JP2011201738A - 光学素子成形用型、並びに光学素子、及び該光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子成形用型、並びに光学素子、及び該光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子材料との反応性が低く、耐熱性、離型性、及び耐久性に優れる光学素子成形用型、並びに該光学素子成形用型を用いた光学素子の製造方法及び光学素子の製造方法により製造された光学素子の提供。
【解決手段】基材と、表面層とを有し、前記表面層が、Pt、Ir、Re、Rh、Os及びTaから選択される少なくとも1種の元素と、Siとを含有し、前記表面層におけるSiの含有量が、2.5質量%以下である光学素子成形用型とする。Siの表面層における含有量が、0.01質量%〜2.5質量%である態様などが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学素子成形用型、並びに該光学素子成形用型を用いた光学素子の製造方法、及び該光学素子の製造方法により製造された光学素子に関する。
光学素子である光学ガラスレンズの製造方法として、直接プレス成形法が知られている。この直接プレス成形法では、所望の面品質、及び面精度に仕上げた光学素子成形用型上で、光学素子材料であるガラスの塊状物を加熱、又は予め加熱してあるガラスの塊状物をプレス成形して、光学ガラスレンズを製造する方法である。
このような直接プレス法に用いる光学素子成形用型には、光学素子にカン(クラック)が発生しないようにすることはもちろん、耐久性や、離型性などの観点から、光学素子材料との反応性が低いこと、光学素子成形用型の表面と光学素子材料との離型性が良いこと、光学素子成形用型の基材と表面層との密着性が優れること、光学素子成形用型のプレス面の摩擦係数が小さいこと、光学素子を短時間で生産できることなどが求められる。
このため、例えば基材上に、白金−ロジウム(Pt−Rh)合金、白金−イリジウム(Pt−Ir)合金のコーティング膜を形成したものが提案されている(特許文献1参照)。また、基材上に、白金−金(Pt−Au)合金のコーティング膜を形成したものも提案されている(特許文献2参照)。このような合金膜は、カーボン系膜やセラミックス系膜に比べて、耐熱性に優れ、ガラスとの反応が少ないという特徴がある。しかし、前記合金膜は、スベリ性及び硬さが悪く、成形時に、ガラスとの離型性が悪く、膜剥がれが発生しやすいという課題がある。
また、基材上の離型膜が、白金、イリジウム、タングステン、レニウム、タンタル、ロジウム、ルテニウム、及びオスミウムから選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素とを含むものが提案されている(特許文献3参照)。
しかし、この提案では、最表面層では主成分が炭素であり、白金、イリジウム、タングステン、レニウム、タンタル、ロジウム、ルテニウム、及びオスミウムから選ばれる少なくとも1種の元素の濃度は5質量〜35質量%と少ないので、耐熱性が劣る。また、炭素が大量であるため、ガラスと反応してしまうという問題がある。
したがって、耐久性、耐熱性、及び離型性に優れ、かつ光学素子材料との反応性が少ない光学素子成形用型並びに該光学素子成形用型を用いた光学素子の製造方法、及び該光学素子の製造方法により製造された光学素子の速やかな開発が求められているのが現状である。
特開昭60−176930号公報 特開昭62−256732号公報 特開2002−220239号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光学素子材料との反応性が低く、耐熱性、離型性、及び耐久性に優れた光学素子成形用型、並びに該光学素子成形用型を用いた光学素子の製造方法、及び該光学素子の製造方法により製造された光学素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 基材と、表面層とを有し、
前記表面層が、Pt、Ir、Re、Rh、Os及びTaから選択される少なくとも1種の元素と、Siとを含有し、
前記表面層におけるSiの含有量が、2.5質量%以下であることを特徴とする光学素子成形用型である。
<2> Siの表面層における含有量が、0.01質量%〜2.5質量%である前記<1>に記載の光学素子成形用型である。
<3> 表面層が、Pt及びIrの少なくともいずれかの元素と、Siとを含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学素子成形用型である。
<4> 表面層の厚みが、10nm〜1,000nmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学素子成形用型である。
<5> 基材がタングステンカーバイド及びSiCのいずれかからなる前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学素子成形用型である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の光学素子成形用型を用いて、光学素子材料を成形することを特徴とする光学素子の製造方法である。
<7> 光学素子材料が、Ti、W、Nb、及びBiの少なくともいずれかを含有する前記<6>に記載の光学素子の製造方法である。
<8> 前記<6>から<7>のいずれかに記載の光学素子の製造方法により製造されることを特徴とする光学素子である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、光学素子材料との反応性が低く、耐熱性、離型性、及び耐久性に優れる光学素子成形用型、並びに該光学素子成形用型を用いた光学素子の製造方法、及び該製造方法により製造された光学素子を提供することができる。
図1は、プレス成形前の説明図である。 図2は、プレス成形時の説明図である。 図3は、pin−on−disk法による摩擦係数の測定原理を示す図である。 図4は、pin−on−disk法による摩擦係数の測定状態を示す図である。 図5は、実施例2−1において、光学レンズの作製を100ショット成形後の金型表面の表面顕微鏡写真である。
(光学素子成形用型)
本発明の光学用成形型は、少なくとも基材と、表面層とを有し、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
<基材>
前記基材の材質、形状、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質としては、例えば、超硬合金(炭化タングステン(WC)、炭化タングステン−コバルト(WC−Co)合金など)、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ホウ素含有窒化珪素、サーメット、ジルコニア(ZrO)、シリコンナイトライド(Si)、チタンカーバイド(TiC)、金属の混合材料、13Crマルテンサイト鋼、シリコン(Si)、酸化チタン(TiO)、ステンレス鋼、などが挙げられる。
これらの中でも、超硬合金、シリコンカーバイドが、密着性、及び加工性に優れる点で好ましく、WC、SiCが特に好ましい。
前記基材の形状、大きさとしては、目的とする光学素子の形状、大きさに応じて適宜選択することができる。
前記基材表面は、後述する表面層を形成する前に鏡面研磨、洗浄などの前処理を行うことが好ましい。
前記鏡面研磨、洗浄などの前処理の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
また、更に、逆スパッタ、イオン照射などにより、前記基材をクリーニングしてもよい。
<表面層>
前記表面層は、Pt、Ir、Re、Rh、Os及びTaから選択される少なくとも1種の元素と、Siとを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記表面層におけるSiの含有量は、2.5質量%以下であり、0.01質量%〜2.5質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。前記含有量が、2.5質量%を超えると、耐熱性が悪化することがあり、0.01質量%未満であると、膜剥れしやすくなることがある。
−元素−
前記元素としては、Pt、Ir、Re、Rh、Os及びTaから選択される少なくとも1種であり、プレス成形後、ガラスを成形型から良好に離型するために、有効な成分の点でPt及びIrの少なくともいずれかが好ましい。
PtとIrを併用する場合には、質量比で、Pt:Irが60:40であることが好ましい。
前記元素の表面層における含有量は、97.5質量%以上であることが好ましく、97.5質量%〜99.99質量%がより好ましく、98質量%〜99.9質量%が更に好ましい。
前記表面層におけるSi及び元素の含有量は、例えば、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)分析、オージェ電子分光分析により求めることができる。
−厚み−
前記表面層の厚みとしては、10nm〜1,000nmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。前記表面層の厚みが、10nm未満であると、膜の欠落等が残り易く、均一膜が得られにくいことがあり、1,000nmを超えると、膜に残留応力が残りやすく、膜剥れとなり、また、表面粗度の悪化となることがある。
前記表面層の厚みは、例えば、エリプソメトリ法により、測定することができる。
−摩擦係数−
前記表面層の摩擦係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.130以下が好ましく、0.120以下がより好ましい。前記表面層の摩擦係数が、0.130を超えると、離型性が悪くなり、カンやワレが発生しやすくなることがある。
前記表面層の摩擦係数は、例えば、pin−on−disk法により、測定することができる。
前記表面層の硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば金属ボール(ステンレススチール製)を作製した表面層の上に置いて、一定の力を加え、表面層を移動させると、該表面層に跡が残るので、その跡の深さを測定して、硬度を求めることができる。
前記表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、などが挙げられる。これらの中でも、作製した膜の内部応力が少ない点でスパッタリング法が特に好ましい。
<その他の構成>
前記その他の構成としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間層などが挙げられる。
−中間層−
前記中間層は、前記基材と、表面層との間に形成される。
前記中間層を形成することにより、前記基材の変形を防ぐことができる。
前記中間層の材質及び厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiN、TaN、ZrN、HfN、AlN、TiC、TaC、ZrC、HfC、TiAlN、TiCN、TaCN、ZrCN、HfCN、SiC、SiN、ダイヤモンドなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法などが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01μm〜1μmであることが好ましい。
(光学素子及び光学素子の製造方法)
本発明の光学素子は、本発明の光学素子の製造方法により製造される。
本発明の光学素子の製造方法は、本発明の光学素子成形用型を用いて、光学素子材料を成形する。
−光学素子材料−
前記光学素子材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiOを含有するガラス、Nbを含有するガラス、WOを含有するガラス、Biを含有するガラスなどが挙げられる。前記Ti、W、Nb、及びBiの少なくともいずれかを含有するガラスは、反応性が高いが、本発明の光学素子成形用型を用いることにより、不良の少ない光学素子を製造することができる。
−成形−
前記光学素子材料を成形する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレス成形、射出成形などが挙げられる。
前記プレス成形では、前記光学素子成形用型上で前記光学素子材料の塊状物を加熱してプレスしてもよいし、予め加熱した光学素子材料の塊状物をプレスしてもよい。
前記加熱の温度、プレスの荷重、プレスの時間としては、特に制限はなく、光学素子材料に応じて適宜選択することができる。
−光学素子−
前記光学素子の形状、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光学素子としては、例えば、レンズ、プリズムなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1−1)
<光学素子成形用型1の製造>
光学素子成形用型の基材として、超硬合金(WC)を用いた。
前記光学素子成形用型の上型基材は、平らな表面を有するものを用いた。
前記光学素子成形用型の下型基材は、凹形状の表面を有するものを用いた。
−表面層の形成−
前記上型基材、及び下型基材の表面(プレス面)上に、スパッタ装置(CFS−10EP、芝浦社製)を用いて、下記条件のスパッタリング法により、厚み50nmの表面層を形成した。なお、表面層の厚みはエリプソメーターにより測定した。
〔スパッタリング条件〕
・Ir:Pt:Si(59.9質量%:40質量%:0.1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた。
・スパッタリングパワー:50〜250W
・Arガス圧:20〜30SCCM
・真空度:0.1〜0.5Pa
得られた表面層の摩擦係数を、以下のようにして、pin−on−disk法により測定したところ、0.120であった。
<pin−on−disk法:水平直線往復摺動方式摩擦係数測定機>
図3に示すように、ステージ1上に試料2を載せ、接触子(pin)3に垂直荷重Wを加えた状態でステージ1を移動させると、接触子(pin)3と試料2間に摩擦力Fが生じる。このときの摩擦係数μ=F/Wで算出した。接触子(pin)3は通常ボール状であり(図4参照)、材質はステンレススチール(SUS)であり、測定は大気中、常温で行った。
また、得られた表面層の硬度を、以下のようにして測定したところ、「○」の評価であった。
<表面層の硬度>
金属ボール(ステンレススチール製)を、作製した表面層の上に置いて、一定の力を加え、表面層を移動させると、該表面層に跡が残るので、その跡の深さを測定して、硬度を求め、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:跡が観察されない。
△:目視で跡が観察され、測定では跡の深さは表面層の厚みより浅い。
×:目視で跡が観察され、下地が露出する。
(実施例1−2)
<光学素子成形用型2の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Si(59.5質量%:39.5質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.105であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−3)
<光学素子成形用型3の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Si(58.5質量%:39質量%:2.5質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.111であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「△」の評価であった。
(実施例1−4)
<光学素子成形用型4の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Re:Si(59.5質量%:39.5質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.108であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−5)
<光学素子成形用型5の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Rh:Si(59.5質量%:29.5質量%:10質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.105であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−6)
<光学素子成形用型6の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Re:Si(39.5質量%:40質量%:19.5質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.109であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−7)
<光学素子成形用型7の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Pt:Rh:Re:Si(59.5質量%:10質量%:29.5質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.101であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−8)
<光学素子成形用型8の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Si(59.9質量%:40質量%:0.1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用い、表面層の厚みを100nmとした以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.108であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−9)
<光学素子成形用型9の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Si(59.9質量%:40質量%:0.1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用い、表面層の厚みを1,000nmとした以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.113であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−10)
<光学素子成形用型10の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Si(59.9質量%:40質量%:0.1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用い、表面層の厚みを10nmとした以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.105であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−11)
<光学素子成形用型11の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Os:Si(39.5質量%:59.5質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.110であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(実施例1−12)
<光学素子成形用型12の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Ta:Si(49.5質量%:49.5質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.120であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「△」の評価であった。
(実施例1−13)
<光学素子成形用型13の製造>
光学素子成形用型の基材として、SiCを用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Si(59.5質量%:39.5質量%:1質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.105であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「○」の評価であった。
(比較例1−1)
<光学素子成形用型14の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt(60質量%:40質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.151であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「△」の評価であった。
(比較例1−2)
<光学素子成形用型15の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Si(58質量%:39質量%:3質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.167であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「×」の評価であった。
(比較例1−3)
<光学素子成形用型16の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Re(60質量%:40質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.132であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「×」の評価であった。
(比較例1−4)
<光学素子成形用型17の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Rh(60質量%:30質量%:10質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.143であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「×」の評価であった。
(比較例1−5)
<光学素子成形用型18の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Pt:Re(40質量%:40質量%:20質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.138であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「×」の評価であった。
(比較例1−6)
<光学素子成形用型19の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Pt:Rh:Re(60質量%:10質量%:30質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.135であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「×」の評価であった。
(比較例1−7)
<光学素子成形用型20の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Os(40質量%:60質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.137であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「△」の評価であった。
(比較例1−7)
<光学素子成形用型21の製造>
光学素子成形用型の基材は、実施例1−1と同様の基材を用いた。
−表面層の形成−
実施例1−1において、Ir:Ta(50質量%:50質量%)からなるスパッタリングターゲットを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、表面層を形成した。
得られた表面層の摩擦係数を、実施例1−1と同様にして測定したところ、0.155であった。また、得られた表面層の硬度を、実施例1−1と同様にして測定したところ、「×」の評価であった。
(実施例2−1)
<光学素子成形用型1を用いた光学素子の製造−1>
光学素子材料として、下記表1の組成のガラス1を用い、光学素子成形用型として光学素子成形用型1を用い、前記光学素子材料を580℃まで加熱し、荷重50kgfでプレス成形を行い、直径4mm、厚み1.5mm、凸形状の光学レンズの作製を100ショット行った。図5に100ショット後の金型表面の顕微鏡写真(倍率20倍)を示す。
図1及び図2は、プレス成形の概略説明図である。図1は、プレス成形前の説明図であり、図2は、プレス成形時の説明図である。図1及び図2中11は基材(上型)を示し、12は表面層を示し、13は光学素子材料を示し、14は基材(下型)を示す。
光学素子成形用型1では、図5に示すように100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型1は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型1は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−2)
<光学素子成形用型2を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型2に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型2では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型2は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型2は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−3)
<光学素子成形用型3を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型3に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型3では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型3は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型3は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−4)
<光学素子成形用型4を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型4に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型4では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型4は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型4は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−5)
<光学素子成形用型5を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型5に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型5では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型5は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型5は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−6)
<光学素子成形用型6を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型6に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型6では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型6は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型6は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−7)
<光学素子成形用型7を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型7に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型7では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型7は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型7は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−8)
<光学素子成形用型8を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型8に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型8では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型8は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型8は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−9)
<光学素子成形用型9を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型9に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型9では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型9は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型9は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−10)
<光学素子成形用型10を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型10に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型10では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型10は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型10は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−11)
<光学素子成形用型11を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型11に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型11では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型11は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型11は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−12)
<光学素子成形用型12を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型12に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型12では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型12は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型12は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(実施例2−13)
<光学素子成形用型13を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型13に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型13では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型13は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型13は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(比較例2−1)
<光学素子成形用型14を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型14に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型14では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、45ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、20ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(比較例2−2)
<光学素子成形用型15を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型15に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型15では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、35ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、15ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(比較例2−3)
<光学素子成形用型16を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型16に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型16では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、60ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、30ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(比較例2−4)
<光学素子成形用型17を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型17に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型17では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、55ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、30ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(比較例2−5)
<光学素子成形用型18を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型18に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型18では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、55ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、30ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(比較例2−6)
<光学素子成形用型19を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型19に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型19では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、60ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、30ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(比較例2−7)
<光学素子成形用型20を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型20に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型20では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、60ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、30ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(比較例2−8)
<光学素子成形用型21を用いた光学素子の製造−1>
実施例2−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型21に代えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型21では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、40ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、20ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(実施例3−1)
<光学素子成形用型1を用いた光学素子の製造−2>
実施例2−1において、ガラス1を下記表2の組成のガラス2に代え、加熱温度を580℃から570℃に変えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型1では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型1は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型1は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(比較例3−1)
<光学素子成形用型14を用いた光学素子の製造−2>
実施例3−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型14に代えた以外は、実施例3−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型14では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、50ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、25ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
(実施例4−1)
<光学素子成形用型1を用いた光学素子の製造−3>
実施例2−1において、ガラス1を下記表3の組成のガラス3に代え、加熱温度を580℃から560℃に変えた以外は、実施例2−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型1では、100ショット成形後でも表面層に、荒れや剥離などのダメージはなく、前記表面層は、膜硬度に優れ、また、光学素子材料との反応性が低く、前記光学素子成形用型1は、離型性と耐久性に優れることが分かった。
また、光学レンズの成形において、カン(クラック)が発生することもなかった。
そのため、前記光学素子成形用型1は、100ショットを超えてもダメージはなく、光学素子の製造が可能であることが分かった。
(比較例4−1)
<光学素子成形用型14を用いた光学素子の製造−3>
実施例4−1において、光学素子成形用型1を、光学素子成形用型14に代えた以外は、実施例4−1と同様にして、光学素子の製造を行った。
光学素子成形用型14では、表面層に荒れや剥離が発生することが分かった。なお、表面層の荒れや剥離は、80ショット成形後に発生していた。
また、光学レンズの成形において、40ショット成形後にカン(クラック)が発生した。
以上説明した実施例及び比較例の内容及び結果をまとめて表4に示す。
表4の「剥離(型)」の欄中、「○」は、「100ショット成形時に型にダメージがなく、100ショットを超えて成形可能である。」を示し、「△」は、「100ショット成形時に型の外周部に僅かな表面荒れが発生したが、100ショットを超えて成形可能である。」を示し、「×」は、「100ショットの成形ができない。」を示す。
また、「カン」の欄中、「○」は、「100ショット成形時にクラックが発生しなかった。」ことを示し、「×」は、「100ショット成形時にクラックが発生した。」ことを示す。
また、総合評価の欄中、「○」は100ショットを超えて成形可能かつ膜荒れがなしであることを示し、「△」は100ショットを超えて成形可能だが、外周部に僅かな膜荒れがあることを示し、「×」は100ショットの成形ができない、又は表面荒れや剥離が発生したことを示す。
本発明の光学素子成形用型は、光学素子材料との反応性が低く、耐熱性、離型性、及び耐久性に優れているので、反応性の高いTiO、Nb、WO、Biなどを含む光学素子材料や、薄いレンズの成形に好適に用いることができる。
1 ステージ
2 試料
3 接触子(pin)
11 基材(上型)
12 表面層
13 光学素子材料
14 基材(下型)

Claims (8)

  1. 基材と、表面層とを有し、
    前記表面層が、Pt、Ir、Re、Rh、Os及びTaから選択される少なくとも1種の元素と、Siとを含有し、
    前記表面層におけるSiの含有量が、2.5質量%以下であることを特徴とする光学素子成形用型。
  2. Siの表面層における含有量が、0.01質量%〜2.5質量%である請求項1に記載の光学素子成形用型。
  3. 表面層が、Pt及びIrの少なくともいずれかの元素と、Siとを含有する請求項1から2のいずれかに記載の光学素子成形用型。
  4. 表面層の厚みが、10nm〜1,000nmである請求項1から3のいずれかに記載の光学素子成形用型。
  5. 基材がタングステンカーバイド及びSiCのいずれかからなる請求項1から4のいずれかに記載の光学素子成形用型。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光学素子成形用型を用いて、光学素子材料を成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 光学素子材料が、Ti、W、Nb、及びBiの少なくともいずれかを含有する請求項6に記載の光学素子の製造方法。
  8. 請求項6から7のいずれかに記載の光学素子の製造方法により製造されることを特徴とする光学素子。
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