JP2011201096A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前回画像記録が完了した記録済みの被記録媒体を載置したトレイが挿入されたとしても、前回画像記録された記録済みの被記録媒体であることを短時間で検出することができる画像記録装置を提供すること。
【解決手段】検知領域データメモリ83bに記憶されている記録メディアMに対する検知領域に対応する位置にメディアセンサ110を移動する(S20)。メディアトレイ71を搬送して、メディアセンサ110の検知位置に、検知領域がくるように記録メディアMを移動する(S21)。メディアセンサ110からの検知信号に基づいて、記録メディアMが印刷済みか否かが判断される(S22)。
【選択図】図7

Description

本発明は、被記録媒体を載置するトレイが搬送される画像記録装置に関する。
画像記録装置は、被記録媒体を搬送して画像記録を行う。インクジェット方式の画像記録装置は、様々な被記録媒体に画像を行い得る。インクジェット方式の画像記録装置の被記録媒体として、記録用紙などのシートや、CDやDVDなどの部材が挙げられる。
CDやDVDなどは、専用のトレイなどに載置されて、搬送路を搬送されつつ画像記録が行われる。このような画像記録において、トレイは、装置の正面側などに設けられた挿入口から搬送路へ挿入される。搬送路へ挿入されたトレイは、ユーザからの画像記録指示により、CDやDVDなどに画像が記録されたトレイは、上記挿入口から排出される。
CDやDVDなどの画像記録が完了したにもかかわらず、ユーザの操作ミス等により、画像記録が完了したばかりの記録済みのCDやDVDなどが載置されたトレイが搬送路へ挿入され、その記録済みのCDやDVDなどに記録してしまうことがある。このような問題に対して、特許文献1には、CDやDVDなどの記録面をセンサによって検知して、記録済みの場合は、記録済みの旨をユーザに報知して、誤って画像を記録してしまうことを防止することが記載されている。
特開2009−100038号公報
CDやDVDなどの記録面を検知する上記センサは、トレイの搬送方向と直交する主走査方向に往復移動可能な機構、例えば、記録部を搭載したキャリッジに配置されている場合が多い。このような場合は、キャリッジの主走査方向の移動とトレイの搬送方向への搬送とを交互に繰り返すことによって、センサによる上記記録面の検出が可能となっている。しかしながら、上記記録面が記録済みか否かの検出のためには、キャリッジの主走査方向の移動とトレイの搬送方向への搬送とを複数回にわたって繰り返さなければならない。その為、記録済みか否かの検出に時間が掛かってしまう。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、前回画像記録が完了した記録済みの被記録媒体を載置したトレイが挿入されたとしても、前回画像記録された記録済みの被記録媒体であることを短時間で検出することができる画像記録装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に記載の画像記録装置は、被記録媒体を載置可能なトレイと、前記トレイを搬送する搬送部と、被記録媒体に画像記録可能な記録部と、前記搬送部によって搬送される前記トレイの搬送方向と直交する主走査方向に往復移動可能であり、被記録媒体及び上記トレイを検知可能な検知部と、上記記録部によって当該被記録媒体に記録された画像の当該被記録媒体に対する記録領域に基づいて、前記検知部による被記録媒体の検知領域を決定する検知領域決定部と、前記検知領域決定部によって決定された前記検知領域を記憶する検知領域記憶部と、前記記録部によって前記トレイに載置された被記録媒体に画像を記録する場合に、前回の画像記録において前記検知領域記憶部に記憶された前記検知領域に基づいて前記搬送部及び前記検知部を制御し、前記検知部によって前記検知領域を検知させる制御部と、前記検知部の検知結果に基づいて、被記録媒体が記録済みか否かを判断する判断部と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記制御部は、前記搬送部によって前記トレイを搬送させ、前記検知領域記憶部に記憶された前記検知領域を前記検知部の走査範囲上で停止させることを特徴とするものである。
請求項3に記載の画像記録装置は、請求項1または2に記載の画像記録装置において、前記制御部は、前記検知領域記憶部に記憶された前記検知領域が、前記検知部の走査範囲上に到達する前に、当該検知領域に対応する位置に前記検知部を停止させておくことを特徴とするものである。
請求項4に記載の画像記録装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像記録装置において、前記被記録媒体は円形であって、前記制御部は、当該被記録媒体の中心を算出するために、前記検知部に当該被記録媒体の少なくとも3箇所の端部を検知させる端部検知手段を備え、前記制御部は、前記端部検知手段における少なくとも1箇所の端部の検出において、前記検知領域を前記検知部の走査範囲上に停止させ、前記検知部に当該端部と前記検知領域とを検知させることを特徴とするものである。
請求項5に記載の画像記録装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像記録装置において、前記判断部によって、被記録媒体が記録済みであると判断された場合に、当該被記録媒体が記録済みである旨を報知する報知部を備えたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の画像記録装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像記録装置において、前前記制御部は、前記判断部によって、被記録媒体が記録済みであると判断された場合に、当該被記録媒体が載置された前記トレイを前記搬送部によって排出させることを特徴とするものである。
請求項7に記載の画像記録装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像記録装置において、前記判断部によって、被記録媒体が記録済みであると判断された場合に、当該被記録媒体に画像を記録するか否かを選択する選択部を備え、前記制御部は、前記選択部によって、当該被記録媒体に画像を記録すると選択された場合に、前記記録部によって当該被記録媒体に画像を記録させ、当該被記録媒体に画像を記録しないと選択された場合に、当該被記録媒体が載置された前記トレイを前記搬送部によって排出させることを特徴とするものである。
請求項8に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前前記検知領域決定部は、前記記録領域の中で濃度が最も高い領域を前記検知領域として決定することを特徴とするものである。
請求項9に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域を前記検知領域として決定することを特徴とするものである。
請求項10に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域よりも主走査方向に短い範囲を前記検知領域として決定することを特徴とするものである。
請求項11に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域よりも主走査方向に長い範囲を前記検知領域として決定することを特徴とするものである。
請求項12に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域及び当該記録領域が前記主走査方向に移動した領域を含む領域を前記検知領域として決定することを特徴とするものである。
請求項13に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域及び当該記録領域が前記搬送方向に移動した領域を含む領域を前記検知領域として決定することを特徴とするものである。
請求項14に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域及び当該画像領域が円方向に回転移動した領域を含む領域を前記検知領域として決定することを特徴とするものである。
請求項15に記載の画像記録装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置において、前記検知領域決定部は、前記搬送方向に沿って異なる複数の領域を前記検知領域に決定することを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、前回画像記録が完了した記録済みの被記録媒体を載置したトレイが挿入されたとしても、前回画像記録された記録済みの被記録媒体であることを短時間で検知することができる。
請求項2に記載の発明によれば、検知部を主走査方向に移動させるだけで、被記録媒体が記録済みか否かを検知できる。
請求項3に記載の発明によれば、トレイを搬送方向に搬送させるだけで、被記録媒体が検知済みか否かを検知できる。
請求項4に記載の発明によれば、被記録媒体が印刷済みか否かの検知と被記録媒体の中心検出とを同処理で実行することにより、印刷までに必要な検知時間を短縮できる。
請求項5に記載の発明によれば、被記録媒体が印刷済みであった場合に報知するので、被記録媒体が印刷済みであることをユーザが知ることができ、印刷の中止等の対処ができる。
請求項6に記載の発明によれば、被記録媒体が印刷済みであった場合に、当該被記録媒体が載置されたトレイを排出するので、前回の画像記録による画像が記録された被記録媒体に印刷してしまうことがない。
請求項7に記載の発明によれば、被記録媒体が印刷済みであった場合に、当該被記録媒体に画像を記録するか否かを選択する選択部することができる。当該被記録媒体に画像を記録すると選択された場合には、当該被記録媒体に画像を記録するので、ユーザの趣にあった画像記録が行える。また、当該被記録媒体に画像を記録しないと選択された場合には、当該被記録媒体が載置された前記トレイを排出するので、前回の画像記録による画像が記録された被記録媒体に印刷してしまうことがない。
請求項8に記載の発明によれば、被記録媒体が記録済みか否かを検知部が検知しやすいので、検知精度が向上する。
請求項9に記載の発明によれば、検知領域は、前回の画像記録における記録領域であるので、印刷済みか否かの判断の正確性が向上する。
請求項10に記載の発明によれば、前記検知領域は、前回の画像記録における記録領域よりも主走査方向に短い範囲であるので、印刷済みか否かの判断が早くなる。
請求項11に記載の発明によれば、前記検知領域は、前回の画像記録における記録領域よりも主走査方向に長い範囲であるので、印刷済みか否かの判断の正確性が向上する。
請求項12に記載の発明によれば、前記検知領域は、前回の画像記録における記録領域及び当該記録領域が前記主走査方向に移動した領域を含む領域であるので、印刷済みか否かの判断の正確性が向上する。
請求項13に記載の発明によれば、前記検知領域は、前回の画像記録における記録領域及び当該記録領域が前記搬送方向に移動した領域を含む領域であるので、印刷済みか否かの判断の正確性が向上する。
請求項14に記載の発明によれば、前記検知領域は、前回の画像記録における記録領域及び当該画像領域が円方向に回転移動した領域を含む領域であるので、印刷済みか否かの判断の正確性が向上する。
請求項15に記載の発明によれば、検知領域の複数箇所を検知部によって検知するので、印刷済みか否かの判断の正確性が向上する。
本発明の実施形態の一例である複合機1の外観斜視図である。 プリンタ部2の内部構造を示す断面図である。 プリンタ部2の内部構造を示す部分断面図である。 画像記録部24の機構を示す斜視図である。 制御部80の構成を示すブロック図である。 複合機1のメイン処理を示すフローチャートである。 複合機1の印刷済み処理の実施形態を示すフローチャートである。 複合機1の印刷済み処理の変形例1を示すフローチャートである。 複合機1の印刷済み処理の変形例2を示すフローチャートである。 メディアトレイ71に載置された記録メディアMを示す図である。 印刷済み処理の実施形態での、メディアセンサ110と検知領域との位置関係を模式的に示す図である。 印刷済み処理の変形例1での、メディアセンサ110と検知領域との位置関係を模式的に示す図である。 印刷済み処理の変形例2での、メディアセンサ110と検知領域との位置関係を模式的に示す図である。
以下、適宜図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
<外観的構成>
(複合機1の構成)
図1を参照して、本発明の一実施形態である複合機1を説明する。なお、本実施形態においては、矢印13で示される方向が複合機1の幅方向(左右方向)であり、矢印14で示される方向が複合機1の高さ方向(上下方向)であり、矢印12で示される方向が複合機1の奥行き方向(前後方向)である。
複合機1は、下部に配設されたプリンタ部2と、プリンタ部2の上部に配設されたスキャナ部3などを一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)である。スキャナ部3は、その上部に、複合機1の天板としての原稿カバー7を備えている。複合機1は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能及びファクシミリ機能などを有する。なお、本発明を実現するうえで、スキャナ機能やファクシミリ機能などは任意の機能であり、例えば、本発明に係る画像記録装置が、プリンタ機能のみを有するプリンタとして実施されてもよい。
複合機1の上面の前方側であって、スキャナ部3の正面側の上面には、プリンタ部2やスキャナ部3を操作するための操作パネル9が設けられている。操作パネル9は、各種操作ボタンや表示部11から構成されており、複合機1は、操作パネル9からの入力に基づいて複合機1の動作を統括する制御部80(本発明の制御部の一例、図5参照)により動作される。
スキャナ部3は、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。スキャナ部3の上部には、原稿カバー7が開閉自在に設けられている。原稿カバー7の下側には、プラテンガラス(不図示)を上面に備え、プラテンガラスの下部にイメージセンサ(不図示)が設けられている。プラテンガラスに原稿が載置され、原稿カバー7がプラテンガラスを覆った状態で、原稿の画像がイメージセンサによって読み取られる。
<内部構成>
(プリンタ部2の構成)
以下、図1から図4が参照されながら、プリンタ部2の構成が詳細に説明される。図1に示されるように、プリンタ部2は、正面に開口4が形成されたケーシング5を有する。ケーシング5内にプリンタ部2の各構成要素が配設されている。
開口4を通じて、給紙トレイ20及び排紙トレイ21(図2参照)が複合機1に装着される。なお、図1では、給紙トレイ20及び排紙トレイ21が省略されている。給紙トレイ20には、A4サイズやB5サイズ等の所望のサイズの記録用紙が収容される。図2に示されるように、給紙トレイ20が複合機1に装着されることにより、給紙トレイ20に収容された記録用紙が、当該記録用紙の長手方向が複合機1の奥行き方向12となるようにセットされる。また、排紙トレイ21は、給紙トレイ20に支持されて、給紙トレイ20の上方に配置される。給紙トレイ20と排紙トレイ21とは、上下二段となって複合機1に装着される。
また、複合機1は、記録用紙の他に、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録メディアM(本発明の被記録媒体の一例)の盤面上に画像を記録する機能を有する。この機能については後述する。
(給紙部)
複合機1に装着された給紙トレイ20の奥側には、分離傾斜板22が配設されている。分離傾斜板22は、給紙トレイ20から繰り出された記録用紙を分離して上方へ案内するものである。
給紙トレイ20の上側には、給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下動する給紙アーム26の端部で軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構27によって、給紙モータ76(図5参照)の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して搬送路23へ供給するものである。詳細には、給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙に圧接して、その状態で、給紙ローラ25が回転することにより、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間の摩擦力で最上位置の記録用紙が分離傾斜板22へ送り出される。当該記録用紙は、その前端が分離傾斜板22に当接して上方へ案内され、搬送路23へ送り込まれる。
(搬送路23)
分離傾斜板22の上方には、搬送路23が形成されている。搬送路23は、分離傾斜板22の上側から上方且つ複合機1の前側へ曲がって、複合機1の背面側(後側)から正面側(前側)へ延出され、さらに、駆動ローラ47とピンチローラ48で構成される搬送ローラ対54(本発明の搬送部の一例)による挟持位置、画像記録部24の下側、及び駆動ローラ49と拍車ローラ50で構成される排出ローラ対55(本発明の搬送部の一例)による挟持位置を通過して排紙トレイ21へ通じている。給紙トレイ20から繰り出された記録用紙は、搬送路23により下方から上方へUターンするように案内されて画像記録部24に至る。当該記録用紙は、画像記録部24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。搬送路23は、画像記録部24などが配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド面29と内側ガイド面28によって形成されている。
以下、記録用紙などの被記録媒体が、搬送ローラ対54による挟持位置から画像記録部24の下側及び排出ローラ対55による挟持位置を通過して排紙トレイ21へ搬送される向きを搬送方向の第2向き16として説明を行う。一方、第2向きと逆向きを搬送方向の第1向き15として説明を行う。
(画像記録部24)
画像記録部24は、記録ヘッド30を搭載して主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)へ往復移動するキャリッジ31を備えている。記録ヘッド30(本発明の記録部の一例)は、キャリッジ31の下側に露出されており、インクタンク32(図3参照)からインクチューブ33(図3参照)を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給される。
記録ヘッド30の下面には、複数のノズル301が形成されている。各色インクに対応するノズル301は、搬送方向に沿って一列に整列されており、各色インクに対応するノズル301の各列が、キャリッジ31の往復動方向(左右方向13)に並べられている。
記録ヘッド30は、その下面に設けられたノズル301から、各インクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ31が主走査方向へ往復動することにより、記録ヘッド30が記録用紙に対して走査され、プラテン34上を搬送される記録用紙に画像が記録される。
図3及び図4に示されるように、画像記録部24が配置される搬送路23の上側には、一対の平板状のガイドレール35,36が配設されている。ガイドレール35,36は、記録用紙の搬送向きに隔てて、搬送路23の幅方向(左右方向13)に延設されている。キャリッジ31は、ガイドレール35,36を跨ぐようにして、ガイドレール35,36上を左右方向13に摺動可能に設けられている。
ガイドレール36の上面には、ベルト駆動機構38が配設されている。ベルト駆動機構38は、搬送路23の幅方向13の両端付近にそれぞれ設けられた駆動プーリ39と従動プーリ40との間に、内側に歯が設けられた無端環状のタイミングベルト41が張架されてなるものである。駆動プーリ39の軸にはキャリッジ(CR)駆動モータ311(図5参照)が連結されており、CR駆動モータ311から駆動力が入力される。駆動プーリ39の回転により、タイミングベルト41が周運動する。なお、タイミングベルト41は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部をキャリッジ31に固着するものを用いてもよい。
タイミングベルト41は、キャリッジ31に固着されている。タイミングベルト41の周運動により、キャリッジ31は、端部37を基準としてガイドレール35,36上を往復移動する。キャリッジ31には、記録ヘッド30が搭載されている。したがって、記録ヘッド30は、キャリッジ31とともに搬送路23の幅方向13を主走査方向として往復移動可能である。ガイドレール36には、端部37に沿ってリニアエンコーダ62(図5参照)のエンコーダストリップ42が配設されている。リニアエンコーダ62は、フォトインタラプタ(不図示)によりエンコーダストリップ42を検出する。リニアエンコーダ62の検出信号に基づいて、キャリッジ31の往復移動が制御される。
図2から図4に示されるように、搬送路23の下側には、記録ヘッド30と対向してプラテン34が配設されている。プラテン34は、キャリッジ31の往復移動範囲のうち、記録用紙が通過する中央部分に亘って配設されている。プラテン34の幅は、搬送可能な記録用紙の最大幅より十分に大きいものであり、記録用紙の両端は常にプラテン34の上を通過する。
(メディアセンサ110)
図2に示されるように、搬送路23に搬送される記録媒体を検知するためのメディアセンサ110(本発明の検知部の一例)が複合機1に設けられている。メディアセンサ110は、キャリッジ34の下面側における第1向き15の最下流側付近に設けられている。メディアセンサ110は、発光ダイオードなどからなる発光部(不図示)と、光学式センサなどからなる受光部(不図示)とを具備する。メディアセンサ110の発光部は下方へ向けて光を照射し、メディアトレイ71、記録メディアM、またはプラテン34で反射した反射光が受光部で受光される。
以下に、メディアセンサ110による記録メディアM(円形のCDやDVD等)の中心位置検出について説明する。
メディアセンサ110は、キャリッジ31とともに主走査方向に往復移動可能である。プラテン34上に記録媒体が支持されている状態でキャリッジ31が主走査方向へ移動されると、当該主走査方向の移動の過程において、メディアセンサ110は、プラテン34の上面、メディアトレイ71の上面、または記録媒体の上面からの反射光を受光する。
プラテン34及びメディアトレイ71の上面を黒色などの反射率の低い色にしておくことによって、記録メディアMからの反射光による受光部の検出値と、プラテン34またはメディアトレイ71からの反射光による受光部の検出値とが異なる値となる。受光部における検出値は、制御部80に送られる。これにより、制御部80は、記録メディアMの両端の位置についてのデータを得る。
次に、メディアトレイ71が第1向き15に所定量搬送された後に、上記と同様の処理が実行され、制御部80は記録メディアMの両端の位置についてデータを得る。円の中心及び直径は、円周の少なくとも3点が明らかとなれば算出可能である。よって、制御部80は、3箇所の端部データを用いて、円形の記録メディアMの中心位置を求めることができる。
(搬送部)
図2及び図4に示されるように、画像記録部24よりも第2向き16の上流側には、搬送ローラ対54が設けられている。搬送ローラ対54は、駆動ローラ47と該駆動ローラ47の下方に駆動ローラ47に接するように設けられたピンチローラ48とが一体にユニット化されたものである。駆動ローラ47が正転駆動されることで、給紙トレイ20から給紙された記録用紙が駆動ローラ47及びピンチローラ48により狭持されて、第2向き16の下流側のプラテン34上へ搬送される。
画像記録部24の第2向き16の下流側には、駆動ローラ49と該駆動ローラ49の上方に設けられた拍車ローラ50とを有する一対の排出ローラ対55が設けられている。記録済みの記録用紙は、駆動ローラ49及び拍車ローラ50によって狭持され、駆動ローラ49が正転駆動されることにより排紙トレイ21へ排出する向き(第2向き16)へ搬送される。また、駆動ローラ49が逆転駆動されることにより、後述するメディアトレイ71(本発明のトレイの一例)が第1向き15へ搬送される。なお、拍車ローラ50は、記録済みの記録用紙と圧接するため、記録用紙に記録された画像を劣化させないようにローラ面が拍車状に凹凸に形成されている。
図4に示されるように、駆動ローラ47は、駆動ローラ47の軸方向の一端に連結された搬送モータ59から駆動力が伝達されて、回転駆動される。駆動ローラ49は、駆動ローラ47より中間ギア57及びベルト58を介して駆動伝達されて、回転駆動される。また、駆動ローラ47及び駆動ローラ49はASIC85(図5参照)に組み込まれた駆動回路により制御されることで、その回転方向が正転又は逆転のいずれかに切り換えられる。かかる回転方向の切換は、搬送モータ59に対するスイッチング制御により、或いは、各ローラの回動軸に搬送モータ59の回転力を伝達するギアなどを切り換えることにより行われる。
図4に示されるように、ロータリーエンコーダ61(図5参照)が、駆動ローラ47に設けられたエンコーダディスク51をフォトインタラプタ60で検出し、該ロータリーエンコーダ61の検出信号に基づいて、駆動ローラ47及び駆動ローラ49の駆動が制御される。
図2に示されるように、記録用紙は、駆動ローラ47及び駆動ローラ49によって、所定の改行幅でプラテン34上を間欠して第2向き16に搬送される。その改行毎に記録ヘッド30が走査されて、記録用紙の先端側から画像記録が行われる。記録ヘッド30により記録用紙の所定領域に画像記録が行われた後に、駆動ローラ49が連続的に回転駆動される。これにより、駆動ローラ49及び拍車ローラ50により狭持された記録用紙が排紙トレイ21へ排出される。
(メディアトレイ71)
上述したように、複合機1は、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録メディアMの盤面上に画像を記録する機能を有する。本実施形態においては、記録メディアMの盤面上に画像が記録される場合、記録メディアMはメディアトレイ71に載置される。メディアトレイ71は開口4に設けられたトレイガイド72に載置されつつ、第1向き15に挿入される。
メディアトレイ71は、樹脂などの剛性の高い物質で構成されており、上下方向14の厚さが数ミリ(例えば2mm〜3mm)である。また、メディアトレイ71は、搬送方向(奥行き方向12)及び幅方向13の長さが厚さ(高さ方向14)よりも長く、搬送方向(奥行き方向12)の長さが幅方向13の長さよりも長い。つまり、メディアトレイ71は、薄型の直方体である。メディアトレイ71の上面には、円形状の凹みであって記録メディアMが載置されるメディア載置部(不図示)が設けられている。
図2に示されるように、メディアトレイ71が、図2の矢印の向き77(第1向き15)に、つまり複合機1の正面側の開口4から搬送路23の直線部231に向けて挿入されると、図示しないセンサによりメディアトレイ71の挿入が検出される。メディアトレイ71の挿入が検出され、ユーザによりメディアトレイ71に載置された記録メディアMへの画像記録が指示されると、駆動ローラ49が逆転駆動される。これにより、メディアトレイ71が、第1向き15に搬送される。
第1向き15に搬送されるメディアトレイ71に載置された記録メディアMに対して、上述した中心算出を実行し、メディアトレイ71を所定位置まで搬送する。尚、所定位置とは、記録メディアMの第1向き上流側の端部が、記録ヘッド30の第1向き最下流側のノズル301よりも第1向き下流側の位置である。
メディアトレイ71が所定位置まで搬送されると、駆動ローラ49の駆動が一旦停止された後、正転駆動に切り換えられる。これにより、メディアトレイ71が第2向き16に搬送され、メディアトレイ71に載置された記録メディアMが第2向き16に搬送されながらプラテン34上を通る。プラテン34上に搬送された記録メディアMに対して、記録ヘッド30のノズル301からインク滴が吐出される。これにより、記録メディアMの盤面上に画像が記録されて、メディアトレイ71は一部が排紙ローラ対55にニップされた状態で、トレイガイド72へ排出される。
<電気的構成>
次に、図5を参照して、複合機1の電気的構成について説明する。制御部80は、複合機1の全体動作を制御するものである。
制御部80は、演算処理を行うCPU81、制御プログラム等が格納されたROM82、データの記憶領域又は作業領域として使用されるRAM83、設定情報などが記憶されるEEPROM84を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。各構成要素は、バス84を介してASIC85に接続されている。
CPU81は、ROM82やRAM83に記憶さている固定値やプログラムに従って、複合機1が有している各機能の制御や、ASIC85と接続された各部を制御するものである。
ROM82は、複合機1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。例えば、メディアトレイ71に載置された記録メディアMに画像記録を行う記録メディア印刷モードを備えるメイン処理(図6)、記録メディア印刷モードにおいて、記録メディアMが印刷済みか否かを確認する印刷済み検知処理の実施形態(図7)は、このROM82に格納されている。また、印刷済み検知処理の変形例1(図8)及び変形例2(図9)も、このROM82に格納される。
RAM83は、CPU81が各プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域として、また作業領域として用いられる。またRAM83には、中心位置データメモリ83a、検知領域データメモリ83b(本発明の検知領域記憶部の一例)の各記憶領域が割り当てられている。
中心位置データメモリ83aは、例えば、記録メディア印刷において、記録メディアMの中心位置を一時的に記憶する領域である。検知領域データメモリ83bは、例えば、記録メディア印刷において、記録メディアMに印刷された画像領域に基づいて決定される後述する検知領域を一時的に記憶する領域である。
EEPROM87は、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等を格納する。例えば、スキャナ部3で読み取られた原稿の画像データを保存できる。これにより、一度取り込んだ画像データを繰り返し使用することができる。
ASIC85は、CPU81からの指令に従い、接続されている周辺機器を制御するものである。ASIC85には、メディアセンサ110、操作パネル9、給紙モータ76、CR駆動モータ331、搬送モータ59、ロータリーエンコーダ61及びリニアエンコーダ62などが接続されている。ASIC85にはモータを制御する駆動回路がモータ毎に組み込まれている。CPU81から所定のモータに応じた駆動回路に各モータを回転させるための駆動信号が入力されると、駆動信号に応じた駆動電流が駆動回路から対応するモータへ出力され、これにより、対応するモータが所定の回転速度で正転又は逆転する。
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の複合機1の動作について、図6及び図7のフローチャート、図10及び図11を参照して説明する。
まず、図6のフローチャートを参照して、複合機1のCPU81により実行されるメイン処理について説明する。このメイン処理は、ユーザによる操作パネル9の操作を介して、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能等の各種機能の中で、プリント機能が選択された場合に実行される処理である。特に、メイン処理では、記録メディア印刷において、記録される記録メディアMが印刷済みか否かを短時間で検知することができる処理を含んでいる。
このメイン処理では、まず、記録メディア印刷モードか否かが判断される(ステップ1、以下ステップをSと記す)。本実施形態では、ユーザによってプリント機能が選択されると、表示部11には、用紙に画像を印刷するか記録メディアMに画像を印刷するかを指定する要求が表示され、操作パネル9の操作を介して記録メディアMに印刷する記録メディア印刷モードが選択されたかが判断される。記録メディア印刷モードが指定されない場合には(S1:NO)、記録用紙の印刷が実行され(S15)、本メイン処理を終了する。
記録メディア印刷モードが指定されると(S1:YES)、表示部11に、メディアトレイ71の本体への挿入を要求が表示され、図示しないセンサによってメディアトレイ71が挿入されたかが否か判断される(S2)。尚、メディアトレイ71の挿入が検知される挿入位置は、排紙ローラ対55にニップされ、トレイガイド72に支持された位置である。排紙ローラ対上記センサによってメディアトレイ71の挿入が検知されるまで待機し(S2:NO)、メディアトレイ71の挿入が検知された場合は(S2:YES)、表示部11に、「印刷OK」を入力する要求が表示され、操作パネル9を介して「印刷OK」が入力されたか否かが判断される(S3)。「印刷OK」の入力あるまで待機し(S3:NO)、「印刷OK」の入力があった場合は(S3:YES)、メディアトレイ71を中心検知位置まで搬送する(S4)。尚、中心検知位置とは、上述した記録メディアMの中心位置を算出するために、メディアセンサ110によって、記録メディアMの両端を検出できる位置であり、当該両端を検出できる位置であれば搬送位置は限定されない。
上述した中心位置算出のためにメディアセンサ110によって、メディアトレイ71に載置された記録メディアMの円周の4箇所を検出し、そのうち3箇所の端部データを用いて、円形の記録メディアMの中心位置を算出する(S5)。ステップS5によって、算出された記録メディアMの中心位置を中心位置データメモリ83aに記憶する(S6)。
メディアトレイ71を上述した所定位置まで搬送する(S7)。所定位置まで搬送し終えると、メディアトレイ71の搬送を停止させ、メディアトレイ71を第2向き16に搬送し、記録メディアMへの印刷を行う(S8)。本実施形態において、記録メディアMに印刷された画像データとしては、図10に示す画像データGとする。画像データGは、画像データG1と画像データG1よりも濃度の低い画像データG2とからなる。
記録メディアMに印刷された画像データGの記録メディアMに対する記録領域に基づいて、後述する印刷済み検知処理における記録メディアMに対するメディアセンサ110による検知領域を決定する(S9、本発明の検知領域決定部の一例)。決定された検知領域を検知領域データメモリ83bに記憶する(S10)。本実施形態において、ステップS9で決定される検知領域は、画像データGの記録領域の中で最も濃度が高い領域に決定されたとする。
尚、画像データGの記録領域は、例えば、記録ヘッド30によって画像データGを記録したときにおける、リニアエンコーダ62の検出信号によるキャリッジの主走査方向の位置と、ロータリーエンコーダ61の検出信号によるメディアトレイ71の搬送位置とに基づいて算出されたり、記録メディアMに記録される前の画像データGの記録メディアMに対する記録位置情報から特定されたりする。
記録メディアMへの印刷が完了すると、メディアトレイ71をトレイガイド72上の挿入位置まで排出する(S11)。表示部11に、もう1枚印刷するか否かを選択させる要求が表示され(S12)、もう1枚印刷する場合には(S12:YES)、表示部11に、記録メディアMを交換する要求が表示される(S13)。表示部11に、「印刷OK」を入力する要求が表示され、操作パネル9を介して「印刷OK」が入力されたか否かが判断される(S14)。「印刷OK」の入力あるまで待機し(S14:NO)、「印刷OK」の入力があった場合は(S13:YES)、後述する印刷済み検知処理が実行され(S15)、ステップS7に戻る。ステップS12において、もう1枚印刷しない場合は(S12:NO)、本メイン処理を終了する。
(印刷済み検知処理の実施形態)
複合機1の印刷済み検知処理(図6のステップS15)の実施形態の詳細について、図7のフローチャート及び図11を参照して説明する。この印刷済み検知処理では、図6のステップS9において決定される検知領域が、記録ヘッド30によって記録された画像データGの記録メディアMに対する記録領域の中で、最も濃度の高い画像データG1に決定されたとする。これは、上述したように濃度が高い領域はメディアセンサ110によって検出されやすいためである。
この印刷済み検知処理では、キャリッジ31を移動させて、図11(a)に示すように、検知領域データメモリ83bに記憶されている記録メディアMに対する検知領域(画像データG1の画像領域)に対応する位置P1にメディアセンサ110を移動する(S20)。
メディアトレイ71を搬送して、図11(b)に示すように、メディアセンサ110の検知位置に、画像データG1の画像領域がくるように記録メディアMを移動する(S21)。メディアセンサ110からの検知信号に基づいて、記録メディアMが印刷済みか否かが判断される(S22)。記録メディアMが正しく交換されていれば、画像データG1は検知されないので(S22:NO)、上述した中心位置算出のためにメディアセンサ110によって、現在のメディアセンサ110の走査範囲上から搬送方向の第1向き15の下流側にある記録メディアMの円周の4箇所を検出し、そのうち3箇所の端部データを用いて、円形の記録メディアMの中心位置を算出する。算出された記録メディアMの中心位置を中心位置データメモリ83aに記憶し、本印刷済み検知処理を終了する。
ユーザの操作ミス等により記録メディアMが交換されていれば、画像データGが検知され(S22:YES)、記録メディアMが印刷済みである旨を表示部11に表示する(S25)。それでも印刷を実行するか否かをユーザに選択させ(S26)、「印刷OK」の入力があった場合は(S26:YES)、上述した中心位置算出を実行し、算出された記録メディアMの中心位置を中心位置データメモリ83aに記憶し、本印刷済み検知処理を終了する。「印刷NG」の入力があった場合は(S26:NO)、メディアトレイ71を排出し(S27)、ステップS13に進む。
前回の印刷領域に基づいた検知領域を記憶しておき、次の印刷のときにその検知領域に基づいてメディアセンサ110及び記録メディアMを移動させることで、記録メディアMが交換されたか否かを素早く検出することができる。さらに、検出領域の中で濃度が高い領域をメディアセンサ110によって検出させることで、記録メディアMが印刷済みか否かを検出しやすい。
(印刷済み検知処理の変形例1)
複合機1の印刷済み検知処理(図6のステップS15)の変形例1の詳細について、図8のフローチャート及び図12を参照して説明する。この印刷済み検知処理では、図6のステップS9において決定される検知領域が、記録メディアMに記録された画像データGの記録領域うち、搬送方向に異なる2領域(一領域及び他領域)に決定されたとする。
この印刷済み検知処理では、メディアトレイ71を搬送して、図12(a)に示すように、メディアセンサ110の検知位置に、検知領域データメモリ83bに記憶されている検知領域(一領域)がくるように記録メディアMを移動する(S30)。このとき、キャリッジ31は、印刷領域外の位置P2に位置している。図12(b)に示すように、キャリッジ31を位置P2から、少なくともメディアトレイ71の幅分の位置P3に移動させて、メディアセンサ110を移動する(S31)。このとき、メディアセンサ110の検出信号により、記録メディアMの両端T1、T2の位置についてのデータの取得と(S32)、記録メディアMが印刷済みか否かが判断される(S33)。
記録メディアMが正しく交換されていれば、画像データGは検知されないが(S33:NO)、例えば、装置の振動等によりメディアトレイ71に載置された記録メディアMが、メディア載置部上(不図示)で前後方向に移動してしまった場合は、記録メディアMを交換していないにも関わらず画像データGが検知されない場合虞がある。そこで、ステップS31においてメディアセンサ110が移動した検知領域とは搬送方向において異なる領域をメディアセンサ110で検知するために、図12(c)に示すように、メディアセンサ110の検知位置に、検知領域データメモリ83bに記憶されているステップS30とは異なる検知領域(他領域)がくるように記録メディアMを移動する(S34)。図12(c)に示すように、キャリッジ31を位置P3から位置P2に移動させて、メディアセンサ110を移動する(S35)。このとき、メディアセンサ110の検出信号により、記録メディアMの両端T3、T4の位置についてのデータの取得と(S36)、記録メディアMが印刷済みか否かが判断される(S37)。
2回検出動作を実行しても画像データGが検知されない場合は、記録メディアMが正しく交換されたと判断し(S37:NO)、ステップS32及びステップS36で取得したメディアトレイ71に載置された記録メディアMの円周の4箇所のうち3箇所の端部データを用いて、円形の記録メディアMの中心位置を算出する(S38)。ステップS38によって、算出された記録メディアMの中心位置を中心位置データメモリ83aに記憶し(S39)、本印刷済み検知処理を終了する。
ステップS33において、ユーザの操作ミス等により記録メディアMが交換されていれば、画像データGが検知され(S33:YES)、記録メディアMが印刷済みである旨を表示部11に表示する(S40)。それでも印刷を実行するか否かをユーザに選択させ(S41)、「印刷OK」の入力があった場合は(S41:YES)、ステップS34に進む。「印刷NG」の入力があった場合は(S41:NO)、メディアトレイ71を排出し(S45)、ステップS13に進む。
ステップS37において、ユーザの操作ミス等により記録メディアMが交換されていれば、画像データGが検知され(S42:YES)、この印刷済み検知が2回目であるか否かが判断される(S42)。これは、この印刷済み検知が2回目である場合は(S42:YES)、ステップ41において、印刷済みの記録メディアMであるにも関わらず、「印刷OK」としているので、このステップS42においても「印刷OK」と自動的に判断され、ステップS38に進む。
印刷済み検知が1回目である場合は(S42:NO)、記録メディアMが印刷済みである旨を表示部11に表示する(S43)。それでも印刷を実行するか否かをユーザに選択させ(S44)、「印刷OK」の入力があった場合は(S44:YES)、ステップS38に進む。「印刷NG」の入力があった場合は(S44:NO)、メディアトレイ71を排出し(S45)、ステップS13に進む。
前回の印刷領域に基づいて検知領域を記憶しておき、次の印刷のときにその検知領域に基づいてメディアセンサ110及び記録メディアMを移動させることで、記録メディアMが交換されたか否かを素早く検出することができる。また、メディアセンサ110によって印刷領域を2ライン検出することで、記録メディアMが交換されたか否かの判断が、より正確になる。更に、記録メディアMが交換されたか否かの判断と記録メディアの中心位置算出のため端部検知とを同時に実行することによって、印刷に必要な記録メディアMの検出時間を短縮できる。
(印刷済み検知処理の変形例2)
複合機1の印刷済み検知処理(図6のステップS15)の変形例2の詳細について、図9のフローチャート及び図13を参照して説明する。この印刷済み検知処理では、メディアセンサ110によって、前回の印刷の画像領域の1ラインを検出した場合、記録メディアMが正しく交換されていれば、画像データGは検知されないが、例えば、装置の振動等によりメディアトレイ71に載置された記録メディアMが、メディア載置部上(不図示)で回転してしまった場合は、記録メディアMを交換していないにも関わらず画像データGが検知されない。そこで、図6のステップS9において決定される検知領域が、図13に示す、画像データGの記録領域から所定量回転した領域が検知領域Kと決定されたとし、メディアセンサ110によって検知領域Kを検知する。
メディアトレイ71を搬送して、図13(a)に示すように、メディアセンサ110の検知位置に、画像データGを少なくとも含む検知領域Kがくるように記録メディアMを移動する(S50)。このとき、キャリッジ31は、印刷領域外の位置P4に位置している。図13(b)に示すように、キャリッジ31を画像検知開始位置の位置P5に移動させて、メディアセンサ110を移動する(S51)。図13(b)に示すように、キャリッジ31を位置P5から、少なくとも検知領域の幅分の位置P6に移動させて、メディアセンサ110を移動し、検知領域Kの1ラインを検知する(S52)。
メディアセンサ110からの検知信号に基づいて、記録メディアMが印刷済みか否かが判断される(S53)。記録メディアMが正しく交換されていれば、画像データGは検知されないが(S53:NO)、例えば、装置の振動等によりメディアトレイ71に載置された記録メディアMが、メディア載置部上(不図示)で回転してしまった場合は、記録メディアMを交換していないにも関わらず画像データGが検知されない。そこで、上述したように、少なくとも画像データGの画像領域を含む検知領域Kを複数回メディアセンサ110によって検知する。
検知領域を全て検知したか否かが判断され(S54)、検知領域を全て検知していない場合は(S54:NO)、ステップS52においてメディアセンサ110が移動した検知領域とは搬送方向において異なる領域をメディアセンサ110で検知するために、図13(c)に示すように、メディアセンサ110の検知位置に、画像データGにおいて、ステップS50とは異なる検知領域がくるように記録メディアMを移動する(S55)。キャリッジ31を次の画像検知開始位置の位置P7に移動させて、メディアセンサ110を移動する(S51)。キャリッジ31を位置P7から、少なくとも検知領域Kの幅分の位置P8に移動させて、メディアセンサ110を移動し、検知領域Kの1ラインを検知する(S52)。検知領域を全て検知するまで、ステップS51〜ステップS55の処理を繰り返す。
検知領域を全て検知したと判断された場合に(S54:YES)、記録メディアMが正しく交換されたと判断し、上述した中心位置算出のためにメディアセンサ110によって、現在のメディアセンサ110の走査範囲上から搬送方向の第1向き15の下流側にある記録メディアMの円周の4箇所を検出し、そのうち3箇所の端部データを用いて、円形の記録メディアMの中心位置を算出する。算出された記録メディアMの中心位置を中心位置データメモリ83aに記憶し、本印刷済み検知処理を終了する。
ステップS53において、ユーザの操作ミス等により記録メディアMが交換されていれば、画像データGが検知され(S53:YES)、記録メディアMが印刷済みである旨を表示部11に表示する(S58)。それでも印刷を実行するか否かをユーザに選択させ(S59)、「印刷OK」の入力があった場合は(S59:YES)、上述した中心位置算出を実行し、算出された記録メディアMの中心位置を中心位置データメモリ83aに記憶し、本印刷済み検知処理を終了する。「印刷NG」の入力があった場合は(S59:NO)、メディアトレイ71を排出し(S60)、ステップS13に進む。
前回の印刷領域に基づいて検知領域Kを記憶しておき、次の印刷のときその検知領域Kに基づいてメディアセンサ110及び記録メディアMを移動させることで、記録メディアMが交換されたか否かを素早く検出することができる。また、画像データGの画像領域が所定量回転移動した領域を検知領域Kとしてメディアセンサ110によって検知することで、記録メディアMが交換されたか否かの判断が、より正確になる。
本実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
本実施形態において、円形の記録メディアM(CD等)の被記録媒体を用いて説明したが、これに限定されず、メディアトレイ71に載置して印刷される被記録媒体であればよい。例えば、光沢紙や四角形のプラスティックカード等でもよい。
本実施形態において、メディアセンサ110をキャリッジ31に配置することで主走査方向への移動を可能としたが、これに限定されず、メディアセンサ110はキャリッジ31と別体であっても良い。この場合、メディアセンサ110のみを主走査方向へ移動させる機構を備える。
印刷済み検知処理の実施形態において、検知領域の中で最も濃度の高い領域をメディアセンサ110によって検知するようにしたが、メディアセンサ110によって検知領域が検知できるのであれば、メディアセンサ110の検知箇所は濃度が低い領域であっても良い。
印刷済み検知処理の変形例1において、検知領域を記録メディアMに記録された画像データGの記録領域うち、搬送方向に異なる2領域としたが、3領域や4領域等もっと多くても良い。
印刷済み検知処理の変形例2において、メディアセンサ110を、少なくとも検知領域Kの幅分移動させることで検知領域を検知したが、検知する検知領域は、検知領域Kより小さい範囲や検知領域Kと同じ範囲であっても良い。
1 複合機
30 記録ヘッド
31 キャリッジ
54 搬送ローラ対
55 排出ローラ対
71 メディアトレイ
110 メディアセンサ
83b 検知領域データメモリ
G 画像データ
K 検知領域

Claims (15)

  1. 被記録媒体を載置可能なトレイと、
    前記トレイを搬送する搬送部と、
    被記録媒体に画像記録可能な記録部と、
    前記搬送部によって搬送される前記トレイの搬送方向と直交する主走査方向に往復移動可能であり、被記録媒体及び上記トレイを検知可能な検知部と、
    上記記録部によって当該被記録媒体に記録された画像の当該被記録媒体に対する記録領域に基づいて、前記検知部による被記録媒体の検知領域を決定する検知領域決定部と、
    前記検知領域決定部によって決定された前記検知領域を記憶する検知領域記憶部と、
    前記記録部によって前記トレイに載置された被記録媒体に画像を記録する場合に、前回の画像記録において前記検知領域記憶部に記憶された前記検知領域に基づいて前記搬送部及び前記検知部を制御し、前記検知部によって前記検知領域を検知させる制御部と、
    前記検知部の検知結果に基づいて、被記録媒体が記録済みか否かを判断する判断部と、
    を備えた画像記録装置。
  2. 前記制御部は、前記搬送部によって前記トレイを搬送させ、前記検知領域記憶部に記憶された前記検知領域を前記検知部の走査範囲上で停止させる請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記制御部は、前記検知領域記憶部に記憶された前記検知領域が、前記検知部の走査範囲上に到達する前に、当該検知領域に対応する位置に前記検知部を停止させておく請求項1または2に記載の画像記録装置。
  4. 前記被記録媒体は円形であって、
    前記制御部は、当該被記録媒体の中心を算出するために、前記検知部に当該被記録媒体の少なくとも3箇所の端部を検知させる端部検知手段を備え、
    前記制御部は、前記端部検知手段における少なくとも1箇所の端部の検出において、前記検知領域を前記検知部の走査範囲上に停止させ、前記検知部に当該端部と前記検知領域とを検知させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 前記判断部によって、被記録媒体が記録済みであると判断された場合に、当該被記録媒体が記録済みである旨を報知する報知部を備えた請求項1乃至4のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 前記制御部は、前記判断部によって、被記録媒体が記録済みであると判断された場合に、当該被記録媒体が載置された前記トレイを前記搬送部によって排出させる請求項1乃至5のいずれかに記載の画像記録装置。
  7. 前記判断部によって、被記録媒体が記録済みであると判断された場合に、当該被記録媒体に画像を記録するか否かを選択する選択部を備え、
    前記制御部は、前記選択部によって、当該被記録媒体に画像を記録すると選択された場合に、前記記録部によって当該被記録媒体に画像を記録させ、当該被記録媒体に画像を記録しないと選択された場合に、当該被記録媒体が載置された前記トレイを前記搬送部によって排出させる請求項1乃至6のいずれかに記載の画像記録装置。
  8. 前記検知領域決定部は、前記記録領域の中で濃度が最も高い領域を前記検知領域として決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
  9. 前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域を前記検知領域として決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
  10. 前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域よりも主走査方向に短い範囲を前記検知領域として決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
  11. 前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域よりも主走査方向に長い範囲を前記検知領域として決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
  12. 前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域及び当該記録領域が前記主走査方向に移動した領域を含む領域を前記検知領域として決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
  13. 前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域及び当該記録領域が前記搬送方向に移動した領域を含む領域を前記検知領域として決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
  14. 前記検知領域決定部は、前回の画像記録における記録領域及び当該画像領域が円方向に回転移動した領域を含む領域を前記検知領域として決定する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
  15. 前記検知領域決定部は、前記搬送方向に沿って異なる複数の領域を前記検知領域に決定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像記録装置。
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