JP2011093185A - 射出成形方法および繊維含有樹脂成形体 - Google Patents

射出成形方法および繊維含有樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂としてポリ乳酸樹脂等のバイオマス樹脂を用い、かつ、バイオマス樹脂の比率を高くしても、十分な強度を有し、かつ、樹脂の熱劣化も防止できる射出成形方法、および、この成形方法による繊維含有射出成形品を提供する。
【解決手段】樹脂と、難燃剤と、難燃剤を被覆してなり、好ましくは3〜10mmのペレット状にした繊維とを含有する混合物を調製し、この混合物を射出成形することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維によって強化された射出成形体を形成する射出成形方法、および、この射出成形方法で作成した繊維含有樹脂成形体に関する。
20世紀は、豊かで便利な社会を追求し、さまざまな新しい技術や文化を生み出した。その反面、豊かで便利な生活は、物やエネルギーを大量に消費しなければ成り立たず、大気汚染、地球温暖化、オゾン層破壊といった、後世に禍根を残すような問題が顕在化している。
そのため、このような問題を出来るだけ少なくして、循環型の省エネルギー社会を構築しようという試みが始まっており、子々孫々まで、地球の恩恵を享受し続けるための1つの方策として、石油などの使用を抑えて、植物など、生物由来の素材を使っていこうという流れがある。
このような流れから、石油由来樹脂の代替えとして、植物等の生物由来の、いわゆるバイオマス樹脂(バイオマスプラスチック/バイオプラスチックとも称す)からなる部材を、種々の製品に用いる試みがなされている。
現在、普及しつつあるバイオマス樹脂の代表的な材料としては、ポリ乳酸(ポリ乳酸樹脂、PLAとも称す)が挙げられる。
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合で重合して、長くつながった高分子である。例えば、トウモロコシやジャガイモなどから得られるデンプン中のアミロースやアミロペクチンなどをアミラーゼなどの酵素で糖に変換し、これに乳酸菌を作用させると、その発酵作用によって、ポリ酪酸を得ることが出来る。
このような、植物由来のバイオマス樹脂は、植物が成長する過程で、空気中の二酸化炭素中の炭素原子を植物の中に取り込んで有機化合物として固定化する。そのため、この素材を焼却して二酸化炭素が発生したとしても、空気中に排出される二酸化炭素の中の炭素原子は、元々、大気中の二酸化炭素から植物が取り込んだものであるので、結果的に、『差し引きゼロ』で環境に変化を与えないという効果が期待できる。この考えは『カーボンニュートラル』と呼ばれている。
これら『カーボンニュートラル』の効果が期待できる素材を用いて、様々な部材を製造する方法の研究が行われており、製品も上市されてきているが、ここで問題となるのがバイオマス樹脂を用いた部材の機械的強度不足である。
バイオマス樹脂の物性向上のために、分子構造を作り変えたりすることも考えられているが、このような改質方法は、更なるエネルギーを必要としてしまい、バイオマス樹脂が、本来、有する植物由来の意義がなくなってしまうので、好ましくない。そのため、物性を向上させるための手段が大幅に制限されてしまい、強度が必要な部材などへの展開が進んでいないのが現状である。
それでも、この点を改善するために、いくつかの方法が提案されている。
例えば、一般的にバイオマス樹脂と比較して、石油系樹脂の方が強度が高い。そのため、バイオマス樹脂と石油系樹脂とを混合することによって、バイオマス樹脂を用いる部材の強度を高めることが出来る。
このような、バイオマス樹脂と石油系樹脂とを混合した組成物からなる部材は、石油系樹脂の混合率を高めることで強度を向上することができ、比較的大型の部材に要求される強度を得ることもできる。しかしながら、この場合には、充分な強度を得るためには石油系樹脂の混合率を高める必要があり、植物由来のバイオマス樹脂を使うメリットが、大幅に低減してしまう欠点が有る。
別の方法として、特許文献1に記載されるように、竹やケナフ繊維など天然の材料を繊維化して、樹脂組成物に混ぜ込むことによって、樹脂成形体を繊維強化すると共に、樹脂成形体の一部分を『カーボンニュートラル』な素材に置き換える方法も知られている。
しかしながら、樹脂成形体を繊維強化する際にも、各種の問題が有る。
例えば、射出成形を行なうために、材料の1つである繊維(繊維材料)を樹脂組成物中に供給する方法として、図2に概念的に示すように、材料Mとして、射出成型装置100(そのホッパ102)に、直接、繊維を供給することが考えられる。
この方法であれば、繊維を供給するための特別な工程も必要ない。従って、追加する装置も比較的簡単な供給装置でよく、最小限の設備構成で成型加工が行えるため、設備の導入コストもランニングコストも安価で済む。しかも、シンプルな工程なので、原材料も劣化しにくいというメリットがある。
しかしながら、現実的には、繊維は嵩高く、他の原材料と同時に射出成形機100に投入した際に、繊維同士が絡んでブリッジを形成してしまい、他の原料の供給を妨げたり、絡んだ繊維の塊が断続的に射出成形機に供給され、均一な混合が出来ない。そのため、ショット毎に射出成形品の品質がばらつき、所定品質の製品を安定して得ることができないという問題が発生する。
一方で、図3に概念的に示すように、射出成形装置に供給する材料Mを、混練成形機104で混練/成形してペレット化(ペレットP)して、射出成形装置100に供給することが行なわれている。
これを利用して、材料Mとして、繊維も混練成形機104に供給して混練し、繊維を含む状態で材料Mをペレット化することも行なわれている。
図4に、この混練成形機104の一例を概念的に示す。
図示例において、混練成形機104は、主に、各種の材料Mを混練する2軸の混練装置110と、混練装置110に樹脂以外の材料Mを供給するサイドフィーダ112と、サイドフィーダ112に、粉体や繊維を一定の速度もしくは一定の比率で切出し供給するための計量ホッパ114、計量スクリュー116および重量計量器118と、などから成る。
ペレット化される(すなわち、樹脂成形体となる)材料Mのうち、予め作製された樹脂ペレットなどは、第2供給ホッパ120から混練装置110に供給される。
一方、樹脂ペレット以外の粉体や繊維等の材料は、計量ホッパ114および計量スクリュー116から第1供給ホッパ124に供給される。なお、これらの材料Mは、計量ホッパ114から一定の速度もしくは一定の比率で切出される。これは、重量計量器118を用いて、材料の切出し量を常時監視し、計量スクリュー116の速度を制御することによって、実現される。
第1供給ホッパ124に供給された粉体や繊維などは、第1供給ホッパ124の下部に設けられた供給スクリュー126によってサイドフィーダ112に供給され、サイドフィーダ112によって、混練装置110に供給される。
第2供給ホッパ120から混練装置110に供給された樹脂ペレット、および、サイドフィーダ112から混練装置110に供給された粉体や繊維等は、混練装置110によって、混練(混合)されつつ搬送され、ストランドダイ128から溶融混合物としてストランド状に吐出される。
このストランドSは、冷却固化しつつ、ピンチローラ130で搬送されて、次いで、ロータリーカッタ130によって細かく切断されてペレット状の混合材料Pとなる。
このような事前混練およびペレット化により、繊維も、ある程度、安定して射出成形装置に供給することが可能となり、射出成形品の品質のばらつきも少なくすることが出来るようになっている。
しかしながら、材料Mとして繊維を含む場合には、計量スクリュー116などでの滞留や絡み合いが生じてしまうため、一定量もしくは一定比率で供給するのが困難であり、ある程度の品質のばらつきは、やむを得ない状態であった。
このような問題点に対して、さらに、繊維の安定供給方法について検討、改良が行われた結果、非特許文献1に示されるように、繊維を予め樹脂で被覆(コーティング)してペレット化してしまい、その後、混練成形機104に供給することで、安定供給をする方法が見出された。
非特許文献1に示される、樹脂で被覆した繊維ペレットの製造装置(方法)においては、複数の繊維(糸)がロービングスタンドから繰り出され、電線の樹脂被覆に用いられる樹脂被覆用ダイヘッドに類似する含浸ヘッドにおいて、二軸混練押出機から溶融押出しされた溶融樹脂に浸漬される。これにより、繊維の表面にのみならず、繊維内部まで溶融樹脂が含浸され(繊維のミクロな表面まで樹脂で包み込ませて)、繊維の表面が樹脂によって被覆される。
次いで、樹脂で被覆された繊維をストランド状に加工した後、このストランドを冷却水槽で冷却し、次いで引取装置で引き取りながら、ペレタイザーによって切断して、樹脂で繊維を被覆した、所定の長さペレットとする。
特開2005−105245号公報
『複合材料の変遷10年史』 濱田泰以 成形加工第20巻 第8号 2008
このように繊維を前加工して樹脂被覆し、さらに、ペレット状にしておくことによって、繊維を、あたかも樹脂ペレットのように取り扱うことができ、したがって、混練成形装置104や射出成形装置100などに材料として供給する際にも、問題なく供給できるようになる。
しかしながら、この方法にも大きな課題がある。
まず、繊維を樹脂で被覆する装置が非常に大掛かりになり、混練成形装置104を設置するスペースに設置するのが、非常に困難である。また、このような樹脂による繊維の被覆は、工程が複雑であるため、メンテナンスに労力を要し、また、多くのエネルギーを消費する。
また、樹脂と繊維ペレットとの混練工程に比べると樹脂や添加剤の劣化は少なくなるものの、射出成形以前の工程である、繊維を樹脂で被覆する工程や、樹脂で被覆した繊維のペレット化の為の工程で、材料が熱履歴を受けてしまう。すなわち、このような方法で、樹脂としてバイオマス樹脂を用いて繊維強化成形体を作製する場合には、繊維を包埋するバイオマス樹脂が、繊維の被覆工程やペレット化の工程で熱履歴を受ける結果となり、特に熱に弱い、バイオマス樹脂などを用いる成形では、見過ごすことの出来ない問題となってしまう。ポリ乳酸などバイオマス樹脂の加工は、できるだけ、全ての工程でバイオマス樹脂に熱を与えないで加工することが、成形体の物性を維持するためにきわめて重要である。
また、包埋樹脂としてバイオマス樹脂以外を用いることで、このような不都合は回避できるが、この場合は、包埋樹脂の軟化点がバイオマス樹脂の融点に近い場合や高い場合も、多々、有り、この際には、樹脂で包埋した繊維がほぐれず、繊維の分散不良によって、物性が低下する。さらに、この方法では、バイオマス樹脂を使用するメリットが低減してしまうのも、もちろんである。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、特に、ポリ乳酸樹脂など、植物由来のバイオマス樹脂を主成分とし、かつ、繊維で強化してなる樹脂成形体の製造において、バイオマス樹脂の割合を高めても、樹脂成形体の物性を低下させず比較的大型の樹脂成形体を成形することを可能にすると共に、繊維を、材料の劣化が少ない、簡素化した工程で添加することを可能にする射出成形方法、および、この射出成形方法による繊維含有樹脂成形体を提供するものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記の構成により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の射出成形方法は、樹脂と、難燃剤と、繊維とを含む混合物を用いて、射出成形によって繊維含有樹脂成形体を成形するに際し、前記繊維の表面を前記難燃剤で被覆した後に、前記混合物を調整して、射出成形機に供給することを特徴とする射出成形方法を提供する。
このような本発明の射出成形方法において、前記難燃剤で被覆された繊維が、3〜10mmの長さのペレット状に切断されたものであるのが好ましく、また、前記難燃剤が、常温で固体であり、かつ、融点が50℃以上であるのが好ましく、また、前記繊維の引張り強さが2cN/dtex以上であるのが好ましく、また、前記繊維がポリエステル樹脂であるのが好ましい。
また、前記樹脂が、バイオマス樹脂を含むのが好ましく、また、前記混合物が、バイオマス樹脂を30重量%以上含有するのが好ましく、この際において、前記バイオマス樹脂が、ポリ乳酸樹脂であるのが好ましい。
また、本発明の繊維含有樹脂成形体は、前記本発明の射出成形方法で成形された繊維含有樹脂成形体を提供する。
上記構成を有する本発明によれば、繊維含有樹脂成形体の製造において、繊維を難燃剤で被覆し、好ましくは3〜10mmに切断してペレット化して、射出成形に供する混合物(樹脂組成物)に添加することにより、ポリ乳酸樹脂などの植物由来のバイオマス樹脂を主成分とする樹脂成形体において、環境特性を向上するためにバイオマス樹脂の割合を高めても、樹脂成形体の物性を低下させず比較的大型の樹脂成形体を成形することができ、また、バイオマス樹脂の熱による劣化も、大幅に抑制できる。また、混合物に添加する繊維も、材料の劣化が少ない、簡素化した工程で添加することができる。
従って、本発明によれば、充分な強度を有し、しかも、環境性能に優れる繊維含有樹脂成形体を、簡素化した工程で良好な効率で製造することが可能となる。
本発明の射出成形方法に利用される、繊維を難燃剤で被覆しペレット化する装置の一例を概念的に示す図である。 従来の射出成形装置の一例を概念的に示す図である。 従来の射出成形装置の別の例を概念的に示す図である。 図3に示される射出成形装置の混練成形機を概念的に示す図である。
以下、本発明の射出成形方法および繊維含有樹脂成形体について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
本発明の射出成形方法は、主たる原料として、樹脂と、難燃剤と、難燃剤で被覆してなる繊維とを用い、これらを含有する混合物(樹脂組成物)を調整して、この混合物を射出成形機に供給して、射出成形し、本発明の繊維含有樹脂成形体を作製するものである。
本発明において、樹脂には、特に限定は無く、射出成形が可能な樹脂(樹脂組成物)が全て利用可能である。
中でも、環境対策の点で、ポリ乳酸系の樹脂等の、いわゆるバイオマス樹脂(バイオマスプラスチック/バイオプラスチック)が好ましく例示され、特に、ポリ乳酸系の樹脂が、好ましく例示される。
また、本発明において、ポリ乳酸系樹脂は、各種のものが利用可能であり、例えば、乳酸単独重合体樹脂、乳酸共重合体樹脂が挙げられる。
また、ポリ乳酸系樹脂の原料である乳酸成分も特に限定されず、例えばL−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸またはこれらの混合物、または乳酸環状2量体であるL−ラクチド、D−ラクチド、meso−ラクチド、またはこれらの混合物を使用できる。
本発明に用いるポリ乳酸系樹脂の製造方法も特に限定されず、従来公知の方法で合成した樹脂が、各種、利用可能である。
乳酸単独重合体樹脂は、例えば、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸等または、これらの混合物を直接脱水縮合するか、またはL−ラクチド、D−ラクチド、meso−ラクチド、または、これらの混合物等の開環重合によって得ることができる。
また、乳酸共重合体樹脂は、例えば、乳酸モノマーまたはラクチドと、前記モノマーと共重合可能な他の成分とを共重合して得ることができる。共重合可能な他の成分としては、例えば、分子内に2個以上のエステル結合形成性の官能基をもつジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、および、これらの種々の構成成分よりなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
また、ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量も、特に限定はないが、50,000〜500,000が好ましく、より好ましくは100,000〜250,000である。
重量平均分子量が50,000以上であると、得られる本発明の成形品の強度がより高まるので好ましい。重量平均分子量が500,000以下であると射出成形に供する混合物が均一になりやすく、それによって得られる成形品の強度が、より高まる傾向があるので好ましい。
本発明において、射出成形機に供給される混合物(すなわち、本発明の繊維含有射出成形体となる混合物(樹脂組成物))において、バイオマス樹脂の含有量には、特に、限定は無いが、30重量%以上含有するのが好ましく、特に、50重量%以上含有するのが好ましい。
このような構成とすることにより、成形した繊維含有射出成形体が優れた環境性能を付与することができる等の点で好ましい。
本発明に用いられる難燃剤(難燃化剤)には、特に限定はなく、樹脂(成形品)を難燃かするために用いられる公知の難燃剤が、各種、利用可能である。一例として、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、窒素化合物系難燃剤、無機系難燃剤等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂との混練時や成型加工時に、機器や金型の腐食などが発生しにくく、さらに、成形品を焼却廃棄する際に、環境に悪影響を与える可能性が少ない等の点で、リン含有難燃剤が好ましく例示される。
リン含有難燃剤としては、特に限定はなく、公知のものを用いることができる。例えば、リン酸エステル、リン酸縮合エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物が例示さされる。
具体的には、リン酸エステルとしては、一例として、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル等が例示される。
また、リン酸縮合エステルとしては、一例として、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物などの芳香族リン酸縮合エステル等が例示される。
さらに、リン酸、ポリリン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンとの塩からなるポリリン酸塩を挙げることもできる。
ポリリン酸塩の代表的な塩として、金属塩としてリチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄(II)塩、鉄(III)塩、アルミニウム塩など、脂肪族アミン塩としてメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ピペラジン塩などがあり、芳香族アミン塩としてはピリジン塩、トリアジン等が挙げられる。
また、本発明においては、これらのリン含有難燃剤以外に、他の難燃剤を、必要に応じて用いてもよい。
例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸、酸化スズ、酸化スズ塩、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一錫、酸化第二スズ、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸の金属塩、タングステンとメタロイドとの複合酸化物酸、スルファミン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ジルコニウム系化合物、グアニジン系化合物、フッ素系化合物、黒鉛、膨潤性黒鉛などの無機系難燃剤を用いることができる。
本発明において、難燃剤は50℃で流動化しないのが好ましい。すなわち、難燃剤は、常温で固体であり、かつ、融点が50℃以上であるのが好ましく、特に、融点が50℃以上150℃以下であるのが好ましい。また、後述するように2つ以上の難燃剤を組み合わせて用いる場合(混合難燃剤の場合)には、50℃以上で流動性を発現する混合難燃剤であれば、混合難燃剤が、成分として高い融点の難燃剤を含んでいてもよい。
難燃剤として、このようなものを用いることにより、適切な射出成形性と、成形品の高い物性を得ることができる等の点で好ましい。
なお、これらの難燃剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、難燃剤を、複数、組み合わせて用いる場合には、リン含有難燃剤のみを複数種のように、同じ種類の難燃剤を複数種、組み合わせて用いてもよく、あるいは、リン含有難燃剤とケイ素含有難燃剤(あるいは、他の難燃剤)のように、異なる種類の難燃剤を複数種、組み合わせて用いてもよい。
ここで、本発明で用いる難燃剤は、前述のように、50℃未満で流動化しないのが好ましいので、複数種の難燃剤を組み合わせて用いる場合にも、前述のように難燃剤全体(例えば、混合状態とした際など)で、50℃以上で流動性を発現するように、複数を組み合わせるのが好ましい。
本発明において、繊維は、ポリエステル繊維,ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等の公知の繊維が各種利用可能であるが、中でも、ポリエステル繊維が好ましい。
成形体を強化するための繊維として、ポリエステル繊維を用いることにより、成形体に着火した際に、繊維が溶融により収縮して(GFなどのような固く耐熱性のある繊維と異なり)成形体表面に突出せず、炭化層の均一な生成を妨げない等の点で好ましい。
ポリエステル樹脂は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子化合物の総称を意味する。
したがって、ポリエステル樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPT(ポリペンタメチレンテレフタレート)、PHT(ポリヘキサメチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PES(ポリエチレンサクシネート)、PBS(ポリブチレンサクシネート)等のみならず、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合反応によって得られる高分子化合物が全て含まれる。
ジカルボン酸成分には、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、多官能酸などが挙げられ、中でも、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、一例として、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が例示される。
中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸がより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、一例として、例えば、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸等が例示される。脂環族ジカルボン酸としては、一例として、シクロヘキサンジカルボン酸等が例示される。このような脂肪族ジカルボン酸および脂環族ジカルボン酸の中では、コハク酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、コハク酸、アジピン酸がより好ましい。
オキシカルボン酸としては、一例として、p−オキシ安息香酸等が例示される。
さらに、多官能酸としては、一例として、トリメリット酸、ピロメリット酸等が例示される。
他方、ジオール成分にも、特に限定はなく、目的に応じて、適宜、選択することができる。
一例として、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコールなどが挙げられ、中でも、脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、一例として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール等が例示され、中でも、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールが特に好ましい。
脂環族ジオールとしては、一例として、シクロヘキサンジメタノール等が例示される。
さらに、芳香族ジオールとしては、一例として、ビスフェノールA、ビスフェノールS等が例示される。
本発明で繊維として用いるポリエステル樹脂の重合度は、特に限定は無いが、固有粘度が0.50dL/g以上であるのが好ましく、特に、優れた力学特性を発現させる場合には0.70dL/g以上であるのがより好ましい。なお、固有粘度の上限は3.00dL/g程度である。
また、本発明で繊維として用いるポリエステル樹脂は、o−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度が0.36〜1.60dL/g、特に0.52〜1.35dL/gの範囲にあるものが好ましい。このような固有粘度を有するポリエステル樹脂を用いることにより、機械的特性、成形性の点で、好ましい。
本発明において、この様な繊維は、引っ張り強さが2cN/dtex以上、特に、3cN/dtex以上とするのが好ましい。
このような繊維を用いることにより、得られる繊維含有射出成形体の強度を向上することができ、特に、混合物中にバイオ樹脂を30重量%以上含有した場合でも、「JIS K 7111−1」に準拠したシャルピー衝撃強度試験において、当該混合物の成形体が4kJ/m2以上の衝撃強度を保てる等の点で、好ましい。
本発明において、用いる繊維の断面形状には、特に限定は無い。
一例として、円状であってもよく、この場合には、繊維の製造コストが低くなり、加えて樹脂組成物中での分散性が高まるので好ましい。
あるいは、星状、多角形、不定形、凹凸のある形状などの異型断面や異型断面複合断面であってもよい。この場合、混合物において、樹脂との接触面積が多くなり密着性が高まり、本発明の繊維含有射出成形体成形品の強度が高まる傾向があるので好ましい。なお、断面形状が円状ではない繊維の場合は、一例として、面積円相当径(Heywood径)を意味するものとする。
なお、本発明において、繊維の太さには、特に限定はなく、繊維によって強化した樹脂成形体において用いられるものを用いればよく、例えば、射出成形体の用途、使用する射出成形機、樹脂ペレットのサイズ等に応じて、適切な太さを、適宜、選択すればよい。
本発明において、このような繊維は、前述の難燃剤によって被覆(コーティング)された状態で、前記樹脂および難燃剤を含む混合物に添加され、射出成形機に供給される。
前記非特許文献1にも記載されるように、樹脂成形品を繊維で強化する際に、樹脂と同等の混練/混合性を得るために、繊維の表面を樹脂で被覆した後に、樹脂等と混練して混合物(樹脂組成物)を得ることが知られている。
しかしながら、このような方法では、装置が大掛かりになる、工程が複雑であり、メンテナンスに労力を要し、かつ、多くのエネルギーを消費する、材料が熱履歴を受けてしまい、特に熱に弱いポリ乳酸樹脂等のバイオマス樹脂などの成形では、大きな問題を生じてしまう等の難点を有するのは、前述のとおりである。
これに対し、本発明においては、成形品を強化するための繊維を、樹脂では無く、樹脂(混合物/成形品)を難燃化するために添加される難燃剤で被覆する。
本発明においては、難燃剤を用いることにより、繊維を樹脂で包埋する場合のように、繊維の包埋材料が射出成形時に劣化(炭化)して、成形体の外観を悪くしたり残渣が夾雑物として成形体の強度を下げたりすることを防止できる。また、繊維を包埋する材料の融点がポリ乳酸等のバイオマス樹脂より高いことに起因する、バイオマス樹脂の成形温度での繊維の分散不足や、難燃性や強度の低下を防止できる。さらに、繊維を添加する際に、そもそも入れる必要のない樹脂を、繊維包埋の目的で使用する必要が無いので、難燃バイオマス樹脂組成物の処方の自由度を損なうことがない。
その結果、本発明によれば、繊維含有射出成形体となる混合物において、バイオマス樹脂の割合を高めても、成形体の物性を低下させずに大型の樹脂成形体を成形することができ、また、繊維の包埋や包埋繊維のペレット化の際にバイオマス樹脂が熱履歴を受けることが無いので、バイオマス樹脂の熱による劣化も、大幅に抑制できる。また、混合物に添加する繊維も、材料の劣化が少ない、簡素化した工程で添加することができる。
そのため、本発明によれば、十部な強度を有し、しかも、環境性能に優れる繊維含有樹脂成形体を、簡素化した工程で良好な効率で製造することが可能となる。
本発明において、難燃剤による繊維の被覆量には、特に限定はなく、繊維の内部を含む表面全体(繊維のミクロな表面まで包み込んだ状態)を、被覆した状態であればよいが、樹脂で包埋された繊維含有ペレットが脆くなることに起因するハンドリング性の悪化を防止できる等の点で、繊維と難燃剤との重量比で、繊維100質量部に対して、20〜200質量部の難燃剤で、繊維を被覆するのが好ましい。
なお、本発明において、繊維被覆分以外の難燃剤の量にも、特に限定はなく、本発明による射出成形体に要求される難燃性等に応じて、適宜、設定すればよい。
また、本発明において、難燃剤で被覆した繊維は、3〜10mmに切断したペレット状として、添加するのが好ましい。
繊維を3〜10mmのペレット状とすることにより、汎用の射出成形機に、直接、投入しての成形が可能になる等の点で好ましい。
図1に、繊維を難燃剤で被覆し、さらに、ペレット化する装置の一例を概念的に示す。
図1に示すペレット作製装置10(以下、作製装置10とする)は、基本的に、ボビン12と、テンションプーリ14と、難燃剤槽16と、吹き取り装置18と、冷却装置20と、カッタ24と、ガイドプーリ26と、搬送ローラ対28とを有して構成される。
なお、作製装置10には、図示した部材以外にも、繊維Fを案内するためのガイド部材、繊維Fを検出する各種のセンサ、繊維Fを搬送させるためのモータ等、公知の繊維の加工装置等が有する各種の部材を有してもよいのは、もちろんである。
図示例において、原料となるポリエステル繊維等の繊維Fは、ボビン12に巻回された状態で作製装置10に供給される。
ボビン12が、装置の所定位置に装填されると、繊維Fは、ボビン12から引き出され、テンションプーリ14、難燃剤槽16、吹き取り装置18および冷却装置20を通って、カッタ24に至る所定の経路で挿通される。
ボビン12は、図示しない回転手段によって回転され、および/または、搬送ローラ対28による繊維Fの搬送による牽引によって回転され、繊維Fを送り出す。ボビン12から送り出された繊維Fは、搬送ローラ対28によって、カッタ24まで所定の経路で連続的に搬送されつつ(走行しつつ)、後述する各種の処理に供される。
ボビン12から送り出された繊維Fは、ガイドプーリ26およびテンションプーリ14によって案内されて、難燃剤槽16に供給される。なお、搬送される繊維Fは、テンションプーリ14の位置調整の下、所定の張力を保たれている。
難燃剤槽16には、溶融された液状の難燃剤が充填されている。繊維Fは、難燃剤槽16の直上流(繊維Fの搬送方向の上流側)のガイドプーリ26、難燃剤槽16内に配置されるガイドプーリ32、および、難燃剤槽16の直下流に配置されるガイドプーリ26に案内されて、難燃剤槽16に進入して、難燃剤に浸漬された状態で所定距離搬送され、次いで、上方に引き上げられて、難燃剤槽16から排出される。これにより、難燃剤が繊維Fに含浸して、繊維Fの全域(繊維のミクロな表面までも含む)が溶融した難燃剤によって被覆される。
なお、難燃剤槽16には、撹拌装置34および加熱装置36が配置されており、これらによって、難燃剤は、所定温度の溶融状態に保たれている。
難燃剤槽16から引き上げられた、難燃剤を被覆された繊維Fは、吹き取り装置18において、空気あるいは不活性ガスを吹き付けられる。これにより、繊維Fから、余分な溶融難燃剤が吹き飛ばされて除去される。
繊維Fは、次いで、冷却装置20で冷却され、難燃剤が硬化する。
繊維Fは、次いで、カッタ24に搬送されて、所定の長さ(例えば、3〜10mm)に切断され、難燃剤で被覆された繊維のペレットとして、袋40に投入/収集される。
本発明の射出成形方法に用いられる混合物において、難燃剤で被覆された繊維の含有量には、特に限定は無いが、3〜60重量%であるのが好ましく、特に、5〜20重量%であるのがより好ましい。
このような構成とすることにより、包埋された繊維のペレットが工程の途中でバラバラになることもなく、射出成形機に安定して供給できる等の点で好ましい。
前述のように、本発明の射出成形方法に用いられる混合物は、好ましくはポリ乳酸樹脂等のバイオマス樹脂である樹脂と、難燃剤と、好ましくは3〜10mmのペレット状にされた難燃剤で被覆された繊維とを、主成分とするものであるが、必要に応じて、これ以外の各種の成分を有してもよい。
一例として、この混合物は、核剤を含んでも良い。核剤を含むことにより、成形性、耐熱性および難燃性を向上できる。
使用する核剤には、特に限定はなく、樹脂(ポリマー)の核剤として配合される公知のものを用いることができる。
核剤としては、無機系核剤と有機系核剤とがある。
無機系核剤としては、一例として、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩等が例示される。
他方、有機系核剤としては、一例として、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)などのカルボン酸アミド、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどのリン化合物金属塩、および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム等が例示される。
これらの無機系核剤および有機系核剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の射出成形方法に用いる混合物に核剤を含有させる場合、その含有量は、ポリ乳酸樹脂等の樹脂100質量部に対して0.005〜5質量部の割合が好ましく、0.1〜1質量部の割合が更に好ましい。
また、本発明の射出成形方法に用いられる混合物は、可塑剤を含有してもよい。
使用する可塑剤には、特に限定は無く、樹脂の成形に一般的に用いられる可塑剤が、各種利用可能であり、例えば、ポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤等が例示される。
ポリエステル系可塑剤としては、一例として、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ロジンなどの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル等が例示される。
これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
グリセリン系可塑剤としては、一例として、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート、および、グリセリンモノアセトモノモンタネート等が例示される。
多価カルボン酸系可塑剤としては、一例として、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシル、アジピン酸メチルジグリコールブチルジグリコール、アジピン酸ベンジルメチルジグリコール、アジピン酸ベンジルブチルジグリコールなどのアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等が例示される。
ポリアルキレングリコール系可塑剤としては、一例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物等が例示される。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
また、可塑剤としては、これ以外にも、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール等も、例示される。
本発明の射出成形方法で使用する混合物に可塑剤を含有させる場合、その含有量は、ポリ乳酸等の樹脂100質量部に対して、0.005〜5質量部の割合が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1質量部の割合である。
混合物が上記好ましい範囲の含有率で可塑剤を含むと、本発明の成形品の製造時において、成形温度を10℃程度低減することができる。
本発明の射出成形方法に用いられる混合物においては、核剤および可塑剤以外にも、必要に応じて、界面活性剤、エラストマー、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、中和剤、顔料等の着色剤、分散剤、ロジン、合成ゴム類、無機質添加剤、抗菌剤、香料、離型剤、加水分解防止剤などの成分を含んでもよい。
本発明で用いられる混合物において、樹脂、難燃剤、および繊維以外の成分は、合計で20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
本発明の射出成形方法では、このような樹脂、難燃剤、難燃剤で被覆された繊維、あるいはさらに核剤や可塑剤等の各種成分を含有する混合物(樹脂組成物)を調製して、射出成形機に供給して、射出成形を行なって、本発明の繊維含有射出成形体を作製する。
本発明においては、この混合物を、繊維の融点よりも20℃低い温度以下の温度で混練および射出成形するのが好ましい。
また、混練および射出成形の温度は、繊維の融点よりも20℃低い温度から60℃低い温度範囲であるのがより好ましく、特に、繊維の融点よりも30℃低い温度から50℃低い温度範囲であることがより好ましい。
この温度範囲で混練および射出成形を行なうことにより、得られる成形品の強度をより向上することができる、混合物中におけるポリ乳酸樹脂等のバイオマス樹脂の含有比率を向上できる、繊維のMD収縮率が低くなる、等の点で好ましい。特に、上記より好ましい温度範囲で混練および射出成形を行なうことにより、成形品の強度を、より一層、向上できる。
射出成形方法には、特に限定はない。例えば、図2および図3(図4)に示されるような、従来公知の射出成形方法を適用することができる。
具体的には、ペレット状等の前記混合物を加熱溶融し、プランジャまたはスクリューによって金型内に加圧注入充填し、固化あるいは硬化して成形品にする射出成形方法が例示される。より具体的には、例えば、インラインスクリュー方式によって前記混合物を射出成形する。インラインスクリュー方式は、一例として、ペレット状の前記混合物をホッパに投入する工程、加熱シリンダ内での可塑化および計量工程、加熱シリンダから金型内への射出工程、金型内での保圧・冷却工程、および、型開き後の取り出し工程から構成される。
なお、混練および射出成形における温度とは、混練および射出成形時における前記混合物の最高到達温度を意味する。
例えば、インラインスクリュー方式による場合であれば、通常、金型に注入される直前のノズル付近における前記混合物の温度が、射出成形温度となる。
このような本発明の射出成形方法によって作製する、本発明の繊維含有射出成形体には、特に限定はなく、各種の射出成形品が作製可能である。
以上、本発明の射出成形方法および繊維含有射出成形体について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんのことである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明について、より詳細に説明する。
[実施例1]
ポリ乳酸樹脂(三井化学製 H−100)を1100g、
ポリエステル繊維(TOYOBO製 コロナスパンPET繊維 95/1×3 dtex)を300g(このポリエステル繊維の重量は、後述する難燃剤で包埋してペレット形状になった物に含まれる繊維重量を意味する)、
難燃剤(大八化学製 PX200)を400g(後述する繊維被覆分は200g)、
エラストマー(東レデュポン製 ハイトレル#3046)を50g、
界面活性剤(ライオン製 アーカード 18−63)を50g、および、
末端封止剤(日清紡製 LA−1)を35g、それぞれ、射出成形機に供給する混合物の材料として用意した。
まず、図1に示すペレット作製装置10を用いて、ポリエステル繊維を難燃剤(前述のように、総量400gのうちの200gを使用)で被覆してなる、長さ6mmのペレットを作製した。
難燃剤の温度(溶融温度)は120〜130℃となるように加熱手段36を制御し、また、繊維の送り速度は1.5m/minとした。得られた難燃剤で被覆した繊維の単位時間当たりの重量から、繊維と難燃剤の割合を算出したところ、繊維100質量部に対して、難燃剤が65質量部の割合で付いていることが確認できた。
次いで、上記量のポリ乳酸樹脂、エラストマー、残りの難燃剤(200g)、難燃剤で被覆したポリエステル繊維、界面活性剤、および、末端封止剤を、SUS容器中に投入して、撹拌混合して、混合原料を調製した。
得られた混合原料を、射出成形機(ファナック製 射出成形装置 S−2000シリーズi100A)のホッパーに供給し、成形温度210℃−210℃―190℃−180℃−30℃で、厚さが3mmで20cm角の平板成形品、シャルピー衝撃試験片、および、UL燃焼性試験片を成形した。
シャルピー衝撃試験片は、JIS K−7111−1に準じ、長さ80±2mm、幅10±0.2mm、厚さ4±0.2mmとし、ノッチ加工(ノッチ半径0.25±0.05mm、ノッチ部の幅8.0±0.2mm)を行なった。
ノッチ付き試験片の質量は4.2gであった。
得られたノッチ付き試験片をJIS K−7111−1に準じ、シャルピー衝撃強度試験に供した。その結果、この試験片のシャルピー衝撃強度の測定値は、4.2kJ/m2であった。
本例においては、シャルピー衝撃強度が4kJ/m2以上を「○」(合格)、4kJ/m2未満を「×」(不合格)と判定する。従って、この試験片のシャルピー衝撃強度試験の結果は、「○」である。
また、前記厚さが3mmで20cm角の平板成形品を、鋼球落下試験に供した。
この試験は定盤上に水平に置いた試験片の真上、試験片から1000mmの高さから500gの鋼球を落下させ、割れまたはヒビが生じるか否かを調べる試験である。試験の結果、ヒビが生じた場合には「×」、生じなかった場合には「○」として示した。
本試験片による試験結果は、「○」であった。
さらに、前記UL燃焼性試験片を、UL94に準拠する燃焼性試験に供した。その結果
V−2(V−2合格)であった。
[実施例2]
ポリエステル繊維に変えて、GF繊維(日東紡績社製 ガラスヤーン ECG150 1/0 1.0Z)300gを用い、また、GF繊維を難燃剤で被覆してなるペレットの長さを4mmに変更した以外は、実施例1と全く同様にして、平板成形品、シャルピー衝撃試験片、および、UL燃焼性試験片を成形した。
実施例1と全く同様に、シャルピー衝撃強度試験、鋼球落下試験、および、UL燃焼性試験を行なった。
その結果、シャルピー衝撃強度は4.8kJ/m2で「○」、鋼球落下試験の結果は「○」、UL燃焼試験の結果はV−2(V−2合格)であった。
[実施例3]
前記難燃剤(大八化学製 PX200)の量を200gとして、全量をポリエステル繊維の被覆に使用すると共に、別の難燃剤(アデカ製 FP2000)200gを準備し、この難燃剤の全量を混合物の調整時に添加した以外は、実施例1と全く同様にして、平板成形品、シャルピー衝撃試験片、および、UL燃焼性試験片を成形した。
実施例1と全く同様に、シャルピー衝撃強度試験、鋼球落下試験、および、UL燃焼性試験を行なった。
その結果、シャルピー衝撃強度は4.9kJ/m2で「○」、鋼球落下試験の結果は「○」、UL燃焼試験の結果はV−2(V−2合格)であった。
[比較例1]
ポリエステル繊維を、90gのエポキシ樹脂(テスク社製 紫外線硬化性樹脂 A−1621)に浸漬した後、紫外線を照射してエポキシ樹脂を硬化することで、被覆した。このエポキシ樹脂被覆ポリエステル繊維を用い、難燃剤は400g全量を混合物の調整時に添加した以外は、実施例1と全く同様にして、平板成形品、シャルピー衝撃試験片、および、UL燃焼性試験片を成形した。
実施例1と全く同様に、シャルピー衝撃強度試験、鋼球落下試験、および、UL燃焼性試験を行なった。
その結果、シャルピー衝撃強度は3.3kJ/m2で「×」、鋼球落下試験の結果は「○」、UL燃焼試験の結果はVnot(V−2不合格)であった。
[比較例2]
1100gのポリ乳酸樹脂の内、300gをポリエステル繊維の被覆に利用し(すなわち、混合物の調整時に添加するポリ乳酸樹脂は800g)、また、難燃剤の量を200gとして、全量を混合物の調整時に添加した以外は、実施例1と全く同様にして、平板成形品、シャルピー衝撃試験片、および、UL燃焼性試験片を成形した。
実施例1と全く同様に、シャルピー衝撃強度試験、鋼球落下試験、および、UL燃焼性試験を行なった。
その結果、シャルピー衝撃強度は2.8kJ/m2で「×」、鋼球落下試験の結果は「×」、UL燃焼試験の結果はVnot(V−2不合格)であった。
を得た。
本発明は、射出成形による各種の物品や、装置の部品等の製造に、好適に利用可能であり、特に、強度を要求される物品や部品の製造に、好適である。
10 (ペレット)作製装置
12 ボビン
14 テンションプーリ
16 難燃剤槽
18 吹き取り装置
20 冷却装置
24 カッタ
26,32 ガイドプーリ
28 搬送ローラ対
34 撹拌装置
36 加熱装置
100 射出成形機
102 ホッパ
104 混練成形機
110 混練装置
112 サイドフィーダ
114 計量ホッパ
116 計量スクリュー
118 重量計量器
120 第2供給ホッパ
124 第1供給ホッパ
126 供給スクリュー
128 ストランドダイ
130 ピンチローラ
132 ロータリーカッタ

Claims (9)

  1. 樹脂と、難燃剤と、繊維とを含む混合物を用いて、射出成形によって繊維含有樹脂成形体を成形するに際し、
    前記繊維の表面を前記難燃剤で被覆した後に、前記混合物を調整して、射出成形機に供給することを特徴とする射出成形方法。
  2. 前記難燃剤で被覆された繊維が、3〜10mmの長さのペレット状に切断されたものである請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 前記難燃剤の融点が50℃以上である請求項1または2に記載の射出成形方法。
  4. 前記繊維の引張り強さが2cN/dtex以上である請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形方法。
  5. 前記繊維がポリエステル樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形方法。
  6. 前記樹脂が、バイオマス樹脂を含む請求項1〜5のいずれかに記載の射出成形方法。
  7. 前記混合物が、バイオマス樹脂を30重量%以上含有する請求項1〜6のいずれかに記載の射出成形方法。
  8. 前記バイオマス樹脂が、ポリ乳酸樹脂である請求項6または7に記載の射出成形方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の射出成形方法で成形された繊維含有樹脂成形体。
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