WO2017164111A1 - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体を備えたハニカム構造体であって、上記ハニカム焼成体は、Cu含有β型ゼオライトと無機バインダとを含む押出成形体からなり、上記ハニカム構造体に対して25~1000℃の範囲でH-TPR測定を行うことによりCuの状態を分析した場合、最大ピークが800℃以上に存在することを特徴とする。

Description

ハニカム構造体
本発明は、ハニカム構造体に関する。
ガソリンエンジン等から排出される排ガス中に含まれる炭化水素(HC)は、通常、白金等の貴金属からなる三元触媒が担持されたハニカム構造体を用いて酸化することによって浄化される。HCを浄化するためには三元触媒が200℃程度まで昇温される必要があり、それ以下の温度ではHCが充分に浄化されない。そのため、エンジン始動直後のように排ガス温度が低い温度では、HCの排出量が多いにも関わらず、HCが浄化されずに排出されてしまう。特に、将来的に燃費の向上が進むと、排ガス温度は低くなる傾向にあるため、HCの浄化率が低下しやすくなると考えられる。
そこで、特許文献1のように、三元触媒が活性化する温度に達するまでの低温領域ではHCを吸着し、高温になったときに吸着したHCを放出することによって、HCの浄化率を向上させる技術が開示されている。例えば、特許文献1では、HC吸着材として、Feを含むβ型ゼオライトが用いられている。
特許文献2には、FeやNi等の金属を含有するゼオライトの製造方法として、ゼオライトに対してスチーミング及び鉱酸によって脱アルミニウム処理を行った後、得られたゼオライトスラリーに金属塩水溶液処理及びpHを上昇させる処理を施す方法が開示されている。
また、HCを吸着させるためではなく、還元剤の存在下に窒素酸化物(NOx)を分解させるための固体触媒の製造方法として、特許文献3には、金属を含有するゼオライトを、アルミナを含む無機バインダ及び無機繊維とともにハニカム状に成形することによりハニカム構造体を製造する方法が開示されている。
特開平10-192699号公報 特開平5-178611号公報 特開2012-183541号公報
HCの吸着を目的とするハニカム構造体においては、HCの吸着量及びHCの放出温度が重要である。すなわち、HCを多量に吸着すること、及び、三元触媒が活性化する温度までHCを吸着することが重要であり、このような特性を有するハニカム構造体が求められている。
また、ハニカム構造体の使用時には、水分の吸着/脱離による体積の収縮/膨張に起因してハニカム構造体が破損することがあり、このようなハニカム構造体の破損を抑えることも求められている。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、HCの吸着性能に優れ、かつ、使用時に破損が生じ難いハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体を備えたハニカム構造体であって、上記ハニカム焼成体は、Cu含有β型ゼオライトと無機バインダとを含む押出成形体からなり、上記ハニカム構造体に対して25~1000℃の範囲でH-TPR測定を行うことによりCuの状態を分析した場合、最大ピークが800℃以上に存在することを特徴とする。
水素-昇温還元(H-TPR)測定による最大ピークが800℃以上に存在する本発明のハニカム構造体は、HCの吸着性能に優れていることが確認された。
ハニカム構造体に対してH-TPR測定を行うことにより、ハニカム構造体に含まれるCuの状態、具体的には、β型ゼオライトに担持されているCuの状態を分析することができる。800℃以上に存在するピークは、イオン交換されずにβ型ゼオライトの表面に析出しているCuOに由来するピーク、及び、β型ゼオライト中にイオン交換されているCuイオンに由来するピークのいずれとも異なるものである。
β型ゼオライトは、水蒸気雰囲気中で高温に加熱されると、ゼオライト骨格からアルミニウム(Al)が抜ける「脱アルミニウム」が起こることが知られている。上記800℃以上に存在するピークは、β型ゼオライトから抜けたAlがCuと形成する化合物に由来するピークではないかと推測される。つまり、本発明のハニカム構造体においては、β型ゼオライトに担持されているCuの状態が従来のハニカム構造体から変化しており、その結果、β型ゼオライトがHCを吸着しやすい構造となっているため、HCの吸着性能が向上すると考えられる。
また、本発明のハニカム構造体は、使用時に破損が生じ難いことも確認された。
β型ゼオライトを構成するAlには水分が吸着しやすい。Alに水分が吸着すると、β型ゼオライトの骨格構造に歪みが生じるため、β型ゼオライトの体積が変化する。本発明のハニカム構造体では、β型ゼオライトからAlが抜けていると考えられるため、β型ゼオライトに水分が吸着しにくくなり、水分の吸着/脱離による体積の収縮/膨張が抑制されると推測される。その結果、使用時に生じるハニカム構造体の破損が抑制されると考えられる。
本発明のハニカム構造体において、上記ハニカム焼成体に含まれるβ型ゼオライトのSiO/Alモル比は、200~500であることが望ましい。
Cu含有β型ゼオライトのSiO/Alモル比が上記範囲にある場合、HCの吸着性能が向上する効果、及び、水分の吸着/脱離による体積の収縮/膨張が抑制される効果が充分に得られる。
本発明のハニカム構造体は、上記β型ゼオライトに対してCuを1~7重量%含むことが望ましい。
ハニカム構造体に含まれるCuの量が上記範囲にある場合、HCの吸着性能が向上する効果、及び、水分の吸着/脱離による体積の収縮/膨張が抑制される効果が充分に得られる。
本発明のハニカム構造体において、上記ハニカム焼成体は、無機繊維をさらに含むことが望ましい。この場合、ハニカム構造体の強度を向上させることができる。
本発明のハニカム構造体においては、上記隔壁の表面に三元触媒が担持されていることが望ましい。三元触媒によってHCを浄化することができる。
図1は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明のハニカム構造体の別の一例を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2に示すハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。 図4は、H-TPR測定によるCuの状態分析の結果を示すグラフである。 図5は、温度と炭化水素の放出量との関係を示すグラフである。 図6は、吸水率と吸水変位量との関係を示すグラフである。
(発明の詳細な説明)
[ハニカム構造体]
まず、本発明のハニカム構造体について説明する。
本発明のハニカム構造体は、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体を備えている。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体は、Cu含有β型ゼオライトと無機バインダとを含む押出成形体からなる。後述するように、ハニカム焼成体は、Cu源とβ型ゼオライトと無機バインダとを含む原料ペーストを押出成形した後、焼成することにより作製されている。
本発明のハニカム構造体は、単一のハニカム焼成体を備えていてもよいし、接着層を介して接着された複数個のハニカム焼成体を備えていてもよい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の外周面には、外周コート層が形成されていることが望ましい。
図1は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すハニカム構造体10は、複数の貫通孔11aが隔壁11bを隔てて長手方向に並設された単一のハニカム焼成体11を備えている。ハニカム焼成体11は、Cu含有β型ゼオライトと無機バインダとを含む押出成形体からなる。さらに、ハニカム焼成体11の外周面には、外周コート層12が形成されている。
図2は、本発明のハニカム構造体の別の一例を模式的に示す斜視図である。
図3は、図2に示すハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図である。
図2に示すハニカム構造体20は、複数の貫通孔21aが隔壁21bを隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体21(図3参照)が接着層23を介して複数個接着されている以外は、図1に示すハニカム構造体10と同一の構成を有する。さらに、ハニカム焼成体21の外周面には、外周コート層22が形成されている。
なお、ハニカム構造体10及び20においては、それぞれ外周コート層12及び22が形成されていなくてもよい。
本発明のハニカム構造体においては、25~1000℃の範囲で水素-昇温還元(H-TPR)測定を行うことによりCuの状態を分析した場合、最大ピークが800℃以上に存在することを特徴とする。
ハニカム構造体に対してH-TPR測定を行うことにより、ハニカム構造体に含まれるCuの状態、具体的には、β型ゼオライトに担持されているCuの状態を分析することができる。800℃以上に存在するピークは、イオン交換されずにβ型ゼオライトの表面に析出しているCuOに由来するピーク、及び、β型ゼオライト中にイオン交換されているCuイオンに由来するピークのいずれとも異なるものであり、β型ゼオライトから抜けたAlがCuと形成する化合物に由来するピークではないかと推測される。つまり、本発明のハニカム構造体においては、β型ゼオライトに担持されているCuの状態が従来のハニカム構造体から変化していると考えられる。
なお、H-TPR測定は、以下の方法により行うことができる。
触媒分析装置(マイクロトラック・ベル製:BELCAT-A)を用いて、前処理として、ハニカム構造体又はハニカム焼成体をHeガス雰囲気中で210℃、2時間保持した後、50℃まで冷却し、H:4.95体積%(残りはAr)雰囲気中で10℃/分の速度で1000℃まで昇温する。その際、ハニカム構造体又はハニカム焼成体から流出するガス量の変化を熱伝導度型検出器(Thermal Conductivity Detector:TCD)で測定し、プロットする。
本発明のハニカム構造体において、上記最大ピークは、900℃以上に存在することが望ましく、950℃以上に存在することがより望ましい。
本発明のハニカム構造体は、β型ゼオライトに対してCuを1~7重量%含むことが望ましく、2~4重量%含むことがより望ましい。
ハニカム構造中のCuの含有量は、蛍光X線分析(XRF)により測定することができる。また、ハニカム構造中のCuの含有量は、原料ペーストに含まれるCu源の量から求めることもできる。
本発明のハニカム構造体において、原料ペーストに含まれるβ型ゼオライトのSiO/Alモル比は、10~150であることが望ましく、20~100であることがより望ましく、30~70であることがさらに望ましい。
β型ゼオライト原料のSiO/Alモル比は、蛍光X線分析(XRF)により測定することができる。ハニカム構造体にバインダなどのAl分が含まれる場合、β型ゼオライトのSiO/Alモル比は、29Si-NMRにより測定することができる。
なお、Cu源及びβ型ゼオライトとして、Cuイオンによりイオン交換されたβ型ゼオライトを用いる場合、上記SiO/Alモル比は、Cuイオンによりイオン交換される前のβ型ゼオライトのSiO/Alモル比を意味する。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体に含まれるβ型ゼオライトのSiO/Alモル比は、10~800であることが望ましく、200~500であることがより望ましい。
本発明のハニカム構造体において、原料ペーストに含まれるβ型ゼオライトの平均粒子径は、0.1~10μmであることが望ましく、0.5~5μmであることがより望ましい。
β型ゼオライトの平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(セイシン企業製:レーザーマイクロンサイザー LMS-30)を用いて測定した一次粒子の平均粒子径である。
本発明のハニカム構造体において、原料ペーストに含まれるβ型ゼオライトの量は、25~60重量%であることが望ましく、30~50重量%であることがより望ましい。
本発明のハニカム構造体において、原料ペーストに含まれる無機バインダとしては、特に限定されないが、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト、ベーマイト等に含まれる固形分が挙げられ、二種以上併用してもよい。
本発明のハニカム構造体において、原料ペーストに含まれる無機バインダの量は、5~20重量%であることが望ましく、7~15重量%であることがより望ましい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体は、無機繊維をさらに含むことが望ましい。すなわち、上記原料ペーストは、無機繊維をさらに含むことが望ましい。
無機繊維を構成する材料としては、特に限定されないが、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
無機繊維のアスペクト比は、2~300であることが望ましく、5~200であることがより望ましく、10~100であることがさらに望ましい。
本発明のハニカム構造体において、原料ペーストに含まれる無機繊維の量は、2~15重量%であることが望ましく、5~10重量%であることがより望ましい。
本発明のハニカム構造体の形状としては、円柱状に限定されず、角柱状、楕円柱状、長円柱状、丸面取りされている角柱状(例えば、丸面取りされている三角柱状)等が挙げられる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の貫通孔の形状としては、四角柱状に限定されず、三角柱状、六角柱状等が挙げられる。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の貫通孔の密度は、31~155個/cmであることが望ましい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の隔壁の厚さは、0.10~0.50mmであることが望ましく、0.20~0.40mmであることがより望ましい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の外周面に外周コート層が形成されている場合、外周コート層の厚さは、0.1~2.0mmであることが望ましい。
本発明のハニカム構造体においては、上記隔壁の表面に三元触媒が担持されていることが望ましい。
三元触媒とは、主に炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)を浄化する触媒をいう。三元触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が挙げられる。また、これらの貴金属をアルミナ等の耐熱性無機酸化物からなる担体に担持させたものを三元触媒として用いることもできる。
本発明のハニカム構造体において、三元触媒の担持量は、0.1~15g/Lであることが望ましく、1~10g/Lであることがより望ましい。
本明細書において、三元触媒の担持量とは、ハニカム構造体の見掛けの体積当たりの三元触媒の重量をいう。なお、ハニカム構造体の見掛けの体積は、空隙の体積を含む体積であり、外周コート層及び/又は接着層の体積を含むこととする。
[ハニカム構造体の製造方法]
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法の一例について説明する。
(成形工程)
まず、Cu源とβ型ゼオライトと無機バインダとを含む原料ペーストを成形することにより、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を作製する成形工程を行う。具体的には、Cu源とβ型ゼオライトと無機バインダとを含み、必要に応じて、無機繊維等をさらに含む原料ペーストを用いて押出成形することにより、ハニカム成形体を作製する。
原料ペーストに含まれるβ型ゼオライト、無機バインダ、無機繊維等については既に説明したとおりであるため、その詳細な説明は省略する。
上記Cu源は、Cu化合物であることが望ましい。この場合、原料ペーストは、Cu化合物とβ型ゼオライトと無機バインダとを含む。
Cu化合物としては、酸化銅、硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅等が挙げられる。これらの中では、酸化銅が望ましい。
Cu源がCu化合物である場合、原料ペーストに含まれるCu化合物の量は、Cu換算で、β型ゼオライトに対して1~7重量%であることが望ましく、2~4重量%であることがより望ましい。
また、上記Cu源は、Cuイオンであり、Cu源及びβ型ゼオライトとして、Cuイオンによりイオン交換されたβ型ゼオライトを用いてもよい。この場合、原料ペーストは、Cuイオンによりイオン交換されたβ型ゼオライトと無機バインダとを含む。
Cu源がCuイオンである場合、β型ゼオライトのCuイオンによりイオン交換されている量は、1~7重量%であることが望ましく、2~4重量%であることがより望ましい。
上記原料ペーストは、必要に応じて、有機バインダ、分散媒、成形助剤等をさらに含んでいてもよい。
有機バインダとしては、特に限定されないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
分散媒としては、特に限定されないが、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
成形助剤としては、特に限定されないが、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
原料ペーストを調製する際には、混合混練することが望ましく、ミキサー、アトライタ等を用いて混合してもよく、ニーダー等を用いて混練してもよい。
次に、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等の乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥してハニカム乾燥体を作製することが望ましい。
本明細書においては、焼成工程を行う前のハニカム成形体及びハニカム乾燥体をまとめてハニカム成形体とも呼ぶ。
(焼成工程)
次に、ハニカム成形体を焼成することにより、ハニカム焼成体を作製する焼成工程を行う。なお、この工程は、ハニカム成形体の脱脂及び焼成が行われるため、「脱脂・焼成工程」ということもできるが、便宜上「焼成工程」という。
焼成工程の温度は、600~1000℃であることが望ましく、600~800℃であることがより望ましい。また、焼成工程の時間は、1~10時間であることが望ましく、1.5~5時間であることがより望ましい。焼成工程の雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が1~10体積%であることが望ましい。
(ハニカム焼成体水熱処理工程)
続いて、ハニカム焼成体を水熱処理するハニカム焼成体水熱処理工程を行う。
本明細書において、水熱処理とは、水蒸気を含むガスを貫通孔内に流通させ、高温で加熱する処理をいう。
水熱処理の条件は特に限定されないが、例えば、温度:800~1000℃、時間:1~24時間、雰囲気:水蒸気濃度1~20体積%で水熱処理を行うことが望ましい。
以上の工程により、本発明のハニカム構造体を製造することができる。
上記の方法では、焼成工程の後のハニカム焼成体水熱処理工程において水熱処理が行われているが、水熱処理は、成形工程の前に、Cu源及びβ型ゼオライトを水熱処理する原料水熱処理工程において行われてもよいし、焼成工程において、ハニカム成形体の焼成と同時に行われてもよい。ただし、原料水熱処理工程での水熱処理とは、対象物と水(水蒸気の場合を含む)を圧力容器内に封入し、高温高圧下で加熱する処理をいう。
本発明のハニカム構造体において、隔壁の表面に三元触媒が担持されている場合、隔壁の表面に三元触媒を担持する方法としては、例えば、三元触媒を含むスラリーにハニカム焼成体又はハニカム構造体を浸漬した後、引き上げて加熱する方法等が挙げられる。
ハニカム構造体が外周コート層を備える場合、外周コート層を形成する前のハニカム焼成体の隔壁の表面に三元触媒を担持してもよいし、外周コート層を形成した後のハニカム焼成体又はハニカム構造体の隔壁の表面に三元触媒を担持してもよい。また、ハニカム構造体が接着層を備える場合、接着層を形成する前のハニカム焼成体の隔壁の表面に三元触媒を担持してもよいし、接着層を形成した後のハニカム焼成体又はハニカム構造体の隔壁の表面に三元触媒を担持してもよい。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム焼成体の外周面に外周コート層が形成されている場合、外周コート層は、ハニカム焼成体の両端面を除く外周面に外周コート層用ペーストを塗布した後、乾燥固化することにより形成することができる。
本発明のハニカム構造体において、複数個のハニカム焼成体が接着層を介して接着されている場合、当該ハニカム構造体は、複数個のハニカム焼成体の両端面を除く外周面に接着層用ペーストを塗布して、接着させた後、乾燥固化することにより作製することができる。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
[評価用サンプルの作製]
(実施例1)
Cu源としてCuO(平均粒子径:2μm)を1重量部、β型ゼオライト(SiO/Alモル比:40、平均粒子径:2μm)を40重量部、無機バインダとしてベーマイトを10.5重量部、平均繊維径が3μm、平均繊維長が120μmのアルミナ繊維を7.5重量部、有機バインダとしてメチルセルロースを5重量部、成形助剤としてオレイン酸を5重量部及びイオン交換水を31重量部混合混練して、原料ペーストを作製した。
押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形して、正四角柱状のハニカム成形体を作製した。そして、減圧マイクロ波乾燥機を用いて、ハニカム成形体を出力40kW、減圧6.7kPaで17分間乾燥させた後、700℃で3時間40分脱脂・焼成することにより、ハニカム焼成体を作製した。ハニカム焼成体は、一辺が33mm、長さが43mmの正四角柱状であり、貫通孔の密度が62個/cm、隔壁の厚さが0.36mmであった。
得られたハニカム焼成体を、水蒸気濃度10体積%、850℃、10時間の条件で水熱処理を行った。水熱処理後のハニカム焼成体において、β型ゼオライトのSiO/Alモル比は250であった。β型ゼオライトのSiO/Alモル比は29Si-NMRにより測定した。以上により、実施例1の評価用サンプルを得た。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同様の条件でハニカム焼成体を作製し、水熱処理を行わなかった。以上により、比較例1の評価用サンプルを得た。
(比較例2)
比較例2では、以下のように、Cu源を含まない原料ペーストを用いてハニカム焼成体を作製し、また、ハニカム焼成体の水熱処理を行わなかった。
β型ゼオライト(SiO/Alモル比:40、平均粒子径:2μm)を40重量部、無機バインダとしてベーマイトを10.5重量部、平均繊維径が3μm、平均繊維長が120μmのアルミナ繊維を7.5重量部、有機バインダとしてメチルセルロースを5重量部、成形助剤としてオレイン酸を5重量部及びイオン交換水を32重量部混合混練して、原料ペーストを作製した。
押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形して、正四角柱状のハニカム成形体を作製した。そして、減圧マイクロ波乾燥機を用いて、ハニカム成形体を出力40kW、減圧6.7kPaで17分間乾燥させた後、700℃で3時間40分脱脂・焼成することにより、ハニカム焼成体を作製した。ハニカム焼成体は、一辺が33mm、長さが43mmの正四角柱状であり、貫通孔の密度が62個/cm、隔壁の厚さが0.36mmであった。以上により、比較例2の評価用サンプルを得た。
[H-TPR測定によるCuの状態分析]
触媒分析装置(マイクロトラック・ベル製:BELCAT-A)を用いて、前処理として、実施例1及び比較例1の評価用サンプルをHeガス雰囲気中で210℃、2時間保持した後、50℃まで冷却し、H:4.95体積%(残りはAr)雰囲気中で10℃/分の速度で1000℃まで昇温した。その際、評価用サンプルから流出するガス量の変化を熱伝導度型検出器(Thermal Conductivity Detector:TCD)で測定し、プロットした。
図4は、H-TPR測定によるCuの状態分析の結果を示すグラフである。
図4より、比較例1では、200℃付近及び400℃付近に大きなピークが存在することが確認された。これらのピークは、それぞれ、イオン交換されずにβ型ゼオライトの表面に析出しているCuOに由来するピーク、及び、β型ゼオライト中にイオン交換されているCuイオンに由来するピークと考えられる。
一方、実施例1では、800℃以上(1000℃付近)に最大ピークが存在することが確認された。
以上の結果から、Cu源を含む原料ペーストを用いてハニカム焼成体を作製し、かつ、ハニカム焼成体の水熱処理を行うことにより、β型ゼオライトに担持されているCuの状態が変化し、具体的には、β型ゼオライトからAlが抜け、そのAlがCuと化合物を形成したのではないかと推測される。
[炭化水素の放出量の測定]
前処理として、実施例1、比較例1及び比較例2の評価用サンプルをNガス雰囲気中で450℃、30分間保持した後、COを0.3体積%含むNガス雰囲気中で450℃、2分間保持した。前処理後の評価用サンプルに対し、プロピレンを1125ppmC、プロパンを375ppmC、COを0.2体積%、HOを10体積%、Oを20体積%含み、残部がNであるガスを30℃で30秒間流通させることにより、炭化水素(HC)であるプロピレン及びプロパンを吸着させた。その後、HOを10体積%含み、残部がNであるガスに切り替え、60℃/分の速度で450℃まで昇温した。その際、評価用サンプルから流出するガスの全炭化水素(THC)を測定し、その値を評価用サンプルからの炭化水素の放出量とした。
図5は、温度と炭化水素の放出量との関係を示すグラフである。
図5より、比較例1では、比較例2に比べて高温側で炭化水素が放出されるものの、炭化水素の放出量は少ないことが確認された。また、実施例1では、比較例1ほどではないが比較例2に比べて高温側で炭化水素が放出されること、及び、比較例1及び比較例2に比べて炭化水素の放出量が多いことが確認された。
以上の結果から、Cu源を含む原料ペーストを用いてハニカム焼成体を作製し、かつ、ハニカム焼成体の水熱処理を行うことにより、炭化水素の吸着性能に優れたハニカム構造体を製造することができると考えられる。
[吸水変位量の測定]
実施例1及び比較例2の評価用サンプルを水に浸漬し、吸水率を所定の値としたときの体積変化率[%]を求め、その値を吸水変位量とした。吸水率は、電子天秤(A&D製 HR202i)を用いて、絶乾時の重量と吸水時の重量とを測定することにより算出した。
図6は、吸水率と吸水変位量との関係を示すグラフである。
図6より、実施例1では、比較例2に比べて吸水変位量が小さいことが確認された。この結果から、Cu源を含む原料ペーストを用いてハニカム焼成体を作製し、かつ、ハニカム焼成体の水熱処理を行うことにより、β型ゼオライトに水分が吸着しにくくなり、水分の吸着/脱離による体積の収縮/膨張が抑制されると考えられる。
 10,20   ハニカム構造体
 11,21   ハニカム焼成体
 11a,21a 貫通孔
 11b,21b 隔壁
 12,22   外周コート層
 23      接着層

Claims (5)

  1. 複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム焼成体を備えたハニカム構造体であって、
    前記ハニカム焼成体は、Cu含有β型ゼオライトと無機バインダとを含む押出成形体からなり、
    前記ハニカム構造体に対して25~1000℃の範囲でH-TPR測定を行うことによりCuの状態を分析した場合、最大ピークが800℃以上に存在することを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記ハニカム焼成体に含まれるβ型ゼオライトのSiO/Alモル比は、200~500である請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記ハニカム構造体は、前記β型ゼオライトに対してCuを1~7重量%含む請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ハニカム焼成体は、無機繊維をさらに含む請求項1~3のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
  5. 前記隔壁の表面に三元触媒が担持されている請求項1~4のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
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