JP2011202599A - 多気筒エンジンの診断方法及び診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】多気筒エンジン1の、空燃比の気筒間ずれの診断精度を高める。
【解決手段】例示的診断方法は、多気筒エンジン1と、多気筒エンジン1の排気通路95に設置したセンサ47とを有するエンジンシステムにおいて、センサ47が出力する、各気筒内の空燃比に関連したセンシング値を用いて多気筒エンジン1の診断を行う。この診断方法は、プロセッサ211が、前記多気筒エンジンの1燃焼サイクルの整数倍の期間内で、センサ47が出力するセンシング値の内、最大のセンシング値と最小のセンシング値とを決定する工程、プロセッサ211が、最大のセンシング値と最小のセンシング値との差分を演算する工程、及び、プロセッサ211が、前記差分値である診断パラメータに基づいて多気筒エンジン1の診断を行う工程、を含む。
【選択図】図3

Description

ここに開示する技術は、多気筒エンジンの診断方法及び診断システムに関し、特に多気筒エンジンにおける空燃比の気筒間ずれの発生を診断するための方法及びシステムに関する。
例えば特許文献1には、空燃比フィードバック制御を行うエンジンにおいて、混合気の空燃比が複数の気筒間で互いにずれているか否かを判定するシステムが記載されている。この文献に記載されたシステムは、空燃比の気筒間ずれを、各気筒からの排出ガスが合流して流れる排気管に設置した一つの空燃比センサが出力する信号値に基づいて判定する。具体的にこのシステムは、前記空燃比センサが所定周期で出力する空燃比信号値の差分の絶対値を所定期間内で積算し、その積算値が予め設定した判定しきい値以上であるときに、いずれかの気筒の空燃比が、他の気筒の空燃比に対しずれていると判定している。
特開2008−121533号公報
本願発明者らは、前記のシステムのようにセンサ出力値の1階後退差分の積算値と、判定しきい値との大小比較に基づく判定は、判定精度が悪くなり得ることに気づいた。つまり、気筒間の空燃比のずれ量が、リッチ側及びリーン側に拘わらず、大きくなればなるほど、センサ出力値の差分の積算値は大きくなる。しかしながら、気筒間の空燃比のずれ量が大きくなればなるほど、センサ出力値の変動が大きくなるため、センサ出力値がばらつくことに伴い前記積算値のばらつきが大きくなってしまうことを、本願発明者らは見出した。積算値のばらつきが大きくなることは、演算した積算値が実際よりも小さくなって判定しきい値よりも小さくなり、実際は異常と判定すべきであるのに正常と判定したり、積算値が実際よりも大きくなって判定しきい値以上となり、実際は正常と判定すべきであるのに異常と判定したりすることになってしまうのである。
ここに開示する技術は、多気筒エンジンにおける空燃比の気筒間ずれの診断精度を高める上で有利な技術である。
本願発明者らは、エンジンの診断に係る診断パラメータを、従来とは異なり、センシング値のばらつきに対してロバストなパラメータとすべく検討を重ねた結果、センサが出力するセンシング値の変動パターンが、エンジンの1燃焼サイクルで1周期となることを見出し、その変動パターンに関係する診断パラメータを採用することにした。
具体的に、ここに開示する診断方法は、多気筒エンジンと、当該多気筒エンジンの排気通路に設置したセンサと、を有するエンジンシステムにおいて、前記センサが出力する、各気筒内の空燃比に関連したセンシング値を用いて前記多気筒エンジンの診断を行う方法である。この診断方法は、プロセッサが、前記多気筒エンジンの1燃焼サイクルの整数倍の期間内で、前記センサが出力するセンシング値の内、最大のセンシング値と最小のセンシング値とを決定する工程、前記プロセッサが、前記最大のセンシング値と最小のセンシング値との差分を演算する工程、及び、前記プロセッサが、前記差分値である診断パラメータに基づいて前記多気筒エンジンの診断を行う工程、を含む。
センシング値は、各気筒内の空燃比に関連し、気筒間の空燃比のずれが生じておらず、ほとんど同じ場合には実質的に変動せず、気筒間の空燃比のずれが生じた場合に変動をする。また、そのセンシング値の変動パターンは、多気筒エンジンの1燃焼サイクル、つまり4ストローク機関ではクランク角720°を1周期とする点に、本願発明者らは気づいた。つまり、少なくとも一つ分の変動パターンを含み得る、1燃焼サイクルの整数倍の期間内におけるセンシング値の最大値と最小値との差分の大きさ、換言すればセンシング値の変動振幅は、空燃比の気筒間ずれ量の大きさを表すことに、本願発明者らは気づいたのである。より詳細には、差分値が大きいことは、センシング値の変動が大きいことであるため、気筒間の空燃比のずれが大きいことを示し、差分値が小さいことは、センシング値の変動が小さいことであるため、気筒間の空燃比のずれが小さいことを示す。ここで、センシング値の最大値と最小値との差分は、センシング値の1階後退差分と比較して、値が大きくなるため、センサ出力のばらつきの影響は相対的小さくなる。つまり、センシング値の最大値と最小値との差分は、ばらつきに対してロバストな診断パラメータとなり得るため、エンジンの診断、例えば空燃比の気筒間ずれの診断の精度を向上させる上で有利になり得る。
前記診断方法は、前記プロセッサが、前記差分値を、所定回数分、積算する工程をさらに含み、前記多気筒エンジンの診断は、前記積算値を診断パラメータとして行う、としてもよい。
差分値を積算することは、各回の差分値がばらついたとしても、その差分値を実質的に平均化し、ばらつきの影響を小さくする。従って、差分値の積算値からなる診断パラメータに基づいてエンジンの診断、例えば空燃比の気筒間ずれの診断を行うことは、その診断精度を高め得る。
前記診断方法は、前記プロセッサが、前記診断パラメータと予め設定したしきい値とを比較する工程、及び、前記プロセッサが、前記診断パラメータが前記しきい値を超えているときに、前記多気筒エンジンが異常であると判定する工程をさらに含む、としてもよい。
空燃比の気筒間ずれ量が大きくなればなるほど、診断パラメータは大きくなる特性を有しているため、診断パラメータとしきい値との比較は、許容することができない空燃比の気筒間ずれの発生を、精度よく判定し得る。
前記診断方法は、前記プロセッサが、前記診断パラメータと予め設定したしきい値との比較を、複数回分、行う工程、前記プロセッサが、前記診断パラメータが前記しきい値を超えた回数をカウントする工程、及び、前記プロセッサが、前記比較した回数に対する前記カウントした回数の割合が予め設定した所定値を超えているときに、前記多気筒エンジンが異常であると判定する工程をさらに含む、としてもよい。
診断パラメータは、センシング値のばらつきを含むため、診断パラメータとしきい値との1回の比較だけに基づいて診断を行うことは、誤診断を招く虞がある。これに対し、診断パラメータとしきい値との比較を複数回行うと共に、診断パラメータがしきい値を超えた割合に基づいて、多気筒エンジンの診断を行うことは、誤診断を回避して、診断精度をさらに向上し得る。
ここに開示する診断システムは、多気筒エンジンと、当該多気筒エンジンの排気通路に設置されたセンサと、を有するエンジンシステムの診断を行うシステムであって、前記センサが出力する、各気筒内の空燃比に関連したセンシング値を用いて前記多気筒エンジンの診断を行うテスターを備える。そして、前記テスターは、前記多気筒エンジンの1燃焼サイクルの整数倍の期間内で、前記センサが出力するセンシング値の内、最大のセンシング値と最小のセンシング値とを決定する工程、 前記最大のセンシング値と最小のセンシング値との差分を演算する工程、及び、前記差分値に基づいて前記多気筒エンジンの診断を行う工程、を実行するように構成されている。
前記テスターは、前記エンジンシステムのコントローラに組み込まれている、としてもよい。
以上説明したように、前記の診断方法及び診断システムは、診断パラメータが、エンジンの1燃焼サイクルの整数倍の期間内での最大のセンシング値と最小のセンシング値との差分に基づくパラメータであることで、多気筒エンジンの診断精度、例えば多気筒エンジンにおける空燃比の気筒間ずれの診断精度を高め得る。
例示的診断システムが適用されたエンジンシステムの一例を示す概略構成図である。 エンジンシステムにおける排気系の構成の一例を示す概略構成図である。 PCMが実行する空燃比の気筒間ずれ診断に係るフローチャートの一例である。 センサ出力値の一例を示す図である。 差分値を積算した積算値の一例を示す図である。
以下、エンジンシステムの診断方法及び診断システムについて、図面を参照しながらより具体的に説明する。尚、以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。図1は、エンジンシステムの概略構成図である。当該システムが備えるエンジン1は、図例では一つのシリンダのみを図示しているが、直列4気筒の火花点火式の直墳エンジンである。但し、エンジン1はこれに限定されるものではない。例えば気筒数は、これとは異なってもよい。また、V型エンジンや、水平対向エンジンであってもよい。さらに、燃料は、燃焼室内でなく、吸気ポートに噴射してもよい。エンジン1は、シリンダブロック3と、当該シリンダブロック3の上部に固定されたシリンダヘッド5とを備えている。シリンダブロック3のシリンダ13内には、往復動可能なピストン7が嵌挿されており、このピストン7の上方に、当該ピストン7の頂面とシリンダ13の内壁面とシリンダヘッド5のペントルーフ型の底面とに囲まれた燃焼室11が形成されている。ピストン7の下方のクランクケース内には、クランク軸(図示せず)が配設されており、コネクティングロッド17が、クランク軸とピストン7とを互いに連結している。クランクケース内には、クランク軸の回転角(クランク角)を検出するためのクランク角センサ37が配設されている。このクランク角センサ37は、クランク軸と一体回転するように当該クランク軸の端部に取り付けられたロータ27の回転に伴い、当該ロータ27の外周部に設けられた凸部の通過に対応して、信号をPCM(Power-train Control Module)21に出力する電磁ピックアップコイルを有している。シリンダブロック3には、ウォータジャケット(図示せず)内を流れる冷却水の温度を検出するためのエンジン水温センサ23と、エンジンオイルの温度を検出するためのエンジンオイル温度センサ33とが取り付けられている。
シリンダヘッド5には、シリンダ13の一つ一つに対応するように、複数個の点火プラグ9が取り付けられている。各点火プラグ9の先端電極は、各燃焼室11内に臨んでいるとともに、各点火プラグ9は、シリンダヘッド5の上部に配置された点火回路19に接続されている。点火回路19は、この例では、各点火プラグ9に対応する数だけ設けているが、これに限らず、複数個の点火プラグ9に共通する、一つ又は複数個の点火回路を設けてもよい。またシリンダヘッド5には、各燃焼室11内に燃料を直接噴射するためのインジェクタ39が取り付けられている。インジェクタ39は、図外の燃料供給源に供給管を介して接続されかつ、この燃料供給源から燃料の供給を受ける。
シリンダヘッド5にはまた、各燃焼室11に連通する吸気ポート15及び排気ポート25が2つずつ(図例ではそれぞれ一つのみ図示する)形成されており、これら吸気ポート15及び排気ポート25のポート開口部には、VVT(Variable Valve Timing)機構351,451を通じて、所定タイミングで独立に開閉動作する吸排気バルブ(吸気弁35及び排気弁45)が配設されている。VVT機構351,451は、吸気弁35及び排気弁45の開閉タイミングを、進角側及び遅角側のそれぞれに変更する機構であり、吸気弁35及び排気弁45の開閉のオーバーラップ期間を変化させることによって、燃焼室11に残留する既燃ガスの量を変化させることが可能である。VVT機構の構成については特に制限はなく、機械式のVVTや電磁式のVVTを採用し得る。
吸気通路55は、各シリンダ13の吸気ポート15に連通しており、排気通路65は、排気ポート25に連通している。EGR通路85は、吸気通路55と排気通路65とを互いに接続している。EGR通路85の途中に配置したEGR弁51の開度を調整することより、排気通路65の排気ガスの一部が吸気通路55に還流する。吸気通路55には、その上流側から下流側に向かって、エアクリーナ75、吸気温度センサ43、吸気流量を検出するエアフローセンサ29、電動モータ411により駆動されて吸気通路55を絞るスロットル弁41、燃焼室11内の吸気流動の強さを調整するTSCV(タンブルスワールコントロール弁)31、が順に配設されている。図1,2に示すように、4つの気筒♯1,♯2,♯3,♯4それぞれからの排気通路651,652,653,654が集合する排気集合部95に、排気ガス中の酸素濃度に対して線形な信号を出力するリニアOセンサ47と、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ49とが配設されている。尚、触媒コンバータ49としては、例えば、HC,CO,NOxの3成分を同時に浄化し得る三元触媒を採用してもよい。リニアOセンサ47が出力するセンシング値は、PCM21に取り込まれて、混合気の空燃比の検出に利用される。PCM21は、このセンシング値に基づいて、エンジン1の空燃比フィードバック制御、例えば、所望の空燃比となるようにインジェクタ39の燃料噴射量の調整を行うと共に、後述するように、空燃比の気筒間ずれの発生有無を診断する。
PCM21は、例えば通常のマイクロコンピュータであり、図1に示すように、少なくともCPU211、ROM212、RAM213、I/Oインターフェース回路214、及びデータバスを備えて構成される。このPCM21には、この例では、前記クランク角センサ37、前記エンジン水温センサ23、前記エアフローセンサ29、前記リニアOセンサ47、前記吸気温度センサ43、及び前記エンジンオイル温度センサ33の各出力信号に加え、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ53、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ57の各出力信号がそれぞれ、I/Oインターフェース回路214を介して入力される。PCM21は、これらのセンサの出力信号等に基づいて、点火回路19、VVT機構351,451、インジェクタ39、スロットル弁41、及び、EGR弁51のそれぞれに対して、制御信号を出力することで、エンジン1の制御(空燃比フィードバック制御を含む)を行う。PCM21はまた、詳しくは後述するが、前記リニアOセンサ47のセンシング値に基づいて、空燃比の気筒間ずれ診断を行う。さらにPCM21には、警報ランプ59が電気的に接続されており、PCM21は、警報ランプ59の点灯を制御する。警報ランプ59は、例えばインストルメントパネルに配置されて、乗員に対する警報を行うランプであり、この例では具体的には、PCM21が空燃比の気筒間ずれが発生したと判定したときに、警報ランプ59が点灯する。
図3は、PCM21が実行する、空燃比の気筒間ずれ診断に係るフローチャートの一例である。このフローでは、例えば図4に示すように、1燃焼サイクル中でのリニアOセンサ47のセンシング値の内、最大のセンシング値λmaxと、最小のセンシング値λminとの差分値を演算し、その差分値に基づいて空燃比の気筒間ずれを診断する。これは、空燃比の気筒間ずれに関係するリニアOセンサ47のセンシング値の変動パターンが、1燃焼サイクルで1周期であることに着目した診断手法である。つまり、センシング値の最大値λmaxと最小値λminとの差分、換言すれば、1燃焼サイクル中のセンシング値の変動振幅は、空燃比の気筒間ずれの状態に対応し、当該差分が大きければ大きいほど、気筒間ずれが大きいことを示す。
図3のフローのステップS31で、PCM21は、各種のセンサの出力信号値を読み込み、ステップS32で、PCM21は、読み込んだ信号値に基づいて、気筒間ずれ診断の実行条件が成立したか否かを判定する。PCM21は、暖機運転が終了した状態、すなわち水温が所定温度以上になっている状態でかつ、エンジン回転数、吸気充填効率、スロットル開度の各変動量が小さく安定している(それぞれ所定値以下である)状態であるときに、診断条件が成立していると判定する。但し、診断条件は、これに限定されるものではない。ステップS32の判定でYESのときにはステップS33に移行する一方、NOのときにはステップS32を繰り返す。
ステップS33でPCM21は、リニアOセンサ47のセンシング値λ(i)を読み込み、続くステップS34でPCM21は、1燃焼サイクル分(クランク角720°分)の、センシング値を読み込んだか否かを判定する。ステップS34の判定でYESのときにはステップS36に移行する一方、NOのときにはステップS35に移行する。フローは、ステップS35でクランク角90°が経過するのを待って、ステップS33に戻り、PCM21は、新たなセンシング値λ(i)を読み込む。
ステップS36でPCM21は、読み込んだ1燃焼サイクル分のセンシング値の内、最大値λmax及び最小値λminを決定し、その差分Sを演算する(図4参照)。つまり、センシング値の変動振幅Sを、
S=λmax−λmin
によって演算する。
続くステップS37及びS38で、PCM21は、図5に示すように、差分値Sを、エンジン1の100燃焼サイクル分、積算する。つまり、ステップS37で、
積算値R=R(前回値)+S
を演算し、ステップS38で、100サイクル分の積算が終了したか否かを判定する。ステップS38の判定でNOのときにはステップS32に戻り、診断条件が成立したか否かを判定する。従って、ステップS37の100サイクル分の積算は必ずしも連続的に行われない。つまり、ステップS36で差分値の演算が完了した後、診断条件が再成立するまで所定時間が経過した後、次の差分値の演算が行われて、積算される場合がある。ステップS38の判定でYESのときにはステップS39に移行し、PCM21は、演算した積算値Rが、予め設定されかつ、PCM21に記憶されているしきい値を超えているか否かを判定する。例えば図6の例は、積算値Rが、一点鎖線で示すしきい値を超えていることを示している。ステップS39の判定でYESのときには、ステップS310に移行して、PCM21は異常検出回数をインクリメントすると共に、ステップS311で診断回数をインクリメントする。ステップS39の判定でNOのときには、ステップS310に移行せず、従って異常検出回数はインクリメントせずに、PCM21は、ステップS311で診断回数のみをインクリメントする。
ステップS312では、予め設定した所定の診断回数が終了したか否かを判定する。診断回数は、例えば15回としてもよい。但し、診断回数は、これに限定されるものではない。ステップS312の判定でNOのときにはステップS32に戻り、診断を継続する一方、YESのときにはステップS313に移行する。ステップS313でPCM21は、所定回数の診断を行った内で、異常を検出した割合(異常検出回数/診断回数)を算出し、それが予め設定した異常判定値を超えたか否かを判定する。ステップS313の判定でNOのときには、ステップS314に移行して正常と判断する。一方、ステップS313の判定でYESのときにはステップS315に移行して、エンジン1の異常、具体的には空燃比の気筒間ずれが生じていると判断し、PCM21は、警報ランプ59を点灯する。
このエンジン1の診断方法では、リニアOセンサ47のセンシング値における変動波形の振幅を演算している。前述したように、変動波形の振幅は、空燃比の気筒間ずれ量に対応すると共に、例えばセンシング値の後退差分と比較したときに、差分値が相対的に大きい分だけ、センシング値のばらつきの影響は相対的に小さくなる。従って、センシング値の変動が大きくなってばらつきが大きくなったとしてもその影響をあまり受けることなく、空燃比の気筒間ずれの発生を、精度よく診断することが可能になる。
また、前記の診断方法では、差分値を、100サイクル分積算している。この積算は、差分値を平均化していることと等価であり、リニアOセンサ47の出力信号のばらつき等に起因して差分値がばらつく影響を抑制して、診断精度を高める上で有利である。但し、差分値の積算は、100サイクル分に限定されるものではなく、適宜の数に設定することが可能である。勿論、1サイクル分であってもよい。
さらに、前記の診断方法では、100サイクル分の積算値Rとしきい値との比較によって異常を検出すると共に、所定の診断回数において異常を検出した割合が、所定の異常判定値を超えたか否かに基づいて、最終的に、異常の発生を判定している。従って、高い診断精度を確保し得る。尚、ステップS310〜S313を省略して、ステップS39の判定でYESのときには、ステップS315に移行して、エンジン1が異常であると判定し、ステップS39の判定でNOのときには、ステップS314に移行して、エンジン1が正常であると判定してもよい。
尚、前記のフローでは、エンジン1の1燃焼サイクル中における、リニアOセンサ47の最大のセンシング値及び最小のセンシング値の差分を演算している。これとは異なり、例えば1燃焼サイクルの、1よりも大きい整数倍の期間中における最大のセンシング値及び最小のセンシング値の差分を演算してもよい。但し、リニアOセンサ47のセンシング値は、1燃焼サイクルよりも周期の長い変動を含んでいる場合があるため、1燃焼サイクルよりも長い期間中での最大のセンシング値及び最小のセンシング値は、その長周期の変動成分を含み得る。診断精度の向上の観点からは、エンジン1の1燃焼サイクル中における、リニアOセンサ47の最大のセンシング値及び最小のセンシング値の差分を演算することが好ましい。
尚、図3のフローに示す各ステップ中の処理、及び、ステップの順番等は、例示であり、処理内容を変更したり、処理の順番を入れ替えたり、処理の一部を省略することは当然に可能である。必要に応じて、複数の処理を並行して実行することもまた可能である。
1 多気筒エンジン
21 PCM(コントローラ、テスター)
211 CPU(プロセッサ)
47 リニアOセンサ
95 排気集合部(排気通路)

Claims (7)

  1. 多気筒エンジンと、当該多気筒エンジンの排気通路に設置したセンサと、を有するエンジンシステムにおいて、前記センサが出力する、各気筒内の空燃比に関連したセンシング値を用いて前記多気筒エンジンの診断を行う方法であって、
    プロセッサが、前記多気筒エンジンの1燃焼サイクルの整数倍の期間内で、前記センサが出力するセンシング値の内、最大のセンシング値と最小のセンシング値とを決定する工程、
    前記プロセッサが、前記最大のセンシング値と最小のセンシング値との差分を演算する工程、及び、
    前記プロセッサが、前記差分値である診断パラメータに基づいて前記多気筒エンジンの診断を行う工程、を含む診断方法。
  2. 請求項1に記載の診断方法において、
    前記プロセッサは、前記多気筒エンジンの1燃焼サイクルの期間内の最大のセンシング値と最小のセンシング値とを決定する診断方法。
  3. 請求項1又は2に記載の診断方法において、
    前記プロセッサが、前記差分値を、所定回数分、積算する工程をさらに含み、
    前記多気筒エンジンの診断は、前記積算値を診断パラメータとして行う診断方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の診断方法において、
    前記プロセッサが、前記診断パラメータと予め設定したしきい値とを比較する工程、及び、
    前記プロセッサが、前記診断パラメータが前記しきい値を超えているときに、前記多気筒エンジンが異常であると判定する工程をさらに含む診断方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の診断方法において、
    前記プロセッサが、前記診断パラメータと予め設定したしきい値との比較を、複数回分、行う工程、
    前記プロセッサが、前記診断パラメータが前記しきい値を超えた回数をカウントする工程、及び、
    前記プロセッサが、前記比較した回数に対する前記カウントした回数の割合が予め設定した所定値を超えているときに、前記多気筒エンジンが異常であると判定する工程をさらに含む診断方法。
  6. 多気筒エンジンと、当該多気筒エンジンの排気通路に設置されたセンサと、を有するエンジンシステムの診断を行うシステムであって、
    前記センサが出力する、各気筒内の空燃比に関連したセンシング値を用いて前記多気筒エンジンの診断を行うテスターを備え、
    前記テスターは、
    前記多気筒エンジンの1燃焼サイクルの整数倍の期間内で、前記センサが出力するセンシング値の内、最大のセンシング値と最小のセンシング値とを決定する工程、
    前記最大のセンシング値と最小のセンシング値との差分を演算する工程、及び、
    前記差分値に基づいて前記多気筒エンジンの診断を行う工程、を実行するように構成されている診断システム。
  7. 請求項6に記載の診断システムにおいて、
    前記テスターは、前記エンジンシステムのコントローラに組み込まれている診断システム。
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