JP2013099210A - モータ制御装置及びモータ制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】過渡的に大きな制動電流がコイルに流れてしまうことを防ぎつつ、安全かつ速やかにモータを停止させるためのブレーキ機能を簡素かつ確実に確保すること。
【解決手段】モータ制御装置は、オン状態にされたときにモータ107の3相のコイルを短絡させ、オフ状態にされたときに3相のコイルの短絡を解消する3個のパワー素子106d〜106fと、3相のコイルのうちU相及びW相のコイルに流れる電流を検出する電流センサ120a、120bと、パワー素子106d〜106fをオン状態に制御し、電流センサ120a、120bによって検出されたU相電流及びW相電流並びに電流センサ120a、120bの検出結果に基づいて算出されたV相電流のいずれかが所定の閾値を超えた場合に、パワー素子106d〜106fを所定時間オフ状態に制御し、所定時間の経過後パワー素子106d〜106fをオン状態に制御する制御部118と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置及びモータ制御方法に関するものである。
永久磁石型同期3相モータの制御において、モータの3相のコイルを短絡状態にし、モータの誘起電圧により3相のコイルに流れる電流を制動電流としてモータを制動するダイナミックブレーキ制御が用いられている。
ダイナミックブレーキ制御には、回転速度毎に制動力の特性が変化してしまうという問題がある。特許文献1には、この問題を解決するため、ロータの位置に応じて、モータのコイルを短絡状態とする数を選択的に制御する技術が記載されている。
また、ダイナミックブレーキ制御には、モータの3相のコイルの短絡開始時に、過渡的に大きな制動電流がコイルに流れてしまうという問題がある。特許文献2には、この問題を解決するため、3相短絡のオンオフ制御を実行する前に、ロータの磁極位置に応じて各スイッチング素子の先行オンオフ制御を実行する技術が記載されている。
特開平7―184394号公報 特開平10−271884号公報
一般にブレーキを作動させる場合は、何らかの異常(モータの速度異常、モータによって駆動される装置がリミットセンサに達してしまう等)が発生した場合が想定される。このため、モータにブレーキを作動させる場合は、通常のモータ制御機能を維持できているか否かさえ不確かなことを考慮しなければならない。そのため、特許文献1記載の技術のように、ロータの位置に応じて、モータのコイルを短絡状態とする数を選択的に制御したり、特許文献2記載の技術のように、ロータの磁極位置に応じて各スイッチング素子の先行オンオフ制御を実行したりするような繁雑な処理は避けることが望ましい。
本発明は、過渡的に大きな制動電流がコイルに流れてしまうことを防ぎつつ、安全かつ速やかにモータを停止させるためのブレーキ機能を簡素かつ確実に確保することを目的とする。
本発明は、オン状態にされたときに3相モータが有する3相のコイルを短絡させ、オフ状態にされたときに前記3相のコイルの短絡を解消する3個のスイッチング素子と、前記3個のスイッチング素子をオン状態にしているときに、前記3相のコイルのうちいずれか1相のコイルに流れる電流が所定の閾値を超えた場合には、前記3個のスイッチング素子を第1の所定時間オフ状態とし、前記第1の所定時間が経過した後に前記3個のスイッチング素子をオン状態とする制御部と、を含むことを特徴とするモータ制御装置である。
本発明において、前記制御部は、前記3個のスイッチング素子を最初にオン状態にしてから第2の所定時間が経過した後には、前記3個のスイッチング素子をオン状態とすることが好ましい。
本発明は、3相モータを制御するための3個のスイッチング素子をオン状態にするステップと、前記3相のコイルのうちいずれか1相のコイルに流れる電流が所定の閾値を超えた場合に、前記3個のスイッチング素子を第1の所定時間オフ状態にするステップと、前記第1の所定時間の経過後、前記3個のスイッチング素子をオン状態にするステップと、を含むことを特徴とするモータ制御方法である。
本発明において、前記3個のスイッチング素子を最初にオン状態にしてから第2の所定時間が経過した後には、前記3個のスイッチング素子をオン状態とすることが好ましい。
本発明は、過渡的に大きな制動電流がコイルに流れてしまうことを防ぎつつ、安全かつ速やかにモータを停止させるためのブレーキ機能を簡素かつ確実に確保することができる。
図1は、本実施形態に係るモータ制御装置を示す概略図である。 図2は、比較例に係るモータ制御装置を示す概略図である。 図3は、モータの3相を短絡したときのU相電流の例を示す図である。 図4は、本実施形態に係るモータ制御装置のブレーキ制御の動作を示すフローチャートである。 図5は、本実施形態によるブレーキ制御を行ったときのU相電流の例を示す図である。 図6は、本実施形態によるブレーキ制御を行ったときにおいてモータに流れる電流の例を示す図である。
本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に開示した構成は適宜組み合わせることが可能である。さらに、下記実施形態で開示した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
図1は、本実施形態に係るモータ制御装置及びモータを示す概略図である。本実施形態において、モータ107は、永久磁石型同期3相電動機であるが、3相の電動機であれば、これに限定されるものではない。本実施形態において、モータ107は、例えば、電子部品実装装置の駆動、X−Yテーブルの駆動又は工業用ミシン若しくは家庭用ミシン等を駆動するために用いられる。モータ107の用途はこれらに限定されるものではない。
モータ制御装置1は、交流電源101、111と、主電源回路部105と、インバータブリッジ回路部106と、制御電源回路部115と、スイッチング電源回路116と、ロジックコンデンサ117と、制御部118と、電流センサ120a、120bと、を含んでいる。主電源回路部105は、整流器102と、突入電流抑制回路103と、平滑コンデンサ104と、を含んでいる。制御電源回路部115は、整流器112と、突入電流抑制回路113と、平滑コンデンサ114と、を含んでいる。
交流電源101は、3相又は単相の電源である。整流器102は、交流電源101の交流電圧を直流電圧に変換する。突入電流抑制回路103は、電源投入時に整流器102から出力される突入電流を抑制する抵抗103aと、電源が立ち上がった後該抵抗をバイパスするバイパススイッチ103bと、を備える。平滑コンデンサ104は、整流器102の出力電圧を平滑化する。
インバータブリッジ回路部106は、制御部118の制御下で、整流器102が出力する直流電圧を交流電圧に変換し、モータ107に電力を供給する。交流電圧がモータ107に印加されると、モータ107のロータが回転する。インバータブリッジ回路部106は、6個のパワー素子(スイッチング素子)106a〜106fを含んでいる。パワー素子106a及びパワー素子106dが、整流器102の高電圧側と低電圧側との間に直列に接続されている。同様に、パワー素子106b及びパワー素子106e、パワー素子106c及びパワー素子106fが、整流器102の高電圧側と低電圧側との間にそれぞれ直列に接続されている。
パワー素子106aとパワー素子106dとの接続点は、モータ107のU相に接続されている。パワー素子106bとパワー素子106eとの接続点は、モータ107のV相に接続されている。パワー素子106cとパワー素子106fとの接続点は、モータ107のW相に接続されている。パワー素子106a、106b、106cが上アームを構成し、パワー素子106d、106e、106fが下アームを構成する。制御部118は、例えば、パワー素子106a〜106fのオン/オフをPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、モータ107に交流電圧を印加することができる。
電流センサ120aは、U相の電流iuを検出し、電流センサ120bは、W相の電流iwを検出する。なお、V相の電流ivは、次式で算出可能である。また、V相にも電流センサを設けてもよい。
iv=−iu−iw
交流電源111は、3相又は単相の電源である。整流器112は、交流電源111の交流電圧を直流電圧に変換する。突入電流抑制回路113は、電源投入時に整流器112から出力される突入電流を抑制する抵抗113aと、電源が立ち上がった後に前記抵抗をバイパスするバイパススイッチ113bと、を含む。平滑コンデンサ114は、整流器112の出力電圧を平滑化する。
スイッチング電源116は、整流器112の直流出力電圧を昇圧又は降圧して、制御部118で必要とする電圧(例えば、5V又は3.3V等)を出力する。スイッチング電源回路116の出力電圧は、ロジックコンデンサ117で安定化されて制御回路118に入力される。次に、比較例について説明する。
図2は、比較例に係るモータ制御装置を示す概略図である。比較例のモータ制御装置2は、モータ107とインバータブリッジ回路部106との間に、ダイナミックブレーキ回路部108を設けている。ダイナミックブレーキ回路部108は、抵抗108a、108b、108cと、リレースイッチ108d、108eと、を含んでいる。抵抗108a、108b、108cは、一端が共通に接続されている。抵抗108bの他端は、モータ107のコイルとしてのV相巻線に接続されている。リレースイッチ108dは、モータ107のコイルとしてのU相巻線と、パワー素子106aとパワー素子106dとの接続点又は抵抗108aの他端と、を接続する。リレースイッチ108eは、モータ107のコイルとしてのW相巻線と、パワー素子106cとパワー素子106fとの接続点又は抵抗108cの他端と、を接続する。
通常運転時において、リレースイッチ108dは、モータ107のU相巻線と、パワー素子106aとパワー素子106dとの接続点とを接続し、リレースイッチ108eは、モータ107のW相巻線と、パワー素子106cとパワー素子106fとの接続点とを接続する。このようにすると、インバータブリッジ回路部106が出力する交流電圧がモータ107に印加され、モータ107のロータが回転する。
ブレーキ作動時において、リレースイッチ108dは、モータ107のU相巻線と、抵抗108aの他端とを接続し、リレースイッチ108eは、モータ107のW相巻線と、抵抗108cの他端とを接続する。このようにすると、モータ107の3相、すなわちU相巻線とV相巻線とW相巻線とは、抵抗108a、108b、108cを介して短絡される。このとき、モータ107の誘起電圧をモータ107自身のインピーダンスと抵抗108a、108b、108cとの和で除した制動電流がU相巻線、V相巻線及びW相巻線に流れる。抵抗108a、108b、108cが存在することにより、大きな制動電流が流れることはないが、モータ107の回転速度が低下するとともに誘起電圧が低下すると制動電流も低下し、ブレーキの作動からモータ107が停止するまでに要する時間が長くなるという問題がある。
上述した比較例の問題を回避し、ブレーキが作動した後にモータ107を速やかに停止させたい場合、インバータブリッジ回路部106が有する6個のパワー素子106a〜106fのうち、下アームのパワー素子106d〜106f又は上アームのパワー素子106a〜106cの一方を同時にオン状態にしてモータ107の3相を短絡することが考えられる。すると、モータ107の誘起電圧をモータ107自身のインピーダンスで除した制動電流がモータ107の3相に流れ、ブレーキが作動した後、短時間でモータ107を停止させることができる。
モータ107のインピーダンスZの大きさは、式(1)で表される。式(1)中のRはモータ107の抵抗、Lはモータ107のインダクタンス、ω=2πf(fはロータの回転周波数)である。
Figure 2013099210
インピーダンスZは、周波数が高いほどインダクタンスLが支配的であり、周波数が低いほど抵抗Rが支配的である。また、モータ107の誘起電流iは、式(2)で表される。ここで、Kは誘起電圧係数、Nはロータの単位時間あたりの回転数である。
Figure 2013099210
誘起電流iは、モータ107のロータの回転数が大きいほど大きく、ロータの回転数が小さいほど小さくなる。また、式(2)で、モータの電気的時定数やマグネットの極数によっては、回転数Nが高い領域で転流周波数fが高くなり、R<<ωL(=2πfL)になる場合がある。その場合は分母のR成分を無視できる。誘起電流iは、
i≒Ke・N/j(2πfL)
と表される。さらに同期型モータの極数をNとすると、誘起電流iは、
i=Ke・N/j(2π・(N・P/120)・L)
となる。分子、分母のNを消すと、誘起電流iは、
i=Ke/j(2π・(P/120)・L)
と変形できる。上記式は、R<<ωLの領域、すなわち回転数Nが十分高い領域(転流周波数fの高い領域)では モータ107の誘起電流i≒一定の電流値になることを意味している。
しかし、上記のブレーキ制御では、次のような問題がある。次に、この問題について説明する。
図3は、モータの3相を短絡したときのU相電流の例を示す図である。図3は、インバータブリッジ回路部106が有する6個のパワー素子106a〜106fのうち、下アームのパワー素子106d〜106f(又は上アームのパワー素子106a〜106cでもよい)を同時にオン状態にしてモータ107の3相を短絡したときにU相に流れる電流を検出した実験結果を示している。図3に示すように、時刻tでブレーキ作動、つまり下アームのパワー素子106d〜106fをオン状態にすると、U相には、時刻tまで(数ms程度)過渡的に約40Aという大きな制動電流が流れている。モータのインピーダンスの値によっては、このように過渡的に大きな制動電流が流れる。時刻t以降は、制動電流の振幅は約20Aとなり、その後ロータの回転速度が低下するとともに約0Aに収束する。
このような大きな制動電流が過渡的に流れる理由は次の通りである。モータ107において、各相の電流は、各相の交流電圧(誘起電圧)からL/R(Lは、各相のインダクタンス、Rは、各相の抵抗)だけ遅れた交流電流となるべきところである。しかし、下アームのパワー素子106d、106e、106fをオンにした瞬間、3相すべての制動電流は0Aで開始する。そのため、各相の電流は、0Aから正方向又は負方向にオフセットしてしまうことになる。
上記のような大きな制動電流が流れると次のような問題が考えられる。
(1)制動電流がモータ107の仕様上の最大電流値を超えるとモータ107自体に減磁等の影響を及ぼすおそれがある。
(2)過渡的に制動方向に大トルクが発生する、あるいは過渡的にトルクが大きく変化する結果、モータ107の負荷にショックを与える可能性がある。
(3)インバータブリッジ回路部106側にも過渡的とはいえモータ107の仕様上の最大電流値を大幅に超える電流が流れるとパワー素子106a、106b、106c等インバータブリッジ回路部106側に影響を与えるおそれがある。
また、モータ制御システムによっては、モータ107の仕様上の最大電流を超える電流が流れると過電流遮断機能が働き、ダイナミックブレーキ動作そのものをオフし、サーボフリーにするという安全動作機能が働くことも考えられ、すると、モータ107の回転(動作)が停止しなくなるおそれもある。
また、仮にダイナミックブレーキ動作がオフして、モータ107がフリーランしても安全なアプリケーションであっても、モータ107の仕様上の最大電流を超える電流が流れるという点で、試験規定等への抵触が考えられる。
以上のように、ブレーキが作動した一瞬とはいえ大きな制動電流が流れるという現象を抑制することが望まれる。
上記のような問題点に対して、特許文献1記載の技術では、ロータの位置に応じて、モータのコイルを短絡状態とする数を選択的に制御し、特許文献2記載の技術では、ロータの磁極位置に応じて各スイッチング素子の先行オンオフ制御を実行することとしている。しかし、ダイナミックブレーキを作動させる場合というのは、何らかの異常が発生した場合が想定されるので、そのような状況下で特許文献1、2のような繁雑な処理は避けることが望ましい。つまり、過渡的に大きな制動電流がコイルに流れてしまうことを防ぎつつ、緊急ブレーキとしての役割、すなわち安全かつ速やかにモータを停止させるために、特許文献1、2記載の技術よりも簡素で確実なブレーキ制御が望ましい。
そこで、本実施形態は、3相短絡によってブレーキを作動させる場合に、ブレーキを作動させるタイミングをまったく気にすることなく、緊急時のブレーキを遅滞なく速やかに動作させつつ、モータ107の各相電流が正側又は負側へオフセットする現象を抑えられる簡易なブレーキ制御を提案するものである。本実施形態に係るブレーキ制御は、下アーム又は上アームの3個のスイッチング素子をオン状態にしているときに、3相のコイルのうちいずれか1相のコイルに流れる電流が所定の閾値を超えた場合には、3個のスイッチング素子を第1の所定時間オフ状態とし、第1の所定時間が経過した後に3個のスイッチング素子をオン状態とする。次に、本実施形態のモータ制御装置1によるブレーキ制御について説明する。
図4は、本実施形態に係るモータ制御装置のブレーキ制御の動作を示すフローチャートである。ステップS10として、制御部118は、何らかの異常(モータ107の速度異常又はモータ107によって駆動される装置がリミットセンサに達してしまう等)がモータ107に発生した場合(ステップS10、Yes)、処理をステップS12に進める。制御部118は、ステップS10で何らの異常も発生していない場合(ステップS10、No)、ステップS10で待機する。
ステップS10でモータ107に何らかの異常が発生した場合には(ステップS10、Yes)、ステップS12において、制御部118は、インバータブリッジ回路部106の下アームのパワー素子106d、106e、106f(又は上アームのパワー素子106a、106b、106c)をオンし、モータ107の3相を短絡させる。このようにすることで、モータ107の誘起電圧をモータ107自身のインピーダンスで除した制動電流がモータ107の3相に流れ、モータ107に制動力が作用する。
次に、制御部118は、ステップS14に進み、モータ107のU相電流iu、V相電流iv、W相電流iwのいずれかが所定の閾値を超えた場合には(ステップS14、Yes)、ステップS16に進む。モータ107のU相電流iu、V相電流iv、W相電流iwのすべてが所定の閾値を超えていない場合には(ステップS14、No)、ステップS18に進む。
所定の閾値は、例えば、モータ107の仕様上の最大電流値、モータ107の仕様上の最大電流値から安全マージンを減じた値等である。なお、モータ107のU相電流iuは電流センサ120aで検出することができ、モータ107のW相電流iwは電流センサ120bで検出することができ、モータ107のV相電流ivはiv=−iu−iwで算出することができる。なお、電流センサ120a、120bは、一般的なモータ制御装置で電流ループの制御等のために備えているものを利用することができる。このため、本実施形態のブレーキ制御のため、特に電流センサ120a、120bを設ける必要はない。
ステップS14においてYesである場合、制御部118は、ステップS16において、下アームのパワー素子106d、106e、106fを第1の所定時間オフし、モータ107の3相の短絡状態を所定時間解消する。下アームのパワー素子106d、106e、106fをオフした瞬間、モータ107の各相に流れていた各相電流は、モータ107のインダクタンスのエネルギーを放出し、電流の振幅を減じながら平滑コンデンサ104側へ回生電流として流れる。このように、一瞬下アームのパワー素子106d、106e、106fをオフすることで、最大電流を超えようとしていたモータ107の各相電流を数アンペア程度低下させることができる。なお、下アームのパワー素子106d、106e、106fをオフしても制動電流は流れているので、モータ107の制動力は生じている。
第1の所定時間は、例えばPWM制御の1周期(例えば、300μs等)又はその数倍程度のごく短い時間のことである。また、制御部118をCPU(Central Processing Unit)とプログラムとで実現する場合、本実施形態に係るブレーキ制御を実行するブレーキ制御タスクがタスクスイッチングされる時間又はその数倍であってもよい。制御部118は、ステップS16を実行したら、処理をステップS12に進める。
ステップS18においてNoである場合、制御部118は、処理をステップS14に進める。ステップS18において、ブレーキ開始後、第2の所定時間が経過した場合(ステップS18、Yes)、制御部118は、処理をステップS20に進める。
ステップS18において、ブレーキ開始後、第2の所定時間が経過していない場合(ステップS18、No)、制御部118は、処理をステップS14に進める。すなわち、第2の所定時間が経過するまで、制御部118は、ステップS14〜ステップS18を繰り返す。
図3を用いて説明したように、制動電流が正側又は負側にオフセットして大きな制動電流が流れるのはブレーキ開始後数ms程度である。このため、第2の所定時間は、制動電流が正側又は負側にオフセットしなくなるのに必要な時間でよい。例えば、第2の所定時間は、PWM制御の周期の整数倍(例えば5ms程度)とすればよい。また、制御部118をCPUとプログラムとで実現する場合、本実施形態に係るブレーキ制御を実行するブレーキ制御タスクがタスクスイッチングされる時間の整数倍であってもよい。
ステップS18において、ブレーキ開始後、第2の所定時間が経過した場合(ステップS18、Yes)、制御部118は、ステップS20に進み、下アームのパワー素子106d〜106fのオン状態を継続させる。これにより、制御部118は、モータ107の3相の短絡状態を維持して、モータ107に制動力を働かせることができる。
ステップS18で、ブレーキ開始後、第2の所定時間が経過した場合に、下アームのパワー素子106d〜106fのオン状態を継続させる理由は次の通りである。ブレーキは、万一の異常事態を想定して、制御部118が電流センサ120a、120bの値を取得できない場合及び制御部118の上位の制御部(図示せず)との信号のやりとりができなくなった場合でも、安全かつ速やかにモータ107を停止させるものである。このため、第2の所定時間が経過した後、制動電流が流れ過ぎたか否かの監視を解除することにより、ごく短い時間、一旦3相の短絡をオフにするというステップS16の処理を無効にする。このようにして、インバータブリッジ回路部106のパワー素子106a〜106fに突発的に不具合が発生する等の想定外の事態が起こらない限り、3相の短絡を継続し安全にモータ107を停止させることを優先するようにする。
ステップS20が終了したら、制御部118はステップS22に進む。ステップS22において、モータ107が停止していない場合(ステップS22、No)、制御部118はステップS22で待機する。モータ107が停止した場合(ステップS22、Yes)、制御部118は、本実施形態によるブレーキ制御を終了する。
図5は、本実施形態によるブレーキ制御を行ったときにU相に流れる電流を検出した実験結果を示す図である。図5に示すように、時刻t10でブレーキが作動、すなわち下アームのパワー素子106d、106e、106f(図1参照)をオン状態にしている。本実施形態のブレーキ制御によれば、U相電流はほとんどオフセットすることもなく、0Aを中心として上下対称な相電流が流れていることがわかる。
図6は、本実施形態によるブレーキ制御を行ったときにおいてモータに流れる電流の例を示す図である。図6に示す例は、本実施形態によるブレーキ制御を行ったときに、U相電流iu及びV相電流ivを検出した実験結果を示している。この実験では、本実施形態のブレーキ制御によるU相電流iu及びV相電流ivの変化を分かり易くするため、図5に示す例よりもモータ107の回転速度を低くしている。図6に示すように、時刻t20でブレーキ作動、すなわち下アームのパワー素子106d、106e、106fをオン状態にしたところ、時刻t21でW相電流iwが所定の閾値(例えば20A)を超えたので下アームのパワー素子106d、106e、106fを第1の所定時間(例えば300μs)オフ状態にした。このため、時刻t21の直後の所定時間、U相電流iu及びV相電流ivが減少している。
その後、再び下アームのパワー素子106d、106e、106fをオン状態にしたところ、時刻t22でU相電流iuが所定の閾値を超えたので下アームのパワー素子106d〜106fを所定時間オフ状態にしている。そのため、時刻t22の直後の所定時間、U相電流iu及びV相電流ivが減少している。その後、再び下アームのパワー素子106d〜106fをオン状態にしたところ、時刻t23でV相電流ivが所定の閾値を超えたので下アームのパワー素子106d、106e、106fを所定時間オフ状態にした。このため、時刻t23の直後の所定時間、U相電流iu及びV相電流ivが減少している。その後は、3相の相電流は所定の閾値を超えることなく、モータ107のロータの回転速度が低下するとともに約0Aに収束している。
本実施形態のモータ制御装置1が実行するコンピュータプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されてもよい。本実施形態のモータ制御装置1が実行するコンピュータプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するようにしてもよい。
さらに、本実施形態のモータ制御装置1が実行するコンピュータプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のモータ制御装置で実行されるコンピュータプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するようにしてもよい。
以上、本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)制動電流が流れるタイミングを考慮せず、遅滞なくブレーキを作動させる。ブレーキを発動させる際に計算又は磁極位置に応じて上アームのパワー素子と下アームのパワー素子とを組み合わせたオン/オフ制御を行う等といった時間的遅れを極めて低減することができる。
(2)ブレーキ時に流れるモータ相電流が、モータの仕様上の最大電流(又は所定の電流値でもよい)に達しない場合は、ブレーキ作動時に遅滞なく下アーム又は上アームの3個のパワー素子を同時オンして3相短絡するだけであるので、最短時間でモータの回転(動作)を停止させることができる。
(3)制御部の上位の制御部がパワー素子のオン/オフ制御を行ったりせず、制御部は、単にブレーキ時に流れるモータ相電流を監視して、もし相電流が流れ過ぎれば、ごく短い時間、一旦3相の短絡を解消し、その後再び3相を短絡させるという処理を繰り返すだけである。このため、単にブレーキ(3相短絡)か、下アーム又は上アームの3個のパワー素子をオフ(ごく短時間、3相の短絡を解消)かのいずれかの処理を行っているに過ぎない。このため、過渡的に大きな制動電流がコイルに流れてしまうことを防ぎつつ、安全かつ速やかにモータを停止させるためのブレーキ機能を簡素かつ確実に確保できる。
1、2 モータ制御装置
101、111 交流電源
102、112 整流器
103、113 突入電流抑制回路
104、114 平滑コンデンサ
106 インバータブリッジ回路部
106a、106b、106c、106d、106e、106f パワー素子(スイッチング素子)
107 モータ
108 ダイナミックブレーキ回路部
116 スイッチング電源回路
117 ロジックコンデンサ
118 制御部
120a、120b 電流センサ

Claims (4)

  1. オン状態にされたときに3相モータが有する3相のコイルを短絡させ、オフ状態にされたときに前記3相のコイルの短絡を解消する3個のスイッチング素子と、
    前記3個のスイッチング素子をオン状態にしているときに、前記3相のコイルのうちいずれか1相のコイルに流れる電流が所定の閾値を超えた場合には、前記3個のスイッチング素子を第1の所定時間オフ状態とし、前記第1の所定時間が経過した後に前記3個のスイッチング素子をオン状態とする制御部と、
    を含むことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記3個のスイッチング素子を最初にオン状態にしてから第2の所定時間が経過した後には、前記3個のスイッチング素子をオン状態とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 3相モータを制御するための3個のスイッチング素子をオン状態にするステップと、
    前記3相のコイルのうちいずれか1相のコイルに流れる電流が所定の閾値を超えた場合に、前記3個のスイッチング素子を第1の所定時間オフ状態にするステップと、
    前記第1の所定時間の経過後、前記3個のスイッチング素子をオン状態にするステップと、
    を含むことを特徴とするモータ制御方法。
  4. 前記3個のスイッチング素子を最初にオン状態にしてから第2の所定時間が経過した後には、前記3個のスイッチング素子をオン状態とする請求項3に記載のモータ制御方法。
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