JP2011207935A - ノルボルナン骨格を有するポリアミド及びその製造方法 - Google Patents
ノルボルナン骨格を有するポリアミド及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011207935A JP2011207935A JP2010074550A JP2010074550A JP2011207935A JP 2011207935 A JP2011207935 A JP 2011207935A JP 2010074550 A JP2010074550 A JP 2010074550A JP 2010074550 A JP2010074550 A JP 2010074550A JP 2011207935 A JP2011207935 A JP 2011207935A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide
- general formula
- compound
- norbornane
- norbornane skeleton
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polyamides (AREA)
Abstract
Description
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、耐熱性、可とう性及び透明性に優れる、ノルボルナン骨格を有するポリアミド及びその製造方法に関する。
下記一般式(III)で表されるジアミン化合物と、を反応させて得られるポリアミドの製造方法であって、
H2N−R4−NH2 (III)
(但し、式中R4は脂肪族基、脂環族基及び芳香族基から選ばれる2価の有機基である。)
上記一般式(III)で表されるジアミン化合物の一部又は全部が下記一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類であることを特徴とするノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法に関する。
ギ酸エステル(HCOOR2)とを、ルテニウム化合物と、コバルト化合物と、ハロゲン化物塩と、を含む触媒系の存在下で反応させて得られることを特徴とするノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法に関する。
<1>本発明のノルボルナン骨格を有するポリアミド
本発明の一実施形態は、下記一般式(I)で表されるノルボルナン骨格含有ポリアミドに関する。
ノルボルナン骨格を有するポリアミドの数平均分子量を上記範囲とするには、本願の製造方法により製造すればよい。
なお、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以降、GPCと略記する)を用いて、下記条件で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて算出する。
装置:(株)日立製作所製、L6000型
カラム:昭和電工(株)製、Shodex KD−806M×1本
溶離液:N−メチル−2−ピロリドン 1.0ml/min
検出器:UV(280nm)
本発明の一実施形態は、下記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸又はその誘導体と、
下記一般式(III)で表されるジアミン化合物と、を反応させて得られるポリアミドの製造方法であって、
H2N−R4−NH2 (III)
(但し、式中R4は脂肪族基、脂環族基及び芳香族基から選ばれる2価の有機基である。)
上記一般式(III)で表されるジアミン化合物の一部又は全部が下記一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類であることを特徴とするノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法に関する。
本発明における一般式(III)で表される、ノルボルナンジカルボン酸又はその誘導体と反応させるジアミン化合物としては、下記一般式(III)中のR4が脂肪族、脂環族基及び芳香族基から選ばれる2価の有機基であるものが挙げられ、
H2N−R4−NH2 (III)
(但し、式中R4は脂肪族基、脂環族基及び芳香族基から選ばれる2価の有機基である。)
且つ上記一般式(III)で表されるジアミン化合物の一部又は全部が、下記一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類であれば特に制限はない。
ポリオキシアルキレンジアミン類として具体的には特に制限は無いが、例えば、三井化学ファイン(株)製の商品名:ジェファーミン D−230(a=0、b=0、c=2〜3)、D−400(a=0、b=0、c=5〜6)、D−2000(a=0,b=0,c=約33)、D−4000等のジェファーミンDシリーズ;ジェファーミンED−600(b=9.0、a+c=3.6)、ED−900(b=12.0、a+c=3.6)、ED−2003(b=38.7、a+c=6.0)等のジェファーミンEDシリーズ;等を使用することができ、これらは、単独あるいは2種以上を混合して使用することもできる。
H2N−R4−NH2 (III)
(但し、式中R4は脂肪族基、脂環族基及び芳香族基から選ばれる2価の有機基である。)
具体的に例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物;
1,2−ジアミノシクロヘキサン、メチレンジアミノシクロヘキサミン、ノルボルナンジアミン等の脂環族ジアミン化合物;
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロペンタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、4,4'−カルボニルビス(p−フェニレンオキシ)ジアニリン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、m−ベンジルアミン、α−(3−アミノフェニル)メチルアミン、α−(3−アミノフェニル)エチルアミン、α−(3−アミノフェニル)プロピルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ジアミン化合物;
ジアミノシロキサン;
主鎖がエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体であるジアミン化合物;
主鎖がゴムであるジアミン化合物;等が挙げられ、これらは、単独あるいは2種以上を混合して使用することもできる。
上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸及びその誘導体は、下記の(1)の工程、及び必要に応じて(2)の工程を含む方法で得られたものが好ましい。
ギ酸エステル(HCOOR2)とを、
ルテニウム化合物と、コバルト化合物と、ハロゲン化物塩と、を含む触媒系の存在下で反応させ、一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸誘導体(上記一般式(II)中、R1、R2が水素でないもの)を得る。
目的とする反応物が、一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸(上記一般式(II)中、R1、R2が水素のもの)の場合は、下記(2)の工程を続けて行う。
(2)その後、上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸誘導体(上記一般式(II)中、R1、R2が水素でないもの)のアルコキシカルボニル基を加水分解して、上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸(上記一般式(II)中、R1、R2が水素のもの)を得る。
(1)上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸誘導体(上記一般式(II)中、R1、R2が水素でないもの)を得る工程
上記一般式(V)で表されるノルボルネンモノカルボン酸又はその誘導体と反応させるギ酸エステル(HCOOR2)としては、特に制限は無く、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、ギ酸アリル、ギ酸ビニル、ギ酸ベンジル等から適宜選択して使用することができる。コスト及び反応性の観点から、ギ酸メチルが好適である。
なお、ここで「触媒系」とは、触媒そのものだけでなく、触媒の作用を助ける添加剤、増感剤等も含むものである。
上記ルテニウム化合物は、ルテニウムを含むものであればよく、特に制限はない。好適なルテニウム化合物の具体例として、[Ru(CO)3Cl2]2、[Ru(CO)2Cl2]n、[Ru(CO)3Cl3]−、[Ru3(CO)11Cl]−、[Ru4(CO)13Cl]−等の、分子内にカルボニル配位子とハロゲン配位子とを合わせ持つルテニウム化合物等が挙げられ、なかでも、反応率向上の観点から、[Ru(CO)3Cl2]2、[Ru(CO)2Cl2]n等がより好ましい。
本発明では、上述のハロゲン化物塩を単独で用いても、複数組み合わせて用いてもよい。
上述の塩基性化合物のなかでも、反応促進効果の観点から、三級アミン化合物が好適である。本発明に使用可能である好適な三級アミン化合物の具体例として、トリアルキルアミン、N−アルキルピロリジン、キヌクリジン及びトリエチレンジアミン等が挙げられる。
しかし、必要に応じて、溶媒を使用してもよい。使用可能な溶媒は、原料として使用する化合物、つまり一般式(V)で表されるノルボルネンモノカルボン酸又はその誘導体とギ酸エステル(HCOOR2)等を溶解できればよく、特に限定されない。
好適に使用できる溶媒の具体例として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、クメン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラリン等が挙げられる。
反応温度が、原料として使用する一般式(V)で表されるノルボルネンモノカルボン酸又はその誘導体、あるいはギ酸エステル(HCOOR2)のいずれかの沸点を超える場合には、耐圧容器内で反応を行う必要がある。反応の終結は、ガスクロマトグラフ、NMR等周知の分析技術を用いて確認することができる。
得られた上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸誘導体(上記一般式(II)中、R1、R2が水素でないもの)は、蒸留等で単離して、必要により(2)の加水分解工程の原料として、又はポリアミドの製造のための原料として用いることができる。
製造装置の簡略化、コスト等を考慮すると、ジシクロペンタジエンをシクロペンタジエンに分解した後、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとディールス・アルダー反応させる方法が好ましい。
また、上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸誘導体(上記一般式(II)中、R1、R2が水素でないもの)を加水分解して、上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸(上記一般式(II)中、R1、R2が水素のもの)とする方法は、特に制限は無く、例えば、特許第2591492号、特開2008−31406号公報等に記載されている酸加水分解、アルカリ加水分解等を使用することができる。あるいは、酸成分又はアルカリ成分を加えること無しに、耐熱容器内で水分存在下、140℃以上の高温で加熱することによっても加水分解することができる。
上記方法による反応の終結は、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、NMR等周知の分析技術を用いて確認することができる。得られた上記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸(上記一般式(II)中、R1、R2が水素のもの)は、蒸留等で単離してポリアミドの原料として用いることができる。
本発明における一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸又はその誘導体と、一般式(III)で表されるジアミン化合物(一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類を含む)と、の使用量は、ノルボルナンジカルボン酸又はその誘導体のカルボキシル基又はアルコキシ基のモル数の合計に対するアミノ基のモル数を0.7〜2.0とすることが好ましく、0.8〜1.7とすることがより好ましく、0.9〜1.5とすることがさらに好ましく、0.95〜1.3とすることが特に好ましい。
0.7未満あるいは2.0を超えると、得られるポリアミドの分子量を大きくすることが困難になり、機械特性、耐熱性等が低下する傾向がある。
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;
ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン等の含硫黄系溶媒;
γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒;
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;等を使用することができる。
反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。
(合成例1)〔シクロペンタジエンの生成〕
得られたシクロペンタジエンをガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度は100%であった。
(合成例3)〔ノルボルナンジカルボン酸メチルの合成〕
分析結果によれば、反応によって生成したノルボルナンジカルボン酸メチルは94.3mmol(ノルボルナンジカルボン酸メチル基準で収率94.3%)であった。得られたノルボルナンジカルボン酸メチルを減圧蒸留で単離した。
得られたノルボルナンジカルボン酸メチルを、H1−NMRで分析した結果、ノルボルナン(トリシクロデカン)のメチレン及びメチン基のピークが1.1〜3.0ppm付近に、カルボン酸メチルに起因するメチル基のピークが3.6ppm付近に確認でき、その積分強度比が10.00/6.01(理論値:10/6)であった。
(実施例1)〔ノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−1)の合成〕
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 148.40g(0.70モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 132.30g(0.63モル)及びジェファーミン D−230(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:8.3(Meq/g)、分子量:241) 16.87g(0.07モル)を2時間かけて添加した。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が95,000の、ノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−1)を得た。
なお、ジェファーミン D−230は、上記一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類であり、式中のa=0、b=0、c=2.6である。
(1)ガラス転移温度(Tg)
熱機械分析装置(セイコー電子(株)製、5200型 TMA)で測定した。
測定モード:エクステンション
測定スパン:10mm
荷重:10g
昇温速度:5℃/min
雰囲気:空気
(2)熱分解開始温度(5%質量減少温度、Td5
示差熱天秤(セイコー電子(株)製、5200型 TG−DTA)で測定した。
昇温速度:5℃/min
雰囲気:空気
(3)引張り強度及び破断伸び
オートグラフ((株)島津製作所製、商品名:AGS−1000G)で測定した。
また、得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−1)の各波長における光線透過率を、日本分光(株)製、V−570型UV/VISスペクトロフォトメーターで測定した。評価結果をまとめて表1に示す。
さらに、得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−1)を、配線が形成された半導体基板に、ディスペンス法で複数個塗布し、乾燥する工程、前記樹脂層上に前記半導体基板上の電極と電気的に導通した再配線を形成する工程、前記再配線上に保護層を形成する工程、前記保護層に外部電極端子を形成する工程を行い、ダイシングして半導体装置を作製した。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 148.40g(0.70モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 117.60g(0.56モル)及びジェファーミン D−230(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:8.3(Meq/g)、分子量:241) 33.74g(0.14モル)を2時間かけて添加した。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が92,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−2)を得た。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 148.40g(0.70モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 102.90g(0.49モル)及びジェファーミン D−230(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:8.3(Meq/g)、分子量:241) 50.61g(0.21モル)を2時間かけて添加した。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が90,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−3)を得た。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 148.40g(0.70モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 73.50g(0.35モル)及びジェファーミン D−230(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:8.3(Meq/g)、分子量:241) 84.35g(0.35モル)を2時間かけて添加した。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が89,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−4)を得た。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 148.40g(0.70モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 144.06g(0.686モル)及びジェファーミン D−230(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:8.3(Meq/g)、分子量:241) 3.37g(0.014モル)を2時間かけて添加した。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が95,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−5)を得た。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 127.20g(0.60モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 88.20g(0.42モル)及びジェファーミン D−400(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:4.6(Meq/g)、分子量:435、アミン当量:217.39) 78.30g(0.18モル)を2時間かけて添加した。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が88,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−6)を得た。
なお、ジェファーミン D−400は、上記一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類であり、式中のa=0、b=0、c=5.6である。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 63.60g(0.30モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 44.10g(0.21モル)及びジェファーミン D−2000(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:0.98(Meq/g)、分子量:2041、アミン当量:1020.41) 183.69g(0.09モル)を2時間かけて添加した。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が87,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−7)を得た。
なお、ジェファーミン D−2000は、上記一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類であり、式中のa=0、b=0、c=33.1である。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 148.40g(0.70モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 146.27g(0.697モル)及びジェファーミン D−230(三井化学ファイン(株)商品名、アミン価:8.3(Meq/g)、分子量:241) 0.84g(0.003モル)を2時間かけて添加する。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が90,000の、ノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−8)を得た。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例3で得られたノルボルナンジカルボン酸メチル 148.40g(0.70モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 147.00g(0.70モル)を2時間かけて添加する。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が95,000の、ノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−9)を得た。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、イソフタル酸ジメチル 145.5g(0.75モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン 157.50g(0.75モル)を2時間かけて添加する。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が95,000の芳香族ポリアミド(PA−10)を得た。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、イソフタル酸ジメチル 145.5g(0.75モル)を仕込み、フラスコ内の温度を60℃に調整した後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 150.00g(0.75モル)を2時間かけて添加する。160℃まで昇温した後、3時間反応させて、さらに190℃で2時間反応させ、数平均分子量が98,000のポリアミド(PA−11)を得た。
Claims (9)
- 下記一般式(II)で表されるノルボルナンジカルボン酸又はその誘導体と、
下記一般式(III)で表されるジアミン化合物と、を反応させて得られるポリアミドの製造方法であって、
H2N−R4−NH2 (III)
(但し、式中R4は脂肪族基、脂環族基及び芳香族基から選ばれる2価の有機基である。)
前記一般式(III)で表されるジアミン化合物の一部又は全部が下記一般式(IV)で表されるポリオキシアルキレンジアミン類であることを特徴とするノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法。
- 前記ルテニウム化合物が、分子内にカルボニル配位子とハロゲン配位子とを合わせ持つルテニウム錯体である、請求項3に記載のノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法。
- 前記ハロゲン化物塩が、四級アンモニウム塩である請求項3又は4に記載のノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法。
- 前記触媒系がさらに塩基性化合物を含む請求項3〜5のいずれか一項に記載のノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法。
- 前記塩基性化合物が、三級アミン化合物である請求項6記載のノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法。
- 前記触媒系がさらにフェノール化合物を含む請求項3〜7のいずれか一項に記載のノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法。
- 前記触媒系がさらに有機ハロゲン化合物を含む請求項3〜8のいずれか一項に記載のノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010074550A JP5556301B2 (ja) | 2010-03-29 | 2010-03-29 | ノルボルナン骨格を有するポリアミド及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010074550A JP5556301B2 (ja) | 2010-03-29 | 2010-03-29 | ノルボルナン骨格を有するポリアミド及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011207935A true JP2011207935A (ja) | 2011-10-20 |
JP5556301B2 JP5556301B2 (ja) | 2014-07-23 |
Family
ID=44939342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010074550A Expired - Fee Related JP5556301B2 (ja) | 2010-03-29 | 2010-03-29 | ノルボルナン骨格を有するポリアミド及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5556301B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018088497A1 (ja) * | 2016-11-10 | 2018-05-17 | 株式会社カネカ | ポリアミド系樹脂、成形体、積層体、医療機器、及びポリアミド系樹脂の製造方法 |
JPWO2018056463A1 (ja) * | 2016-09-26 | 2019-07-04 | 日立化成株式会社 | ポリアミド、ポリアミドフィルム及びフィルムコンデンサ |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05170898A (ja) * | 1991-12-24 | 1993-07-09 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 新規ポリアミドおよびその製造方法 |
JPH0820557A (ja) * | 1990-03-26 | 1996-01-23 | Elf Atochem Sa | 飽和カルボン酸エステル合成用の触媒及び方法 |
JPH09227696A (ja) * | 1996-02-20 | 1997-09-02 | Elf Atochem Japan Kk | プラスチックフイルム |
JP2003138012A (ja) * | 2001-11-08 | 2003-05-14 | Ube Ind Ltd | 延伸性に優れたポリアミド |
JP2004161964A (ja) * | 2001-11-27 | 2004-06-10 | Ube Ind Ltd | 低吸水性ポリエーテルポリアミドエラストマー |
JP2004346274A (ja) * | 2003-05-26 | 2004-12-09 | Ube Ind Ltd | ポリアミド系エラストマー |
WO2009012607A2 (de) * | 2007-07-25 | 2009-01-29 | Ems-Patent Ag | Transparente polyamid-elastomere |
WO2011013430A1 (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-03 | 日立化成工業株式会社 | エステル化合物の製造方法 |
-
2010
- 2010-03-29 JP JP2010074550A patent/JP5556301B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0820557A (ja) * | 1990-03-26 | 1996-01-23 | Elf Atochem Sa | 飽和カルボン酸エステル合成用の触媒及び方法 |
JPH05170898A (ja) * | 1991-12-24 | 1993-07-09 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 新規ポリアミドおよびその製造方法 |
JPH09227696A (ja) * | 1996-02-20 | 1997-09-02 | Elf Atochem Japan Kk | プラスチックフイルム |
JP2003138012A (ja) * | 2001-11-08 | 2003-05-14 | Ube Ind Ltd | 延伸性に優れたポリアミド |
JP2004161964A (ja) * | 2001-11-27 | 2004-06-10 | Ube Ind Ltd | 低吸水性ポリエーテルポリアミドエラストマー |
JP2004346274A (ja) * | 2003-05-26 | 2004-12-09 | Ube Ind Ltd | ポリアミド系エラストマー |
WO2009012607A2 (de) * | 2007-07-25 | 2009-01-29 | Ems-Patent Ag | Transparente polyamid-elastomere |
JP2010534256A (ja) * | 2007-07-25 | 2010-11-04 | エーエムエス−パテント アクチェンゲゼルシャフト | 透明なポリアミドエラストマー |
WO2011013430A1 (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-03 | 日立化成工業株式会社 | エステル化合物の製造方法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2018056463A1 (ja) * | 2016-09-26 | 2019-07-04 | 日立化成株式会社 | ポリアミド、ポリアミドフィルム及びフィルムコンデンサ |
JP7052725B2 (ja) | 2016-09-26 | 2022-04-12 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | ポリアミド、ポリアミドフィルム及びフィルムコンデンサ |
WO2018088497A1 (ja) * | 2016-11-10 | 2018-05-17 | 株式会社カネカ | ポリアミド系樹脂、成形体、積層体、医療機器、及びポリアミド系樹脂の製造方法 |
CN109952337A (zh) * | 2016-11-10 | 2019-06-28 | 株式会社钟化 | 聚酰胺系树脂、成型体、层叠体、医疗设备和聚酰胺系树脂的制造方法 |
CN109952337B (zh) * | 2016-11-10 | 2021-10-29 | 株式会社钟化 | 聚酰胺系树脂、成型体、层叠体、医疗设备和聚酰胺系树脂的制造方法 |
US11198787B2 (en) | 2016-11-10 | 2021-12-14 | Kaneka Corporation | Polyamide resin, molded body, laminate, medical device, and polyamide resin production method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5556301B2 (ja) | 2014-07-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7795370B2 (en) | Tetracarboxylic acid compound, polyimide thereof, and production method thereof | |
WO2012035874A1 (ja) | ノルボルナン骨格を有するポリエステル及びその製造方法 | |
TW201005007A (en) | Liquid-crystal alignment material, liquid-crystal display element employing same, and novel diamine | |
KR20140026431A (ko) | 디카르복실산 무수물로 수식한 폴리이미드 전구체, 이미드화한 폴리이미드 및 그것을 사용한 액정 배향 처리제 | |
JP6287852B2 (ja) | ポリイミド樹脂フィルム及びポリイミド樹脂フィルムからなる電子デバイス用基板 | |
JP2017025204A (ja) | ポリイミド系フィルム、及びポリイミド系フィルムの製造方法 | |
JP5556301B2 (ja) | ノルボルナン骨格を有するポリアミド及びその製造方法 | |
JP5811753B2 (ja) | ノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法 | |
JP5532123B2 (ja) | ノルボルナン骨格を有するポリアミドイミド及びその製造方法 | |
JPWO2011121850A1 (ja) | ナジイミド骨格を有するポリアミドイミド及びその製造方法 | |
JP5796416B2 (ja) | ノルボルナン骨格を含有するポリアミドイミドの製造方法 | |
JP5590117B2 (ja) | ノルボルナン骨格を有するポリアミドの製造方法及びそれにより得られるノルボルナン骨格を有するポリアミド | |
WO2012035875A1 (ja) | 脂環式ポリエステル及びその製造方法 | |
KR101642563B1 (ko) | 폴리이미드 공중합체를 포함하는 위상차 필름 및 이를 포함하는 디스플레이 장치 | |
JP2013079350A (ja) | エキソ体比率の高いノルボルナン骨格含有ポリアミド | |
JP2012240981A (ja) | ビスナジイミドのジヒドロジエステル体 | |
TW202005961A (zh) | 四羧酸二酐、羰基化合物、聚醯亞胺前驅體樹脂及聚醯亞胺 | |
JP2017155163A (ja) | テトラカルボン酸二無水物、ポリイミド及びその製造方法 | |
JP6520495B2 (ja) | 芳香族ポリケトンの製造方法 | |
JP2013079351A (ja) | ノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法 | |
JP6759682B2 (ja) | 分岐型芳香族ポリケトン、分岐型芳香族ポリケトンの製造方法、分岐型芳香族ポリケトン組成物、分岐型芳香族ポリケトン膜、光学素子、画像表示装置及び分岐型芳香族ポリケトン膜付基材 | |
JPWO2011121847A1 (ja) | ナジイミド骨格を有するポリアミドイミドの製造方法 | |
KR20130124294A (ko) | 액정 배향제 및 그것을 사용한 액정 표시 소자 | |
TWI754029B (zh) | 聚醯亞胺、聚醯亞胺溶液及聚醯亞胺薄膜 | |
KR101622831B1 (ko) | 폴리이미드 수지 조성물 및 이를 포함하는 광학 필름 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130108 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130626 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130709 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130820 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130823 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140507 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140520 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |