JP2011212638A - 中空糸膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】
血液透析や血液透析ろ過において、β2MGに代表されるサイズの有害物質の除去性と取扱い性やモジュール組立て性を高めることが可能な中空糸膜を提供する。
【解決手段】
本発明は、内径が150〜250μm、膜厚が15〜25μmであり、少なくとも内表面側に緻密層を有し、該緻密層の厚みが0.01〜2μmである非対称構造の中空糸膜であって、該中空糸膜の破断伸度が単糸あたり15%以上40%以下である中空糸膜である。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも中空糸膜の内表面側に薄い緻密層を形成し、内表面側から外表面側に向かう方向に特定の粗密構造を与えることによって、従来にない高い溶質透過性を発現可能な中空糸膜に関するものである。また、破断伸度を高めることによって、取扱い性を高めた中空糸膜に関するものである。
中空糸膜は従来より、逆浸透から精密濾過に至る分野において広く使用されている。特に腎不全患者の血液を浄化するために、現在では中空糸型モジュールがよく使用されている。これは筐体の中に分離膜、例えば、中空糸膜を多数本収納し、その中空部に患者の血液を流し、外部、即ち中空糸膜間隙部に透析液を流して、中空糸膜壁を介して透析することによって、血液中の老廃物を除去したり、電解質濃度を是正するとともに、中空糸膜内外に圧力差を与えて濾過によって血液中の中分子量物質や余剰水分を除去するものである。更に、血液中から血漿のみを分離し、あるいは、その血漿の中から特定成分を除去して自己免疫疾患などを治療するために、中空糸膜が使用されることもある。また、最近になってタンパク透過性血液透析やタンパク透過性血液濾過透析に中空糸膜を用いることによって治療効果が得られることが確認されている。
ところで、近年、透析患者の長期合併症と関連し、透析アミロイドーシスの原因物質と考えられるβ2ミクログロブリン(β2MG、分子量:11,800)、掻痒感、高脂血症と関係すると考えられる副甲状腺ホルモン(分子量:約9,500)、貧血に関与する赤芽球抑制因子、関節痛、骨痛に係わると考えられる分子量2〜4万の物質、たとえばα1マイクログロブリン(α1MG、分子量:33,000)など、比較的中高分子量領域の有害物質の除去の必要性が叫ばれている。一方、人体にとって有用なアルブミン(分子量:66,000)の損失は極力避けなければならない。すなわち、分子量2〜4万の物質の透過性に優れ、分子量6万以上の物質の阻止性のよい分画分子量のシャープカット性の良好な選択透過性膜が望まれている。
血液処理用の中空糸膜は、前述のように、目的に応じて特定の物質を選択的に透過させなければならず、その性能は、中空糸膜の素材、膜構造、ポロシティ(孔の大きさ、数など)、膜厚などによって決定される。
前述の膜性能を得るには、出来るだけ高い透水率(UFR)を有する中空糸膜が必要であり、従来から、ポリスルホンなどの合成高分子では、例えば特許文献1、2に見られるように、比較的前記要求を満たしたものが得られている。しかし、これらの特許文献に記載の中空糸膜は、親水性高分子を含有するものであり、使用中に親水性高分子が脱落して性能変化が起こるなどの問題がある。
また、特許文献3に見られるように、中空糸膜を湿式紡糸するときの内液に流動パラフィン、高級アルコール、イソプロピルミリステートなど、セルロースアセテート系ポリマーに対し凝固性のない(低い)ものを使用する場合には、前述のような非対称構造を得ることができなかった。
内面に緻密層を有する非対称構造を有するセルローストリアセテート膜が、例えば、特許文献4、5に開示されている。これらの特許文献では、内液に凝固性のある水溶液を使用し、従来、合成高分子で実現されていた2層または多層構造の膜構造を得ることができている。しかし、内液の水溶液濃度を下げると曳糸性が低下するため、中空糸膜製造の安定化が大変難しいことが記載されている。このように、血液透析器として使用するためには中空糸膜の生産性を確保するだけでなく、モジュールの組立て性も合わせて確保しないとトータルの生産性は向上しない。したがって、全体の生産性を向上させるためには改良の余地がある。
また、膜内壁部表面近傍層における微細孔の孔径が500nm以下であり、膜厚方向断面に分布する微細孔の孔径分布において少なくとも1つ以上の極大孔径を有し、その極大孔径が膜内壁部表面近傍層における孔径の1.2倍以上の大きさでありかつ膜外壁部表面近傍層の孔径が膜内壁部表面近傍層の孔径の0.6倍以上1.2倍未満の大きさを有する中空糸分離膜が開示されている。(特許文献6参照)。しかし、この特許文献に記載の中空糸膜は、透析液から血液へのエンドトキシンの逆流入を防ぐことを目的に膜外壁部表面近傍層の孔径を比較的小さくしているためか、透水性が低すぎてβ2MGに代表される低分子タンパクの除去性を高めるのは困難である。
また、セルロース誘導体からなり、少なくとも内面に緻密層、その外層に多孔層を有する中空糸膜およびその製造方法が開示されている。(特許文献7〜10参照)。しかし、これらの特許文献に記載される中空糸膜は、膜強度を確保するために膜厚を厚くしており、中空糸膜タイプのモジュールのメリットであるコンパクト性が損なわれている。
また、特許文献11、12には、同様にセルロースアセテート系ポリマーからなる非対称構造を有する中空糸膜に関する技術が開示されている。この特許文献に記載の中空糸膜は、膜厚が薄い割には膜強度が高く、またβ2MGの透過性も比較的高くなってはいるが、ダイアライザー機能分類のIV型までの性能を達成しているに過ぎない。
特開昭58−104940号公報 特開昭61−93801号公報 特開昭54−88881号公報 特開平10−263375号公報 特開平10−165775号公報 特開平09−47645号公報 特開平10−66725号公報 特開平10−85569号公報 特開平10−85570号公報 特開平10−165775号公報 特開2008−178814号公報 特開2009−095515号公報
秋葉ら、透析会誌41(3)、p159〜167、2008年
本発明は、このような従来技術の問題点を解決することを目的とするものであり、具体的には、中空糸膜の内表面側に特定の厚みの緻密層を有する非対称構造とし、高い溶質透過性を付与するものである。特に、本発明は、血液透析や血液透析ろ過において、β2MGサイズの有害物質の除去性とアルブミンなどの有用物質の流出阻止性を高めることが可能な中空糸膜を提供することを目的とするものである。また、非対称性を調整することによりモジュール組立性を改善した中空糸膜を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、遂に本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を有するものである。
(1)内径が150〜250μm、膜厚が15〜25μmであり、少なくとも内表面側に緻密層を有し、該緻密層の厚みが0.01〜2μmである非対称構造の中空糸膜であって、該中空糸膜の破断伸度が単糸あたり15%以上40%以下である中空糸膜。
(2)外表面開孔率が10〜20%である(1)に記載の中空糸膜。
(3)(1)または(2)に記載の中空糸膜を用いて組立てたモジュールで測定したβ2-ミクログロブリンのクリアランスが、内径基準膜面積1.5m2あたり63ml/min以上である中空糸膜。
(4)セルロースアセテートおよび/またはセルローストリアセテートからなる(1)〜(3)いずれかに記載の中空糸膜。
(5)人工腎臓として用いる(1)〜(4)いずれかに記載の中空糸膜。
本発明の中空糸膜は、少なくとも内表面側に緻密層を有する、いわゆる非対称構造膜であり、前記緻密層の厚みを適正化し、破断伸度を高めたことによって、非常に薄膜でありながら中空糸膜のハンドリング性と、溶質除去の安定性、有用タンパクの漏出の抑制を高い次元で両立している。そのため血液透析だけでなく血液透析ろ過や血液ろ過にも好適に使用できるという効果を奏する。
乾燥中空糸膜1本あたりの強伸度の測定結果を示すS−Sカーブの一例を示す。 本発明の中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡により倍率5,000倍で観察した際の一例を示す。 本発明の中空糸膜の内表面を走査型電子顕微鏡により倍率10,000倍で観察した際の一例を示す。 本発明の中空糸膜の外表面を走査型電子顕微鏡により倍率10,000倍で観察した際の一例を示す。 ポリスルホン系非対称中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡により倍率2,000倍で観察した際の一例を示す。 糸切れ試験の態様を示す模式図。 本発明の中空糸膜の製造工程を示す概略図。
従来、分離膜としては、一方の膜表面から他方の膜表面にかけて膜構造がほぼ均一である均質構造膜や、一方の表面に緻密層を有し他方の表面に向かって次第に孔径が拡大するような非対称構造膜が主流である。血液浄化用の中空糸膜において、内表面側に薄い緻密層を有し、外表面側に向かって細孔径が拡大するような非対称構造の場合、薄い緻密層のみが除去物質の透過に寄与し、緻密層以外の部分(支持層)は細孔径が大きいために透過の抵抗にならず、β2ミクログロブリン(β2MG)に代表される低分子タンパクの除去性を高めるうえで有利とされている。支持層は、主に膜の強度を保持する役割を担うものである。しかし、血液浄化膜において、緻密層の厚みは通常0.1〜数μm程度と非常に薄くしていながら、非対称性を大きくしているために、細孔分布の影響を吸収しきれず、分画性(β2MGの除去とアルブミンの漏出抑制)と強伸度をバランスする上で限界があった。
ここで、緻密層とは、倍率5,000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)写真において実質的に細孔の存在が認められない部分を指す。本発明の中空糸膜において緻密層の厚みは2μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.2μm以下がさらに好ましい。緻密層は、物質の透過抵抗を小さくする意味で薄い方が好ましいが、薄すぎると後述するような内表面構造の欠陥が緻密層の完全性を損なうおそれがあるので、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。
本発明の中空糸膜は、内表面側に緻密層を有し、外表面側は内表面側に比較して拡大された孔径を有する点において、いわゆる非対称構造膜に属する。そして、中空糸膜を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率10,000倍で観察したとき、内表面に孔が実質的に観察されない。また、原子間力顕微鏡で膜表面の凹凸を測定した際の基準点に対する全測定点の凹凸の算術平均を表す平均面粗さ(Ra)が10nm以下であることが好ましい。
孔が実質的に観察されないとは、倍率10,000倍の写真に長径3mm以上の孔、すなわち内表面に300nm以上の孔の存在率が0.5%以下であることを指す。倍率10,000倍で観察した際に孔や凹凸が観察されないのが最も好ましいが、孔の存在率が0.5%以下程度、Ra値が10nm以下であれば実使用において膜の目詰まりやいわゆる2次層の生成を抑え、限外ろ過速度や溶質の分離性能の経時安定性を向上するのに有利である。
さらに、本発明の中空糸膜は、支持層部分の膜構造を仔細に観察すれば、内表面から外表面に向かって当初空孔率が増大し、そのまま中間部を過ぎて外表面近傍まで空孔率がほぼ一定で推移し、外表面付近で再度空孔率が増大するような構造を有する点で従来の非対称構造膜とは異なる。すなわち、内表面側に緻密層を有するということは、内表面の緻密層が分画性(有用物質であるアルブミン等の流出阻止)を規定し、中間層が透過性(β2MGなどの除去)を規定し、その分画性と透過性への寄与は内表面側の緻密層が主、中間部および外表面側の層が従であるということを意味する。血液等の流体を処理する場合、内表面では流体によるせん断力が生じるため、表面への血中タンパク等の堆積を避けやすい。この際、表面に緻密層があることでよりその効果は高くなる。また、この緻密層の背後の部分は、大孔径、大空孔率のスポンジ状支持層となっているほうが、流体の抵抗が低くなり、高透過性を得られやすい点で有利である。しかし、そうすると必要な膜強度を確保するために膜厚を厚くする必要が生じ、中空糸膜タイプのモジュールのメリットであるコンパクト性が損なわれる問題がある。そこで、本発明においては、内表面側に緻密層を設けるだけでなく、膜厚部分の中間部付近の層の孔径や空孔率を除去物質の透過抵抗にならない程度の比較的密な構造とすることによって、膜厚を厚くせずとも高い溶質除去性と強度を確保することが可能となった。
前記したような本発明の中空糸膜の構造は、中空糸膜断面を10,000倍の走査型電子顕微鏡で観察することにより、確認することができる。すなわち、中空糸断面を内側から外側に向けてほぼ均等に5分割し、それぞれ(断面1、2、3、4、5とする)の開孔率を測定した場合に、断面1においては0.1〜5%、断面2〜4においては10〜20%、断面5においては22〜30%である。もちろん、断面1と2または断面4と5の間において、開孔率は不連続に変化するものではなく、中空糸膜の製造条件から見ても開孔率は断面方向において連続的に変化している。しかし、本発明の中空糸膜は、相分離条件を調整することにより、非対称構造とは言え、急激な空隙率の変化や細孔の急拡大を抑制しているので、非常に薄膜でありながら高性能と高伸度の両立を達成している。
本発明において、血液の流動安定性を確保するためには中空糸膜の内径を150μm以上300μm以下とするのが好ましい。中空糸膜の内径が小さすぎると血流の線速度が高くなるため、血球成分がダメージを受ける可能性がある。逆に、中空糸膜の内径が大きすぎると血液の剪断速度や圧力損失が高まらず、中高分子量物質の透過に寄与するろ過の効果が小さくなり、また不足する膜性能を補うためにモジュール(血液浄化器)のサイズを不必要に大きくしなければならないなど使用の利便性を損なう可能性がある。したがって、中空糸膜の内径は160μm以上280μm以下がより好ましく、170μm以上260μm以下がさらに好ましい。
本発明において、中空糸膜の膜厚は10μm以上30μm未満が好ましい。中空糸膜の膜厚が薄すぎると透過性能は高まるが必要な強度を維持することが困難な場合があり、また膜厚が大きすぎると物質の透過抵抗が大きくなり、除去物質の透過性が不充分となる可能性がある。また、モジュールのサイズを大きくする必要があるなど、使用の利便性を損なう可能性がある。したがって、中空糸膜の膜厚は12μm以上28μm以下がより好ましく、13μm以上26μm以下がさらに好ましい。
本発明の中空糸膜を得るための基本的な製造条件は、特許文献7〜11に記載されるような条件が採用できる。ポリマー、ポリマーの溶剤および非溶剤からなる製膜原液、およびポリマーに対して凝固性のある内液を使用して、二重管状ノズルから同時に吐出し、エアギャップ部を通過させた後、凝固浴に導いて凝固させ、中空糸膜形状を固定する。得られた中空糸膜を洗浄浴にて過剰の溶剤、非溶剤を除去し、膜孔保持剤を細孔内に含浸させた後、乾燥して巻き取る。
従来の非対称膜を得る方法では、製膜原液の流動性を確保し、所望の性能を得るために、製膜原液の粘度を可紡範囲に調整する必要があった。しかしながら、粘度を調整するために製膜原液中のポリマー濃度を下げることは、結果的に製膜された中空糸膜中のポリマー密度が低くなるため、中空糸膜強度の低下に繋がる。
一般的に、ポリマー濃度を高くすると、製膜原液の粘度が高まり流動性が低下するため、ノズル温度を比較的高く設定し、製膜原液の流動性を確保する必要がある。ノズル温度を高くすること自体は特に困難性はないが、中空糸膜内表面に緻密層を形成するためには内液として水溶液を用いる必要があり、該水溶液の沸騰を防ぐようにノズル温度を設定する必要がある。そこで、本発明者らは、製膜原液の流動性を確保しつつ、内液の沸騰を防ぐために鋭意検討した結果、製膜原液と内液とをノズルより吐出する直前まで別々に温度コントロールする手段を見出した。具体的には、後述するような手段を用いることで内液の沸騰を防ぎながら製膜原液の流動性を確保することに成功している。
本発明では、血液浄化用の分離膜の素材として、セルロースアセテート系ポリマーを用いる。セルロースアセテート系ポリマーは、水酸基がある程度キャップされており、補体活性の抑制や血液のクロッティングの無い返血性の良さといった血液適合性に優れており、血液浄化用途に好適である。
セルロースアセテート系ポリマーとしては、例えば、ダイセル化学工業社よりL-20、30、40、50、70、LT-35、55、105など酢化度、重合度の異なる種々のセルロースアセテート系ポリマーが市販されている(表1参照)。ノズルブロックを加工すれば、このような高粘度のポリマーをポリマー濃度15%超で用いても紡糸が可能であり、中空糸膜強度を確保することは可能である。しかし、さらなる中空糸膜性能の向上と紡糸安定性、モジュール生産性の向上を両立するために、6%粘度が140mPa・s超200mPa・s未満という比較的低粘度のセルロースアセテート系ポリマーを用いることを検討した。その結果、比較的低粘度のポリマーを用い、紡糸原液中のポリマー濃度をさらに高めることにより、中空糸膜強度の確保および膜性能の向上、それらのバランスの最適化を図ることが可能となった。本発明において、中空糸膜の性能と膜の強度をバランスさせるためには、製膜原液中のセルロースアセテート系ポリマー濃度を16質量%以上25質量%以下に設定するのが好ましく、16.5質量%以上23質量%以下がより好ましい。20質量%以下がさらに好ましい。
本発明において、セルロースアセテート系ポリマーの酢化度は53〜62%であることが好ましい。ここで、酢化度はセルロース中の水酸基の酢酸基置換度を表す。酢化度が低すぎると、ポリマー鎖中に水酸基が多くなるため、ポリマーと血液とが接触した際に補体が活性化しやすくなるなど生体適合性の面で不利になることがある。また、酢化度の理論上限は62.5%であるが、酢化度が高すぎると溶解性や成型性が低下する可能性がある。したがって、セルロースアセテート系ポリマーの酢化度は61.5%以下がより好ましい。酢化度が低いほどポリマーの溶解性や成形性はよくなるが、水酸基が増えるに従い補体活性に代表される血液適合性は低下する傾向にある。したがって、酢化度は55%以上がより好ましく、58%以上がさらに好ましい。
本発明において、前記セルロースアセテート系ポリマーを溶剤、非溶剤に溶解して製膜原液を調製する。溶剤としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを使用するのが好ましい。これらの溶媒は水と良好な相溶性を有する。また、非溶剤としては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、400、グリセリン、プロピレングリコール、アルコール類などが挙げられ、それぞれ単独でも混合して用いてもよい。溶剤としてN−メチルピロリドン(NMP)、非溶剤としてトリエチレングリコール(TEG)を用いる場合には、セルロースアセテート系ポリマー/NMP/TEG=16〜25/49〜77/7〜26の質量比率で混合して用いるのが好ましい。
本発明の中空糸膜は、上述したように非対称構造膜でありながら従来にないほど膜厚を薄くすることができ、除去物質の透過抵抗をできるだけ小さくするよう配慮している。加えて、除去物質が血液から透析液側に移動する際の中空糸膜の入口といえる内表面の平滑性を高めることによって2次層の形成や細孔の目詰まりを抑制する配慮をしている。すなわち、内表面の平滑性を高めるためには、製膜原液をノズルより吐出した後、外乱の影響を受ける前に内表面を素早く凝固(固定)させ、過剰に相分離を進行させないこと、凝固中および凝固した後の内表面に延伸を掛けるなどの外力を与えないこと、中空糸膜構造が固定した後の内径変動などを極力抑制することなどが挙げられる。
内表面を素早く凝固させるためには、製膜原液に対して凝固性の高い内液を用いたり、凝固しやすい製膜原液組成や温度条件を採用するなどが挙げられる。本発明においては、セルロースアセテート系製膜原液に対して凝固性の高い水を主体とした内液を用いるのが好ましい。水のほか、一般的にセルロースアセテート系ポリマーの非溶剤として用いられるエチレングリコールやトリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200または400、グリセリン、プロピレングリコールなどもそれぞれ単独または混合して用いることができる。水を主体とした内液を用いる場合は、水以外の成分として、前記非溶剤やセルローストリアセテート系ポリマーの溶剤であるN−メチルピロリドンやジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを5重量%を上限として添加することができる。
また、先述したように製膜原液と内液を二重管状ノズルより吐出する際、製膜原液と内液との間に温度差を設ける技術を開発したことが、内表面の凝固性(凝固速度)を高めるうえで重要なポイントとなっている。製膜原液に対して内液の温度を低くすればするほど凝固性が高まる(凝固速度が速まる)が、製膜原液と内液との間に温度差を設けることは技術的な困難性が伴う。本発明者は、この点について鋭意検討した結果、吐出直前まで製膜原液と内液とを別々に温度コントロールできるようにノズルブロック内を熱媒(冷媒)が循環可能な構造に加工したものを用いることにより、この課題を解決した。1つのノズルブロックには、通常数十のノズルが組み込まれており、それらを均一に温度コントロールする配慮も必要であり、このような技術的困難性をクリアした。
本発明の中空糸膜を製造するためには、製膜原液の温度を70〜110℃に設定し、内液の温度を0〜40℃に設定するのが好ましい。また、製膜原液と内液との間に50℃以上100℃以下の温度差を設けるのが好ましい。あまり温度差の設定を大きくしても、実際には熱伝導を抑えきれず、また温度差が小さすぎると凝固を促進できないので、温度差は40℃以上90℃以下がより好ましく、50℃以上85℃以下がさらに好ましい。
凝固中および凝固した内表面に延伸を掛けるなどの外力を与えないためには、二重管状ノズルのサイズは特に重要であり、製膜原液吐出内径(スリット内径)は形成される中空糸膜内径と同等の寸法にしておく必要がある。製膜原液吐出外径(スリット外径)も形成される中空糸膜外径と同等の寸法にすることが望ましいが、ノズルの加工限界もあり要求をみたすことは難しい。加工精度の許す限り最小の径のノズルを使用することが望ましい。本発明の中空糸膜は先述したように、内径が150〜250μm程度、膜厚が10〜30μm程度であるが、この場合用いるノズルはスリット外径が220〜330μm、スリット内径が150〜270μm程度とするのが好ましい。このようなノズルを採用することによって、吐出された製膜原液と内液との界面摩擦を低減することが可能となり、また製膜原液の吐出線速度と引取り速度をほぼ同一にできるため中空糸膜内面の荒れを防ぐことが可能となる。本発明において、引取り速度は凝固浴の出口ローラー速度を指し、引取り速度と吐出線速度の比(引取り速度/吐出線速度=ノズルドラフト比)は0.9〜1.3であることが好ましい。より好ましくは1.0〜1.2である。本発明においては、従来にない小口径のノズルを使用できるようになったことが更なる性能向上に繋がっている。
ここで、製膜原液を吐出するときの吐出線速度は、製膜原液吐出量をノズルスリット外径(a)とノズルスリット内径(b)を用いて得られるスリット断面積で除して求める。
製膜原液の吐出線速度[m/min]=製膜原液吐出量/[π{(a/2)2−(b/2)2}]
本発明において、ノズルから吐出した紡糸原液は外気と遮断された空走部(エアギャップ)を通過した後、凝固浴に浸漬し、凝固と相分離を進行させる。このとき、エアギャップの長さ(通過時間)が長すぎると、紡糸原液中のポリマー濃度にもよるが、内液による紡糸原液の凝固が進行しすぎ緻密層の比較的厚い中空糸膜ができる。エアギャップが短すぎると、相分離が十分進行しないので所望の非対称構造を得られない可能性がある。本発明において、エアギャップの長さは、5〜50mmが適当である。
また、内表面が凝固した中空糸膜は極力延伸しないことが好ましい。本発明者は、第1凝固浴においてノズルドラフトを低く保つと同時に、第2凝固浴においても延伸倍率を小さくすることについて検討を行った。すなわち、第2凝固浴における延伸倍率を0.1〜0.3%とすることにより、中空糸膜の内表面側に形成された緻密層の破壊を抑制し、かつ破断伸度の向上に寄与することを見出した。ここで、延伸倍率は第2凝固浴の出口ローラー速度と入口ローラー速度の比を表す。(図7参照)。
延伸倍率(%)=(出口ローラー速度−入口ローラー速度)/入口ローラー速度×100
また、中空糸膜を凝固した後、水洗以降の工程において、中空糸膜を極力延伸しないことが好ましい。本発明者は、延伸をかけずに中空糸膜を洗浄することに着眼し、中空糸膜の進行方向と同一方向に洗浄水を流すことにより中空糸膜に極力延伸をかけずに洗浄を行うという発想にたどりついた。中空糸膜の洗浄においては従来、表面更新による洗浄効率を向上させるため洗浄液は中空糸膜の進行方向と逆方向に流されているが、このため水洗槽を走行する中空糸膜にかかる洗浄液の抵抗が大きくなり、結果として中空糸膜の伸び分を吸収するために延伸をかける必要があった。しかし、中空糸膜と洗浄液を同一方向に流すことにより、中空糸膜の伸びを最小限に抑えることができ、水洗工程で中空糸膜の伸び量を吸収する必要がなくなり、水洗工程で実質的に無延伸とすることが可能となった。なお、実質的に無延伸であるとは水洗工程入口のローラー速度と出口のローラー速度がほぼ同一であることを意味する。
また、中空糸膜構造が固定した後の内径変動などを極力抑制することについては、特に乾燥工程における中空糸膜の収縮を抑えることが重要である。従来、内液に流動パラフィンを用いる均質構造膜の製造においては、乾燥時の加熱による流動パラフィンの体膨張により比較的効果的に径方向の収縮を抑制することができる。しかし、中空糸膜の細孔を容易に通過する内液を用いる場合には、膜自体に収縮に耐える強度を持たせる以外にない。本発明の中空糸膜は、先述したように非対称構造としながらも膜厚を非常に薄くしており、そのため膜断面中間部および外表面近傍にも比較的密な層を設けることにより強度を付与している。本発明の中空糸膜は、単糸あたりの破断強度が30〜40g、破断伸度が15〜40%、降伏強度が18〜30g、降伏伸度が2.3〜3.0%を達成している。
本発明において、中空糸膜の強伸度を前記範囲にするためには、紡糸原液中のポリマー濃度やノズル温度を適正にすることに加え、凝固条件を適正化することも有効である。凝固浴の組成としては、溶剤、非溶剤、水からなる混合液を用いるのが好ましい。溶剤、非溶剤としては、製膜原液の調製に用いたのと同じ溶剤を用いるのが好ましい。なお、凝固浴への非溶剤の添加は特に必要ないが、凝固浴組成の変化を抑制する意味から紡糸原液中の溶剤/非溶剤比に合わせるのが好ましい。
本発明において、中空糸膜の外表面の開孔率は5%以上20%以下が好ましい。外表面開孔率が大きすぎると、総じて中間(支持)層の空隙率が高くなるため、中空糸膜に必要な強度を確保できないとか、膜孔保持剤の保持性が低下する可能性がある。一方、中空糸膜の外表面開孔率が小さすぎると、細孔の非対称性が失われ均質構造に近づいていくことになるので、物質の透過性やろ過安定性が低下することがある。また、中空糸膜の透過拡散特性が低下するためオンラインでの洗浄効率が低下することがある。したがって、中空糸膜の外表面開孔率は8%以上20%以下がより好ましく、18%以下がさらに好ましく、18%以下が特に好ましい。
外表面開孔率を上記範囲にするためには、製膜原液中のポリマー濃度やノズル温度などが影響するが、加えてノズルから吐出された紡糸原液が凝固浴に浸漬されるまでの間の空中走行部の長さを10mm以上150mm以下とするのが好ましい。また、空中走行部を外気と遮断し、内部を0℃以上50℃以下に設定することが好ましい。空中走行部の長さと温度を前記範囲とすることにより、ノズルから吐出された製膜原液の外表面側のポリマー核の成長を促進することができる。一方、製膜原液の内表面側では外表面側からの脱溶剤の影響を受けるより前に、内液によるポリマーの凝固を完了させ緻密層を形成させることが可能となる。紡糸製膜の安定性を高めるためには空中走行部の長さは10mm以上100mm以下がより好ましく、紡糸口金からの紡糸原液の吐出斑の影響を相殺するには15mm以上80mm以下がさらに好ましい。
本発明において、適正な中空糸膜外表面を得るためには凝固条件を適正化することも有効な手段の1つである。外表面の開孔率を高めるためには凝固浴中の溶剤濃度を高め、温度を高めることが有効である。溶剤濃度や温度を高めることにより空中走行部で生成したポリマー核をより成長させることができ、開孔率、開孔径を拡大することが可能となる。開孔率を前記範囲とするためには、凝固浴中の溶剤濃度を40重量%以上60重量%以下、温度を30℃以上60℃以下とするのが好ましい。凝固浴からの中空糸膜の曳きだし性を確保するには、溶剤濃度は45重量%以上60重量%以下、温度は30℃以上50℃以下がより好ましく、溶剤濃度は45重量%以上55重量%以下、温度は35℃以上45℃以下がさらに好ましい。
凝固浴から曳き出した中空糸膜は、引き続き水洗浴にて過剰の溶媒、非溶媒を除去するために洗浄を行う。短時間に洗浄を行うためには、水洗浴の温度を出来るだけ高くする方がよい。しかし、温度が高すぎると、膜構成材料の劣化や膜形状、膜構造に欠陥が生じる可能性もあるので、50〜90℃程度で洗浄を行うのが好ましく、60〜90℃がより好ましく、70〜85℃がさらに好ましい。
水洗工程を経た中空糸膜は続いて、細孔内部への親水化剤の充填工程へ移行させる。本発明においては、グリセリン水溶液への中空糸膜の浸漬、液切りを繰り返し行うことで、細孔内部への親水化剤であるグリセリン水溶液を充填する。ここで、グリセリンの濃度は70〜95重量%とするのが好ましい。グリセリン濃度が低すぎると、後段の中空糸膜乾燥工程における水分蒸発に伴う細孔径の縮小や中空糸膜形状の変形(潰れ、偏平化)が起こる可能性がある。また、グリセリン濃度が高すぎると、流動性が低下するために充填や置換が不十分になることがある。したがって、グリセリン濃度は75〜95重量%がより好ましく、80〜90重量%がさらに好ましい。グリセリン水溶液の温度は、グリセリン濃度にもよるが、前記範囲であれば、80〜95℃程度が好ましい。このような温度範囲であれば、グリセリン水溶液の流動性が確保され、充填性や置換性の面で好ましい。本発明において、グリセリン水溶液への浸漬、液切りの各時間や頻度は、中空糸膜の内径や膜厚、膜構造にも関係するので一概には言えないが、本発明の中空糸膜の場合、浸漬、液切りを各3〜10秒程度、浸漬、液切りを1工程として3〜10回程度行えば足りるといえる。
細孔内部にグリセリン水溶液が充填された中空糸膜は、ボビンにチーズ状に巻き取る。このとき、中空糸膜に乾燥のために過剰の熱を加えると破断伸度が低下する原因となり得るので、配慮する必要がある。すなわち、本発明においては極力加熱を加えない方が好ましい。ここで、乾燥の意味は、過剰の水分を含んだままの中空糸膜は保管時や輸送時にグリセリン水溶液の粘度が低いために細孔から漏れでてしまい、品質低下の原因となるため、予め乾燥工程において過剰の水分を除去しておくのが目的である。しかし、本発明の中空糸膜は、比較的高濃度(高粘度)のグリセリンを含有させているため、乾燥工程における水分調整がほとんど必要ない。具体的には、前工程のグリセリン濃度が75%程度あれば、乾燥工程における加熱は40〜70℃程度で10〜240秒程度あれば十分である。また、グリセリン濃度が80%以上の場合には、乾燥は不要とすることも可能である。
本発明の中空糸膜を用いて内径基準による膜面積が1.5m2のモジュールを作製すると、血液流路側にヒトβ2MG(分子量18,000)を0.05〜0.1mg/lの濃度になるように添加した総タンパク質濃度が6.5±0.5g/dl、37℃に保温したACD添加牛血漿を流量200ml/min、透析液側に透析液を500ml/min、ろ過流量15ml/minで流した際に、透析開始後60分時点および240分時点のβ2MGのクリアランス(それぞれCLβ15[60]、CLβ15[240]とする)が65ml/min以上を達成することができ、ダイアライザー機能分類のV型性能を発現することも可能である。なお、CLβ15[240]/CLβ15[60]≧0.93を満たすことが好ましい。
さらに、本発明の中空糸膜は、ろ過流量15ml/minの条件で試験したとき3L除水換算(一般的な血液透析療法に相当)のタンパクリーク量が2g以下という非常に低い漏出量を達成している。
本発明における中空糸膜は、後述するような糸切れ試験において、30回でも糸切れがないことが好ましい。糸切れ試験は製膜効率やモジュール化(MOD化効率)を評価する上で指標となる評価である。30回未満で糸切れを起こす中空糸膜では製膜効率やMOD化効率が十分ではない。製膜効率やMOD化効率の向上のため、糸切れ回数は35回以上が好ましく、40回以上がより好ましい。繰り返し糸切れ試験において30回以上を達成する中空糸膜を用いるとモジュール組み立ての歩留まりが良好であるし、モジュールの輸送中や臨牀の現場での糸切れや糸折れによる不良が発生しにくい。
製膜効率やMOD化効率を評価する場合、糸の物性評価値である強度やヤング率のみでは十分ではなかった。本発明でいうところの糸切れ評価では、摩擦に対する影響も同時に測定しているため、糸の強度やヤング率では評価し得なかった製膜効率やMOD化効率を十分評価できる。とはいうものの、降伏強力とヤング率についてもあまり低い値であると糸切れ評価を精度よく再現できないのでヤング率は5000kg/cm2以上、降伏強度は20g以上であることが好ましい。ヤング率が5000kg/cm2未満、もしくは降伏強度が単糸あたり20g未満である場合には糸切れ試験において再現性がよくない。
本発明の非対称膜は、従来の膜と比較して、耐糸切れ試験において優れていることから、中空糸膜の形状が安定しやすい。すなわち、乾燥した中空糸膜が集積された糸束をモジュールケースに挿入する際に、安定して製造することが可能となった。
以下、本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(中空糸膜の内径、外径、膜厚の測定)
中空糸膜断面のサンプルは以下のようにして得ることができる。測定には内液を洗浄、除去した後、中空糸膜を乾燥させた形態で観察することが好ましい。乾燥方法は問わないが、乾燥により著しく形態が変化する場合には内液を洗浄、除去したのち、純水で置換した後、湿潤状態で形態を観察することが好ましい。中空糸膜の内径、外径および膜厚は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられたφ3mmの孔に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面でカミソリによりカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon-V-12Aを用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とし、膜厚は(外径−内径)/2で算出する。5断面について同様に測定を行い、平均値を内径、膜厚とする。
(中空糸膜の開孔率の測定)
中空糸膜を10,000倍の走査型電子顕微鏡で観察し、写真(SEM写真)を撮影する。その画像より、縦762pixel×横620pixelの領域を切り出した後、画像解析ソフトを使用し、白/黒に画像を二値化し、中空糸膜表面および各断面の開孔率を求める。取り込んだ画像を孔部と閉塞部が識別されるように強調・フィルタ操作を実施する。その後、孔部をカウントし、孔内部に下層のポリマー鎖が見て取れる場合には、孔を結合して一孔とみなしてカウントする。測定範囲の面積(A)、および測定範囲内の孔の面積の累計(B)を求めて開孔率(%)=B/A×100を求める。これを10視野実施してその平均を求める。初期操作としてスケール設定を実施するものとし、また、カウント時には測定範囲境界上の孔は除外しないものとする。
断面の開孔率測定は中空糸断面を内側から外側に向けてほぼ均等の長さに5分割し(内表面から外表面に向かって、順に断面1、2、3、4、5とする)、それぞれの開孔率を測定する。
(平均面粗さ(Ra値)の測定)
評価する中空糸膜の内表面を露出させたものを試料とした。原子間力顕微鏡SPI3800(セイコーインスツルメンツ社製)によって形態観察した。この時の観察モードはDFMモード、スキャナーはFS-20A、カンチレバーはDF-3、観測視野は3μm四方である。Ra値は膜表面の凹凸を測定した際の基準点に対する全測定点の凹凸の算術平均を表す。
(透水率(UFR)の測定)
透析器の血液出口部回路(圧力測定点よりも出口側)を鉗子で挟んで封止する。37℃に保温した純水を加圧タンクに入れ、レギュレーターにより圧力を制御しながら、37℃恒温槽で保温した透析器へ純水を送り、透析液側から流出した濾液流量を測定する。膜間圧力差(TMP)は
TMP=(Pi+Po)/2
とする。ここでPiは透析器入り口側圧力、Poは透析器出口側圧力である。TMPを4点変化させ濾過流量を測定し、それらの関係の傾きから透水率(mL/hr/mmHg)を算出する。このときTMPと濾過流量の相関係数は0.999以上でなくてはならない。また、回路による圧力損失誤差を少なくするために、TMPは100mmHg以下の範囲で測定する。中空糸膜の透水率は膜面積と透析器の透水率から算出する。
UFR(H)=UFR(D)/A
ここでUFR(H)は中空糸膜の透水率(mL/m2/hr/mmHg)、UFR(D)は透析器の透水率(mL/hr/mmHg)、Aは透析器の膜面積(m2)である。
(β2MGのクリアランス測定)
非特許文献1に示された血液浄化器性能評価基準に準じ実施する。膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器に、総タンパク質濃度6.5±0.5g/dlに調整し、37℃に保温したACD(acid-citrate-dextrose)添加牛血漿を血液側流量200ml/minで1時間循環する。次いでヒトβ2MG(遺伝子組み換え品、和光純薬製)を0.05〜0.1mg/lの濃度になるように添加した総タンパク質濃度6.5±0.5g/dlに調整し、37℃に保温したACD添加牛血漿を血液側流量200ml/minで血液側に流し、市販透析液を500ml/min、ろ過流量15ml/minまたは45ml/minで透析を実施する。このクリアランス評価はシングルパスで実施する。透析開始後、60分時点、240分時点の血液入口、出口、透析液出口より採取した試験液のβ2MG濃度を測定する。クリアランスは以下の式で計算する。
・ろ過流量15ml/min、60分時点および240分時点のクリアランス(CLβ15[60]、[240])
CLβ15(ml/min)=200×[(200×CBi)−(185×CBo)]/(200×CBi)
ここで、CBi;血液入口部濃度、CBo;血液出口部濃度。
(タンパクリーク量の測定)
クエン酸を添加し、凝固を抑制した牛血液をヘマトクリット25〜30%、タンパク濃度6〜7g/dlに調製し、37℃で血液浄化器に200ml/minで送液し、ろ過流量15ml/minまたは45ml/minで血液をろ過する。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。15分毎にろ過流量を測定し、血液浄化器のろ液を採取する。ろ液に含有するタンパクの濃度を測定する。血漿中のタンパク濃度の測定は、体外診断用のキット(マイクロTP−テストワコー、和光純薬工業社製)を用いて行う。2時間までのデータをもとに、下の式から平均タンパクリーク量を求め、3L除水換算時のタンパクリーク量(TPL)を算出する。
積算ろ過量(ml)=t(min)×Ct1(ml/min)+(t−t)(min)×Ct2(ml/min)+(t−t)(min)×Ct3(ml/min)・・・・(t120−t)(min)×C120min(ml/min)
t:測定時間(min)、C:ろ過流量(ml/min)
ろ液のタンパク濃度=a×Ln(積算ろ過量)+b
各測定点におけるろ液のタンパク濃度とLn(積算ろ過量)からa、bを求める。
TPL(平均)=−a+b+a×Ln(積算ろ過量×2)
TPL(3L除水換算)(g)=TPL(平均)×30/1000
(破断強伸度、降伏強伸度の測定)
中空糸膜の強伸度は、テンシロン万能試験機(東洋ボールドウィン社製UTMII)を用い、乾燥した中空糸膜1本を約15cmの長さに切断してチャック間(距離約10cm)に弛みのないよう取り付け、20±5℃、60±10%Rhの温湿度環境下、クロスヘッドスピード10cm/minで中空糸膜を引張り、測定を行った。得られたチャート紙から中空糸膜が切れた破断伸度と破断強力を読み取る。図1に示すように、S−Sカーブより補助線を設け、二つの補助線が交差した点を降伏点と定義し、その点における強力を降伏強力、伸度を降伏伸度とする。
(中空糸膜構造の観察)
中空糸膜を軽く水洗して付着しているグリセリンを除去する。水に濡れたままの中空糸膜を速やかに液体窒素中に浸漬して凍結させた後、液体窒素から取り出す。断面観察用のサンプルは凍結状態で折り曲げて切断する。表面観察用のサンプルは、内外表面を観察できるように剃刀で斜めに切断する。得られた各サンプルを試料台に固定し、カーボン蒸着を行う。蒸着後のサンプルを走査型電子顕微鏡(日立製S-2500)を用いて加速電圧15kVにて観察を行う。
(糸切れ試験)
図6に示すような装置を用いて糸切れ試験を実施する。長さ約30cmの中空糸膜(単糸)をほぼ中心付近でU字状に折り返し、一端と他端を同時に重さ10gの目玉(蛇の目)クリップで挟む。これを図6に示すような日本ポリプラスチック社製ネトロン(登録商標)30-HR3製の鍵型にかける。このときの中空糸膜とネトロンとの接触長さはおよそ1.0〜1.2mmであった。前記クリップを鉛直下方線より左右いずれかの方向に凡そ15cm移動させたところから自由落下させ、前記クリップが停止するまで放置する。前記操作を単糸が切れるまで行う。その切れるまでの回数を糸切れ回数とする。
(モジュール作製歩留まり)
紡糸された中空糸膜、約10,000本を束状に巻き取り、巻き取った中空糸膜束を透明のモジュールケースに端部充填率が50%程度になるように挿入し、次いで、ケースの端部をウレタンやエポキシなどの樹脂で、中空糸膜束とケースを液密に接着、その後、中空糸膜の中空部が開口するように接着部分を切断し、中空糸膜モジュールを作製する。出来上がった中空糸膜モジュールを、目視にて外観検査を行い、中空糸膜に折れ、切れ、ねじれ、つぶれの形状異常の有無にて、作製歩留まりを算出する。本発明において、モジュール作製歩留まりは96%以上が好ましい。
(実施例1)
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N-メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に95℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.2%にして、水洗、グリセリン付着処理後、40℃で乾燥して85m/minで巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
糸切れ試験における中空糸膜の糸切れ回数は38回であり、製膜、モジュール化工程ともに問題なかった。クリアランスとタンパクリークのバランスが良く、高性能でかつ取り扱い性にすぐれた中空糸膜であった。
(実施例2)
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%をN-メチルピロリドン(三菱化学社製)58.1重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.9重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に35℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に92℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる40℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.25%にして、水洗、グリセリン付着処理後、50℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は20μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
糸切れ試験における中空糸膜の糸切れ回数は32回であり、製膜、モジュール化工程ともに問題なかった。クリアランスとタンパクリークのバランスが良く、高性能でかつ取り扱い性にすぐれた中空糸膜であった。
(実施例3)
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)18重量%をN-メチルピロリドン(三菱化学社製)57.4重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.6重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に103℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は45mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.25%にして、水洗、グリセリン付着処理後、40℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
糸切れ試験における中空糸膜の糸切れ回数は33回であり、製膜、モジュール化工程ともに問題なかった。クリアランスとタンパクリークのバランスが良く、高性能でかつ取り扱い性にすぐれた中空糸膜であった。
(実施例4)
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)16.5重量%をN-メチルピロリドン(三菱化学社製)54.3重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)29.2重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に30℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に85℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は15mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=42/23/35からなる35℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.3%にして、水洗、グリセリン付着処理後、60℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.1であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は21μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
糸切れ試験における中空糸膜の糸切れ回数は40回であり、製膜、モジュール化工程ともに問題なかった。クリアランスとタンパクリークのバランスが良く、高性能でかつ取り扱い性にすぐれた中空糸膜であった。
(実施例5)
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社製)17.5重量%をN-メチルピロリドン(三菱化学社製)57.8重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.7重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に25℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に95℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は45mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.2%にして、水洗、グリセリン付着処理後、40℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
糸切れ試験における中空糸膜の糸切れ回数は38回であり、製膜、モジュール化工程ともに問題なかった。クリアランスとタンパクリークのバランスが良く、高性能でかつ取り扱い性にすぐれた中空糸膜であった。
(実施例6)
セルローストリアセテート(6%粘度=172mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%をN-メチルピロリドン(三菱化学社製)58.1重量%とトリエチレングリコール(三井化学社製)24.9重量%の混合物を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径250μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に92℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.25%にして、水洗、グリセリン付着処理後、30℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.07であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は185μm、膜厚は16μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表2にまとめた。
糸切れ試験における中空糸膜の糸切れ回数は、43回であり、製膜、モジュール化工程ともに問題なかった。クリアランスとタンパクリークのバランスが良く、高性能でかつ取り扱い性にすぐれた中空糸膜であった。
(比較例1)
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N-メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に95℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.5%にして、水洗、グリセリン付着処理後、40℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6.5%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表3にまとめた。
比較例1で得られた中空糸膜は、第2凝固浴における延伸倍率が高いためか、破断伸度が低いものしか得られなかった。
(比較例2)
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N-メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に95℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.3%にして、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥温度を80℃にて乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は18μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表3にまとめた。
比較例2の中空糸膜は、乾燥温度を高めたためかミクロな膜収縮が生じ、破断伸度の低いものしか得られなかった。
(比較例3)
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N-メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として流動パラフィンを吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に95℃の熱媒を循環し加熱した。ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.25%にして、水洗、グリセリン付着処理後、40℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。ななお水洗槽は、傾きを2.5度とし、洗浄水が緩やかに下っていくように調整し、洗浄水を中空糸膜と同じ並流に流した。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は4%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は17μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表3にまとめた。
比較例3の中空糸膜は、内液に流動パラフィンを用いたため膜構造が均質構造であった。膜厚方向に均質な構造であるためかβ2MGなどの除去物質の透過性が低いものしか得られなかった。
(比較例4)
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)17重量%、N-メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)58.1重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.9重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径250μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として10%NMP水溶液を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に95℃の熱媒を循環し加熱した。ノズルから吐出された製膜原液は20mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=39/26/35からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.1%にして、水洗、グリセリン付着処理後、40℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は25μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表3にまとめた。
比較例4で得られた中空糸膜は、破断伸度が低く、TPLが高かった。これは、内液として10%NMP水溶液を用いたため相分離が進行してしまい、緻密層の形成が不十分であったためと考えられる。
(比較例5)
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社製)20重量%、N-メチルピロリドン(NMP、三菱化学社製)56.0重量%、トリエチレングリコール(TEG、三井化学社製)24.0重量%を均一に溶解したものを製膜原液として、スリット外径270μm、スリット内径200μmの二重管ノズルのスリット部より吐出し、同時に内液として水を吐出した。その際、内液はノズルブロック中に15℃の冷媒を流し冷却した。また、製膜原液はブロック中に95℃の熱媒を循環し加熱した。
ノズルから吐出された製膜原液は70mmのエアギャップ部を通過させた後、NMP/TEG/水=52.5/22.5/25からなる45℃の凝固浴中に導いて固化させ、第2凝固浴における延伸倍率を0.2%にして、水洗、グリセリン付着処理後、40℃で乾燥して巻き取った。ノズルドラフト比は1.15であった。なお、水洗工程は中空糸膜と洗浄水を向流に流す従来法に従った。洗浄水の流速は、0.35m/minに調節、洗浄槽は5段とした。水洗工程における中空糸膜の延伸は1.0%であった。凝固浴出口から巻き上げまでの総延伸は6%であった。得られた中空糸膜の内径は200μm、膜厚は19μmであった。得られた中空糸膜を束状にしてケースに挿入し、両端をポリウレタン樹脂で接着固定し、中空糸膜内径基準の膜面積が1.5m2のモジュールを作製して種々の評価に供した。評価結果を表3にまとめた。
糸切れ試験における中空糸膜の糸切れ回数は38回であり、製膜、モジュール化工程ともに問題なかった。しかし、β2MGのクリアランスが相対的に低いものしか得られなかった。これは、紡糸原液中のポリマー濃度を高めたことと、エアギャップ長を長くしたため緻密層の厚みが厚くなりすぎたことが原因と考えられる。
本発明の中空糸膜は、少なくとも内表面側に緻密層を有する、いわゆる非対称構造膜であるが、膜断面中間部を均質構造に近い構造とし、また緻密層の厚みを適正化したことによって、非常に薄膜でありながら中空糸膜の強伸度や溶質除去の安定性を高い次元で両立している。そのため血液透析だけでなく血液透析ろ過や血液ろ過にも好適に使用でき、産業の発展に寄与することが大である。

Claims (5)

  1. 内径が150〜250μm、膜厚が15〜25μmであり、少なくとも内表面側に緻密層を有し、該緻密層の厚みが0.01〜2μmである非対称構造の中空糸膜であって、該中空糸膜の破断伸度が単糸あたり15%以上40%以下である中空糸膜。
  2. 外表面開孔率が10〜20%である請求項1に記載の中空糸膜。
  3. 請求項1または2に記載の中空糸膜を用いて組立てたモジュールで測定したβ2-ミクログロブリンのクリアランスが、内径基準膜面積1.5m2あたり63ml/min以上である中空糸膜。
  4. セルロースアセテートおよび/またはセルローストリアセテートからなる請求項1〜3いずれかに記載の中空糸膜。
  5. 人工腎臓として用いる請求項1〜4いずれかに記載の中空糸膜。
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