JP2011187405A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明は、着脱可能なヒータを有する加熱調理器において、キャンセルカバーまたはキャンセルリングを用いて、食材の加熱に寄与しない漏れ磁束を抑制することにより、電力損失を低減し、加熱効率が改善することを目的とする。
【解決手段】本願発明に係る加熱調理器は、加熱庫と、前記加熱庫の内部に配置された電気的に閉じた導電体からなるヒータと、前記加熱庫の外部に配置されたコイルと、前記コイルに高周波電流を供給する電源回路と、前記コイルから生じる高周波磁束が前記ヒータと鎖交するように配置された磁性体と、前記磁性体の一部を包囲するように前記加熱庫の外部に配置されたキャンセルカバー、および前記加熱庫と前記磁性体との間に配置されたキャンセルリングのうちの少なくともいずれか一方とを備えたことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本願発明は加熱調理器に関し、とりわけグリル、オーブン、ロースタなどの加熱庫を有する加熱調理器に関する。
いわゆるIHクッキングヒータ(Induction Heating:電磁誘導加熱式調理器)の多くは、焼き魚などを調理するための加熱庫を有する。加熱庫は、一般にグリル、オーブン、ロースタとも呼ばれ、シーズヒータ、ラジエントヒータまたはセラミックヒータなどの電気抵抗式ヒータを含む。
IHクッキングヒータの他にも、このような電気抵抗式ヒータを用いた加熱庫を有する加熱調理器として、オーブンレンジやオーブントースタなどが一般に知られている。これらの加熱調理器は、電源から給電端子を介して電力供給された電気抵抗式ヒータが、通電によるジュール熱で発熱することにより、加熱庫内に配置された食材を加熱調理するものである。すなわち加熱庫内の食材は、電気抵抗式ヒータで加熱された加熱庫内の高温空気による対流、または高温の電気抵抗式ヒータからの輻射熱により加熱される。
このような従来式の多くの加熱庫によれば、電気抵抗式ヒータは加熱庫内に固定され、給電端子に固定的に接続されているため、加熱庫から着脱することはできなかった。しかしながら、電気抵抗式ヒータは、加熱庫において食材から生じる油煙が付着するので、容易に清掃できるように、電気抵抗式ヒータを加熱庫から容易に着脱できる加熱調理器が望まれていた。
これまでにも、ヒータを加熱庫から着脱可能にして利便性を高めようとした加熱調理器が提案されている。
たとえば特許文献1に記載の従来式のオーブンレンジは、加熱庫の上面壁(天井)に断熱部材を介して高周波磁界発生手段であるコイルが配置され、これに電力変換器から高周波電力を供給して加熱庫の上面壁を加熱することにより、加熱庫内の食材を上方から輻射加熱しようとするものである。
特許文献1のオーブンレンジは、加熱庫の側面壁に設けた誘導コイルと、加熱庫に対して取り出し自在に構成されたオーブン皿の脚部に埋め込まれた、誘導コイルに対向する被誘導コイルとを有し、誘導コイルに高周波電流を供給することにより、被誘導コイルに無接点で高周波電流を誘導し、被誘導コイルに電気的に接続されたヒータを発熱させてオーブン皿およびその上に載置された食材を加熱することができる。特許文献1のヒータはオーブン皿内に埋め込まれたリボン状または線状の発熱体である。
そして特許文献1の誘導コイルおよび被誘導コイルは、それぞれU字状フェライトコアの両脚部に導線を捲回してなり、各フェライトコアの両脚部が対向するように構成されているので、電磁誘導により(電気接点を介することなく)、かつ漏れ磁束を生じることなく、高い信頼性および安全性をもって効率的にオーブン皿(ひいてはその上に載置された食材)を加熱することができる。
また特許文献2に記載の別の従来式のオーブンレンジは、取り出し自在に構成されたオーブン皿の外周部分を左右2ヶ所から誘導加熱するための加熱コイルが設けられている。オーブン皿は、少なくともその被加熱部分にホーロー(琺瑯)被膜を施した鉄板などの磁性体を有する。また加熱コイルは、裁縫ミシン等で用いられるボビンのように巻かれたコイルと、コイルの発生する磁束をオーブン皿に効率的に供給するコアとから構成されている。コアはたとえばU字型であり、磁束はコアおよびオーブン皿の外周部分により閉磁路を形成し、高周波磁束が他の部分に漏れないようにしている。オーブン皿は、その下面側が磁性ステンレス等の磁性材料で構成され、その上面側がアルミニウムまたは銅等の高熱伝導性材料で構成されている。コイルおよびコアで発生する磁束により磁性材料が誘導加熱され、この発生熱は、高熱伝導性材料からなるオーブン皿全体に伝達される。
IHクッキングヒータは、一般に、トッププレートの下方に配設された円盤状の誘導加熱コイルに高周波電料を供給することにより、その周囲に交流磁場を形成し(交流磁場がトッププレート上に載置された鍋に鎖交し)、鍋に渦電流を形成して、鍋自体を加熱するものである。このとき、誘導加熱コイルの周囲に形成された交流磁場のうち、鍋の加熱に寄与しない漏洩磁束が発生し、輻射雑音や周辺機器の制御回路の誤動作等の原因となり得る。
そこで特許文献3に記載されたIHクッキングヒータは、誘導加熱コイルの半径方向の外縁周囲に配設されたアルミニウムや銅等からなる環状の電磁シールド部材を有し、漏洩磁束を効果的に抑制しようとするものである。
また特許文献4に記載されたIHクッキングヒータは、アルミニウムなどの非磁性導電材からなる仕切板を加熱コイルの下方に配設することにより、仕切板に渦電流を発生させ、磁束が仕切板より下方に漏れないように構成されている。
特開平6−42761号公報 特開平6−18044号公報 特開昭57−115795号公報 特開2009−283393号公報
上記特許文献に記載された加熱調理器が有する問題点について以下説明する。
特許文献1に記載されたオーブンレンジにおいては、U字状フェライトコアに捲回された被誘導コイルと、これに電気的に接続されたリボン状または線状の発熱体とを高熱伝導性のセラミックからなるオーブン皿に埋め込む必要があり、製造工程が複雑となり、被誘導コイルが埋め込まれるオーブン皿の脚部が肥大化する。また特許文献1には、高周波磁場で駆動することによりコイルを小型化すること、ならびにコアを必要としない空心コイルを用いることが記載されているものの、オーブン皿の脚部の肥大化は避けられず、製造工程の煩雑化も解消されない。さらにオーブン皿は、調理時において高温になるところ、とりわけ被誘導コイルを形成する導線の被覆部材には高い耐熱性が要求されるので、被誘導コイルの製造コストが嵩み、被誘導コイルの導線と発熱体との間の電気接続における信頼性を維持することは容易でない。
また特許文献2に記載されたオーブンレンジは、鉄などの磁性材料で構成されたオーブン皿の外周部を、加熱庫の側面壁に配置された加熱コイルを用いて誘導加熱するものであるが、オーブン皿の中央部は外周部ほど高温にならず(温度のばらつきが大きく)、オーブン皿の中央部の上に載置された食材を十分に加熱することができない。また、オーブン皿の中央部にも十分な熱を伝えるべく高熱伝導性材料の厚みをより大きくすると、オーブン皿が全体的に厚く重くなるので、加熱庫内の有効容積が小さくなり、重くて取扱が不便になるといった問題点がある。
特許文献3および特許文献4に記載のIHクッキングヒータは、アルミニウムや銅等からなる電磁シールド部材を用いて、漏洩磁束を抑制するものであるが、ヒータを加熱庫から自在に着脱できる清掃性の高いグリルやオーブンなどの加熱庫については何ら示唆するものではない。
本願発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構造により着脱可能なヒータを有する加熱調理器を提供し、とりわけ食材の加熱に寄与しない漏洩磁束を抑制して、電力損失が小さく(すなわち加熱効率が高い)加熱調理器を実現することを目的とする。
本願発明に係る加熱調理器は、加熱庫と、前記加熱庫の内部に配置された電気的に閉じた導電体からなるヒータと、前記加熱庫の外部に配置されたコイルと、前記コイルに高周波電流を供給する電源回路と、前記コイルから生じる高周波磁束が前記ヒータと鎖交するように配置された磁性体と、前記磁性体の一部を包囲するように前記加熱庫の外部に配置されたキャンセルカバー、および前記加熱庫と前記磁性体との間に配置されたキャンセルリングのうちの少なくともいずれか一方とを備えたことを特徴とするものである。
本願発明によれば、着脱可能なヒータを有する加熱調理器において、キャンセルカバーまたはキャンセルリングを用いて、食材の加熱に寄与しない漏れ磁束を抑制することにより、電力損失を低減し、加熱効率が改善された加熱調理器を実現することができる。
本願発明に係る実施の形態1による加熱調理器を示す断面図である。 実施の形態1に係るコイルユニットを後方から見たときの斜視図である。 図2のコイルユニットおよびキャンセルカバーの分解斜視図である。 図1のコイルユニットを拡大した断面図である。 図4と同様の断面図であって、磁性体の周囲の漏れ磁束を示す。 図4および図5と同様の断面図であって、本願発明に係るキャンセルカバーおよびキャンセルリングの好適な配置位置を示す。 図3と同様の斜視図であって、冷却ファンが設けられたキャンセルカバーを示す。 ヒータを収容したコイルユニットを前方から見た斜視図である。 図1と同様の断面図であり、前壁と連動してスライド移動する脂受け皿および焼き網を示す。 図1のヒータ、平面コイルおよび磁性体を前方から見た斜視図である。 被加熱体であるブロックの温度上昇の時間推移を示すグラフである。 本願発明に係る加熱調理器の被加熱体の温度上昇に対する、比較例の加熱調理器の温度上昇比率の時間推移を示すグラフである。 実施の形態2に係るキャンセルカバーおよびコイルユニットを後方から見た斜視図である。 実施の形態2の変形例によるキャンセルカバーおよびコイルユニットを後方から見た斜視図である。 実施の形態2に係るキャンセルリングおよびコイルユニットを前方から見た斜視図である。 実施の形態2の変形例によるキャンセルリングおよびコイルユニットを後方から見た斜視図である。 実施の形態3に係る加熱調理器1を図1の切断面に対して垂直な切断面において前壁から後壁に向かって見た断面図である。 図10に示すヒータ、平面コイルおよび磁性体のみを前方から見た斜視図である。 実施の形態4に係るコイルユニットを示す図3と同様の断面図である。 実施の形態5に係るコイルユニットを示す図3と同様の断面図である。
以下、添付図面を参照して本願発明に係る加熱調理器の実施の形態を説明する。各実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば、「上」、「下」、「右」、および「左」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものでない。また以下の添付図面において、同様の構成部品については同様の符号を用いて参照する。
なお本願発明に係る加熱調理器は、各実施の形態において、IHクッキングヒータに好適に用いられる加熱庫について説明するが、他の形態を有するオーブンレンジやオーブントースタ等にも同様に採用することができる。
実施の形態1.
図1は、本願発明に係る実施の形態1の加熱調理器1を示す断面図である。
本願発明に係る加熱調理器1は、概略、加熱庫(箱状筐体)10と、その内部に配置されたヒータ11a,11bと、ヒータ11a,11bに誘導電流を流すコイルユニット20と、コイルユニット20に高周波電流を供給する電源回路(図示せず)と、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40とを有する。図2は実施の形態1に係るコイルユニット20のみを後方から見たときの斜視図であり、図3はコイルユニット20にキャンセルカバー30を取り付ける前の分解斜視図である。上記各構成部品について、以下詳細に説明する。
加熱庫10は、上壁12a、下壁12b、垂直方向に延びる左右の側壁(ここでは図示せず)および前壁13aおよび後壁13bを有する(これらを総称して加熱庫10の「壁部」14という)。各壁部14(たとえば上壁12a)は、必要に応じて断熱材(または空気層)を介在する二重断熱構造を有するもの(図1)であってもよい。また加熱調理器1は、加熱庫10、コイルユニット20およびキャンセルカバー30のさらに外側周囲に配置された外枠筐体15を有する。
本願発明に係る加熱調理器1がIHクッキングヒータのグリルとして利用される場合、加熱庫10およびコイルユニット20は、鍋を載置するトッププレート(図示せず)の下方に配置される。各壁部14は、任意の金属で構成することができるが、たとえば鉄板(亜鉛めっき鋼板、炭素鋼板などの鋼板を含む)や、磁性または非磁性のステンレス鋼板であってもよい。
実施の形態1に係るコイルユニット20は、図1および図2に示すように、水平方向に延びる一対の溝部または凹部21を有する断熱基板22と、加熱庫10の後壁13bに平行な平面上に螺旋状に捲回されてなる平面コイル23と、平面コイル23の少なくとも一部を包囲し、断熱基板22の凹部21を覆う開口部24(図4)を有するコ字状断面の磁性体25a,25bとを有する。
コイルユニット20は、キャンセルリング40を介し、ねじやシリコン系耐熱性接着剤などの任意の接合手段を用いて加熱庫10の後壁13bに接合される。
断熱基板22は、セラミックなどの耐熱性があり非磁性の絶縁物で形成される。また任意であるが、断熱基板22と平面コイル23の間に断熱基板22の凹部21を覆う、セラミックウールなどからなる断熱材26a,26bを設けることにより、高温となる断熱基板22(加熱庫10内部)から平面コイル23に伝わる熱量を抑制するようにしてもよい。また追加的または択一的には、断熱基板22と平面コイル23の間に空気層または空気の流れを形成して加熱庫10から平面コイル23への熱を遮断するようにしてもよい。
断熱基板22の凹部21(磁性体25a,25bの開口部24)は、電気的に閉じた(ループ状の)導電体からなるヒータ11a,11bの一部を着脱自在に支持(収容)するためのものであり、加熱庫10の側壁にもヒータ11a,11bを支持する棚部(図示せず)を有し、ヒータ11a,11bをより安定的に支持または保持することが好ましい。
コイルユニット20の平面コイル23は、図2に示すように、任意の絶縁被膜導線を捲回してなり、たとえば直径0.3mmの銅線を絶縁性樹脂などで被覆した被覆銅線を38本撚りにした、いわゆるリッツ線を16回平面状に捲回して、その外形が略長方形または略長楕円形となるように形成したものであってもよい。
上述のように、平面コイル23は、磁性体25a,25bと断熱基板22(または断熱材26)との間に挟持される。この平面コイル23の一部は、同一方向に配向されているので、電源回路から高周波電流が供給されたとき、開口部24に収容されたヒータ11a,11bの一部を含む磁性体25a,25bの周囲において、同一方向の高周波磁場が形成される。そしてヒータ11a,11bの周りで生じた高周波磁場により、電気的に閉じた形状を有する導電材料からなるヒータ11a,11bに誘導電流が生じるため、ジュール熱により発熱したヒータ11a,11bが加熱庫10の内部(および食材)を直接的に加熱することができる。このように本願発明によれば、平面コイル23に高周波電流を供給することにより、高周波磁場を介して(電気的な接点なく)、ヒータ11a,11bに実質的な大電流を流して、食材を効率的に調理することができ、調理後においてはヒータ11a,11bを加熱庫10から容易に取り外して清掃することができる。
図4は、図1のコイルユニット20を拡大した断面図である。
各磁性体25は、図示のように、基部27とこれより互いに平行に延びる一対の側部28a,28bとを有し、コ字状断面を有する。また各磁性体25は、一般のIHクッキングヒータで広く用いられているフェライトコアと同様の強磁性体材料を用いて形成してもよい。さらに、図2の平面コイル23の略長方形の長手方向においては、2つずつの磁性体25a,25bが設けられているが、1つずつまたは3つずつ、あるいはそれ以上の磁性体を配置してもよい。また磁性体25a,25bは、断熱基板22(または断熱材26a,26b)との間で平面コイル23の一部を挟持するものであれば任意の寸法を有し、たとえば厚みが5mmで、長手方向(水平方向)の長さが60mmであってもよく、鉛直方向の幅は必要以上に大きくする必要はない。
また図4は、電源回路から平面コイル23に高周波電流を供給した際に、磁性体25a,25bの周囲により生じる磁束(磁気回路)を示す。図4に示す高周波磁束(φ1,φ2,φ3)は、各磁性体25の基部27、側部28a,28b、および開口部24を通る磁気回路において形成される。この磁気回路における磁気抵抗は、各磁性体25の基部27、側部28a,28bにおいて小さく、開口部24において実質的に大きく、そして側部28a,28bが平行に延びていることから、側部28a,28bの間の磁束密度はほぼ一様となる。後により詳細に説明するように、側部28a,28bの間に生じる高周波磁束の多くは、開口部24に収容されたヒータ11a,11bに有効に誘導電流を形成するものであり、ヒータ11a,11bに流れる誘導電流によるジュール熱により加熱庫10内の食材を効率的に加熱することができる。
このとき、図4と同様の断面図である図5に示すように、各磁性体25を通る高周波磁束の一部が開口部24を通らず、各磁性体25から加熱庫10の外側(すなわち外枠筐体15)に向かって、もしくは加熱庫10の内側(すなわち加熱庫10の上壁12a、下壁12b)に向かって漏れることがある。各磁性体25から加熱庫10の外側および内側に向かって漏れる磁束を、それぞれ以下「外向き漏れ磁束」および「内向き漏れ磁束」という。外向き漏れ磁束および内向き漏れ磁束は、高周波磁束であり、とりわけ加熱庫10および外枠筐体15が鉄などの強磁性材料で形成されている場合には、各磁性体25に隣接する加熱庫10および外枠筐体15を誘導加熱することがある。したがって、電源回路に投入した電力の一部が、ヒータ11a,11bの加熱に寄与せず、磁性体25a,25bに隣接する加熱庫10および外枠筐体15を誘導加熱することから、電力損失が増大し、電力変換効率が低減するおそれがある。
そこで本願発明は、「外向き漏れ磁束」および「内向き漏れ磁束」を打ち消す(磁束を遮断する)ように、アルミニウムや銅などの高導電率を有する非磁性金属で作製されたキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を配置する。図6は、図4および図5と同様の断面図であって、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40の好適な配置位置を示す断面図である。
キャンセルカバー30は、貫通孔31を有する矩形形状の金属板(厚さがたとえば1〜2mm)をコ字状に折り曲げて形成され、ねじや接着剤などの任意の接合手段を用いてコイルユニット20に取り付けられる。すなわちキャンセルカバー30は、貫通孔31を有する背壁32と、背壁32から水平方向に延びる一対の脚壁33a,33bとを有し、各脚壁33a,33bは、磁性体25a,25bの一部を包囲し、背壁32とともに閉回路を形成している(図3)。このときキャンセルカバー30は、上側および下側に設けた磁性体25a,25bに隣接する金属板(脚壁33a,33b)を電気的に接続して閉回路を形成するものであれば、断面形状がコ字状に加工されたものに限定されることはなく、任意の形態を有していてもよい。
このようにキャンセルカバー30は、高導電率を有する非磁性金属で形成されているので、磁性体25a,25bから生じた外向き漏れ磁束による誘導加熱で生じるジュール熱は小さく、磁性体25a,25bの外側の一部を包囲する閉回路を形成するように構成されているので、磁性体25a,25bから生じた外向き漏れ磁束を相殺して、電力損失を低減し、電力変換効率を改善することができる。
より好適には、磁性体25a,25bの側部28a,28bから生じる外向き漏れ磁束を確実に相殺するために、キャンセルカバー30の脚壁33a,33bは、磁性体25a,25bの開口部24を越えて加熱庫10に向かって(図6のA−B線より加熱庫10の方へ)延びるように構成される。
なおキャンセルカバー30の貫通孔31には、図7で示すように、平面コイル23に風を当てて冷却するための冷却ファン34を設けてもよい。このときキャンセルカバー30は、外向き漏れ磁束を相殺する機能とともに、冷却風の風路となる風洞を形成する機能を有する。
図8は、ヒータ11a,11bを収容したコイルユニット20を前方から見た斜視図である。
上述のように、加熱庫10は後壁13bを有し、後壁13bにはコイルユニット20を嵌合するユニット開口部16(図1)を有する。
キャンセルリング40は、高導電率を有する非磁性金属からなるリング状の金属板(厚さがたとえば1〜2mm)であって、電気的な閉回路を形成する。またキャンセルリング40は、後壁13bのユニット開口部16の周りであって、加熱庫10の後壁13bとコイルユニット20の断熱基板22との間に(図6のA−B線より加熱庫10側に隣接した位置に)配置される。こうしてキャンセルリング40は、磁性体25a,25bの側部28a,28bから生じる内向き漏れ磁束を相殺することにより、電力損失を低減し、加熱効率を改善することができる。
後述する実施例において、本願発明に係るキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を用いて、漏れ磁束を相殺することにより、加熱調理器1の電力損失が著しく低減され、加熱効率が改善されることを具体的に説明する。
なお加熱庫10の壁部14が、たとえば非磁性のステンレスや銅合金、アルミニウム合金などの非磁性金属で形成された場合であっても、これらの非磁性金属はアルミニウムや銅に比べて体積抵抗率が大きいので、同様にアルミニウムや銅からなるキャンセルリング40およびキャンセルカバー30を設けて漏れ磁束を相殺することが好ましい。
ここで再び図1を参照すると、加熱庫10は、前壁13aに固定された、スライドレール上を前後方向にスライド可能な脂受け皿17および焼き網18を有する。これらの構成部品の構造については、従来式のIHクッキングヒータの加熱庫の脂受け皿および焼き網と同様のものである。図9は、図1と同様の断面図であり、加熱庫10の前壁13aを引き出すと、脂受け皿17および焼き網18が連動してスライド移動して、焼き網18上の食材を出し入れすることができる。ただし、ヒータ11a,11bは、前壁13aと連動してスライド移動するものではないが、ユーザにより手動にて容易に着脱することができ、清掃しやすいように構成されている。
次に加熱調理器1の動作について詳細に説明する。
図10は図1に示すヒータ11a,11b、平面コイル23および磁性体25a,25bのみを前方から見た斜視図である。電源回路からコイルユニット20の平面コイル23に20〜100kHzの高周波電流(コイル電流)を供給すると、平面コイル23の周囲に高周波磁束が発生する。この高周波磁束は、先に図4を参照して説明したように、主として磁性体25a,25bを通り、磁性体25a,25bに包囲されたループ状導電体からなるヒータ11a,11bと鎖交することにより、ヒータ11a,11bに電磁誘導による高周波の誘導電流が流れる。すなわち平面コイル23、ヒータ11a,11b、およびこれらの間に配置された磁性体25a,25bは、平面コイル23の巻数をN、ヒータの巻数を1としたN:1のトランス(変圧器)を構成すると考えることができる。実施の形態1の平面コイル23は、たとえば16回捲回されるので、実質的に大きい誘導電流がヒータ11a,11bに流れ、誘導電流の大きさの2乗およびヒータ11a,11bの電気抵抗に比例するジュール熱が生じ、加熱庫10内の食材を効率的かつ直接的に加熱調理することができる。また、ヒータ11a,11bを同一材料で、実質的に均一の断面積を有するように形成したとき(抵抗率および断面積を一定としたとき)、単位長さ当たりのヒータ11a,11bに生じるジュール熱は一定であるから、加熱庫10内の食材は、配置位置によらず均一に加熱することができる。
本願発明者らは上記加熱原理に基づいた加熱調理器を発明し、別途すでに特許出願しており(特願2009−196435号)、当該特許出願の内容はここに一体のものとして参考に統合される。
またヒータ11は、詳細図示しないが、磁性体25に包囲された低抵抗部19aと、それ以外の高抵抗部19bとを有し、これらを溶接等によりループ状に接合してヒータ11を構成してもよい。たとえばヒータ11の低抵抗部19aおよび高抵抗部19bはそれぞれ、同一の金属材料からなる(ステンレス製の)中実棒および中空パイプで形成してもよいし、抵抗率の低い金属(銅など)および抵抗率の高い金属(ステンレスなど)の異なる金属材料を用いて形成してもよい。さらにヒータ11は、金属材料に限定されず、炭素など導電性を有する非金属材料を用いて形成することもできる。
図4を参照して説明したように、電源回路から高周波電流を供給された平面コイル23は、各磁性体25の基部27、対向する側部28a,28b、および開口部24を通る磁気回路に高周波磁束を形成し、磁性体25の磁気抵抗は空気より小さいので、開口部24を横断する(すなわち対向する側部28a,28b間を通る)高周波磁束(φ1,φ2,φ3)の磁束密度は、位置によらずほぼ一様となる。
磁束φ1は、ヒータ11と鎖交するので、電磁誘導によりヒータ11に効率的に誘導電流を生じさせるものである。また磁束φ2はヒータ11を貫通し、ヒータ11と鎖交して誘導電流を生じさせるとともに、ヒータ11に渦電流を形成してヒータ11を直接的に誘導加熱するものである。さらに磁束φ3は、ヒータ11と鎖交せず、ヒータ11に誘導電流を生じさせるものでなく、平面コイル23のインダクタンスに磁気エネルギとして蓄えられるものである。
すなわちヒータ11は、誘導電流で生じるジュール熱により全体的に加熱されるが、磁性体25に包囲された低抵抗部19aは、とりわけ高周波磁束φ2に起因する渦電流で生じるジュール熱により追加的に加熱されるので、高抵抗部19bより高温になりやすい。
本願発明に係る加熱調理器は、加熱庫10内部に着脱可能に配置されたヒータ11に電磁誘導による誘導電流で生じるジュール熱を利用して食材を均一に加熱するものであるが、ヒータ11に隣接して配置される平面コイル23は、ヒータ11から伝熱して高温となり、平面コイル23の動作信頼性を損なうおそれがある。平面コイル23をより低温に維持して、平面コイル23の高い信頼性を担保するめためには、平面コイル23とヒータ11との間に設けられる断熱基板22(および断熱材26)をより断熱効果の高い構成材料を用いて、より厚くなるように設計する必要がある。ただし、こうした断熱効果の高い断熱材料は高価であり、より厚く設計すると、容積が嵩み小型化を阻害するので好ましくない。
そこで上述のように、磁性体25に包囲されたヒータ11の一部を電気抵抗のより小さい低抵抗部19aとして設計し、低抵抗部19aにおける誘導電流によるジュール熱を低減し、電気抵抗のより大きい高抵抗部19bにおいてより多くのジュール熱を発生させて、加熱庫10内の食材を有効に調理することが極めて好ましい。
また好適には、磁性体25に包囲された低抵抗部19aは、渦電流で加熱されない非磁性金属で形成され、高抵抗部19bは、磁性金属および非磁性金属のいずれであってもよい。
なお図1に示す上側のヒータ11aは、加熱庫10内部の有効容積を増大させるために、上方に折れ曲がった形状を有するが、これに限定されることはない。また上側および下側のヒータ11a,11bは同一または類似の形状を有するものであってもよいし、まったく異なる形状を有していてもよい。さらにヒータ11a,11bはパイプ状または棒状のもの以外に、板状のものであってもよい。
次に、具体的な実施例において、本願発明に係る加熱調理器1におけるキャンセルカバー30およびキャンセルリング40による電力損失の低減および加熱効率の改善に関する効果について以下説明する。
上述の実施の形態1に係るキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を有する加熱調理器Aと、比較のために、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40の有無を除いて同一の構成を有する加熱調理器B〜D(比較例)とを用意し、同一駆動条件で駆動したときの被加熱体の温度上昇を測定した。
具体的には、加熱調理器Aはキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を有し(本願発明に係る実施の形態1)、加熱調理器Bはキャンセルカバー30を有して、キャンセルリング40を有さず、加熱調理器Cはキャンセルカバー30を有さず、キャンセルリング40を有し、加熱調理器Dはキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を両方とも有さない。各加熱調理器A〜Dにおいて、加熱庫10、ヒータ11a,11b、磁性体25、平面コイル23、冷却ファン34、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40等の構成は実施の形態1で説明した通りである。
電源回路として、従来式のIHクッキングヒータで広く用いられたハーフブリッジ回路(インバータ回路)と同様のものを用いた。加熱調理器A〜Dの平面コイル23は、直列接続された共振コンデンサとともにハーフブリッジ回路の出力端に接続し、26kHzの高周波電流を供給した。
被加熱体として、加熱庫10内の焼き網18上に、長さ200mm、幅50mm、高さ25mmの黒塗りしたアルミニウム製ブロックを2個配置し、一方のブロックの中央付近に深さ10mmの孔を穿ち、その孔に熱電対センサ(図示せず)を挿入して、被加熱体の温度を測定した。温度測定中、ブロックは同じ位置に維持した。
各加熱調理器A〜Dにおいて、ハーフブリッジ回路に2kWの電力を投入して(投入電力=2kW)、平面コイル23に高周波電流を供給し、ヒータ11a,11bに誘導電流を流して、被加熱体としてのブロックを加熱した。電力入力後、ブロックの温度を継続的に測定し、ブロックの温度が400℃に達したとき、ハーフブリッジ回路への電力入力を停止し、ブロックの温度が300℃まで冷却されるまでブロックの温度測定を続けた。
表1は、各加熱調理器A〜D(キャンセルカバー30およびキャンセルリング40の有無)の加熱中の回路損失とコイル損失を示す。
Figure 2011187405
キャンセルカバー30およびキャンセルリング40の有無により、ハーフブリッジ回路の負荷、すなわちインピーダンスは若干変化するため、ハーフブリッジ回路への投入電力を一定に維持した場合、平面コイル23への出力電流が多少変化し、ひいてはハーフブリッジ回路を構成するスイッチング回路素子の損失や平面コイル23の損失が変化する。表1に示すように、各加熱調理器A〜Dの回路損失のばらつきは8W以下で、コイル損失のばらつきは11W以下であり、回路損失およびコイル損失の合計が最も大きい加熱調理器Aと、最も小さい加熱調理器Dとの損失差は17Wであった。すなわち17Wの損失差は、ハーフブリッジ回路への投入電力が2kWに対して0.85%に過ぎず、無視し得るものであった。
図11は各加熱調理器A〜Dの被加熱体であるブロックの温度上昇の時間推移を示すグラフである。このグラフから明らかなように、ブロックの温度が400℃に達するまでに要する時間は、加熱調理器A、B、Cの順で短かった。加熱調理器Dについては、60分間加熱した後においても、ブロックの温度が400℃に達しなかったので加熱を中止した。ただし、加熱調理器Dのブロックも375℃まで加熱しており、実際の加熱調理器で加熱される食材はせいぜい200℃程度までしか加熱されないので、加熱調理器Dも十分な加熱機能を有するものである。このとき加熱調理器Dが加熱調理器A〜Cに比してより長い調理時間を必要とすることから、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40の少なくとも一方を有する加熱調理器A〜Cは、両方とも有さない加熱調理器Dより電力損失が小さく、加熱効率が改善されることが容易に推認できる。
さらに、より定量的に分析する。図12は、加熱調理器Aのブロック(被加熱体)の温度上昇を100%(基準)として、各加熱調理器A〜Dのブロックの温度上昇比率の時間推移を示すグラフである。このグラフにおいて、ある加熱時間が経過した時、たとえば加熱調理器A内のブロックの温度上昇が100Kで、加熱調理器D内のブロックの温度上昇が90Kであれば、加熱調理器Dの温度上昇比率は90%となる。図12のグラフは、図11に示すブロックの温度上昇から計算により求めた温度上昇比率をプロットしたものであり、測定開始後2分程度経過するまでは、温度上昇比率の時間推移に乱れが大きいのは、ブロックの温度上昇が比較的に小さく、多くの誤差を含むためであると考えられる。なお、加熱調理器Aのブロックが加熱後37分で400℃に達したので、その後の温度上昇比率はプロットしていない。
一般に、各加熱調理器A〜Dのブロックの温度上昇は、ブロックが受容した熱量に比例するものと考えられる。一方、ヒータ11a,11bが加熱庫10内で生じた熱量(入力熱量)は、ブロックを含む加熱庫10内を加熱するだけでなく、加熱庫10の外部にも放熱されるので、ブロックの温度上昇が加熱庫10への入力熱量に完全に線形比例するわけではない。しかし、これを踏まえつつも、ブロックの温度上昇が加熱庫10への入力熱量に比例すると仮定して、各加熱調理器A〜Dのブロックの温度上昇比率をパラメータとして、ヒータ11a,11bによる加熱庫10内で生じた熱量(入力熱量)を比較評価し、これによりキャンセルカバー30およびキャンセルリング40の有無による効果を以下検証する。
各加熱調理器A〜Dのブロックは、いずれも加熱測定開始後12〜14分で200℃に達し(図11)、13分後の時点においてそれぞれ100%,約96.5%,約95%,および約88%の温度上昇比率を示している(図12)。また加熱調理器Aの回路損失とコイル損失の合計は、表1から209Wであり、ヒータ11a,11bから加熱庫10へ入力されるものではない(入力熱量ではない)。したがって、ハーフブリッジ回路への投入電力(2kW)から回路損失とコイル損失を差し引いた電力(2kW−209W=1791W)が、平面コイル23により加熱庫10へ入力され得る最大電力(入力熱量)となる。また回路損失およびコイル損失の他、平面コイル23によりキャンセルリング40およびキャンセルカバー30を誘導加熱する熱量も、ヒータ11a,11bから加熱庫10への入力熱量から除外すべきであるが、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40がアルミニウムや銅などの非磁性金属で構成されていることから、ここでは無視し得る程度に小さいものと仮定する。すなわち加熱調理器Aの入力熱量は1791Wである。
ここで上述のように、ブロックの温度上昇が加熱庫10への入力熱量に比例すると仮定したとき、加熱調理器Aの入力熱量(1791W)に、加熱測定開始後13分後の時点における各加熱調理器B,C,Dの温度上昇比率を乗算したものが、各加熱調理器B,C,Dのヒータ11a,11bにより加熱庫10内で生じた入力熱量であると推定することができる。すなわち各加熱調理器B,C,Dの入力熱量は、温度上昇比率に基づいて、それぞれ1728W、1701W、および1576Wと推定することができる。したがって、加熱庫10への入力電力は、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40の両方を具備する加熱調理器Aに比して、キャンセルリング40だけを設けない加熱調理器Bについては63W、キャンセルカバー30だけを設けない加熱調理器Cについては90W、そしてキャンセルリング40もキャンセルカバー30も有さない加熱調理器Dについては219Wも小さい。これをまとめて、表2を得た。
Figure 2011187405
なお上述のように、各加熱調理器B〜Dの入力熱量の推定に際して、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40の誘導加熱により消費される電力を無視したので、加熱調理器Aと各加熱調理器B〜Dの推定入力熱量との差異(すなわち電力損失)は、実際には、上記のものより小さくなることと考えられるが、キャンセルリング40もキャンセルカバー30も有さない加熱調理器Dの入力熱量は実質的に低減し(200W程度)、漏れ磁束がキャンセルされないことに起因した電力損失は、回路損失およびコイル損失の合計と同等程度となる。したがって上述のように、外向き漏れ磁束および内向き漏れ磁束を打ち消すためのキャンセルカバー30およびキャンセルリング40のうち少なくとも一方、好適には両方をコイルユニット20に配設することにより、食材の加熱に寄与しない漏れ磁束を抑制して、電力損失を低減し、加熱効率を改善することができる。
さらに換言すると、キャンセルカバー30もキャンセルリング40も有さない加熱調理器Dと比較したとき、キャンセルリング40のみを有する加熱調理器Cの推定入力熱量は120W程度改善され、キャンセルカバー30のみを有する加熱調理器Bの推定入力熱量は150W程度改善され、そしてキャンセルカバー30およびキャンセルリング40の両方を有する加熱調理器Aは200W程度向上し、本願発明に係る加熱調理器は、簡便な構成を有するキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を具備することにより、これらを具備しないものに比して顕著な電力損失の低減効果を実現することができる。
実施の形態2.
図13〜図16を参照しながら、本願発明に係る実施の形態2による加熱調理器1について以下に説明する。実施の形態2による加熱調理器1は、異なる形状を有するキャンセルカバー30またはコイルユニット20を有する点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図13は、本願発明に係る実施の形態2のキャンセルカバー30およびコイルユニット20を後方から見た斜視図である。図13に示すキャンセルカバー30は、実施の形態1のものとは異なり、背壁32に貫通孔31が設けられていない。しかしこのキャンセルカバー30は、実施の形態1と同様、高導電率を有する非磁性金属からなる一枚の金属板をコ字状に折れ曲げることにより構成され、背壁32と、背壁32から水平方向に延びる一対の脚壁33a,33bとを有し、各脚壁33a,33bは、磁性体25a,25bの一部を包囲し、背壁32とともに閉回路を形成している。したがって、このキャンセルカバー30も磁性体25a,25bから生じた外向き漏れ磁束を相殺して、電力損失を低減し、電力変換効率を改善することができる。
なお詳細図示しないが、キャンセルカバー30は、背壁32および脚壁33a,33bに直交する側面にも側壁を設けて、コイルユニット20に面する開口部を有する箱状のキャンセルカバーに形成することもできる。
また図14に示すように、キャンセルカバー30は、背壁32および脚壁33a,33bに直交する側面にも側壁35を設け、背壁32を省略した構造を有するものであってもよい。すなわち平面コイル23の周囲をアルミニウムおよび銅等の高導電率を有する非磁性金属を用いて形成されたリボン状のリングで取り巻くようにキャンセルカバー30を設けてもよい。このように構成された場合でも、実施の形態1と同様、外向き漏れ磁束を効率的にキャンセルして、電力損失を低減することができる。
図15および図16は、実施の形態2のキャンセルリング40およびコイルユニット20を前方から見た斜視図である。図15に示すキャンセルリング40は、高導電率を有する非磁性金属からなる電気的な閉回路を形成するために、加熱庫10の後壁13bのユニット開口部16の周りのみならず、断熱基板22の凹部21a,21bの間にも延びるように配設されている。このキャンセルリング40は、実施の形態1のものと同様、磁性体25a,25bの側部28a,28bから生じる内向き漏れ磁束を相殺することにより、電力損失を低減し、加熱効率を改善することができる。
図16に示すキャンセルリング40は、実施の形態1のキャンセルリング40の上端41aおよび下端41bから水平方向に延びる上側および下側ウィング42a,42bを有し、磁性体25a,25bの上方および下方を覆うように構成されている。すなわち、図16に示すキャンセルリング40は、キャンセルカバー30の一部の機能を兼ね備えるものであり、内向き漏れ磁束だけでなく外向き漏れ磁束をキャンセルして電力損失を低減することができる。図示しないが、このキャンセルリング40は、図14と同様、側面にも側壁を有するものであってもよい。
実施の形態3.
図17および図18を参照しながら、本願発明に係る実施の形態3による加熱調理器1について以下に説明する。実施の形態1のコイルユニット20は加熱庫10の後壁13bのユニット開口部16に設けたが、実施の形態3による加熱調理器1は、一対のコイルユニット20を加熱庫10の左右の側壁37a,37bに設けたユニット開口部16に嵌合した点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図17は、実施の形態3による加熱調理器1を、図1の切断面に対して垂直な切断面において前壁13aから後壁13bに向かって見た断面図である。また図18は図10に示すヒータ11a,11b、平面コイル23a,23bおよび磁性体25a,25bのみを前方から見た斜視図である。図18は、平面コイル23a,23bに流れる高周波電流と、左右の平面コイル23a,23bの高周波磁束により電磁誘導される誘導電流の方向を示す。
実施の形態3の加熱調理器1は、上記実施の形態と同様、各磁性体25の開口部24に着脱可能に収容されたヒータ11a,11bに電磁誘導による誘導電流を流すことにより、食材を加熱調理することができる。また実施の形態3の加熱調理器1は、左右両側のコイルユニット20の周辺にキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を設けることにより、特に加熱庫10の壁部14および加熱調理器1の外枠筐体15が磁性材料で構成された場合に、外向きおよび内向きの漏れ磁束により誘導加熱されることを防止し、加熱効率を向上させることができる。
なお言うまでもないが、コイルユニット20は、実施の形態1では加熱庫の後壁13bのユニット開口部16、実施の形態3では加熱庫10の左右側壁37a,37bのユニット開口部16に配設されるものとして説明したが、加熱庫10の前壁13aまたは上壁12aあるいは下壁12bに設けたユニット開口部16に嵌合するものであってもよく、キャンセルカバー30およびキャンセルリング40を設けることで同様に加熱効率を改善することができる。
実施の形態4.
図19を参照しながら、本願発明に係る実施の形態4による加熱調理器1について以下に説明する。実施の形態4による加熱調理器1は、磁性体25a,25bがコ字状の断面形状を有する代わりに、C字状の断面形状を有する点を除いて、上記実施の形態の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図19は、実施の形態4のコイルユニット20を示す図3と同様の断面図である。図示のように、実施の形態4の磁性体25a,25bは、より長く延びた基部27と、これより平行に延びる一対の側部28a,28bと、各側部28a,28bから互いに向かって延びる対向部29a,29bとを含み、コ字状ではなく、C字状の断面形状を有する。このように構成された磁性体25a,25bにおいて、平面コイル23により形成された高周波磁束は、磁気抵抗の小さい磁性体25a,25b内を通り、対向部29a,29b間の距離が側部28a,28b間の距離より短いため、より多くの磁束が対向部29a,29b間を通る。一方、ヒータ11a,11bは、磁性体25a,25bの開口部24内であって、対向部29a,29bより外側(平面コイル23により近接する側)に収容される。したがって、実施の形態4の加熱調理器1は、実施の形態1に比して、より多くの磁束がヒータ11a,11bを貫通することなく鎖交するので、より多くの誘導電流が生じ、ヒータ11a,11bの低抵抗部19aにおける渦電流による誘導加熱を抑制して、平面コイル23が高温となることを防止するとともに、ヒータ11a,11b全体から食材への加熱効率を増大することができる。
なお、図19に示す磁性体25a,25bは、対向部29a,29bが一対の側部28a,28bの両方から延びているが、これに限定されるものではなく、対向部29a,29bのうちの一方を有するものであってもよい。このとき、同様にキャンセルカバー30およびキャンセルリング40を設けることにより、外向きおよび内向きの漏れ磁束を遮断して、加熱調理器1の外枠筐体15および加熱庫10の壁部14が誘導加熱されることを防止し、電力損失を抑制することができる。さらに図示のように、磁性体25a,25bの側部28a,28bから生じる外向き漏れ磁束を確実に相殺するために、キャンセルカバー30の脚壁33a,33bは、好適には、磁性体25の開口部24を越えて加熱庫10に向かって(図6のA−B線より加熱庫10の方へ)延びるように構成される。
実施の形態5.
図20を参照しながら、本願発明に係る実施の形態5による加熱調理器1について以下に説明する。実施の形態5による加熱調理器1は、平面コイル23の代わりソレノイド状のコイル38を有する点を除いて、上記実施の形態の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図20は、実施の形態5のコイルユニット20を示す図3と同様の断面図である。実施の形態1の平面コイル23は、加熱庫10の後壁13bに平行な平面上に(後壁13bに垂直な方向に延びる中心軸の周りに)捲回することにより形成されるものであるが、図20に示すように、実施の形態5のコイル38は、各磁性体25の基部27の周りに(後壁13bに平行な方向に延びる中心軸の周りに)捲回することにより形成されるものである。このように磁性体25のそれぞれに独立して捲回されるコイルを、以下「ソレノイドコイル」という。すなわち上側ヒータ11aおよび下側ヒータ11bに誘導電流を電磁誘導するソレノイドコイル38a,38bのそれぞれは、独立して制御可能であり、上側ヒータ11aおよび下側ヒータ11bを選択的に用いて食材を加熱調理することができる。このとき、同様にキャンセルリング40およびキャンセルカバー30を配設して、漏れ磁束を遮断し、電力損失を抑制することができる。さらに図示のように、磁性体25a,25bの側部28a,28bから生じる外向き漏れ磁束を確実に相殺するために、キャンセルカバー30の脚壁33a,33bは、好適には、磁性体25a,25bの開口部24を越えて加熱庫10に向かって(図6のA−B線より加熱庫10の方へ)延びるように構成される。
10:加熱庫(箱状筐体)、11:ヒータ、12a:上壁、12b:下壁、13a:前壁、13b:後壁、15:外枠筐体、16:ユニット開口部、17:脂受け皿、18:焼き網18、19a:低抵抗部、19b:高抵抗部、
20:コイルユニット、21:凹部、22:断熱基板、23:平面コイル、24:開口部、25:磁性体、26:断熱材、27:基部、28:側部、29:対向部、
30:キャンセルカバー、31:貫通孔、32:背壁、33:脚壁、34:冷却ファン、35:側壁、38:ソレノイドコイル、
40:キャンセルリング、41a:上端、41b:下端、42:ウィング。

Claims (9)

  1. 加熱庫と、
    前記加熱庫の内部に配置された電気的に閉じた導電体からなるヒータと、
    前記加熱庫の外部に配置されたコイルと、
    前記コイルに高周波電流を供給する電源回路と、
    前記コイルから生じる高周波磁束が前記ヒータと鎖交するように配置された磁性体と、
    前記磁性体の一部を包囲するように前記加熱庫の外部に配置されたキャンセルカバー、および前記加熱庫と前記磁性体との間に配置されたキャンセルリングのうちの少なくともいずれか一方とを備えたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 加熱庫は磁性材料からなり、
    キャンセルリングおよびキャンセルカバーは非磁性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 磁性体は、ヒータの一部を収容するための開口部を有し、コ字状またはC字状の断面形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. キャンセルカバーは、背壁と、これより延びる脚壁とを有し、
    前記キャンセルカバーの脚壁は、磁性体の開口部を越えて加熱庫に向かって延びることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
  5. 冷却ファンが背壁の貫通孔に配設され、キャンセルカバーが風洞を構成することを特徴とする請求項4に記載の加熱調理器。
  6. コイルは、加熱庫の壁部に垂直な方向に延びる中心軸の周りに捲回してなる平面コイル、または前記加熱庫の前記壁部に平行な方向に延びる中心軸の周りに捲回してなるソレノイドコイルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の加熱調理器。
  7. ヒータは、低抵抗部および高抵抗部からなり、
    コイルから生じる高周波磁束は、前記低抵抗部と鎖交することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の加熱調理器。
  8. 低抵抗部および高抵抗部は、それぞれ中実および中空の金属で形成されることを特徴とする請求項7に記載の加熱調理器。
  9. ヒータは加熱庫に対し着脱可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の加熱調理器。
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