JP3614812B2 - 合成開口レーダシステムおよびその高精細画像化処理方法 - Google Patents

合成開口レーダシステムおよびその高精細画像化処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機等の移動するプラットフォームに搭載される合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)システムに関し、特に、従来の画像化手法では画像化が困難であった船舶等の動揺を持つ移動物体を精細に画像化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機等の移動するプラットフォームに搭載された送受信機とアンテナとからなるサイドルッキングレーダからその進行方向側方の地上に電波を発射するとともにその反射波を受信することにより得られるアンテナ正面方向(レンジ)およびプラットフォームの進行方向(アジマス)の2次元に広がった受信データを、レンジおよびアジマス方向に圧縮しつつ画像データとして再生する合成開口レーダシステムは、比較的小さいアンテナで実効的に大口径のアンテナと同等の性能を得る手段としてよく知られている(例えば、特開昭61−201180号公報、特開昭62−116282号公報等参照)。
【0003】
図1は、合成開口レーダシステムにおける一般的な画像データ処理の例を示すブロック図である。SARアンテナ系の進行方向(アジマス)およびアンテナ正面方向(レンジ)の直交する2方向に2次元的に広がった、目標からの反射波である受信データ10は、まずレンジ圧縮部20においてレンジ方向に圧縮処理されてコーナーターン部21に供給される。コーナーターン部21は、レンジ方向に配列されたレンジ圧縮後のデータ12をアジマス方向に並び替え、このアジマス方向に並び替えたレンジ圧縮後データ13をアジマス圧縮部22に供給する。
【0004】
アジマス圧縮部22では、送受信機及びアンテナが搭載されるプラットフォームの速度、軌道データ等のフライトパラメータ11から求められるドプラ周波数時間変化率データ等に基づいて計算される参照パターンとレンジ圧縮後データ13との相関をとることによりアジマス方向の圧縮処理を行う。さらに幾何補正部23においてレンジ圧縮およびアジマス圧縮されたデータ14に対して、補間による幾何歪みの補正処理等が行われ、SAR画像データ15として表示部等に出力される。
【0005】
このように、SAR画像処理では、レンジ・アジマス方向に2次元的に広がった目標からの反射波を、パルス圧縮技術(レンジ方向の圧縮に使用)および合成開口技術(アジマス方向の圧縮に使用)を用いて1点に圧縮する処理が実行されるが、鮮明な画像を得るためにはパルス圧縮の際に、レーダと観測の対象となる目標との間の相対速度や相対加速度等の距離変化を表すパラメータを精密に測定、あるいは推定(以下、相対運動推定)して、それらに応じた画像処理パラメータを使用する必要がある。
【0006】
従来のSAR画像化手法では、通常、相対運動推定をプラットフォーム側の運動のみを前提として処理を行っており(例えば、上記特開昭62−116282号公報)、その場合には、観測目標である地表面のような固定した目標の精細な画像を得ることは可能であるが、移動している目標の場合にはフォーカスが合わないために像がぼやけ、品質の高い画像化ができないという問題がある。
【0007】
また上記特開昭61−201180号公報には、静止目標に対応するアジマス参照関数とともに移動目標に対応するアジマス参照関数も用意して移動目標も抽出し得るようにし、これらの参照関数で抽出した静止目標と移動目標をそれぞれ単独もしくは重畳して表示器に表示する合成開口レーダ画像処理装置が記載されており、この公報記載の技術によれば合成開口レーダによって静止目標と移動目標とを識別して表示することが可能となるが、移動目標がある程度の大きさを有する画像データとして識別されかつ該移動目標自体が動揺しているような場合、該目標データの異なる部分の相対速度あるいは加速度が異なるため、一つの移動物体が異なる移動速度を有する複数の移動物体の集まりとして誤認識される虞があり、例えば目標データが動揺している船舶のような場合にはその詳細な画像を得ることはできない。
【0008】
一方最近、航空機等の飛翔体から艦船の識別や救命筏等の動揺する目標物の検出を行いたいという強い要請があり、運動する目標の詳細な画像化が必要となっている。移動・動揺する目標の画像化は、固定された状態のプラットフォームから、艦船等の移動・動揺する目標の運動状態を観測することにより目標の画像化を行う逆合成開口レーダ(ISAR:Inverse Synthetic Aperture Radar)装置がすでに実用化されているが、目標の形を歪みなく知ることは困難である。また、移動するプラットフォームへISARを搭載して直接目標の画像化処理を行う技術も提案されているが、この処理もその中核部がISAR処理であるために、ISAR特有の目標の形状歪みが残る。
【0009】
ISARを移動するプラットフォームに搭載可能にする手段として、例えば特開平9−178845号公報に記載の「合成開口レーダ装置」では、アンテナ部、飛行情報検出手段、SAR再生処理手段、および表示・記録手段からなる従来のSAR装置に対して、アンテナ部で得られたターゲット情報を記録し、該記録した情報から指定された範囲のデータを再生する記録・再生手段と、該記録・再生手段で再生されたデータについて、前記ターゲットのレンジ方向運動成分および飛翔体の運動成分により生じるドップラ周波数偏倚を解析し、前記ターゲットのアジマス方向運動成分についてのみドップラ成分変換された運動ターゲット画像を生成する運動ターゲット処理手段を備えることにより、運動ターゲット画像に飛翔体の運動成分が含まれないようにしてISAR処理を行って、艦船等の運動ターゲットの識別やその詳細な画像化を図っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開平9−178845号公報記載のSARによるISAR処理もその主たるアルゴリズムがISAR処理であるがゆえに、移動するプラットフォーム上で、船体の形状抽出は可能であるが、その形状は一般に歪んだ形状として表示され、正確な大きさの情報即ち目標の正確な形状を得ることができないという欠点がある。一方、移動するプラットフォーム上から、目標の形状と大きさを正確に把握することができるSARは、プラットフォームの移動によるドップラー周波数遷移を利用した合成開口技術による圧縮を行うシステムであるため、アジマス圧縮を行うときの圧縮パラメータを計算するために正確な相対運動推定が必要である。
【0011】
アジマス圧縮の結果は、相対運動推定の精度に対して非常に敏感であるため、相対運動推定には非常に高い精度が要求される。そのためSARシステムでは、相対運動推定の精度を上げるためにINSの出力を利用したり、GPSとジャイロ、加速度センサ等を組み合わせてカルマンフィルタをかけた自前の測位システムを利用したりして、プラットフォーム(航空機、衛星、ヘリコプター等の、SARを搭載した乗り物)の運動状態を推定している。
【0012】
これらINSや自前の測位システムは、従来のSARの主な使用目的のリモートセンシング、偵察の観測対象である地表面が目標の場合には、充分な精度の相対運動推定を行えた。しかし、船舶等の移動目標を観測してその正確な形状を観測するという新しい用途では、目標が移動しているために従来の相対運動推定方法では不十分である。
【0013】
プラットフォームの精度不足等の理由で充分な精度の圧縮パラメータが得られない場合の手段として、自動焦点アルゴリズムが提案されているが、これは静止目標を前提としたものである。船舶は一般にロール・ピッチ・ヨーの3軸すべてに関して動揺しており、各部分ごとに異なる速度・加速度を持つ。このため、動揺している船舶に対して自動焦点アルゴリズム等を用いて、全体を一つの圧縮パラメータでアジマス圧縮しても鮮明な画像は得られない。
【0014】
本発明の目的は、上記各問題点に鑑み、合成開口レーダ(SAR)システムによって、従来の画像化手法では画像化が困難であった船舶等の動揺を持つ移動物体を、精細に画像化することを可能にする手段を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の合成開口レーダは、移動するプラットフォームに搭載されたアンテナからその進行方向方に電波を発射するとともにその反射波を受信することにより得られるアンテナ正面方向(レンジ)および前記プラットフォームの進行方向(アジマス)の2次元に広がった受信データを、レンジおよびアジマス方向に圧縮しつつ画像データとして再生する合成開口レーダシステムにおいて、前記レンジ方向に圧縮されたデータをレンジおよびアジマスの両方向にわたってそれぞれ複数に分割することにより、目標データを複数のレンジ圧縮後データブロックに分割するブロック分割部と、前記プラットフォームのフライトパラメータと目標データとから、前記レンジ圧縮後データブロックの各々に対してレンジ・アジマス両方の相対運動推定を行い、前記レンジ圧縮後データブロックの各々に最適な圧縮パラメータを算出する圧縮パラメータ算出部と、前記ブロック分割部から出力された前記レンジ圧縮後データブロックの各々に対応して算出された前記圧縮パラメータにより前記レンジ圧縮後データブロック毎に前記アジマス方向の圧縮処理を行ってアジマス圧縮後データブロックを出力するアジマス圧縮部と、前記アジマス圧縮部から出力されるすべての前記アジマス圧縮後データブロックの蓄積と接続を行い、アジマス圧縮後データを生成する画像合成部と、を備えていることを特徴とする。
【0016】
即ち本発明の合成開口レーダにおける画像化処理手法は、目標データを複数のブロックに細分化し、該細分化したブロック毎にそのレンジ・アジマス両方向の速度を考慮した相対運動推定を行う。それにより、目標の各部分の固有運動に合った圧縮パラメータで画像化を行い、それらの結果を再び合成することで、目標がその各部分ごとに異なる速度・加速度を持っているような目標データに対しても高精細な画像化処理を行うことを可能にするものである。
【0017】
例えば、目標データがロール・ピッチ・ヨーの3軸すべてに関して動揺している船(船の各部分が異なる速度を持つ集合からなる)等である場合、該目標データ自体を数ピクセル〜数十ピクセルのオーダーの小部分に細分し、それぞれの部分に対して最適な処理パラメータを用いてSAR処理を行い、次にそのSAR処理により得られた各微小部分をモザイク状につなぎ合わせることによって船全体の高精細な画像を生成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用される合成開口レーダシステムにおける画像データ処理の例を示すブロック図であり、その処理の基本的な流れは従来のSAR画像処理と同様であるが、そのうち本発明の対象となるのは22のアジマス圧縮部である。SAR画像処理は、既に述べたようにレンジ・アジマス方向に2次元的に広がった目標からの反射波を、パルス圧縮技術および合成開口技術を用いて1点に圧縮する処理であり、当該技術分野では良く知られているため、以下の説明では、アジマス圧縮部22以外のSAR処理部の詳細な説明については省略する。
【0019】
図2は、本発明におけるアジマス圧縮部22の第1の実施形態を示すブロック図である。図2において、ブロック分割部220は、レンジ圧縮後データ13をレンジ圧縮後データブロック130に分割する。分割は、レンジおよびアジマスの両方向にわたって行われる。圧縮パラメータ算出部223は、プラットフォームのフライトパラメータ11と目標画像データとから、各レンジ圧縮後データブロック130の各々に対してレンジ・アジマス両方の相対運動推定を行い、当該ブロックに最適な圧縮パラメータ110を算出する。
【0020】
例えば、目標画像データが艦船である場合、分割された各ブロックが艦船の先端部であるか中央部であるかに応じて相対運動推定を行うことにより圧縮パラメータを算出し、その中間部分は先端部と中央部の補間処理により圧縮パラメータを算出する等の方法を採用してレンジ圧縮後データブロック毎の圧縮パラメータ110を推定する。
【0021】
なお、合成開口レーダにおける送信パルスのパルス幅、送信パルスレート、プラットフォームの移動速度等の運用条件を勘案した場合、目標の移動の影響はレンジ圧縮には殆ど影響しないので、通常の運用においてレンジ圧縮部20での目標の移動の影響は特に考慮しなくても問題は生じない。
【0022】
アジマス圧縮部221は、圧縮パラメータ算出部223から圧縮パラメータ110を受け取り、それに基づいて各レンジ圧縮後データブロック130に対して、レンジマイグレーション補正とアジマス圧縮を行う。レンジマイグレーション補正とは、目標がレンジ方向に移動したために起こるレーダ画像の乱れの補正であり、SARのフォーカスを合わせるためには必須の処理である。
【0023】
1301の画像ブロック生成ループでは、ブロック分割部220が生成したすべてのレンジ圧縮後データブロック130に対して、アジマス圧縮後データブロック131を出力するまでの上記アジマス圧縮処理を繰り返す。画像合成部224は、ブロック画像生成ループ1301から出てきた全てのアジマス圧縮後データブロック131に対し、蓄積と接続を行い、アジマス圧縮後データ14を構成する。
【0024】
このように本発明では、目標の移動によって、分割されたレンジ圧縮後データブロック130ごとに目標からの反射波パターンが変化するのに応じて、それぞれ圧縮パラメータ110を最適な値に調整してレンジマイグレーション補正とアジマス圧縮処理を行った後、アジマス圧縮後データとして合成するので、従来のSAR処理では焦点がぼけてしまう移動物体も鮮明に画像化することが可能となる。
【0025】
また、圧縮パラメータ110は、レンジ圧縮後データブロック130それぞれに対して独立に求めることができる。従って、目標が動揺して目標の各部分の速度・加速度状態が同一でない場合も、目標の任意の微少部分ごとに最適な圧縮結果を得ることが可能であり、そのため、動揺している目標も、全体を鮮明に画像化することが可能となる。
【0026】
図3は、本発明におけるアジマス圧縮部22の第2の実施形態を示すブロック図である。図3において、ブロック分割部220は、レンジ圧縮後データ13をレンジ圧縮後データブロック130に分割する。圧縮パラメータ算出部223は、プラットフォームからのフライトパラメータを入力して、レンジ圧縮後データブロック130ごとに相対運動推定を行い、当該ブロックに最適な圧縮パラメータ110を算出する。アジマス圧縮部221は、圧縮パラメータ算出部223から圧縮パラメータ110を受け取り、それに基づいてアジマス圧縮を行う。
【0027】
圧縮評価部222は、アジマス圧縮部221でアジマス圧縮されたアジマス圧縮後データブロック131に対して、アジマス圧縮の評価を行う。アジマス圧縮がされていれば、アジマス圧縮後データブロック131を評価後データブロック132として出力する。圧縮がされていなければ、圧縮パラメータ算出部223での圧縮パラメータの算出と、アジマス圧縮部221でのアジマス圧縮をやり直させる。
【0028】
1300の最適圧縮ループは、レンジ圧縮後データブロック130に対して、最適な圧縮結果である評価後データブロック132を得るまで繰り返す。1301の画像ブロック生成ループは、ブロック分割部220が生成したすべてのレンジ圧縮後データブロック130に対して、上記の最適圧縮ループ1300を通過させ、評価後データブロック132を出力する。画像合成部224は、画像ブロック生成ループ1301から出てきた評価後データブロック132を蓄積し、全体画像であるアジマス圧縮後データ14として再構成する。
【0029】
図4〜図5は、本実施形態のデータ処理動作を説明するための概略図である。以下、図3〜図5を参照して本実施形態の動作を説明する。
【0030】
アジマス圧縮前のデータ(レンジ圧縮後データ13)は、目標のそれぞれの点からの反射波の集合である。レンジ圧縮された目標の任意の点からの反射波は、固有の反射パターンで大きく引き伸ばされた線となってレンジ圧縮後データ13に現れる。例えば、目標の配置が図4aような状態であった場合には、レンジ圧縮後データは、反射波の強度を示すと図4bのようになり、反射波の位相パターンを示すと図4cのようになる。この反射波の位相パターンは目標が移動している場合にはそれに応じて変化する。
【0031】
図2あるいは図3のアジマス圧縮部221が行うアジマス圧縮とは、この固有の反射パターンと一致する参照パターン(図5a)を、図2あるいは図3の圧縮パラメータ算出部223が算出した相対運動推定の結果に基づいてアジマス圧縮部221が計算で生成し、反射パターンと相関計算することで、長い線として引き伸ばされた反射パターンを点に戻す作業(図5bまたは図5c)を行うことである。参照パターン(図5a)は、通常、SAR搭載プラットフォームの速度・加速度から計算される。
【0032】
このアジマス圧縮操作を繰り返すことにより、線状に伸びた目標の各点が、一点に圧縮されてSARの画像が生成される(図5d)。相関計算は、相関の対象と参照となる両者のパターンの一致・不一致に非常に敏感であるため、参照パターンが反射パターンと異なる場合には、SAR画像化処理の結果は焦点の甘いものとなる(図5c)。その場合、圧縮評価部222は圧縮パラメータ算出部223に対してフィードバックを行い、圧縮パラメータをより適したものに変更させる。
【0033】
本実施形態においても、目標の動きを考慮した相対運動推定から、各レンジ圧縮後データブロック毎に正確な反射パターンを生成することで、従来のSAR処理では焦点を結ばなかった動揺・移動する物体に対して、目標データの全ての部分で明瞭な焦点を結ぶことが可能となる。また、本実施形態では、圧縮評価部222が画像の焦点の鋭さを評価基準としながら、圧縮パラメータ算出部223に対してフィードバックを行い、処理過程の中で最適な圧縮パラメータ110を求めることができるので、目標の運動に対する予備知識は不要となる。
【0034】
図6は、本発明におけるアジマス圧縮部22の第3の実施形態を示すブロック図である。本実施形態は、第2の実施形態における圧縮パラメータ算出部223の入力に、目標の速度を計測するMTIを追加したことを特徴としており、その他の構成は第2の実施形態と同様である。
【0035】
図6において、MTI処理部24は、目標の速度を計測し、MTI情報16を出力する。圧縮パラメータ算出部223は、プラットフォームの運動状態を表すフライトパラメータ11に加えてMTI情報16を考慮して圧縮パラメータ110を出力する。このように、圧縮パラメータ算出部223の入力に、目標の速度を計測するMTIを追加して、目標の運動状態に対する情報を追加入力すると、圧縮パラメータ算出部223が行う計算をより早く収束させる、あるいはより簡素な処理にすることができる。
【0036】
MTI処理部24とMTI情報16以外のモジュール・データは図3と共通であり、その動作も基本的には第2実施形態と同様であるので、本実施形態の詳細な動作説明については省略する。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、SARのアジマス処理を行う際の相対運動推定で目標の速度を考慮するため、目標の運動がアジマス圧縮結果に与える悪影響を減少させ、鮮明なSAR画像を与えることが可能となる。
【0038】
また、目標を細かいブロック(レンジ圧縮後データブロック)に分割し、それぞれのブロックに対して最適な圧縮を行うため、動揺や回転を行う目標、つまり全体の速度・加速度等の運動状態が全体で均一でない目標に対しても、目標の運動がアジマス圧縮結果に与える悪影響を減少させ、鮮明なSAR画像を与えることが可能となる。
【0039】
さらに、目標の運動状態が分からないため圧縮パラメータが分からない場合でも、圧縮評価部が行う圧縮の評価結果を圧縮パラメータ算出部にフィードバックすることで、圧縮パラメータが推定可能であり、そのため、目標の運動状態に対する情報が無い状態においても本発明を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される合成開口レーダシステムの画像化処理部のブロック図である。
【図2】本発明におけるアジマス圧縮部の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明におけるアジマス圧縮部の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明におけるアジマス圧縮部の動作を説明するための概略図である。
【図5】本発明におけるアジマス圧縮部の動作を説明するための概略図である。
【図6】本発明におけるアジマス圧縮部の第3の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 ADデータ
11 フライトパラメータ
12,13 レンジ圧縮後データ
14 アジマス圧縮後データ
15 SAR画像データ
16 MTI情報
20 レンジ圧縮部
21 コーナーターン部
22 アジマス圧縮部
23 幾何補正部
24 MTI処理部
110 圧縮パラメータ
111 フィードバック
130 レンジ圧縮後データブロック
131 アジマス圧縮後データブロック
132 評価後データブロック
220 ブロック分割部
221 アジマス圧縮部
222 圧縮評価部
223 圧縮パラメータ算出部
224 画像合成部
1300 最適圧縮ループ
1301 画像ブロック生成ループ

Claims (8)

  1. 移動するプラットフォームに搭載されたアンテナからその進行方向方に電波を発射するとともにその反射波を受信することにより得られるアンテナ正面方向(レンジ)および前記プラットフォームの進行方向(アジマス)の2次元に広がった受信データを、レンジおよびアジマス方向に圧縮しつつ画像データとして再生する合成開口レーダシステムにおいて、
    前記レンジ方向に圧縮されたデータをレンジおよびアジマスの両方向にわたってそれぞれ複数に分割することにより、目標データを複数のレンジ圧縮後データブロックに分割するブロック分割部と、
    前記プラットフォームのフライトパラメータと目標データとから、前記レンジ圧縮後データブロックの各々に対してレンジ・アジマス両方の相対運動推定を行い、前記レンジ圧縮後データブロックの各々に最適な圧縮パラメータを算出する圧縮パラメータ算出部と、
    前記ブロック分割部から出力された前記レンジ圧縮後データブロックの各々に対応して算出された前記圧縮パラメータにより前記レンジ圧縮後データブロック毎に前記アジマス方向の圧縮処理を行ってアジマス圧縮後データブロックを出力するアジマス圧縮部と、
    前記アジマス圧縮部から出力されるすべての前記アジマス圧縮後データブロックの蓄積と接続を行い、アジマス圧縮後データを生成する画像合成部と、
    を備えていることを特徴とする合成開口レーダシステム。
  2. 前記アジマス圧縮部は、前記圧縮パラメータに基づいて、目標の運動による受信波形の変化を考慮した参照パターンを生成する手段と、該生成した参照パターンと前記レンジ圧縮後の反射波の位相パターンとの相関を求める相関処理手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダシステム。
  3. 前記アジマス圧縮部から出力されるアジマス圧縮後データブロックに対して前記相関の結果判定を行う圧縮評価部を備えており、該圧縮評価部は、前記相関結果を前記圧縮パラメータ算出部へフィードバックする手段と、前記相関結果が良であれば、前記アジマス圧縮後データブロックを評価後データブロックとして前記画像合成部へ出力する手段と、相関結果が不良であれば、当該レンジ圧縮後データブロックに対する前記圧縮パラメータ算出部での圧縮パラメータの算出と前記アジマス圧縮部でのアジマス圧縮のやり直しを前記フィードバックにより指示する手段を有していることを特徴とする請求項2に記載の合成開口レーダシステム。
  4. 目標の速度を計測するMTI処理部を備え、前記圧縮パラメータ算出部は、前記フライトパラメータと前記MTI処理部から出力されるMTI情報に基づいて前記圧縮パラメータを算出する手段を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成開口レーダシステム。
  5. 移動するプラットフォームに搭載されたアンテナからその進行方向方に電波を発射するとともにその反射波を受信することにより得られるアンテナ正面方向(レンジ)および前記プラットフォームの進行方向(アジマス)の2次元に広がった受信データを、レンジおよびアジマス方向に圧縮しつつ画像データとして再生する合成開口レーダシステムの高精細画像化処理方法であって、
    前記レンジ方向に圧縮されたデータをレンジおよびアジマスの両方向にわたってそれぞれ複数に分割して目標データを複数のレンジ圧縮後データブロックに分割するとともに、前記プラットフォームのフライトパラメータと前記目標データとから、前記レンジ圧縮後データブロックの各々に対してレンジ・アジマス両方の相対運動推定を行い、前記レンジ圧縮後データブロックの各々に最適な圧縮パラメータを算出し、前記分割されたレンジ圧縮後データブロックの各々に対して、前記算出された圧縮パラメータによりアジマス方向の圧縮処理を行ってアジマス圧縮後データブロックを生成し、前記生成されたすべての前記アジマス圧縮後データブロックの蓄積と接続を行ってアジマス圧縮後データを生成することを特徴とする合成開口レーダシステムの高精細画像化処理方法。
  6. 前記アジマス圧縮後データブロックは、前記圧縮パラメータに基づいて目標の運動による受信波形の変化を考慮した参照パターンを生成し、該生成した参照パターンと前記レンジ圧縮後の反射波の位相パターンとの相関計算により生成されることを特徴とする請求項5に記載の合成開口レーダシステムの高精細画像化処理方法。
  7. 前記アジマス圧縮後ブロックデータに対して前記相関計算の結果判定を行うことによりアジマス圧縮の評価を行い、相関結果が良であれば、前記アジマス圧縮後データブロックを評価後データブロックとして出力し、相関結果が不良であれば、当該レンジ圧縮後データブロックに対する前記圧縮パラメータの算出とアジマス圧縮処理をやり直すことを特徴とする請求項6に記載の合成開口レーダシステムの高精細画像化処理方法。
  8. 前記圧縮パラメータは、前記フライトパラメータと計測された目標の速度データに基づいて算出することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の合成開口レーダシステムの高精細画像化処理方法。
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