ低粘度で書き味の良好なものである。

Claims (3)

  1. 着色剤としての油溶性染料と該染料を溶解し20℃における水100gへの溶解度が5g以下の有機溶剤とを少なくとも含む油性インキ成分(A)と、非イオン界面活性剤と炭素数が14〜24の高級アルコールとを少なくとも含む乳化剤成分(B)と、水とを少なくとも含有し、前記油性インキ成分(A)が、水中に乳化分散されているボールペン用O/W型エマルションインキ組成物。
  2. 前記非イオン界面活性剤が、HLBが8を超える親水性の非イオン界面活性剤とHLBが8以下の親油性の非イオン界面活性剤とを含有する請求項1記載のボールペン用O/W型エマルションインキ組成物。
  3. 前記乳化剤成分(B)が、炭素数の異なる2種以上の高級アルコールを少なくとも含有する請求項1または2のいずれかに記載のボールペン用O/W型エマルションインキ組成物。
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