JP2011202486A - 建物 - Google Patents

建物 Download PDF

Info

Publication number
JP2011202486A
JP2011202486A JP2010073527A JP2010073527A JP2011202486A JP 2011202486 A JP2011202486 A JP 2011202486A JP 2010073527 A JP2010073527 A JP 2010073527A JP 2010073527 A JP2010073527 A JP 2010073527A JP 2011202486 A JP2011202486 A JP 2011202486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building
fastening
foundation
fastening means
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010073527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5574779B2 (ja
Inventor
Otohiko Suzuki
乙彦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Housing Corp
Original Assignee
Toyota Housing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Housing Corp filed Critical Toyota Housing Corp
Priority to JP2010073527A priority Critical patent/JP5574779B2/ja
Publication of JP2011202486A publication Critical patent/JP2011202486A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5574779B2 publication Critical patent/JP5574779B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Abstract

【課題】建築後であっても、容易に水平剛性の変更が行える建物を提供する。
【解決手段】基礎32の上部に溝付きレール42を設け、溝内にナット46をスライド自在に配置する。床梁20のフランジ20Aに、レール長手方向に沿って複数の孔50を形成する。孔50にボルト48を挿通してナット46に螺合することで、建物ユニット12Aと基礎32とを締結することができる。孔50が複数形成されているので、ボルト48による締結位置を変更でき、締結位置の変更により水平剛性を簡単に変更できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物本体が基礎に固定された建物に関する。
例えば、柱と梁とを剛接合して構成したラーメン構造体からなる建物ユニットを基礎に固定したユニット建物では、一般的に、柱、即ち、梁の端側をアンカーボルト等を用いて基礎に剛接合している(例えば、特許文献1参照。)。
また、基礎に対して、梁の長手方向中間部分を接合し、柱梁架構の水平剛性を増大させている構成もある。
特開2005―248691号公報。
しかしながら、従来技術では、梁の長手方向中間部分と基礎との剛接合部分のアンカー位置が固定されているため、建築後、水平剛性の変更は不可能である。
このため、建物増築または改築等を実施する場合、水平剛性が固定値のため、増築または改築の範囲やバリエーションに制約を受け、自由にプランを作成することが出来ない場合がある。
例えば、増改築計画時、既存の建物の水平剛性が固定値である、即ち、既存の建物の水平剛性を変更できないことにより偏心の影響が避けられず、その影響を避けるためには、増築部分の水平剛性で調整せざるを得ない。このため、水平剛性変更のバリエーションが限定されてしまい、自由なプランの作成が不可能となる。
また、増築または改築で自由にプランを作成しようとした場合、必要とする所定の水平剛性を確保しようとすると、柱、梁の板厚変更やアンカー位置の変更等の対応が必要となり、コストの大幅な増大や、工期の長期化を招く。即ち、既存部分の水平剛性を変更して上記対応を行おうとすると、既存架構の板厚変更あるいは既設のアンカー位置の変更が必要となり、大幅なコスト増かつ工期増を招く結果となる。
本発明は上記事実を考慮し、建築後であっても、容易に水平剛性の変更が行える建物の提供を目的とする。
請求項1に記載の建物は、基礎と、前記基礎の上に据え付けられる建物本体と、を備え、前記建物本体の下部と前記基礎とを締結すると共に、締結位置を変更可能な位置可変締結手段を有する。
次に、請求項1に記載の建物の作用を説明する。
従来一般の建物では、建物本体の下部と基礎との締結位置が固定されていたが、請求項1に記載の建物では、建物本体と基礎との締結位置を変更することができるので、施工時のみならず、建物の建築後においても該締結位置を自由に変更することができる。このため、建築後であっても、締結位置の変更によって建物の水平剛性を自由に変更することができる。
請求項2に記載の建物は、請求項1に記載の建物において、前記建物本体は、1乃至複数の建物ユニットを含んで構成され、前記位置可変締結手段を用いて前記基礎と締結された前記建物ユニットを少なくとも1つ有する。
次に、請求項2に記載の建物の作用を説明する。
請求項2に記載の建物は、1乃至複数の建物ユニットを含んで構成された建物、即ち、所謂ユニット建物である。
そして、位置可変締結手段を用いて基礎と締結されているので、位置可変締結手段を用いて基礎と締結された建物ユニットは、位置可変締結手段による締結位置を変更することで、自身の水平剛性を変更することができる。また、複数の建物ユニットを連結することで構成されるユニット建物では、上記のようにして何れかの建物ユニットの水平剛性を変更することで、ユニット建物全体の水平剛性を変更することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の建物において、前記建物本体の下部と前記基礎とを締結する締結位置の固定された位置固定締結手段を、前記位置可変締結手段とは別に備えている。
次に、請求項3に記載の建物の作用を説明する。
請求項3に記載の建物では、締結位置の固定された位置固定締結手段、即ち、一般の建物で用いられている、例えば、基礎に固着されたアンカーボルト等に相当するものを備えている。請求項3に記載の建物では、位置固定締結手段と位置可変締結手段の2種類の締結手段によって、建物の水平剛性が確保される。
また、一例として、位置固定締結手段によって、建物本体と基礎との基本的な締結、即ち、基本的な水平剛性を確保し、位置可変締結手段により、建物の水平剛性の向上を図ることができる。即ち、建物全体の水平剛性のうちの主たる部分を位置固定締結手段に受け持たせ、残りの従たる部分を位置可変締結手段に受け持たせることができる。
ここで、位置可変締結手段による締結位置は、位置固定締結手段による締結位置とは異なる位置に設定されるので、位置固定締結手段による締結位置とは異なる所望の位置にて建物本体の下部と基礎との締結を行うことができる。
そして、請求項3に記載の建物では、位置固定締結手段による締結位置と、位置可変締結手段による締結位置との距離を変更することで、建物の水平剛性を変更することができる。より具体的には、位置可変締結手段による締結位置を位置固定締結手段による締結位置に近づけることで建物の水平剛性は高くなり、位置可変締結手段による締結位置を位置固定締結手段による締結位置から遠ざけることで、位置固定締結手段による締結位置に近づけた場合に比較して建物の水平剛性は低くなる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建物において、前記位置可変締結手段による締結位置は、前記建物ユニットの一方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置と、前記建物ユニットの他方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置との間に設定されている。
次に、請求項4に記載の建物の作用を説明する。
建物ユニットでは、床梁の一方の端部及び他方の端部に柱が接続されており、該一対の柱の上端同士を連結するように天井梁が設けられ、これら床梁、柱、及び天井梁でラーメン構造体をなしている。
請求項4の建物では、位置可変締結手段による締結位置が、建物ユニットの一方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる位置固定締結手段による締結位置と、建物ユニットの他方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる位置固定締結手段による締結位置との間に設定されている、即ち、床梁等の上記柱と柱との間の建物本体下部を、位置可変締結手段を用いて基礎に連結することで、水平剛性を確実に向上させることができる。
なお、建物ユニットの隅部側の柱の外側へ床梁が突出している場合で、該柱の外側へ突出した床梁と基礎とを位置可変締結手段で締結する場合が考えられるが、水平剛性向上への寄与率は小さい。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明は、前記位置可変締結手段による締結位置は、前記建物ユニットの一方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置と前記建物ユニットの他方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置との中央部よりも、位置固定締結手段側に設定されている。
次に、請求項5に記載の建物の作用を説明する。
位置可変締結手段による締結位置が、建物ユニットの一方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる位置固定締結手段による締結位置と建物ユニットの他方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる位置固定締結手段による締結位置との中央部よりも位置固定締結手段側に設定されている第1の状態と、位置可変締結手段による締結位置が、建物ユニットの一方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる位置固定締結手段による締結位置と建物ユニットの他方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる位置固定締結手段による締結位置との中央部に設定されている第2の状態とを比較すると、第1の状態の方が、水平剛性を高くすることができる。なお、位置可変締結手段による締結位置を位置固定締結手段に近づけるにしたがって、水平剛性は高くなる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の建物において、前記位置可変締結手段は、前記基礎に設けられるレールと、前記レールに沿って締結位置を変更可能な固定手段と、を含んで構成されている。
次に、請求項6に記載の建物の作用を説明する。
請求項6に記載の建物では、建物本体が、固定手段を用いてレールの基礎に締結される。そして、基礎に設けられたレールに沿って固定手段による締結位置を変更することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の建物において、前記固定手段は、前記レールの長手方向に形成された溝に対して移動可能に係合されるナットと、前記ナットに螺合されるボルトと、前記建物本体の床梁の長手方向に沿って形成され前記ボルトが挿通される複数の孔と、を含んで構成されている。
次に、請求項7に記載の建物の作用を説明する。
請求項7に記載の建物では、基礎に設けられたレールの溝にナットが移動可能に係合されているので、該ナットはレールの所望の位置に移動して配置することができる。
床梁には、長手方向に沿って複数の孔が形成されているので、基礎と床梁とを締結したい位置の孔にボルトを挿通し、孔を挿通させたボルトを該孔の下に配置したナットに締め付けることで、床梁と基礎との締結を行うことができる。
以上説明したように請求項1に記載の建物によれば、建物の水平剛性を、建築後であっても自由に変更することができる。建物の水平剛性を変更することで、建物の偏心率を低減することができる。したがって、増築時に偏心率を低減させて、増改築のプラン自由度の増大、あるいは、増築部分の板厚低減によるコスト低減を図ることも可能となる。
請求項2に記載の建物によれば、1乃至複数の建物ユニットを含んで構成されるユニット建物であるため、建物ユニットを追加することで、簡単に増築を行うことができる。また、増築後に、ユニット建物の水平剛性を簡単に変更することができる。
請求項3に記載の建物によれば、位置固定締結手段と位置可変締結手段とで建物の水平剛性を確保でき、位置可変締結手段によって水平剛性を変更することできる。
請求項4に記載の建物によれば、建物隅部側の柱と柱との間に位置可変締結手段による締結位置を設定したので、隅部側の柱よりも建物外側で締結位置を設定した場合に比較して水平剛性を確実に高めることができる。
請求項5に記載の建物によれば、建物隅部側の柱と柱との中央に位置可変締結手段による締結位置を設定した場合に比較して水平剛性を高くすることができる。
請求項6に記載の建物によれば、レールと固定手段といった簡単な構成で、締結位置を自由に変更することができる。
請求項7に記載の建物によれば、固定手段をナット、ボルト、及び床梁の孔で簡単に構成できる。
建物ユニットを複数連結して構成されたユニット建物の斜視図である。 床梁の端部と基礎との締結部分を示す一部断面とした斜視図である。 基礎、及び床梁の分解斜視図である。 基礎、及び床梁の拡大断面図である。 (A)は既存のレイアウトを示す図であり、(B)は増設後のレイアウトを示す図である。 ナットの移動方法を説明する基礎の断面図である。 レールの開口部分を塞いだ基礎の断面図である。 レールの開口部分を塞いだ基礎の断面図である。
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態に係るユニット建物10について説明する。
図1には、複数個(本実施形態では4個)の建物ユニット12A〜12Dからなるユニット建物10が示されている。なお、建物ユニット12A〜12Dは、何れも同様の構成であり、建物ユニット12Dは、他の建物ユニット12A〜12Cよりも長く形成されている。
以下に代表して建物ユニット12Cの構造を説明する。
説明の便宜上、建物ユニット12Cの各部材に名称付けをしておく。建物ユニット12Cは、4本の柱14と、互いに平行に配置された長短二組の天井梁16、18と、これらの天井梁16,18に対して上下に平行に配置された長短二組の床梁20,22とを備えており、梁の端部を天井と床の仕口に溶接することによりラーメン構造として構成されている。
本実施形態では、天井梁16,18、及び床梁20,22に、断面コ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)が用いられている。
建物ユニット12は、矩形枠状に組まれた天井フレーム24と床フレーム26とを備えており、これらの間に4本の柱14が立設される構成となっている。天井フレーム24は四隅に天井仕口部(柱)28を備えており、この天井仕口部28に長さが異なる天井梁16,18の長手方向の端部が溶接されている。
同様に、床フレーム26は四隅に床仕口部(柱)30を備えており、この床仕口部30の側面に長さが異なる床梁20,22の長手方向の端部が溶接されている。
そして、上下に対向して配置された天井仕口部28と床仕口部30との間に、柱14の上下端部が溶接により剛接合されて及びボルトにより仮固定されて建物ユニット12が構成される。
本実施形態の柱14には、断面ロ字形状(正方形)の角型鋼管が用いられている。
なお、ユニット建物10の外側に設けられる外装等は図示が省略されている。
上記建物ユニット12A〜12Dは、コンクリート製の基礎32の上部に載置され固定されている。なお、基礎32の内部には、補強として複数の鉄筋34が埋設されている。
図2に示すように、床仕口部30のベース30Aには下方へ突出されるアンカーボルト36が固定されており、基礎32にはアンカーボルト36が挿入されるアンカーホール38が形成されている。
アンカーホール38にはグラウト材(モルタル)39等が充填されており、これによりアンカーボルト36が基礎32に対して固定されている。本実施形態では、この柱14の直下のアンカーボルト36が本発明の位置固定締結手段に相当しており、建築後、締結位置を変更することができないものである。なお、本実施形態では、以後、アンカーボルト36による締結位置を、適宜「固定的締結位置40」と呼ぶことにする。
なお、本実施形態のユニット建物10では、床仕口部(柱)30のベース30Aは基礎32の上面に密着しているが、床梁20,22の下面と基礎32の上面との間には床下通気用の隙間が設けられている。
(位置可変締結手段)
図3に示すように、基礎32の上部には、長手方向に沿って延びる溝付きレール42が埋設されている。
図3、及び図4に示すように、溝付きレール42は、断面形状(外形)が四角形であり、上面側には、長手方向に沿って延びる溝44が形成されている。溝44は、上面側が幅狭溝部44Aとされ、幅狭溝部44Aの下側が幅狭溝部44Aよりも溝幅が広く形成された幅広溝部44Bとされている。
この幅広溝部44Bには、平面視で四角形のナット46がスライド自在に挿入されている。ナット46の幅は、幅広溝部44Bの溝幅よりも若干小さく設定されており、後述するアンカーボルトの役目をするボルト48を締め付ける際(または緩める際)に、溝内でナット46がボルト48と共回りしないようになっている。なお、ナット46は、溝内で回転しなければ良く、その形状は、四角形に限らず、6角形等の他の形状であっても良い。
この溝付きレール42は、金属(例えば、鋼等)で形成することが好ましく、生産性の観点からすると引抜材(又は押出し材)とすることが好ましい。
溝付きレール42は、基礎32のコンクリートに埋設されているが、図3に示すように、内部の鉄筋34と溶接されていても良い。なお、溝付きレール42は、基礎32のコンクリートを型枠に流し込む前に、予め鉄筋34等に接合することで、位置決めしておくことが好ましい。溝付きレール42を配した型枠内にコンクリートを流し込み、固化させることで、溝付きレール42とコンクリートが一体化する。
溝付きレール42に沿って溝付きレール42の上方に配置される床梁20には、下側のフランジ20Aに、溝付きレール42に沿って複数の孔50が間隔を開けて形成されている。
床梁20の中間部分を基礎32に対して締結(固定)する場合には、締結したい位置の孔50の下にナット46をスライドさせて配置し、該孔50にボルト48を挿通させ、ボルト48をナット46に締め付ける。なお、床梁20と基礎32との間には、隙間が形成されているので、ボルト48で締結を行う部分には、床梁20と基礎32との間に、隙間の寸法と同じ厚さのスペーサー52を挿入してから、ボルト48をナット46に締め付ける。本実施形態のスペーサー52は、矩形の鋼板に切欠を形成したものであるが、切欠に代えて孔を形成しても良く、その形状は特に限定されない。
スパナ等を用いてボルト48をナット46に締め付けることで、ボルト48の頭部48Aとナット46との間に、レール42の一部分、スペーサー52、及び床梁20のフランジ20Aとが挟持され、ボルト48の位置にて床梁20と基礎32との締結が行われる(図4参照。)。
なお、本実施形態では、以後、ボルト48による締結位置を、適宜「可変締結位置56」と呼ぶことにする。
図5(A)には、図1に示すユニット建物10における建物ユニット12A〜Dの配置が簡略化されて記載されており、三角は、基礎32との固定箇所を示している。なお、符合40は前述した様に固定的締結位置であり、符合56は前述した様に可変締結位置である。
本実施形態では、建物ユニット12Aの建物外周側かつ建物妻面側の床梁20と、建物ユニット12Cの建物外周側かつ建物妻面側の床梁20とにおいて、梁長手方向中間部分の2個所にて、可変締結位置56が設けられている。
(作用)
次に、本実施形態のユニット建物10の作用を説明する。
本実施形態のユニット建物10では、床梁20の下側のフランジ20Aに、基礎32との連結を行う際のボルト48を挿通させる孔50が、梁長手方向に沿って複数形成されているので、ボルト48を挿入する孔50を変更することで、可変締結位置56の配置位置を梁長手方向に変更することができる。
なお、可変締結位置56の配置位置を変更するには、例えば、以下のようにして行う。
(1) ボルト48を緩めて取り外す。
(2) ナット46を、締結を行いたい部位にある孔50の下側にスライドさせて配置する。ナット46をスライドさせるには、例えば、図6に示すような先端の曲った棒58を床梁20と基礎32との間の隙間から溝内に差込み、棒58の先端でナット46を押せば良い。
(3) ボルト48を孔50に挿入し、ナット46に締め付ける。
このように、本実施形態のユニット建物10では、可変締結位置56を自由に変更することが出来る。
また、本実施形態では、床梁20の型鋼を、フランジを建物内側(床下側)に向けているので、ユニット建物10の完成後においても床下にて、スパナ等を用いてボルト48を操作することができるので、ユニット建物10の完成後においても可変締結位置56の締結位置の変更を容易に行うことができる。
このようにして可変締結位置56の位置を変更することで、次のような効果が得られる。
先ず第1に、両端側を床仕口部30を介して基礎32に対して固定的に締結している床梁20に対して、梁長手方向中間部を上述した様にボルト48、ナット46等を用いて基礎32に締結することで、ユニット建物10の水平剛性を向上させることができる。
また、第2に、可変締結位置56を固定的締結位置40に近づけることで水平剛性は高くなり、可変締結位置56を固定的締結位置40から遠ざけることで水平剛性は低くなる(可変締結位置56を固定的締結位置40に近づけた場合に比較して。)。したがって、可変締結位置56を変更することで、ユニット建物10の水平剛性を容易に変更することができる。
次に、水平剛性を変更する一例を説明する。
図5(A)には、ユニット建物10の新築時の構成が簡略的に示されており、図5(B)には、ユニット建物10の増築時の構成が簡略的に示されている。
新築時の構成では、図5(A)に示すように、4つの建物ユニット12A〜Dでユニット建物10が構成されているが、増築時では、図5(B)に示すように、建物ユニット12D桁側に建物ユニット12E,Fが追加されている。このように、本実施形態のユニット建物10では、建物ユニットの追加によって簡単に増築を行うことができる。
そして、このユニット建物10では、建物ユニット12A、及び建物ユニット12Dの建物外側(ユニット建物10の妻面側)の床梁20に、2個所の可変締結位置56を有している。この可変締結位置56は、新築設計時、偏心率が予め設定した範囲内となるように、最適配置とし、その位置にて施工が行われている。なお、ユニット建物10の水平剛性、偏心率等は、従来通り、コンピュータを用いて行われる。
図5(B)に示すように、建物ユニット12D桁側に建物ユニット12E,Fが増築された場合、建物全体の偏心率が大きくなるため、これを抑えるためには、既存の水平剛性より増加させる必要がある。このため、増築した側とは反対側に位置する建物ユニット12Aにおいて、可変締結位置56を固定的締結位置40に近づけ(矢印A,A’方向)、水平剛性を高める。
さらに、上記の偏心率を抑えるためには、増築側の建物ユニット12Dにおいて既存の水平剛性を低減する必要がある。このため、建物ユニット12Dにおいて可変締結位置56を固定的締結位置40から遠ざけ(矢印B,B’方向)、水平剛性を低減する。また、場合によっては、建物ユニット12Dにおいて可変締結位置56を除去する、即ち、ボルト48を取り外すことで水平剛性を更に低減することも出来る。
なお、増築あるいは改築計画時、増築後の建物全体で構造計算を再度行い、増築後のユニット架構の板厚を設定する。そして、必要とされる水平剛性が得られていない場合には、可変締結位置56の位置を移動して必要とされる水平剛性が得られるようにして施工を行う。
[その他の実施形態]
上記実施形態のユニット建物10では、床梁20と基礎32との間に隙間が設けられていたが、床梁20は基礎32に密着していても良い。この場合、可変締結位置56においてスペーサー52は不要となる。
溝付きレール42の溝44に、塵、水等が進入することを防止するために、図7に示すように溝44の開口部分を塞ぐ様な薄板60(粘着テープでも良い)をボルト48以外のレール上面に貼り付ける、また、図8に示すように、一部分が溝44に嵌り込むモール62を装着する、等の対策をとっても良い。また、使用していない孔50に薄板60(粘着テープでも良い)、蓋等を被せても良い(床梁20を基礎32に密着させている場合に有効。)。
図5(A)に示す様に、上記実施形態では、建物ユニット12Aの建物外周側かつユニット建物10における妻面側の床梁20に可変締結位置56を設けていたが、桁面側の床梁22に可変締結位置56を設けても良い。
上記実施形態では、1本の床梁20に対して2箇所の可変締結位置56が設けられていたが、可変締結位置56は、1本の床梁20に対して1箇所、または3箇所以上としても良い。
上記実施形態のユニット建物10は1階建てであったが、2階建以上であっても良く、建物ユニット12の構成、配置、サイズ等も実施形態に示すものに限定されない。なお、ユニット建物10は、1個の建物ユニット12で構成されていても良い。
上記実施形態では、本発明をラーメン架構を有する建物ユニット12からなるユニット建物10に適用した例を示したが、本発明は、建物の構造は特に限定されず、ラーメン構造を有さない他の構造の建物にも適用可能である。
上記実施形態では、例えば、建物ユニット12Aが本発明の位置可変締結手段(ボルト48等)と、本発明の位置固定締結手段(アンカーボルト36等)によって基礎32に締結されていたが、建物ユニット12Aを位置可変締結手段のみで基礎32に締結しても良い。
上記実施形態では、例えば、建物ユニット12Aにおいて、1本の床梁20に対して可変締結位置56が2個所設けられていたが、床梁20に設ける可変締結位置56の個数は、1個でも良く、場合によっては3個以上であっても良い。
また、ユニット建物10は、可変締結位置56を有している建物ユニット12を少なくとも1つ有していれば、水平剛性の調整は可能である。
10 ユニット建物(建物)
12A〜F 建物ユニット
14 柱
20 床梁(建物本体の下部)
22 床梁(建物本体の下部)
30 床仕口部
36 アンカーボルト(位置固定締結手段)
42 レール(位置可変締結手段:レール)
46 ナット(位置可変締結手段:固定手段)
48 ボルト(位置可変締結手段:固定手段)
50 孔(位置可変締結手段:固定手段)

Claims (7)

  1. 基礎と、前記基礎の上に据え付けられる建物本体と、を備え、
    前記建物本体の下部と前記基礎とを締結すると共に、締結位置を変更可能な位置可変締結手段を有する建物。
  2. 前記建物本体は、1乃至複数の建物ユニットを含んで構成され、
    前記位置可変締結手段を用いて前記基礎と締結された前記建物ユニットを少なくとも1つ有する請求項1に記載の建物。
  3. 前記建物本体の下部と前記基礎とを締結する締結位置の固定された位置固定締結手段を、前記位置可変締結手段とは別に備えている、請求項1または請求項2に記載の建物。
  4. 前記位置可変締結手段による締結位置は、前記建物ユニットの一方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置と、前記建物ユニットの他方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置との間に設定されている、請求項3に記載の建物。
  5. 前記位置可変締結手段による締結位置は、前記建物ユニットの一方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置と前記建物ユニットの他方の隅部側に設けられる柱の下部に設けられる前記位置固定締結手段による締結位置との中央部よりも、位置固定締結手段側に設定されている、請求項4に記載の建物。
  6. 前記位置可変締結手段は、前記基礎に設けられるレールと、前記レールに沿って締結位置を変更可能な固定手段と、を含んで構成されている請求項3〜請求項5の何れか1項に記載の建物。
  7. 前記固定手段は、前記レールの長手方向に形成された溝に対して移動可能に係合されるナットと、前記ナットに螺合されるボルトと、前記建物本体の床梁の長手方向に沿って形成され前記ボルトが挿通される複数の孔と、を含んで構成されている、請求項6に記載の建物。
JP2010073527A 2010-03-26 2010-03-26 建物 Expired - Fee Related JP5574779B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010073527A JP5574779B2 (ja) 2010-03-26 2010-03-26 建物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010073527A JP5574779B2 (ja) 2010-03-26 2010-03-26 建物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011202486A true JP2011202486A (ja) 2011-10-13
JP5574779B2 JP5574779B2 (ja) 2014-08-20

Family

ID=44879395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010073527A Expired - Fee Related JP5574779B2 (ja) 2010-03-26 2010-03-26 建物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5574779B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015200139A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 トヨタホーム株式会社 アルコーブ構造を備えた建物
JP2019203240A (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 ビニフレーム工業株式会社 押出形材と、その押出形材からなる手摺
JP2020007809A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 トヨタホーム株式会社 柱脚
KR20200143595A (ko) * 2019-06-14 2020-12-24 한국남부발전 주식회사 슬라이드 탈부착을 이용한 일체형 열전냉각장치

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0573039U (ja) * 1992-03-09 1993-10-05 ミサワホーム株式会社 基礎中へのアンカボルト埋設構造
JP2009209626A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Toyota Motor Corp 被固定部材の据付け面への締結固定構造

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0573039U (ja) * 1992-03-09 1993-10-05 ミサワホーム株式会社 基礎中へのアンカボルト埋設構造
JP2009209626A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Toyota Motor Corp 被固定部材の据付け面への締結固定構造

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015200139A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 トヨタホーム株式会社 アルコーブ構造を備えた建物
JP2019203240A (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 ビニフレーム工業株式会社 押出形材と、その押出形材からなる手摺
JP7194961B2 (ja) 2018-05-21 2022-12-23 ビニフレーム工業株式会社 押出形材と、その押出形材からなる手摺
JP2020007809A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 トヨタホーム株式会社 柱脚
JP7091588B2 (ja) 2018-07-10 2022-06-28 トヨタホーム株式会社 柱脚
KR20200143595A (ko) * 2019-06-14 2020-12-24 한국남부발전 주식회사 슬라이드 탈부착을 이용한 일체형 열전냉각장치
KR102219930B1 (ko) 2019-06-14 2021-02-25 한국남부발전 주식회사 슬라이드 탈부착을 이용한 일체형 열전냉각장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP5574779B2 (ja) 2014-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101880494B1 (ko) 코어벽체의 내진 보강 구조 및 그 시공방법
KR101432260B1 (ko) 강재노출형 철골철근콘크리트 기둥구조
KR101572926B1 (ko) 수평증축을 위한 철골-콘크리트 하이브리드 라멘 pc보 연결구조 및 이의 시공방법
JP5574779B2 (ja) 建物
KR100775350B1 (ko) 필러패널프레임
JP6667940B2 (ja) 外壁の外壁パネル・柱割付け構造および割付け施工方法
JP3762689B2 (ja) 壁枠パネルと床スラブ基礎との結合構造
KR101463106B1 (ko) 건축용 pc 기둥과 보의 연결구조물
JP6271399B2 (ja) 外壁パネルの取付け構造
JP2010031577A (ja) パネルゾーンの型枠
KR20090093524A (ko) 무거푸집 기둥과 iTECH 합성보의 접합부 연결구조 및그 시공방법
JP2017014713A (ja) 既存コンクリート構造物補強構造
JP4842093B2 (ja) フラットプレート構築方法
KR20130103420A (ko) 합성보를 이용한 클린룸 골조
JP6164479B2 (ja) 地下ピット構造
KR101557335B1 (ko) 건축기둥보용 시스템 구조부재
KR100339440B1 (ko) 강합성 슬래브 거푸집 시공방법
JP5658455B2 (ja) ユニット式建物
JP2006169837A (ja) 鉄筋コンクリート造の柱梁接合構造
KR102390555B1 (ko) 목재 건축물의 기초 구조물 시공시스템
KR102372473B1 (ko) 가설브라켓을 이용한 pc기둥과 pc거더의 접합부 시공구조 및 시공방법
JP7380042B2 (ja) 建物の柱梁接合方法
JP7160634B2 (ja) 外壁版の目地構造及び建物
KR20130025300A (ko) 웨브 단면보강형 데크플레이트
JP7176928B2 (ja) 外壁版の目地構造及び建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5574779

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees