JP2011200959A - スパイラルカッター - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブの品質を検査するために当該チューブかららせん状の長尺な試料(サンプル)を簡単かつ迅速に作製することができるスパイラルカッターを提供する。
【解決手段】このスパイラルカッターは、チューブAを保持すると共に、当該チューブAをその軸線周りに回転させながら該軸線方向に前進させる送り機構5と、チューブAの進行方向に対し斜めに配置されチューブAをらせん状に切断するカッターと、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば樹脂製のチューブをらせん状に切断するスパイラルカッターに関し、具体的には、チューブ製品の品質を検査するために当該チューブかららせん状の長尺な試料(サンプル)を簡単かつ迅速に作製することができるスパイラルカッターに関する。
従来、例えば自動車の燃料チューブとして、内層と外層とを有する二層チューブ(あるいは、より多層のチューブ)が使用されている。そして、このようなチューブ製品の品質検査項目の1つとして各層間の剥離強度試験が行われている。この剥離強度試験においては、規格上、チューブ製品をらせん状に切断して長尺なサンプルを作製し、その試料を用いて試験を行うことが求められる場合がある。
このサンプルを作製する一つの方法として、片手でチューブを持ち、もう一方の手でパイプカッター(鋏状のもの)を持ち、パイプカッターをチューブに対して斜めにした状態でチューブを回転させることにより、手作業でチューブをらせん状に切断する方法がある。
なお、上記のような試験用のサンプルを作製する目的ではないものの、らせん状のチューブを作るための装置として、例えば特許文献1のようなものが従来公知である。
特開2004−58236
しかしながら、上述したような手作業では、その作業に手間がかかり、また仮に時間をかけてらせん状のチューブを得たとしても、その幅や断面形状のばらつきが大きく、その結果、剥離強度の測定値がばらつき、信頼性のあるデータを取りにくいという問題点があった。また、刃がむき出しのパイプカッターを用いるので、安全面で改善の余地がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、チューブ製品かららせん状の長尺な試料(サンプル)を容易かつ迅速に作製できるスパイラルカッターを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のスパイラルカッターは、
チューブを保持すると共に、当該チューブをその軸線周りに回転させながら(一回転当たり一定のピッチで)該軸線方向に前進させる送り機構と、前記チューブの進行方向に対し斜めに配置され前記チューブをらせん状に切断するカッターと、を備える。
より具体的には、前記送り機構が、中空の送りネジと、前記送りネジと前記チューブとを固定するための固定手段と、を有しており、前記チューブが前記送りネジ内に通された状態で保持されるように構成されていてもよい。
上記のように構成された本発明のスパイラルカッターによれば、送り機構によって回転しながら一定ピッチで送り出されるチューブをカッターでらせん状に切断していくものであるため、幅が一定のらせん状のチューブを簡単かつ迅速に作製することができる。
上述したように、本発明によれば、チューブの品質を検査するために当該チューブかららせん状の長尺な試料(サンプル)を簡単かつ迅速に作製できるスパイラルカッターを提供することができる。
本発明の一形態のスパイラルカッターを示す斜視図である。 台座を示す図であり、(a)が平面図、(b)が右側面図である。 送りネジを示す図であり、(a)が正面図、(b)が右側面図である。 カッター支持体を示す図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が右側面図である。 止めネジでチューブを固定する構造を説明するための図である。 本実施形態のスパイラルカッターを用いて得られるらせん状チューブの図である。 カッター支持体の他の例を示す図である。 カッターを回転式に支持する例と、固定式に支持する例とを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を説明する。図1は本実施形態のスパイラルカッターの斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のスパイラルカッター1は、台座39と、その台座上面の前側に配置されたカッター支持体11と、台座上面の後側に配置された送り機構5と、を備えている。
台座39は、図2に示すように、この例では、断面形状が下向きコ字型の部品であり、その上面39aが平面となっている。上面39aの中央部には1つの開口部39bが形成されている。この開口部39bを挟んで両側には、カッター支持体11などを取り付けるための複数のビス孔39cが形成されている。
図1に示すように、送り機構5としては、台座上面39aに取り付けられた支持ブロック27と、該支持ブロック27によって支持された送りネジ21と、を有している。
送りネジ21の一端にはハンドル25が設けられており、このハンドル25を回すことで送りネジ21全体がその軸線方向に一定ピッチで前進または後進する。
送りネジ21は、図3に示すように、その外周にネジ部22が形成された中空部材であり、その内孔25にチューブAが通されるようになっている。図3(a)に示すように、送りネジ21の両端部には該ネジを半径方向に貫通するネジ孔23aが形成されている。この例では、図3(b)に示すように、3つのネジ孔23aが120°間隔で設けられている。
このネジ孔23aには止めネジ28が螺入され(図5、詳細後述)、この止めネジ28をねじ込むことにより、チューブAが固定されるようになっている。
なお、止めネジ28の種類は特に限定されるものではなく、ドライバーによってねじ込まれるものであってもよいし、六角レンチによってねじ込まれるものであってもよい。
カッター支持体11は、チューブAをらせん状に切断するためのカッターを支持する部品であり、図1、図4に示すように、ブロック状の本体部12と、その本体部12の底部から両側に張り出した鍔部12a、12aと、本体部12の上面から上に向かって突出したカッター支持部13と、を有している。
本体部12には、該本体部を横に貫通する貫通孔18(円孔)が形成されており、この孔内にチューブAが挿入される(すなわち、図1のスパイラルカッター1においては、送りネジ21の軸線と貫通孔18の軸線とが揃うように配置されている)。
一例として、チューブAの外径がφ8mmの場合、貫通孔18の内径はφ8.3mm程度とすればよい。
カッター支持部13は、図4(a)に示すように、チューブAの進行方向(図の左右方向)に対して傾斜して設けられている。この例では、チューブAの進行方向に対して13°の角度をなすように設けられている。この角度は、チューブ外径とスパイラル幅とによって決まる。また、この角度は、切削品のピッチ角度とすることが好ましい。
カッター支持部13には、その上端面から下方に向かって平溝13aが切り込まれている。図4(c)に示すように、この平溝13a内に丸刃のカッター37が取り付けられている。カッター37は、カッター支持部13の厚み方向に通されたピン38によって回転可能に支持されている。カッター37の外周部の刃先は、貫通孔18に所定量(一例として、寸法d=2.0mm〜2.5mm)だけ突出している。
上記のように構成された本実施形態のスパイラルカッター1の使用方法について、以下、説明する。
まず、チューブAを送りネジ21内に固定する。この固定は、図1、図5に示すように、チューブAの内側に丸棒状の芯材36を配置した状態でチューブAを送りネジ21の内孔内に通し、送りネジ21の両端部(図3参照)において止めネジ28をねじ込むことにより行われる。止めネジ28をねじ込むと、ネジ先端が送りネジ21の内孔内に突出し、これにより芯材36と止めネジ28の先端との間でチューブAが挟まれ、チューブAが固定される。チューブA内に芯材36が配置されているので、チューブAがつぶれることもなく、チューブAを良好に保持することができる。
なお、芯材36の長さは、少なくとも送りネジ21の長さ(より正確には、図3に示すような止めネジ(28)間の寸法d)より長いことが好ましく、これにより、送りネジ21のそれぞれの端部で芯材36が存在することとなるので、チューブのつぶれを防止しつつチューブを良好に保持することが可能となる。
図1に示すように、チューブAは送りネジ21の前端から所定長さだけ突出した状態で保持される。
次いで、送りネジ21のハンドル25を回すことにより、チューブAが回転しながら前進させられる。
チューブAの先端がカッター支持体11の貫通孔18内へと挿入され、カッター37の刃先がチューブAの外周に押し当たった状態でさらにハンドル25を回すことにより、カッター37によりチューブAがらせん状に切断され、貫通孔出口から図6に示すようならせん状のチューブA′が出てくる。
なお、チューブA′の幅wは適宜変更可能であるが、規格上、幅wはチューブAの外径の70%とされており、一例として、チューブ外径がφ8mmの場合には幅wは5.6mmである。
所望の長さのチューブA′が作製された時点で、鋏やカッター等の工具でチューブA′を切断する。これにより、幅wが一定のらせん状のチューブ(試料)を得ることができる。
以上説明したように本実施形態のスパイラルカッター1を使用することにより、幅wが一定のらせん状のチューブを簡単かつ迅速に作製することができ、また、幅wが一定であることから、剥離強度試験の測定値のばらつきも低減し、高信頼性の試験結果を得ることが可能となる。
特に本実施形態の構成によれば、チューブAを切断するカッター37がカッター支持体11の溝13a内に配置されており外部に露出していないため、作業者がカッター37に触れて怪我をするおそれもない。
また、チューブAを切断するためのカッター37が丸刃であるため、チューブAをらせん状に良好に切断することができる。平刃によってチューブをらせん状に切断する場合、刃が横からの力を受けてねじれやすく、刃も折れやすい。また、刃の切断面も荒れるため、らせん状の切断を良好に出来にくい。
なお、丸刃はこの例にあるように、通常は回転自由に設けられているが、固定されていてもよい。回転自由丸刃の場合、切断時の抵抗が少なく、切断面がきれいで、しかもカッター刃の寿命も長い。一方、回転固定丸刃の場合(特に柔軟なチューブを切断する場合)上方からの押し圧がかからないのでシャープに切断できる。
丸刃の回転/固定の方案として、丸刃中心軸を交換して刃を固定する方案が一例として好ましいが、他の固定案でもよい。例えば、図8(a)に示すように、カッター37の円形の中心孔37aに軸部の断面が円形のボルト41を通してカッター37を支持することにより回転自由丸刃となる。図8(b)に示すように、カッター37′の六角形(一例)の中心孔37a′に軸部の断面が六角形のボルト41′を通してカッター37′を支持することにより回転固定刃となる。
本実施形態では、送り機構5が送りネジ21を用いた比較的シンプルな構造であるので、製造コストの点で有利である。
以上、本発明の一形態について図面を参照して説明したが、本発明のスパイラルカッターは上記形態に限定されるものではなく種々変更可能である。
例えば、図7に示すように、カッター支持体の溝13aがチューブの進行方向に対しXY平面内において所定角度(例えばα=13°)傾斜し、かつ、XZ平面内において所定角度(例えばβ=5°)傾斜した構成とすることもできる。これにより、カッター(不図示)が、XY平面内において例えば13°傾き、XZ平面内において例えば5°(刃がチューブA側に倒れる方向)傾くこととなる。
また、チューブAを送りネジ21内に固定する手段としては、上記のような止めネジ28を利用するものに限定されるものではなく、他の固定手段を利用するものであってもよい。
上記形態のように止めネジ28を利用する場合、その本数は3本に限定されるものではなく1本または2本であってもよい。
台座39に関して、台座の形状は図1、図2に示したようなものに限定されるものではなく、例えば、台座上面に形成された開口部39bのような開口部が台座側面に複数形成されていてもよい。
カッター支持体11に関して、チューブAの先端が貫通孔18に入り易いように、貫通孔18の入り口部分にC面を形成してもよい。
1 スパイラルカッター
5 送り機構
11 カッター支持体
13 カッター支持部
13a 溝
18 貫通孔
21 送りネジ
27 支持ブロック
28 止めネジ
36 芯材
37 カッター
38 ピン
39 台座
41、41′ ボルト
A チューブ

Claims (6)

  1. チューブを保持すると共に、当該チューブをその軸線周りに回転させながら該軸線方向に前進させる送り機構と、
    前記チューブの進行方向に対し斜めに配置され前記チューブをらせん状に切断するカッターと、
    を備えたスパイラルカッター。
  2. 前記送り機構が、中空の送りネジと、前記送りネジと前記チューブとを固定するための固定手段と、を有しており、
    前記チューブが前記送りネジ内に通された状態で保持されるように構成されている、請求項1に記載のスパイラルカッター。
  3. さらに、
    前記チューブを保持する際に該チューブの内側に配置される棒状の芯材を有する、請求項2に記載のスパイラルカッター。
  4. 前記固定手段が、
    前記中空の送りネジの両端部に形成され該ネジを半径方向に貫通するネジ孔にねじ込まれる止めネジである、請求項2または3に記載のスパイラルカッター。
  5. 前記カッターが、回転自在に保持された丸刃のカッターである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパイラルカッター。
  6. 前記カッターが、固定された丸刃のカッターである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパイラルカッター。
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