JP6785423B2 - 芳香族ポリケトン及びその製造方法、芳香族ポリケトン組成物、芳香族ポリケトン膜、光学素子並びに画像表示装置 - Google Patents

芳香族ポリケトン及びその製造方法、芳香族ポリケトン組成物、芳香族ポリケトン膜、光学素子並びに画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、芳香族ポリケトン及びその製造方法、芳香族ポリケトン組成物、芳香族ポリケトン膜、光学素子並びに画像表示装置に関する。
特開昭62−7730号公報等に開示されている、主鎖に芳香環とカルボニル基を有する芳香族ポリケトンは、優れた耐熱性と機械特性を有しており、エンジニアリングプラスチックとして利用されている。芳香族ポリケトンに属する高分子のほとんどは、求核芳香族置換反応を利用して重合された芳香族ポリエーテルケトンであり、主鎖にエーテル結合も有している。これに対し、特開2005−272728号公報等に開示されている、主鎖にエーテル結合を有していない芳香族ポリケトンは、芳香族ポリエーテルケトンよりも更に優れた耐熱性及び耐薬品性を発揮しうる。
また、特開2013−53194号公報には、脂環式ジカルボン酸と2,2’−ジアルコキシビフェニル化合物をFriedel−Craftsアシル化により直接重合することで、高い透明性と耐熱性を両立した芳香族ポリケトンを得ることができることが報告され、光学部品への応用が期待されている。
樹脂材料を光学部品に応用する際は、無機材料では得ることのできない特性を得ることが期待される。例えば、軽量であること及び無機材料に比べ一般に柔らかいことである。樹脂材料の適応先としては、軽量さを活かしたポータブルデバイスのガラス代替材、コート材、柔軟さを活かしたフレキシブルディスプレイ等が挙げられる。なかでも、フレキシブルディスプレイの実現は、近年特に注目されている。
しかし、特開2013−53194号公報に記載の脂環式ジカルボン酸と2,2’−ジアルコキシビフェニル化合物から重合される芳香族ポリケトンは、優れた耐熱性と透明性を有する一方で、成形品が硬くなりやすい。このことにより、折り曲げ可能な柔軟な膜を得ることが難しい。
本発明は上記現状に鑑みなされたものであり、本発明の一実施形態は、優れた耐熱性と透明性を有し、さらに柔軟な膜を形成可能な芳香族ポリケトン、該芳香族ポリケトンを含む芳香族ポリケトン組成物及び芳香族ポリケトン膜、並びに該芳香族ポリケトン膜を有する光学素子及び画像表示装置を提供する。さらに、本発明の一実施形態は、優れた耐熱性と透明性を有し、さらに柔軟な膜を形成可能な芳香族ポリケトンの製造方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、下記<1>〜<7>の態様を含む。
<1> 構造単位中に、1つ以上の脂環骨格及び回転可能な2つの単結合により結合された1つ以上の炭素原子を有する、芳香族ポリケトン。
<2> 下記一般式(1)、下記一般式(2)又は下記一般式(4)で表される構造単位と、下記一般式(5)で表される構造単位と、を有する芳香族ポリケトン。

(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)

(一般式(2)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3)で表わされる2価の基を示す。)

(一般式(3)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)

(一般式(4)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)

(一般式(5)中、Yは下記一般式(6)で表わされる2価の基を示す。)

(一般式(6)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。)
<3> 下記一般式(1’)、下記一般式(2’)又は下記一般式(4’)で表される芳香族モノマと、下記一般式(5’)で表されるジカルボン酸モノマとを、酸性媒体中において縮合反応させることで得られる芳香族ポリケトン。

(一般式(1’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)

(一般式(2’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3’)で表わされる2価の基を示す。)

(一般式(3’)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)

(一般式(4’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)

(一般式(5’)中、Yは下記一般式(6’)で表わされる2価の基を示す。)

(一般式(6’)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。)
<4> <1>〜<3>のいずれか1項に記載の芳香族ポリケトンと、溶媒と、を含む芳香族ポリケトン組成物。
<5> <1>〜<3>のいずれか1項に記載の芳香族ポリケトンを含む芳香族ポリケトン膜。
<6> <5>に記載の芳香族ポリケトン膜を有する光学素子。
<7> <5>に記載の芳香族ポリケトン膜を有する画像表示装置。
<8> 下記一般式(1’)、下記一般式(2’)又は下記一般式(4’)で表される芳香族モノマと、下記一般式(5’)で表されるジカルボン酸モノマとを、酸性媒体中において縮合反応させる芳香族ポリケトンの製造方法。
(一般式(1’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
(一般式(2’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3’)で表わされる2価の基を示す。)
(一般式(3’)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
(一般式(4’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)


(一般式(5’)中、Yは下記一般式(6’)で表わされる2価の基を示す。)
(一般式(6’)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。)
本発明の一実施形態によれば、優れた耐熱性と透明性を有し、さらに柔軟な膜を形成可能な芳香族ポリケトン、該芳香族ポリケトンを含む芳香族ポリケトン組成物及び芳香族ポリケトン膜、並びに該芳香族ポリケトン膜を有する光学素子及び画像表示装置を提供することができる。さらに、本発明の一実施形態によれば、優れた耐熱性と透明性を有し、さらに柔軟な膜を形成可能な芳香族ポリケトンの製造方法を提供することができる。
ポリケトンPK1の13C−NMRスペクトルを示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において「膜」とは、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
本明細書において「工程」とは、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本明細書において「透明性」とは、可視光の透過性をいい、少なくとも波長400nmの可視光の透過性が80%以上(膜厚1μm換算)であることを意味する。
本明細書において「耐熱性」とは、本発明の芳香族ポリケトンを含む部材において、加熱による黄変の発生が抑制されていることを意味する。
<芳香族ポリケトン及びその製造方法>
本実施形態の芳香族ポリケトンは、構造単位中に、1つ以上の脂環骨格及び回転可能な2つの単結合により結合された1つ以上の炭素原子を有する。
脂環骨格としては、シクロプロパン骨格、シクロブタン骨格、シクロペンタン骨格、シクロヘキサン骨格、シクロヘプタン骨格、シクロオクタン骨格、キュバン骨格、ノルボルナン骨格、トリシクロ[5.2.1.0]デカン骨格、アダマンタン骨格、ジアダマンタン骨格、ビシクロ[2.2.2]オクタン骨格等が挙げられる。なかでも、耐熱性及び溶解性の観点より、アダマンタン骨格が好ましい。
構造単位が有する1つ以上の炭素原子は、2価の炭化水素基であってもよい。そして、この2価の炭化水素基が、回転可能な2つの単結合により、脂環骨格を有する基及びカルボニル基と結合されてもよい。この2価の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基であってもよい。また、脂環骨格を有する基における脂環骨格の具体例は、上述のとおりである。
置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、プロピルエチレン基、エチルメチルエチレン基、ヘキシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1−エチルテトラメチレン基、2−エチルテトラメチレン基、1−プロピルトリメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、ブチルエチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、1,2,3−トリメチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−メチルトリメチレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
本実施形態の芳香族ポリケトンは、下記一般式(1)、下記一般式(2)又は下記一般式(4)で表される構造単位と、下記一般式(5)で表される構造単位と、を有していてもよい。尚、波線を付した部分は、結合手を意味する。以降、化学式中の波線については同様である。

一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
耐熱性の観点から、Rで示される炭化水素基は、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、反応制御の観点から、炭素数1〜5の炭化水素基がより好ましい。
で示される炭化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基等が挙げられる。飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、Rで示される炭化水素基は、これらの炭化水素基を組み合わせたものでもよい。また、置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基等が挙げられる。尚、炭化水素基が置換基を有する場合、炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数を含めないものとする。以降、同様である。
飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、neo−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−イコサニル基、n−トリアコンタニル基等が挙げられる。
不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基等のシクロアルキル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
一般式(1)中、耐熱性の観点から、Rは水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基が好ましい。このような炭化水素基としては、一般式(1)中のRで例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基等が挙げられる。

一般式(2)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3)で表わされる2価の基を示す。一般式(2)中のRの詳細は、一般式(1)中のRと同様である。

一般式(3)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。耐熱性の観点から、R及びRとしては、炭素数1〜5の炭化水素基が好ましい。このような炭化水素基としては、一般式(1)中のRで例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基等が挙げられる。

一般式(4)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。耐熱性の観点から、Rとしては、炭素数1〜5の炭化水素基が好ましい。このような炭化水素基としては、一般式(1)中のRで例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基等が挙げられる。

一般式(5)中、Yは下記一般式(6)で表わされる2価の基を示す。

一般式(6)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。耐熱性の観点から、Zは炭素数1〜5の飽和炭化水素基であることが好ましい。Zの存在により、後述の芳香族ポリケトン膜が柔軟になる。
Zで表される2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、プロピルエチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、1−エチル−1−メチルエチレン基、ヘキシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1−エチルテトラメチレン基、2−エチルテトラメチレン基、1−プロピルトリメチレン基、2−プロピルトリメチレン基、ブチルエチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、1,2,3−トリメチルトリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、2−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、2−エチル−1−メチルトリメチレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
本実施形態の芳香族ポリケトンは、構造単位中に、1つ以上の脂環骨格及び回転可能な2つの単結合により結合された1つ以上の炭素原子を有するか、又は、上記一般式(1)、上記一般式(2)若しくは上記一般式(4)で表される構造単位と、上記一般式(5)で表される構造単位とを有していれば、製造方法は特に限定されない。
本実施形態の芳香族ポリケトンは、例えば、下記一般式(1’)、下記一般式(2’)又は下記一般式(4’)で表される芳香族モノマと、下記一般式(5’)で表されるジカルボン酸モノマとを、酸性媒体中において縮合反応させて得ることができる。
また、本実施形態の芳香族ポリケトンの製造方法は、下記一般式(1’)、下記一般式(2’)又は下記一般式(4’)で表される芳香族モノマと、下記一般式(5’)で表されるジカルボン酸モノマとを、酸性媒体中において縮合反応させるものであってもよい。

一般式(1’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。一般式(1’)中のR及びRそれぞれの詳細は、一般式(1)中のR及びRと同様である。

一般式(2’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3’)で表わされる2価の基を示す。一般式(2’)中のRの詳細は、一般式(1)中のRと同様である。

一般式(3’)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。一般式(3’)中のR及びRの詳細は、一般式(3)中のR及びRと同様である。

一般式(4’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。一般式(4’)中のRの詳細は、一般式(4)中のRと同様である。

一般式(5’)中、Yは下記一般式(6’)で表わされる2価の基を示す。

一般式(6’)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。一般式(6’)中のZの詳細は、一般式(6)中のZと同様である。
縮合反応に用いる酸性媒体は特に限定されず、塩化アルミニウムの有機溶媒溶液、トリフルオロアルカンスルホン酸の有機溶媒溶液、ポリリン酸、五酸化二リンと有機スルホン酸との混合物等を用いることができる。反応性と扱いやすさの観点から、酸性媒体には五酸化二リンと有機スルホン酸との混合物を用いることが好ましく、更に、有機スルホン酸としてはメタンスルホン酸が好ましい。
五酸化二リンと有機スルホン酸との混合比は、混合比の制御及び反応性の観点から、質量比で五酸化二リン:有機スルホン酸=1:5〜1:20が好ましく、1:5〜1:10がより好ましい。
芳香族モノマとジカルボン酸モノマとの合計量に対する酸性媒体の配合量は、芳香族モノマとジカルボン酸モノマを溶解し得る量であれば特に限定されず、触媒量から溶媒量までの範囲で用いることができる。反応性と扱いやすさの観点から、ジカルボン酸モノマ1質量部に対して5質量部〜100質量部の範囲が好ましい。
芳香族モノマとジカルボン酸モノマとの縮合反応における反応の温度は、反応生成物である芳香族ポリケトンの着色及び副反応を防ぐため、10℃〜100℃が好ましく、反応速度を上げて生産性を向上するため、20℃〜100℃がより好ましい。
芳香族モノマとジカルボン酸モノマとの縮合反応における反応の雰囲気は特に限定されず、開放系で行うこともできる。しかし、水分の存在により酸性媒体の反応性が低下する傾向にあるため、乾燥空気、窒素、アルゴン等を用いることが好ましい。想定外の副反応を防ぐため、窒素又はアルゴンを用いることがより好ましい。
芳香族モノマとジカルボン酸モノマと酸性媒体とを含む反応液を撹拌することで、芳香族モノマとジカルボン酸モノマとの縮合反応を促進することができる。撹拌方法は特に限定されず、マグネチックスターラ、メカニカルスターラ等を用いることができる。
芳香族モノマとジカルボン酸モノマとの縮合反応における反応時間は、反応温度、目標とする芳香族ポリケトンの分子量、反応に用いるモノマの種類等によって変動しうる。十分に分子量の高い芳香族ポリケトンを得るために、反応時間は1時間〜120時間程度が好ましく、生産性の観点から、1時間〜72時間がより好ましい。
芳香族モノマとジカルボン酸モノマとの縮合反応における反応の圧力は特に限定されず、常圧下、加圧下、又は減圧下のいずれで行ってもよい。コストの観点から、常圧下で反応を行うことが好ましい。
芳香族モノマとジカルボン酸モノマとの縮合反応を終えた後、反応液と芳香族ポリケトンの貧溶媒とを接触させて不純物を貧溶媒層に抽出し、芳香族ポリケトンを析出させることができる。析出した芳香族ポリケトンは、濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で液体から分離することができる。さらにこの後、分離した芳香族ポリケトンを再度芳香族ポリケトンの良溶媒に溶解させ、再び芳香族ポリケトンの貧溶媒と接触させて芳香族ポリケトンを析出させ、不純物を貧溶媒層に抽出し、析出した芳香族ポリケトンを濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で液体から分離する工程を繰り返してもよい。
<芳香族ポリケトン組成物>
本実施形態の芳香族ポリケトンを溶媒に溶解させること等により、本実施形態の芳香族ポリケトンと、溶媒と、を含む芳香族ポリケトン組成物を得ることができる。芳香族ポリケトンを溶媒に溶解させる方法は特に限定されず、当該技術分野で既知の方法を用いることができる。また、必要に応じて、溶解後に、不溶成分を濾別してもよい。
芳香族ポリケトン組成物の具体的な態様としては、ワニス、スラリー、混合粉末等が挙げられる。
本実施形態の芳香族ポリケトン組成物に含まれる溶媒の例としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、ヘキシルベンゼン、アニソール、ジグライム、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の芳香族ポリケトン組成物は、芳香族ポリケトン及び溶媒以外に、更に添加剤等を含んでいてもよい。添加剤としては、接着助剤、界面活性剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤等が挙げられる。
<芳香族ポリケトン膜>
本実施形態の芳香族ポリケトン膜は、本実施形態の芳香族ポリケトンを含むものである。本実施形態の芳香族ポリケトン膜の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、本実施形態の芳香族ポリケトン組成物を用いて、本実施形態の芳香族ポリケトン膜を得ることができる。本実施形態の芳香族ポリケトンを含む芳香族ポリケトン膜は、脂環式ジカルボン酸と2,2’−ジアルコキシビフェニル化合物から重合される従来の芳香族ポリケトンを含む芳香族ポリケトン膜よりも柔軟である。
芳香族ポリケトン膜を得るために、芳香族ポリケトン組成物を基材の少なくとも一部の表面に付与して組成物層を形成する。これにより、基材と、この基材の表面の少なくとも一部に設けられる本実施形態の芳香族ポリケトン膜とを有する、芳香族ポリケトン膜付基材を得ることができる。
芳香族ポリケトン組成物を基材に付与する方法としては、組成物層を基材上の任意の場所に任意の形状で形成可能な手法であれば特に限定されない。例えば、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法及び回転塗布法が好適に用いられる。
芳香族ポリケトン組成物を付与する基材は特に限定されず、ガラス基板、半導体基板、金属酸化物絶縁体基板(例えば、酸化チタン基板及び酸化ケイ素基板)、窒化ケイ素基板、トリアセチルセルロース、透明ポリイミド、ポリカルボナート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン樹脂等の透明樹脂基板などを例示することができる。基材の形状は特に限定されず、板状又はフィルム状であってもよい。
本実施形態の芳香族ポリケトン組成物を基材に付与(塗布)して組成物層を形成した後、乾燥工程において該組成物層を乾燥させる。該組成物層を乾燥する方法は特に限定されず、ホットプレート、オーブン等を用いた加熱を挙げることができる。必要に応じて、乾燥した芳香族ポリケトン膜を、基材からはがした状態で用いることもできる。
必要に応じて、乾燥した芳香族ポリケトン膜をさらに熱処理してもよい。熱処理の方法は特に限定されず、箱型乾燥機、熱風式コンベアー型乾燥機、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行なうことができる。また、熱処理工程における雰囲気条件としては、大気中又は窒素等の不活性雰囲気中のいずれを選択することもできる。
<光学素子及び画像表示装置>
本実施形態の光学素子及び画像表示装置は、本実施形態の芳香族ポリケトン膜を有する。本実施形態の光学素子及び画像表示装置に適用される本実施形態の芳香族ポリケトン膜は、基材とこの基材の表面の少なくとも一部に設けられる本実施形態の芳香族ポリケトン膜とを有する上述の芳香族ポリケトン膜付基材として用いられてもよい。
例えば、本実施形態の芳香族ポリケトン膜を有する芳香族ポリケトン膜付基材は、前述したフィルム状の透明樹脂等の基材の少なくとも一方の面に、本実施形態の芳香族ポリケトン膜を有していてもよい。あるいは、フィルム状の透明樹脂等の基材の両面に、本実施形態の芳香族ポリケトン膜を有していてもよい。また、芳香族ポリケトン膜付基材において、芳香族ポリケトン膜は、一層でも、二層以上が積層された複数層構造であってもよい。
本実施形態の光学素子及び画像表示装置は、例えば、芳香族ポリケトン膜付基材を構成する透明樹脂フィルム等の基材側を、粘着剤、接着剤等を介してLCD(液晶ディスプレイ)、ELD(エレクトロルミネッセンスディスプレイ)等に用いられている部材に貼り合せることにより、得ることができる。
本実施形態の芳香族ポリケトン膜及びこれを用いた偏光板等の各種光学素子は、液晶表示装置等の各種画像表示装置に好ましく用いることができる。本実施形態の画像表示装置は、本実施形態の芳香族ポリケトン膜を用いる以外は、従来の画像表示装置と同様の構成であってよい。本実施形態の画像表示装置が液晶表示装置である場合は、液晶セル、偏光板等の光学素子、及び必要に応じ照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより製造できる。液晶セルは、特に制限されない。液晶セルは、TN型、STN型、π型等の様々なタイプを使用できる。
本実施形態の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、これら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1) ポリケトンPK1の合成
2,2’−ジメトキシビフェニル10mmolと1,3−アダマンタン二酢酸10mmolが入ったフラスコに、五酸化二リンとメタンスルホン酸の混合液物(質量比1:10)を30ml加え、窒素風船をつけて60℃で40時間撹拌した。反応後、反応液をメタノール500ml中に投じ、生成した析出物を濾取した。得られた固体を蒸留水とメタノールで洗浄した後、乾燥し、ポリケトンPK1を得た。得られたポリケトンPK1の13C−NMRスペクトルを図1に示す。また、重量平均分子量は80,000、数平均分子量は20,000であった。
(実施例2) ポリケトンPK1を用いたワニスの調製
実施例1で得たポリケトンPK1を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に濃度が20%となるように溶解し、ポリテトラフルオロエチレン製のメンブレンフィルター(孔径5μm)でろ過して、ポリケトンPK1のワニスを得た。
(実施例3) ポリケトンPK1のワニスを用いた膜の作製
実施例2で得られたポリケトンPK1のワニスを、バーコート法によりガラス基板上及びカプトンフィルム上に塗布し、ポリケトンPK1の膜付き基材を得た。得られたポリケトンPK1の膜付き基材をそれぞれ、120℃に加熱したホットプレート上で3分間乾燥した後、透明性、耐熱性及び耐屈曲性を、後述の手法で評価した。
(比較合成例) ポリケトンPK2の合成
1,3−アダマンタン二酢酸の代わりに1,3−アダマンタンジカルボン酸を用いる以外は実施例1と同様にして、ポリケトンPK2を得た。得られたポリケトンPK2の重量平均分子量は90,000、数平均分子量は20,000であった。
(比較調製例) ポリケトンPK2を用いたワニスの調製
ポリケトンPK1の代わりにポリケトンPK2を用いる以外は実施例2と同様にして、ポリケトンPK2を用いたワニスを得た。
(比較例) ポリケトンPK2のワニスを用いた膜の作製
ポリケトンPK1のワニスの代わりにポリケトンPK2のワニスを用いる以外は実施例3と同様にして、ポリケトンPK2のワニスを用いた膜を得て、評価を行った。
(分子量の測定)
分子量は、溶離液として、硝酸テトラブチルアンモニウム(TBA・NO)を0.1%溶解させたテトラヒドロフラン(THF)を用いて、GPC法によって測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた。詳細は次のとおりである。
・装置名 : RI−8020(検出器)、DP−8020(ポンプ)、SD−8022(デガッサ)(東ソー株式会社)
・カラム : Gelpack GL−A150、GL−A160、GL−A170(製品名、日立化成株式会社)
・検出器 : RI検出器
・流速 : 1ml/min
(透明性の評価)
実施例3又は比較例で得たポリケトン膜付きガラス基板の400nmにおける紫外光の透過率を、紫外可視分光光度計(「U−3310 Spectrophotometer」日立ハイテク株式会社)を用いた紫外可視吸収スペクトル法によって測定した。膜の付いていないガラス基板をリファレンスとして、膜厚1μmに換算した透過率を表1に示す。
(耐熱性の評価)
実施例3又は比較例で得たポリケトン膜付きガラス基板を200℃のオーブンに24時間静置し、400nmにおける紫外光の透過率を、紫外可視分光光度計(「U−3310 Spectrophotometer」日立ハイテク株式会社)を用いた紫外可視吸収スペクトル法によって測定した。また、膜のクラックの有無を目視で確認した。膜の付いていないガラス基板をリファレンスとして、膜厚1μmに換算した透過率と、膜のクラックの有無を表1に示す。
(耐屈曲性の評価)
実施例3又は比較例で得た芳香族ポリケトン膜付きカプトンフィルムを、マンドレル試験(円筒形マンドレル法)により評価した。試験はJIS K5600−5−1:1999に従って行った。マンドレルの直径は25mmから3mmまで変え、クラックの発生の有無を目視で確認した。クラックの発生しないマンドレルの最小直径を表1に示す。

表1に示すとおり、本実施形態の芳香族ポリケトンは、従来の芳香族ポリケトンと同等の透過率及び耐熱性を発揮し、さらに耐屈曲性に優れる。
2015年2月4日に出願された日本国特許出願2015−20442号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
本発明の一実施形態によれば、透明性、耐熱性及び耐屈曲性に優れる芳香族ポリケトン膜を得ることができ、フレキシブルな透明耐熱材として用いることができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)、下記一般式(2)又は下記一般式(4)で表される構造単位と、下記一般式(5)で表される構造単位と、を有する芳香族ポリケトン。



    (一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(2)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3)で表わされる2価の基を示す。)



    (一般式(3)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(4)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(5)中、Yは下記一般式(6)で表わされる2価の基を示す。)



    (一般式(6)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。)
  2. 下記一般式(1’)、下記一般式(2’)又は下記一般式(4’)で表される芳香族モノマと、下記一般式(5’)で表されるジカルボン酸モノマとを、酸性媒体中において縮合反応させることで得られる芳香族ポリケトン。



    (一般式(1’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(2’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3’)で表わされる2価の基を示す。)



    (一般式(3’)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(4’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(5’)中、Yは下記一般式(6’)で表わされる2価の基を示す。)



    (一般式(6’)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。)
  3. 請求項1又は請求項2に記載の芳香族ポリケトンと、溶媒と、を含む芳香族ポリケトン組成物。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の芳香族ポリケトンを含む芳香族ポリケトン膜。
  5. 請求項に記載の芳香族ポリケトン膜を有する光学素子。
  6. 請求項に記載の芳香族ポリケトン膜を有する画像表示装置。
  7. 下記一般式(1’)、下記一般式(2’)又は下記一般式(4’)で表される芳香族モノマと、下記一般式(5’)で表されるジカルボン酸モノマとを、酸性媒体中において縮合反応させる芳香族ポリケトンの製造方法。



    (一般式(1’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(2’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子又は下記一般式(3’)で表わされる2価の基を示す。)



    (一般式(3’)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(4’)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)



    (一般式(5’)中、Yは下記一般式(6’)で表わされる2価の基を示す。)



    (一般式(6’)中、アダマンタン骨格の水素原子は、炭化水素基、アミノ基、オキソ基、水酸基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、Zはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を示す。)
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