JP2011211783A - 過電圧保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 直流電源と、直流電流を交流電流に変換して同期機へ出力する電力変換器と、同期機で発生する回生エネルギーを蓄積する回生エネルギー蓄積手段と、を備える同期機駆動装置に対して、回生エネルギーによる無負荷誘起電圧を検出し、その無負荷誘起電圧に基づき、回生エネルギーを抑制させる回生電力抑制器と、回生電力抑制器からの無負荷誘起電圧に基づく指示に従い、回生エネルギー蓄積手段を放電させる放電手段と、を備える。
【選択図】 図1
Description
そのため、従来の過電圧保護装置では、地絡や短絡により2次回路に生じる過電圧があらかじめ設定されたレベルを超えると、これを過電圧検出回路が検出してサイリスタに点弧パルスを与え、サイリスタは点弧パルスにより点弧して誘導機の線間を短絡し、過電圧を抑制していた。(特許文献1参照)
これに対して、電力変換器は入力の直流電源の直流電圧以上の電圧を発生することはできないことから、無負荷誘起電圧が電力変換器の最大出力電圧を越える領域では、永久磁石による磁束を打ち消すような磁束を電機子巻線で発生させるように、電力変換器でいわゆる弱め界磁制御を行なって、高速回転領域までの運転を行なっている。
しかし、電力変換器の動作が停止した場合は、同期機を制御することができなくなるので、無負荷誘起電圧は、直流電源の電圧より大きくなると、同期機からコンデンサに電流が流れ、コンデンサや電力変換器に無負荷誘起電圧と同等の電圧値が印加されることになり、印加電圧がコンデンサと電力変換器の破壊電圧を超えることになれば、コンデンサと電力変換器は破壊されることになる。
更に、従来の過電圧保護装置では、過電圧防止のために誘導機の線間を短絡するスイッチング素子(先行例では、サイリスタを用いている。)が、3相分必要であり部品点数が多く、コスト高になるという問題があった。
同期機を駆動するための電源である直流電源と、
前記直流電源から出力された直流電流を交流電流に変換して前記同期機に出力する電力変換器と、
前記直流電源と前記電力変換器とに対してそれぞれ並列に接続され、前記同期機で発生する回生エネルギーを蓄積する回生エネルギー蓄積手段と、
を備えた同期機駆動装置に対する過電圧保護装置であって、
前記同期機と前記電力変換器とに接続され、前記同期機で発生する回生エネルギーによる無負荷誘起電圧を検出し、前記無負荷誘起電圧に基づき、前記回生エネルギーを抑制させる回生電力抑制器と、
前記回生エネルギー蓄積手段に対して並列に接続され、前記回生電力抑制器からの前記無負荷誘起電圧に基づく指示に従い、前記回生エネルギー蓄積手段を放電させる放電手段と、
を備えるものである。
また、同期機の線間を短絡して回生エネルギーを抑制した後、無負荷誘電電圧が降下すると短絡を停止して回生エネルギーが蓄えられた回生エネルギー蓄積手段を放電させるので、電力変換器を停止状態から速やかに復帰(再起動)させることができる。
さらに、同期機の線間を1つのスイッチング素子で短絡させるとともに、コンデンサ等の回生エネルギー蓄積手段の電圧を検出するための手段を用いることなく回生エネルギー蓄積手段を放電させることができるので、装置構成が簡単になり、かつ、低コスト化できる。
図1は、本発明の実施の形態1における過電圧保護装置を示す構成図である。図1において、本実施の形態の過電圧保護装置が接続される同期機駆動システムは、直流電源4から出力された直流電流を、直流電源4と並列に接続された電力変換器2によって交流電流に変換し、その交流電流によって同期機1を駆動する。電力変換器2は、ダイオードを含む複数のスイッチング素子で構成される。直流電源4と電力変換器2の間には、これらに対し並列に接続され、回生エネルギーが蓄積されるコンデンサ等の回生エネルギー蓄積手段3を設けている。過電圧保護装置10は、電力変換器2と同期機1の間に接続され、同期機1で発生する回生エネルギーを抑制する回生電力抑制器5と、直流電源4と回生エネルギー蓄積手段3との間にこれらと並列に接続され回生エネルギー蓄積手段3に蓄えられた電荷を放電するための放電手段9と、で構成される。ここで、同期機1の無負荷誘起電圧の最大値は、直流電源4の直流電圧よりも大きいものとする。
また、同期機1で生じた回生エネルギーは同期機1の3相線と接続された電圧検出手段6へも流入するため、電圧検出手段6の出力電圧も回生エネルギー蓄積手段電圧Vcと同じ値で上昇する。ここで、電圧検出回路6は上述の通り同期機1の3相の半波整流を行うため、電圧検出回路6の出力電圧は、同期機1の無負荷誘起電圧の値Vmと一致することになる。
電圧検出回路6の出力は短絡手段7の片側を介して短絡制御手段8に入力され、図2に示すように、電圧検出回路6の出力電圧すなわち無負荷誘起電圧の値Vmが比較手段8a、8b、8cにそれぞれ入力される。
比較手段8aからオンの信号が出力されると、比較手段8aの出力側に設けられたラッチ手段8gで比較手段8aのオン信号がラッチ(保持)される。また、比較手段8aがオンとなることで短絡制御手段8の開放制御信号OSがオンとなる。さらに、比較手段8aと比較手段8bからオン信号が論理積手段8dに入力されるため、論理積手段8dはこれらの論理積を演算し、オン信号を短絡制御手段8の短絡制御信号SCSとして出力する。
従って、回生エネルギー蓄積手段3と放電抵抗9bと放電用スイッチング素子9aとが閉回路となるため、回生エネルギー蓄積手段3が放電し、回生エネルギー蓄積手段3に蓄えられたエネルギーが放電抵抗9bによって熱に変換され消費される。この放電により回生エネルギー蓄積手段電圧Vcが低下する。
また、同期機1の3相線間の短絡により無負荷誘起電圧Vmが降下して回生エネルギー抑制終了電圧値V2より小さくなるときから、回生エネルギー蓄積手段3の電圧が通常動作をする電圧範囲である電力変換器動作可能電圧値V3以下になるまで、回生エネルギー蓄積手段3を放電させることができるので、電力変換器2を停止から素早く復帰(再起動)させることができる。
また、同期機1の3相線間を短絡するスイッチング素子を1つのみで構成することができ、低コスト化ができる。
さらに、同期機の線間を1つのスイッチング素子で短絡させるとともに、コンデンサ等の回生エネルギー蓄積手段の電圧を検出するための手段を用いることなく回生エネルギー蓄積手段を放電させることができるので、装置構成が簡単になり、かつ、低コスト化できる。
図5は、この発明の実施の形態2に係る過電圧保護装置を示す構成図である。なお、実施の形態1で説明した構成と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、実施の形態2に係る過電圧保護装置では、実施の形態1に係る過電圧保護装置に対し、短絡制御手段が異なり、特に、比較手段8aのラッチを解除する方法が異なる。実施の形態1に係る過電圧保護装置の短絡制御手段8は、比較手段8cの出力信号を反転する反転手段8fのオン信号によりラッチを解除するが、実施の形態2に係る過電圧保護装置の短絡制御手段12は、比較手段8aがオンしてから時間をカウントし始め、所定時間経過後にラッチを解除する。
図7は、本実施の形態に係る過電圧保護装置の動作を示すタイミングチャートである。
図7において、電流変換器2が動作状態から停止してからt5までの動作は、タイマ11aと時間比較手段11bの動作以外、実施の形態1に係る過電圧保護装置と同様であるため、タイマ11aと時間比較手段11bの動作について説明する。
比較手段8aからオンの信号が出力されると、比較手段8aの出力側に設けられたラッチ手段8gで比較手段8aのオン信号がラッチ(保持)される。また、比較手段8aのオン出力がタイマ11aに入力され、タイマ11aは時間のカウントを開始する。タイマ11aは、カウントした時間を時間比較手段11bに継続して出力する。時間比較手段11bでは、タイマ11aでカウントされた時間と予め設定された停止設定時間STとを比較する。タイマ11aでカウントされた時間が予め設定された停止設定時間ST以下である場合は、オフ信号をラッチ手段8gへ出力する。
しかし、本実施の形態に係る同期機の過電圧保護装置によれば、停止設定時間STを回生エネルギー放電期間と放電期間とを足した時間より長い時間であるとともに、短絡手段7のスイッチング素子の温度が十分下がるのに必要な時間以上に設定することができるので、短絡手段7のスイッチング素子が連続動作してもスイッチング素子の温度は必要以上に上昇することが無く、故障を回避することができるとともに、より耐熱温度が低く小容量のものを選択できるためコストを抑えることができる。
回生エネルギー抑制期間と放電期間とを一部または全部を重ねて設けることで、電力変換器2の復帰をより短時間で実現できる。
5、13 回生電力抑制器、6 電圧検出手段、7 短絡手段、
8、12 短絡制御手段、8a、8b、8c 比較手段、
8d、8e 論理積手段、8f 反転手段、8g ラッチ手段、
9 放電手段、9a 放電用スイッチング手段、9b 放電用抵抗、9c 開放手段、
10、20 過電圧保護装置、11a タイマ、11b 時間比較手段。
Claims (8)
- 同期機を駆動するための電源である直流電源と、
前記直流電源から出力された直流電流を交流電流に変換して前記同期機に出力する電力変換器と、
前記直流電源と前記電力変換器とに対してそれぞれ並列に接続され、前記同期機で発生する回生エネルギーを蓄積する回生エネルギー蓄積手段と、
を備えた同期機駆動装置に対する過電圧保護装置であって、
前記同期機と前記電力変換器とに接続され、前記同期機で発生する回生エネルギーによる無負荷誘起電圧を検出し、前記無負荷誘起電圧に基づき、前記回生エネルギーを抑制させる回生電力抑制器と、
前記回生エネルギー蓄積手段に対して並列に接続され、前記回生電力抑制器からの前記無負荷誘起電圧に基づく指示に従い、前記回生エネルギー蓄積手段を放電させる放電手段と、
を備えたことを特徴とする過電圧保護装置。 - 前記回生電力抑制器は、
前記無負荷誘起電圧が前記回生エネルギー蓄積手段の破壊電圧値未満である回生エネルギー抑制開始電圧値になったときに前記回生エネルギーを抑制させる動作を開始し、前記無負荷誘起電圧が前記回生エネルギー抑制開始電圧値より小さい回生エネルギー抑制終了電圧値になったときに前記回生エネルギーを抑制させる動作を終了するとともに、
前記放電手段に前記無負荷誘起電圧に基づく指示を出し、前記回生電力抑制器の回生エネルギー抑制動作開始以後に前記放電手段を動作させること、
を特徴とする請求項1に記載の過電圧保護装置。 - 前記回生電力抑制器は、
前記同期機の線間を短絡させることで前記回生エネルギーを抑制させ、
前記放電手段は、
前記直流電源と並列に接続され、
前記無負荷誘起電圧が、前記回生エネルギー抑制開始電圧値から前記電力変換器が動作可能となる電力変換器動作可能電圧値まで推移する間、前記直流電源からの電力供給を遮断するとともに、
前記無負荷誘起電圧が前記回生エネルギー抑制終了電圧値から前記電力変換器動作可能電圧値まで推移する間、前記回生エネルギー蓄積手段を放電させること、
を特徴とする請求項2に記載の過電圧保護装置。 - 前記回生電力抑制器は、
前記同期機の3相線にそれぞれ直列に接続され、出力側がともに接続される整流手段を備え、前記無負荷誘起電圧の値を検出する電圧検出手段と、
両端の一方が前記整流手段の出力側に、他方が前記電力変換器に接続され、両端を短絡させることで前記同期機の線間を短絡させる短絡手段と、
前記短絡手段と並列に接続され、前記電圧検出手段で検出した前記無負荷誘起電圧を入力し、前記無負荷誘起電圧の値に基づき、前記短絡手段の動作を制御する短絡制御手段と、を備え、
前記放電手段は、
前記無負荷誘起電圧の値に基づき、前記直流電源からの電力供給を遮断する開放手段と、
前記回生エネルギー蓄積手段に蓄えられた前記回生エネルギーを消費させるための放電用抵抗と、
前記無負荷誘起電圧の値に基づき、前記放電用抵抗と前記回生エネルギー蓄積手段とを接続する回路の開閉を行う放電用スイッチング手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の過電圧保護装置。 - 前記短絡制御手段は、
前記無負荷誘起電圧値を入力し、前記無負荷誘起電圧値と前記回生エネルギー抑制開始電圧値とを比較する第一の比較手段と、前記無負荷誘起電圧値と前記回生エネルギー抑制終了電圧値とを比較する第二の比較手段と、前記無負荷誘起電圧値と前記電力変換器動作可能電圧値とを比較する第三の比較手段と、前記第一の比較手段のオン出力を保持するラッチ手段と、前記第一の比較手段の出力と前記第二の比較手段の出力との論理積を演算する第一の論理積演算手段と、前記第一の比較手段の出力と前記第二の比較手段の出力の反転と前記第三の比較手段の出力との論理積を演算する第二の論理積演算手段と、を備え、
前記開放手段の動作を制御するために、前記第一の比較手段の出力を前記開放手段へ出力し、前記短絡手段の動作を制御するために、前記第一の論理積演算手段の出力を前記短絡手段へ出力し、前記放電用スイッチング手段の動作を制御するために、前記第二の論理積演算手段の出力を前記放電用スイッチング手段へ出力するとともに、
前記第三の比較手段の出力に基づき前記ラッチ手段の保持を解除すること、
を特徴とする請求項4に記載の過電圧保護装置。 - 前記回生電力抑制器は、
前記同期機の線間を短絡させることで前記回生エネルギーを抑制させ、
前記放電手段は、
前記直流電源と並列に接続され、
前記無負荷誘起電圧が前記回生エネルギー抑制開始電圧値から前記電力変換器動作可能電圧値まで推移し、かつ前記短絡手段が動作可能となる温度に至るまでの間、前記直流電源からの電力供給を遮断するとともに、
前記無負荷誘起電圧が前記回生エネルギー抑制終了電圧値から前記電力変換器動作可能電圧値まで推移する間、前記回生エネルギー蓄積手段を放電させること、
を特徴とする請求項2に記載の過電圧保護装置。 - 前記回生電力抑制器は、
前記同期機の3相線にそれぞれ直列に接続され、出力側がともに接続される整流手段を備え、前記無負荷誘起電圧の値を検出する電圧検出手段と、
両端の一方が前記整流手段の出力側に、他方が前記電力変換器に接続され、両端を短絡させることで前記同期機の線間を短絡させる短絡手段と、
前記短絡手段と並列に接続され、前記電圧検出手段で検出した前記無負荷誘起電圧を入力し、前記無負荷誘起電圧の値に基づき、前記短絡手段の動作を制御する短絡制御手段と、を備え、
前記放電手段は、
前記無負荷誘起電圧が前記回生エネルギー抑制開始電圧値から前記電力変換器動作可能電圧値まで推移し、かつ前記短絡手段が動作可能となる温度に至るまでの間、前記直流電源からの電力供給を遮断する開放手段と、
前記回生エネルギー蓄積手段に蓄えられた前記回生エネルギーを消費させるための放電用抵抗と、
前記無負荷誘起電圧の値に基づき、前記放電用抵抗と前記回生エネルギー蓄積手段とを接続する回路の開閉を行う放電用スイッチング手段と、
を備えたことを特徴とする請求項6に記載の過電圧保護装置。 - 前記短絡制御手段は、
前記無負荷誘起電圧値を入力し、前記無負荷誘起電圧値と前記回生エネルギー抑制開始電圧値とを比較する第一の比較手段と、前記無負荷誘起電圧値と前記回生エネルギー抑制終了電圧値とを比較する第二の比較手段と、前記無負荷誘起電圧値と前記電力変換器動作可能電圧値とを比較する第三の比較手段と、前記第一の比較手段のオン出力を保持するラッチ手段と、前記第一の比較手段の出力がオンになったときから時間をカウント開始するタイマと、前記タイマの出力とラッチを解除する時間としての停止設定時間とを比較する時間比較手段と、前記第一の比較手段の出力と前記第二の比較手段の出力との論理積を演算する第一の論理積演算手段と、前記第一の比較手段の出力と前記第二の比較手段の出力の反転と前記第三の比較手段の出力との論理積を演算する第二の論理積演算手段と、を備え、
前記開放手段の動作を制御するために、前記第一の比較手段の出力を前記開放手段へ出力し、前記短絡手段の動作を制御するために、前記第一の論理積演算手段の出力を前記短絡手段へ出力し、前記放電用スイッチング手段の動作を制御するために、前記第二の論理積演算手段の出力を前記放電用スイッチング手段へ出力するとともに、
前記時間比較手段の出力に基づき前記ラッチ手段の保持を解除すること、
を特徴とする請求項7に記載の過電圧保護装置。
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