JP2011196803A - フェイズドアレイ合成開口ソナーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ソナー画像の精度を上げつつ、処理速度を落とさないことを目的とする。
【解決手段】プラットフォーム12に複数設置されている受信素子31から入力された受信データを、同時に受信したデータ毎に複数のフェイズドアレイ処理装置9に分散するフェイズドアレイ振分装置8と、受信データに対するフェイズドアレイ処理を並列に行なう複数のフェイズドアレイ処理装置9と、複数のフェイズドアレイ処理装置9から出力されたフェイズドアレイ処理結果を、受信データの受信順に合成開口処理装置11へ送るデータシェーピングバッファ装置10と、送られた複数のフェイズドアレイ処理結果を用いて合成開口処理を行なう合成開口処理装置11と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムの技術に関する。
従来の合成開口ソナーの処理では、例えばソナーに搭載された1CH(Channel)の送信・受信素子を用いて、1回の発信パルス(1ピング)によって得られる海底からの反射音波データの記録を、海底探査機などのプラットフォームを移動させながら繰り返す。そして記録した複数の反射音波データを合成する合成開口処理を行なうことで、所定の合成開口ソナー画像を得る。
図8〜図10を参照して、従来の合成開口ソナーを説明する。図8と図9において、同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
まず、図8に示すように、プラットフォーム12には1CH(1個)の受信素子31が設置されている。図示しない発信素子から発信される音波は、図8に示すようにプラットフォーム12の進行方向であるアジマス方向に広がりつつ、時間方向(ソナーの進行方向)であるレンジ方向に進む。ここで、図8の範囲701が1回の発信パルス(1ピング)で得られるデータ範囲である。
合成開口ソナーでは、図9に示すようにプラットフォーム12が移動しながら音波を何度も発信し、反射音波を合成することによりソナー情報を得る。ここで、ソナー情報とは、ピングデータの集合である。また、ピングデータとは、音波を1回送波したときの受信データである。
図9において、丸801は1ピングで探査可能な範囲を示すものだが、音波はレンジ方向へ進むにつれアジマス方向へ広がるため、プラットフォーム12に近くなるほど得られる探査範囲801が狭くなり、遠くなるほど探査範囲801が広くなる。
したがって、図9のように4ピングを合成することにより合成開口ソナーを得ようとすると、プラットフォームに近いところでは探査範囲801に抜けが生じてしまい、遠いところでは探査範囲801に重複が生じることとなる。ここで、Nmaxは、一回の合成開口処理に用いる最大ピング数(これ以上、合成開口処理を行なっても効果が薄くなるピング数)である。
図10は、従来の合成開口ソナーのシステム構成例を示す図である。
合成開口ソナーシステム200は、ソナーの発信・受信および受信データの処理を行なう音響データ受発信装置210と、音響データ受発信装置から得られたデータを取得して、蓄積するデータ取得・蓄積装置220と、合成開口処理を行なう合成開口処理装置230と、を有する。
音響データ受発信装置210は、バンドパスフィルタとしてのHPF/LPF(High Pass Filter/Low Pass Filter)212、可変利得増幅回路(VGAMP213:Variable Gain Amplifier)、HPF/LPF214、プログラマブル利得増幅回路(PGAMP215:Programmanle Gain Amplifier)、ADC(Analog Digital Comverter)216を有しており、受信素子31から得られた受信データは、この各部212〜216を介して信号処理され、データ取得・蓄積装置220へ送られる。
データ取得・蓄積装置220へ送られる受信データは、受信素子31の移動位置毎のデータが送られる。
データ取得・蓄積装置220は、入力された受信データに対してオーバサンプリングを行なうオーバサンプリング部222を有しており、オーバサンプリングされた受信データは、受信素子31がピングを受信した時間および位置情報とともに、記憶装置223に格納される。
なお、受信素子31がソナーを受信した時間・位置情報221は、音響データ受発信装置210が有している初期値設定情報211から経過した時間・位置を基に音響データ受発信装置210によって算出される。
合成開口処理装置230は、データ取得・蓄積装置220の記憶装置223からデータを読み込むデータ読込処理部232、読み込んだデータに対し合成開口処理を行なう合成開口処理部233、合成開口処理結果をストレージ235に格納したり、表示装置236にソナー画像として表示させたりする結果保存・表示処理部234を有している。また、合成開口処理装置230は、各部の初期設定を行なう初期設定処理部231も有している。
図8〜図10に示す合成開口ソナーでは、図9に示すようにプラットフォーム12から近いところでは探査範囲801に抜けが生じてしまい、遠いところでは探査範囲801の重複が生じてしまう。
そこで、特許文献1では、複数回取得したピングデータでフェイズドアレイ処理を実行した後に合成開口する処理を行なう合成開口ソナーが開示されている。ここで、特許文献1におけるビームステアリングがフェイズドアレイ処理に相当する。以下、このような処理をフェイズドアレイ合成開口処理と称することとする。なお、ここでフェイズドアレイ処理とは、多数の小さな受信素子のそれぞれで受信する音波の位相を制御することで、これらの受信素子で受信した音波を合成し、音波の指向性を変化させて観測する処理である。
なお、物体に対する距離はピング送信から受信までの時間tから参集できるので既知のものとして扱う。
図11は、従来のフェイズドアレイ合成開口ソナーの概略を示す図である。
図11に示すように、プラットフォーム12の近くに位置する対象物1001に対しては各移動地点で発信・受信したピングによって海底の状況を検知するフェイズドアレイ処理を行ない(符号1003)、プラットフォーム12から遠くに位置する対象物1002に対しては合成開口処理を行なうものである。これにより、全領域において均等な分解能(均等な探査範囲)を得ることができる。Nmaxは、図8と同様の値である。なお、符号1003で示す矢印は、1回のピングで反射した音波を異なる受信素子31で受信していることを示すものである。
次に、図11におけるフェイズドアレイ合成開口処理の概要を記述する。なお、この処理の詳細は、図12において後記する。
フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、まず時間領域において記録波形(受信ソナーの波形)と任意波形(送信ソナーの波形)とのレンジ圧縮を実行する。次に、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、フェイズドアレイ処理を行なう目標観測ライン、つまり描画対象となる海底列(描画対象列)を決定し、近距離においてはフェイズドアレイ処理を適用することでデータの欠落をなくし、遠距離においては合成開口処理を実行し、分解能の低下を防ぐ。実際には、図12で後記するように、フェイズドアレイ処理と合成開口処理との両方を同じデータに適用することで、近くの対象物に対しては合成開口処理の効果が薄れ、遠くの対象物に対しては、受信ソナーの角度(位相差)が微小になるためフェイズドアレイの効果が薄れることとなる。なお、処理に用いるデータは受信アレイの素子単独のビーム照射範囲により決定する。そして、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、ソナー本体の動揺(速度、角度)情報を考慮しつつ各移動位置での受信素子31における受信信号の遅延時間を計算し、受信データのコヒーレント加算をすることで、ある海底一点の画像を得る。この処理を海底全域で繰り返し、ソナー画像を得る。
なお圧縮後のデータは送信波帯域幅と同じ周波数のサンプリングレートとなるようにし、続くアジマス圧縮時に非特許文献1に記載の1.5次元合成開口アルゴリズムが適用できるようにする。データの一次保存量は合成開口ピング数最大値Nmaxで決定する。
図示しない慣性航法装置などから取得したプラットフォーム12の速度情報(Vx,Vy,Vz)、角度情報(θ,ω,φ)、加速度情報(Ax,Ay,Az)、高度情報hにはノイズなどの動揺補正に不要な情報が含まれている。ここで、速度情報・角度情報・加速度・高度情報は、図10の時間・位置情報221に相当する情報である。それらを除くために、特許文献2に記載の技術や、非特許文献2に記載の技術を用いて不要な周波数帯域の情報を除去する。データの一時保存量は、例えば合成開口ピング数最大値Nmax×送波間隔Tp×3秒間のデータとするが、動揺補正後の一時保存量はNmax×Tpとなる。ここで、3秒間とは、ソナーを受信する時間である。フェイズドアレイ合成開口ソナーでは、通常のソナーと同様に、横(ソナー垂直方向)一列(描画対象列)分の画像データを生成する。フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムにおいて、従来のソナーと異なるのは、ソナーが真横を探索するのではなく、海底上をグリッド化し、それに沿った任意の描画対象列を探査し、画像を生成する点である。
図12は、図11におけるフェイズドアレイ合成開口処理の手順を示すフローチャートである。
まず、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、合成開口処理に先立って動揺補正フィルタ処理と、レンジ圧縮処理を行なっておく。
動揺補正フィルタ処理において、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、システムにおける慣性航法装置からプラットフォーム12の速度(Vx,Vy,Vz)、角度(θ,ω,φ)、加速度情報(Ax,Ay,Az)、高度hの各情報を取得する速度・角度・加速度・高度取得処理を行ない(S501)、取得した速度・角度・加速度・高度情報を記憶装置に格納する。さらに、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは特許文献2もしくは非特許文献2に記載の技術を用いて動揺補正フィルタ処理を行ない(S502)、処理結果を記憶装置に格納しておく。
また、レンジ圧縮処理において、フェイズドアレイ合成開口ソナーは、合成開口処理の実行に必要なピングの最大数である合成開口ピング数最大値Nmaxを、例えば記憶装置から取得する(S601)
そして、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、受信データのレンジ圧縮処理を行なう(S602)。レンジ圧縮処理は、非特許文献1に記載の技術を用いるため、説明を省略する。
次に、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、レンジ圧縮処理を行なった1ピング分の受信データを記憶装置へ格納する1ピング分データ一次保存処理を行なう(S603)。
次に、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、合成開口ピング数最大値Nmax分すべてのピングについて、ステップS602,S603の処理を行なったか否かを判定する(S604)。
ステップS604の結果、合成開口ピング数最大値Nmax分のピングについて、ステップS602,S603の処理を行なっていない場合(S604→No)、フェイズドアレイ合成開口システムは、ステップS602へ処理を戻す。
ステップS604の結果、合成開口ピング数最大値Nmax分のピングについて、ステップS602〜603の処理を行なっている場合(S604→Yes)、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、レンジ圧縮処理を終了する。
なお、レンジ圧縮処理は、合成開口処理が行なわれるたびに、合成開口処理に使用する受信データに対して行なわれる処理である。
次に、合成開口処理について説明する。
フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、描画対象列上における位置R(描画対象点)を目標に設定し、受信素子のビーム受信角度範囲(=送信機ビーム受信角度範囲)から何ピング分のデータを処理に用いるのかを決定する目標範囲決定処理を行なう(S701)。つまり、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、描画対象列を描画するために必要なピング数を決定する。
フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、速度・角度・加速度・高度情報および動揺補正フィルタ処理結果を記憶装置から取得し、プラットフォーム12の相対位置・姿勢角を算出する相対位置・姿勢角算出処理を行なう(S702)。ここで、「高度」とは、海底からプラットフォーム12までの距離である。
次に、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、ソナーを受信したときの受信素子位置を算出する受信素子位置算出処理を行なう(S703)。ここで、ステップS702で算出されるプラットフォーム12の相対位置・姿勢角およびステップS703で算出される受信素子位置は、図10の時間・位置情報221に相当する情報である。
そして、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、ステップS703で算出した受信素子位置における音波伝搬遅延Tdiを算出する音波伝播遅延算出処理を行なう(S704)。音波伝播遅延Tdiは、ソナー送信装置から描画対象となっている海底の一点(描画対象点)への距離をAとし、当該描画対象点から受信素子31への距離をBとしたとき、以下の式(1)で示される値である。
Tdi=(A+B)/音速 ・・・ (1)
なお、プラットフォーム12の姿勢により、AとBの値が一致するとは限らない。
フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、レンジ圧縮した1ピング分データを記憶装置から取得すると、このデータから位相情報を取得し、さらに受信素子位置と、音波伝播遅延Tdiを使用し、コヒーレント加算処理を行なう(S705)ことで、ピングデータ(音波を1回送波したときの受信データ)の集合であるソナー情報を取得する。レンジ圧縮前の波形データは強度情報のみを有している。これに対し、レンジ圧縮後の波形データは強度に加え、発信ソナー(チャープ波)の位相情報を有する波形データ、すなわち複素数となる。なお、ステップS705の処理は、非特許文献1におけるアジマス圧縮である。また、音波伝播遅延Tdiとなる時刻にサンプリングがされる事はまれであり、基本的に一致しないため、ステップS705では、Tdiとなる時刻前後の2サンプルを使用し、補間を行なって描画対象点の画像を生成する。
ここで、ステップS703〜S705までがフェイズドアレイ処理に相当する処理である。
次に、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、合成開口ピング数最大値Nmax分すべてのピングについて処理を行なったか否かを判定する(S706)。
ステップS706の結果、Nmax分すべてのピングについて処理を行なっていない場合(S706→No)、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、ステップS702へ処理を戻す。
ステップS706の結果、Nmax分すべてのピングについて処理を行なっている場合(S706→Yes)、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、ステップS705で取得したソナー情報を基に描画対象点を描画する海底一点描画処理を行なう(S707)。
次に、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、レンジ範囲すべてについてステップS701〜S707の処理を行なったが否かを判定する(S708)。
ステップS708の結果、レンジ範囲すべてについて処理を行なっていない場合(S708→No)、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、ステップS701へ処理を戻す。
ステップS708の結果、レンジ範囲すべてについて処理を行なっている場合(S708→Yes)、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、すべての描画対象列について、ステップS701〜S708の処理を行なったか否かを判定する(S709)。
ステップS709の結果、処理を行なっていない場合(S709→No)、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは、ステップS701へ処理を戻し、次の描画対象列について処理を行なう。
ステップS709の結果、処理を行なっている場合(S709→Yes)、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステムは処理を終了する。
合成開口処理は多数のデータを使用するため高分解能である。加えて、従来の位置・姿勢情報を用いないソナーは横軸に送信音波番号を、縦軸に時刻をとって受信信号を表示するシステムであるのに対し、合成開口ソナーは横軸に進行方向位置を、縦軸にレンジ距離をとった相対座標系における信号を表示するシステムである。そのため、海底面からの反射信号をソナー本体の動揺補正処理により歪みの少ない自然な形で画像を見ることができる。また、フェイズドアレイ合成開口ソナーでは、合成開口処理の効果に加えて、フェイズドアレイ処理によりソナーの送信間隔とは無関係に海底面をグリッド化できるため、均一な分解能で海底画像を取得できる。
特開2001−116842号公報 特許第4062311号明細書
T. Sawa, T. Aoki, H. Yoshida, T. Hyakudome, S. Ishibashi, S. Matsubara, S. Wright,"Modified synthetic aperture algorithm for sonar systems",International Journal of Adaptive Control and Signal Processing,Volume 24, Issue 2, February 2010, pp.142-148,Singapore.,Singapore. Takao Sawa, Tomoo Kamakura, Taro Aoki, and Jyunichiro Tahara,"Motion compensation of synthetic aperture sonar with acceleration sensors",Japanese journal of applied physics,VOl. 46, No. 7B, (2007),pp.4977-4981,Japan.
従来のフェイズドアレイ合成開口ソナーではリアルタイム処理の実現が困難であり、ソナーからの取得データを記憶装置に一旦蓄積した後、バッチ処理で処理を行なっていた。これは、受信ソナー処理の処理負荷が極めて膨大であり、リアルタイムでソナー画像を得るためには非常に高性能な計算機を必要とすることにある。
処理の軽減を図るため、これまで合成開口処理内では処理負荷の大きい割り算を極力実行しない演算式としたり、三角関数はテイラー展開(二項定理)を用いて近似したりするなどの方法が行なわれているが問題解決には至っていない。
この原因は大きく2つある。ひとつは1ピングあたりのデータ処理量が膨大、かつピングの送信間隔が短いことであり、もうひとつはピングデータに対しソナー本体の動揺補正やフェイズドアレイ処理・合成開口処理をしなければならない点である。
前者については、受信データの間引き処理を行なったり、合成開口長を短くしたり、観測レンジ範囲を狭めて分解能を落したりするなどの方法により処理データの負荷軽減を図ることが行なわれている。また、後者については、動揺補正処理の適用間隔を間引くなどの方法が行なわれている。
しかしながら、合成開口ソナーの目的は、高精細な海底上の画像を取得することである。従って、受信データを間引くことは画像データの分解能低下を招いてしまう。
また、従来のフェイズドアレイ合成開口ソナーでは、描画対象点のデータが確定するまでに時間を要するという問題がある。これは、海底の地点Xをカバーする受信データは、ソナー本体の合成開口処理開始端で取得可能となるピング(Ping1)から、合成開口処理終了端で取得可能となるピング(PingN)までのピングデータが確定(Nmaxで規定)するまで、フェイズドアレイ合成開口処理ができなかったことにある。
一方、より精度の高い海底画像を得るために、精度の高いソナー画像も必要とされている。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、ソナー画像の精度を上げつつ、処理速度を落とさないことを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、プラットフォームに複数設置されている受信素子から入力された複数の受信データを、受信したデータ毎に複数のフェイズドアレイ処理装置に分散するフェイズドアレイ振分装置と、前記複数の受信データに対するフェイズドアレイ処理を並列に行なう複数のフェイズドアレイ処理装置と、前記複数のフェイズドアレイ処理装置から出力されたフェイズドアレイ処理結果を、受信データの受信順に合成開口処理装置へ送るデータシェーピングバッファ装置と、前記送られた複数のフェイズドアレイ処理結果を用いて合成開口処理を行なう合成開口処理装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ソナー画像の精度を上げつつ、処理速度を落とさないことが可能となる。
本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口ソナーシステムの構成例を示す図である。 本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口ソナーシステムの概略を示す図である。 本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態におけるフェイズドアレイ合成開口ソナーの詳細な処理手順を示すフローチャートである。 描画対象点の説明を行なうための図である。 本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口ソナーシステムをPCで構成した例を示す図である。 図6に示す各PCをネットワーク接続した場合の接続例を示す図である。 ソナーの概略を示す図である。 従来の合成開口ソナーの概略を示す図である。 従来の合成開口ソナーシステムの構成例を示す図である。 従来のフェイズドアレイ合成開口ソナーの概略を示す図である。 従来のフェイズドアレイ合成開口処理の手順を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
《システム構成》
図1は、本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口ソナーシステムの構成例を示す図である。
フェイズドアレイ合成開口ソナーシステム1は、ソナー送信装置2、ソナー受信アレイ3、動揺データ算出装置4、受信データサンプリング装置5、レンジ圧縮装置6、記憶装置7、フェイズドアレイ振分装置8、複数のフェイズドアレイ処理装置9、データシェーピングバッファ装置10、合成開口処理装置11を有している。
ソナー送信装置2は、ソナー(音波)を送信する装置であり、プラットフォーム12(図2)に対して1台設置されている。
ソナー受信アレイ3は、複数のソナー受信素子31(図2)がソナーの1/2波長間隔で配列されている。ソナー受信アレイ3は、何列でもよいが、1列または2列が好ましい。しかし、これに限らず、格子状に受信素子31が配列されているなどしてもよい。
動揺データ算出装置4は、プラットフォーム12の速度、角度、高度などからプラットフォーム12の動揺補正を行なう装置である。
受信データサンプリング装置5は、各受信素子31から送られた受信データのサンプリングを行なう装置である。
レンジ圧縮装置6は、受信データサンプリング装置5から送られたデータに対し、レンジ圧縮処理を行なう装置である。
記憶装置7は、プラットフォーム12の速度、角度、高度の各情報や、動揺補正の結果や、レンジ圧縮された受信データを格納する記憶装置7である。
フェイズドアレイ振分装置8は、各受信データを負荷や、優先度などを基に、処理受付可能なフェイズドアレイ処理装置9を選択し、選択したフェイズドアレイ処理装置9にフェイズドアレイ処理を開始させる装置である。このようにすることで、複数のフェイズドアレイ処理装置9に性能差があったとしても、処理負荷を分散させることができる。
データシェーピングバッファ装置10は、各フェイズドアレイ処理装置9から出力された結果をピングの受信順に合成開口処理装置11へ出力する。このようにすることで、フェイズドアレイ処理装置9間の性能差(処理速度差)を吸収し、フェイズドアレイ処理結果の順序性を保持した状態とすることができる。
合成開口処理装置11は、データシェーピングバッファ装置10から出力されたフェイズドアレイ処理結果を用いて合成開口処理を行なう装置である。
《概要》
図2は、本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口ソナーシステムの概略を示す図である。
図2に示すように、本実施形態のフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム1は、プラットフォーム12上に設置された複数の受信素子31(ソナー受信アレイ3)において同時に受信したピングを用いて、フェイズドアレイ処理および合成開口処理を行なうものである。
プラットフォーム12の近くに位置する対象物201に対しては各移動地点で発信・受信したピングによって海底の状況を検知するフェイズドアレイ処理を行ない(符号203)、プラットフォーム12から遠くに位置する対象物202に対しては合成開口処理を行なうが、いずれの処理も複数の受信素子31を用いるため、ソナー画像の精度を上げることができる。
なお、符号203で示す矢印は、1回のピングで反射した音波を異なる受信素子31で受信していることを示すものである。
《フローチャート》
次に、図1および図2を参照しつつ、図3および図4に沿って本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口処理の流れを説明する。
図3は、本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ソナー受信アレイ3における各受信素子31がソナーを受信する(S101)。
次に、受信データサンプリング装置5が、受信データに対するサンプリング処理を行なう(S102)。
そして、動揺データ算出装置4が、図示しない慣性航法装置から取得したプラットフォーム12の速度、角度、高度の各情報を用いて、プラットフォーム12の動揺ノイズを除去する動揺補正フィルタ処理を行なう(S103)。動揺補正フィルタ処理は図4で後記する。
次に、レンジ圧縮装置6が各受信データに対しレンジ圧縮処理を行なう(S104)。レンジ圧縮処理は、図4で後記する。
次に、レンジ圧縮装置6および動揺データ算出装置4がレンジ圧縮された受信データや、プラットフォーム12の速度、角度、高度の各情報や、動揺補正の結果を記憶装置7へ格納するデータ保存処理を行なう(S105)。
さらに、フェイズドアレイ振分装置8が、処理受付可能なフェイズドアレイ処理装置9を選択し、選択したフェイズドアレイ処理装置9にフェイズドアレイ処理を開始させることによって、フェイズドアレイ処理を分散させるフェイズドアレイ振分処理を行なう(S106)。フェイズドアレイ振分装置8は、例えば、負荷の低いフェイズドアレイ処理装置9や、予め設定してある優先度などを基に処理受付可能なフェイズドアレイ処理装置9を選択する。優先度は、フェイズドアレイ処理装置9の性能などに基づいてユーザが設定してもよい。
次に、各フェイズドアレイ処理装置9は、フェイズドアレイ処理を行なう(S107)。フェイズドアレイ処理は、図4で後記する。
そして、データシェーピングバッファ装置10が、フェイズドアレイ処理結果をピングの受信順に整列して、合成開口処理装置11へ出力するデータシェーピング処理を行なう(S108)。データシェーピングバッファ装置10は、例えば、各受信データに属性データとして付随している受信時刻などを基にフェイズドアレイ処理結果をピングの受信順に整列する。
さらに、合成開口処理装置11が、データシェーピングバッファ装置10から出力されたフェイズドアレイ処理結果に対して合成開口処理を行ない、さらに合成開口処理の結果を図示しない表示装置などに描画する合成開口・描画処理を行なう(S109)。合成開口処理装置11では、データシェーピングバッファ装置10から出力された1ピング分の画像データに対し、座標情報と時刻情報を基に合成開口処理を実施する。なお、合成開口処理は、一般的な合成開口処理と同様の処理であるため、詳細は省略する。
図4は、本実施形態におけるフェイズドアレイ合成開口ソナーの詳細な処理手順を示すフローチャートである。
まず、フェイズドアレイ合成開口ソナーシステム1は、合成開口処理に先立って動揺補正フィルタ処理(図3のステップS103)と、レンジ圧縮処理(図3のステップS104)を行なっておく。
動揺補正フィルタ処理において、動揺データ算出装置4は、システムにおける慣性航法装置からプラットフォーム12の速度(Vx,Vy,Vz)、角度(θ,ω,φ)、加速度(Ax,Ay,Az)、高度hの各情報を取得する速度・角度・加速度・高度取得処理を行ない(S201)、取得した速度・角度・加速度・高度情報を記憶装置7に格納する。さらに、動揺データ算出装置4は特許文献2もしくは非特許文献2に記載の技術を用いて動揺補正フィルタ処理を行ない(S202)、処理結果を記憶装置7に格納しておく。
そして、レンジ圧縮装置6は、1ピング分の受信データに対し、レンジ圧縮処理を行ない(S301)、ソナー受信アレイ3を構成するすべての受信素子31についてサンプリング処理を行なったか否かを判定する(S302)。レンジ圧縮処理は、非特許文献1に記載の技術を用いるため、説明を省略する。
次に、レンジ圧縮装置6は、レンジ圧縮処理を行なった1ピング分の受信データを記憶装置7へ格納する1ピング分データ一次保存処理を行なう(S303)。
次に、フェイズドアレイ処理について説明する。
個々のフェイズドアレイ処理装置9は、描画対象列上における位置R(描画対象点)を目標に設定し、受信素子31のビーム受信角度範囲(=送信機ビーム受信角度範囲)から何ピング分のデータを処理に用いるのかを決定する目標範囲決定処理を行なう(S401)。つまり、フェイズドアレイ処理装置9は、描画対象列を描画するために必要なピング数を決定する。
フェイズドアレイ処理装置9は、速度・角度・高度情報および動揺補正フィルタ処理結果を記憶装置7から取得し、予め定めた基点に対するプラットフォーム12の相対位置・姿勢角を算出する相対位置・姿勢角算出処理を行なう(S402)。ここで、「高度」とは、海底からプラットフォーム12までの距離である。
以下のステップS403〜S405の処理は、ソナー受信アレイ3を構成する受信素子31毎に行なわれる処理である。
次に、フェイズドアレイ処理装置9は、処理対象となっている受信素子31について、ソナーを受信したときの受信素子31位置を算出する受信素子位置算出処理を行なう(S403)。
そして、フェイズドアレイ処理装置9は、ステップS403で算出した各受信素子位置における音波伝搬遅延Tdiを算出する音波伝播遅延算出処理を行なう(S404)。
音波伝播遅延Tdiは、前記した式(1)によって算出される値である。
フェイズドアレイ処理装置9は、レンジ圧縮後の1ピング分データを記憶装置7から取得すると、このデータから位相情報を取得し、さらに、受信素子位置と、音波伝播遅延Tdiを使用し、位相差の算出処理を行なう(S405)ことで、ソナー情報を取得する。レンジ圧縮前の波形データは強度情報のみを有している。これに対し、レンジ圧縮後の波形データは強度に加え、位相情報を有する複素数形式の波形データとなる。なお、ステップS405の処理は、特許文献1における区分合成開口法である。また、音波伝播遅延Tdiと、サンプリングした波形データの分解能は基本的に一致しないため、ステップS405では、2サンプル使用し、補間を行なって描画対象点の画像を生成する。
ここで、ステップS403〜S405までが、実質的なフェイズドアレイ処理に相当する処理である。
フェイズドアレイ処理装置9は、ソナー受信アレイ3のすべての受信素子について、ステップS403〜S405の処理を行なったか否かを判定する(S406)。
ステップS406の結果、ソナー受信アレイ3のすべての受信素子について処理を行なっていない場合(S406→No)、フェイズドアレイ処理装置9はステップS403へ処理を戻し、次の受信素子についてステップS403〜S405の処理を行なう。
ステップS406の結果、ソナー受信アレイ3のすべての受信素子について処理を行なっている場合(S406→Yes)、フェイズドアレイ処理装置9は、ステップS405で取得したソナー情報を記憶装置7に保存するデータ保存処理を行なう(S407)。
次に、フェイズドアレイ処理装置9は、レンジ範囲すべてについてステップS401〜S407の処理を行なったか否かを判定する(S408)。つまり、フェイズドアレイ処理装置9は、描画対象列上の点すべてについて、ステップS401〜S407の処理を行なったか否かを判定する。
ステップS408の結果、レンジ範囲すべてについて処理を行なっていない場合(S408→No)、つまり、描画対象点すべてについて処理を行なっていない場合、フェイズドアレイ処理装置9は、ステップS401へ処理を戻す。
ここで、図5を用いて描画対象点の説明を行なう。
図5に示す範囲401は、1回のピングにおいて探索される範囲である。フェイズドアレイ合成開口ソナーでは、図5に示すように海底上をグリッド化する。このとき、描画対象点は、1回のピングにおいて探索される範囲401内のグリッド状の点402となる。なお、図5において、「Lstep」は、1回のピングを送波する間隔を示している。
ステップS408の結果、レンジ範囲すべてについて処理を行なっている場合(S408→Yes)、つまり、描画対象列上の点すべてについて処理を行なっている場合、フェイズドアレイ処理装置9は、すべての描画対象列について、ステップS401〜S408の処理を行なったか否かを判定する(S409)。1回のピングで得ることのできる海底のデータはプラットフォーム12の直下から遠方への三角形範囲(図5の範囲401)
のデータである。フェイズドアレイ処理装置9は、この三角形範囲上をアジマス方向に沿った1列(図5において横方向の描画対象点402の列)毎にフェイズドアレイ処理を行なう。つまり、ステップS409において、フェイズドアレイ処理装置9は、三角形範囲内すべてについてステップS401〜S408の処理を行なったか否かを判定する。
ステップS409の結果、処理を行なっていない場合(S409→No)、フェイズドアレイ処理装置9は、ステップS401へ処理を戻し、次の描画対象列について処理を行なう。
ステップS409の結果、処理を行なっている場合(S409→Yes)、フェイズドアレイ処理装置9は、ステップS401〜S409で算出された結果をデータシェーピングバッファ装置10へ出力し(S410)、処理を終了する。
これで、1ピングあたりのソナー画像を得る。
《別の例》
図6は、本実施形態に係るフェイズドアレイ合成開口ソナーシステムをPC(Personal Computer)で構成した例を示す図である。図6において、図1および図2と同様の構成要素に対しては同一の符号を付して説明を省略する。
フェイズドアレイ合成開口ソナーシステム1aは、潜水艇や海底探査機に搭載されるシステムである。
ソナー受信アレイ3から受信データを送られる水中PC101は、図1の受信データサンプリング装置5に相当するPCである。
マスタPC102は、図1の動揺データ算出装置4、レンジ圧縮装置6、記憶装置7、フェイズドアレイ振分装置8に相当するPC(コンピュータ)である。
なお、マスタPC102が有する機能は、ここで記述した機能に限らず、その組み合わせは自由である。例えば、動揺データ算出装置4の機能を独立したPCに搭載してもよい。
フェイズドアレイPC103は、図1のフェイズドアレイ処理装置9に相当するPCである。
データシェーピングPC104は、図1のデータシェーピングバッファ装置10に相当するPCである。
合成開口PC105は、図1の合成開口処理装置11に相当するPCであり、合成開口処理結果をストレージ106に格納する機能も有している。
各PC101〜105の機能は、HDD(Hard Disk Drive)などに格納されているプログラムがRAM(Random Access Memory)に展開され、CPU(Central Processing Unit)によって実行されることによって具現化する。
図7は、図6に示す各PCをネットワーク接続した場合の接続例を示す図である。
図7において、図6と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7のフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム1bにおいて、マスタPC102およびデータシェーピングPC104は、レイヤ3スイッチなどのレイヤスイッチ600を介して、水中PC101、フェイズドアレイPC103および合成開口PC105と接続している。また、各PCは、ギガビットイーサネット(1000T,1000TX:登録商標)を介して接続されている。
図7におけるネットワーク構成では、水中PC101→マスタPC102のネットワーク、マスタPC102→フェイズドアレイPC103→データシェーピングPC104のネットワーク、データシェーピングPC104→合成開口PC105→ストレージ106のネットワークとが分離している。
これは、水中PC101からの受信データ、レンジ圧縮後の受信データ、フェイズドアレイPC103からの出力データが大容量であるため、同じネットワークに接続することによる帯域不足を防止するためである。
《まとめ》
本実施形態によれば、複数の受信素子31から取得されるデータを用いて処理を行なうため、ソナー画像の分解能を上げることができ、フェイズドアレイ処理を分散させることで処理速度を速めることができる。つまり、データを分散処理することで取得するデータ量は削減せずに、リアルタイムで、これまでと同等の分解能を有するソナー画像を得ることができる。
また、これまでは、描画対象点を描画するまでにピング1からピングNまでのソナーデータの蓄積(Nmax分の遅延)が必要だったのに対し、本実施形態では、1ピング分の遅延で描画が可能となり、データシェーピングバッファ装置10にデータが到着するたびに、合成開口処理を行なうため、処理速度が向上する。さらに、フェイズドアレイ処理装置9を分散することで低スペックの装置でシステムを構成できるため、費用対効果が大きく、受信素子31の増減や測定レンジの増減などによりデータ量が変化した場合の装置のスケーラビリティが向上する。汎用計算機(PC)を使用した機器構成のみならず、CPU性能がPCと比較して著しく劣る組込み機器への応用も可能である。
本実施形態のフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム1は、潜水艇や海底探査機へ搭載することが可能である。
なお、図6や図7における水中PC101をプラットフォーム12に搭載し、その他のPC102〜105を陸上の設備に設置してもよい。そして、例えば水中PC101と、マスタPC102との間の通信は、無線通信によるものとしてもよい。このようにすれば、前記した効果に加えて、プラットフォーム12に搭載する装置を軽減することができる。同様に、図1におけるソナー送信装置2、ソナー受信アレイ3、受信データサンプリング装置5などをプラットフォーム12に搭載し、その他の装置4〜11を陸上の設備に設置してもよい。そして、受信データサンプリング装置5と、レンジ圧縮装置6との間の通信を無線通信としてもよい。そして、動揺データ算出装置4や、マスタPC102も、図示しない慣性航法装置から取得したプラットフォーム12の速度、角度、高度の各情報を無線通信で取得するようにしてもよい。
また、本実施形態は、ソナーに限らず、レーダに適用してもよい。
1,1a,1b フェイズドアレイ合成開口ソナーシステム
2 ソナー送信装置
3 ソナー受信アレイ
4 動揺データ算出装置
5 受信データサンプリング装置
6 レンジ圧縮装置
7 記憶装置
8 フェイズドアレイ振分装置
9 フェイズドアレイ処理装置
10 データシェーピングバッファ装置
11 合成開口処理装置
12 プラットフォーム
31 受信素子
101 水中PC
102 マスタPC
103 フェイズドアレイPC
104 データシェーピングPC
105 合成開口PC
106 ストレージ

Claims (5)

  1. プラットフォームに複数設置されている受信素子から入力された複数の受信データを、受信したデータ毎に複数のフェイズドアレイ処理装置に分散するフェイズドアレイ振分装置と、
    前記複数の受信データに対するフェイズドアレイ処理を並列に行なう複数のフェイズドアレイ処理装置と、
    前記複数のフェイズドアレイ処理装置から出力されたフェイズドアレイ処理結果を、受信データの受信順に合成開口処理装置へ送るデータシェーピングバッファ装置と、
    前記送られた複数のフェイズドアレイ処理結果を用いて合成開口処理を行なう合成開口処理装置と、
    を有することを特徴とするフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム。
  2. 前記プラットフォームの速度情報、角度情報および高度情報を基に、前記プラットフォームの動揺補正フィルタ処理を行なう動揺データ算出装置
    を有することを特徴とする請求項1に記載のフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム。
  3. 前記フェイズドアレイ振分装置、各フェイズドアレイ処理装置、前記受信データシェーピングバッファ装置および前記合成開口処理装置の各装置を、PCにて実現する
    ことを特徴とする請求項1に記載のフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム。
  4. 各PCを、前記フェイズドアレイ振分装置の機能を有するマスタPC、各フェイズドアレイ処理装置の機能を有する複数のフェイズドアレイPC、前記受信データシェーピングバッファ装置の機能を有する受信データシェーピングPCおよび前記合成開口処理装置の機能を有する合成開口PCとしたとき、
    前記マスタPCと、各フェイズドアレイPCと、前記受信データシェーピングPCと、を有するネットワークと、前記受信データシェーピングPCと、前記合成開口PCと、を有するネットワークを分離する
    ことを特徴とする請求項1に記載のフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム。
  5. 前記プラットフォームは、潜水艇または海底探査機である
    ことを特徴とする請求項1に記載のフェイズドアレイ合成開口ソナーシステム。
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