JP2011201295A - 射出成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】射出成形装置のシリンダ内に供給された成形材料をシリンダ14先端部に貯蔵すると共に、スクリュー16が計量設定位置まで後退した後にスクリューの回転を停止する射出成形方法において、計量工程では、背圧を所定値に設定しスクリュー回転数を50rpm以上300rpm以下の範囲の一定回転数に設定すると共に、スクリュー回転数の材料送り能力に合わせて成形材料を投入口から自重でシリンダ内に充満供給するノーマル供給方法での計量時間をSN秒とした場合に、シリンダ14内に供給する成形材料の供給速度を、SNの2倍秒以上180秒以下の計量時間になるように調整することを含み、これにより、計量時間をスクリューの回転数及び背圧設定値とは無関係に制御する。
【選択図】図1
Description
であってもよく、この場合には、繊維の製造コストが低くなり、加えて樹脂組成物中での分散性が高まるので好ましい。あるいは、星状、多角形、不定形、凹凸のある形状などの異型断面や異型断面複合断面であってもよい。この場合、混合物において、樹脂との接触面積が多くなり密着性が高まり、本発明の繊維含有射出成形品の強度が高まる傾向があるので好ましい。なお、断面形状が円状ではない繊維の場合は、一例として、面積円相当径(Heywood径)を意味するものとする。
次に、試験Aにより本発明の射出成形方法の具体的な実施例を説明する。
・ポリ乳酸樹脂(ペレット状)…三井化学製 LACEA H100 100重量部
・相溶化剤(粉状)…伏見製薬所製 ラビトルFP110 20重量部
・分解防止剤(粉状)…日清紡製 カルボジライトLA1 5重量部
・難燃剤(粉状)…ADEKA アデカスタブFP2100 35重量部
・ガラス繊維…オーウェンスコーニンク゛FT592 15重量部
(繊維をペレット様に固めたもの)
〈合 計〉 175重量部
なお、ポリ乳酸樹脂は予め熱風乾燥機で80℃−5時間乾燥したものを使用した。また、難燃剤は予め減圧乾燥機で80℃−5時間減圧乾燥したものを使用した。上記成形材料のうち粉体比率は34重量%である。
試験に供した射出成形装置は、FANUC社製のα50−Aを用い、この射出成形装置にシャルピー試験片と、UL試験片(厚み1.6mm)が同時に射出成形できる金型をセットした。射出成形装置のヒータ温度は、ノズル側から195℃―195℃―190℃―180℃―30℃に設定した。また、1ショットの射出量は25gになるようにした。
各評価の試験方法は次の通りである。
シャルピー衝撃試験片をJISK−7111に準じて、長さ80mm±2mm、幅10mm±0.2mm、厚さ4mm±0.2mmとし、ノッチ加工(ノッチ半径0.25mm±0.05mm、ノッチ部の幅8.0mm±0.2mm)を行った。ノッチ付き試験片の質量は4.2gであった。試験装置はTOYOSEIKI社製のIMPACTTESTER(アナログ式)を用いた。そして、上記の実施例及び比較例で得られた試験片をJISK−7111に準じてシャルピー衝撃試験に供し、5(KJ/m2)以上を合格とした。
テストピースは、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの射出成形テストピースを用いた。UL94−Vはプラスチック部品などの燃焼性試験のうちでも最も基本的なもので、規定された寸法の試験片にガスバーナーの炎を当てて試験片の燃焼の程度を調べる。その等級は、難燃性が高い方から順に5VA,5VB,V−0,V−1,V−2,そしてHBがあり、V−1以上(5VA〜V−1)の難燃性を合格とした。
テストピースはUL94に準じて長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの射出成形テストピースを用いた。このテストピースを、照度3800Lx〜4200Lxのライトテーブル(白色光)上に置き、テストピースを透過する透過光によって分散性の良し悪しを目視にて観察した。そして、次の◎〜××の5段階評価を行った。
上記した3つの評価項目が全て合格の場合に、判定において合格であると評価し、1つでも不合格がある場合は判定において不合格であると評価した。
実施例の射出成形条件及び結果を図8(A)に示し、比較例の射出成形条件及び結果を図8(B)に示した。
実施例1では、射出成形装置に小型の計量フィーダを取り付け、上記組成の成形材料をビニール袋に入れて良く振り混ぜて均一混合したものを、計量フィーダに入れた。そして、背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、計量時間が20秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給した。即ち、実施例1は、シリンダ内に供給する成形材料の供給速度を、スクリューの回転数や背圧設定値とは無関係に調整することにより、計量工程の計量時間を20秒に制御した場合である。その結果、ペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が7.1(KJ/m2)、難燃性がV−0、分散性が◎であり、判定が合格であった。図9(A)は実施例1における射出成形装置のスクリューシャフトの写真であり、白く見える部分がシャフトに付着している粉体材料である。図9(A)から分かるように、圧縮ゾーンにおいて粉体材料のシャフトへの付着は殆ど見られず、成形材料の均一混練が十分になされていることが分かる。
実施例2では、背圧を150kg/cm2に上げた以外は実施例1と同様に射出成形を行った。即ち、実施例2は、スクリュー回転数及び計量時間が実施例1と同じで背圧を大きく設定したときの本発明への影響を調べたものである。その結果、シャルピー衝撃試験結果が6.9(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が◎であり、判定が合格であった。また、背圧設定値を30kg/cm2から150kg/cm2に大きくしても、スクリュー回転数と計量時間を本発明の条件に設定すれば、成形品の品質に殆ど影響ないことが分かった。このことから、背圧は所定値に設定することができる。ちなみに、後記する比較例2が設定値150kg/cm2及びスクリュー回転数200rpmにおけるノーマル供給での計量時間SNであり、計量時間SNは7秒であった。
背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を50rpmに設定し、計量時間が40秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給した。その他の条件は実施例1と同様である。即ち、実施例3は、スクリュー回転数が遅くなったことによる混練性能の低下を、計量時間を40秒に長くすることで補うようにしたものである。その結果、シャルピー衝撃試験結果が6.5(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が◎であり、判定が合格であった。
背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、計量時間が8秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給した。その他の条件は実施例1と同様である。即ち、実施例4は、背圧設定値及びスクリュー回転数を実施例1と同様とし、計量時間を本発明の下限になるようにしたものである。その結果、シャルピー衝撃試験結果が6.0(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が○であり、判定が合格であった。
背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、計量時間が180秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給した。その他の条件は実施例1と同様である。即ち、実施例5は、背圧設定値及びスクリュー回転数を実施例1と同様とし、計量時間を本発明の上限になるようにしたものである。その結果、シャルピー衝撃試験結果が5.1(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が◎であり判定が合格であったが、計量時間が長いためにシャルピー衝撃試験結果が合格ライン近傍であった。これは、計量時間が長いためにポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が起こったことによると考察される。
背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を300rpmに設定し、計量時間が20秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給した。その他の条件は実施例1と同様である。即ち、実施例6は、背圧設定値と計量時間を実施例1と同様とし、スクリュー回転数を本発明の上限になるようにしたものである。その結果、シャルピー衝撃試験結果が5.5(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が○であり判定が合格であったが、スクリュー回転数が高かったため、シャルピー衝撃試験結果が合格ライン近傍であった。これは、スクリュー回転数が高いことによって剪断発熱が大きく発生し、ポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が起こったことによると考察される。
背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、計量フィーダを使用せずに、上記組成の成形材料を容量が50mLのミニホッパーに入れて、成形材料の自重でシリンダ内に充満供給させるノーマル供給方法で行った。このときの計量時間を測定したところ4秒であった。即ち、比較例1は、スクリューの回転数即ち成形材料の材料送り能力に連動して成形材料がシリンダ内に供給されることで、計量時間が4秒になったものである。その結果、計量時間が短過ぎてペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が不十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が4.7(KJ/m2)、難燃性がV−2、分散性が×であり、判定が不合格であった。
背圧を150kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、計量フィーダを使用せずに、上記組成の成形材料を容量が50mLのミニホッパーに入れて、成形材料の自重でシリンダ内に充満供給させるノーマル供給方法で行った。このときの計量時間を測定したところ7秒であった。即ち、比較例2は、スクリューの回転数即ち成形材料の材料送り能力に連動して成形材料がシリンダ内に供給されることで、計量時間が7秒になったものである。この場合、背圧の設定を比較例1の30kg/cm2から150kg/cm2に大きくしたことによって、ノーマル供給方法での計量時間が比較例1の4秒から7秒に長くなった。その結果、シャルピー衝撃試験結果が5.1(KJ/m2)、難燃性がV−2、分散性が××であり、判定が不合格であった。
実施例1と同様に背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、計量フィーダを使用せずに、上記組成の成形材料を容量が50mLのミニホッパーに入れて、成形材料の自重でシリンダ内に供給されるようにした。その結果、シリンダの投入口で成形材料がブロッキングして詰まり、安定した成形品のサンプルを採ることができなかったため、途中で試験を中止した。このように、成形材料に大量の粉体を含む場合には、何かのきっかけで目詰まりが発生してしまう。
比較例4は、特許文献1のハングリーフィードに準じて試験したものである。即ち、背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、シリンダの投入口を見ながら、スクリューが1/4〜3/4隠れるように成形材料を供給した。このときの計量時間を測定したところ、比較例1のノーマル供給方法での計量時間4秒と同じであった。その結果、計量時間が短過ぎてペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が不十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が5.5(KJ/m2)で合格であったものの、難燃性がV−2、分散性が×と不合格であり、判定が不合格であった。
比較例5は特許文献2に準じて試験したものである。即ち、背圧を30kg/cm2、スクリューの回転数を200rpmに設定し、東洋精機製作所の定量フィーダF3を手動でON−OFF操作して、特許文献2の供給方法により成形材料をシリンダ内に供給した。このときの計量時間を測定したところ、5秒であった。その結果、計量時間が短過ぎてペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が不十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が5.2(KJ/m2)合格であったものの、難燃性がV−2、分散性が×であり、判定が不合格であった。
比較例6では、計量時間が200秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給しする以外は実施例1と同様に行った。即ち、比較例6は、背圧設定値及びスクリュー回転数は本発明を満足するが計量時間が本発明の上限を超えて長くなるようにしたものである。その結果、難燃性がV−1、分散性が◎であり判定が合格であったが、計量時間が長過ぎたためにシャルピー衝撃試験結果が合格ライン以下の4.5(KJ/m2)になった。これは、計量時間が長過ぎるためにポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が過度に起こったことによると考察される。
比較例7では、スクリューの回転数を350rpmに設定した以外は実施例1と同様に行った。即ち、比較例7は、背圧設定値及び計量時間は本発明を満足するがスクリュー回転数が本発明の上限を超えて大きくなるようにしたものである。その結果、難燃性がV−1、分散性が◎であり判定が合格であったが、スクリュー回転数が高かったため、シャルピー衝撃試験結果が合格ライン以下の4.2(KJ/m2)になった。これは、スクリュー回転数が高過ぎたことによって剪断発熱が過度に発生し、ポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が起こったことによると考察される。
上記実施例1と比較例1との対比、及び実施例2と比較例2との対比から分かるように、スクリュー回転数や背圧設定値に関係なく、計量時間が制御されるように成形材料の供給速度を調整する本発明の射出成形方法を行うことにより、シャルピー衝撃試験、難燃性、分散性の全ての点で良い結果を得ることができる。
試験Bは、試験Aとは成形材料及び射出成形装置を変えて行った。
・ポリ乳酸樹脂(粒状)…ネーチャーワークス製 4032D 100重量部
・難然剤(粉状)…ADEKA アデカスタブFP2200 40重量部
・相溶剤(粉状)…伏見製薬所製 ラビトルFP110 20重量部
・分解防止剤(粉状)…三菱レイヨン製 メタブレンW600A 5重量部
・PTFEドリップ防止剤(粉状)…ダイキン工業製 FA500H 0.5重量部
・加水分解防止剤(粉状)…ラインケミー製 スタハ゛クソ゛ール1FL 3重量部
・フィラー(微粉末)…日本タルク工業製 P3 8重量部
〈合 計〉 176.5重量部
なお、ポリ乳酸樹脂は予め熱風乾燥機で80℃−5時間乾燥したものを使用した。また、難然剤は予め減圧乾燥機で80℃−5時間減圧乾燥したものを使用した。上記成形材料のうち粉体比率は43重量%である。
試験に供した射出成形装置は、住友重機械工業社製のSG150U−3を用い、この射出成形装置にシャルピー試験片と、UL試験片(厚み1.6mm)が同時に射出成形できる金型をセットした。射出成形装置のヒータ温度は、ノズル側から195℃―195℃―190℃―180℃―30℃に設定した。また、1ショットの射出量は120gになるようにした。
実施例の射出成形条件及び結果を図10(A)に示し、比較例の射出成形条件及び結果を図10(B)に示した。
実施例1−1では、射出成形装置に小型の計量フィーダを取り付け、上記組成の成形材料をビニール袋に入れて良く振り混ぜて均一混合したものを、計量フィーダに入れた。そして、背圧を5kg/cm2、スクリューの回転数を150rpmに設定し、計量時間が40秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給した。即ち、実施例1−1は、シリンダ内に供給する成形材料の供給速度を、スクリューの回転数や背圧設定値とは無関係に調整することにより、計量工程の計量時間を40秒に制御した場合である。その結果、ペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が6.4(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が◎であり、判定が合格であった。
実施例2−1では、射出成形装置に小型の計量フィーダを取り付け、上記組成の成形材料をビニール袋に入れて良く振り混ぜて均一混合したものを、計量フィーダに入れた。そして、背圧を25kg/cm2、スクリューの回転数を150rpmに設定し、計量時間が60秒になる供給速度で成形材料をシリンダ内に供給した。即ち、実施例2−1は、シリンダ内に供給する成形材料の供給速度を、スクリューの回転数や背圧設定値とは無関係に調整することにより、計量工程の計量時間を60秒に制御した場合である。その結果、ペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が6.8(KJ/m2)、難燃性がV−0、分散性が◎であり、判定が合格であった。
実施例3−1では、スクリュー回転数を本発明の下限である50rpmに設定した以外は実施例1−1と同様に行った。その結果、シャルピー衝撃試験結果が6.1(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が◎であり、判定が合格であった。これにより、スクリュー回転数を本発明の下限である50rpmに設定したが、ペレット状の材料と粉体状の材料とが十分に均一混練されていることが分かる。
実施例4−1では、スクリュー回転数を本発明の上限である300rpmに設定した以外は、実施例1−1と同様に行った。その結果、シャルピー衝撃試験結果が5.5(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が◎であり、判定が合格であった。スクリュー回転数を本発明の上限である300rpmに設定したことによって、剪断発熱が発生し、ポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が起こり、シャルピー衝撃試験結果が多少悪くなったものと考察される。
実施例5−1では、計量時間を本発明の上限である180秒に設定した以外は、実施例1−1と同様に行った。その結果、シャルピー衝撃試験結果が5.4(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が◎であり、判定が合格であった。計量時間を本発明の上限である180秒と長くしたため、ポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が起こり、シャルピー衝撃試験結果が多少悪くなったものと考察される。
実施例6−1では、計量時間を本発明の下限であるノーマル供給での計量時間SNの2倍である6秒に設定した以外は、実施例1−1と同様に行った。ちなみに、比較例1−1がノーマル供給での計量時間であり、3秒となる。その結果、シャルピー衝撃試験結果が6.0(KJ/m2)、難燃性がV−1、分散性が○であり、判定が合格であった。計量時間を本発明の下限である6秒と短かったが、シャルピー衝撃試験、難燃性、分散性ともの合格となる程度の均一混練を達成することができた。
背圧を5kg/cm2、スクリューの回転数を150rpmに設定し、計量フィーダを使用せずに、上記組成の成形材料を容量が250mLのミニホッパーに入れて、成形材料の自重でシリンダ内に充満供給させるノーマル供給方法で行った。このときの計量時間を測定したところ3秒であった。即ち、比較例1−1は、スクリューの回転数即ち成形材料の材料送り能力に連動して成形材料がシリンダ内に供給されることで、計量時間が3秒になったものである。その結果、計量時間が短過ぎてペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が不十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が4.3(KJ/m2)、難燃性がV−2、分散性が×であり、判定が不合格であった。
比較例2−1では、計量時間を200秒とした以外は、実施例1−1と同様に行った。即ち、比較例2−1は計量時間が本発明の上限を超えて長い場合である。その結果、分散性は◎で合格であったものの、シャルピー衝撃試験結果が3.2(KJ/m2)、難燃性がV−2であり、判定が不合格であった。これは、計量時間を200秒と長過ぎたために、ポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が過度に起こり、シャルピー衝撃試験結果が不合格になったものと考察される。
比較例3−1では、スクリュー回転数を350rpmとした以外は、実施例1−1と同様に行った。即ち、比較例3−1はスクリュー回転数が本発明の上限を超えて高い場合である。その結果、分散性は◎で合格であったものの、シャルピー衝撃試験結果が3.5(KJ/m2)、難燃性がV−2であり、判定が不合格であった。これは、スクリュー回転数が高過ぎるために、ポリ乳酸樹脂の分解による低分子化が過度に起こり、シャルピー衝撃試験結果が不合格になったものと考察される。
比較例4−1は、特許文献1のハングリーフィードに準じて試験したものである。即ち、背圧を5kg/cm2、スクリューの回転数を150rpmに設定し、シリンダの投入口を見ながら、スクリューが1/4〜3/4隠れるように成形材料を供給した。このときの計量時間を測定したところ、比較例1−1のノーマル供給方法での計量時間3秒と同じであった。その結果、計量時間が短過ぎてペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が不十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が4.5(KJ/m2)、難燃性がV−2、分散性が×であり、判定が不合格であった。
比較例5−1は特許文献2に準じて試験したものである。即ち、背圧を5kg/cm2、スクリューの回転数を150rpmに設定し、東洋精機製作所の定量フィーダF3を手動でON−OFF操作して、特許文献2の供給方法により成形材料をシリンダ内に供給した。このときの計量時間を測定したところ、4秒であった。その結果、計量時間が短過ぎてペレット状の材料と粉体状の材料との均一混練が不十分であったことにより、シャルピー衝撃試験結果が4.3(KJ/m2)、難燃性がV−2、分散性が×であり、判定が不合格であった。
試験Bの結果も試験Aと同様の傾向であり、成形材料及び射出成形装置の違いは本発明に影響ないことが分かった。
一般的に射出成形において計量工程で行う可塑化とは、シリンダ14内のペレットAをスクリュー16で前方に搬送しながら、シリンダ14外部のヒータ24からの伝熱と、ペレットA同士の摩擦熱(剪断エネルギー)により、均一に溶融し、予め設定された一定量の溶融樹脂A1をシリンダ14先端に貯蔵することを言う。
先ず初めに、射出成形装置に取り付けたホッパー26内にペレットAを積み上げる『ノーマル供給』について説明する。ホッパー26へのペレットAの供給は、定量フィーダ40(定量供給装置)を用いてその供給量を任意に調整できるものとする。射出成形を開始する前に、ペレットAをホッパー26に満タンに供給しておく。この時のスクリュー16のネジ溝内やホッパー26内のペレットAの概略状態を図11(A)に示す(バルブ等は省略した概念図)。
次に『ハングリーフィード』について説明する。
それでは本発明における『パラパラ入れ』とはどのようなものかを説明する。
Claims (10)
- 射出成形装置のシリンダ内に供給された成形材料をスクリューの回転によりシリンダ先端部に貯蔵すると共に、貯蔵される成形材料自身の圧力を受けて前記スクリューが計量設定位置まで後退した後に前記スクリューの回転を停止する計量工程を備えた射出成形方法において、
前記計量工程では、前記スクリューに加える背圧を所定値に設定して前記スクリューの回転数を50rpm以上300rpm以下の範囲の一定回転数に設定すると共に、
前記計量工程では、前記スクリュー回転数の材料送り能力に合わせて前記成形材料を投入口から自重で前記シリンダ内に充満供給するノーマル供給方法での計量時間をSN秒とした場合に、前記シリンダ内に供給する成形材料の供給速度を、前記SNの2倍秒以上180秒以下の計量時間になるように調整することを含み、
これにより前記計量時間を前記スクリューの回転数及び前記背圧設定値とは無関係に制御することを特徴とする射出成形方法。 - 前記シリンダ内を、前記成形材料の投入口から順に供給ゾーン、圧縮ゾーン、計量ゾーンの3つのゾーンに区分したときに、少なくとも前記圧縮ゾーンの手前まで前記成形材料を充満させないことを特徴とする請求項1の射出成形方法。
- 射出成形の開始時に、前記少なくとも前記圧縮ゾーンの手前まで前記成形材料を充満させない状態を形成し、この状態で定量供給装置から前記ノーマル供給方法での成形材料の平均消費量よりも少なくなる供給速度で成形材料を前記シリンダ内に補給することを特徴とする請求項2の射出成形方法。
- 前記計量時間を前記成形材料の必要混練時間に応じて制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1の射出成形方法。
- 射出成形サイクルは、前記成形材料の計量工程、金型の型締工程、シリンダから金型への溶融樹脂の射出工程、金型内部の圧力を保圧する保圧工程、金型を冷却する冷却工程、金型を離型して成形品を取り出す離型工程とで構成されると共に、前記計量時間を、前記射出成形サイクルのうちの冷却工程開始から離型工程終了までの時間に応じて制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1の射出成形方法。
- 前記成形材料はベース樹脂と添加物とで構成され、前記ベース樹脂及び前記添加物のうちの少なくとも1つが粉体であって、該成形材料をペレット化することなく前記シリンダ内に直接供給することを特徴とする請求項1〜5の何れか1の射出成形方法。
- 前記成形材料のうち、前記粉体の比率が30重量%以上であることを特徴とする請求項6の射出成形方法。
- 前記ベース樹脂がポリ乳酸樹脂、セルロース系樹脂の少なくとも1つであると共に、前記添加物が難燃剤、繊維の少なくとも1つであることを特徴とする請求項6又は7の射出成形方法。
- 前記成形材料を前記シリンダ内に少量連続供給することにより、前記供給速度を調整することを特徴とする請求項1〜8の何れか1に記載の射出成形方法。
- 前記成形材料を前記シリンダ内に間欠供給することにより、前記供給速度を調整することを特徴とする請求項1〜8の何れか1に記載の射出成形方法。
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