JP2011208074A - 光硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光硬化性を有し、かつ耐熱透明性に優れた硬化物を与える硬化性組成物を提供する。
【解決手段】必須成分として(A)アルケニル基および光重合性官能基を同一分子内に有する化合物、(B)SiH基を有する化合物、(C)光重合開始剤(D)ヒドロシリル化触媒を含有する硬化性組成物であり、成分(A)の光重合性官能基と成分(C)よる光重合反応と成分(A)のアルケニル基と成分(B)、成分(D)によるヒドロシリル化反応の2種の反応が進行することにより、光硬化性を有しながら汎用の光硬化性樹脂より優れた絶縁性を発現する。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学的透明性、絶縁性に優れた硬化物を与える光硬化性組成物に関するものである。
現在アクリル樹脂やエポキシ樹脂など様々な分野で広く光硬化性樹脂として使用されている。光硬化性樹脂は、光エネルギーにより瞬間的に架橋反応が進行し、短時間でかつ低温で硬化させることができるため、省プロセス化でき、また熱に弱い周辺部剤へのダメージが少ないため電子部材用として多く適用されている。ただしこれら汎用の光硬化性樹脂に関し、アクリル基やエポキシ基の光重合によるものであるが反応速度は速いものの、完全に架橋が完結しにくいことから得られた硬化物において、例えば電気素子、半導体などの絶縁膜など極めて高い材料信頼性が必要となる用途には、リーク電流が多いなど有効に機能せず、特性を満足する材料は見つかっていない(特許文献1、2、3)。
特開2006−152326 特開平9−157316 特開2010−6949
上記事情から本発明の目的は、光硬化性を有し好ましくはリソグラフィー可能であり、かつ絶縁性に優れた硬化物を与える硬化性組成物及び硬化物を提供することである。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、下記特長を有する樹脂組成物を用いることにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
1). 必須成分として(A)アルケニル基および光重合性官能基を同一分子内に有する化合物、(B)SiH基を有する化合物、(C)光重合開始剤 (D)ヒドロシリル化触媒を含有する硬化性組成物。
2). 成分(A)が有する光重合性官能基が、エポキシ基、架橋性ケイ素基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする1)に記載の硬化性組成物。
3). 成分(A)が有する光重合性官能基が、エポキシ基であることを特徴とする2)に記載の硬化性組成物。
4). 成分(A)が有する光重合性官能基が、アルコキシリル基であることを特徴とする2)に記載の硬化性組成物。
5). 成分(A)がポリシロキサン系化合物である1)〜4)のいずれかに記載の硬化性組成物。
6). 成分(A)または成分(B)が、下記一般式(I)
Figure 2011208074
(式中R1は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい)で表される構造を含有する化合物であることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載の硬化性組成物。
7). 成分(A)または成分(B)が、下記式(X1)〜(X3)で表される各構造と、フェノール性水酸基と、カルボキシル基とからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載の硬化性組成物。
Figure 2011208074
8). 1)〜7)のいずれかに記載の硬化性組成物により得られる薄膜を半導体層のパッシベーション膜として用いたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
9). 1)〜7)のいずれかに記載の硬化性組成物により得られる薄膜を半導体層のゲート絶縁膜として用いたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
本発明により、光硬化性を有し好ましくはリソグラフィー可能であり、かつ絶縁性に優れた硬化物を与える硬化性組成物及び硬化物を与え得る。
発明の詳細を説明する。
本発明の硬化性組成物は、光硬化性を有し好ましくはフォトリソグラフィー可能であり、かつ絶縁性に優れた硬化物、薄膜を与え得る。
本発明では、成分(A)の光重合性官能基と成分(C)よる光重合反応と成分(A)のアルケニル基と成分(B)、成分(D)によるヒドロシリル化反応の2種の反応が進行することにより、光硬化性を有しながら汎用の光硬化性樹脂より優れた絶縁性を発現することを特徴する。また材料が光硬化性を有することで、加熱硬化のみの材料と比較して材料塗布後の形状を光照射により短時間で固定できたりや光パターニングを可能とするメリットが生まれる。以下に、発明の詳細を述べる。
(成分A)
成分(A)としては、アルケニル基および光重合性官能基を同一分子内に有する化合物であれば特に限定されない。
ここで言うアルケニル基とは、SiH基とのヒドロシリル化反応が進行するものであれば特に限定されるものではない。ヒドロシリル化反応が進行しやすいという観点よりアリル基、ビニル基が好ましく、耐熱性に優れる観点よりビニル基が好ましい。
また成分(A)での光重合性官能基とは、光エネルギーが外部より加わった際に光重合開始剤より発生するラジカルもしくはカチオン種によって重合、架橋する官能基であればよく、特に反応・架橋形式は限定されるものではない。
中でも、特に反応性・化合物の安定性の観点より、光重合性官能基の少なくとも1個は、エポキシ基、架橋性ケイ素基、(メタ)アクリロイル基、オキセタニル基、ビニロキシ基が好ましい。
エポキシ基の中でも安定性の観点より、脂環式エポキシ基やグリシジル基が好ましく、特に光および熱によるカチオン重合性に優れる点では、脂環式エポキシ基が好ましい。
また、架橋性ケイ素基としては、アルコキシシリル基、アセトキシシリル基、フェノキシシリル基、シラノール基、クロロシリル基等の加水分解性を有するケイ素基が挙げることができ、特に入手性、化合物の安定性の点から、特にアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基としては、ケイ素に結合する官能基が、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基のものが挙げられ、硬化後の残留成分が残りにくいという観点から、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。変性ポリオルガノシロキサン化合物は、光重合性官能基を少なくとも2個有することが好ましく、各光重合性官能基は同一であってもよく、2種以上の異なる官能基を有しても良い。
具体的な化合物の例としては、光重合性官能基としてエポキシ基を有する化合物では、ビニルシクロヘキセンオキシド、アリルグリシジルエーテル、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等が挙げられ、光重合反応性に優れている観点より、脂環式エポキシ基を有する化合物であるビニルシクロヘキセンオキシドが特に好ましい。
またオキセタニル基を有する化合物では、アリルオキセタニルエーテル、ビニルオキセタニルエーテルなどが挙げられる。オキセタニル基を有する化合物を用いる場合、硬化物の靭性が向上するという観点より好ましい。
光重合性官能基として架橋性ケイ素基を有する化合物では、入手性容易性及び耐熱性の観点からは、下記一般式(II)
Figure 2011208074
(式中R6、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは1〜3、mは0〜10の数を表す)で表される架橋性ケイ素基を有する化合物であることが好ましく、反応後の副生成物が除去されやすい等という観点より、特にトリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシランが好ましい。
また成分(A)として、得られる硬化物が耐熱性に優れるという観点より、ポリシロキサン系化合物であることが好ましい。
ポリシロキサン系化合物とは構造中にシロキサンの繰り返し単位を含む化合物のことであり、また、これら化合物中のシロキサン単位のうち、構成成分中T単位(X3SiO3/2)、またはQ単位(SiO4/2)の含有率が高いものほど得られる硬化物は硬度が高くより耐熱信頼性に優れ、またM単位(X3SiO1/2)、またはD単位(X2SiO2/2)の含有率が高いものほど硬化物はより柔軟で低応力なものが得られる。
本発明の硬化性組成物に使用されるポリシロキサン系化合物は、加水分解による縮合反応や付加反応および開環重合など様々な手法によって得られるものであり、特に限定される方法は無い。この中でもアルケニル基および光重合性官能基を位置選択的に導入が可能でかつ化学的に安定な結合であるSi−C結合にて導入できるヒドロシリル化を用いて得る方法がより好ましい。
本発明の硬化性組成物に使用される変性ポリオルガノシロキサン化合物として好適なものとして下記のものが挙げられる。
下記化合物(α)、(β)、(γ)のヒドロシリル化反応生成物:
(α)アルケニル基を有する化合物
(β)SiH基を2個以上有する化合物
(γ)アルケニル基および光重合性官能基をそれぞれ1個以上有する化合物。
(化合物(α))
化合物(α)について説明する。
化合物(α)としては、アルケニル基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、ポリシロキサン化合物、有機化合物にかかわらず特に限定なく使用することができる。
特に硬化物の透明性および硬化性の観点より、アルケニル基を有するポリシロキサンが好ましく適用できる。またその中でも化合物入手性の観点より、ケイ素基に結合したビニル基(Si−CH=CH2基)を有するポリシロキサン化合物であることが好ましい。具体例としては、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、側鎖にビニル基を有するポリもしくはオリゴシロキサン、テトラメチルジビニルジシロキサン、ヘキサメチルトリビニルトリシロキサン、SiH基を含有する環状シロキサンの例示でSiH基の水素原子をビニル基、アリル基等のアルケニル基に置換したものなどが例示され、具体的に1,3,5,7−ビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等の化合物が挙げられる。
アルケニル基含有有機化合物の例としては、シロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、Sおよびハロゲンからなる群から選ばれる原子より構成される化合物であって、1分子中にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する有機化合物であれば特に限定されない。またSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
上記有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類でき、有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
化合物の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジアリルエーテル、ノナンジオールジアリルエーテル、1,4−シクロへキサンジメタノールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールSのジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ビス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3−ビス(ビニルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(アリルオキシ)アダマンタン、1,3,5−トリス(ビニルオキシ)アダマンタン、ジシクロペンタジエン、ビニルシクロへキセン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、2,5−ジアリルフェノールアリルエーテル、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
その他、従来公知のエポキシ樹脂のグリシジル基の全部をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
また化合物としては、骨格部分とアルケニル基(SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合)とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
特に、透明性および耐熱性、耐光性、絶縁性が高いという観点から下記一般式(I)で表されるトリアリルイソシアヌレート及びその誘導体が特に好ましい。
Figure 2011208074
(式中R1は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(I)のR1としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR1の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
これら化合物の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノベンジルイソシアヌレート、ジアリルモノプロピルイソシアヌレートが挙げられ、特に入手性の観点よりトリアリルイソシアヌレートが挙げられる。
(化合物(β))
化合物(β)について説明する。
化合物(β)については1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物であれば特に限定されず使用できる。
硬化物に柔軟性が付与されるという観点より、
Figure 2011208074
(式中、R13、R14は炭素数1〜6の有機基を表し同一であっても異なっても良く、lは、0〜50、nは2〜50、mは0〜10の数を表す。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。またR13、R14は入手性、耐熱性の観点より特にメチル基であるものが好ましく、硬化物の強度が高くなるという観点より、特にフェニル基であるものが好ましい。
硬化物の耐熱性が高いという観点より、
Figure 2011208074
Figure 2011208074
(式中R1〜R8はエポキシ基、メルカプト基、アミノ基から選ばれる基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子あるいはシアノ基で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基から選択される同一又は異種の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換の1価の炭化水素基である。ただし、R1〜R8のうちの少なくとも2つは、本組成物の架橋反応であるSiH基を含む有機基である)、
Figure 2011208074
(式中、R9〜R32は、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基から選ばれる基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子あるいはシアノ基で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基から選択される同一又は異種の有機基である。ただし、これらR9〜R32のうち、少なくとも2つはSiH基を含む有機基である)、
Figure 2011208074
(式中、Rは、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基から選ばれる基を含有する有機基、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子あるいはシアノ基で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基から選択される同一又は異種の有機基である。ただし、これらRのうち、少なくとも2つはSiH基を含む有機基である)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有し、分子中にTまたはQ構造を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。
これらのうち、入手性および化合物(α)との反応性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(III)
Figure 2011208074
(式中R2、R3は炭素数1〜6の有機基を表し同一であっても異なっても良く、nは2〜10、mは0〜10の数を表す)
で表される、1分子中に少なくとも2個以上好ましくは3個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
一般式(III)で表される化合物中の置換基R2、R3は、C、H、Oからなる群から選択して構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
一般式(III)で表される化合物としては、入手容易性及び反応性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
上記した各種化合物(β)は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(化合物(γ))
化合物(γ)について説明する。
化合物(γ)としては、アルケニル基および光重合性官能基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、ポリシロキサン化合物、有機化合物にかかわらず特に限定なく使用することができる。なお、ここでいう光重合性官能基は、前述の光重合性官能基と同一で好ましい態様も同様に好ましい。
特に光重合性官能基として、反応性・化合物の安定性の観点より、光重合性官能基の少なくとも1個は、エポキシ基、架橋性ケイ素基、(メタ)アクリロイル基、オキセタニル基、ビニロキシ基が好ましい。
光重合性官能基としてエポキシ基を有する化合物(γ)の具体例としては、ビニルシクロヘキセンオキシド、アリルグリシジルエーテル、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等が挙げられ、光重合反応性に優れている観点より、脂環式エポキシ基を有する化合物であるビニルシクロヘキセンオキシドが特に好ましい。
またオキセタニル基を有する化合物(γ)の具体例としては、アリルオキセタニルエーテル、ビニルオキセタニルエーテルなどが挙げられる。オキセタニル基を有する化合物を用いる場合、硬化物の靭性が向上するという観点より好ましい。
光重合性官能基として架橋性ケイ素基を有する化合物(γ)の具体例としては、入手性容易性及び耐熱性の観点からは、下記一般式(II)
Figure 2011208074
(式中R6、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは1〜3、mは0〜10の数を表す)で表される架橋性ケイ素基を有する化合物であることが好ましく、反応後の副生成物が除去されやすい等という観点より、特にトリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシランが好ましい。
光重合性官能基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物(γ)としては、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、商品名:デナコールアクリレートDA111)が挙げられる。
さらにヒドロシリル化の選択性が高いという観点より、メタクリロイル基が同一分子内にアリルまたはビニル基と共存する化合物であることが好ましく、特に入手性の面よりメタクリル酸アリル、メタクリル酸ビニルなどが好ましい。
またヒドロシリル化反応の際、光重合性官能基の種類を問わず、2種以上の化合物(γ)を併用することもできる。
(ヒドロシリル化触媒)
化合物(α)と(β)とをヒドロシリル化反応させる場合の触媒としては、公知のヒドロシリル化触媒を用いればよい。
触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、スムーズにヒドロシリル化反応を進行させるため、好ましい添加量の下限は、反応時に仕込んでいるSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合(以下、単に「アルケニル基」と称することがある。)1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は上記化合物のアルケニル基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
(ヒドロシリル化の反応方法)
各化合物の反応させる割合は特に限定されないが、反応させる化合物(α)の総アルケニル基量をA、反応させる化合物(β)の総SiH基量をBとした場合、1.5≦A/B≦20であることが好ましく、更に1.5≦A/B≦10であることが好ましい。この値が小さい場合は、ゲル化する可能性があり、また大きい場合には、未反応のアルケニル化合物が多く含まれるため、組成物の着色、白濁の原因となり好ましくない。
反応温度としては種々設定できるが、この場合、好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。ヒドロシリル化反応の際に酸素を使用できる。反応容器の気相部に酸素を添加することで、ヒドロシリル化反応を促進できる。酸素の添加量を爆発限界下限以下とする点から、気相部の酸素体積濃度は3%以下に管理する必要がある。酸素添加によるヒドロシリル化反応の促進効果が見られるという点からは、気相部の酸素体積濃度は0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
本発明のポリシロキサン系化合物の上記製造方法では、目的によって種々の添加剤を使用できる。
(成分(B))
本発明の成分(B)について説明する。
成分(B)としては、SiH基を有する化合物であれば特に限定されない。前述の化合物(β)と同一であって、好ましい態様も同様に好ましい。
また成分(A)との相溶性に優れるという観点より、前述の化合物(α)と化合物(β)とのヒドロシリル化反応物が好ましい。ヒドロシリル化反応により成分(B)を得るためには、反応させる化合物の総アルケニル基量をA、反応させる化合物の総SiH基量をBとした場合、1.5≦B/A≦20であることが好ましく、更に1.5≦B/A≦10であることが好ましい。この値が小さい場合は、ゲル化する可能性があり、また大きい場合には、未反応のSiH化合物が多く含まれるため、分離、白濁の原因となり好ましくない。
(アルカリ現像性基について)
本発明の成分(A)、成分(B)において、分子中に下記式(X1)〜(X3)で表される各構造と、フェノール性水酸基と、カルボキシル基とからなる群のいずれかの構造を有しているものを用いることで、アルカリ水溶液への溶解が可能となり、アルカリ現像可能なフォトレジスト機能を付与することができるため好ましい。
下記特定構造を有するポリシロキサン系化合物を簡便に得られる方法として、下記化合物(α2)を上述化合物(α)の代わりに用いることにより得ることができる。
(α2)アルケニル基を有し、かつ、下記式(X1)〜(X3)で表される各構造と、
Figure 2011208074
フェノール性水酸基と、カルボキシル基とからなる群から選ばれる少なくとも一種を同一分子内に有する化合物
得られる硬化物が高温時における着色が少ないと言う観点より、これら有機構造の中において、カルボキシル基および上記式(X1)〜(X3)から選ばれる構造が好ましい。
化合物(α2)としては、特に限定されるわけではないが、高温時の着色が少ない観点から、イソシアヌル環を有する下記一般式(IV)
Figure 2011208074
(式中R2は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR2は異なっていても同一であってもよく、少なくとも1個のR2はSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含む)で表される化合物の少なくとも1種を使用するが好ましい。
上記有機基としては、炭化水素基(一部酸素で置換されていてもよい)、エポキシ基などが挙げられ、入手性の観点よりフェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基、グリシジル基が好ましく、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する有機基としては、アリル基、ビニル基が好ましい。
また、入手性の観点から、ジアリルイソシアヌル酸、モノアリルイソシアヌル酸、ビニルフェノール、アリルフェノール、ジアリルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールS、
Figure 2011208074
ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、へプテン酸、ウンデシレン酸が好ましい。これらの中でも特に耐熱性が高いという観点より、ジアリルイソシアヌル酸、モノアリルイソシアヌル酸、ジアリルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールS、ビニルフェノール、アリルフェノールが好ましく、さらに硬化物の透明性の観点よりジアリルイソシアヌル酸、モノアリルイソシアヌル酸が特に好ましい。
また化合物(α2)には、単独又は2種以上のものを用いることが可能であり、さらに化合物(α)と併用してヒドロシリル化反応させることもできる。
本発明における成分(A)と成分(B)の使用比率においては、成分(A)の総アルケニル基量をA、成分(B)の総SiH基量をBとした際、0.5≦B/A≦5.0であることが好ましく、0.5>B/Aの場合、未反応のアルケニル基が多くなりすぎ、得られる硬化物の耐熱性が低下するため好ましくない。またB/A>5.0の場合、未反応のSiH基が多くなりすぎ、得られる硬化物が脆くなりクラック、発泡などが発生するため好ましくない。
(成分C)
本発明の成分(C)について説明する。
本発明の成分(C)については、光重合官能基の種類によって適宜選択して添加する必要があり、エポキシ基、アルコキシシリル基等の場合にはカチオン重合開始剤を用い、アリロキシ、メタクリロキシ基などのラジカル重合性基の場合には光ラジカル開始剤を用いる。
(カチオン重合開始剤)
カチオン重合開始剤としては、活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸を発生する、活性エネルギー線カチオン重合開始剤、又は熱によりカチオン種又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤であれば、特に限定されず使用できる。
活性エネルギー線カチオン重合開始剤としては、金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、VIa族元素の芳香族オニウム塩、Va族元素の芳香族オニウム塩、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート、チオピリリウム塩、MF6-陰イオン(ここでMは燐、アンチモン及び砒素から選択される)の形のVIa元素、アリールスルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビスヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等);陰イオンがB(C654 -である芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩の一種以上が包含される。
好ましい活性エネルギー線カチオン重合開始剤には、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウム塩並びにII族、V族及びVI族元素の芳香族オニウム塩が包含される。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M社)、UVR−6990及びUVR−6974(ユニオン・カーバイド社)、UVE−1014及びUVE−1016(ジェネラル・エレクトリック社)、KI−85(デグッサ社)、SP−152及びSP−172(旭電化社)並びにサンエイドSI−60L、SI−80L及びSI−100L(三新化学工業社)、WPI113及びWPI116(和光純薬工業社)、RHODORSIL PI2074(ローディア社)、BBI−102、BBI−103、BBI−105(みどり化学)として商品として入手できる。
カチオン重合開始剤の使用量は、成分(A)+成分(B)総量を100重量部として、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の量である。カチオン重合開始剤量が少ないと、硬化に長時間を要したり、十分に硬化した硬化物が得られない。開始剤量が多いと、開始剤の色が硬化物に残ったり、急硬化のために着色や隆起したり、硬化物の耐熱耐光性を損なうために好ましくない。
(光ラジカル開始剤) 活性エネルギー線によりラジカル種を発生する、活性エネルギー線ラジカル開始剤であれば特に限定されず使用できる。
活性エネルギー線ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾイン系化合物、ビイミダゾール系化合物、α−ジケトン系化合物、チタノセン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物等が用いることができる。
アセトフェノン系化合物の具体例としては、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4'−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4'−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシー1−〔4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチループロパンー1−オン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
ベンゾイン系化合物の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルケトン、ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
α−ジケトン系化合物の具体例としては、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等が挙げられる。
多核キノン系化合物の具体例としては、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
キサントン系化合物の具体例としては、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
トリアジン系化合物の具体例としては、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4'−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2'−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3',4'−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4'−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−ブロモ−4'−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2'−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
特に薄膜硬化性に優れるという観点より、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシー1−〔4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]フェニル〕−2−メチループロパンー1−オン、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
特に硬化物が透明性に優れるという観点より、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4'−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2'−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノンが好ましい。
また、これらのラジカル重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。ラジカル重合開始剤の使用量は、成分(A)+成分(B)の総重量100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の量である。カチオン重合開始剤量が少ないと、硬化が不十分でアルカリ現像時にコントラストが得られない傾向がある。開始剤量が多いと、硬化膜自体が着色するために好ましくない。
(成分(D))
本発明の成分(D)について説明する。
本発明の成分(D)については、化合物(α)と(β)とをヒドロシリル化させる場合の触媒として前記したヒドロシリル化触媒と同様のものを用いることができる。
触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
成分(D)の使用量は、(A)+成分(B)の総重量100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜3重量部の量である。添加量が少ないと、硬化が不十分で十分な絶縁性が得られない傾向がある。また添加量が多いと、硬化性組成物の貯蔵時の安定性が低下し、取り扱い性が悪くなるために好ましくない。
(硬化性組成物の調整方法および硬化方法)
硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液の状態で低温貯蔵しておいても良い。
本発明の硬化性組成物の使用方法は、特に限定されるものではなくスピンコートやスリットコートによるコーティング、ディスペンスによるポッティング等を用いて使用することができる。また基材の状態に合わせ適宜、溶剤による粘度調整、界面活性剤による表面張力調整を行っても良い。
また本発明の樹脂組成物は、光照射により架橋反応を進行させて硬化物とすることができる。その際用いることができる光源としては、使用する重合開始剤や増感剤の吸収波長を発光する光源を使用すればよく、200〜450nmの範囲の波長を含む光源が好ましい。具体的には例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、発光ダイオードなどを使用できる。露光量は特に制限されないが、好ましい露光量の範囲は1〜5000mJ/cm2、より好ましくは1〜1000mJ/cm2である。露光量が少ないと硬化しない。露光量が多いと急硬化のために変色することがある。好ましい硬化時間の範囲は1〜120秒、より好ましくは1〜60秒である。硬化時間が長いと、光硬化の速硬化の特徴が生かされない。
成膜後の加熱温度は特に限定されるものではないが、周辺の耐熱性の低い部材への影響が小さいという観点より250℃以下であることが好ましく、200℃以下が好ましい。樹脂基板などを用いる場合には、寸法安定性等を考慮すると160℃以下であることが好ましい。
(フォトリソグラフィーについて)
また本発明の硬化性組成物について、現像により微細パターニングすることも可能である。そのパターニング形成について特に限定される方法はなく、一般的に行われる浸漬法やスプレー法等の現像方法により未露光部を溶解・除去し所望のパターン形成させることができる。
特に本発明の成分(A)、成分(B)において、分子中に式(X1)〜(X3)で表される各構造と、フェノール性水酸基と、カルボキシル基とからなる群のいずれかの構造を有しているものを用いることで、アルカリ水溶液への溶解が可能となり、アルカリ現像可能なフォトレジスト機能を付与することができるため好ましい。
また、得られる硬化物が高温時における着色が少ないと言う観点より、これら有機構造の中において、式(X1)〜(X3)から選ばれる構造が好ましい。
アルカリ現像が可能となる事で、一般の半導体製造、ディスプレイ製造で使用するフォトリソグラフィー設備を活用した大面積でのパターン形成、パターン精度の均一性向上が可能となり、特殊現像液を使用するプロセスと比較してコスト的に有利となるため好ましい。
現像に用いる現像液については、一般に使用するものであれば特に限定なく使用することができ、具体例としては、一般の安価に入手可能な有機溶剤、例えばアセトン、MEK、MIBK等のケトン系溶剤やメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤などが挙げられる。またアルカリ現像の場合には、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液やコリン水溶液等の有機アルカリ水溶液や、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸リチウム水溶液などの無機アルカリ水溶液やこれら水溶液に溶解速度等の調整のためにアルコールや界面活性剤などを添加したもの等を挙げることができる。
また水溶液濃度に関しては、露光部と未露光部のコントラストがつきやすいという観点より、25重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下であることが好ましい。
(絶縁性について)
本発明の組成物で得られる硬化物は、高い絶縁性が要求される電子部品に適用できる。本発明の薄膜も上記いずれの半導体層についても絶縁膜として特に限定なく適用することができる。例えば、薄膜で高い絶縁性が求められるTFT用絶縁膜などのゲート絶縁膜、パッシベーション膜などに適用することができる。
薄膜トランジスタ等の電気デバイスを形成させた際、絶縁層にリーク電流等があると信号の応答遅延、誤作動、デバイス不良につながるためその絶縁膜には高い絶縁性を有することが求められる。ただし溶液塗布により形成できるような今までの樹脂組成物から形成される絶縁膜については、その薄膜に電圧を印加した場合のリーク電流量が大きすぎるため適用することできていなかった。絶縁性としては電極間に形成された0.5μm以下の薄膜において30V電圧印加時における電極間リーク量が20nA/cm2以下であることが必要であるが、さらに電子部品への信頼性を考慮すると12nA/cm2以下であることが好ましく、6nA/cm2以下であることがさらに好ましい。
特に本発明の成分(A)、成分(B)において、分子中に式(X1)〜(X3)で表される各構造と、フェノール性水酸基と、カルボキシル基とからなる群のいずれかの構造、これら有機構造の中において特には、式(X1)〜(X3)から選ばれる構造を有することで、用いた組成物からなる薄膜の絶縁性が良好になるので好ましい。
Figure 2011208074
また絶縁膜の膜厚について、厚膜であればあるほど絶縁信頼性が高くなり、電極間のリーク電流量も小さくなる傾向にあるが、LSI素子、TFT等の絶縁膜へ適用する際に、素子の微細化、薄膜化のためにはさらに薄い膜厚で高絶縁性を有することが好ましく、その絶縁膜の膜厚についても1.0μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.6μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下の膜厚において上記で示すような電極間リーク電流量であることが好ましい。さらにトランジスタ形成において多層構造体とするためにはより薄い膜厚でかつ絶縁性が保持されることが好ましく、さらに好ましくは0.2μm以下の薄膜において上記で示すような電極間リーク電流量であることが好ましい。
さらにこの絶縁膜は耐環境性にも優れており、−60℃〜0℃の低温条件下、20℃〜100℃の高温条件下、さらには20℃〜90℃好ましくは50〜90℃で20〜100%RH好ましくは50〜100%RHの高温高湿条件下に長時間保管した場合においてもその絶縁性が保持されているも可能である。
また印加電圧としては、通常のTFTの駆動電圧として印加するレベルの電圧でのリーク電流が小さければ問題はないが、長期信頼性および印加時直後の瞬間的な過電圧などを加味すると、好ましくは0〜10V間でのどの電圧値において上記レベルの低リーク電流量であることが好ましく、より好ましくは0〜25VにおいてAC電圧、DC電圧問わず上記に示すレベルでの絶縁性が保持されていることが好ましい。
(添加剤)
(増感剤)
本発明の硬化性組成物には、光エネルギーで硬化させる場合には、光の感度向上のおよびg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)と言われるような高波長の光に感度を持たせるために、適宜、増感剤を添加する事ができる。これら増感剤は、上記カチオン重合開始剤及び/またはラジカル重合開始剤等と併用して使用し、硬化性の調整を行うことができる。
添加する化合物には、アントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げることができる。
アントラセン系化合物の具体例としては、アントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、1,4−ジメトキシアントラセン、9−メチルアントラセン、2−エチルアントラセン、2−tert−ブチルアントラセン、2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン、9,10−ジフェニル−2,6−ジ−tert−ブチルアントラセン等が挙げられ、特に入手しやすい観点より、アントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。
また硬化物の透明性に優れる観点からはアントラセンが好ましく、硬化性組成物との相溶性に優れる観点からは9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン等が好ましい。
チオキサントン系の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,5−ジエチルジオキサントン等が挙げられる。
これらの増感剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(反応性希釈剤)
本発明の硬化性組成物には、作業性、反応性、接着性、硬化物強度の調整のために適宜、反応性希釈剤を添加する事ができる。添加する化合物には、硬化反応形式によって選択して特に限定無く使用することが可能であり、エポキシ化合物、オキセタン化合物、アルコキシシラン化合物、(メタ)アクリレート化合物など重合基を有する化合物を使用する。
エポキシ化合物およびオキセタン化合物の具体例としては、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シクロヘキシルエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン(環状、鎖状)、グリシジル基含有ポリオルガノシロキサン(環状、鎖状)、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、1,4−ビス{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル}ベンゼン、ビス{1−エチル(3−オキセタニル)}メチルエーテル、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルへキシロキシメチル)オキセタン等を挙げることができる。
アルコキシシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシ(エトキシ)シランおよびその縮合物、メチルトリメトキシ(エトキシ)シランおよびその縮合物、ジメチルジメトキシ(エトキシ)シランおよびその縮合物等が挙げることができる。
(メタ)アクリレート化合物の具体的な例としては、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、商品名:デナコールアクリレートDA111)、ウレタン(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、 (メタ)アクリレート基含有ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
反応性希釈剤の添加量としては種々設定できるが、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して、好ましい添加量は1〜50重量部、より好ましくは3〜25重量部である。添加量が少ないと添加効果が表れず、添加量が多いと硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
またこれら反応性希釈剤の光架橋反応を進めるため、それぞれエポキシ、アルコキシラン化合物を添加する場合には、オニウム塩で代表されるような光カチオン重合開始剤を、アクリレート化合物を添加する場合には、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物のような光ラジカル重合開始剤を添加することもできる。
(接着性改良剤)
本発明の硬化性組成物には、接着性改良剤を添加することもできる。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、変性ポリオルガノシロキサン化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化性や硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。また、これらのカップリング剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物等は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱可塑性樹脂)
硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、変性オルガノシロキサン化合物との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の範囲は硬化性組成物全体の5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなり易い。添加量が多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなり易い。熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂は変性ポリオルガノシロキサン化合物に溶解して均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、変性ポリオルガノシロキサン化合物に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を変性ポリオルガノシロキサン化合物に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態或いは/お及び混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となり易いという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(充填材)
硬化性組成物には必要に応じて充填材を添加してもよい。充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用或いは/及び提案されている充填材等を挙げることができる。
(老化防止剤)
本発明の硬化性組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(紫外線吸収剤)
本発明の硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(溶剤)
本発明の硬化性組成物に使用される、変性ポリオルガノシロキサン化合物が高粘度である場合、溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、クロロホルムが好ましい。
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いる硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
(適用用途)
本発明の硬化性組成物は、フォトリソグラフィーにより微細なコンタクトホール等の形成も簡便に形成でき、かつ得られる硬化物は薄膜での絶縁性にも優れていることより、高い絶縁性が要求される電子部品、例えば薄膜トランジスタのパッシベーション膜、ゲート絶縁膜に適用することができる。
その他、透明材料、光学材料、光学レンズ、光学フィルム、光学シート、光学部品用接着剤、光導波路結合用光学接着剤、光導波路周辺部材固定用接着剤、DVD貼り合せ用接着剤、粘着剤、ダイシングテープ、電子材料、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、高電圧絶縁材料、層間絶縁膜、TFT用パッシベーション膜、TFT用ゲート絶縁膜、TFT用層間絶縁膜、TFT用透明平坦化膜、絶縁用パッキング、絶縁被覆材、接着剤、高耐熱性接着剤、高放熱性接着剤、光学接着剤、LED素子の接着剤、各種基板の接着剤、ヒートシンクの接着剤、塗料、UV粉体塗料、インク、着色インク、UVインクジェット用インク、コーティング材料(ハードコート、シート、フィルム、剥離紙用コート、光ディスク用コート、光ファイバ用コート等を含む)、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、シーリング材料、ポッティング材料、封止材料、発光ダイオード用封止材料、光半導体封止材料、液晶シール剤、表示デバイス用シール剤、電気材料用封止材料、各種太陽電池の封止材料、高耐熱シール材、レジスト材料、液状レジスト材料、着色レジスト、ドライフィルムレジスト材料、ソルダーレジスト材料、カラーフィルター用バインダー樹脂、カラーフィルター用透明平坦化材料、ブラックマトリクス用バインダー樹脂、液晶セル用フォトスペーサー材料、OLED素子用透明封止材料、光造形、太陽電池用材料、燃料電池用材料、表示材料、記録材料、防振材料、防水材料、防湿材料、熱収縮ゴムチューブ、オーリング、複写機用感光ドラム、電池用固体電解質、ガス分離膜に応用できる。
また、コンクリート保護材、ライニング、土壌注入剤、蓄冷熱材、滅菌処理装置用シール材、コンタクトレンズ、酸素透過膜の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1、2)
実施例1〜6および比較例1,2で得た硬化性組成物に対し、下記方法を用いて評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2011208074
本発明の硬化性組成物を硬化することによって得られる硬化物は、比較例の組成物と比較して優れた絶縁性を有する光硬化性材料として機能する。
(フォトリソグラフィー性)
実施例および比較例で得られた硬化性組成物を得られた組成物をガラス板(50×100×0.7mm)にスピンコートにより塗布し、塗面を部分的に覆う簡易マスク付きサンプルを作成し、コンベア型露光装置(高圧水銀ランプ、フュージョン製LH6)にて積算光量200mJ/cm2露光した。
露光サンプルをアルカリ性現像液(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、TMAH2.38%水溶液)もしくはアセトンに60秒浸漬後水洗し、現像コントラストがついている(露光部樹脂が残存し、未露光部が除去されている)ものを○、現像コントラストがついていないものを×としてフォトリソグラフィー性の評価とした。
(絶縁性評価)
上記実施例、比較例で得られた樹脂組成物を用いて下記のような絶縁性評価サンプルを作成した。Mo膜2000Å製膜したガラス基板に樹脂組成物をスピンコーティング(回転数2000rpm、30秒)したものを、コンベア型露光装置(高圧水銀ランプ、フュージョン製LH6)を用いて、積算光量200mJ/cm2露光した。その後、150℃加熱したホットプレート上にて1時間加熱して薄膜を形成した。さらにその薄膜上にスパッタでAl電極(3mmφ)を形成した。
また絶縁性については、半導体パラメータ測定装置(Agilent製4156C)を用いて、絶縁膜を挟んだ電極間(Mo−Al)に0〜50Vの電圧を0.5Vずつステップで印加し、30V印加時の電極単位面積当たりのリーク電流量を測定し評価を行った。
(膜厚測定)
上記基板上に形成した薄膜についてUV−visスペクトルを測定して算出した。本発明の樹脂組成物を用いて作成した薄膜は優れた絶縁性を有し、溶液塗布により成膜できる薄膜絶縁材料として適用できる。
(合成実施例1)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン50gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート6.9g、トルエン6.9g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0043gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物A」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でSiH基を9.0mmol/g有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例2)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、トリアリルイソシアヌレート15g、ビニルシクロヘキセンオキシド7.48g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン4.8g、トルエン4.8gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物B」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でアルケニル基を5.5mmol/gおよびエポキシ基2.0mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例3)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、トリアリルイソシアヌレート15g、トリメトキシビニルシラン6.96g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0078gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン4.8g、トルエン4.8gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物C」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でアルケニル基5.0mmol/gおよびアルコキシシリル基5.5mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(合成実施例4)
500mL四つ口フラスコにトルエン100g、ジアリルイソシアヌル酸20g、ビニルシクロヘキセンオキシド7.48g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.0234gを入れ、気相部を窒素置換した後、内温105℃で加熱、攪拌した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン4.8g、トルエン4.8gの混合液を滴下した。滴下後1H−NMRでアリル基由来のピーク消失を確認し、反応を終了した。トルエンを減圧留去し、無色透明の液体「反応物D」を得た。1H−NMRの測定により、標準物質をジブロモエタンとした時の当量換算でアルケニル基4.5mmol/gおよびエポキシ基1.5mmol/gを有するポリシロキサン系化合物であることを確認した。
(実施例1〜5)
合成実施例1〜4で得られた反応物、ヒドロシリル化触媒(白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液)、光重合開始剤(ヨードニウム塩系開始剤、ローディア製、商品名:PI2074)、溶剤(PGMEA)を表1に記載の割合で調合し光硬化性組成物を調整した。
(比較例1)
100mL四つ口フラスコにトルエン15g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン7.5gを入れ、気相部を窒素置換した後内温105℃で加熱し、ここにビニルシクロヘキセンオキシド5.0gを加え2時間攪拌した。添加から2時間後に1H−NMRでビニル基の反応率が95%以上であることを確認した。反応液を冷却し「比較反応物1」を得た。
得られた「比較反応物1」0.5g、PI2074(ローディア製、光カチオン重合開始剤)0.01g添加したものの20%PGMEA溶液を調整した。
(比較例2)
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学工業製、DA−TMP)0.5gにIrgacure184(チバスペシャリティケミカルズ製、光ラジカル開始剤)を0.015g添加したものの20%PGMEA溶液を調整した。

Claims (9)

  1. 必須成分として(A)アルケニル基および光重合性官能基を同一分子内に有する化合物、(B)SiH基を有する化合物、(C)光重合開始剤 (D)ヒドロシリル化触媒を含有する硬化性組成物。
  2. 成分(A)が有する光重合性官能基が、エポキシ基、架橋性ケイ素基および(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 成分(A)が有する光重合性官能基が、エポキシ基であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 成分(A)が有する光重合性官能基が、アルコキシリル基であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成物。
  5. 成分(A)がポリシロキサン系化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 成分(A)または成分(B)が、下記一般式(I)
    Figure 2011208074
    (式中R1は水素原子または炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい)で表される構造を含有する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 成分(A)または成分(B)が、下記式(X1)〜(X3)で表される各構造と、フェノール性水酸基と、カルボキシル基とからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
    Figure 2011208074
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物により得られる薄膜を半導体層のパッシベーション膜として用いたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物により得られる薄膜を半導体層のゲート絶縁膜として用いたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
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