JP2011209485A - プラスチックラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂からなる表層を有するプラスチックフィルム基材とアクリル系樹脂からなる印刷層を有する、基材と印刷層との密着性の優れたプラスチックラベルを提供することにある。
【解決手段】本発明のプラスチックラベルは、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面上に、アクリル系樹脂(b)を含む印刷層を有するプラスチックラベルであって、前記プラスチックフィルムが、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂(a1)、並びに、アクリル系樹脂(a2)を含み、かつアクリル系樹脂(a2)の含有量が0.1〜10重量%であるフィルム層(A層)を有し、前記印刷層がA層表面上に設けられていることを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチックラベルに関する。より詳しくは、プラスチックフィルム基材とアクリル系樹脂からなる印刷層との密着性に優れたプラスチックラベルに関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトルなどのプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多く、例えば、装飾性、加工性(容器への追従性)、広い表示面積等のメリットから、印刷層が設けられたシュリンクラベル等が広く使用されている。
上記のプラスチックラベルとしては、要求特性や用途に応じて、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂などからなるプラスチックフィルムを基材とするものが用いられている。例えば、ラベルの強度向上、耐熱性向上などの観点から、ポリエステル系樹脂からなる表層(表面層)を有するシュリンクフィルムおよび該シュリンクフィルムからなるシュリンクラベルが知られている(特許文献1〜4参照)。また、ラベルの柔軟性向上、冷凍耐性向上、比重低下による環境対応などの観点から、ポリオレフィン系樹脂からなる表層を有するシュリンクフィルムおよび該シュリンクフィルムからなるシュリンクラベルが知られている。
しかしながら、上記のようなポリエステル系樹脂からなる表層を有するプラスチックフィルムやポリプロピレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂からなる表層を有するプラスチックフィルムは、特にアクリル系樹脂からなるインキに対する密着性に劣り、基材とアクリル系樹脂からなる印刷層との密着性の優れたプラスチックラベル(シュリンクラベルなど)を得ることが困難であった。従って、ポリエステル系樹脂やポリオレフィン系樹脂からなる表層を有するプラスチックフィルム基材とアクリル系樹脂からなる印刷層を有する、密着性の優れたプラスチックラベルラベルは得られていないのが現状である。
特開2007−125840号公報 特開2007−130970号公報 特開2008−284757号公報 特開2009−6530号公報
即ち、本発明の目的は、ポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂からなる表層を有するプラスチックフィルム基材とアクリル系樹脂からなる印刷層を有する、基材と印刷層との密着性の優れたプラスチックラベルを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂並びに特定量のアクリル系樹脂を含むフィルム層を有するプラスチックフィルムを基材とし、該基材の前記フィルム層表面上に、アクリル系樹脂からなる印刷層を設けることにより、ポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂からなる表層を有するプラスチックフィルム基材とアクリル系樹脂からなる印刷層を有し、なおかつ、基材と印刷層との密着性の優れたプラスチックラベルを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面上に、アクリル系樹脂(b)を含む印刷層を有するプラスチックラベルであって、前記プラスチックフィルムが、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂(a1)、並びに、アクリル系樹脂(a2)を含み、かつアクリル系樹脂(a2)の含有量が0.1〜10重量%であるフィルム層(A層)を有し、前記印刷層がA層表面上に設けられていることを特徴とするプラスチックラベルを提供する。
さらに、本発明は、アクリル系樹脂(a2)がエポキシ基を有するアクリル系樹脂である前記のプラスチックラベルを提供する。
さらに、本発明は、アクリル系樹脂(a2)のエポキシ変性率が120〜200g/eqである前記のプラスチックラベルを提供する。
本発明のプラスチックラベルは、ポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂に加えて、アクリル系樹脂を特定量含有するフィルム層を有するプラスチックフィルムを基材とすることで、アクリル系樹脂からなるインキを使用し印刷した場合でも、十分な基材と印刷層との密着性を保持でき、印刷層がプラスチックラベルの製造、加工工程や流通段階で剥離しにくくなり、該ラベルの生産性や品質が向上する。
本発明のプラスチックラベルは、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面上に、アクリル系樹脂を含む印刷層を有する。
本明細書においては、上記のプラスチックフィルムを「本発明のプラスチックフィルム」と称する場合があり、上記のアクリル系樹脂を含む印刷層を「本発明の印刷層」と称する場合がある。また、本発明の印刷層中に含まれるアクリル系樹脂を「アクリル系樹脂(b)」と称する場合がある。さらに、印刷層を形成するための樹脂組成物を「印刷インキ」と称する場合がある。
上記の本発明のプラスチックフィルムは、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、並びに、アクリル系樹脂を含むフィルム層であって、かつ該フィルム層中のアクリル系樹脂の含有量が0.1〜10重量%であるフィルム層を少なくとも有する。
本明細書においては、上記のフィルム層を「A層」と称する場合がある。また、A層中に含まれるポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた樹脂(少なくとも1種の樹脂)を「樹脂(a1)」と称する場合があり、A層中に含まれるアクリル系樹脂を「アクリル系樹脂(a2)」と称する場合がある。なお、上記A層中に、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた2種以上の樹脂が含まれる場合には、それら全ての樹脂が「樹脂(a1)」である。
また、本発明のプラスチックラベルにおいて、本発明の印刷層は本発明のプラスチックフィルムのA層の表面上(A層表面上)に設けられている。なお、本発明の印刷層はA層上に、他の層(易接着コーティング層等)を介さずに設けられている。
[本発明のプラスチックフィルム]
本発明のプラスチックフィルムは、本発明のプラスチックラベルの基材であり、印刷層の担体(支持体)となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性に主たる影響を及ぼす。本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルである場合には、本発明のプラスチックフィルムはシュリンクフィルムである。
本発明のプラスチックフィルムは、A層[樹脂(a1)及びアクリル系樹脂(a2)を含むフィルム層であって、かつ該フィルム層中のアクリル系樹脂(a2)の含有量が0.1〜10重量%であるフィルム層]を少なくとも1層有する。上記プラスチックフィルムは、A層を1層のみ有していてもよいし、2層以上のA層を有していてもよい。また、A層以外のフィルム層(「他のフィルム層」と称する場合がある)を有していてもよい。なお、上記プラスチックフィルムが2層以上のA層を有する場合、それぞれのA層は、同一組成の層であってもよいし、異なる組成の層(例えば、A1層とA2層)であってもよい。
(A層)
上記A層は、本発明のプラスチックフィルムにおける必須のフィルム層であり、樹脂(a1)及びアクリル系樹脂(a2)を含む。樹脂(a1)はA層を構成する主たる樹脂成分であり、アクリル系樹脂(a2)は本発明の印刷層との密着性を向上させるための添加樹脂成分である。上記A層は、樹脂(a1)、アクリル系樹脂(a2)以外の添加成分(「その他の添加成分」と称する場合がある)を含んでいてもよい。
上記樹脂(a1)は、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた樹脂(少なくとも1種の樹脂)であり、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又は、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合樹脂である。なお、上記ポリオレフィン系樹脂には、環状ポリオレフィン系樹脂(環状オレフィン系樹脂)が含まれる。中でも、表面光沢、機械強度、耐熱性の観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。
上記ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とで構成される種々のポリエステルが挙げられる。
上記ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのジオール成分は単独で又は二以上を組み合わせて使用できる。
上記ポリエステル系樹脂は、上記ジカルボン酸成分、ジオール成分以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールなどの構成単位を含んでいてもよい。
中でも、表面光沢、機械強度、耐熱性の観点から、上記ポリエステル系樹脂は、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。なお、上記芳香族ポリエステル系樹脂とは、全ジカルボン酸成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジカルボン酸、及び/又は、全ジオール成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジオールであるポリエステル系樹脂である。さらに、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と脂肪族ジオールを含むジオールとの縮合反応による重合体、共重合体、またはこれらの混合物である芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。特にシュリンクフィルムの場合には、該ポリエステル系樹脂が単一の繰り返し単位から構成されているのではなく、変性成分(共重合成分)を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が特に好ましい。例えば、ジカルボン酸成分又はジオール成分の少なくとも一方が2以上の成分から構成される、即ち、主成分の他に変性成分を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。
上記の芳香族ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)を用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「CHDM共重合PET」と称する場合がある);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET」と称する場合がある)が好ましい。さらに、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの中では、特に、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「NPG共重合PET」と称する場合がある)が、収縮特性(シュリンクフィルムの場合)、コストや生産性の観点で、特に好ましい。さらに、低温収縮性向上の観点で、ジエチレングリコールを共重合していてもよい。
上記の変性芳香族ポリエステル系樹脂において、共重合成分(変性成分)の共重合比率(全ジカルボン酸成分に対する共重合ジカルボン酸成分の比率(割合)、または、全ジオール成分に対する共重合ジオール成分の比率(割合))は、延伸適性、シュリンク適性の観点から、15モル%以上(例えば、15〜40モル%)が好ましい。中でも、例えば、CHDM共重合PETの場合、CHDMの割合は、全ジオール成分中(即ち、テレフタル酸100モル%に対して)、20〜40モル%(EGが60〜80モル%)が好ましく、さらに好ましくは25〜35モル%(EGが65〜75モル%)である。また、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの場合、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールの割合は、全ジオール成分中、15〜40モル%(EGが60〜85モル%)が好ましい。また、さらにEG成分の一部(好ましくは、全ジオール成分中、1〜10モル%)をジエチレングリコールに置き換えてもよい。
上記ポリエステル系樹脂は、延伸適性、シュリンク適性の観点から、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂(特に、非晶性の飽和ポリエステル系樹脂)であることが好ましい。芳香族ポリエステル系樹脂は、上述のように変性することによって、結晶化しにくくなるため、変性によって実質的に非晶性とすることができる。
上記ポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、15000〜90000が好ましく、より好ましくは30000〜80000である。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、延伸特性、シュリンクフィルムの場合は収縮特性の観点から、60〜100℃が好ましく、より好ましくは70〜85℃である。上記Tgは、ポリエステルの種類や変性に用いる共重合成分(変性成分)の種類や共重合比率により制御できる。ガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。他も同様である。
上記ポリエステル系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、Eastman Chemical(イーストマンケミカル)社製「EMBRACE(Embrace) 21214」、「Embrace LV」(以上、CHDM共重合PET)や、(株)ベルポリエステルプロダクツ製「ベルペット E02」(NPG共重合PETなど)等が市場で入手できる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体(例えば、ホモポリプロピレンなど);エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等の共重合体(オレフィン系エラストマーを含む);環状オレフィンとα−オレフィン(エチレン、プロピレン等)との共重合体又はそのグラフト変性物、環状オレフィンの開環重合体若しくはその水添物又はそれらのグラフト変性物等の非晶性環状オレフィン系重合体等が挙げられる。上記の中でも、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体(特に、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体)、環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体又はそのグラフト変性物が好ましい。さらに、ポリオレフィン系樹脂は、メタロセン触媒により重合して得られたポリオレフィン系樹脂(特に、メタロセン触媒により重合して得られた直鎖状ポリオレフィン系樹脂)が好ましく、特に好ましくはメタロセン触媒により重合して得られたポリプロピレン(メタロセン触媒系ポリプロピレン)、プロピレン−α−オレフィン共重合体(特に、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体)である。また、これらのポリオレフィン系樹脂は単独で又は二以上を混合して使用できる。
上記プロピレン−α−オレフィン共重合体の共重合成分として用いられるα−オレフィンとしては、エチレンや、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数4〜20程度のα−オレフィンが挙げられる。これらの共重合成分は単独で又は二以上を混合して使用できる。プロピレン−α−オレフィン共重合体の中でも好ましいものとしては、エチレンを共重合成分とするエチレン−プロピレンランダム共重合体である。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、市販品を用いてもよく、日本ポリプロ(株)製「ウィンテック WFX6」(メタロセン触媒系ポリプロピレン)、三菱化学(株)製「ゼラス ♯7000、♯5000」(プロピレン−α−オレフィン共重合体)、日本ポリエチレン(株)製「カーネル」などが市場で入手できる。
上記アクリル系樹脂(a2)は、アクリル系単量体を必須の単量体(モノマー)成分として構成されるアクリル系ポリマーである。上記アクリル系樹脂(a2)(アクリル系ポリマー)を構成する単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和化合物[エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル等]などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
また、上記のほか、必要に応じて、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類やジエン類などの重合性不飽和化合物を単量体成分として用いることもできる。
中でも、上記アクリル系樹脂(a2)は、エポキシ基を有するアクリル系樹脂(「エポキシ変性アクリル系樹脂」と称する場合もある)であることが好ましい。分子内にエポキシ基を有することにより、本発明のプラスチックフィルム(A層)と本発明の印刷層との密着性がより一層向上するため好ましい。上記のエポキシ変性アクリル系樹脂としては、特に限定されないが、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびエポキシ基含有重合性不飽和化合物を必須の単量体成分として構成されるアクリル系ポリマーが好ましい。
アクリル系樹脂(a2)がエポキシ変性アクリル系樹脂である場合、アクリル系樹脂(a2)のエポキシ変性率は100〜500(g/eq)が好ましく、より好ましくは120〜200(g/eq)である。上記エポキシ変性率が500g/eqを超えると、本発明のプラスチックフィルム(A層)と本発明の印刷層との密着性を向上させる効果が十分でない場合があり、一方、100g/eq未満では、延伸適性が低下し、シュリンクフィルムの場合は収縮率が低下する場合がある。上記の「エポキシ変性率」とは、1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂(エポキシ変性アクリル系樹脂)のグラム数である。
上記アクリル系樹脂(a2)の重量平均分子量(Mw)は、1000〜50000が好ましく、より好ましくは5000〜45000である。アクリル系樹脂(a2)がエポキシ変性アクリル系樹脂である場合、上記重量平均分子量(Mw)は、5000〜35000がさらに好ましく、最も好ましくは10000〜30000である。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、例えば、JIS K7252−3に準拠して、ポリスチレンを基準物質として決定する。
上記アクリル系樹脂(a2)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、延伸適性および耐熱性の観点から、30〜120℃が好ましく、より好ましくは45〜100℃である。
上記アクリル系樹脂(a2)は、市販品を用いることも可能である。例えば、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナール MB−7392(Tg:46℃)、BR−113(Tg:75℃)、BR−116(Tg:50℃)」などが挙げられる。上記の中でも、エポキシ変性アクリル系樹脂としては、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナール MB−7392」が挙げられる。
上記A層は、必要に応じて、その他の添加成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で含んでいてもよい。上記のその他の添加成分としては、例えば、その他の樹脂成分、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)等が挙げられる。
A層中の上記樹脂(a1)の含有量は、A層の重量(100重量%)に対して、80〜99.9重量%が好ましく、より好ましくは90〜99.5重量%、さらに好ましくは94〜99重量%である。樹脂(a1)はA層を構成する主たる樹脂成分であり、上記含有量が99.9重量%を超えると、アクリル系樹脂(a2)の含有量が低下して印刷層との密着性が低下する場合がある。
A層中の上記アクリル系樹脂(a2)の含有量は、A層の重量(100重量%)に対して、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜6重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。上記含有量が0.1重量%未満では、本発明のプラスチックフィルム(A層)と本発明の印刷層との密着性が低下する。一方、10重量%を超えると、樹脂(a1)とアクリル系樹脂(a2)の相溶性不良に起因して、A層が白濁し、シュリンクラベルの外観が悪くなる。
上記A層は、溶融押出により形成されたフィルム層であることが好ましい。また、シュリンクフィルムの場合には、延伸されて熱収縮性を有するフィルム層であることが好ましい。
(他のフィルム層)
本発明のプラスチックフィルムが他のフィルム層(A層以外のフィルム層)を有する場合、上記他のフィルム層は、プラスチックフィルムに用いられる公知慣用の樹脂より形成される。上記他のフィルム層を形成する樹脂の種類は、プラスチックラベルの要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明のプラスチックフィルムがシュリンクフィルムである場合、他のフィルム層を形成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂(特に、PET、CHDM共重合PET、NPG共重合PET等の2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETなど)、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのエチレン系共重合体、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリスチレン系樹脂(特に、SBS、SBISなど)が好ましい。
上記の他のフィルム層を形成する樹脂として挙げられたポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂は、前述の樹脂(a1)として例示されたポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
上記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体を必須の単量体として構成されるポリマー(単独重合体、共重合体)が挙げられる。上記スチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレンなどが挙げられる。中でも、強度、成型性などの物性の観点から、スチレンが好ましい。なお、これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいし、二以上を併用してもよい。
上記ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、上記スチレン系単量体及び共役ジエンを必須の単量体成分として構成される共重合体であるスチレン−共役ジエン共重合体及び/又はその水添物が好ましい。上記スチレン−共役ジエン共重合体の共重合の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体など、特に限定されないが、ブロック共重合体が好ましく、スチレンブロック(S)−共役ジエンブロック(D)型、S−D−S型、D−S−D型、S−D−S−D型等が挙げられる。また、当該共重合体の水添物であってもよい。
上記共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、クロロプレンなどが挙げられる。中でも、脆性改良、柔軟性付与の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。なお、これら共役ジエンは、単独で用いてもよいし、二以上を併用してもよい。
上記スチレン−共役ジエン共重合体は、スチレン系単量体、共役ジエン以外の単量体成分を含有していてもよい。このような単量体成分としては、例えば、ビニル系モノマー、重合性不飽和カルボン酸エステル共重合体などが挙げられる。
上記スチレン−共役ジエン共重合体またはその水添物としては、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体(SBIS)、スチレン−エチレン・ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体(SEPS)などが挙げられる。中でも、SBS、SBISが好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、旭化成(株)製「アサフレックス」、「タフテック」;電気化学工業(株)製「クリアレン」;クラレ(株)製「セプトン」などが挙げられる。
上記他のフィルム層は、シュリンクフィルムの場合には、収縮特性を向上させるため、粘着付与剤(特に石油樹脂)を含有してもよい。その場合、他のフィルム層(100重量%)中の、粘着付与剤(特に石油樹脂)の含有量は、5〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜30重量%である。
上記他のフィルム層は、必要に応じて、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)等の添加成分を0.01〜0.5重量%程度含有してもよい。
上記他のフィルム層は、透明のフィルム層であってもよいし、不透明のフィルム層であってもよい。不透明のフィルム層である場合には、印刷が映える観点で白色のフィルム層が好ましい。上記の不透明のフィルム層は、例えば、酸化チタン等の顔料を含有させたり、発泡剤により発泡させたり、延伸によりボイドを形成させることで得られる。
上記他のフィルム層は、溶融押出により形成されたフィルム層であることが好ましい。また、シュリンクフィルムの場合には、延伸されて熱収縮性を有するフィルム層であることが好ましい。
(本発明のプラスチックフィルム)
本発明のプラスチックフィルムは、前述の通り、A層を少なくとも1層有するプラスチックフィルムである。本発明のプラスチックフィルムは、A層のみからなる単層構成のプラスチックフィルム(単層フィルム)であってもよいし、A層を含む複数のフィルム層を積層した積層構成のプラスチックフィルム(積層フィルム)であってもよい。機能の多様性の観点からは、積層フィルムが好ましい。例えば、シュリンクフィルムの場合、積層フィルムであれば、他のフィルム層によって、良好な収縮特性を付与できる。
本発明のプラスチックフィルムにおいて、A層は少なくとも一方の表面をなすことが必要である。即ち、本発明のプラスチックフィルムの少なくとも一方の表面はA層の表面であることが必要である。従って、上記プラスチックフィルムが積層フィルムである場合、少なくとも一方の表層(表面層)がA層である。本発明のプラスチックフィルムの層構成(積層構成)としては、特に限定されないが、例えば、
A層のみからなる単層構成;
A層/他のフィルム層、A層/A層(例えば、A1層/A2層)などの2層積層構成;
A層(表層)/他のフィルム層(中心層)/A層(表層)、A層/他のフィルム層/他のフィルム層などの3層積層構成;
A層(表層)/他のフィルム層(中間層)/他のフィルム層(中心層)/他のフィルム層(中間層)/A層(表層)、A層/他のフィルム層/他のフィルム層/他のフィルム層/他のフィルム層などの5層積層構成などが挙げられる。
なお、上記プラスチックフィルムが積層フィルムである場合、A層同士及びA層と他のフィルム層は共押出法により積層されていることが好ましい。
本発明のプラスチックフィルムは、要求物性、用途などに応じて、無配向フィルム(未延伸フィルム)であってもよいし、1軸配向フィルム(1軸延伸フィルム)、2軸配向フィルム(2軸延伸フィルム)等の配向フィルム(延伸フィルム)であってもよい。特に、プラスチックフィルムがシュリンクフィルムである場合には、シュリンク特性(収縮特性)を発揮する観点から、配向フィルム(1軸配向、2軸配向または多軸配向)であることが好ましい。シュリンクフィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましく、さらに全てのフィルム層が配向していることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。中でも、シュリンクフィルムとしては、1軸または2軸配向フィルムが好ましく、中でも、フィルムの1軸方向(特に、フィルムの幅方向(筒状シュリンクラベルではラベル周方向となる方向))に強く配向しているフィルム(実質的に1軸延伸されたフィルム)が好ましい。
本発明のプラスチックフィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは20〜60μmである。
本発明のプラスチックフィルムがシュリンクフィルムの場合、本発明のプラスチックフィルム(シュリンクフィルム)の積層構成は、上記の中でも、A層(表層)/他のフィルム層(中心層)/A層(表層)、A層(表層)/他のフィルム層(中間層)/他のフィルム層(中心層)/他のフィルム層(中間層)/A層(表層)が好ましい。
上記の3層積層構成(表層/中心層/表層)や5層積層構成(表層/中間層/中心層/中間層/表層)のプラスチックフィルム(特にシュリンクフィルム)の場合、中心層である他のフィルム層を形成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂(特に、PET、CHDM共重合PET、NPG共重合PET等の2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETなど)、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのエチレン系共重合体、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリスチレン系樹脂(特に、SBS、SBISなど)が好ましい。即ち、中心層である他のフィルム層は、上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。中心層(100重量%)中の、上記の他のフィルム層を形成する樹脂の含有量は、特に限定されないが、30〜85重量%が好ましい。
また、他のフィルム層が、中間層(表層と中心層の間に位置するフィルム層)である場合、他のフィルム層を形成する樹脂としては、表層と中心層の種類によっても異なり、特に限定されないが、例えば、上記の中心層である他のフィルム層を形成する樹脂として例示した樹脂が好ましく、中でも、エチレン系共重合体(特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA))やスチレン系エラストマー(TPS)が好ましい。中間層(100重量%)中の、上記の他のフィルム層を形成する樹脂の含有量は、特に限定されないが、5〜80重量%が好ましい。
本発明のプラスチックフィルム(特にシュリンクフィルム)が積層フィルム(例えば、3層積層構成や5層積層構成)の場合、表層の厚みは、本発明のプラスチックフィルムの層構成などによっても異なり、特に限定されないが、1〜20μmが好ましく、より好ましくは3〜10μmである。また、中心層の厚みは、特に限定されないが、5〜60μmが好ましく、より好ましくは10〜40μmである。さらに、中間層の厚みは、特に限定されないが、1〜20μmが好ましく、より好ましくは3〜10μmである。なお、上記厚みは、それぞれ1層の厚みを表す。
本発明のプラスチックフィルムがシュリンクフィルムである場合、本発明のプラスチックフィルム(シュリンクフィルム)の、主配向方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、15〜90%が好ましく、より好ましくは20〜85%である。主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記「主配向方向」とは主に延伸処理が施された方向(最も熱収縮率が大きい方向)であり、一般的には長手方向又は幅方向であり、例えば、幅方向に実質的に1軸延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
本発明のプラスチックフィルムが透明フィルムの場合、プラスチックフィルムのヘイズ(ヘーズ)値(%)(JIS K 7105準拠)は、10%未満が好ましく、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満である。ヘイズ値が10%以上の場合には、プラスチックフィルムを通して印刷を見せる場合に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。
本発明のプラスチックフィルムは、溶融製膜法によって作製することが好ましい。また、上記プラスチックフィルムが積層フィルムである場合、A層同士及びA層と他のフィルム層の積層構造は共押出(多層押出)により形成されることが好ましい。即ち、本発明のプラスチックフィルムは、溶融押出(積層フィルムの場合には共押出)により未延伸フィルム(未延伸シート)を形成した後、必要に応じて、該未延伸フィルムを延伸することにより製造されることが好ましい。さらに、上記シュリンクフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理等の慣用の表面処理が施されてもよい。
上記プラスチックフィルムの各フィルム層(例えば、A層)を形成する原料として、混合原料を用いる場合、各成分(例えば、樹脂(a1)とアクリル系樹脂(a2))の混合方法は特に限定されず、例えば、ドライブレンドにより混合原料を得てもよいし、1軸又は2軸混練機を用いて各成分を溶融混練して混合原料を得てもよい。また、マスターペレット(例えば、樹脂(a1)に対して比較的高濃度のアクリル系樹脂(a2)を混合したもの)を用いてもよい。
上記溶融押出においては、所定の温度に設定した押出機に、フィルム層を形成する原料(樹脂又は樹脂組成物)を投入し、Tダイ、サーキュラーダイなどから溶融押出する。共押出を行う場合は、複数の押出機に、各フィルム層(A層、他のフィルム層など)を形成する原料をそれぞれ投入し、Tダイ、サーキュラーダイなどから共押出する。溶融押出の際には、必要に応じて、ギアポンプを用いて供給量を調節してもよく、さらにフィルターを用いて、異物を除去するとフィルム破れが低減できるため好ましい。また、共押出の場合には、マニホールドやフィードブロックを用いて、所定の積層構成とすることが好ましい。上記溶融押出における押出温度は、用いる原料の種類によっても異なり、特に限定されないが、例えば、A層を形成する原料の押出温度は180〜240℃が好ましい。上記で溶融押出したポリマーを、冷却ドラム(冷却ロール)などを用いて急冷することにより、未延伸フィルムを得ることができる。
上記延伸は、所望の配向に応じて選択でき、例えば、長手方向(縦方向;MD方向)および幅方向(横方向;TD方向)の2軸延伸でもよいし、長手、または、幅方向の1軸延伸でもよい。また、延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。上記延伸処理における延伸倍率は、プラスチックフィルムの用途及び要求特性等によって異なり、特に限定されない。例えば、実質的に1軸延伸されたシュリンクフィルムの延伸処理としては、主配向方向と直交する方向に延伸倍率1.01〜1.5倍(好ましくは1.05〜1.3倍)で延伸した後、主配向方向に延伸倍率3〜6倍(好ましくは4〜5.5倍)で延伸するなどが挙げられる。幅方向に実質的に1軸延伸されたシュリンクフィルムの場合、上記の主配向方向が幅方向、主配向方向と直交する方向が長手方向となる。
[本発明の印刷層]
本発明の印刷層は、本発明のプラスチックラベルにおける必須の印刷層であり、本発明のプラスチックフィルムのA層表面上に設けられる。本発明の印刷層は、アクリル系樹脂(b)を必須の成分として含有する。また、本発明の印刷層は、セルロース系樹脂を含有することが好ましい。さらに、本発明の印刷層は、顔料や、その他の添加剤を含有してもよい。なお、本発明の印刷層中にビヒクルとして含まれる全樹脂成分(全ポリマー成分)を総称して「ベース樹脂」と称する場合がある。
上記アクリル系樹脂(b)は、印刷層を形成する主たる樹脂成分である。上記アクリル系樹脂(b)は、アクリル系単量体を必須の単量体(モノマー)成分として構成されるアクリル系ポリマーであり、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷インキ用のアクリル系樹脂を用いることができる。上記アクリル系樹脂(b)(アクリル系ポリマー)を構成する単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等]などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
また、上記のほか、必要に応じて、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類やジエン類などの重合性不飽和化合物を単量体成分として用いることもできる。
上記アクリル系樹脂(b)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、5000〜15万が好ましく、より好ましくは15000〜10万である。上記重量平均分子量が5000未満では印刷層とプラスチックフィルムの密着性が低下する場合がある。一方、15万を超えると印刷インキ中でのアクリル系樹脂の溶解性が悪くなる、印刷インキが高粘度となりすぎて塗布性(塗工性)が低下する、グラビア印刷の際に糸引き現象が起こるなどの場合がある。
上記アクリル系樹脂(b)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、耐熱性の観点から、20〜110℃が好ましく、より好ましくは30〜100℃である。
上記アクリル系樹脂(b)は、市販品を用いることも可能である。例えば、東亞合成(株)製「ARUFONシリーズ」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールシリーズ」などが市場で入手可能である。
上記セルロース系樹脂としては、特に限定されないが、ニトロセルロース(硝化綿)や、セルロースアセテートブチレート(酢酸酪酸セルロース:CAB)、セルロースアセテート(酢酸セルロース)、セルロースアセテートプロピオネート(酢酸プロピオン酸セルロース:CAP)等のカルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂が挙げられる。上記カルボン酸としては、酢酸、酪酸、プロピオン酸、無水酢酸、無水酪酸などが挙げられる。上記セルロース系樹脂としては、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂が好ましく、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)が特に好ましい。
上記セルロース系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1万〜15万が好ましく、より好ましくは2万〜10万である。上記重量平均分子量が1万未満では印刷インキの粘度が上がらない場合がある。一方、15万を超えるとセルロース系樹脂の溶解性が悪くなる場合がある。また、グラビア印刷の際に糸引き現象が起きる場合があり好ましくない。
上記セルロース系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、耐熱性の観点から、90℃以上(例えば、90〜200℃)が好ましく、より好ましくは100〜190℃である。
上記セルロース系樹脂は、市販品を用いることも可能である。例えば、イーストマンケミカル社製「CAB−381−20、CAB−381−0.5、CAB−381−0.1、CAB−551−0.1、CAB−551−0.01、CAP−504−0.2、CAP−482−0.5など」、ベルジュラックNC社製「HIGシリーズ」、「LIGシリーズ」などが市場で入手可能である。
本発明の印刷層は、着色などの目的で、顔料を含有してもよい。上記顔料は、用途等に応じて、印刷インキに用いられる公知乃至慣用の有機、無機の着色顔料を用いることができる。上記顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白色顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍(青色)顔料、縮合アゾ系顔料などの赤色顔料、アゾレーキ系顔料等の黄色顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)等が挙げられる。また、顔料として、その他にも、光沢調整などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。上記顔料は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記酸化チタンは、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)のいずれを用いてもよい。上記酸化チタンは市販品を用いることもでき、例えば、テイカ(株)製、酸化チタン「JRシリーズ」等が挙げられる。上記の白色顔料である酸化チタンを用いることにより、例えば、本発明の印刷層を白色印刷層とすることができる。
上記顔料の平均粒径(凝集体を形成している場合には、凝集体の粒径、いわゆる2次粒径)は、顔料によって適する範囲は様々であり特に限定されないが、例えば、0.01〜1.5μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8μmである。中でも、白色顔料(特に酸化チタン)の場合、0.01〜1μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.2〜0.5μmである。平均粒径が0.01μm未満では、粒子の分散状態が悪かったり、加飾性が不足する場合があり、1.5μmを超えるとグラビア印刷の際にいわゆる「版かぶり」(版の画線部以外の部分のインキ掻き取り不良による印刷不良)を生じる場合がある。なお、上記平均粒径は粒度分布計により測定される。
本発明の印刷層は、必要に応じて、アクリル系樹脂(b)やセルロース系樹脂以外の樹脂、可塑剤、滑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤等の添加剤(その他の添加剤)を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有してもよい。上記滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン系ワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス類が挙げられる。
本発明の印刷層中の上記ベース樹脂の含有量は、特に限定されないが、本発明の印刷層の重量(100重量%)に対して、10〜95重量%が好ましく、より好ましくは15〜90重量%である。中でも、本発明の印刷層が顔料を含む場合には、10〜80重量%が好ましく、より好ましくは15〜70重量%である。上記含有量が10重量%未満では、印刷層とプラスチックフィルムの密着力が低くなる場合がある。
本発明の印刷層中の上記アクリル系樹脂(b)の含有量は、本発明の印刷層中のベース樹脂の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上(例えば、50〜98重量%)が好ましく、より好ましくは60〜95重量%である。また、本発明の印刷層中の上記アクリル系樹脂(b)の含有量は、本発明の印刷層の重量(100重量%)に対して、5〜95重量%が好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは15〜80重量%である。
本発明の印刷層中の上記セルロース系樹脂の含有量は、特に限定されないが、本発明の印刷層中のベース樹脂の総重量(100重量%)に対して、1〜50重量%が好ましく、より好ましくは2〜40重量%である。上記含有量が1重量%未満では、印刷層の耐熱性が低下しブロッキングが生じる場合があり、50重量%を超えると、印刷層とプラスチックフィルムの密着力が低下する場合がある。
上記顔料の含有量は、顔料の種類や目的の色の濃度等に応じて任意に設計できるが、本発明の印刷層の重量(100重量%)に対して、5〜90重量%が好ましく、より好ましくは10〜85重量%である。印刷層中に2種以上の顔料が含まれる場合には、全顔料の合計含有量が上記範囲を満たすことが好ましい。中でも、本発明の印刷層が白色印刷層である場合、酸化チタンの含有量は、隠蔽性と粗大突起形成抑制の観点から、本発明の印刷層の重量(100重量%)に対して、20〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜85重量%である。
本発明の印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。上記厚みが0.1μm未満では耐スクラッチ性に劣る場合があり、10μmを超えると印刷層とプラスチックフィルムの密着性に劣る場合がある。なお、本発明のプラスチックラベル中に複数の本発明の印刷層が含まれる場合には、それぞれの本発明の印刷層が上記範囲を満たすことが好ましい。
[本発明のプラスチックラベル]
本発明のプラスチックラベルは、前述のとおり、上記の本発明のプラスチックフィルム(基材)の少なくとも一方の表面上に、上記の本発明の印刷層を有する。なおかつ、本発明の印刷層は、本発明のプラスチックフィルムのA層表面上に設けられている。上記の本発明の印刷層は、必ずしもラベルの全面に設ける必要はなく、プラスチックフィルムの一部分にのみ設けることができる。上記の本発明の印刷層は、アンカーコート層などの他の層を介さずに、本発明のプラスチックフィルム表面(A層表面)上に直接設けられている。本発明の印刷層は、他の層を介さずにプラスチックフィルム表面(A層表面)上に直接設けても、十分な密着性を発揮できる。このため、生産性、コスト面で有利である。なお、本発明のプラスチックラベルは、本発明のプラスチックフィルムのA層表面上に本発明の印刷層が直接設けられている部分を少なくとも有しておればよく、一部に他の層を介して本発明の印刷層が設けられている部分があってもよい。
本発明の印刷層は、例えば、図やデザイン等の意匠印刷層(カラー印刷層等)、白などの単一色で形成された背景印刷層、耐磨耗性及び/又は滑り性を与える保護印刷層(透明メジウム保護印刷層や白色保護印刷層等)として用いられる。
さらに、本発明のプラスチックラベルには、本発明のプラスチックフィルムや本発明の印刷層の他にも、接着剤層、紫外線防止層、静電防止剤(帯電防止剤)層、アンカーコート層、プライマーコート層、本発明の印刷層以外の印刷層(「他の印刷層」と称する場合がある)、不織布、紙等の層を必要に応じて設けてもよい。
本発明のプラスチックラベルにおいて、本発明の印刷層は、ラベルの内側になるように設けられてもよいし、ラベルの外側になるように設けられてもよい。また、ラベルの内側と外側の両側に設けられてもよい。
本発明のプラスチックラベルの積層構成は、特に限定されないが、例えば、表側(ラベルの表側)から、本発明のプラスチックフィルム/本発明の印刷層、本発明の印刷層/本発明のプラスチックフィルム、本発明の印刷層/本発明のプラスチックフィルム/本発明の印刷層等が挙げられる。なお、本発明のプラスチックフィルムが不透明フィルムの場合には、表側に本発明の印刷層を有する積層構成(いわゆる表印刷)が好ましい。
なお、本明細書において、プラスチックラベルの「表側」とは、ラベルのデザインを見る側(デザインが正しく見える方の面側)を意味し、プラスチックラベルの「裏側」とは、前記の「表側」の反対側を意味する。また、プラスチックラベルの「外側」とは、プラスチックラベルを容器に装着する場合に、容器とは接しない側(容器とは反対側)を意味し、プラスチックラベルの「内側」とは、容器と接する側(容器側)を意味する。
本発明のプラスチックラベルの種類は、特に限定されず、例えば、ストレッチラベル、シュリンクラベル、ストレッチシュリンクラベル、インモールドラベル、タックラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付ラベル)、感熱接着ラベル等が挙げられる。中でも、シュリンクラベルが好ましい。上記シュリンクラベルは、筒状ラベル、巻き付けラベル等、特に限定されないが、筒状のシュリンクラベル(筒状シュリンクラベル)が好ましく、特に内側に本発明の印刷層を有する筒状シュリンクラベルが好ましい。
本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルである場合、本発明のプラスチックラベル(シュリンクラベル)の、主配向方向の、90℃、10秒における熱収縮率(熱収縮率(90℃、10秒))は、特に限定されないが、15%以上(例えば、15〜90%)が好ましく、より好ましくは20〜85%である。熱収縮率(90℃、10秒)が15%未満では、シュリンク加工の際に、ラベルを装着する容器等の形状に対する追従性が不十分であり、美麗な仕上がりが得られない場合がある。本発明のプラスチックラベル(シュリンクラベル)の、主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、上記「主配向方向」とは、主に延伸処理が施された方向(最も熱収縮率が大きい方向)であり、シュリンクラベルが筒状シュリンクラベルの場合には、一般に周方向である。
本発明のプラスチックラベルは、一般的に、ラベルの種類に応じた方法で容器に装着し、ラベル付き容器として用いられる。例えば、シュリンクラベルの場合には、一般的に、ラベルを、表側が容器と反対側にくるように配置させ熱収縮させることにより容器に装着し、ラベル付き容器を作製する。上記容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳容器、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、カップ麺容器などが含まれる。また容器の材質としても、PETなどのプラスチック製、ガラス製、金属製などが含まれる。なお、本発明のプラスチックラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。
本発明のプラスチックラベルにおいては、本発明の印刷層を形成する樹脂成分としてアクリル系樹脂を用いている。このため、印刷インキの汎用性が非常に高く、専用インキを使用する必要がなく、印刷インキを共通化でき、コスト面でも有利である。
一般的に、アクリル系樹脂からなるアクリル系印刷層は、ポリエステル系樹脂やポリオレフィン系樹脂からなるプラスチックフィルム基材に対する密着性が十分ではなく、印刷層が剥離しやすい傾向にある。
しかしながら、本発明のプラスチックラベルにおいては、基材である本発明のプラスチックフィルムに、アクリル系樹脂(a2)を特定量含有するA層を設け、該A層上に本発明の印刷層を設けている。このため、本発明の印刷層と本発明のプラスチックフィルムの密着性が向上する。よって、本発明のプラスチックラベルは、印刷層が剥離しにくく、印刷層の耐もみ性、耐スクラッチ性などの特性が向上する。また、他の層を介さずに印刷層を設けることができるため、生産性、コスト面でも有利である。
[本発明のプラスチックラベルの製造方法、加工方法]
本発明のプラスチックラベルの製造方法及び加工方法(筒状シュリンクラベルの加工方法)の例を下記に示す。
本発明の印刷層を形成するための樹脂組成物(印刷インキ)は、上記のアクリル系樹脂(b)と、溶剤と、必要に応じて、セルロース系樹脂、顔料、その他の添加剤とを混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどが用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。
本発明の印刷層中の、アクリル系樹脂(b)、セルロース系樹脂等の成分の含有量を制御するためには、上記印刷インキの不揮発分中のそれぞれの成分の含有量が、印刷層中の所望の含有量になるように印刷インキを調製すればよい。なお、一般的に、印刷インキの全不揮発分中の各成分(不揮発分)の含有量(重量%)は、プラスチックラベルの本発明の印刷層中の各成分の含有量(重量%)と等しくなる。
上記溶剤としては、グラビア印刷やフレキソ印刷等の印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができ、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類などが例示される。これらの中でも、溶解性、安全性の観点から、酢酸エステル類、アルコール類が好ましい。有機溶媒は単独で又は2種以上を混合して使用できる。上記有機溶剤は、印刷インキを本発明のプラスチックフィルム(基材)に塗布した後、乾燥により除去することができる。
上記印刷インキの粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。粘度が1000mPa・sを超える場合には、例えばグラビア印刷性が低下し、「かすれ」や「版かぶり」などが生じて、希望のデザイン通りに印刷できなくなる場合がある。また、粘度が10mPa・s未満の場合には、顔料や添加剤が沈降しやすくなる等、貯蔵安定性が低下したり、「およぎ」が発生して印刷ムラが生じ、希望のデザイン通りの印刷が出来なくなる場合がある。印刷インキの粘度は、アクリル系樹脂(b)やその他の各成分の種類や配合量(含有量)、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。特に、セルロース系樹脂を添加することで粘度を適切な範囲に制御しやすくなるため好ましい。なお、本明細書中、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
次いで、上記印刷インキを、本発明のプラスチックフィルム(基材)の表面上に、塗布、乾燥することにより本発明の印刷層を設け、本発明のプラスチックラベルを作製することができる。上記の塗布、乾燥工程は、本発明のプラスチックフィルムの製造工程中に行われてもよいし(インラインコート)、フィルム製膜後に行われてもよい(オフラインコート)が、生産性や加工性の観点から、オフラインコートが好ましい。また、必要に応じて、本発明の印刷層以外の層等を設けてもよい。
上記の印刷インキを塗布する方法としては、コストや生産性、印刷の装飾性などの観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、凸版輪転印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。また、塗布された印刷インキ層(塗布層)を加熱等により、乾燥する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーターなどを用いることができる。
本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルである場合、上記シュリンクラベルは筒状ラベルに加工してもよい。例えば、シュリンクラベル(本発明のプラスチックラベル)の主配向方向が周方向となるように円筒状に成形する。具体的には、主配向方向に所定幅を有するシュリンクラベルを、シュリンクラベルの外面(外側)が表側となるように主配向方向の両端を重ね合わせて筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下、「接着剤等」と称する場合がある)を内面に塗布し、該接着剤等塗布部を、他方の側縁部の外面に接着し、筒状のシュリンクラベルを得る。なお、上記の接着剤等を塗工する部分及び接着する部分には、印刷層が設けられていないことが好ましい。
なお、筒状シュリンクラベルにラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を周方向と直交する方向に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、筒状加工工程の前後など、適宜選択ことができる。
筒状シュリンクラベルは容器に装着してラベル付き容器とすることができる。例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって、ラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。上記加熱処理としては、例えば、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)ことなどが例示される。なお、上記において、シュリンクラベルは、印刷層が内側となるように容器に装着されていることが好ましい。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、表1には、実施例、比較例で用いたプラスチックフィルムの原料組成(配合量:重量%)及び得られたプラスチックラベルの評価結果等を示した。
印刷インキの製造例1(印刷インキ(I))
アクリル系樹脂(b)として、アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−113」、不揮発分:100重量%)12重量部を用いた。
セルロース系樹脂として、CAB樹脂(イーストマンケミカル社製、商品名「CAB−381−0.5」、不揮発分:100重量%)0.5重量部を用いた。
上記のアクリル系樹脂(b)及びセルロース系樹脂に、酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−707」、不揮発分:100重量%)40重量部、ポリエチレンワックス(南ア・サゾール社製、商品名「パラフリント SPRAY105」)3重量部、酢酸エチル26.0重量部、イソプロピルアルコール(IPA)18.5重量部を加えて、印刷インキ(I)(100重量部)を作製した。
上記印刷インキの不揮発分(100重量%)中のベース樹脂(アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂)の含有量(不揮発分の含有量)は22.5重量%である。また、ベース樹脂(不揮発分)の総重量(100重量%)に対するアクリル系樹脂の含有量(不揮発分の含有量)は96重量%である。
印刷インキの製造例2(印刷インキ(II))
配合組成を以下のように変更した以外は、印刷インキの製造例1と同様にして、印刷インキ(II)(100重量部)を作製した。
[印刷インキ(II)の配合組成]
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−116」、不揮発分:100重量%):12重量部
セルロース系樹脂(CAB樹脂)(イーストマンケミカル社製、商品名「CAB−381−0.5」):0.5重量部
酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−707」):40重量部
ポリエチレンワックス(南ア・サゾール社製、商品名「パラフリント SPRAY105」):3重量部
酢酸エチル:26.0重量部
IPA:18.5重量部
上記印刷インキの不揮発分(100重量%)中のベース樹脂の含有量(不揮発分の含有量)は22.5重量%である。また、ベース樹脂(不揮発分)の総重量(100重量%)に対するアクリル系樹脂の含有量(不揮発分の含有量)は96重量%である。
印刷インキの製造例3(印刷インキ(III))
配合組成を以下のように変更した以外は、印刷インキの製造例1と同様にして、印刷インキ(III)(100重量部)を作製した。
[印刷インキ(III)の配合組成]
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−113」):5重量部
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナール BR−116」):5重量部
セルロース系樹脂(CAB樹脂)(イーストマンケミカル社製、商品名「CAB−381−0.5」):1重量部
酸化チタン(テイカ(株)製、商品名「JR−707」):50重量部
ポリエチレンワックス(南ア・サゾール社製、商品名「パラフリント SPRAY105」):3重量部
酢酸エチル:18.5重量部
IPA:17.5重量部
上記印刷インキの不揮発分(100重量%)中のベース樹脂の含有量(不揮発分の含有量)は17.2重量%である。また、ベース樹脂(不揮発分)の総重量(100重量%)に対するアクリル系樹脂の含有量(不揮発分の含有量)は91重量%である。
実施例1
(プラスチックフィルム)
非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂(イーストマンケミカル社製、「Embrace 21214」)95重量部、および、エポキシ変性アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、「ダイヤナール MB−7392」、不揮発分:100重量%、重量平均分子量(Mw):20000、エポキシ変性率:142g/eq)5重量部を、ドライブレンドして混合原料を得た。
上記混合原料を単軸の押出機に投入し、樹脂温度240℃でTダイにより押出した。次いで、25℃に温調された冷却ロールで冷却固化し、単層構成の未延伸シート(未延伸フィルム)を得た。
上記未延伸シートを、90℃に温調された延伸ロールを用い、長手(縦)方向に1.2倍延伸し、次いで、横延伸機(テンター)に導き、80℃で幅(横)方向に4.5倍延伸し、空冷工程の後ロールに巻き取り、厚みが45μmの単層構成のプラスチックフィルム(実質的に幅方向に1軸延伸されたシュリンクフィルム)を得た。
(プラスチックラベル)
上記の印刷インキ(I)を、上記のプラスチックフィルム(シュリンクフィルム)の片面に、彫刻70線/インチのグラビア版を用いて、工程速度100m/分の条件で全面グラビア印刷を施し、熱風乾燥機を用いて50℃の条件で乾燥して、印刷インキ(I)から形成された印刷層を有するプラスチックラベル(シュリンクラベル)を得た。なお、乾燥後の印刷層の厚みは2μmであった。
また、印刷インキを印刷インキ(II)に変更した以外は、上記と同様にして、印刷インキ(II)から形成された印刷層を有するプラスチックラベル(シュリンクラベル)を得た。
さらに、印刷インキを印刷インキ(III)に変更した以外は、上記と同様にして、印刷インキ(III)から形成された印刷層を有するプラスチックラベル(シュリンクラベル)を得た。
従って、実施例1においては、それぞれ印刷インキ(I)、(II)、(III)から形成された印刷層を有する3種類のプラスチックラベルを得た。
実施例2
表1に示すように、プラスチックフィルムの混合原料における、非晶性PET系樹脂とエポキシ変性アクリル系樹脂の含有量を変更した以外は、実施例1と同様にして、プラスチックフィルムを得た。
さらに、上記で得たプラスチックフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、それぞれ印刷インキ(I)、(II)、(III)から形成された印刷層を有する3種類のプラスチックラベルを得た。
実施例3、4
表1に示すように、プラスチックフィルムの混合原料における、エポキシ変性アクリル系樹脂を、エポキシ基を有しないアクリル系樹脂に変更した以外は、実施例2と同様にして、プラスチックフィルムを得た。
さらに、上記で得たプラスチックフィルム及び印刷インキ(I)のみを用い、実施例1と同様にして、印刷インキ(I)から形成された印刷層を有するプラスチックラベルを得た。
比較例1
表1に示すように、プラスチックフィルムの原料として、エポキシ変性アクリル系樹脂を添加せず、非晶性PET系樹脂のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、プラスチックフィルムを得た。
さらに、上記で得たプラスチックフィルム及び印刷インキ(I)、印刷インキ(II)を用い、実施例1と同様にして、それぞれ印刷インキ(I)、(II)から形成された印刷層を有する2種類のプラスチックラベルを得た。
(評価)
実施例および比較例で得られたプラスチックラベルの、印刷層の密着性について、以下の方法で評価、試験を行った。
(1)印刷層の密着性(テープ剥離試験)
製造後24時間経過後のプラスチックラベルについて試験を行った。
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600−5−6に準じて、試験を行った。実施例及び比較例で得られたプラスチックラベルの印刷層の表面に、幅18mmの粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り付け、この粘着テープを90度方向に引き剥がした。
粘着テープを貼り付けた印刷層表面のうち、5mm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×5mm(幅方向;主配向方向)の領域において、印刷層の剥離面積(割合)を目視で観察し、印刷層の密着性を下記の基準で判断した。
印刷層の剥離がない(印刷層の剥離面積が0%である) : 密着性良好(○)
印刷層の剥離面積が0%より大きく30%未満である : 使用可能なレベル(△)
印刷層の剥離面積が30%以上である : 密着性不良(×)
なお、印刷インキ(I)から形成された印刷層を有するプラスチックフィルムの評価結果を表1の「I」の欄に、印刷インキ(II)から形成された印刷層を有するプラスチックフィルムの評価結果を表1の「II」の欄に、印刷インキ(III)から形成された印刷層を有するプラスチックフィルムの評価結果を表1の「III」の欄に、それぞれ記載した。
Figure 2011209485
表1からもわかるとおり、本発明のプラスチックラベル(実施例)は、印刷層とプラスチックフィルム(基材)との密着性が良好又は使用可能であった。一方、プラスチックフィルム中にアクリル系樹脂を含まない場合(比較例1)は、印刷層とプラスチックフィルム(基材)との密着性が不良であった。
また、実施例及び比較例で得られた印刷インキ(I)から形成された印刷層を有するプラスチックラベルについては、製造直後のプラスチックラベルについても、上記テープ剥離試験を行った。
その結果、プラスチックフィルム中にエポキシ変性アクリル系樹脂を含む、実施例1のプラスチックラベルは密着性良好(○)、実施例2のプラスチックラベルは使用可能なレベル(△)であった。一方、実施例3、4及び比較例1のプラスチックラベルは密着性不良(×)であった。このように、エポキシ変性アクリル系樹脂を用いた場合には、エージングレス又は短時間のエージングで使用できるプラスチックラベルが得られる。

Claims (3)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面上に、アクリル系樹脂(b)を含む印刷層を有するプラスチックラベルであって、
    前記プラスチックフィルムが、ポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂(a1)、並びに、アクリル系樹脂(a2)を含み、かつアクリル系樹脂(a2)の含有量が0.1〜10重量%であるフィルム層(A層)を有し、
    前記印刷層がA層表面上に設けられていることを特徴とするプラスチックラベル。
  2. アクリル系樹脂(a2)がエポキシ基を有するアクリル系樹脂である請求項1に記載のプラスチックラベル。
  3. アクリル系樹脂(a2)のエポキシ変性率が120〜200g/eqである請求項2に記載のプラスチックラベル。
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