JP2013079351A - ノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定構造のノルボルナンジカルボン酸と、ジイソシアネート化合物とを極性溶媒中で反応させるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法であって、前記ノルボルナンジカルボン酸総量の60モル%以上が、エキソ体ノルボルナンジカルボン酸であることを特徴とする下記一般式(IV)で表されるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
(但し、式中、Xは2価の有機基であり、nは1〜500の整数である。)
【選択図】なし
Description
を極性溶媒中で反応させるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法であって、
上記ノルボルナンジカルボン酸総量の60モル%以上が、下記式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸であることを特徴とする、エキソ体骨格を60モル%以上含有する下記一般式(IV)で表されるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
ルテニウム化合物と、コバルト化合物と、ハロゲン化物塩と、塩基性化合物と、を含む触媒系の存在下で反応させて、下記一般式(IX)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸誘導体を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸誘導体とする。
本発明は、下記式(I)で表されるノルボルナンジカルボン酸と、
を極性溶媒中で反応させるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法であって、
上記ノルボルナンジカルボン酸総量の60モル%以上が、下記式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸であることを特徴とする、エキソ体骨格を60モル%以上含有する下記一般式(IV)で表されるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法に関する。
本発明の製造方法で得られるノルボルナン骨格含有ポリアミドは、下記一般式(IVa)で表される骨格を60モル%以上含有するエキソ体比率の高いノルボルナン骨格含有ポリアミドである。
また、上記式中のnは1〜500である。
ノルボルナン骨格含有ポリアミドの数平均分子量を上記範囲とするには、本発明の製造方法により製造すればよい。
装置:(株)日立製作所製、L6000型
カラム:昭和電工(株)製、Shodex KD−806M×1本
溶離液:N−メチル−2−ピロリドン 1.0ml/min
検出器:UV(280nm)
なお、本発明におけるノルボルナン骨格含有ポリアミドが、上記一般式(IVa)で表される骨格をどの程度含有するかを測定するには、GC(ガスクロマトグラフィー)を用いる。
具体的には、ノルボルナン骨格含有ポリアミドの合成に用いるノルボルナンジカルボン酸が、上記式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸をどの程度含有するかを測定した値を、得られるポリアミドのエキソ体/エンド体の含有率とする。しかし、ジカルボン酸はGCでは分析できないため、カルボン酸ジエステルをGCで測定することで、エキソ体/エンド体の比率とする。
本発明のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法における各種原料成分を以下に説明する。
本発明のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法において、上記式(I)で表されるエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸と反応させる、上記一般式(II)で表されるジイソシアネート化合物としては、具体的には、下記一般式(V)又は下記一般式(VI)で表されるジイソシアネート化合物が挙げられる。
イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、シクロヘキシルメチルイソシアネート等の脂環族イソシアネート(上記一般式(V)中、Yが2価の脂環族基);等を使用することができる。
これらは、単独又は2種以上を混合して使用することもできる。
これらは、単独又は2種以上を混合して使用することもできる。
上記式(I)で表されるエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸と、上記一般式(II)で表されるジイソシアネート化合物との反応には、極性溶媒を使用する。使用可能な極性溶媒は、原料として使用する化合物を溶解できればよく、特に限定されない。
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;
ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン等の含硫黄系溶媒;
γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒,シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;等を使用することができる。
本発明のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法において、上記式(I)で表されるエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸と上記一般式(II)で表されるジイソシアネート化合物とを極性溶媒中で反応させる場合の反応条件を以下に説明する。
本発明の製造方法に用いる上記式(I)で表されるエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸は、エキソ体比率の高いノルボルナン骨格含有ポリアミドを得るために、上記式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸(以下、「エキソ体比率の高いエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸」ともいう)とすることが重要である。
本発明におけるエキソ体比率の高いエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸は、下記(1)〜(2)工程を含む方法で得られる。
ルテニウム化合物と、コバルト化合物と、ハロゲン化物塩と、塩基性化合物と、を組み合わせた触媒系の存在下で反応させて、下記一般式(IX)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸誘導体を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸誘導体(以下、「エキソ体比率の高いエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸誘導体」ともいう)とする。
(1)工程:一般式(IX)で表されるノルボルナンジカルボン酸誘導体を得る(「ヒドロエステル化反応」ともいう)工程
上記式(VII)で表されるノルボルナジエンと反応させる上記一般式(VIII)で表されるギ酸エステルとしては、特に制限は無く、下記のものが挙げられる。
ヒドロエステル化反応工程に使用可能なギ酸エステルは、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、ギ酸ビニル、ギ酸ベンジル等から適宜選択して使用することができる。コスト及び反応性の観点から、ギ酸メチル、ギ酸エチル等の直鎖状のアルキルギ酸エステルが好ましく、ギ酸メチルがより好適である。
ヒドロエステル化反応には、ルテニウム化合物と、コバルト化合物と、ハロゲン化物塩と、塩基性化合物との4成分を必須とする触媒系を使用する。
なお、ここで「触媒系」とは、触媒そのものだけでなく、触媒の作用を助ける添加剤、増感剤等も含むものである。
ヒドロエステル化反応工程で使用可能なルテニウム化合物は、ルテニウムを含む化合物であればよく、特に制限はない。例えば、ルテニウム原子を中心として、周囲に配位子が結合した構造を有するルテニウム錯体化合物が挙げられる。本発明の一実施形態では、分子内にカルボニル配位子とハロゲン配位子とを合わせ持つ、ルテニウム錯体化合物が好ましい。
ヒドロエステル化反応工程で使用可能なコバルト化合物は、コバルトを含む化合物であればよく、特に制限はない。好適な化合物の具体例として、Co2(CO)8、HCo(CO)4、Co4(CO)12等のカルボニル配位子を持つコバルト錯体化合物、酢酸コバルト、プロピオン酸コバルト、安息香酸コバルト、クエン酸コバルト等のカルボン酸化合物を配位子に持つコバルト錯体化合物、及びリン酸コバルトが挙げられる。なかでも、反応率向上の観点から、カルボニル配位子を持つコバルト錯体化合物が好ましい。
ヒドロエステル化反応工程で使用可能なハロゲン化物塩は、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン等のハロゲンイオンと、カチオンとから構成される化合物であればよく、特に限定されない。上記カチオンは、無機物イオン及び有機物イオンのいずれであってもよい。また、上記ハロゲン化物塩は、分子内に1以上のハロゲンイオンを含んでもよい。
ヒドロエステル化反応工程において、使用可能な塩基性化合物は、無機化合物であっても、有機化合物であってもよい。塩基性の無機化合物の具体例として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の各種金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物塩、アルコキシドが挙げられる。塩基性の有機化合物の具体例として、一級アミン化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、ピリジン化合物、イミダゾール化合物、キノリン化合物が挙げられる。
ヒドロエステル化反応工程では、ルテニウム化合物とコバルト化合物とハロゲン化物塩と塩基性化合物とを含む特定の触媒系に、必要に応じて、フェノール化合物、又は有機ハロゲン化合物を追加することによって、上記触媒系による反応促進の効果をより高めることが可能である。
以下、各種化合物について説明する。
ヒドロエステル化反応に用いる好適なフェノール化合物の具体例として、フェノール、クレゾール、アルキルフェノール、メトキシフェノール、フェノキシフェノール、クロルフェノール、トリフルオロメチルフェノール、ヒドロキノン及びカテコールが挙げられる。
ヒドロエステル化反応工程において好適な有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン化メチル、ジハロゲンメタン、ジハロゲンエタン、トリハロゲンメタン、テトラハロゲン炭素、ハロゲン化ベンゼン等が挙げられる。
ヒドロエステル化反工程応において、上記式(VII)で表されるノルボルナジエンと上記一般式(VIII)で表されるギ酸エステルとの反応は、特に溶媒を用いることなく進行させることができる。しかし、必要に応じて、溶媒を使用してもよい。本発明において使用可能な溶媒は、原料として使用する化合物を溶解できればよく、特に限定はされない。本発明において好適に使用できる溶媒の具体例として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、クメン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル等が挙げられる。
反応に用いる上記式(VII)で表されるノルボルナジエンと上記一般式(VIII)で表されるギ酸エステルとの割合は、仕込み量で、上記式(VII)で表されるノルボルナジエン1モルに対し、上記一般式(VIII)で表されるギ酸エステルを2〜100モルが好ましく、4〜50がより好ましい。2モル未満であると、副反応が増えて数率が低下する傾向があり、100モルを超えても、生産性が低下するだけで、特に効果は無い。
ヒドロエステル化反応工程において、上記式(VII)で表されるノルボルナジエンと上記一般式(VIII)で表されるギ酸エステルとの反応は、80℃〜200℃の温度範囲で実施することが好ましい。上記反応は、100℃〜160℃の温度範囲で実施することがより好ましい。80℃以上の温度で反応を実施することによって、反応速度が速まり、効率良く反応を進めることができる。その一方で、反応温度を200℃以下に制御することによって、原料として使用するギ酸エステルの分解を抑制することができる。ギ酸エステルが分解すると、ノルボルナジエンに対するエステル基の付加が達成されなくなる。さらに、反応温度が高すぎると、原料であるノルボルナジエンの開環重合が起こり、収率が低下する可能性があるので、高すぎる反応温度は望ましくない。
本発明の製造方法において、エキソ体比率の高いノルボルナン骨格含有ポリアミドを得るために用いられる、エキソ体比率の高いエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸は、上記(1)工程で得られたエキソ体比率の高いエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸誘導体のアルコキシカルボニル基を加水分解して得られる。
(合成例1)
<式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸の合成>
[ノルボルナンジカルボン酸ジメチルの合成:一般式(IX)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸誘導体を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸誘導体の合成(一般式(IX)中、R2、R3=メチル基)]
その後、反応装置を室温まで冷却し、放圧し、残存有機相の一部を抜き取り、ガスクロマトグラフを用いて、反応混合物の成分を分析した。
検出器:水素炎イオン検出器
カラム:ジーエルサイエンス(株)製 TC−1(長さ:60m)
キャリアガsス:ヘリウム(300kPa)
温度
注入口:200℃
検出器:200℃
カラム:40℃〜240℃(昇温速度:5℃/min)
条件:溶媒DMSO−d6、BRUKER社製の装置「AV400M」(カーボン基本周波数:100.62MHz)。
カーボン(1):39.89ppmのピーク(メチン)
カーボン(2):44.59ppmのピーク(メチン)
カーボン(3):33.03ppmのピーク(メチレン)
カーボン(4):39.89ppmのピーク(メチン)
カーボン(5):44.59ppmのピーク(メチン)
カーボン(6):33.02ppmのピーク(メチレン)
カーボン(7):34.35ppmのピーク(メチレン)
カーボン(8):51.44ppmのピーク(メチルエステル)
カーボン(9):175.22ppmのピーク(カルボニル)
カーボン(11):35.15ppmのピーク(メチン)
カーボン(12):44.77ppmのピーク(メチン)
カーボン(13):32.68ppmのピーク(メチレン)
カーボン(14):43.86ppmのピーク(メチン)
カーボン(15):32.68ppmのピーク(メチレン)
カーボン(16):44.77ppmのピーク(メチン)
カーボン(17):34.47ppmのピーク(メチレン)
カーボン(18):51.51ppmのピーク(メチルエステル)
カーボン(19):174.85ppmのピーク(カルボニル)
1H−NMR分析の結果、各プロトンが下記に示すように帰属された。
プロトン(1):2.47ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(2):2.4ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(3):1.5ppm〜1.8ppm付近のピーク(メチレン)
プロトン(4):2.47ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(5):2.4ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(6):1.5ppm〜1.8ppm付近のピーク(メチレン)
プロトン(7):1.3ppm付近のピーク(メチレン)
プロトン(8):3.6ppm付近のピーク(メチル)
プロトン(9):2.3ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(12):2.5ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(13):1.5ppm〜1.8ppm付近のピーク(メチレン)
プロトン(14):2.7ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(15):1.5ppm〜1.8ppm付近のピーク(メチレン)
プロトン(16):2.5ppm付近のピーク(メチン)
プロトン(17):1.2ppm付近のピーク(メチレン)
プロトン(18):3.6ppm付近のピーク(メチル)
図7から、プロトン(1)(4)とプロトン(7)との相関はあるが、プロトン(2)(5)との相関が認められないことから、プロトン(2)(5)はエンド位に結合していることが分かる。よって、この化合物が、ノルボルナン−2(エキソ)−5(エキソ)−ジカルボン酸メチルであることを確認した。
図7から、プロトン(11)(14)はプロトン(17)との相関はあるが、プロトン(12)(16)との相関が認められないことから、プロトン(12)(16)はエンド位に結合していることが分かる。よって、この化合物が、ノルボルナン−2(エキソ)−6(エキソ)−ジカルボン酸メチルであることを確認した。
冷却管を取り付けた1リットルナス型フラスコに、上記[ノルボルナンジカルボン酸ジメチル]で得られたノルボルナンジカルボン酸ジメチル(エキソ体/エンド体の組成比(モル比):75/25)30g及びメタノール200gを投入して均一溶液とした後、10%水酸化ナトリウム溶液200gを加え、100℃のオイルバスに入れ、6時間加熱還流した。その後、反応液量が140gになるまでメタノールを留去し、これに36%塩酸48mlを加え、PHを1としたところ、白色粉末が沈殿した。この白色粉末をろ過、水洗、乾燥し、ノルボルナンジカルボン酸25gを得た(NBDA−1)。
なお、加水分解後のノルボルナンジカルボン酸のエキソ体/エンド体の組成比(モル比)は、加水分解前のノルボルナンジカルボン酸誘導体のエキソ体/エンド体の組成比(モル比)と同じである。
カーボン(1):39.61ppmのピーク(メチン)
カーボン(2):44.01ppmのピーク(メチン)
カーボン(3):31.36ppmのピーク(メチレン)
カーボン(4):40.63ppmのピーク(メチン)
カーボン(5):45.07ppmのピーク(メチン)
カーボン(6):28.94ppmのピーク(メチレン)
カーボン(7):37.50ppmのピーク(メチレン)
カーボン(8):51.37及び51.48ppmのピーク(メチルエステル)
カーボン(9):174.22及び175.03ppmのピーク(カルボニル)
<式(I)で表されるノルボルナンジカルボン酸の合成>
[ノルボルナンジカルボン酸ジメチルの合成]
(シクロペンタジエンの生成)
得られたシクロペンタジエンをガスクロマトグラフィーで分析したところ、純度は100%であった。
上記合成例1の[ノルボルネンジカルボン酸の合成]において、上記(ノルボルナンジカルボン酸メチルの合成)で得られたノルボルナンジカルボン酸ジメチル(エキソ/エンド体の組成比:43/57)にした以外は、上記合成例1の[ノルボルネンジカルボン酸の合成]と全く同様の操作を実施し、ノルボルナンジカルボン酸(NBDA−2)24gを得た。
[ノルボルナンジカルボン酸ジメチルの合成]
その後、反応装置を室温まで冷却し、放圧し、残存有機相の一部を抜き取り、ガスクロマトグラフを用いて、反応混合物の成分を分析した。
(実施例1)[エキソ体比率の高いノルボルナン骨格含有ポリアミド(PA−1)の合成]
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例1で得られたノルボルナンジカルボン酸74.20g(0.350モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート59.98g(0.357モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン202.84gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が85,000のノルボルナン骨格を持つポリアミド(PA−1)を得た。
なお、得られたポリアミドのエキソ体比率は、原料で用いたノルボルナンジカルボン酸の比率と同じである。
熱機械分析装置(セイコー電子(株)製、5200型 TMA)で測定した。
測定モード:エクステンション
測定スパン:10mm
荷重:10g
昇温速度:5℃/min
雰囲気:空気
示差熱天秤(セイコー電子(株)製、5200型 TG−DTA)で測定した。
昇温速度:5℃/min
雰囲気:空気
また、得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−1)の各波長における光線透過率を、日本分光(株)製、V−570型UV/VISスペクトロフォトメーターで測定した。評価結果をまとめて表1に示す。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例1で得られたノルボルナンジカルボン酸53.00g(0.250モル)、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート66.81g(0.255モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン179.72gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が90,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−2)を得た。
得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−2)の特性を実施例1と同様に評価した。結果をまとめて表1に示す。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例1で得られたノルボルナンジカルボン酸57.24g(0.270モル)、イソホロンジイソシアネート61.14(0.275モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン177.57gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が85,000のノルボルナン骨格を持つポリアミド(PA−3)を得た。
得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−3)の特性を実施例1と同様に評価した。結果をまとめて表1に示す。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例1で得られたノルボルナンジカルボン酸55.12g(0.260モル)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート66.30g(0.265モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン182.91gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が80,000のノルボルナン骨格を持つポリアミド(PA−4)を得た。
得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−4)の特性を実施例1と同様に評価した。結果をまとめて表1に示す。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例2で得られたノルボルナンジカルボン酸74.20g(0.350モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート59.98g(0.357モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン202.84gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が45,000のノルボルナン骨格を持つポリアミド(PA−5)を得た。
得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−5)の特性を実施例1と同様に評価した。結果をまとめて表1に示す。
なお、得られたポリアミドのエキソ体比率は、原料で用いたノルボルナンジカルボン酸の比率と同じである。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例2で得られたノルボルナンジカルボン酸 53.00g(0.250モル)、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート 66.81g(0.255モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン 179.72gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が55,000のノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−6)を得た。
得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−6)の特性を実施例1と同様に評価した。結果をまとめて表1に示す。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例2で得られたノルボルナンジカルボン酸57.24g(0.270モル)、イソホロンジイソシアネート61.14(0.275モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン177.57gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が42,000のノルボルナン骨格を持つポリアミド(PA−7)を得た。
得られノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−7)の特性を実施例1と同様に評価した。結果をまとめて表1に示す。
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、合成例2で得られたノルボルナンジカルボン酸55.12g(0.260モル)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート66.30g(0.265モル)(ジカルボン酸/ジイソシアネート(モル比)=1.00/1.02)及びN−メチルピロリドン182.91gを仕込み、160℃まで昇温した後、3時間反応させて、数平均分子量が42,000のノルボルナン骨格を持つポリアミド(PA−8)を得た。
得られたノルボルナン骨格を有するポリアミド(PA−8)の特性を実施例1と同様に評価した。結果をまとめて表1に示す。
Claims (9)
- 下記式(I)で表されるノルボルナンジカルボン酸と、
を極性溶媒中で反応させるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法であって、
前記ノルボルナンジカルボン酸化合物総量の60モル%以上が、下記式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸であることを特徴とする、エキソ体骨格を60モル%以上含有する下記一般式(IV)で表されるノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
- 前記一般式(II)で表されるジイソシアネート化合物が、下記一般式(V)で表されるジイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
- 前記一般式(II)で表されるジイソシアネート化合物が、下記一般式(VI)で表されるジイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
- 前記式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸を60モル%含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸が、(1)〜(2)工程を含む方法で得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
(1)工程:下記式(VII)で表されるノルボルナジエンと下記一般式(VIII)で表されるギ酸エステルとを、
ルテニウム化合物と、コバルト化合物と、ハロゲン化物塩と、塩基性化合物と、を含む触媒系の存在下で反応させて、下記一般式(IX)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸誘導体を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸誘導体とする。
(2)工程:前記一般式(IX)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸誘導体を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸誘導体のアルコキシカルボニル基を加水分解して、前記式(III)で表されるエキソ体ノルボルナンジカルボン酸を60モル%以上含むエキソ体/エンド体混合ノルボルナンジカルボン酸化合物を得る。 - 前記ルテニウム化合物が、分子内にカルボニル配位子とハロゲン配位子とを合わせ持つルテニウム錯体である請求項1〜4のいずれかに記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
- 前記ハロゲン化物塩が、四級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
- 前記塩基性化合物が三級アミンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
- 前記触媒系がさらにフェノール化合物を含む請求項1〜7のいずれかに記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
- 前記触媒系がさらに有機ハロゲン化合物を含む請求項1〜8のいずれかに記載のノルボルナン骨格含有ポリアミドの製造方法。
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