JP2011188782A - 携帯可能食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】直接素手でつかんで食しても手を汚すことがなく、また携帯時の向きや振動によっても不都合を生じにくく、しかも、フィリングがふっくらとした食材である場合であっても、消費者が違和感を感じることが無い、携帯性に優れた携帯可能食品を提供する。
【解決手段】米飯を含むフィリングが、小麦粉と水を主要な原料とする柔軟な外皮で包まれており、前記外皮は、前記フィリングと一体に焼き上げられたことを特徴とする、携帯可能食品とする。
【選択図】図1

Description

本発明は携帯可能食品に関する。より詳細には、直接素手でつかんで食しても手指を汚すことがなく、また携帯時の向きや振動によっても不都合を生じにくい、携帯性に優れた携帯可能食品に関する。
従来よりさまざまな携帯可能な食品が供されてきた。米飯や各種食材を弁当箱に詰めたいわゆる弁当はその典型例であり、特色あるさまざまなものが各地で提供されている。しかしながら、一般に弁当を食するには箸等の道具を要する。これの理由としては、弁当には多くの場合米飯が含まれるため、これを素手でつかむと手指が汚れる等の不便があることを挙げられる。弁当のような携帯可能食品を食する場面では、必ずしも手指を洗える設備があるとは限らず、手指が汚れることが好ましくないことが少なくないからである。
しかし、現代社会においては是非はともかく、交通機関による移動中や、時には仕事中などに食事をとらざるを得ない場面は珍しいものではない。従って、箸等の道具を使用せずに直接素手で食することが可能でかつ手指を汚すことのない携帯可能食品が望まれている。
また、手指を汚さないこと以外の点についても、米飯を含む弁当の携帯性は必ずしも十分ではないと本願発明の発明者は考えた。ここで携帯性とは、携帯時もしくは輸送時の向きや振動によって不都合が生じない性質を指している。弁当においては、輸送時に上下が逆転する状態になったり振動が加わるといった事態は普通に想定される。この場合に、内容物がこぼれてしまったり、弁当箱の中で内容物が片寄ってしまうといった不都合を生じ易く、この点で携帯性が十分とは言い難いと考えたのである。弁当箱として密閉に近い状態に閉じることができる容器を使用すると内容物がこぼれるといった事態はある程度防止可能であるが、内容物の片寄りを防止することは容易ではない。なお、内容物の片寄りは食する上では本質的には問題ではないが、外観上好ましいものではなく、商品としての携帯可能食品にとっては大きな問題と考えなければならない。
携帯性に優れた携帯可能食品、つまり、直接素手でつかんで食しても手指を汚すことがなく、また携帯時の向きや振動によっても不都合を生じにくい携帯可能食品として、本願発明の発明者は特開2009−278944号公開特許公報の図6等に開示された携帯可能食品を提案している。
同公報に開示された携帯可能食品は、最中の皮(以下、「皮種」という)、または、ウエハースからなる外皮に米飯を含むフィリングを包んだことを特徴とする携帯可能食品である。ここで皮種とは、例えば、通常はもち米の粉に水を入れてこねたものを蒸し、薄く延ばして焼き型で焼き上げたものであり、軽くパリパリした食感を特徴とする。一方、ウエハースとは、例えば、小麦粉やコーンフラワーに卵や砂糖等を混ぜ合わせたものを薄く焼き上げたものであり、やはり、パリパリとした食感を特徴とする。
このような携帯可能食品では、米飯が乾燥した外皮に包まれている為に、素手で食しても、手指が汚れることが無い。また、乾燥した外皮は硬質であるので、携帯時や輸送時の向きや振動によっても形状が安定しており、外観状の問題も発生しにくい。このように、同公報に開示された携帯可能食品は、優れた携帯性を備えたものである。
しかし、携帯可能食品内部のフィリングの種類によっては、硬質の外皮に由来するパリパリした食感が、消費者に違和感を与えることがあるという課題を有している。一例として、フィリングとして焼き飯のような食材を使用する場合にはほとんど問題を生じない。元来、焼き飯自体が米飯をさまざまな食材とともに加熱調理したさまざまな食品の食感を楽しめるものであり、これに軽いパリパリとした外皮の食感が加わっても、消費者にとってなんら不自然なものと感じられないからである。しかし、フィリングとして、例えば炊き込みご飯やすし飯のような食材を使用する場合には、これら食材のふっくらとした食感と、外皮のパリパリした食感の組み合わせが、消費者にとって不自然なものと感じられる場合があるのである。
関連する発明として、例えば、特開2005−192437公報の請求項9には最中の皮に納豆等を包んだ菓子に関する発明が開示されている。また、特開2003−159005公報の図2等には、最中の皮に漬物を包んだ食品に関する発明が開示されている。これらは、納豆のように糸を引くような性質の食品や漬物のように水分が多い食品のように、素手でつかむと手指が汚れやすい食品を素手で容易につかめるように工夫した発明である。しかし、これらは、必ずしも食事として食することが可能な携帯可能食品に関するものではなく、また、フィリングと、外皮のパリパリした食感の組み合わせの違和感を解消するものでもない。
そこで、本願発明の発明者は更なる探求を行い、いわゆる今川焼き(地域により、大判焼きや回転焼き等とも呼ばれるが、以下「今川焼き」という)の外皮に着目した。これは、小麦粉を主体とした生地を焼き型に流し込み、餡等のフィリングを載せ、その上にさらに生地を流し入れるか、別の型で焼いておいた生地を載せて焼き上げたものである。特開2009−278944号開示の発明の場合と異なり、外皮をフィリングと共に焼き上げており、外皮は、皮種やウエハースのようなパリパリとした食感の無い、柔らかな仕上がりとなる。
今川焼きは和菓子のひとつであるが、現在では、フィリングとして小豆餡のみならず、白餡やカスタードクリームを使用したものなどさまざまなものが提供されている。また、台湾では、「車輪餅」等の名称で、フィリングとして「菜脯」や「高麗菜」といったものが使用されている例がある。前者は、大根の漬物のようなもの、後者はキャベツであり、軽食として一般的に食されている。
特開2009−278944号公開特許公報 特開2005−192437号公開特許公報 特開2003−159005号公開特許公報
しかし、フィリングとして米飯を含む食品を使用した例は無い。そこで、本願発明の発明者は、上記の発明を参考に、素手で直接つかんでも手が汚れず、食事の一環として食することが可能で、しかも携帯性に優れた携帯可能食品を提供しようと考えた。
以上説明したとおり、本発明が解決しようとする課題は、直接素手でつかんで食しても手を汚すことがなく、また携帯時の向きや振動によっても不都合を生じにくく、しかも、フィリングがふっくらとした食材である場合であっても、消費者が違和感を感じることが無い、携帯性に優れた携帯可能食品を提供することである。
(1)以上説明した課題を解決する為、本発明は、
米飯を含むフィリングが、小麦粉と水を主要な原料とする柔軟な外皮で包まれていること
を特徴とする、携帯可能食品としている。
本発明の外皮は、小麦粉を主体として、卵や膨張剤(ベーキングパウダーや膨らし粉と呼ばれる、重曹を基材としたものを使用できる)、水を混ぜ合わせた生地を焼き型で焼いて製造するものであり、今川焼きの外皮に近い柔軟なものであるが、必ずしもこれと全く同じものである必要は無い。通常、今川焼きは和菓子の一として食されるものであり、外皮に甘みをつけるために生地に砂糖を添加するが、本発明は食事として食することを意図しており、外皮に甘みが感じられる必要は無い。従って、生地に砂糖を使用しない、または、甘みを感じない程度に砂糖の使用量を少なくしても良い。また、この場合、生地の安定性が低下して焼きあがる外皮の品質が低下する傾向があるので、これを回避する為に、適宜増粘安定剤を添加することも可能である。もちろん、フィリングの種類に応じて外皮の甘みを強くする、または、甘みとは異なる調味を施すことも適宜可能である。
本発明の外皮は今川焼きのそれに類似の柔軟なものであるため、フィリングが炊き込みご飯のようにふっくらとした食材である場合であっても、消費者が違和感を感じることが無い。つまり、特開2009−278944号公開特許公報に開示された携帯可能食品のように、種皮やウエハースのパリパリとした食感との組み合わせが不自然に感じられる食材をフィリングとする場合であっても、好適な携帯可能食品とすることができる。
加えて、本発明に係る携帯可能食品の外皮にはさまざまな風味を与えることが可能である。本発明に係る携帯可能食品では、フィリングに多様な食材を使用可能であるので、これに合わせた風味の外皮とすることで、携帯可能食品の食品としての魅力がさらに高まるからである。例えば、外皮の生地にゴマを入れる、または、外皮の周囲にゴマを付着させるなどして、外皮にゴマの風味を与えることができる。ゴマは独特の風味を有し、きわめて栄養価が高い食品とされ、しばしば米飯と共に食される食材であり、外皮にゴマを配すことで携帯可能食品に好ましい風味や栄養を付与することができる。同様に、海苔も米飯と共に食される食材であり、外皮に海苔を添加することで、米飯を含むフィリングを有する携帯可能食品として極めて好ましいものが得られる。
また、わさび又は梅干(梅肉)又は抹茶も外皮に与える風味として特に好ましいものの例である。わさびは特有の風味が食欲を増進する作用を有する他、強い殺菌作用が認められており、この風味を付与した外皮を使用した本発明に係る携帯可能食品は、常温で保存されても腐敗・変質が発生しにくいという顕著な特徴が得られる。これは常温で携帯されることが多い携帯可能食品として非常に好ましい特徴である。また、梅干(梅肉)を添加するとさわやかな風味はもちろん、鮮やかな赤系色となり、これも消費者の購買意欲を惹起すると考えられる。加えて、わさびほどではないにせよ、殺菌作用が期待でき、わさびの場合と同様に腐敗・変質が発生しにくい。抹茶についても同様である。
さらに、携帯可能食品の食事としてのバリエーションを確保するという観点で、焼き飯類や、パエリア,ピラフ類、ドライカレーなど、さまざまな米飯を主体とするフィリングを使用することが可能である。
また、本発明の外皮は、小麦粉を主体として、卵白や膨張剤、水を混ぜ合わせた生地を焼き型で焼いて製造する、つまり、卵黄を使用せずに製造することもできる。卵黄を使用しないことで、外皮が卵黄の黄色に着色せず、また、メイラード反応の発生も少ない為に焼き上がる外皮が褐色とならないという効果が得られる。すでに述べたとおり、本発明に係る携帯可能食品では、その外皮にさまざまな風味を付与することが好ましい為、これに合わせて、さまざまな色に着色可能であることが好ましい。例えば、わさびの風味の外皮を薄緑色としたり、梅干の風味の外皮を赤系色とすることが好ましい。また、必ずしも外皮の風味によらずとも、例えば、赤飯をフィリングとした場合に外皮を小豆色とすることも好ましい例といえる。外皮そのものがもともと着色している場合には、このように自由に着色することは容易では無い。しかし、卵黄を使用しないで製造した外皮は、典型的にはほぼ白色であるので、このような着色を施すことが容易であり、消費者に視覚を通じた訴求力を有する携帯可能食品を提供することが可能となる。
なお、本発明は、独立して外皮を製造し、別途調理したフィリングと組み合わせて、外皮でフィリングが包まれた携帯可能食品とすることが可能である。外皮は、例えば、中央部がくぼんだ円盤型とすることができ、くぼみ部にフィリングを詰めて2つの外皮で挟み込むことで、外皮にフィリングが包まれた携帯可能食品とできる。このようにすると、生地を型で焼くという工程と、米飯を含むフィリングを調理するという工程を分離することが可能となり、本発明に係る携帯可能食品の生産性を高め易いという効果が得られる。
(2)本発明は、前記外皮は、前記フィリングと一体に焼き上げられたことを特徴とする、(1)に記載の携帯可能食品とすることが好ましい。
すでに述べた通り、本発明においては、独立して外皮を製造し、別途調理したフィリングと組み合わせて携帯可能食品として完成させることが可能である。しかし、別の製造方法として、外皮をフィリングと同時に一体に焼き上げることも可能である。具体的には、例えば、焼き型に外皮の生地を流し込み、フィリングをのせ、さらにこの上から生地を流し入れるか、別の型で焼いておいた同型の生地をのせて焼き上げることができる。
このようにすると、焼き上げ時にフィリングが加熱調理される、つまり、加熱殺菌されることになり、しかもそのままの状態で外皮に密封されることになるので、常温保存をしても極めて腐敗等の品質劣化が発生しにくい携帯可能食品とすることができる。外皮そのものは、柔軟であるとはいうものの焼き型で高温で表面を焼かれる為に腐敗等をそもそも発生しにくい。この特徴は、常温で携帯・輸送等されることの多い携帯可能食品にとって非常に好ましいものである。
また、実質的に液体状態の外皮の生地とフィリングが一体となって携帯可能食品として焼きあがる為、これらが容易に分離しないことも、片手で食する場合等に好ましい特徴である。同じ理由で、携帯可能食品内に余分な空間が出来ないため、輸送中の向きや振動でフィリングが偏るといった不都合が発生する懸念も無く、これも携帯可能食品にとって好都合である。
なお、外皮に風味をつけたり、着色したりといったことを任意に行えることは(1)に記載したとおりである。
(3)本発明は、前記外皮の投影形状は、長辺と短辺の長さ比が3:2以上の略長方形である、ことを特徴とする、(1)または(2)に記載の携帯可能食品とすることが好ましい。
本発明は素手で直接つかんで食することを想定した携帯可能食品であり、片手でつかんで容易に食せる形状であることが好ましい。そうすると投影形状が正方形に近い形状では、長い辺が発生するために食しにくい場合が生じ、また、フィリングが外皮からこぼれ落ちるというような不都合を生じやすい。また、携帯可能食品の長手方向に垂直な断面の面積は全体としての強度に大きな影響を与え、これは小さければ小さいほど強度が大きくなる。しかし、投影形状が正方形に近い形状では、最小断面面積が大きくなりがちであるので形状が不安定になり易。
そこで、本発明では投影形状を細長い略長方形形状とすることで、素手で直接つかんで食しやすくすると共に、前記断面面積を小さくすること形状が不安定になりにくいという効果を得ている。具体的には、長辺と短辺の長さ比を3:2以上としている。もちろん、長辺と短辺の比をさらに大きくして実質的には棒形状とすることも可能である。
(4)本発明は、前記外皮の投影形状は、長軸と短軸の長さ比が3:2以上の略楕円形である、ことを特徴とする、(1)または(2)記載の携帯可能食品とすることが好ましい。
本発明に係る携帯可能食品は片手でつかんで容易に食せる形状であることが好ましく、すでに説明した通り正方形に近い投影形状を有するよりは、細長い略長方形の投影形状を有するほうが好ましい。これと同様の理由により、円形に近い投影形状を有するよりは、細長い略楕円形(いわゆる小判形)の投影形状を有する方が好ましい。
略長方形形状ではなく、略楕円形状を選択する理由は、今川焼きの形状は伝統的にほぼ円形の投影形状とされることが多く、角ばった投影形状よりは角の無い略楕円形状の投影形状の方が消費者にとって違和感が少ないということがあげられる。また、外皮を焼き上げる際に、一方の面を焼いた後に他方の面を焼く為に裏返す必要のある場合があるが、この場合には、円形や楕円形の方が、角張った形状よりも裏返し易いという理由もある。ただし、これについては両面を同時に焼ける器具を使用する場合にはこの限りでは無い。
また、本発明に係る携帯可能食品のフィリングは米飯を含むことを特徴としているので、フィリングにはほとんど流動性がない。従って、外皮の投影形状が長方形に近いなど角ばった形状であると、頂点付近の部分にフィリングを詰めることが難しくなる。外皮の投影形状が正方形に近い場合にはこれはさほど問題にはならないが、外皮の投影形状を細長い略長方形形状とした場合には相対的に頂点付近の領域の割合が視覚上大きくなるため、問題になりえる。外皮の内部にあまり大きなフィリングの詰まっていない空間があると、一般に消費者は不満を抱くと想像されるからである。
ここで、外皮の投影形状を頂点の無い略楕円形状とすると、米飯を含む流動性の無いフィリングであっても、容易に全体に詰めることができる。この効果は特に携帯可能食品の大きさが小さい場合により顕著である。
また、携帯可能食品は携帯中や輸送中に、さまざまな向きとされたり、振動にさらされたりすることは容易に想定されることであり、このような場合に角を有していると、角が包装容器壁面や、隣接する携帯可能食品と衝突して、角が変形するなど外観状の不具合を生じ易い。ところが、略楕円形とすると、このような不具合を発生する懸念を大きく低減できるという効果も得られるのである。
(5)本発明は、前記フィリングには、少なくとも乾燥重量で50重量%以上の米を含む、ことを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれか1に記載の携帯可能食品とすることが好ましい。
すでに、携帯可能食品のフィリングに「菜脯」や「高麗菜」といったものが使用されている例があることは説明したとおりであるが、本発明に係る携帯可能食品は、あくまでも食事として食されることを意図したものであり、消費者にとっても食事としての「食べ応え」を感じられるものであることが好ましい。このため、フィリングには乾燥重量で50重量%以上の米を含むことが好ましい。米飯主体のフィリングは、少なくとも日本国内においては消費者に十分な食事としての「食べ応え」を通じた満足感を与え得るものだからである。
なお、ここに米とは、必ずしも一般に多く消費されるうるち米に限らず、もち米等であったり、あるいはこれらのブレンドであっても良い。フィリングの種類により、もっとも好ましい食感や味覚となるよう、米の種類を適宜選択すればよいのである。
(6)本発明は、前記フィリングは炊き込みご飯であることを特徴とする、(1)乃至(5)のいずれか1に記載の携帯可能食品とすることが好ましい。
炊き込みご飯とは、さまざまな具材を米と共に炊き上げたものであるが、日本国内の各地でさまざまな炊き込みご飯類が知られており、しかも季節感のあるものが多いなど、携帯可能食品の食事としてのバリエーションを確保するために極めて都合の良いフィリングである。
また、食材の中には水分が多く必ずしも本発明に係る携帯可能食品の具材には適さないものも少なくないが、炊き込みご飯の具材になるものであれば余分な水分は米飯が吸収するので零れ出すような事故も発生しない。
なお、炊き込みご飯とは、通常はうるち米やもち米またはこれらを混合したものと各種具材をともに炊き上げたものであるが、本発明に係る携帯可能食品についての炊き込みご飯には、うるち米やもち米またはこれらを混合したものを炊き上げたものに各種具材を混合したいわゆる混ぜご飯や、もち米を蒸して調理されるおこわ類を含み、さらに雑穀類を混合したものであっても良い。要は、米飯と他の食材を混合したものを炊き込みご飯と称しているのである。
(7)本発明は、前記フィリングはすし飯であることを特徴とする、(1)乃至(5)のいずれか1に記載の携帯可能食品とすることが好ましい。
すし飯とは、炊き上げた米飯を調味液と混合して水蒸気を逃がしながら常温まで冷却したものである。また、この際またはこの後、ゴマや佃煮類といった具材と混合されることもある。
すし飯は、通常やや硬めに水分を少なく炊き上げられるもので、そもそも携帯可能食品として適している。加えて、すし飯には食酢を含む調味液が混合されることが通常であるので、食酢の作用によって常温で保存されても腐敗しにくいという特徴が得られる。これは、常温で携帯されることが多い携帯可能食品として非常に好ましい特徴である。
(1)本発明に係る携帯可能食品では、米飯を含むフィリングが、小麦粉と水を主要な原料とする柔軟な外皮で包まれている携帯可能食品としたので、消費者が素手で直接つかんで食しても手指が汚れることが無く、携帯時の向きや振動によっても不都合が生じにくい。しかも、フィリングが炊き込みご飯のようにふっくらとした食材である場合であっても、消費者が違和感を感じることが無いという効果が得られる。
また、外皮にさまざまな風味を与えたので、本発明にかかる携帯可能食品の食事としてのバリエーションを豊かにすることができる。例えば、ゴマや海苔は、通常の食事としても米飯と共に食されることの多い食材であり、これらの風味を付与された外皮とすることで、食事の一環として食することに好適な携帯可能食品とすることができる。
さらに、強い殺菌作用を有するとされるわさびや梅干(梅肉)、抹茶を外皮に添加したので、上記に加えて、これら食材の有するとされる殺菌作用によって常温で保存しても腐敗等が発生しにくいという顕著な効果が得られる。
また、外皮の生地に使用する卵を卵白のみとし、卵黄を使用しないこととすることで、着色がほとんど無い(つまり白色)外皮が得られるので、外皮を、風味やフィリングに応じて容易に着色することができ、消費者に視覚を通じた訴求力を有する携帯可能食品を提供できるという効果が得られる。
(2)本発明に係る携帯可能食品では、外皮とフィリングを一体に焼き上げたので、フィリングが加熱調理されたそのままの状態で外皮で密封され、水分が多いフィリングであっても腐敗等の劣化を極めて発生しにくいという効果が得られる。このため、常温で携帯・輸送等されることの多い携帯可能食品として非常に好ましいものとなる。
また、外皮とフィリングが一体となって焼きあがる為、これらが容易に分離せず、片手で食する場合等に好ましい他、輸送中の向きや振動でフィリングが偏るといった不都合が発生する懸念も無いという効果が得られる。
(3)本発明に係る携帯可能食品では、外皮の投影形状は、長辺と短辺の長さ比が3:2以上の略長方形としたので、強度が高く形状が安定しており、しかも片手でつかんで容易に食せるという効果が得られる。
(4)本発明に係る携帯可能食品では、外皮の投影形状は、長軸と短軸の長さ比が3:2以上の略楕円形としたので、強度が高く形状が安定しており、しかも片手でつかんで容易に食せるという効果が得られる。
また、携帯可能食品の製造が角型のものよりも容易であり、生産性が高くなるという効果も得られる。
(5)本発明に係る携帯可能食品では、フィリングには、少なくとも乾燥重量で50重量%以上の米を含むこととしたので、消費者にとって食事としての「食べ応え」を感じられる、満足感ある携帯可能食品とすることができるという効果が得られる。
(6)本発明に係る携帯可能食品では、フィリングを炊き込みご飯としたので、地域性や季節感のある携帯可能食品とすることができ、食事としてのバリエーションを十分に確保可能となるという効果が得られる。
(7)本発明に係る携帯可能食品では、フィリングをすし飯としたので、食事として消費者の満足を得られるのみならず、保存性が高く腐敗等の劣化が極めて発生しにくい携帯可能食品となるという効果が得られる。
本発明の一実施例を示した説明図である。 本発明の一実施例を示した説明図である。 本発明の一実施例の断面を示す説明図である。
以下、図面を用いて本発明に係る携帯可能食品の実施例について説明を行う。
図1は、本発明に係る携帯可能食品の一実施例を示す説明図である。また、図3は、同図中のA−A’部の断面の様子を示す説明図である。
本実施例に係る携帯可能食品(1)は、投影形状が略楕円形(いわゆる小判形)とされており、その長軸と短軸の長さはそれぞれ約12cm及び約8cmとしている。また、厚みは約3cmとしている。携帯可能食品(1)は外皮(2)に包まれた構造であるので、その外形は外皮(2)の寸法で決定している。
断面図である図3から明らかなように、携帯可能食品(1)は、小麦粉,卵,砂糖,水,ベーキングパウダーを含む生地が焼かれて出来た外皮(2)に、炊き込みご飯であるフィリング(3)が包まれた構造である。なお、本実施例に係る携帯可能食品(1)においては、外皮(2)とフィリング(3)は容易に分離できず、その境界はほぼ一体となっている。また、外皮の生地に添加される砂糖の量は、今川焼き等の外皮の生地に添加される砂糖の量よりも少なくされており、外皮を食した際に砂糖の甘みはほとんど感じない。
本実施例に係る携帯可能食品は、次のように製造される。すなわち、小麦粉,卵,砂糖,水,ベーキングパウダー等を混ぜ合わせて調整された生地を、略楕円形のくぼみを設けた鉄板に流し込む。次に、これの上に別途調理された炊き込みご飯をのせ、さらにこの上から、炊き込みご飯が隠れる程度に生地をのせる。この状態で、一方の面が十分に焼ければ、裏返して他方の面も同様に焼く。
このように、実質、液体状態の生地に炊き込みご飯を包んで焼き上げる為、炊き込みご飯であるフィリングと外皮が密着して、その境界が曖昧でほぼ一体となって仕上がる。
ところで、以上では特に触れていないが、フィリングとして使用する炊き込みご飯や、外皮に付与する風味や着色は、携帯可能食品の食事としてのバリエーションを豊かにする目的でさまざまなものを使用可能なものである。例えば、炊き込みご飯として、いわゆる栗ご飯やたけのこご飯、豆ご飯、松茸ご飯や鯛めしなど、さまざまなものを使用可能であることは言うまでも無い。
さらに、焼き飯類のようなフィリングを使用することも可能であり、さらに、パエリアやピラフのようなものであっても、フィリングに乾燥重量で50重量%以上の米を含んでいる限り、自由に本発明に適用可能である。
また、この際、外皮にゴマや海苔、梅(梅干)やわさびといった食材を添加するなどしてフィリングに合わせた風味付けをすることが可能である。さらに、フィリングの種類や外皮の風味に合わせて、外皮に適当な着色を行うことも自由である。着色は、風味付けに使用する食材そのものによっても良く、必要に応じて食用色素を添加しても良い。
なお、炊き込みご飯とは、通常はうるち米やもち米またはこれらを混合したものと各種具材をともに炊き上げたものであるが、本発明においてはうるち米やもち米またはこれらを混合したものを炊き上げたものに各種具材を混合したいわゆる混ぜご飯や、赤飯のように蒸すことによって調理する、一般におこわと呼ばれるような食材をも含むものとしている。
加えて、本実施例では片面ずつ焼き上げることで携帯可能食品を製造したが、両面を同時に焼くことが可能な焼き型を使用しても良い。また、フィリングの上に生地をのせる代わりに、別の型で焼いた外皮を重ねるようにしても良い。
図2は、本発明に係る携帯可能食品の別の一実施例を示す説明図である。この実施例においても、断面図(同図中のA−A’部等)の断面は、実施例1の場合(図3)とほとんど同じに現れるため、断面図は省略する。
本実施例に係る携帯可能食品(1)は、投影形状が略長方形とされており、その長辺と短辺の長さはそれぞれ約12cm及び約6cmとしている。また、厚みは約4cmとしている。
本実施例は、その形状以外は実施例1とほぼ同様のものとすることができるが、フィリングとしてすし飯を使用している。すしは、一般に直方体形状とされることが多く、これに近い風味の携帯可能食品では、すしを連想し易い形状とすることが、消費者の違和感を少なくすることが可能で好ましいのである。
以上のように、本発明は直接素手でつかんで食しても手を汚すことがなく、また携帯時の向きや振動によっても不都合を生じにくく、しかも、フィリングがふっくらとした食材である場合であっても、消費者が違和感を感じることが無い、携帯性に優れた携帯可能食品を提供するものであり、産業上の価値はきわめて高い。
1 携帯可能食品
2 外皮
3 フィリング

Claims (7)

  1. 米飯を含むフィリングが、小麦粉と水を主要な原料とする柔軟な外皮で包まれていることを特徴とする、携帯可能食品。
  2. 前記外皮は、前記フィリングと一体に焼き上げられたことを特徴とする、請求項1に記載の携帯可能食品。
  3. 前記外皮の投影形状は、長辺と短辺の長さ比が3:2以上の略長方形である、ことを特徴とする、請求項1または請求項2記載の携帯可能食品。
  4. 前記外皮の投影形状は、長軸と短軸の長さ比が3:2以上の略楕円形である、ことを特徴とする、請求項1または請求項2記載の携帯可能食品。
  5. 前記フィリングには、少なくとも乾燥重量で50重量%以上の米を含む、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1の請求項に記載の携帯可能食品。
  6. 前記フィリングは炊き込みご飯であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1の請求項に記載の携帯可能食品。
  7. 前記フィリングはすし飯であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1の請求項に記載の携帯可能食品。
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