JP2011207749A - ゼオライト構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガス浄化性能及び強度に優れたゼオライト構造体を提供する。
【解決手段】流体の流路となる一方の端面11から他方の端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する隔壁1を有するハニカム形状のゼオライト基材4を備え、隔壁1が、金属イオンによりイオン交換されたゼオライトを含有し、横軸を細孔径とし縦軸をlog微分細孔容積としたときの隔壁の細孔径分布が、細孔径0.002〜0.05μmの範囲に第1の極大点を有するとともに、細孔径0.06〜10μmの範囲に第2の極大点を有する曲線で表され、第1の極大点における極大値である第1の極大値を、第2の極大点における極大値である第2の極大値で除した値が1.0〜20であるゼオライト構造体100。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゼオライト構造体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、排ガス浄化性能及び強度に優れたゼオライト構造体及びその製造方法に関する。
従来、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業用定置エンジン、燃焼機器等から排出される排ガスに含有されるNO等を浄化するためや、炭化水素等を吸着するために、コージェライト等からなるハニカム形状のセラミック担体(ハニカム構造体)に、イオン交換処理されたゼオライトが担持された、触媒体が使用されている。
上記コージェライト等から形成されたセラミック担体にゼオライトを担持させた場合、セラミック担体内の空間部分の一部が、ゼオライトによって占有された状態になるため、排ガスが通過するときの圧力損失が増大することになる。そして、セラミック担体を構成するコージェライト等は、NO浄化、炭化水素の吸着等の作用を示さないため、触媒体の触媒効果が一定(ゼオライトの量が一定)になるようにした場合には、触媒体におけるコージェライト等の体積比率が大きいほど、圧力損失が増大することになる。
これに対し、金属イオンによりイオン交換処理されたゼオライトを含む成形原料を成形、焼成することにより、ゼオライトにより形成されたハニカム構造体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
国際公開第2009/141874号パンフレット 国際公開第2009/141878号パンフレット
従来、金属イオンでイオン交換処理されたゼオライトを成形、焼成することにより形成されたハニカム形状のゼオライト構造体(ゼオライトにより形成されたハニカム構造体)は、浄化性能が高いものは強度が低く、強度が高いものは浄化性能が低いという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、排ガス浄化性能及び強度に優れたゼオライト構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、以下のゼオライト構造体及びその製造方法を提供する。
[1] 流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム形状のゼオライト基材を備え、前記隔壁が、金属イオンによりイオン交換されたゼオライトを含有し、横軸を細孔径とし縦軸をlog微分細孔容積としたときの隔壁の細孔径分布が、細孔径0.002〜0.05μmの範囲に第1の極大点を有するとともに、細孔径0.06〜10μmの範囲に第2の極大点を有する曲線で表され、前記第1の極大点における極大値である第1の極大値を、前記第2の極大点における極大値である第2の極大値で除した値が1.0〜20であるゼオライト構造体。
[2] 前記隔壁における、前記金属イオンによりイオン交換されたゼオライトの含有率が50〜80質量%である[1]に記載のゼオライト構造体。
[3] 前記ゼオライト基材の隔壁の気孔率が、20〜70%である[1]又は[2]に記載のゼオライト構造体。
[4] 前記ゼオライト基材のセル密度が、7〜155セル/cmである[1]〜[3]のいずれかに記載のゼオライト構造体。
[5] 前記ゼオライト基材の隔壁の厚さが、50μm〜2mmである[1]〜[4]のいずれかに記載のゼオライト構造体。
[6] 前記隔壁を形成するゼオライトが有する金属イオンが、鉄イオン、銅イオン及び銀イオンからなる群から選択される少なくとも一種である[1]〜[5]のいずれかに記載のゼオライト構造体。
[7] 金属イオンによりイオン交換された平均粒子径5〜20μmのゼオライト粉末と、平均粒子径0.1〜5μmの成形助剤とを、8.0:2.0〜5.0:5.0の質量比で含有する成形原料を押出成形して、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム形状の成形体を形成する工程と、前記ハニカム形状の成形体を焼成する工程と、を有するゼオライト構造体の製造方法。
本発明のゼオライト構造体は、ハニカム形状のゼオライト基材を備え、「横軸を細孔径(μm)とし縦軸をlog微分細孔容積(cm/g)とした、隔壁の細孔径分布」が、細孔径0.002〜0.05μmの範囲に第1の極大点を有するとともに、細孔径0.06〜10μmの範囲に第2の極大点を有する曲線で表され、第1の極大点における極大値である第1の極大値Aを、第2の極大点における極大値である第2の極大値Bで除した値(A/B)が1.0〜20であるため、強度が高く、浄化性能に優れたゼオライト構造体である。つまり、本発明のゼオライト構造体は、A/Bを1.0以上とすることにより、細孔径の大きな「ゼオライト粒子間に形成された細孔」の比率が大きくなり過ぎないようにして、ゼオライト構造体の強度を向上させている。そして、A/Bを20以下とすることにより、細孔径の大きな「ゼオライト粒子間に形成された細孔」の比率が小さくなり過ぎないようにして、隔壁内のガスの拡散を良好にしている(排ガス浄化率を向上させている。)。また、本発明のゼオライト構造体は、ゼオライトによりハニカム形状の構造体を形成しているため、排ガス中のNOや炭化水素の処理を効率的に行うことができる。
本発明のゼオライト構造体の製造方法は、金属イオンによりイオン交換された平均粒子径5〜20μmのゼオライト粉末と、平均粒子径0.1〜5μmの成形助剤とを、8.0:2.0〜5.0:5.0の質量比で含有する成形原料を押出成形して、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム形状の成形体を形成する工程と、前記ハニカム形状の成形体を焼成する工程と、を有するため、「ハニカム形状のゼオライト基材を備え、横軸を細孔径とし縦軸をlog微分細孔容積とした隔壁の細孔径分布が、細孔径0.001〜0.05μmの範囲に第1の極大点を有するとともに、細孔径0.05〜10μmの範囲に第2の極大点を有する曲線で表され、第1の極大点における第1の極大値Aを、第2の極大点における第2の極大値Bで除した値(A/B)が、1.0〜20である」ゼオライト構造体を得ることができる。
本発明のゼオライト構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明のゼオライト構造体の一の実施形態の中心軸に平行な断面を示す模式図である。 本発明のゼオライト構造体の一の実施形態における隔壁の細孔径分布を示すグラフである。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)ゼオライト構造体:
本発明のゼオライト構造体の一の実施形態は、図1、図2に示すように、流体の流路となる一方の端面11から他方の端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する隔壁1を有するハニカム形状のゼオライト基材4を備え、隔壁1が、金属イオンによりイオン交換されたゼオライトを含有し、横軸を細孔径とし縦軸をlog微分細孔容積とした隔壁の細孔径分布が、細孔径0.001〜0.05μmの範囲に第1の極大点を有するとともに、細孔径0.05〜10μmの範囲に第2の極大点を有する曲線で表され、第1の極大点における極大値である第1の極大値Aを、第2の極大点における極大値Bである第2の極大値で除した(除算した)値(A/B)が1.0〜20である。隔壁の細孔径分布は、横軸を細孔径(μm)とし、縦軸をlog微分細孔容積(cm/g)とした、「log微分細孔容積分布」(dV/d(log10D):Vは単位質量当りの細孔容積、Dは細孔径)として表されている。
ここで、隔壁1の細孔径分布は、水銀ポロシメーター(マイクロメリティックス社製、オートポアIV 型式9500)を用いて、水銀圧入法で測定したものである。極大値(第1の極大値、第2の極大値)は、測定した際の極大値を示す。そして、第1の極大値及び第2の極大値は、細孔径の10%の分解能でアウトプットされたlog微分細孔容積分布における極大値を示す。
ここで、「(ゼオライト基材の)隔壁の細孔」というときは、ゼオライト結晶粒子間に形成されている細孔(マクロ細孔)及び成形助剤間に形成されている細孔(メソ細孔)を意味し、ゼオライト結晶が結晶構造上有している細孔(ミクロ細孔)は含まれない。本実施形態のゼオライト構造体においては、図3に示されるように、隔壁の細孔径分布(log微分細孔容積分布)は、2つの「ピーク(山状の分布)」(第1のピークD1、第2のピークD2)を有する。そして、第1のピークD1におけるlog微分細孔容積(cm/g)の値が最大となる点(第1の極大点P1)の、当該log微分細孔容積が第1の極大値Aであり、第2のピークD2におけるlog微分細孔容積(cm/g)が最大となる点(第2の極大点P2)の、当該log微分細孔容積が第2の極大値Bである。図1は、本発明のゼオライト構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明のゼオライト構造体の一の実施形態の中心軸に平行な断面を示す模式図である。図3は、本発明のゼオライト構造体の一の実施形態における隔壁の細孔径分布を示すグラフである。図3においては、横軸を細孔径(μm)とし、縦軸を「log微分細孔容積(cm/g)」として、隔壁の細孔径分布(log微分細孔容積分布)を示している。
本実施形態のゼオライト構造体においては、隔壁の細孔径分布が2つのピーク(第1のピークD1及び第2のピークD2)を有することより、大きく分けて2種類の細孔が存在すると考えられる。この2種類の細孔は、それぞれの細孔径の範囲より、成形助剤が有する細孔、及びゼオライト粒子間に形成された細孔であると考えられる。そして、主として、「第1のピークD1」が、成形助剤が有する細孔に由来するものであり、「第2のピークD2」が、ゼオライト粒子間に形成された細孔に由来するものであると考えられる。これは、成形助剤が有する細孔の細孔径が、主として0.002〜0.05μmの範囲に存在し、ゼオライト粒子間に形成された細孔の細孔径が、主として0.06〜10μmの範囲に存在するからである。
本実施形態のゼオライト構造体においては、第1のピークD1における第1の極大値Aを、第2のピークD2における第2の極大値Bで除した値(A/B)が1.0〜20であり、5.0〜10が好ましい。A/Bが1.0より小さいと、ゼオライト構造体の強度が低下するため好ましくない。つまり、本発明のゼオライト構造体は、A/Bを1.0以上とすることにより、細孔径の大きな「ゼオライト粒子間に形成された細孔」の比率が大きくなり過ぎないようにして、ゼオライト構造体の強度を向上させている。そして、A/Bが20より大きいと、ゼオライト構造体の隔壁内においてガスが拡散し難くなり、排ガス浄化率が低下するため好ましくない。つまり、A/Bを20以下とすることにより、細孔径の大きな「ゼオライト粒子間に形成された細孔」の比率が小さくなり過ぎないようにして、隔壁内のガスの拡散を良好にしている(排ガス浄化率を向上させている。)。また、本発明のゼオライト構造体は、ゼオライトによりハニカム形状の構造体を形成しているため、排ガス中のNOや炭化水素の処理を効率的に行うことができる。
本実施形態のゼオライト構造体においては、隔壁1における「金属イオンによりイオン交換されたゼオライト」の含有率が50〜80質量%であることが好ましく、60〜70質量%であることが更に好ましい。「金属イオンによりイオン交換されたゼオライト」の含有率が50質量%より少ないと、排ガスを浄化する能力が低下することがある。「金属イオンによりイオン交換されたゼオライト」の含有率が80質量%より多いと、ゼオライト構造体の強度が低下することがある。
本実施形態のゼオライト構造体の隔壁1を構成する、「金属イオンによりイオン交換されたゼオライト」以外の成分としては、アルミナ、モンモリロナイト等を挙げることができる。
本実施形態のゼオライト構造体において、ゼオライト基材4の隔壁1を形成(構成)するゼオライトは、金属イオンによりイオン交換されたものであり、金属イオンを保有するものである。ゼオライトが有する金属イオンは、鉄イオン、銅イオン及び銀イオンからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。更に、NO浄化を目的とする場合には、金属イオンが、少なくとも鉄イオン及び銅イオンを含むことが好ましい。炭化水素の吸着を目的とする場合には、金属イオンが、少なくとも銀イオン及び銅イオンを含むことが好ましい。
本実施形態のゼオライト構造体100を構成するゼオライトの種類としては、ZSM−5、β−ゼオライト、ZSM−11、シャバサイト、フェリエライト等を挙げることができる。これらの中でも、良好な浄化性能ならびに良好な吸着性能を有することより、ZSM−5及びβ−ゼオライトが好ましい。
また、ゼオライト基材の隔壁の気孔率は、20〜70%であることが好ましく、40〜60%であることが更に好ましい。20%より小さいと、ガスが隔壁内に入り込み難くなり、浄化率が低下することがある。70%より大きいと、ゼオライト基材強度が低下することがある。隔壁の気孔率は、水銀ポロシメーターを用い、水銀圧入法によって測定した値である。
尚、上記隔壁の平均細孔径及び隔壁の気孔率は、ゼオライト結晶粒子間に形成されている細孔(マクロ細孔)及び成形助剤が有する細孔(メソ細孔)を対象とした気孔率であり、ゼオライト結晶に結晶構造上形成されている細孔(ミクロ細孔)は対象とされていない。ここで、ゼオライト結晶に結晶構造上形成されている細孔(ミクロ細孔)は、ゼオライトの種類に固有のものであり、例えば、ZSM−5の場合、酸素10員環の細孔を有し、細孔径が約5〜6Åである。また、β−ゼオライトの場合、酸素12員環の細孔を有し、細孔径が約5〜7.5Åである。
本実施形態のゼオライト構造体において、隔壁の厚さは、50μm〜2mmであることが好ましく、100μm〜1mmであることが更に好ましい。50μmより薄いと、ゼオライト構造体の強度が低下することがある。2mmより厚いと、ゼオライト構造体にガスが流通するときの圧力損失が大きくなることがある。
また、本実施形態のゼオライト構造体のセル密度は、特に制限されないが、7〜155セル/cmであることが好ましく、31〜93セル/cmであることが更に好ましい。155セル/cmより大きいと、ゼオライト成形体にガスが流通するときの圧力損失が大きくなることがある。7セル/cmより小さいと、排ガス浄化処理を行う面積が小さくなることがある。
本実施形態のゼオライト構造体100は、セル2の延びる方向に直交する断面における面積が、300〜200000mmであることが好ましい。300mmより小さいと、排ガスを処理することができる隔壁の面積が小さくなることがあるのに加えて、圧力損失が高くなることがある。200000mmより大きいと、ゼオライト構造体100の強度が低下することがある。
本実施形態のゼオライト構造体100を構成するゼオライト基材4のセル形状(ゼオライト構造体の中心軸方向(セルが延びる方向)に直交する断面におけるセル形状)としては、特に制限はなく、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形、円形、あるいはこれらの組合せを挙げることができる。
本実施形態のゼオライト構造体の全体の形状は特に限定されず、例えば、円筒形状、底面がオーバル形状の筒状、等所望の形状とすることができる。また、ゼオライト構造体の大きさは、例えば、円筒形状の場合、底面の直径が20〜500mmであることが好ましく、70〜300mmであることが更に好ましい。また、ゼオライト構造体の中心軸方向の長さは、10〜500mmであることが好ましく、30〜300mmであることが更に好ましい。
また、本実施形態のゼオライト構造体100は、図1に示すように、隔壁1全体の外周を取り囲むように配設された外周壁3を備えることが好ましい。外周壁3の材質は、必ずしも隔壁と同じ材質である必要は無いが、主として隔壁と同じ材料を含有するか、主として隔壁と同等の物性を有する材料を含有することが好ましい。更に、隔壁と外周壁とが同じ材料を含有するものであることが好ましい。これは、外周壁3の材質が耐熱性や熱膨張係数等の物性の観点で大きく異なると隔壁の破損等の問題が生じる場合があるからである。外周壁3は、押出成形により、隔壁と一体的に形成されたものであっても、成形後に外周部を所望形状に加工し、外周部にコーティングするものであっても良い。また、本実施形態のゼオライト構造体の最外周を構成する外周壁3の厚さは、10mm以下であることが好ましい。10mmより厚いと、排ガス浄化処理を行う面積が小さくなることがある。
本実施形態のゼオライト構造体100は、更に、ゼオライト基材4の隔壁に触媒が担持されていてもよい。担持される触媒としては、貴金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等を挙げることができる。触媒として、貴金属、アルカリ金属化合物、又はアルカリ土類金属化合物を担持した場合には、NO浄化率を向上させることができる。
(2)ゼオライト構造体の製造方法:
次に、本発明のゼオライト構造体の製造方法の一の実施形態について説明する。
本実施形態のゼオライト構造体の製造方法は、金属イオンによりイオン交換された平均粒子径5〜20μmのゼオライト粉末と、平均粒子径0.1〜5μmの成形助剤とを、8.0:2.0〜5.0:5.0の質量比で含有する成形原料を押出成形して、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム形状の成形体を形成する工程(成形工程)と、ハニカム形状の成形体を焼成する工程(焼成工程)と、を有するものである。
このように、本実施形態のゼオライト構造体の製造方法は、平均粒子径5〜20μmのゼオライト粉末と、平均粒子径0.1〜5μmの成形助剤とを、8.0:2.0〜5.0:5.0の比で含有する成形原料を押出成形して、ハニカム形状の成形体を形成するため、得られるゼオライト構造体が、「横軸を細孔径とし縦軸をlog微分細孔容積とした隔壁の細孔径分布が、細孔径0.001〜0.05μmの範囲に第1の極大点P1を有するとともに、細孔径0.05〜10μmの範囲に第2の極大点P2を有する曲線で表され、第1の極大点P1における第1の極大値Aを、第2の極大点P2における第2の極大値Bで除した値(A/B)が1.0〜20である」ゼオライト構造体となる。つまり、ゼオライト構造体の細孔径分布を、成形原料に含有される、ゼオライト粉末の平均粒子径、成形助剤の平均粒子径及び「ゼオライト粉末と成形助剤との比」によってコントロールすることができる。上記ハニカム形状の成形体は、図1、図2に示すゼオライト構造体100のような、流体の流路となる一方の端面11から他方の端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する隔壁1を有する形状である。
以下に、本実施形態のゼオライト構造体の製造方法について更に詳細に説明する。
(2−1)成形工程:
まず、金属イオンによりイオン交換された平均粒子径5〜20μmのゼオライト粉末と、平均粒子径0.1〜5μmの成形助剤とを含有する成形原料を押出成形して、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム形状の成形体を形成する。
ゼオライト粉末に、金属イオンでイオン交換する処理を施す方法としては、以下の方法を挙げることができる。イオン交換する金属イオンを含有するイオン交換用溶液(金属イオン含有溶液)を調製する。例えば、銀イオンでイオン交換する場合には、硝酸銀又は酢酸銀の水溶液を調製する。また、銅イオンでイオン交換する場合には、酢酸銅、硫酸銅又は硝酸銅の水溶液を調製する。また、鉄イオンでイオン交換する場合には、硫酸鉄又は酢酸鉄の水溶液を調製する。イオン交換用溶液の濃度は、0.05〜0.5(モル/リットル)が好ましい。そして、イオン交換用溶液にゼオライト粉末を浸漬する。浸漬時間は、イオン交換させたい金属イオンの量等によって適宜決定することができる。そして、イオン交換用溶液を、ゼオライト粉末を捕集することができる金属製又は樹脂製の網を用いて濾過することにより、ゼオライト粉末とイオン交換水とを分離する。そして、分離されたゼオライト粉末を乾燥し、その後に仮焼を行うことによりイオン交換したゼオライト粉末を得ることが好ましい。乾燥条件は、80〜150℃で、1〜10時間が好ましい。仮焼の条件は、400〜600℃で、1〜10時間が好ましい。
また、ゼオライト粉末(焼成したもの)に対して、金属イオンでイオン交換する処理であるイオン交換処理を複数回施し、「少なくとも1回の」イオン交換処理における金属イオンの種類が、「残りの」イオン交換処理における金属イオンの種類とは、異なる種類であることが好ましい。このように、複数回のイオン交換処理において、「少なくとも1回の」イオン交換処理における金属イオンの種類が、「残りの」イオン交換処理における金属イオンの種類とは、異なるものとすることにより、複数の金属イオンを有するゼオライト原料を得ることができる。
ゼオライト粉末が有する金属イオンは、鉄イオン、銅イオン及び銀イオンからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。更にNO浄化を目的とする場合には、金属イオンが、少なくとも鉄イオン及び銅イオンを含むことが好ましく、炭化水素の吸着を目的とする場合には、金属イオンが、少なくとも銀イオン及び銅イオンを含むことが好ましい。そのため、ゼオライト粉末を金属イオンによりイオン交換処理する際の金属イオンを、上記のような目的に合わせて、適宜選択することができる。
成形原料は、金属イオンによりイオン交換されたゼオライト粉末(以下、「イオン交換ゼオライト粉末」ということがある。)、成形助剤等を混合して作製する。
ゼオライト粉末(イオン交換される前のゼオライト粉末)の種類としては、ZSM−5の粉末、β−ゼオライトの粉末、ZSM−11の粉末、シャバサイトの粉末、フェリエライトの粉末等を挙げることができる。これらの中でも、良好な浄化性能ならびに良好な吸着性能を有することより、ZSM−5の粉末及びβ−ゼオライトの粉末が好ましい。ゼオライト粉末の平均粒子径は、5〜20μmであり、8〜15μmであることが好ましい。5μmより小さいと、ゼオライト粒子間に形成される細孔の細孔容積が小さくなるため、「A/B」が大きくなり、それにより、得られたゼオライト構造体の排ガス浄化効率が低下するため好ましくない。20μmより大きいと、ゼオライト粒子間に形成される細孔の細孔容積が大きくなるため、「A/B」が小さくなり、それにより、得られたゼオライト構造体の強度が低下するため好ましくない。尚、本実施形態のゼオライト構造体の製造方法の説明における上記「A/B」は、上記本発明のゼオライト構造体の説明における「A/B」と同じ意味である。
ゼオライト粉末の平均粒子径は、レーザー回折の方法で測定した値である。
成形助剤の平均粒子径は、0.1〜5μmであり、0.5〜2μmであることが好ましい。0.1μmより小さいと、ゼオライト粉末の粒子を覆う成形助剤が、緻密になり過ぎ、浄化性能が低下するため好ましくない。5μmより大きいと、ゼオライト粒子同士の結合が、粒径の大きな成形助剤によって妨げられるため、ゼオライト構造体の強度が低下するため好ましくない。成形助剤の平均粒子径は、レーザー回折の方法で測定した値である。
成形原料中のイオン交換ゼオライト粉末と成形助剤との質量比(イオン交換ゼオライト粉末:成形助剤)は、8.0:2.0〜5.0:5.0が好ましく、7.0:3.0〜6.0:4.0が更に好ましい。「8.0:2.0」よりイオン交換ゼオライト粉末の比の大きさが大きいと、ゼオライト粒子間に形成される細孔の細孔容積が大きくなるため、「A/B」が小さくなり、それにより、得られたゼオライト構造体の強度が低下するため好ましくない。「5.0:5.0」よりイオン交換ゼオライト粉末の比の大きさが小さいと、ゼオライト粒子間に形成される細孔の細孔容積が小さくなるため、「A/B」が大きくなり、それにより、得られたゼオライト構造体の排ガス浄化効率が低下するため好ましくない。
成形原料中の成形助剤としては、具体的には、アルミナゾル、モンモリナイト、ベーマイト等を挙げることができる。
成形原料中の水の含有量は、イオン交換ゼオライト粉末100質量部に対して、30〜70質量部が好ましい。
イオン交換ゼオライト粉末、成形助剤等の混合方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、レディゲミキサー等の混合機を用いる方法が好ましい。
次に、成形原料を混練して柱状の成形体を形成する。成形原料を混練して柱状の成形体を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、柱状の成形体を押出成形して、図1に示すゼオライト構造体100のようなハニカム形状の、成形体を形成する。ハニカム形状の成形体は、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるものである。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金を用いることが好ましい。口金の材質としては、摩耗し難い金属が好ましい。
(2−2)焼成工程:
次に、得られたハニカム形状の成形体を焼成するが、得られたハニカム形状の成形体について焼成する前に、乾燥を行うことが好ましい(乾燥工程)。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。
また、ハニカム形状の成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム形状の成形体を仮焼することが好ましい(仮焼工程)。仮焼は、脱脂のために行うものであり、その方法は、特に限定されるものではなく、有機物(アルミナゾル中の有機物等)を除去することができればよい。仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
次に、ハニカム形状の成形体を焼成して、ゼオライト構造体を得る(焼成工程)。焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。焼成条件は、大気雰囲気において、500〜900℃で、1〜10時間加熱することが好ましい。
尚、焼成によって、成形原料中の成形助剤(アルミナゾル、ベーマイト)は、アルミナとなる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ゼオライト粉末として、SiO/Ai(モル比)が60であり、銅イオンによりイオン交換されたZSM−5を用いた。ゼオライト粉末の平均粒子径は、15μmであった。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分析計を用いて測定した値である。ゼオライト粉末に、成形助剤として平均粒子径2μmのベーマイトを加え、更に水を加えて混合し、流動性のある混合物(成形原料)を得た。混合物(成形原料)中のゼオライト粉末と成形助剤(ベーマイト)との質量比(ゼオライト粉末:成形助剤)は、「8.0:2.0」とした。また、混合物中の水の含有量は、ゼオライト粉末100質量部に対して、55質量部であった。そして、混合物を真空土練機により混練して円柱状の成形体を形成し、得られた円柱状の成形体を押出成形することにより、ハニカム形状の成形体を得た。
次に、得られたハニカム形状の成形体を乾燥し、その後脱脂を行い、その後焼成して、ハニカム形状のゼオライト構造体を得た(実施例1)。乾燥条件は、40℃で8時間乾燥させた後、更に120℃で48時間乾燥させる条件とした。脱脂の条件は、450℃で5時間とした。焼成の条件は、650℃で5時間とした。そして、得られた、ハニカム形状のゼオライト構造体の形状は、底面が一辺30mmの正方形であり、中心軸方向の長さが150mmの四角柱であった。また、ハニカム形状のゼオライト構造体の、隔壁厚さは0.3mmであり、セル密度は47セル/cmであった。
得られたゼオライト構造体について、以下の方法で、「気孔率(%)」、「ゼオライト含有量(g/リットル)」、「A/B」、「A軸圧縮強度」及び「NO浄化率(%)」を測定した。結果を表1に示す。表1において、「ゼオライト粒径(μm)」の欄は、原料として用いたゼオライト粒子の平均粒子径を示す。「助剤粒径(μm)」の欄は、原料として用いた成形助剤の平均粒子径を示す。「ZE:助剤質量比」の欄は、混合物(成形原料)中のゼオライト粉末と成形助剤との質量比(ゼオライト粉末:成形助剤)を示す。尚、「ZE」はゼオライト粉末を意味し、「助剤」は成形助剤を意味する。「ゼオライト種類」の欄は、ゼオライト粉末を構成するゼオライトの種類を意味する。「SiO/Al比」の欄は、ゼオライト粉末における、Alに対するSiOのモル比を意味する。「セル構造」における「セル密度」の欄は、得られたゼオライト構造体のセル密度を意味する。「セル構造」における「壁厚」の欄は、得られたゼオライト構造体の隔壁の厚さを意味する。
(気孔率)
ゼオライト構造体の隔壁の気孔率(%)を、水銀ポロシメータ(マイクロメリティックス社製 オートポアIV 型式9500)を用いて水銀圧入法によって測定する。
(ゼオライト含有量)
得られたゼオライト構造体の質量に、「成形原料(水を除く)中のゼオライト含有率(質量%)」を乗じて(掛け算して)、ゼオライト構造体の体積で除した値を、ゼオライト含有量(g/L)とする。「L」は、「リットル」を示す。
(A/B)
ゼオライト構造体の隔壁の細孔径分布を、水銀ポロシメーター(マイクロメリティックス社製 オートポアIV 型式9500)を用い、水銀圧入法によって測定し、細孔径0.002〜0.05μmの範囲に第1の極大点を有するとともに、細孔径0.06〜10μmの範囲に第2の極大点を有するか否かを確認する。そして上記それぞれの範囲に第1の極大点と第2の極大点を有する場合には、第1の極大点における第1の極大値Aを、第2の極大点における第2の極大値Bで除して「A/B」を算出する。尚、実施例及び比較例の全てにおいて、ゼオライト構造体の隔壁の細孔径分布が、細孔径0.002〜0.05μmの範囲に第1の極大値を有するとともに、細孔径0.06〜10μmの範囲に第2の極大値を有するものであった。
(A軸圧縮強度)
A軸圧縮強度とは、社団法人自動車技術会発行の自動車規格であるJASO規格M505−87に規定されている圧縮強度を指す。具体的には、ゼオライト構造体の横断面(端面)に対して、垂直方向(中心軸方向)に圧縮荷重を負荷したときの破壊強度であり、ゼオライト構造体が破壊される圧力を「A軸圧縮強度」とする。
(NO浄化性能)
ゼオライト構造体に試験用ガスを流し、ゼオライト構造体から排出された排出ガスのNO量をガス分析計で分析する。ゼオライト構造体に流入させる試験用ガスの温度を200℃とする。試験に用いるゼオライト構造体としては、底面の直径が2.54cm、中心軸方向長さが5.08cmの円筒状に切り出したものを用いる。ゼオライト構造体及び試験用ガスは、ヒーターにより温度調整することができるようにする。ヒーターとしては、赤外線イメージ炉を用いる。試験用ガスは、窒素に、二酸化炭素5体積%、酸素14体積%、一酸化窒素350ppm(体積基準)、アンモニア350ppm(体積基準)及び水10体積%が混合されたガスとする。尚、試験用ガスは、水と、その他のガスを混合した混合ガスと、を別々に準備しておき、試験を行う際に、配管中で、これらを混合させて得ることとする。ガス分析計としては、「HORIBA社製、MEXA9100EGR」を用いる。また、試験用ガスが、ゼオライト構造体に流入するときの空間速度は、50000(時間−1)とする。表1には、NOの浄化率(NO浄化率)(%)を示す。NO浄化率は、試験用ガスのNO量から、ゼオライト構造体からの排出ガスのNO量を差し引いた値を、試験用ガスのNO量で除算し、100倍した値である。
Figure 2011207749
(実施例2〜10、比較例1,2)
「ゼオライト粒径(μm)」、「ZE:助剤質量比」、「ゼオライト種類」、「SiO/Al比」、並びに「セル構造」の「セル密度」及び「壁厚」を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてゼオライト構造体を作製した。実施例1の場合と同様にして、「気孔率(%)」、「ゼオライト含有量(g/リットル)」、「A/B」、「A軸圧縮強度」及び「NO浄化率(%)」を測定した。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜10のゼオライト構造体は、「A/B」が1.0〜20であるため、A軸圧縮強度及びNO浄化性能に優れていることがわかる。これに対し、比較例1のゼオライト構造体は、「A/B」が1.0未満であるため、A軸圧縮強度に劣ることがわかる。また、比較例2のゼオライト構造体は、「A/B」が20を超えるため、NO浄化率(%)に劣ることがわかる。
本発明のゼオライト構造体は、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業用定置エンジン、燃焼機器等から排出される排ガスに含有されるNO等を浄化するために好適に利用することができる。
1:隔壁、2:セル、3:外周壁、4:ゼオライト基材、11:一方の端面、12:他方の端面、A:第1の極大値、B:第2の極大値、D1:第1のピーク、D2:第2のピーク、P1:第1の極大点、P2:第2の極大点、100:ゼオライト構造体。

Claims (7)

  1. 流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム形状のゼオライト基材を備え、
    前記隔壁が、金属イオンによりイオン交換されたゼオライトを含有し、
    横軸を細孔径とし縦軸をlog微分細孔容積としたときの隔壁の細孔径分布が、細孔径0.002〜0.05μmの範囲に第1の極大点を有するとともに、細孔径0.06〜10μmの範囲に第2の極大点を有する曲線で表され、
    前記第1の極大点における極大値である第1の極大値を、前記第2の極大点における極大値である第2の極大値で除した値が1.0〜20であるゼオライト構造体。
  2. 前記隔壁における、前記金属イオンによりイオン交換されたゼオライトの含有率が50〜80質量%である請求項1に記載のゼオライト構造体。
  3. 前記ゼオライト基材の隔壁の気孔率が、20〜70%である請求項1又は2に記載のゼオライト構造体。
  4. 前記ゼオライト基材のセル密度が、7〜155セル/cmである請求項1〜3のいずれかに記載のゼオライト構造体。
  5. 前記ゼオライト基材の隔壁の厚さが、50μm〜2mmである請求項1〜4のいずれかに記載のゼオライト構造体。
  6. 前記隔壁を形成するゼオライトが有する金属イオンが、鉄イオン、銅イオン及び銀イオンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜5のいずれかに記載のゼオライト構造体。
  7. 金属イオンによりイオン交換された平均粒子径5〜20μmのゼオライト粉末と、平均粒子径0.1〜5μmの成形助剤とを、8.0:2.0〜5.0:5.0の質量比で含有する成形原料を押出成形して、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム形状の成形体を形成する工程と、
    前記ハニカム形状の成形体を焼成する工程と、を有するゼオライト構造体の製造方法。
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