JP7397383B2 - ドップラー補償システム及びドップラー補償方法 - Google Patents

ドップラー補償システム及びドップラー補償方法 Download PDF

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Description

本発明は、ドップラー補償システム及びドップラー補償方法に関する。
水中において音波を用いて通信を行う技術がある。このような水中の通信では、受信機が移動する状況で行われることもあり、ドップラー効果による波形の歪みが問題となることがあった。
ここでドップラー効果による波形の歪みについて簡単に説明する。ドップラー効果は、教科書等ではしばしば、目の前を通過する救急車のサイレンの音を例に説明される。教科書の説明では、ドップラー効果は、音源と音波の受信者との相対速度が変化する場合に生じる現象で音源が発した音波の周波数と受信者の受信した音波の周波数とが異なる現象として説明される。
しかし実は教科書の説明では、説明の簡単のため、音源が発する音波として近似的な平面波が仮定されており、近似的な平面波を用いてドップラーシフトと呼称される周波数のシフトだけが説明されている。実際の場面では、音源から発せられる音は合成波であることが多い。特に通信に用いられる音波は、通信の内容ごとに異なる波形を有する必要があるため、合成波であることが多い。
フーリエ展開の数式からわかるように合成波は複数の平面波の重ね合わせの結果である。そのため、合成波に対するドップラー効果は、フーリエ展開で現れる各平面波の周波数を個別に変化させる効果である。フーリエ展開で現れる各平面波の周波数が個別に変化するため、合成波に対するドップラー効果は合成波の波形を歪ませる効果である。通信に用いられる信号も多くが合成波であるため、ドップラー効果により波形が歪む場合がある。
音波を用いた水中における通信においては、波の影響や海面の揺らぎの影響等により受信機の移動速度に変化が生じる。この際、音波の伝搬速度が電波に比べ桁違いに低速であるため、ドップラーシフト量が電波に比べ素早く変化する。そこで、ドップラーシフトの変化量を逐次的に推定し補償する技術として、送信機から既知の無変調の音波を送信しそれを受信機が受け取り、受け取った無変調の音波に基づいてドップラー効果による波形の歪みを逐次的に補償する技術がある(非特許文献1参照)。
K. A. Perrine, et al, "Doppler estimation and correction for shallow underwater acoustic communications," 2010 Conference Record of the Forty Fourth Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers, 2010, pp.746 - pp.750.
しかしながら、無変調の音波を用いる技術では、ドップラー効果による波形の歪みの補償の精度が下がる場合がある。例えば、音波が海面での反射や散乱を強く受けた後に受信機に到達する場面において、受信機には異なる経路を経て到達したさまざまな音波の合成波が到達する。経路が異なるとドップラー効果の影響も異なる。そのため受信機が観測する合成波は、合成波を形成する各平面波がそれぞれ異なるシフト量の合成波である。すなわち、受信機は、異なるドップラーシフトの量が合成された合成波を観測する。
このことは変調された音波に対しても無変調な音波に対しても生じることである。そのため、送信機が無変調な音波を送信したとしても受信機の観測する波は波形の歪んだ音波であり、受信機がドップラー効果による波形の歪みを補償する精度が下がる場合があった。
このような問題は、水中における通信に限らず、空気中の通信や、音波の伝搬経路が固体の通信であっても生じる場合があった。
上記事情に鑑み、本発明は、ドップラー効果が通信に与える影響を軽減する技術を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、送信機が送信した音波を受信する音波受信素子と、前記音波受信素子を備える受信機の加速度に基づき前記受信機の対地速度を表すベクトルに関する物理量である対地速度関連量を取得する対地速度関連量取得部と、前記受信機が受信した音波のうち推定対象の音波である推定対象音波を抽出する抽出部と、前記推定対象音波に基づき、前記推定対象音波の到来方向を推定する到来方向推定部と、前記対地速度関連量取得部が取得した前記対地速度関連量と前記到来方向推定部の推定結果とに基づき、前記受信機の前記受信機から見る前記推定対象音波が到来する方向である受信方向の速さに関する量を推定する受信方向速さ関連量推定部と、前記受信方向速さ関連量推定部の推定結果に基づき、前記推定対象音波のドップラー効果による波形の歪みを補償するドップラー補償部と、を備えるドップラー補償システムである。
本発明により、ドップラー効果が通信に与える影響を軽減する技術を提供することが可能となる。
実施形態における通信システム100を説明する説明図。 実施形態における到来方向推定処理の一例を説明する説明図。 実施形態における受信方向速さ関連量Vと受信方向ベクトルeとの関係を説明する説明図。 実施形態における受信機1のハードウェア構成の一例を示す図。 実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図。 実施形態における通信システム100が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。 実施形態における到来方向推定処理の流れの一例を示すフローチャート。 変形例における残留周波数オフセット補償部119の一例を示す図。 変形例における初速取得部120の一例を示す図。
(実施形態)
図1は、実施形態における通信システム100を説明する説明図である。以下、説明の簡単のため、信号を搬送する波が音波であり、音波の伝搬する媒質が水である場合を例に通信システム100を説明する。ただし、通信システム100は必ずしも水中で用いられる必要は無い。通信システム100は例えば空気中で用いられてもよい。このような場合、音波の伝搬する媒質は例えば空気である。また、音波の伝搬する媒質は例えば固体であってもよい。
通信システム100は、送信機9と受信機1とを備える。送信機9は、受信機1に向けて、通信内容を示すデータを搬送する音波(以下「データ波」という。)を送信する。
受信機1が受信するデータ波であって送信機9が送信したデータ波には、マルチパス波もあれば直接波もある。マルチパス波は、送信機9から送信された音波であって海面や散乱体等の物質の境界面で反射又は散乱された後に受信機1に到達した音波である。直接波は、物質の境界面で反射や散乱されることなく受信機1に到達した音波である。このように、送信機9が送信したデータ波が受信機1に到達するまでの経路はさまざまである。そのため、受信機1が受信する音波の波形は、送信機9が送信する音波の波形よりも歪んだ波形である。
受信機1は、送信機9が送信したデータ波を受信する。受信機1は、例えばドローン等の移動体である。受信機1は、受信したデータ波を用いて受信したデータ波自体のドップラー効果による波形の歪みを補償する。
受信機1は、受信機1の地面に対する加速度(以下「対地加速度」という。)を表す対地加速度ベクトルと、受信機1に送信機9から送信された信号が到来する方向を示す情報と、に基づいてドップラー効果によるデータ波の波形の歪みを補償する。受信機1に送信機9から送信された信号が到来する方向を示す情報(以下「受信方向情報」という。)とは、例えばは、直接波が到来する受信機1から送信機9を見る方向あるいは受信機1から見るマルチパス波が到来する方向(以下「受信方向」という。)を示す情報である。受信方向情報は、例えば受信機1から見て直接波やマルチパス波が到来する方向に向かうベクトル(以下「受信方向ベクトル」という。)を示す情報である。
受信方向情報が示す受信方向ベクトルは、受信方向さえ示していればよく長さはどのような長さであってもよい。例えば受信方向ベクトルの長さは1であってもよい。以下、説明の簡単のため、受信方向情報が示す情報が受信方向ベクトルを示す情報である場合を例に通信システム100を説明する。受信方向ベクトルの向きは、直接波あるいはマルチパス波の伝搬方向の逆である。
対地加速度ベクトルは、受信機1が備える加速度センサの測定の結果である。受信機1は対地加速度ベクトルに基づき対地速度関連量を取得する。対地速度関連量は、受信機1の対地速度を表すベクトル(以下「対地速度ベクトル」という。)に関する物理量である。対地速度関連量は、例えば受信機1の対地速度ベクトルそのものである。対地速度関連量は、例えば受信機1の対地速度ベクトルの所定の期間における変化量である。以下、対地加速度ベクトルに基づき対地速度関連量を取得する処理を対地速度関連量取得処理という。
<対地速度関連量取得処理>
対地速度関連量取得処理を説明する。なお、加速度センサは受信機1が備えるため、加速度センサが取得する加速度ベクトルは受信機1の地上に対する加速度ベクトル(すなわち対地加速度ベクトル)を表す。
加速度センサが取得する対地加速度ベクトルは例えば直交する3軸が表す各方向への対地加速度を表すベクトルである。このような場合、加速度センサが取得した対地加速度ベクトルは3次元ベクトルで表現される。なお、加速度センサが取得する対地加速度ベクトルは1次元であってもよいし、2以上の多次元のベクトルであってもよい。
対地速度関連量取得処理は、加速度センサが取得した対地加速度ベクトルに基づき対地速度関連量を取得する処理であればどのような処理であってもよい。対地速度度取得処理は、例えば加速度センサが取得した対地加速度ベクトルを、積分範囲は予め定められた単位時間であるという条件の下で、時間積分を行う処理であってもよい。
対地速度関連量取得処理は、より具体的には例えば以下の式(1)で表される処理である。
Figure 0007397383000001
式(1)の左辺のベクトルVが受信機1の対地速度関連量を表すベクトル(以下「対地速度関連量ベクトル」という。)である。tは時刻を表す。ベクトルAは、時刻tにおける対地加速度ベクトルを表す。Vは、時間積分の下限の時刻(すなわち単位時間の開始の時刻)における受信機1の速度を表す速度ベクトルである。速度ベクトルVの値には、例えば全ての要素が0の速度ベクトルを用いてもよいし、単位時間の開始の時刻における受信機1の対地速度を表す速度ベクトルであってもよい。
速度ベクトルVに単位時間の開始の時刻における受信機1の速度を表す対地速度ベクトル(以下「対地初速ベクトル」という。)を用いる場合、対地速度関連量は受信機1の対地速度ベクトルである。対地初速ベクトルを取得する方法については変形例で述べる。速度ベクトルVに全ての要素が0の速度ベクトルを用いる場合、対地速度関連量は受信機1の対地速度ベクトルの予め定められた単位時間における変化量である。以下の説明では簡単のため、対地速度関連量が対地速度ベクトルである場合を例に通信システム100を説明する。
受信方向情報は、データ波等の音波を受信する装置(以下「音波受信素子」という。)のアレーを用いて、抽出処理と到来方向推定処理とを行うことにより得られる。受信方向情報は、抽出処理と到来方向推定処理とを行うことで得られるため、受信方向情報を取得する処理の詳細は抽出処理と到来方向推定処理との説明の後に述べる。
音波受信素子は、受信機1が備える。音波受信素子は、例えばハイドロフォンである。通信システム100が空気中で用いられる場合には、音波受信素子は例えばマイクロフォンである。
<抽出処理>
抽出処理は、受信機1に到来するさまざまな音波の中から、到来方向推定処理の対象となる推定対象の音波(以下「推定対象音波」という。)が受信機1に到来した到来時刻(以下「到来時刻」という。)と到来時刻に基づき推定対象音波を含む音波とを抽出する処理である。推定対象音波は、ドップラー効果による波形の歪みを補償する対象の音波でもある。推定対象音波を含む音波とは、受信機1が受信した推定対象音波と、受信機1が推定対象音波と同時刻に受信する推定対象音波以外の音波が加算された音波である。推定対象音波以外の音波とは、例えば推定対象音波を直接波とした場合は、マルチパス波や雑音である。
簡単のため時系列信号を用いる抽出処理について説明する。抽出処理では、相互相関値の時系列φ(t)に基づき推定対象音波の到来時刻と推定対象音波を含む時系列を抽出する処理である。tは時刻である。抽出処理では、相互相関値を取得した後、例えば相互相関値φ(t)が最大となる時刻tを直接波の到来時刻として推定し、時刻t以降に受信機1に到来した音波を推定対象音波を含む音波として推定し、推定した音波を抽出する。このように、抽出処理の実行により受信機1に到来するさまざまな音波から推定対象音波を含む音波が取得される。
なお、抽出処理は、より具体的には音波受信素子が出力する複数の時系列信号の中から推定対象時系列信号を含む時系列信号を推定対象音波の到来時刻に基づき推定し、推定した時系列信号を他の時系列信号から分離して取得する(すなわち抽出する)処理である。推定対象時系列信号は、推定対象音波を表す時系列信号である。推定対象時系列信号を含む時系列信号とは、推定対象音波を含む音波を表す時系列信号である。時系列信号は、音波受信素子が受信した音波を音波受信素子自身が電気信号又は光信号等の信号に変換した結果である。そのため時系列信号は、音波の時系列を表す信号である。推定した時系列信号を抽出する処理は、例えば推定した時系列信号を表す信号だけを電気回路又は光回路等の回路で構成されたフィルタで抽出する処理であってもよい。
このように、音波の抽出とは具体的には音波の時系列を表す信号の取得を意味する。
なお音波の時系列を表す信号とは、時系列条件を満たす時系列である。時系列条件は、各時刻の各サンプルが各時刻において音波受信素子の受信した音波の強度を示す、という条件である。なお、抽出処理は推定対象音波を含む相互相関値の計算は時系列信号を抽出できればいかなる信号で行ってもよい。例えば周波数系列信号で行ってもよい。周波数系列信号とは時系列信号のフーリエ変換した信号である。以下の説明では簡単のため時系列信号を用いて説明する。
<相互相関値について>
相互相関値について説明する。相互相関値は、任意の時系列あるいは予め定められた時系列(以下「既知時系列」という。)と、各音波受信素子が受信した音波の時系列との相関を表す値である。なお、相関を表すとは類似の度合を表すことを意味する。
相互相関値は、例えば以下の式(2)で表される。
Figure 0007397383000002
nは1以上N以下の整数である。Nは音波受信素子の数である。したがってxは、N個の音波受信素子のn番目の音波受信素子が受信した音波の時系列を表す。w(k)は、既知時系列を表す。Kはw(t)の時間領域の長さを表す。kは時間を表す。tはxの先頭時刻からの遅延時間である。
なお、相互相関値の定義から明らかなように、既知時系列を表す信号である既知信号が、送信機9が送信する信号の時系列を表す信号であれば、相互相関値が最大となる時刻tに到来する音波とは直接波である。なぜなら、音波が音波受信素子に到来する経路が長くなる程、音波の大きさ、すなわちx(t)の各時刻tにおける絶対値が低下し相互相関値が低下するからである。そのため、例えば、図1のように2波モデルで近似される環境において、既知信号が送信機9が送信する信号の時系列を表す信号である場合、相互相関値が2番目となる時刻に到来する音波は海面で反射して受信機1に到来するマルチパス波である。
経路が直接波と異なる程相互相関値の値は下がることから、抽出処理では、直接波か否かに限らず選別規則に応じた方向から到来する音波を含む時系列を抽出することができる。選別規則は、相互相関値を用いた規則であって推定対象音波の選別の規則である。選別規則は、例えば、既知時系列は送信機9が送信する信号の時系列を表し、抽出処理においては相互相関値がP番目(Pは1以上の整数)の時刻に到来する音波を推定対象音波として、推定対象音波の到来時刻と推定対象音波を含む時系列信号が推定されるという規則である。選別規則は抽出処理の実行前には定められた規則である。選別規則はユーザが設定してもよいし、通信システム100の構築の時点で予め定められていてもよい。
このように、抽出処理では必ずしも相互相関値が最大となる時刻に到来する音波が含まれる時系列を推定する必要は無く、相互相関値がP番目(Pは1以上の整数)に大きい時刻に到来する音波を推定してもよい。以下説明の簡単のため、選別規則は、既知時系列は送信機9が送信する信号を表す時系列を表し、抽出処理においては相互相関値が1番目に大きな時刻に到来する音波が推定対象音波として推定されるという規則である場合を例に通信システム100を説明する。なお、既知時系列は送信機9が送信する信号の時系列を表し、抽出処理においては相互相関値が1番目に大きな時刻に到来する音波が推定対象音波として推定される場合、推定対象音波は直接波である。
<到来方向推定処理の説明>
到来方向推定処理を説明する。到来方向推定処理は、少なくとも抽出処理で推定した推定対象音波の到来時刻と素子配置情報とに基づき推定対象音波が到来した方向(以下「到来方向」という。)を推定する処理である。素子配置情報は、音波受信素子の受信機1における配置を示す情報である。
到来方向推定処理は、例えば参考文献1の3-1節に記載の方法を実行する処理である。
参考文献1:浅野 太、西浦 敬信、“音源定位”知識ベース 知識の森、電子応報通信学会、2群、6編、3章、2012年
参考文献1の3-1節に記載の方法は、音波受信素子が推定対象音波を受信した時刻の音波受信素子間の時間差と、素子配置情報とに基づき到来方向を推定する方法である。到来方向は、推定対象音波が直接波である場合、受信機1から送信機9を見る方向に平行である。そのため、参考文献1の3-1節に記載の方法により、受信機1から送信機9を見る方向を示す情報(すなわち受信方向情報)が得られる。
参考文献1の3-1節に記載の方法においては音波受信素子が推定対象音波を受信した時刻の音波受信素子間の時間差が、複数の音波受信素子で受信した推定対象時系列信号を含む時系列信号を用いて取得される。
図2は、実施形態における到来方向推定処理の一例を説明する説明図である。図2において、#1と#2とはどちらも音波受信素子を示す。すなわち、図2は音波受信素子#1と音波受信素子#2との2つの音波受信素子を示す。図2は、音波受信素子#1と音波受信素子#2との間の距離がdであることを示す。図2において波W101は、推定対象音波を表す。音波受信素子#1と音波受信素子#2との間の距離がdであるという情報は、素子配置情報の一例である。
図2は、推定対象音波の伝搬方向は音波受信素子#1と音波受信素子#2とを結ぶ直線(以下「受信基準線」という。)の垂線とのなす角が推定対象音波をより早い時刻に受信する音波受信素子の方向に向け角度θとなる方向である。そのため、角度θが0°又は180°ではない場合、推定対象音波の伝搬方向は受信基準線に非垂直である。図2において受信基準線は直線L101である。角度θが受信方向情報の一例である。そのため角度θが受信方向ベクトルの向きの一例である。
図2は、推定対象音波の伝搬方向が受信基準線に非垂直である場合に、音波受信素子#1が推定対象音波を受信する時刻と、音波受信素子#2が推定対象音波を受信する時刻とが異なることを示す。
図2においてx(t)は音波受信素子#1が受信したさまざまな音波の時系列を表す。図2においてx(t)は音波受信素子#2が受信したさまざまな音波の時系列を表す。以下、音波受信素子が受信したさまざまな音波の時系列を受信時系列信号という。受信時系列信号は、推定対象時系列信号を含む時系列であることから、受信時系列信号は、推定対象音波を含む音波を表す時系列である。x(t)とx(t)とは推定対象時系列信号を含む時系列信号の一例である。
音波受信素子#1が推定対象音波を受信する時刻と音波受信素子#2が推定対象音波を受信する時刻との時間差がτであって、音波受信素子#1の方が先に推定対象音波を受信する場合、x(t-τ)=x(t)である。このような場合、参考文献1の3-1-1節によれば以下の式(3)の関係が成り立つ。cは、推定対象音波の伝搬速度を表す。なお、伝搬速度cは定数である。
Figure 0007397383000003
ところで、式(2)に示す相互相関値φ(t)は、wと、xをt遅延させた時系列の類似度が最も高いときに最大となる。よって、式(2)におけるwとxとをそれぞれxとxとに置き換えた場合、音波受信素子#1が推定対象音波を受信する時刻と音波受信素子#2が推定対象音波を受信する時刻との時間差τがtに代入されたとき相互相関値φ(t)が最大となる。そこで、参考文献1の3-1節に記載の方法では、式(2)におけるwとxとをそれぞれxとxとに置き換え、相互相関値相互相関値φ(t)を最大にするt、すなわちτを算出する。参考文献1の3-1節に記載の方法では、次に素子配置情報と式(3)とを用いて直接波の到来方向を推定する。到来方向とは受信基準線の垂線とのなす角が推定対象音波をより早い時刻に受信する音波受信素子の方向に角度θとなる方向である。このようにして、参考文献1の3-1の方法では到来方向を推定する。
通信システム100においては、到来方向推定処理の実行前に抽出処理が実行されている。そのため、通信システム100においては、選別規則を満たす相互相関値が音波受信素子ごとに到来方向推定処理の実行前に既に得られているとともに、選別規則を満たす時間差τも各音波受信素子について到来方向推定処理の実行前に既に得られている。
以下、選別規則を満たす時間差τを取得する処理を基準時間差取得処理という。基準時間差取得処理は、選別規則を満たす相互相関値を与える時間差τを得る処理である。上述のように選別規則を満たす時間差τは抽出処理の過程で得られるため、基準時間差取得処理は抽出処理によって得られた時間差τを読み出す処理である。
なお選別規則を満たす時間差τとは、送信機9が送信した既知時系列が各音波受信素子に到来する時刻の時間差(以下「素子基準時間差」という。)である。そのため素子基準時間差τとは、例えば式(2)におけるφ(t)が最大となる時刻tとφ(t)が最大となる時刻tの時間差τであって選別規則を満たす時間差τである。
そのため、通信システム100においては、抽出処理において得られた相互相関値が最大となる時刻を用いて、音波受信素子間の推定対象音波を受信する時刻の時間差を取得する。例えば、第i番目の音波受信素子の第j番目の音波受信素子に対する推定対象音波を受信する時刻の時間差(以下「素子間時間差Tij」という。)は、相互相関値φ(t)が最大となる時刻argmax{φj(t)}から相互相関値φ(t)が最大となる時刻argmax{φ(t)}を引いた値である。なお、iとjとはどちらも1以上N以下の整数であり、iとjとは互いに異なる値である。
以下、相互相関値に基づいて、素子組{i、j}ごとに素子間時間差を取得する処理を時間差取得処理という。時間差取得処理は、例えば以下式(4)で表される処理である。
Figure 0007397383000004
素子組{i、j}は、N個の音波受信素子のうちの第i番目の音波受信素子と第j番目の音波受信素子との2つを要素とする非順序対である。そのため、N個の音波受信素子が存在する場合、素子組の数は、(={N×(N-1)}/2)である。なお、第i番目や第j番目との番号付けは、N個の音波受信素子を互いに識別する際に説明の簡単のために用いている表現であり、必ずしも各音波受信素子は番号付けがなされている必要は無い。したがって、第i番目の音波受信素子との表現に代えて識別子iで他の音波受信素子とは識別される音波受信素子と表現してもよい。
通信システム100においては、時間差取得処理の実行の次に、得られた素子間時間差Tijと素子配置情報とを用いて推定対象音波の到来方向を推定する。具体的には、式(3)におけるτをTijに置き換えた以下の式(5)の左辺の値を各素子組{i、j}ごとに取得し、取得した値が示す角度の統計値を取得する。統計値は例えば平均である。
Figure 0007397383000005
式(5)においてdijは、第i番目の音波受信素子と第j番目の音波受信素子との間の距離である。θijは、式(5)で定義される値である。統計値は、例えば以下の式(6)で表される。
Figure 0007397383000006
受信基準線の垂線とのなす角が、推定対象音波をより早い時刻に受信する音波受信素子の方向に式(6)の角度θとなる方向が到来方向である。なお、音波受信素子の数がNの場合、受信基準線はN個の音波受信素子を結ぶ1本の線である。
なお、到来方向推定処理は、例えば以下の参考文献1の3-3-2節に記載の方法を実行する処理であってもよい。参考文献1の3-3-2節に記載の方法であれば、参考文献1の3-3-1節に記載の方法と異なり、必ずしも時間差が算出される必要は無い。すなわち、必ずしも時間差取得処理が実行される必要は無い。参考文献1の3-3-2節に記載の方法を実行する場合には、複数の音波受信素子が受信したさまざまな音波が加算された状態の信号受信音波が取得されれば推定対象音波の到来方向の推定が可能である。
受信機1は、対地速度関連量ベクトルと到来方向推定処理の結果とを用いて、受信機1の受信方向の速さに関する量(以下「受信方向速さ関連量」という。)を推定する。受信方向速さ関連量は、受信機1の受信方向の符号付き速さ(以下「受信方向符号付き速さ」という。)であってもよいし、受信機1の受信方向の符号付き速さの所定の期間における変化量であってもよい。
受信方向速さ関連量は、対地速度関連量が対地速度ベクトルである場合には、受信方向符号付き速さである。すなわち、受信方向速さ関連量は、式(1)におけるVに単位時間の開始の時刻における受信機1の対地速度を表す速度ベクトルを用いる場合には、受信機1の受信方向の符号付き速さである。受信方向速さ関連量は、対地速度関連量が対地速度ベクトルの単位時間における変化量である場合には、受信方向符号付き速さの単位時間における変化量である。すなわち、受信方向速さ関連量は、式(1)におけるVに全ての要素が0の速度ベクトルを用いる場合には、受信機1の受信方向の符号付き速さの単位時間における変化量である。
以下、対地速度関連量と到来方向推定処理の結果とを用いて受信方向速さ関連量を推定する処理を受信方向速さ関連量推定処理という。また、以下説明の簡単のため速度ベクトルVに全ての要素が0の速度ベクトルを用いる場合について説明する。受信方向を示す情報(すなわち受信方向情報)を取得する方法については、受信方向速さ関連量推定処理の説明の後に説明する。
<受信方向速さ関連量推定処理>
受信方向速さ関連量推定処理は、対地速度関連量と到来方向推定処理の結果とを用いて受信方向速さ関連量を推定可能な処理であればどのような処理であってもよい。受信方向速さ関連量推定処理は、例えば、対地速度関連量ベクトルと長さ1に規格化された受信方向ベクトルとの内積を得る処理である。受信方向ベクトルの向きは、受信方向向きである。そのため、受信方向ベクトルは受信方向を示す情報の一例である。
受信方向速さ関連量推定処理は、より具体的には例えば以下の式(7)で表される処理である。
Figure 0007397383000007
ベクトルeは、受信方向ベクトルを表す。|e|はベクトルeの長さを表す。Vは受信方向速さ関連量を表す。そのため、式(7)は、ベクトルVと規格化された受信方向ベクトルeとの内積が受信方向速さ関連量Vであることを意味する。ベクトルVは、受信機1の対地速度関連量ベクトルである。以下、説明の簡単のため受信方向ベクトルの長さが1である場合を例に、通信システム100を説明する。
図3は、実施形態における受信方向速さ関連量Vと受信方向ベクトルeとの関係を説明する説明図である。図3は、受信方向ベクトルeに式(1)で表される対地速度関連量ベクトルVが斜影された結果得られる正斜影ベクトルの長さが受信方向速さ関連量Vであることを示す。
<受信方向情報を取得する処理>
受信方向情報を取得する処理(以下「受信方向情報取得処理」という。)は、抽出処理及び到来方向推定処理の実行により直接波あるいはマルチパス波の到来方向を推定する処理である。すなわち受信方向情報取得処理は、例えば相互相関値が選別規則に基づいた大きさとなる時刻に到来する音波の到来方向を推定する処理であってよいし、参考文献1の3-3-2節に記載の方法を任意の推定対象音波に対して行う方法であってもよい。
図4は、実施形態における受信機1のハードウェア構成の一例を示す図である。受信機1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部11を備え、プログラムを実行する。受信機1は、プログラムの実行によって制御部11、受信波信号出力部12、記憶部13及び加速度センサ14を備える装置として機能する。
より具体的には、プロセッサ91が記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、受信機1は、制御部11、受信波信号出力部12、記憶部13及び加速度センサ14を備える装置として機能する。
制御部11は、受信機1が備える各種機能部の動作を制御する。制御部11は、例えば受信方向速度速さ推定処理を実行する。制御部11は、例えば抽出処理を実行する。制御部11は、例えば到来方向推定処理を実行する。抽出処理は、例えば後述の参考文献3に記載の方法であってもよい。
受信波信号出力部12は、音波受信素子201-1~音波受信素子201-Nと、信号検出部202と、を備える。このように受信波信号出力部12はN個の(すなわち複数の)音波受信素子を備える。以下、音波受信素子201-1~音波受信素子201-Nをそれぞれ区別しない場合、音波受信素子201という。なお、受信波信号出力部12は必ずしも複数の音波受信素子を備える必要は無く、1つの音波受信素子201を備えてもよい。
このように、受信波信号出力部12は、各音波受信素子201が受信した音波の時系列(以下「受信波信号」という。)を出力する。受信波信号は受信機1に到来するさまざまな音波が加算された音波の信号である。
受信機1は外部の装置と通信を行う通信部を備え、通信部を介して受信機1に推定対象音波の指示が入力されてもよい。推定対象音波の指示が受信機1に入力された場合、制御部11は推定対象音波の指示が示す推定対象音波について到来方向を推定する。
なお、推定対象音波の指示は必ずしも受信機1に入力される必要は無く、制御部11は、推定対象音波に関する予め定められた条件を満たす音波の到来方向を推定してもよい。推定対象音波に関する予め定められた条件は、例えば複数の音波受信素子で受信された受信波信号の相互相関値が最大となる素子基準時間差に到来する音波という条件である。なお、既知信号と受信波信号の相互相関値が最大となる素子基準時間差に到来する音波という条件を満たす音波の到来方向を推定する処理は、直接波の到来方向を推定する処理である。
以下、説明の簡単のため、推定対象音波が直接波であることが予め記憶部13に記憶済みの場合を例に通信システム100を説明する。すなわち、以下説明の簡単のため、推定対象音波が直接波であることが予め定まっている場合を例に、通信システム100を説明する。
記憶部13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部13は受信機1に関する各種情報を記憶する。記憶部13は、例えば予め素子配置情報を記憶する。記憶部13は、例えば予め既知時系列を示す情報を記憶する。記憶部13は、予め伝搬速度cを記憶する。
加速度センサ14は、受信機1の1又は複数の方向についての対地加速度を示す対地加速度ベクトルAを取得する。対地加速度ベクトルAは、例えば直交する3方向についての対地加速度を示す。
受信機1は制御部11の制御に応じて、受信機1を移動させるための揚力を発生させる動力部を備えてもよい。受信機1を移動させるための揚力を発生させる動力部は、例えばモータが付いたプロペラである。動力部がモータの付いたプロペラである場合、制御部11の制御によりモータが回転し、モータの回転によりプロペラが回転する。プロペラの回転により揚力が発生する。
図5は、実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図である。制御部11は、記録部112、抽出部113、到来方向推定部114、センサ値取得部115、対地速度関連量取得部116、受信方向速さ関連量推定部117及びドップラー補償部118を備える。
図5の到来方向推定部114の機能構成は、到来方向推定処理が参考文献1の3-3-1節に記載の到来方向の推定の方法を実行する処理である場合における、機能構成の一例である。したがって到来方向推定処理が他の到来方向の推定の方法を実行する処理である場合、到来方向推定部114の構成は、他の到来方向の推定の方法を実行可能であれば必ずしも図5に示す構成である必要は無い。
記録部112は、制御部11が取得した各種情報を記憶部13に記憶する。
抽出部113は、抽出処理を実行する。抽出部113の実行により、推定対象音波を含む信号が抽出される。実行される抽出処理は、推定対象音波を含む信号が抽出されればどのような方法であってもよい。推定対象音波を含む信号が抽出される処理は、例えば既知信号と受信波信号の相互相関値に基づく方法である。また、到来方向推定部114で行われる到来方向推定の方法に応じて、推定対象音波を含む信号の受信時刻を取得してもよい。
到来方向推定部114は、到来方向推定処理を実行する。到来方向推定部114は、到来方向推定処理の実行により、音波受信素子201-1~音波受信素子201-Nが受信したデータ波に基づき、推定対象音波の到来方向を推定する。すなわち到来方向推定部114は、到来方向推定処理の実行により音波受信素子201-1~音波受信素子201-Nが受信したデータ波に基づき受信方向ベクトルを推定する。
到来方向推定部114は、時間差取得部401、素子配置情報取得部402及び受信方向ベクトル推定部403を備える。時間差取得部401は、(={N×(N-1)}/2)の素子組それぞれについて時間差取得処理を実行する。素子配置情報取得部402は、素子配置情報を取得する。より具体的には、素子配置情報取得部402は、記憶部13が記憶する素子配置情報を読み出す。
受信方向ベクトル推定部403は、時間差取得部401が取得した素子組それぞれにおける時間差と素子配置情報とに基づき、式(5)及び式(6)により、到来方向を推定する。すなわち、受信方向ベクトル推定部403は、時間差取得部401が推定した素子組それぞれにおける時間差と素子配置情報とに基づき、受信方向ベクトルを推定する。
センサ値取得部115は、加速度センサ14の取得した対地加速度ベクトルAを取得する。
対地速度関連量取得部116は、対地速度関連量取得処理を実行する。対地速度関連量取得処理の実行により対地速度関連量取得部116は、対地加速度ベクトルAを用いて対地速度ベクトルVを取得する。
受信方向速さ関連量推定部117は、受信方向速さ関連量推定処理を実行する。受信方向速さ関連量推定処理の実行により受信方向速さ関連量推定部117は、到来方向推定部114の推定結果と対地速度関連量Vとに基づき受信方向速さ関連量Vを取得する。
ドップラー補償部118は、受信方向速さ関連量Vに基づき、音波受信素子201それぞれについて受信波信号の補償を行う。ドップラー補償部118が実行する受信波信号の補償の方法は、例えば参考文献2に記載の方法である。
参考文献2:Baosheng Li, Shengli Zhou, Milica Stojanovic, Lee Freitag, Peter Willett,” Non-Uniform Doppler Compensation for Zero-Padded OFDM over Fast-Varying Underwater Acoustic Channels”, IEEE OCEANS 2007-Europe, Aberdeen, Scotland, 18-21, Jun. 2007, pp.1 - pp.6.
参考文献2に記載の方法を簡単に説明する。ドップラー補償部118は、例えば以下の式(8)~(10)で表される処理(以下「要素ドップラー補償処理」という。)を音波受信素子201それぞれについて実行することで音波受信素子201それぞれについて受信波信号の補償を行う。すなわち、ドップラー補償部118は、音波受信素子201それぞれについてドップラー効果による波形の歪みを補償する。
Figure 0007397383000008
Figure 0007397383000009
Figure 0007397383000010
式(8)~式(10)において、z(t)は受信波信号x(t)のリサンプル後の時系列を表す。式(8)~式(10)において、x(t)は受信波信号を表す。式(8)~式(10)において、r(t)はリサンプル後の時系列z(t)にCFO補償(キャリア周波数オフセット補償)が行われた結果の時系列を表す。式(8)~式(10)において、jは虚数単位を表す。式(8)~式(10)において、exp(・)は底がネイピア数の指数関数を表す。
式(8)~式(10)において、fは受信波信号x(t)のキャリア周波数を表す。式(8)~式(10)において、Trxは受信機が受信した受信波信号x(t)の長さである。
式(8)~式(10)において、Ttxは音波受信素子が受信した受信波信号を送信機から送信した時点での推定対象音波の時系列の長さである。
式(8)はリサンプルすることを表す。式(8)は具体的には、受信波信号x(t)の時間伸縮率に基づきリサンプルすることでサンプル点が補償された受信波信号z(t)を得ることを表す。式(9)はCFO補償することを表す。CFO補償とはドップラー効果によりキャリア周波数オフセット(CFO)が生じた受信波信号を送信時のキャリア周波数に保証することを意味する。式(10)のε(t)はリサンプル後の時系列z(t)に生じるキャリア周波数オフセットを表す。
ドップラー補償部118は、例えば要素ドップラー補償部801を音波受信素子201ごとに備えることで、音波受信素子201それぞれについて要素ドップラー補償処理を行う。要素ドップラー補償部801は、対応する音波受信素子201の受信波信号に対して要素ドップラー補償処理を実行する。
要素ドップラー補償部801は音波受信素子201ごとに存在する。そのため例えば音波受信素子201がN個の場合、ドップラー補償部118には要素ドップラー補償部801-1~要素ドップラー補償部801-NのN個の要素ドップラー補償部801が存在する。
ドップラー補償部118は、補償後の受信波信号を出力する。ドップラー補償部118が出力した補償後の受信波信号には、所定の信号処理が実行される。
図6は、実施形態における通信システム100が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
送信機9の送信した音波を音波受信素子201が受信する(ステップS101)。次に、抽出部113が、抽出処理を実行する(ステップS102)。抽出処理では、例えば、相互相関値の取得により推定対象音波を含む音波が取得される。なお、抽出処理では次のステップS103で行われる到来方向推定処理に応じて推定対象音波の受信時刻を取得してもよい。
次に、到来方向推定部114が到来方向推定処理を実行する。到来方向推定処理の実行により、到来方向推定部114は、ステップS102で取得された推定対象時系列信号を含む信号あるいは推定対象時系列信号の受信時刻に基づき推定対象音波の到来方向を推定する(ステップS103)。
次に、センサ値取得部115が加速度センサ14の取得した対地加速度ベクトルを取得する(ステップS104)。次に、対地速度関連量取得部116が対地速度関連量取得処理の実行により対地速度関連量を取得する(ステップS105)。
次に、受信方向速さ関連量推定部117が受信方向速さ関連量推定処理を実行する(ステップS106)。受信方向速さ関連量推定処理の実行により、受信方向速さ関連量推定部117は、少なくともステップS103で推定された到来方向とステップS105で取得された対地速度関連量とに基づき、受信方向速さ関連量を推定する。
次に、ドップラー補償部118が、音波受信素子201-1~音波受信素子201-Nそれぞれについて推定対象音波の波形の歪みの補償を行う(ステップS107)。
なお、ステップS103の処理とステップS104の処理とはステップS102の処理の実行後でステップS105の処理の実行前に実行されれば必ずしもステップS103の次にステップS104が実行される必要は無い。例えば、ステップS102の次にステップS104の処理が実行され、その次にステップS103の処理が実行されてもよい。
なお上述したように、ステップS103で実行される到来方向推定処理は、少なくとも素子配置情報に基づき推定対象音波の到来方向を推定可能であればどのような方法であってもよい。以下図7で、ステップS103において実行される到来方向推定処理の流れの一例を説明する。
図7は、実施形態における到来方向推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。時間差取得部401が、時間差取得処理を実行する(ステップS201)。時間差取得処理の実行により、時間差取得部401は、素子組ごとに素子間時間差Tijを推定する。次に、素子配置情報取得部402が、素子配置情報を取得する(ステップS202)。次に、受信方向ベクトル推定部403が、ステップS201で得られた各素子間時間差とステップS202で得られた素子配置情報とに基づき、受信方向ベクトルを推定する(ステップS203)。
なお、ステップS201の処理とステップS202の処理とはステップS203の処理の実行前に実行されれば必ずしもこの順番に実行される必要は無い。例えば、ステップS202の次にステップS201の処理が実行され、その次にステップS203の処理が実行されてもよい。
このように構成された通信システム100は、推定対象音波の到来方向を推定し、推定した到来方向に基づいて受信方向速さ関連量を推定する制御部11を備える。制御部11は、直接波とマルチパス波の合成による音波の歪みの影響を受けずに対地速度関連量を逐次的に取得可能な加速度センサと、推定対象音波と推定対象音波以外で相関が低い受信方向情報とを用いてドップラーシフトを推定する。
また、そのため通信システム100は、直接波とマルチパス波とが合成された合成波からドップラーシフトを推定し、ドップラー効果による波形の歪みを補償する技術よりも高い精度で推定対象音波のドップラー効果による波形の歪みの変化量を逐次的に推定し補償することができる。そのため、通信システム100は、より高い精度でドップラー効果による波形の歪みを補正することができる。
また、このように構成された通信システム100は、音波受信素子201が受信した音波に基づき受信方向速さ関連量を推定する制御部11を備える。より具体的には、制御部11は、推定対象音波を含む音波を抽出し、抽出した結果に基づき推定対象音波の到来方向を推定するとともに、対地速度関連量にも基づいて受信方向速さ関連量を推定する。対地速度関連量は加速度センサの測定値を用いて取得される。加速度センサの測定値は加速度センサの測定結果である。そして、加速度センサの測定値は、音波の影響を受けない。
無変調の波のみを用いてドップラー効果による波形の歪みを補償する技術の場合、無変調の波の波形がマルチパス波の影響で歪んでしまうため、ドップラー効果の推定精度が高くない。
一方、通信システム100は、制御部11を備えるため、無変調の波のみを用いて波形の歪みを補償する技術と異なり、音波の影響を受けない加速度センサの測定値に基づいて波形の歪みの補償を行う。そのため、通信システム100は、高い精度でドップラー効果による波形の歪みの変化量を逐次的に推定し補償することができる。そのため、通信システム100は、より高い精度でドップラー効果による波形の歪みを補正することができる。
(変形例)
なお、上述したように到来方向推定処理ではマルチパス波を推定対象音波としてマルチパス波の到来方向を推定することも可能である。そのため、通信システム100は、直接波についてのみでなくマルチパス波についても、ドップラー効果による波形の歪みを補償することができる。
なお、推定対象音波の伝搬方向は、音波受信素子201-1~音波受信素子201-Nが直線上に無い場合、受信基準線に代えて受信基準面の垂線に対して伝搬方向をなす角が示されてもよい。受信基準面は、音波受信素子201-1~音波受信素子201-Nを含む平面である。
なお、受信機1が備える加速度センサ14は必ずしも1つである必要は無く、複数でもよい。加速度センサ14が複数ある場合、対地速度関連量取得処理においては1つの加速度センサ14が測定した対地加速度ベクトルに代えて例えば複数の対地加速度ベクトルの平均のベクトルが用いられる。このように、対地速度関連量取得部116は、複数の加速度センサ14の測定値に基づいて対地速度関連量を取得してもよい。なお平均は重み付き平均であってもよい。重み付き平均の場合、重みは音波受信素子201に近い加速度センサ14ほど大きな重みであることが望ましい。
なお、加速度センサ14は、受信基準面に対する加速度を出力することが望ましい。ただし、加速度センサ14が受信基準面からずれた面に対する加速度を出力する場合には、通信システム100において加速度センサ14の出力を別途補償する処理が行われてもよい。
なお、対地速度ベクトルの取得に際しては、加速度センサ14が取得した対地加速度ベクトルの各要素から雑音を除去する処理(以下「雑音除去処理」という。)が行われてもよい。雑音除去処理は、具体的には加速度センサ14が出力した電気信号を、雑音を除去し加速度ベクトルを示す信号を透過させるフィルタに通す処理である。雑音を除去し加速度ベクトルを示す信号を透過させるフィルタは、例えばローパスフィルタであってもよいし、ループフィルタであってもよいし、移動平均フィルタであってもよいし、バンドパスフィルタであってもよい。
雑音除去処理は、対地速度関連量取得処理において加速度ベクトルが用いられる前に実行されればよい。そのため、雑音除去処理は、センサ値取得部115が実行してもよいし、対地速度関連量取得部116が実行してもよい。
なお、通信システム100は、ドップラー補償部118の出力した信号に残留した周波数オフセットを補償する残留周波数オフセット補償部119を備えてもよい。
図8は、変形例における残留周波数オフセット補償部119の一例を示す図である。残留周波数オフセット補償部119は、例えば制御部11が備える。
残留周波数オフセット補償部119は、例えば参考文献3に記載の線形補償を実行する。
参考文献3:B. S. Sharif, J. Neasham, O. R. Hinton, and A. E. Adams, “A Computationally Efficient Doppler Compensation System for Underwater Acoustic Communications,” IEEE Journal of Oceanic Engineering, vol. 25, no. 1, pp.52 - pp.61, Jan. 2000.
残留周波数オフセット補償部119は、例えば補償後の受信波信号に対するPLL(Phase Locked Loop)による周波数オフセットの補償の処理を実行してもよい。
残留周波数オフセット補償部119は、例えば参考文献3に記載の線形補償を実行し、次にPLLによる周波数オフセットの補償の処理を実行してもよい。
なお、通信システム100は、初速取得部120を備えてもよい。初速取得部120は、受信機1の初速を取得する。初速が例えば予め記憶部13に記憶済みである場合、初速取得部120は、記憶部13から初速を読み出す。初速取得部120で実行される処理は、初速を推定可能であればどのような方法であってもよい。例えば基準波を瞬間的に用いて取得するドップラーシフトの量と対地加速度に基づいた推定値を用いてもよいし直前の対地加速度に基づく推定により初速を取得してもよい。また、参考文献3に記載のAmbiguity Functionを用いて推定してもよい。
図9は、変形例における初速取得部120の一例を示す図である。初速取得部120は、対地速度関連量取得部116による対地速度関連量取得処理の実行前に初速を取得可能であればどのようなタイミングで初速を取得してもよい。初速取得部120が初速を取得する場合、対地速度関連量取得部116は対地速度関連量の取得に際して、式(1)が表す処理を実行する。すなわち、対地速度関連量取得部116は対地速度関連量の取得に際して、対地加速度ベクトルの時間積分の値に初速を足し算した結果を対地速度関連量として取得する処理を実行する。
なお、仮想MIMOであれば通信システム100が備える音波受信素子201は1つでもよい(参考文献4参照)。
参考文献4:村上友規、大宮陸、中平俊郎、石原浩一、林崇文、“Virtual Massive MIMO (VM-MIMO)の提案,” 電子情報通信学会 総合大会,早稲田大学,東京,2019 年3月19-22日,B-1-123
なお、到来方向の推定に際しては、推定対象音波だけでなくさらに、無変調の波(以下「基準波」という。)を用いてもよい。例えば、参考文献1の3-3-2節の方法であれば基準波を用いた到来方向の推定が可能である。データ波のキャリア周波数とは異なる周波数の基準波もさらに用いることで、周波数ダイバーシティ効果を得られ到来方向の推定の精度は向上する。
なお、受信機1が備える各機能部は、必ずしも全てを受信機1が備える必要は無い。例えば、到来方向推定部114、センサ値取得部115、対地速度関連量取得部116及び受信方向速さ関連量推定部117は、記録部112、抽出部113、ドップラー補償部118、受信波信号出力部12及び加速度センサ14と異なる装置に実装されてもよい。
例えば、到来方向推定部114、センサ値取得部115、対地速度関連量取得部116及び受信方向速さ関連量推定部117は、サーバ等の受信機1とは異なる外部装置(以下「受信機管理装置」という。)に備えられていてもよい。このような場合、受信機管理装置は通信によって受信機1から抽出部113の抽出の結果と、加速度センサ14の取得した対地加速度ベクトルと、素子配置情報とを取得し、取得結果に基づいて受信方向速さ関連量を推定する。受信機管理装置は推定した受信方向速さ関連量を、通信を介して受信機1に送信する。ドップラー補償部118は、受信機1が受信した受信方向速さ関連量を用いて波形の歪み補償する。
なお課題は、受信機の移動速度に変化が生じる環境において生じるドップラーシフトの変化量を、安定して逐次的に推定し補償する技術を提供することを目的としてもよい。
なお通信システム100は、ドップラー補償システムの一例である。
なお、通信システム100及び受信機1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
100…通信システム、 1…受信機、 11…制御部、 12…受信波信号出力部、 13…記憶部、 14…加速度センサ、 201-1、201-N…音波受信素子、 112…記録部、 113…抽出部、 114…到来方向推定部、 115…センサ値取得部、 116…対地速度関連量取得部、 117…受信方向速さ関連量推定部、 118…ドップラー補償部、 119…残留周波数オフセット補償部、 120…初速取得部、 401…時間差取得部、 402…素子配置情報取得部、 403…受信方向ベクトル推定部、 801-1、801-N…要素ドップラー補償部、 9…送信機、 91…プロセッサ、 92…メモリ

Claims (8)

  1. 送信機が送信した音波を受信する音波受信素子と、
    前記音波受信素子を備える受信機の加速度に基づき前記受信機の対地速度を表すベクトルに関する物理量である対地速度関連量を取得する対地速度関連量取得部と、
    前記受信機が受信した音波のうち推定対象の音波である推定対象音波を含む音波を抽出する抽出部と、
    前記推定対象音波に基づき、前記推定対象音波の到来方向を推定する到来方向推定部と、
    前記対地速度関連量取得部が取得した前記対地速度関連量と前記到来方向推定部の推定結果とに基づき、前記受信機から見る推定対象音波が到来する方向である受信方向の速さに関する量を推定する受信方向速さ関連量推定部と、
    前記受信方向速さ関連量推定部の推定結果に基づき、前記推定対象音波のドップラー効果による波形の歪みを補償するドップラー補償部と、
    を備える、
    ドップラー補償システム。
  2. 前記推定対象音波は、前記送信機から前記受信機へ送信された直接波である、
    請求項1に記載のドップラー補償システム。
  3. 前記推定対象音波は、前記送信機から送信された音波であって物質の境界面で反射又は散乱された後に前記受信機に到達した音波である、
    請求項1に記載のドップラー補償システム。
  4. 前記ドップラー補償部は、前記音波受信素子それぞれごとに各音波受信素子が受信した音波のドップラー効果による波形の歪みを補償する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のドップラー補償システム。
  5. 残留した周波数オフセットを補償する残留周波数オフセット補償部を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のドップラー補償システム。
  6. 前記受信機の初速を取得する初速取得部、
    をさらに備え、
    前記対地速度関連量取得部は、前記対地速度関連量の取得に際して、前記加速度の時間積分の値に前記初速を足し算した結果を前記対地速度関連量として取得する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のドップラー補償システム。
  7. 前記受信機の加速度は複数の加速度センサで取得され、
    前記対地速度関連量取得部は、複数の前記加速度センサの測定結果に基づいて前記対地速度関連量を取得する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のドップラー補償システム。
  8. 送信機が送信した音波を受信する音波受信素子が前記音波を受信する音波受信ステップと、
    前記音波受信ステップを備える受信機の加速度に基づき前記受信機の対地速度を表すベクトルに関する物理量である対地速度関連量を取得する対地速度関連量取得ステップと、
    前記受信機が受信した音波のうち推定対象の音波である推定対象音波を含む音波を抽出する抽出ステップと、
    前記前記推定対象音波に基づき、前記推定対象音波の到来方向を推定する到来方向推定ステップと、
    前記対地速度関連量取得ステップにおいて取得された前記対地速度関連量と前記到来方向推定ステップの推定結果とに基づき、前記受信機から見る推定対象音波が到来する方向である受信方向の速さに関する量を推定する受信方向速さ関連量推定ステップと、
    前記受信方向速さ関連量推定ステップの推定結果に基づき、前記推定対象音波のドップラー効果による波形の歪みを補償するドップラー補償ステップと、
    を有する、
    ドップラー補償方法。
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