JP2011211021A - 回路形成基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】層間接続手段として導電性ペースト等の圧縮により電気的接続を発現する構成を用いた回路形成基板を製造する場合の熱プレス工程中の加圧力と熱伝導の均一化を図る。
【解決手段】基板材料の上側と下側に内部層と一表面に金属層と他面に離型性を有する表面層からなるクッション材と金属板とを積層して積層構成物を準備し、この積層構成物を上部と下部の加熱加圧手段の間で熱プレスして回路形成基板を製造する製造方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】基板材料の上側と下側に内部層と一表面に金属層と他面に離型性を有する表面層からなるクッション材と金属板とを積層して積層構成物を準備し、この積層構成物を上部と下部の加熱加圧手段の間で熱プレスして回路形成基板を製造する製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、回路形成基板の製造方法に関するものである。
近年の電子機器の小型化・高密度化に伴って、電子部品を搭載する回路形成基板も従来の片面基板から両面、多層基板の採用が進み、より多くの回路を基板上に集積可能な高密度回路形成基板の開発が行われている。
高密度回路形成基板においては、従来の回路形成基板に比較して回路の設計ルールは微細なものとなり、より微細な回路を形成する加工技術や多層板においては層間の回路あるいはスルホールおよびビアホールの位置合わせ技術さらには微細な接続ピッチで層間を接続する層間接続技術の開発が続けられている。
また、電気信号として用いる周波数帯域が高くなるにつれて、基板状の回路の加工精度とともに層間絶縁層の厚みコントロールも重要な要素技術となってきている。
通常の回路形成基板の製造においては、ガラス繊維やアラミド繊維を織布または不織布に加工し熱硬化性樹脂を含浸してBステージ化したプリプレグを2枚の銅箔の間に挟み込み、さらにその上下を金属板で挟み込んだ積層構成物を、熱プレス装置にて加圧加熱して一体成型する熱プレス工程の後に、銅箔をエッチングにて所望のパターン形状に加工して回路形成基板を得る工法が用いられる。
図6は従来の回路形成基板の製造方法における熱プレス装置の例を示す断面図である。
基板材料24は上記したプリプレグを2枚の銅箔の間に挟み込んだものであり、プリプレグの厚みは約150μmであり、銅箔の厚みは約18μmである。
基板材料24はステンレス板を平滑に研磨した中間金属板23に挟み込まれて配置されており、基板材料24の上下中間金属板23の間にクッション材21が配置されている。これらを積層構成物と呼び、積載プレート26上に積載されている。
さらに図中に示すように、積層構成物を積載した積載プレートは熱プレス装置の熱盤27を備えた加圧手段28の間に挿入される。
熱盤27は基板材料24を加熱するためのもので、内部に熱媒体あるいは冷却媒体として温度コントロールされた油あるいは蒸気あるいは冷却水等を導入し、その温度および流量によって基板材料24を所望の温度プロファイルで加熱、冷却する。
加圧手段28は基板材料24を加圧するためのもので、通常は油圧シリンダが用いられ、図6の例では下側にシリンダ(図示せず)が配置され、シリンダの作用により下側の熱盤27および積載プレート26が上方に持ち上げられ、上側の固定端となっている加圧手段28に押しつけられる構造となっている。
基板材料24に用いる材料にもよるが、通常150〜200℃をピーク温度とする加熱と、1.5〜4MPa程度の加圧が熱プレス工程で行われ、基板材料24中のプリプレグが成型および硬化し銅箔と一体化する。
熱プレス工程が終了した基板材料24は熱プレス装置から取り出され、ドリル加工等による穴加工工程あるいは穴内に銅めっきを施すスルホール形成工程や銅箔を所望のパターン形状にエッチングするパターン形成工程等を経て回路形成基板となる。
また、中間金属板23や積載プレート26等の間接材料は、それぞれの耐用回数に達するまでは次回以降の熱プレス工程にも繰り返し使用される。
熱プレス工程における工程コントロール要素として均一な圧力で基板材料24を加圧するということが重要である。
特に、近年の高周波対応回路形成基板の製造においては回路形成基板としての厚み精度が重要であり、圧力の均一性を確保することが高品質な回路形成基板を製造するために必須となっている。
圧力の均一性を確保するためには、上下の加圧手段28や熱盤27の平行度や中間金属板23の板厚ばらつきも注意が必要であるが、クッション材21の作用が非常に重要である。
クッション材21は、従来より熱可塑性樹脂シート状材料やシリコンゴムなどの弾力性を持つゴムシート状材料が用いられてきた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
しかしながら、近年の高密度回路形成基板の製造については、その製造プロセスが非常に精度の要求される困難度の高いものとなる場合が多くなってきており、高品質な回路形成基板を低コストで製造する上での課題となっている。
上記した熱プレス工程においても高精度なプロセスを再現性良く実施し、ゴムシート状材料の使用においても圧力の均一性を確保することが非常に重要な課題である。
また、近年においては高耐熱用基板の開発が盛んになり、熱プレス工程の条件においても200℃以上の高温プレスが要求される。
また本発明の実施の形態でも説明するが、回路形成基板の層間接続手段に導電ペースト等の加圧により電気的接続を発現するようなものを用いた場合には、加圧力を従来の回路形成基板の製造時よりも高める必要があるなかで、熱伝導の均一にする必要がある等の製造条件が必要となってきている。
さらに、近年の携帯電子機器に使用する高密度回路形成基板等では、回路のインピーダンスを所望の値に制御したり、薄型の電子機器に使用するために板厚のばらつき許容スペックが厳しいものとなっており、上記したようなクッション材の性能すなわちクッション性、クッション材の厚みばらつきによって回路形成基板への圧力、温度がばらつくことは回路形成基板の品質としては不十分なものとなってしまう。
本発明は前記従来の問題を解決するため、回路形成基板への加圧力、熱伝導の均一化を確保し、高品質な回路形成基板を製造する製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の回路形成基板の製造方法は、基板材料の上側と下側にクッション材と金属板とを積層して積層構成物を準備する工程と、前記積層構成物を上部と下部の加熱加圧手段の間で熱プレスする工程とを備え、前記クッション材は内部層と前記内部層の一表面に金属層と他面に離型性を有する表面層からなり、前期内部層の一表面は前記加熱加圧手段に接する側または前記加熱加圧手段に近い側の面であることを特徴とする。
本発明によれば、クッション材に必要とされるクッション性、耐久性、熱盤等との離型性の要件に加えて、積層構成物への高熱伝導を内部層、金属層、表面層それぞれの働きにより実現され、高品質な回路形成基板の製造方法を提供できる。
特に、層間接続手段として導電性ペースト等の圧縮により電気的接続を発現する構成を採用した場合や、回路形成基板の厚み精度を要求される場合等においては、熱プレス工程中の加圧力、熱伝導の均一化により、格別の効果を発揮するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態における回路形成基板の製造方法についての熱プレス装置を示す工程断面図である。
まず、本実施の形態における積層構成物1の構成は、下から下側の金属板2a、下側のクッション材3a、基板材料4、上側のクッション材3b、上側の金属板2bの順に積層されることを基本としており、生産性向上のため、必要な基板材料数に応じて中間金属層5及びクッション材3a、3bを介して基板材料4を複数段積層するものとする。
なお、説明を容易にするため、図1の構成は中間金属板5を介して2段のみとした。
すなわち、図1に示すように、積層構成物1として3枚の中間金属板5と、上側のクッション材3b、下側のクッション材3aに挟持された2枚の基板材料4が下側の金属板2a上に配置され、上側の金属板2bが積層され、積載プレート6に積載されている。
基板材料4は、約100μmの厚みのガラス繊維織布を用いたプリプレグを2枚の銅箔で挟み込んだもので、中間金属板5は約1mm厚のステンレス板であり、下側と上側の金属板3a、3bは約2mm厚みのステンレス板である。 積載プレート6は約5mm厚みの鋼板を図示するように凹型に折り曲げたものである。積層構成物1の上下には熱盤を備えた加熱加圧手段7が上下1対ずつ配置されている。
本実施の形態で用いるクッション材3a、3bは、図2の断面に示すように、内部層8とその一表面に金属層9及び反対他面に離型性を有する表面層10からなる構造である。
特に、本発明における積層構成物1のクッション材3a、3bは、金属層9が加熱加圧手段7に接する側または加熱加圧手段7に近い側の面になるように積層されている。
また、内部層8は、弾性層としての機能を有し、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(Ethylence−Vinyl Acetate)を主体とする熱可塑性樹脂シートを採用することが望ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂よりも弾力性、柔軟性があり、熱を加えると溶融する熱可塑性の特長を備えていることから、再利用も可能となる。加えて、耐薬品性、着色性にも優れており、内部層8に有色のものを用いることにより、熱プレス工程において金属板等に付着した場合においても容易に発見し除去することができる。
また、金属層9は電解銅箔を用い、加熱加圧手段7に接する側の電解銅箔の面は光沢面(シャイニィ面)であることが望ましい。熱伝導性が比較的高い銅箔を用いることにより、加熱加圧手段7から供給された熱を基板材料4の前面へ効果的かつ均一に伝播することができる。
さらに加熱加圧手段7に接する面が光沢面であることにより、熱プレス工程終了後、容易に引き剥がすことができ、かつ加熱加圧手段7を汚染することもないため、作業性、生産性のうえでも効果的である。
また、金属層9の厚みは、10〜20μmの範囲であることが望ましい。
金属層9の強度的な下限は5μmではあるものの、クッション材としての強度をより保つためには、10μm以上の厚みが好ましく、20μm以上であるとクッション性を損なうとともに消耗材としてコスト高となり、好ましいものではない。
さらに、金属層9の電解銅箔は、その製造時に硫酸銅水溶液中の陰極ドラム外側面に、電解作用で銅が電着・成長する際に凹凸が出来、Rz(10点平均粗さ)が数μmの粗化面(マット面)となるのに対し、陰極ドラム面(シャイニィ面)は光沢を有するものである。
さらに、離型性を有する表面層10は、表層に離型性を有するシリコンゴムやブチルゴム等も採用可能であるが、より好ましくは、表層に離型層を有するメチルペンテンを主体とするメチルペンテンコポリマーフィルム(例えば、三井化学株式会社製の「TPX」/同社登録商標)であることが望ましい。
メチルペンテンコポリマーフィルムは、表層に離型性を有し、かつ熱プレスでの加熱昇温の際、被積層物が約60℃に達すると一挙に流動状態となり、被積層物の凹凸や表面のうねりに加圧注入されるように追従し、その後固化する性質がある。
この機能を備えた表面層10を用いることにより、被積層物の全面をより均一に加圧することができる。
なお、表面層10の厚みについても、強度の維持及びクッション性を損なうものであってはならないため、20〜50μmの範囲の厚みが望ましい。
次に、積層構成物1を構成する基板材料4の詳細を以下に説明する。
図3は、本実施の形態における基板材料4の断面を示す図である。
シート状層間接着材料11は、ガラス繊維織布にエポキシ樹脂ワニスを含浸し、乾燥工程によりBステージ化した約100μmの厚みのプリプレグである。 その両面に約18μm厚みの銅箔12を2枚配置した。シート状層間接着材料11にはレーザ加工により直径約200μmの貫通穴が形成され、銅粉と熱硬化性樹脂を主体とする銅ペースト13が充填されている。
また、基板材料4は、上記の構成に代えて図4に示すように、予め回路形成して作成された内層基板14をコア基板として用い、シート状層間接着材料および金属箔と積層された構成も採用可能である。
なお、本実施の形態においては、シート状層間接着材料11の補強材として、ガラス繊維織布を用いた事例を示したが、レーザ加工性のよいガラス繊維の不織布でもよく、また基板の耐熱性向上及び軽量化を図るためアラミド繊維の不織布あるいは織布を補強材として用いてもよい。
さらに、シート状層間接着材料は、無機物のフィラーと熱硬化性樹脂とを含み、かつ芯材としてのガラス織布等の補強材を含まないBステージのものを用いてよい。
具体的には、フィラーが高い含有率で充填された熱硬化性樹脂層が形成されたものであり、フィラーとしてのシリカやアルミナ等の無機物の粉体を55〜90wt%のエポキシ樹脂と混ぜたものであって、芯材としてのガラス織布等の基材は用いていないものである。
このため、シート状層間接着材料の縦横厚さ方向の熱膨張係数を、通常のガラスエポキシ積層板の熱膨張係数に比較して低くすることができ、層間の導通接続を安定させることができる。
上記したような構成の熱プレス工程を用いて、回路形成基板を製造した結果を以下に説明する。
熱プレス工程にて図3に示すような基板材料を処理した後に、表面の銅箔12を所望のパターンにエッチング法にてパターンニングして図5に示すような両面回路形成基板を得た。銅ペースト13による両面間の接続を得るために、200℃の温度と5MPaの圧力で1時間保持する熱プレス条件を採用した。
図5に断面図を示す両面回路形成基板において、図中に三組示している表面及び裏面の銅箔パターンを銅ペースト13にて接続したチェーンパターンの各回路ブロックの抵抗値として、矢印で示した電気抵抗測定ランド間の電気抵抗を測定して評価した。
なお、図5には4ヵ所の層間接続部が各ブロックに図示されているが、実際に作成した回路形成基板では500ヵ所の直列接続を1ブロックとし、1枚の回路形成基板には50ブロックの上記回路ブロックを配置した。
その結果、従来のクッション材を使用して製造した回路形成基板と比較し、チェーンパターンの電気抵抗の基板面内ばらつきが良化する結果を得た。
また、層間接続手段として導電性ペーストを用いて説明したが、導電性ペーストとしては銅粉等の導電性粒子を硬化剤を含む熱硬化性樹脂に混練したものの他に、導電性粒子と熱プレス時に基板材料中に排出されてしまうような適当な粘度の高分子材料、あるいは溶剤等を混練したもの等多種の組成が利用可能である。
本発明の回路形成基板の製造方法は、層間接続手段として導電性ペースト等の圧縮により電気的接続を発現する構成を用いた回路形成基板を製造する場合や回路形成基板の厚み精度を要求される場合、さらに表面に三次元実装を目的とした凹部等の立体構造を有する回路形成基板を製造する場合等においても、熱プレス工程中の加圧力、熱伝導の均一化により顕著な効果を発揮するものであり、本発明の産業上の利用可能性は大きいと言える。
1 積層構成物
2a、2b 金属板
3a、3b クッション材
4 基板材料
5 中間金属板
6 積載プレート
7 加熱加圧手段
8 内部層
9 金属層
10 表面層
11 シート状層間接着材料
12 銅箔
13 銅ペースト
14 内層基板
2a、2b 金属板
3a、3b クッション材
4 基板材料
5 中間金属板
6 積載プレート
7 加熱加圧手段
8 内部層
9 金属層
10 表面層
11 シート状層間接着材料
12 銅箔
13 銅ペースト
14 内層基板
Claims (9)
- 基板材料の上側と下側にクッション材と金属板とを積層して積層構成物を準備する工程と、前記積層構成物を上部と下部の加熱加圧手段の間で熱プレスする工程とを備え、
前記クッション材は内部層と前記内部層の一表面に金属層と他面に離型性を有する表面層からなり、
前記内部層の一表面は前記加熱加圧手段に接する側または前記加熱加圧手段に近い側の面であることを特徴とする回路形成基板の製造方法。 - 内部層は、熱可塑性樹脂シートを用いた弾性層であることを特徴とする請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
- 離型性を有する表面層は、表層に離型層を有するメチルペンテンを主体とするメチルペンテンコポリマーフィルムであることを特徴とする請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
- 金属層は電解銅箔であり、加熱加圧手段に接する側の電解銅箔の面は光沢面(シャイニィ面)であることを特徴とする請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
- 熱可塑性樹脂シートはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を主体とするものであることを特徴とする請求項2記載の回路形成基板の製造方法。
- 基板材料は、シート状層間接着材料と前記シート状層間接着材料の少なくとも片面に配する金属箔とからなることを特徴とする請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
- 基板材料は、予め作成された回路形成基板と、前記回路形成基板の少なくとも一方の面に配するシート状層間接着材料および金属箔とからなることを特徴とする請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
- 基板材料は、基板材料に形成された貫通穴に充填された導電性ペーストからなる層間接続手段を有することを特徴とする請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
- 積層構成物は、下から下金属板、下側のクッション材、基板材料、上側のクッション材、上金属板の順に積層されており、前記基板材料は、必要な基板材料数に応じて中間金属板を介して複数段積層されることを特徴とする請求項1記載の回路形成基板の製造方法。
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JP2010078354A JP2011211021A (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | 回路形成基板の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014128974A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 基板加圧用二重プレートおよび基板加圧方法 |
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2010
- 2010-03-30 JP JP2010078354A patent/JP2011211021A/ja active Pending
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