JP5937314B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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本発明は、ハニカム構造体に関し、更に詳しくは、排ガス浄化性能及び強度に優れた、ゼオライトを骨材として含有するハニカム構造体に関する。
従来、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業用定置エンジン、燃焼機器等から排出される排ガスに含有されるNO等を浄化するためや、炭化水素等を吸着するために、コージェライト等からなるハニカム形状のセラミック担体(ハニカム構造体)に、イオン交換処理されたゼオライトが担持された、触媒体が使用されている。
上記コージェライト等から形成されたセラミック担体にゼオライトを担持させた場合、セラミック担体内の空間部分の一部が、ゼオライトによって占有された状態になるため、排ガスが通過するときの圧力損失が増大することになる。そして、セラミック担体を構成するコージェライト等は、NO浄化、炭化水素の吸着等の作用を示さないため、触媒体の触媒効果が一定(ゼオライトの量が一定)になるようにした場合には、触媒体におけるコージェライト等の体積比率が大きいほど、圧力損失が増大することになる。
これに対し、ゼオライトを含む成形原料を成形、焼成することにより、ゼオライトにより形成されたハニカム構造体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
国際公開第2009/141874号パンフレット 国際公開第2009/141878号パンフレット
従来、ゼオライトを成形、焼成することにより形成されたハニカム形状のハニカム構造体(ゼオライトにより形成されたハニカム構造体)は、強度が弱いため、セルの開口率を65%より小さくなるようにして、強度を保つようにしていた。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、排ガス浄化性能及び強度に優れた、ゼオライトを骨材として含有するハニカム構造体を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、以下のハニカム構造体を提供する。
[1] 一方の端面から他方の端面まで延びるとともに流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を備え、前記隔壁が、無機繊維を含まず、互いに結合する複数の骨材により形成され、前記隔壁を構成する骨材の60〜80質量%が、ゼオライトであり、前記隔壁の厚さが、220〜510μmであり、前記セルの開口率が65〜80%であるハニカム構造体。
[2] 前記隔壁を構成する骨材の中の、ゼオライト以外の骨材が、ベーマイト及びモンモリロナイトである[1]に記載のハニカム構造体。
本発明のハニカム構造体は、セルの開口率が65〜80%であり、隔壁を構成する骨材の60〜80質量%がゼオライトであるため、排ガスの接触面積が大きくなることにより排ガス浄化性能に優れたものである。また、本発明のハニカム構造体は、隔壁を構成する骨材の60〜80質量%がゼオライトであるため、隔壁を構成する残余の(20〜40質量%の)骨材がゼオライト以外の骨材であるということになり、ゼオライトを骨材として含有しながら強度に優れるものである。
本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の一の実施形態の中心軸に平行な断面を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、中心軸に平行な面で切断した切断部分を、正面からSEMで撮影した拡大写真である。 実施例1のハニカム構造体の隔壁表面をSEMで撮影した拡大写真である。 実施例1のハニカム構造体の端面をSEMで撮影した拡大写真である。 実施例2のハニカム構造体の隔壁表面をSEMで撮影した拡大写真である。 実施例2のハニカム構造体の端面をSEMで撮影した拡大写真である。 比較例1のハニカム構造体の隔壁表面をSEMで撮影した拡大写真である。 比較例1のハニカム構造体の端面をSEMで撮影した拡大写真である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の一の実施形態は、図1、図2に示すように、一方の端面11から他方の端面12まで延びるとともに流体の流路となる複数のセル2を区画形成する隔壁1を備え、隔壁1が、互いに結合する複数の骨材により形成され、隔壁1を構成する骨材の60〜80質量%が、ゼオライトであり、隔壁1の厚さが、220〜510μmであり、セル2の開口率が65〜80%である。図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態の中心軸に平行な断面を示す模式図である。
本実施形態のハニカム構造体100は、セル2の開口率が65〜80%であり、隔壁1を構成する骨材の60〜80質量%がゼオライトであるため、排ガスの接触面積が大きくなることにより排ガス浄化性能に優れたものである。また、本実施形態のハニカム構造体100は、隔壁1を構成する骨材の60〜80質量%がゼオライトであるため、隔壁1を構成する残余の(20〜40質量%の)骨材がゼオライト以外の骨材であるということになり、ゼオライトを骨材として含有しながら強度に優れるものである。
本実施形態のハニカム構造体は、隔壁1を構成する骨材の60〜80質量%がゼオライトであり、隔壁1を構成する骨材の70〜80質量%がゼオライトであることが好ましい。隔壁1を構成する骨材の中の、ゼオライトの含有率が60質量%より少ないと、排ガス浄化性能(触媒性能)が低下することがある。また、隔壁1を構成する骨材の中の、ゼオライトの含有率が80質量%より多いと、強度が低下することがある。
また、本実施形態のハニカム構造体100は、隔壁1を構成する骨材の60〜80質量%がゼオライトであるため、隔壁1を構成する残余の(20〜40質量%の)骨材がゼオライト以外の骨材であるということになり、ゼオライトを骨材として含有しながら、強度に優れるものである。
また、隔壁を構成する骨材の中の、ゼオライト以外の骨材としては、ベーマイト、モンモリロナイト、アルミナゾル等が好ましい。これらは、1種類であっても、2種類以上が混合されていてもよい。これらの中でも、ベーマイト及びモンモリロナイトが、更に好ましい。
また、本実施形態のハニカム構造体100は、隔壁1の厚さが、220〜510μmであり、240〜270μmであることが好ましい。隔壁厚さをこのような範囲にすることにより、ハニカム構造体の強度を高くすることができる。隔壁1の厚さが220μmより薄いと、ハニカム構造体の強度が低下するため好ましくない。隔壁1の厚さが510μmより厚いと、排ガスと接触する隔壁表面の面積が小さくなるため、排ガス浄化性能が低下するため好ましくない。
また、本実施形態のハニカム構造体100は、セル2の開口率(セル開口率)が65〜80%であり、65〜70%であることが好ましい。セル開口率をこのような範囲にすることにより、ハニカム構造体の排ガス浄化性能を高くすることができる。セル2の開口率が65%より低いと、排ガス浄化性能が低くなるため好ましくない。セル2の開口率が80%より高いと、ハニカム構造体の強度が低下するため好ましくない。ここで、「セルの開口率」とは、ハニカム構造体の「セルの延びる方向に直交する」断面において、ハニカム構造体全体の面積に対する、「全てのセルの面積を合計した値」の比率を意味する。
本実施形態のハニカム構造体100を構成するゼオライトの種類としては、ZSM−5、β−ゼオライト、ZSM−11、シャバサイト、フェリエライト等を挙げることができる。
また、本実施形態のハニカム構造体100の隔壁の気孔率は、20〜70%であることが好ましく、50〜55%であることが更に好ましい。20%より小さいと、ガスが隔壁内に入り込み難くなり、排ガス浄化性能が低下することがある。70%より大きいと、ハニカム構造体の強度が低下することがある。隔壁の気孔率は、水銀ポロシメーターを用い、水銀圧入法によって測定した値である。
尚、「ハニカム構造体の隔壁の細孔(気孔)」というときは、骨材粒子間に形成されている細孔を意味し、ゼオライト結晶が結晶構造上有している細孔(ミクロ細孔)は含まれない。ここで、ゼオライト結晶に結晶構造上形成されている細孔(ミクロ細孔)は、ゼオライトの種類に固有のものであり、例えば、ZSM−5の場合、酸素10員環の細孔を有し、細孔径が約5〜6Åである。また、β−ゼオライトの場合、酸素12員環の細孔を有し、細孔径が約5〜7.5Åである。
また、本実施形態のハニカム構造体のセル密度は、特に制限されないが、7〜155セル/cmであることが好ましく、31〜93セル/cmであることが更に好ましい。155セル/cmより大きいと、ゼオライト成形体にガスが流通するときの圧力損失が大きくなることがある。7セル/cmより小さいと、排ガス浄化処理を行う面積が小さくなることがある。
本実施形態のハニカム構造体100のセル形状(ハニカム構造体の中心軸方向(セルが延びる方向)に直交する断面におけるセル形状)としては、特に制限はなく、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形、円形、あるいはこれらの組合せを挙げることができる。
本実施形態のハニカム構造体の全体の形状は特に限定されず、例えば、円筒形状、底面がオーバル形状の筒状、等所望の形状とすることができる。また、ハニカム構造体の大きさは、例えば、円筒形状の場合、底面の直径が20〜500mmであることが好ましい。また、ハニカム構造体の中心軸方向の長さは、10〜500mmであることが好ましい。
また、本実施形態のハニカム構造体100は、図1に示すように、隔壁1全体の外周を取り囲むように配設された外周壁3を備えることが好ましい。外周壁3の材質は、必ずしも隔壁と同じ材質である必要は無いが、主として隔壁と同じ材料を含有するか、主として隔壁と同等の物性を有する材料を含有することが好ましい。このなかでも、隔壁と外周壁とが同じ材料を含有するものであることが更に好ましい。これは、外周壁3の材質が耐熱性や熱膨張係数等の物性の観点で大きく異なると隔壁の破損等の問題が生じる場合があるからである。
外周壁3は、押出成形により、隔壁と一体的に形成されたものであってもよいし、成形後に外周部を所望形状に加工し、外周部に外周壁の材料となるものがコーティングされて形成されたものであっても良い。また、本実施形態のハニカム構造体の最外周を構成する外周壁3の厚さは、1〜6mmであることが好ましい。1mmより薄いと、外周壁3の強度が低下し易くなることがある。6mmより厚いと、排ガス浄化処理を行う面積が小さくなることがある。
(2)ハニカム構造体の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法の一の実施形態について説明する。
本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、骨材を含む成形原料を押出成形して、一方の端面から他方の端面まで延びるとともに流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム形状の成形体を形成する工程(成形工程)と、ハニカム形状の成形体を焼成する工程(焼成工程)と、を有するものである。成形原料に含有される骨材は、全体の60〜80質量%がゼオライトである。また、本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、得られるハニカム構造体の隔壁厚さを220〜510μmとし、また、得られるハニカム構造体のセルの開口率を65〜80%とする。
このように、本実施形態のハニカム構造体の製造方法によれば、上記本発明のハニカム構造体を製造することができる。
以下に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について更に詳細に説明する。
(2−1)成形工程:
まず、骨材を含有する成形原料を押出成形して、一方の端面から他方の端面まで延びるとともに流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム形状の成形体を形成する。
骨材の60〜80質量%は、ゼオライト粉末である。また、骨材の70〜80質量%がゼオライト粉末であることが好ましい。また、ゼオライト粉末以外の骨材としては、ベーマイト粉末、モンモリロナイト粉末、アルミナゾル等を用いることができる。これらは、1種類であっても、2種類以上が混合されていてもよい。これらの中でも、ベーマイト粉末及びモンモリロナイト粉末が好ましい。
ゼオライト粉末の種類としては、ZSM−5の粉末、β−ゼオライトの粉末、ZSM−11の粉末、シャバサイトの粉末、フェリエライトの粉末等を挙げることができる。ゼオライト粉末の平均粒子径は、特に限定されないが、5〜20μmが好ましい。ゼオライト粉末の平均粒子径は、レーザー回折法で測定した値である。
ゼオライト粉末以外の骨材(ベーマイト粉末、モンモリロナイト粉末等)の平均粒子径は、特に限定されないが、0.1〜5μmであることが好ましい。ゼオライト粉末以外の骨材の平均粒子径は、レーザー回折法で測定した値である。
ゼオライト粉末を除く骨材が、ベーマイト粉末及びモンモリロナイト粉末である場合、ベーマイト粉末とモンモリロナイト粉末の合計質量に対するベーマイト粉末の質量の比率は、80〜95質量%であることが好ましく、90〜95質量%であることが更に好ましい。
成形原料には、骨材以外に、水、有機バインダ等が含有されることが好ましい。
成形原料中の水の含有量は、ゼオライト粉末100質量部に対して、30〜70質量部が好ましい。
成形原料中の有機バインダの含有量は、ゼオライト粉末100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。有機バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース等を挙げることができる。
成形原料は、骨材、水、有機バインダ等を混合することにより得ることができる。骨材、水、有機バインダ等を混合する方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、レディゲミキサー等の混合機を用いる方法が好ましい。
次に、成形原料を混練して柱状の成形体を形成する。成形原料を混練して柱状の成形体を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、柱状の成形体を押出成形して、図1に示すハニカム構造体100のようなハニカム形状の、成形体を作製する。ハニカム形状の成形体は、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるものである。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金を用いることが好ましい。口金の材質としては、摩耗し難い金属が好ましい。
(2−2)焼成工程:
次に、得られたハニカム形状の成形体を焼成するが、焼成する前に、得られたハニカム形状の成形体を乾燥することが好ましい(乾燥工程)。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。
また、ハニカム形状の成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム形状の成形体を仮焼することが好ましい(仮焼工程)。ハニカム成形体を乾燥させる場合には、乾燥後に仮焼を行うことが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものであり、その方法は、特に限定されるものではなく、有機物(有機バインダ等)を除去することができればよい。仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
次に、ハニカム形状の成形体を焼成して、ハニカム構造体を得る(焼成工程)。焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。焼成条件は、大気雰囲気において、500〜900℃で、1〜10時間加熱することが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ゼオライト70質量%、ベーマイト28質量%、モンモリロナイト2質量%を混合したものを骨材原料(主原料)とし、骨材原料100質量部に対して、有機バインダーであるメチルセルロースを8質量部、ヒドロキシプロポキシメチルセルロースを4質量部、水を56質量部混合して成形原料を調製した。調製した成形原料を更に均一になるように混合し、混練して可塑性の原料とした。そして、この可塑性の原料を、真空土練機でシリンダー状の坏土とし、得られた坏土を押出し成形機に投入してハニカム状に成形し、ハニカム成形体を得た。
次いで、得られたハニカム成形体を、マイクロ波乾燥の後、熱風乾燥で絶乾し、所定の寸法に両端面を切断した。そして、切断後の両端面を研磨した。
最後に、ハニカム成形体を、600℃、5時間の条件で焼成して、サイズ:70mm(中心軸に直交する断面の直径)×50mm(中心軸方向長さ)、隔壁厚さT(図3参照):266μm、セル数:45.6(セル/cm)、開口率:66.7%、質量:65.2gの、円筒状のハニカム構造体(実施例1)を得た。そして、同様の製造方法で、合計2個のハニカム構造体を作製した。表3に示す数値は、2個のハニカム構造体についての平均値を示す。
得られたハニカム構造体について、以下に示す方法で、A軸圧縮強度(MPa)、密度(g/cm)、及び気孔率(%)を測定した。結果を表3に示す。
図3に、本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、中心軸に平行な面で切断した切断部分を、正面からSEMで撮影した拡大写真を示す。図3には、隔壁1が拡大された写真が示されている。また、実施例1のハニカム構造体の隔壁表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影した拡大写真を図4に示す。更に、実施例1のハニカム構造体の端面(端面における隔壁1)をSEMで撮影した拡大写真を図5に示す。
また、得られたハニカム構造体の、隔壁厚さ、セル数、開口率(セルの開口率)及び質量を表2に示す。また、得られたハニカム構造体の、ゼオライト量(質量%)、ゼオライト以外の骨材(ベーマイト及びモンモリロナイト)の合計量(質量%)、及び焼成条件(℃)を表3に示す。
(A軸圧縮強度)
A軸圧縮強度とは、社団法人自動車技術会発行の自動車規格であるJASO規格M505−87に規定されている圧縮強度を指す。具体的には、ハニカム構造体の横断面(セルの延びる方向に直交する断面)に対して、垂直方向(中心軸方向)に圧縮荷重を負荷したときの破壊強度であり、ハニカム構造体が破壊される強度を「A軸圧縮強度」とする。
(密度)
ハニカム構造体の外形の体積(セルや気孔が形成されていないとしたときの体積)及び当該ハニカム構造体の質量を測定し、得られた質量を体積で除した値を密度とする。
(気孔率)
ハニカム構造体の隔壁の気孔率(%)を、水銀ポロシメーター(マイクロメリティックス社製 オートポアIV 型式9500)を用いて水銀圧入法によって測定する。
(実施例2〜4、比較例1,2)
原料及び各条件を表1,2に示すように変化させた以外は、実施例1と同様にして、ハニカム構造体を作製した。同様の製造方法で、2個ずつのハニカム構造体を作製した。得られたハニカム構造体について、A軸圧縮強度(MPa)、密度(g/cm)、及び気孔率(%)を測定した。結果を表3に示す。表3に示される値は、各実施例、比較例について、2個ずつのサンプルのそれぞれの平均値を示している。また、実施例2のハニカム構造体の隔壁表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影した拡大写真を図6に示し、実施例2のハニカム構造体の端面(端面における隔壁1)をSEMで撮影した拡大写真を図7に示す。また、比較例1のハニカム構造体の隔壁表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影した拡大写真を図8に示し、比較例1のハニカム構造体の端面(端面における隔壁1)をSEMで撮影した拡大写真を図9に示す。
表3より、ゼオライト以外の骨材(Filler)の量が多いほど、強度が高くなっていることがわかる。
A軸圧縮強度が2MPa未満であると、キャニング時にハニカム構造体に割れ、クラック等が発生するという問題が生じる。
本発明のハニカム構造体は、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業用定置エンジン、燃焼機器等から排出される排ガスに含有されるNO等を浄化するために好適に利用することができる。
1:隔壁、2:セル、3:外周壁、4:ゼオライト基材、11:一方の端面、12:他方の端面、100:ハニカム構造体、T:隔壁厚さ。

Claims (2)

  1. 一方の端面から他方の端面まで延びるとともに流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を備え、
    前記隔壁が、無機繊維を含まず、互いに結合する複数の骨材により形成され、
    前記隔壁を構成する骨材の60〜80質量%が、ゼオライトであり、
    前記隔壁の厚さが、220〜510μmであり、前記セルの開口率が65〜80%であるハニカム構造体。
  2. 前記隔壁を構成する骨材の中の、ゼオライト以外の骨材が、ベーマイト及びモンモリロナイトである請求項1に記載のハニカム構造体。
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